JP6752630B2 - ウェビング巻取装置 - Google Patents
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Description
図2に示すフレーム12は、車両の図示しないセンターピラーの車両上下方向の下側部分に固定されている。また、フレーム12は、一例として、車両上下方向に見て四角筒状に形成されている。具体的には、フレーム12は、略車両前後方向に沿って対向する脚板12A及び脚板12Bと、略車幅方向に沿って対向する背板12C及び前板12Dとを有している。背板12C及び前板12Dは、脚板12Aの車幅方向の両側端部と脚板12Bの車幅方向の両側端部とを繋いでいる。
図3に示すスプール14は、フレーム12(図2参照)に設けられた状態において、軸方向が略車両前後方向に沿った中心軸線K周りに回転可能とされている。また、スプール14には、長尺帯状のウェビング16の長手方向基端部が係止されている。そして、スプール14が巻取方向(矢印A方向)へ回転されることによって、ウェビング16が長手方向基端側からスプール14に巻取られるようになっている。
図1に示すフレーム12よりも車両前後方向の前側には、スプリングハウジング36が設けられている。スプリングハウジング36の内側には、図示しないぜんまいばね等のスプール付勢手段が設けられている。そして、スプール14は、スプール付勢手段の付勢力によってウェビング16の巻取方向(図3に示す矢印A方向)へ付勢されている。また、フレーム12よりも車両前後方向の後側には、ロック機構37が設けられている。
図3に示すように、ロック機構37は、ロックベース38と、ロックベース38に設けられたロックパウル42と、車両衝突時等の車両緊急時に作動される図示しないセンサ機構とを有している。ロックベース38は、スプール14の軸方向一端側(車両前後方向の後側)に設けられている。ここで、図示しないセンサ機構が作動されると、ロックパウル42が、ロックベース38の径方向の外側へ移動され、ロックパウル42が、後述するカバー部材26のラチェット孔26E(図2参照)の歯に噛合うようになっている。この噛合いにより、ロックベース38は、車両緊急時にウェビング16の巻取方向とは反対方向となる引出方向(矢印B方向)への回転が制限される。
スプール14の軸心部には、軸部としてのトーションシャフト18が収容されている。トーションシャフト18は、略車両前後方向を軸方向とする円柱状に形成されている。トーションシャフト18の軸方向の一端部(車両前後方向の前側の部位)は、スプール14に対する相対回転が阻止された状態でスプール14に保持されている。トーションシャフト18の軸方向の他端部(車両前後方向の後側の部位)は、後述するピニオン24を介してロックベース38に繋がっている。ロックベース38は、ピニオン24及びトーションシャフト18によってスプール14に対する相対回転が阻止された状態で、スプール14に繋がっている。
ピニオン24は、フレーム12(図1参照)よりも車両前後方向の後側でかつ後述するカバー部材26(図1参照)よりも車両前後方向の前側に配置されている。また、ピニオン24は、略車両前後方向を軸方向として、トーションシャフト18及びロックベース38に連結(固定)されている。さらに、ピニオン24の外周には、歯部25が形成されている。歯部25は、複数の係合歯25Aにより構成されている。
図2に示すように、フレーム12の後面17には、取付部材の一例としてのカバー部材26が取付けられている。カバー部材26は、リベット21A及びリベット21Bを用いて、フレーム12の脚板12Aに車両前後方向の後側から重ねられ固定される。具体的には、カバー部材26は、後壁部26A、周壁部26B、パイプ取付部26C及びフランジ部26Dを有している。また、カバー部材26は、パイプ28から進出した後述するラック32を移動可能に収容する機能を有している。
図2に示すように、フレーム12の脚板12Aには、パイプ28が取付けられている。パイプ28は、円筒状に形成されている。パイプ28の内径は、後述するラック32を収容すると共にラック32が自軸方向に移動可能となるように、ラック32の外径よりも大きくなっている。また、パイプ28は、一例として、3箇所で屈曲されている。具体的には、パイプ28は、基端部28A、第1曲部28B、第2曲部28C、直線部28D、第3曲部28E及び装着部28Fを備えている。なお、パイプ28を構成する各部の配置の説明では、パイプ28がフレーム12に取付けられた配置状態で説明する。
図2に示すラック32は、合成樹脂製とされ、ロックベース38及びピニオン24(図3参照)よりも軟質の材料で円柱状(棒状)に形成されている。また、ラック32は、パイプ28の内側に自軸方向が移動方向となるように収容されている。なお、パイプ28の内側において、ラック32とマイクロガスジェネレータ34との間には、シールボール44が配置されている。図4(B)に示すように、ラック32は、移動方向(軸方向)と交差する断面の形状が円形となっている。
図2に示すマイクロガスジェネレータ34は、制御手段としてのECU(Electronic Control Unit)を介して車両に設けられた図示しない衝突検知センサに電気的に接続されている。そして、車両衝突時の衝撃が衝突検知センサによって検知されると、ECUによってマイクロガスジェネレータ34が作動され、マイクロガスジェネレータ34において発生されたガスが、パイプ28の内側へ供給されるようになっている。つまり、マイクロガスジェネレータ34は、流体供給手段の一態様であるガス発生手段である。
図6(A)には、本実施形態のラック32と比較例のラック200とについて、ピニオン24の係合歯25Aとの接触状態(ピニオン24が回転する前の状態)が示されている。ラック32は実線で示され、ラック200は二点鎖線で示されている。なお、車両上下方向は、ピニオン24の回転の軌跡Mの接線方向のうちの1つの方向に相当する。
次に、本実施形態のウェビング巻取装置10の作用及び効果について説明する。
図1に示すウェビング巻取装置10では、図示しない車両の緊急時の一態様である車両衝突時において、ロックパウル42がラチェット孔26E(図2参照)のラチェット歯に噛合った場合に、ロックベース38の引出方向への回転が制限される。また、車両衝突時にECUによってマイクロガスジェネレータ34(図2参照)が作動されると、マイクロガスジェネレータ34からパイプ28の内側へ高圧のガスが瞬時に供給される。このガスの圧力によって、図2に示すパイプ28の内側のラック32が移動し、パイプ28の軸方向先端側からラック32が排出される。そして、排出されたラック32が、図3に示すピニオン24の係合歯25Aを押圧すると、ピニオン24が巻取方向へ回転される。ピニオン24が巻取方向へ回転されると、スプール14が巻取方向(矢印A方向)へ回転される。これにより、ウェビング16がスプール14に巻取られて、ウェビング16による乗員の拘束力が増加される。
図5に示すように、マイクロガスジェネレータ34(図2参照)のガスの圧力が作用することによって、ラック32の先端部32Aを除く部位は、パイプ28により既述の設定方向(略車両上下方向)に案内されて移動する。これにより、ラック32の先端部32Aが、パイプ28から車両上下方向の下側へ進出される。そして、先端部32Aは、ピニオン24における最も近い位置にある係合歯25Aと接触する。
第1曲部28Bの第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2よりも大きくてもよい。この場合は、ラック32の先端部32Aを予め曲げて塑性変形させておき、ラック32の曲げていない部位をパイプ28の開口部31から内側へ挿入させればよい。また、ラック32は、1本の棒状のものに限らず、小さな円柱状のラック部材を軸方向に複数並べたものであってもよい。ラック部材を複数並べた場合は、ピニオン24に最も近いラック部材を曲げればよい。さらに、ラック32は、移動方向と直交する断面の形状が円形に限らず、正多角形状や非対称な多角形状であってもよい。
14 スプール
16 ウェビング
24 ピニオン(回転部材の一例)
25 歯部
26 カバー部材(案内部材の一例)
28 パイプ(案内部材の一例)
28B 第1曲部(曲部の一例)
32 ラック(移動部材の一例)
32A 先端部
R1 第1曲率半径
R2 第2曲率半径
Claims (3)
- 回転してウェビングを巻取るスプールと、
外周に歯部が形成され、回転させられることで前記スプールに回転力を付与する回転部材と、
先端側からの移動により前記歯部と接触して前記回転部材を回転させる移動部材と、
前記移動部材を案内して設定方向に排出することで前記移動部材が前記回転部材と初めて接触可能となると共に、前記移動部材の先端部が排出された状態において前記移動部材の曲がり形状により前記先端部の軸方向が前記設定方向に対して前記回転部材の回転中心側に傾いている案内部材と、
を有するウェビング巻取装置。 - 前記移動部材は、棒状に形成され、
前記案内部材は、軸方向に対して曲げられた曲部を備え、前記移動部材の先端側が前記曲部を通過されて前記移動部材を移動可能に収容する筒状に形成され、
前記曲部の第1曲率半径は、前記移動部材の変形が弾性限界となるときの前記移動部材の第2曲率半径よりも小さい請求項1に記載のウェビング巻取装置。 - 前記移動部材の移動方向と直交する断面の形状は、円形である請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置。
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Family Applications (1)
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