JP7232700B2 - プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置 - Google Patents

プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置 Download PDF

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本発明は、プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置に関し、特に、ロッド状の動力伝達部材を含む構成に適した、プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置に関する。
自動車等の車両には、一般に、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えたシートに乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。かかるシートベルト装置は、乗員を拘束するウェビングと、ウェビングの巻き取りを行うリトラクタと、シートの側面に配置されたバックルと、ウェビングに配置されたトングとを含み、トングをバックルに嵌着させることによってウェビングにより乗員をシートに拘束している。また、リトラクタは、車両衝突時等の緊急時にウェビングの弛みを除去するプリテンショナを有していることが一般的になってきている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたプリテンショナは、ウェビングの巻き取りを行うスプール(14)に配置されたリングギア(24)と、緊急時にリングギア(24)に動力を伝達する動力伝達手段(16)と、を備え、動力伝達手段(16)は、塑性変形しながらリングギア(24)に動力を伝達するロッド状の動力伝達部材(22)と、動力伝達部材(22)を収容するパイプ(20)と、パイプ(20)の端部に配置されたガス発生器(18)と、を備えている。
国際公開第2012/143090号
特許文献1に記載したような、ロッド状の動力伝達部材を採用したプリテンショナは、駆動初期段階では動力伝達部材がリングギアに最初に衝突する際において最も負荷が高いことから、動力伝達部材は所定の太さ(強度)が必要になる。一方で、ロッド部材全体を太くしてしまうと、定常駆動段階に移行するに連れて、動力伝達部材に対するリングギアの食い込み深さが増加して抵抗が増加してしまう。また、動力伝達部材が曲がり難くなることから、動力伝達部材がパイプ内を摺動するときの抵抗も増大することとなる。
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、駆動初期段階における動力伝達部材の強度確保及び定常駆動段階における動力伝達部材の抵抗要因の低減を両立させることができる、プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールに接続されたリングギアと、緊急時に前記リングギアに動力を伝達する動力伝達装置と、を含むプリテンショナにおいて、前記動力伝達装置は、塑性変形しながら前記リングギアに動力を伝達するロッド状の動力伝達部材と、該動力伝達部材を前記リングギアに案内する湾曲した案内面を備えたガイド部材と、を含み、前記動力伝達部材は、駆動時に前記リングギアの歯に衝突する先端部と、駆動時に前記リングギアの歯が食い込む本体部と、備え、前記先端部の曲率半径は、前記案内面の曲率半径よりも大きく、前記本体部の曲率半径は、前記案内面の曲率半径以下の大きさである、ことを特徴とするプリテンショナが提供される。
前記ガイド部材は、前記スプールを囲うベースフレームに固定されるガイドブロックであってもよい。また、前記ガイド部材は、前記リングギアの外周を囲うプリテンショナカバーの少なくとも一部を含む構成であってもよい。また、前記先端部の軸方向長さは、前記リングギアのピッチよりも小さく形成されていてもよい。
また、本発明によれば、上述したプリテンショナを備えることを特徴とするリトラクタ及びシートベルト装置が提供される。
上述した本発明に係るプリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置によれば、動力伝達部材の先端部の曲率半径をガイド部材の案内面の曲率半径よりも大きく形成したことにより、動力伝達部材の先端部がガイド部材の案内面を通過する際は、案内面から持ち上げられた状態となる。したがって、本発明によれば、動力伝達部材の先端部をリングギアの歯の根元側に接近させた状態で衝突させることができ、動力伝達部材の先端部における受圧面積を大きくすることができ、動力伝達部材の先端部の強度を確保することができる。
また、動力伝達部材の本体部の曲率半径をガイド部材の案内面の曲率半径以下の大きさに形成したことにより、動力伝達部材にリングギアの歯が食い込んだ後の定常駆動段階では、動力伝達部材の本体部がガイド部材の案内面に沿って摺動しながら通過することとなる。したがって、本発明によれば、リングギアの歯の食い込み深さを浅くすることができるとともに、動力伝達部材をパイプ内で曲がり易くすることができ、動力伝達部材の抵抗要因を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。 動力伝達部材の先端部の形状を示す図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、(C)は第三例、(D)は第四例、(E)は第五例、を示している。 図1に示したガイド部材の拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図、(C)は図3(B)におけるC矢視図、である。 プリテンショナの動作を示す図であり、(A)は駆動前状態、(B)は駆動初期状態、(C)は駆動完了状態、を示している。 ガイド部材の作用を示す説明図であり、(A)は先端部通過時、(B)は本体部通過時、を示している。 ガイド部材の変形例を示す図であり、(A)はプリテンショナの駆動前状態、(B)はプリテンショナの駆動初期状態、を示している。 本発明の一実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図1~図7を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。図2は、動力伝達部材の先端部の形状を示す図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、(C)は第三例、(D)は第四例、(E)は第五例、を示している。図3は、図1に示したガイド部材の拡大図であり、(A)は斜視図、(B)は縦断面図、(C)は図3(B)におけるC矢視図、である。なお、図2(A)~図2(E)において、左図は動力伝達部材の正面図、右図は動力伝達部材の部分側面図、を示している。
本発明の一実施形態に係るリトラクタ1は、図1に示したように、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプール2と、緊急時にウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナ3と、を含み、プリテンショナ3は、スプール2に接続されたリングギア31と、緊急時にリングギア31に動力を伝達する動力伝達装置32と、を含み、動力伝達装置32は、塑性変形しながらリングギア31に動力を伝達するロッド状の動力伝達部材33と、動力伝達部材33をリングギア31に案内する湾曲した案内面34aを備えたガイド部材34と、を含んでいる。なお、図1において、ウェビングの図は省略してある。
スプール2は、ウェビングを巻き取る巻胴であり、リトラクタ1の骨格を形成するベースフレーム11内に回転可能に収容されている。ベースフレーム11は、例えば、対峙する一対の第一端面111及び第二端面112と、これらの端面を連結する側面113と、を有している。ベースフレーム11は、側面113と対峙し第一端面111及び第二端面112に接続されるタイプレート114を有していてもよい。
また、例えば、第一端面111側にスプリングユニット4が配置され、第二端面112側にプリテンショナ3及びロック機構5が配置される。なお、スプリングユニット4、プリテンショナ3、ロック機構5等の配置は、図示した構成に限定されるものではない。
また、ベースフレーム11の第一端面111には、スプール2の軸部を挿通する開口部111aが形成されており、ベースフレーム11の第二端面112には、ロック機構5のパウル(図示せず)と係合可能な内歯を有する開口部112aが形成されている。また、ベースフレーム11の第二端面112の内側には、プリテンショナ3の一部(例えば、リングギア31等)が配置される。また、ベースフレーム11の第二端面112の外側にはロック機構5が配置され、ロック機構5はリテーナカバー51内に収容される。
リテーナカバー51には、車体の急減速や傾きを検出するビークルセンサ6が配置されていてもよい。ビークルセンサ6は、例えば、球形の質量体と、質量体の移動によって揺動されるセンサレバーと、を有している。ビークルセンサ6は、ベースフレーム11の第二端面112に形成した開口部112bに嵌め込まれて固定される。
スプール2は、中心部に空洞を有し、軸心を形成するトーションバー21が挿通されていてもよい。トーションバー21は、例えば、第一端部がスプール2の端部に接続されたロック機構5のロッキングベース52に接続されており、第二端部がスプリングユニット4のスプリングコアに接続されている。
したがって、スプール2は、ロッキングベース52及びトーションバー21を介して、スプリングユニット4に接続されており、スプリングユニット4に格納されたゼンマイバネによりウェビングを巻き取る方向に付勢されている。
なお、トーションバー21の第一端部は、ロッキングベース52を介さずにスプール2に接続されていてもよい。また、トーションバー21の第二端部は、スプール2の空洞内に固定されスプール2の端面に形成された突起がスプリングユニット4に接続されていてもよい。また、スプール2に巻き取り力を付与する手段は、スプリングユニット4に限定されるものではなく、電動モータ等を用いた他の手段であってもよい。
ロッキングベース52は、その側面部から出没可能に配置されたパウル(図示せず)を備えている。ロック機構5の作動時には、パウルをロッキングベース52の側面部から突出させることにより、ベースフレーム11の開口部112aに形成された内歯に係合させ、ロッキングベース52のウェビング引き出し方向の回転を拘束する。
したがって、ロック機構5が作動した状態で、ウェビング引き出し方向に荷重が負荷された場合であっても、トーションバー21に閾値以上の荷重が生じるまでは、スプール2を非回転状態に保持することができる。そして、トーションバー21に閾値以上の荷重が生じた場合には、トーションバー21が捻れることによって、スプール2が相対的に回転運動を生じ、ウェビングが引き出される。
また、ロック機構5は、ロッキングベース52に隣接するように配置されたロックギア53を備えている。ロックギア53は、揺動可能に配置されたフライホイール(図示せず)を備えており、ウェビングが通常の引き出し速度よりも早い場合には、フライホイールが揺動してリテーナカバー51に形成された内歯(図示せず)に係合する。また、ビークルセンサ6が作動した場合には、そのセンサレバーがロックギア53の側面に形成された外歯に係合する。
このように、ロックギア53は、フライホイール又はビークルセンサ6の作動により回転が規制される。そして、ロックギア53の回転が規制されると、ロッキングベース52とロックギア53との間に相対回転が生じ、この相対回転に伴ってパウルがロッキングベース52の側面部から突出し、ベースフレーム11の開口部112aに形成された内歯に係合する。
なお、ロック機構5は、図示した構成に限定されるものではなく、従来から存在している種々の構成のものを任意に選択して使用することができる。
プリテンショナ3は、例えば、スプール2と同軸上に配置されたリングギア31と、リングギア31を回転させる動力伝達装置32と、リングギア31を格納するプリテンショナカバー35と、動力伝達部材33の移動空間を形成するガイドスペーサ36と、リングギア31と動力伝達部材33との噛合開始部に配置されたガイド部材34と、を備えている。
プリテンショナカバー35は、例えば、ベースフレーム11の第二端面112の内側に配置され、ガイドスペーサ36はプリテンショナカバー35内に収容される。リングギア31は、ガイドスペーサ36によって確保されたプリテンショナカバー35と第二端面112との間の空間に位置するように配置される。
リングギア31は、例えば、ロッキングベース52の軸部に固定される。リングギア31は、径方向外方に突出するように形成された複数の歯31aを有している。なお、リングギア31はピニオンギアや駆動輪と呼ぶこともある。なお、図示しないが、リングギア31、プリテンショナカバー35及びガイドスペーサ36は、第二端面112の外側に配置するようにしてもよい。
動力伝達装置32は、例えば、塑性変形しながらリングギア31に動力を伝達するロッド状の動力伝達部材33と、動力伝達部材33を収容するパイプ37と、パイプ37の端部に配置されたガス発生器38と、パイプ37内を摺動するピストン39と、を備えている。
パイプ37は、先端がリングギア31の歯31aに臨む位置に配置されており、後端側は動力伝達部材33の移動に必要な長さ分だけ延伸されており、リトラクタ1の外形に沿って湾曲するように形成されている。パイプ37の先端には、動力伝達部材33を外部に放出するための開口部37aが形成されている。また、パイプ37の先端部には、開口部37aに連通する切欠部37bが形成されていてもよい。
また、パイプ37の先端部は、固定ピン37cを挿通可能な孔37dが形成されており、固定ピン37cによってベースフレーム11の第二端面112に固定される。また、パイプ37の先端にガイド部材34を挿入した場合には、ガイド部材34及びパイプ37は固定ピン37eによって、ベースフレーム11の側面113に固定するようにしてもよい。
動力伝達部材33は、例えば、樹脂製の細長い形状(ロッド状)を有しており、パイプ37内に収容されている。動力伝達部材33は、駆動時にリングギア31の歯31aに衝突する先端部33aと、駆動時にリングギア31の歯31aが食い込む本体部33bと、備え、先端部33aは本体部33bよりも太く形成されている。
すなわち、先端部33aの曲率半径Raは本体部33bの曲率半径Rbよりも大きく形成されている。また、先端部33aは、動力伝達部材33の一部を拡径したものであり、本体部33bと同じ素材により構成されている。
ここで、図2(A)~図2(E)を参照しつつ、先端部33aの形状について説明する。なお、各図に示した先端部33aの形状は単なる一例であり、図示した形状に限定されるものではない。
図2(A)に示した動力伝達部材33は、円柱形状に形成した先端部33aの前縁部及び後縁部にテーパ面33cを形成したものである。先端部33a及び本体部33bは同一軸心線上に形成されている。また、図2(B)に示した動力伝達部材33は、円柱形状に形成した先端部33aの後縁部にのみテーパ面33cを形成したものである。
図2(C)に示した動力伝達部材33は、図2(B)に示した先端部33aと本体部33bとの軸心を偏心させたものである。ここでは、先端部33a及び本体部33bの上縁が一致するように軸心を偏心させているが、先端部33a及び本体部33bの下縁が一致するように軸心を偏心させてもよい。
図2(D)に示した動力伝達部材33は、先端部33aを円錐台形状に形成したものである。この場合、先端部33aの曲率半径Raは、後縁から前縁に向かって徐々に大きくなるように形成されている。このように先端部33aは少なくとも一部に本体部33bよりも曲率半径の大きな部分を有していればよい。
図2(E)に示した動力伝達部材33は、先端部33aの外周面に波型の凹凸面を形成したものである。このように、先端部33aの外周面に凹凸を有する場合、先端部33aの曲率半径Raは外接円Cによって規定されるものとする。
なお、先端部33aは、動力伝達部材33の軸方向に対する長さがリングギア31のピッチ(隣接する歯31aの先端部間の距離)よりも小さく形成されている。かかる構成により、本体部33bに食い込むリングギア31の歯31aと先端部33aとの干渉を回避することができる。
ガイド部材34は、例えば、図1及び図3(A)に示したように、ベースフレーム11に固定されるガイドブロックである。ガイド部材34は、例えば、プリテンショナ3の作動時に動力伝達部材33の先端部33aをリングギア31の歯31aに衝突するように案内する案内面34aと、パイプ37の先端に挿入される本体部34bと、パイプ37の先端に形成された切欠部37bに挿通される凸部34cと、を備えている。
本体部34bは、パイプ37の先端部に挿入可能な柱状形状を有しており、側面部にパイプ37を固定する固定ピン37cを挿通可能な孔34dが形成されている。また、本体部34bの背面部には、図3(B)に示したように、ガイド部材34を固定する固定ピン37eを挿入可能な穴34eが形成されていてもよい。また、凸部34cと切欠部37bとは、キーとキー溝の関係を有するものであり、パイプ37に対するガイド部材34の位置決めを行う部分である。
また、ガイド部材34は、動力伝達部材33が歯31aに衝突した際に生じる衝撃を受け止める部品でもある。したがって、ガイド部材34は、動力伝達部材33の歯31aへの衝突時に生じる荷重に耐え得る強度を有していれば、樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。
案内面34aは、ガイド部材34に向かって直進してきた動力伝達部材33をパイプ37の開口部37aから外部に放出するように案内する湾曲した斜面によって構成されている。案内面34aは、図3(C)に示したように、動力伝達部材33の外周面に沿うように湾曲しており、所定の曲率半径Rcを有している。
本実施形態に係るリトラクタ1及びプリテンショナ3は、動力伝達部材33の先端部33aの曲率半径Raが案内面34aの曲率半径Rcよりも大きく、動力伝達部材33の本体部33bの曲率半径Rbが案内面34aの曲率半径Rc以下の大きさであることを特徴としている。
すなわち、本実施形態において、曲率半径Ra,Rb,Rcは、Ra>Rc≧Rbの関係を有している。本体部33bの曲率半径Rbは、案内面34aの曲率半径Rcと同じ大きさであってもよいし、それよりも小さい大きさであってもよい。
次に、プリテンショナ3の動作について、図4(A)~図5(B)を参照しつつ説明する。ここで、図4は、プリテンショナの動作を示す図であり、(A)は駆動前状態、(B)は駆動初期状態、(C)は駆動完了状態、を示している。図5は、ガイド部材の作用を示す説明図であり、(A)は先端部通過時、(B)は本体部通過時、を示している。
上述した動力伝達装置32は、駆動前状態(プリテンショナ3の非作動時)には、図4(A)に示したように、パイプ37内に動力伝達部材33が収容された状態が保持されている。そして、車両衝突時等の緊急時(プリテンショナ3の作動時)には、ガス発生器38により供給されるガスによって、動力伝達部材33がパイプ37内で押し出される。
パイプ37内で押し出された動力伝達部材33は、図4(B)に示したように、ガイド部材34の案内面34aに沿って移動し、先端部33aがリングギア31の歯31aに衝突する。本実施形態において、動力伝達部材33の先端部33aがリングギア31の歯31aに衝突した状態を駆動初期状態と称する。
上述したように、動力伝達部材33の先端部33aの曲率半径Raは案内面34aの曲率半径Rcよりも大きく形成されている。したがって、動力伝達部材33の先端部33aがガイド部材34の案内面34aに沿って通過する際には、図5(A)に示したように、先端部33aは案内面34aの両側部(エッジ部)によって案内面34aの中間部から浮いた状態(先端部33aと案内面34aの中間部との間に隙間が空いた状態)に支持されて案内される。
このように、本実施形態では、動力伝達部材33の先端部33aがガイド部材34の案内面34aを通過する際は、案内面34aから持ち上げられた状態となる。したがって、動力伝達部材33の先端部33aをリングギア31の歯31aの根元側に接近した状態で衝突させることができ、動力伝達部材33の先端部33aにおける受圧面積(図5(A)において灰色に塗り潰した部分の面積)を大きくすることができ、動力伝達部材33の先端部33aの強度を確保することができる。
その後、動力伝達部材33の先端部33aがガイド部材34を通過すると、動力伝達部材33の本体部33bにリングギア31の歯31aが食い込み、動力伝達部材33の移動に伴ってリングギア31が回転する。また、リングギア31を抜けた動力伝達部材33は、プリテンショナカバー35及びガイドスペーサ36によって形成された空間(通路)に押し出される。
なお、本実施形態において、動力伝達部材33の先端部33aがリングギア31から解放され、4~5本程度の歯31aが動力伝達部材33の本体部33bに食い込みながらリングギア31を回転させる状態を定常駆動状態と称する。
かかる定常駆動段階では、動力伝達部材33の本体部33bがガイド部材34の案内面34aに沿って摺動しながら通過することとなる。このとき、動力伝達部材33の本体部33bの曲率半径Rbは案内面34aの曲率半径Rc以下の大きさに形成されている。
したがって、動力伝達部材33の本体部33bがガイド部材34の案内面34aに沿って通過する際には、図5(B)に示したように、本体部33bは案内面34aの中間部に接触した状態(先端部33aと案内面34aの中間部との間に隙間が空いていない状態)に支持されて案内される。
このように、本体部33bの曲率半径Rbを案内面34aの曲率半径Rc以下の大きさに設定することにより、動力伝達部材33の本体部33bをリングギア31の歯31aの根元側から離隔させることができ、歯31aの食い込み深さを浅くすることができる。また、本体部33bを先端部33aよりも細く形成したことにより、動力伝達部材33をパイプ37内で曲がり易くすることができる。したがって、本実施形態によれば、動力伝達部材33の抵抗要因を低減することができる。
最終的に、プリテンショナ3が弛んだウェビングを巻き終えると、図4(C)に示したように、動力伝達部材33は、本体部33bにリングギア31の歯31aが食い込んだ状態で停止する。なお、動力伝達部材33は、ガイドスペーサ36によって形成されたストッパ36aに衝突させて停止させるようにしてもよい。
次に、ガイド部材34の変形例について、図6(A)及び図6(B)を参照しつつ説明する。ここで、図6は、ガイド部材の変形例を示す図であり、(A)はプリテンショナの駆動前状態、(B)はプリテンショナの駆動初期状態、を示している。
図6(A)及び図6(B)に示したガイド部材34は、リングギア31の外周を囲うプリテンショナカバー35の一部によって構成したものである。かかる変形例においても、動力伝達部材33の先端部33aの曲率半径Raは、案内面34aの曲率半径Rcよりも大きく形成され、動力伝達部材33の本体部33bの曲率半径Rbは、案内面34aの曲率半径Rc以下の大きさに形成されている。
なお、ガイド部材34は、プリテンショナカバー35の少なくとも一部を含む構成であればよく、プリテンショナカバー35及びガイドスペーサ36の一部の組み合わせによって構成されていてもよい。
上述した実施形態及び変形例において、動力伝達部材33及びパイプ37の「先端」とは、プリテンショナ3の駆動時における動力伝達部材33の移動方向前方側の端部を意味し、動力伝達部材33及びパイプ37の「後端」とは、プリテンショナ3の駆動時における動力伝達部材33の移動方向後方側の端部を意味している。
次に、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置について、図7を参照しつつ説明する。ここで、図7は、本発明の実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。なお、図7において、説明の便宜上、シートベルト装置以外の構成部品については、一点鎖線で図示している。
図7に示した実施形態に係るシートベルト装置100は、乗員を拘束するウェビングWと、ウェビングWの巻き取りを行うリトラクタ1と、車体側に設けられウェビングWを案内するガイドアンカー101と、ウェビングWを車体側に固定するベルトアンカー102と、シートSの側面に配置されたバックル103と、ウェビングWに配置されたトング104と、を備え、リトラクタ1は、例えば、図1に示した構成を有している。
以下、リトラクタ1以外の構成部品について、簡単に説明する。シートSは、例えば、乗員が着座する腰掛部S1と、乗員の背面に位置する背もたれ部S2と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト部S3とを備えている。リトラクタ1は、例えば、車体のBピラーPに内蔵される。また、一般に、バックル103は腰掛部S1の側面に配置されることが多く、ベルトアンカー102は腰掛部S1の下面に配置されることが多い。また、ガイドアンカー101は、BピラーPに配置されることが多い。そして、ウェビングWは、一端がベルトアンカー102に接続され、他端がガイドアンカー101を介してリトラクタ1に接続されている。
したがって、トング104をバックル103に嵌着させる場合、ウェビングWはガイドアンカー101の挿通孔を摺動しながらリトラクタ1から引き出されることとなる。また、乗員がシートベルトを装着した場合や降車時にシートベルトを解除した場合には、リトラクタ1のスプリングユニット4の作用により、ウェビングWは一定の負荷がかかるまで巻き取られる。
上述したシートベルト装置100は、前部座席における通常のシートベルト装置に、上述した実施形態に係るリトラクタ1を適用したものである。したがって、本実施形態に係るシートベルト装置100によれば、プリテンショナ3の駆動初期段階における動力伝達部材33の強度確保及び定常駆動段階における動力伝達部材33に対する摺動抵抗の低減を両立させることができる。
なお、本実施形態に係るシートベルト装置100は、前部座席への適用に限定されるものではなく、例えば、ガイドアンカー101を省略して後部座席にも容易に適用することができる。また、本実施形態に係るシートベルト装置100は、車両以外の乗物にも使用することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 リトラクタ
2 スプール
3 プリテンショナ
4 スプリングユニット
5 ロック機構
6 ビークルセンサ
11 ベースフレーム
21 トーションバー
31 リングギア
31a 歯
32 動力伝達装置
33 動力伝達部材
33a 先端部
33b 本体部
33c テーパ面
34 ガイド部材
34a 案内面
34b 本体部
34c 凸部
34d 孔
34e 穴
35 プリテンショナカバー
36 ガイドスペーサ
36a ストッパ
37 パイプ
37a 開口部
37b 切欠部
37c,37e 固定ピン
37d 孔
38 ガス発生器
39 ピストン
51 リテーナカバー
52 ロッキングベース
53 ロックギア
100 シートベルト装置
101 ガイドアンカー
102 ベルトアンカー
103 バックル
104 トング
111 第一端面
111a 開口部
112 第二端面
112a,112b 開口部
113 側面
114 タイプレート


Claims (6)

  1. 乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールに接続されたリングギアと、緊急時に前記リングギアに動力を伝達する動力伝達装置と、を含むプリテンショナにおいて、
    前記動力伝達装置は、塑性変形しながら前記リングギアに動力を伝達するロッド状の動力伝達部材と、該動力伝達部材を前記リングギアに案内する湾曲した案内面を備えたガイド部材と、を含み、
    前記動力伝達部材は、駆動時に前記リングギアの歯に衝突する先端部と、駆動時に前記リングギアの歯が食い込む本体部と、備え、
    前記先端部の曲率半径は、前記案内面の曲率半径よりも大きく、前記本体部の曲率半径は、前記案内面の曲率半径以下の大きさである、
    ことを特徴とするプリテンショナ。
  2. 前記ガイド部材は、前記スプールを囲うベースフレームに固定されるガイドブロックである、請求項1に記載のプリテンショナ。
  3. 前記ガイド部材は、前記リングギアの外周を囲うプリテンショナカバーの少なくとも一部を含む構成である、請求項1に記載のプリテンショナ。
  4. 前記先端部の軸方向長さは、前記リングギアのピッチよりも小さく形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプリテンショナ。
  5. 請求項1~請求項4の何れか一項に記載されたプリテンショナを備える、ことを特徴とするリトラクタ。
  6. 請求項1~請求項4の何れか一項に記載されたプリテンショナを備える、ことを特徴とするシートベルト装置。
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