JP2022134558A - プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置 - Google Patents

プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2022134558000001
【課題】樹脂ロッドの案内部材が屈曲している場合であっても押圧部材の動力伝達効率を向上することができる、プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置を提供する。
【解決手段】
プリテンショナ3は、スプール2に接続されたリングギア31と、緊急時にリングギア31に動力を伝達する動力伝達装置32と、を備えている。動力伝達装置32は、樹脂製のロッド形状を備えた動力伝達部材32aと、動力伝達部材32aをリングギア31に案内する曲げ加工された筒形状の案内部材32bと、ガス発生器32cと動力伝達部材32aとの間に配置されたピストン32dと、ピストン32dと動力伝達部材32aとの間に配置されたスペーサ32eと、を備え、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの接触部βはボールジョイントを構成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置に関し、特に、樹脂製の細長いロッド形状の動力伝達部材を含む構成に適した、プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置に関する。
自動車等の車両には、一般に、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えたシートに乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。かかるシートベルト装置は、乗員を拘束するウェビングと、ウェビングの巻き取りを行うリトラクタと、シートの側面に配置されたバックルと、ウェビングに配置されたトングとを含み、トングをバックルに嵌着させることによってウェビングにより乗員をシートに拘束している。また、リトラクタは、車両衝突時等の緊急時にウェビングの弛みを除去するプリテンショナを有していることが一般的になってきている。
かかるプリテンショナは、ウェビングの巻き取りを行うスプールを回転させる動力伝達部材と、該動力伝達部材を案内する細長い筒形状のパイプ(案内部材)と、該パイプ内に作動ガスを供給することによって動力伝達部材に推進力を付与するガス発生器と、を含む動力伝達装置を備えていることが多い。
近年、プリテンショナの動力伝達部材として、樹脂製の細長いロッド形状の部品(以下、「樹脂ロッド」と称する)を用いることが研究・開発されている。例えば、特許文献1には、樹脂ロッドを構成するスラスト手段と、減速要素及び密封要素を含むピストンと、を備えた構成が開示されている。また、特許文献2には、樹脂ロッドを構成するプリテンショナロッドと、プリテンショナロッドの後端に固定されたストッパと、該ストッパの後方に配置された封止部材と、を備えた構成が開示されている。
特表2016-523198号公報 特開2019-127261号公報
例えば、特許文献2に記載されたように、樹脂ロッドを案内するパイプは三次元的に屈曲していることが多い。したがって、樹脂ロッドを押し進める押圧部材(例えば、特許文献1の減速要素、特許文献2のストッパ等)と樹脂ロッドとの接触部が平面接触の場合、パイプの屈曲部で樹脂ロッドと押圧部材との間に隙間ができてしまい、動力伝達効率が低下してしまうという問題がある。
また、押圧部材と樹脂ロッドとの接触部が平面と球面との組み合わせの場合、接触面積が小さい、屈曲部で芯がずれてしまう等の理由から、動力伝達効率が低下してしまうという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、樹脂ロッドの案内部材が屈曲している場合であっても押圧部材の動力伝達効率を向上することができる、プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールに接続されたリングギアと、緊急時に前記リングギアに動力を伝達する動力伝達装置と、を含むプリテンショナにおいて、前記動力伝達装置は、樹脂製のロッド形状を備えた動力伝達部材と、該動力伝達部材を前記リングギアに案内する曲げ加工された筒形状の案内部材と、該案内部材の内部に作動ガスを供給するガス発生器と、該ガス発生器と前記動力伝達部材との間に配置されたピストンと、該ピストンと前記動力伝達部材との間に配置されたスペーサと、を備え、前記動力伝達部材と前記スペーサとの接触部はボールジョイントを構成している、ことを特徴とするプリテンショナが提供される。
前記ボールジョイントは、前記動力伝達部材側が凸の球面形状を有し、前記スペーサ側が凹の球面形状を有していてもよい。
前記ボールジョイントは、前記動力伝達部材側が凹の球面形状を有し、前記スペーサ側が凸の球面形状を有していてもよい。
前記スペーサは、前記ピストンよりも硬く、前記動力伝達部材と同等以下の硬さを有する素材により構成されていてもよい。
前記スペーサは、前記動力伝達部材よりも硬い素材により構成されていてもよい。
前記ピストンと前記スペーサとは、平面接触若しくは球面接触可能又は係合可能に構成されていてもよい。
前記スペーサは、軸方向中間部に絞り部を有していてもよい。
また、本発明によれば、上述した構成のプリテンショナを備えることを特徴とするリトラクタが提供される。
また、本発明によれば、上述した構成のプリテンショナを備えたリトラクタを有する、ことを特徴とするシートベルト装置が提供される。
上述した本発明に係るプリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置によれば、ピストンと動力伝達部材との間に配置されたスペーサにより押圧部材を構成し、動力伝達部材とスペーサとの接触部をボールジョイントにより構成したことにより、案内部材がどのように屈曲している場合であっても、動力伝達部材とスペーサとの間の接触面積を維持することができ、動力伝達効率を向上することができる。
本発明の第一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。 動力伝達部材とスペーサとの関係を示す説明図であり、(A)は第一実施形態、(B)は第二実施形態、を示している。 動力伝達部材が屈曲部を通過するときの説明図であり、(A)は第一実施形態、(B)は比較例、を示している。 プリテンショナの初期状態を示す説明図であり、(A)は第一実施形態、(B)は比較例、を示している。 プリテンショナの変形例を示す断面図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、(C)は第三変形例、を示している。 プリテンショナの変形例を示す断面図であり、(A)は第四変形例、(B)は第五変形例、(C)は第六変形例、を示している。 本発明の一実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図1~図7を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。図2は、動力伝達部材とスペーサとの関係を示す説明図であり、(A)は第一実施形態、(B)は第二実施形態、を示している。
本発明の第一実施形態に係るリトラクタ1は、図1に示したように、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプール2と、緊急時にウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナ3と、を含み、プリテンショナ3は、スプール2に接続されたリングギア31と、緊急時にリングギア31に動力を伝達する動力伝達装置32と、を備えている。なお、図1において、ウェビングの図は省略してある。
動力伝達装置32は、例えば、リングギア31に動力を伝達する樹脂製のロッド形状を備えた動力伝達部材32a(樹脂ロッド)と、動力伝達部材32aをリングギア31に案内する曲げ加工された筒形状の案内部材32bと、案内部材32bの内部に作動ガスを供給するガス発生器32cと、ガス発生器32cと動力伝達部材32aとの間に配置されたピストン32dと、ピストン32dと動力伝達部材32aとの間に配置されたスペーサ32eと、ガス発生器32cとピストン32dとの間に配置されたコイルスプリング32fと、を備えている。
スプール2は、ウェビングを巻き取る巻胴であり、リトラクタ1の骨格を形成するベースフレーム11内に回転可能に収容されている。ベースフレーム11は、例えば、対峙する第一端面111及び第二端面112と、これらの端面を連結する側面113と、を有している。ベースフレーム11は、側面113と対峙し第一端面111及び第二端面112に接続されるタイプレート114を備えていてもよい。
また、例えば、第一端面111側にスプリングユニット4が配置され、第二端面112側にプリテンショナ3及びロック機構5が配置される。なお、スプリングユニット4、プリテンショナ3、ロック機構5等の配置は、図示した構成に限定されるものではない。
また、ベースフレーム11の第一端面111には、スプール2の軸部を挿通する開口部111aが形成されており、ベースフレーム11の第二端面112には、ロック機構5のパウル(図示せず)と係合可能な内歯を有する開口部112aが形成されている。また、ベースフレーム11の第二端面112の内側には、プリテンショナ3の一部(例えば、リングギア31)が配置される。また、ベースフレーム11の第二端面112の外側にはロック機構5が配置され、ロック機構5はリテーナカバー51内に収容される。
リテーナカバー51には、車体の急減速や傾きを検出するビークルセンサ6が配置されていてもよい。ビークルセンサ6は、例えば、球形の質量体(図示せず)と、質量体の移動によって揺動されるセンサレバー61と、を有している。ビークルセンサ6は、ベースフレーム11の第二端面112に形成した開口部112bに嵌め込まれて固定されていてもよい。
スプール2は、中心部に空洞を有し、軸心を形成するトーションバー21が挿通されていてもよい。トーションバー21は、第一端部がスプール2の端部に接続されたロック機構5のロッキングベース52に接続されており、第二端部がスプール2に固定されるとともにスプリングユニット4のスプリングコアに接続されている。したがって、スプール2は、トーションバー21を介してスプリングユニット4に接続されており、スプリングユニット4に格納されたゼンマイバネによりウェビングを巻き取る方向に付勢されている。
なお、スプール2に巻き取り力を付与する手段は、スプリングユニット4に限定されるものではなく、電動モータ等を用いた他の手段であってもよい。
ロッキングベース52は、その側面部から出没可能に配置されたパウル(図示せず)を備えている。ロック機構5の作動時には、パウルをロッキングベース52の側面部から突出させることにより、ベースフレーム11の開口部112aに形成された内歯に係合させ、ロッキングベース52のウェビング引き出し方向の回転を拘束する。
したがって、ロック機構5が作動した状態で、ウェビング引き出し方向に荷重が負荷された場合であっても、トーションバー21に閾値以上の荷重が生じるまでは、スプール2を非回転状態に保持することができる。そして、トーションバー21に閾値以上の荷重が生じた場合には、トーションバー21が捻れることによって、スプール2が相対的に回転運動を生じ、ウェビングが引き出される。
また、ロック機構5は、ロッキングベース52に隣接するように配置されたロックギア53を備えている。ロックギア53は、揺動可能に配置されたフライホイール(図示せず)を備えており、ウェビングが通常の引き出し速度よりも早い場合には、フライホイールが揺動してリテーナカバー51に形成された内歯に係合する。また、ビークルセンサ6が作動した場合には、センサレバー61がロックギア53の側面に形成された外歯に係合する。
このように、ロックギア53は、フライホイール又はビークルセンサ6の作動により回転が規制される。そして、ロックギア53の回転が規制されると、ロッキングベース52とロックギア53との間に相対回転が生じ、この相対回転に伴ってパウルがロッキングベース52の側面部から突出される。
なお、ロック機構5は、図示した構成に限定されるものではなく、従来から存在している種々の構成のものを任意に選択して使用することができる。また、スプール2は、トーションバー21の代わりに、シャフトとワイヤ状又はプレート状の塑性変形部材との組み合わせによって構成される衝撃吸収機構を備えていてもよい。
プリテンショナ3は、例えば、外周に係合歯を備えたリングギア31と、動力伝達装置32と、リングギア31を格納するプリテンショナカバー33と、動力伝達部材32aの移動を規制するピン34と、を備えている。また、図示しないが、プリテンショナ3は、プリテンショナカバー33内において、動力伝達部材32aの移動空間を形成するガイドスペーサを備えていてもよい。
リングギア31は、プリテンショナカバー33とベースフレーム11(第二端面112)との間に形成された空間に位置するように配置される。なお、リングギア31は駆動輪や回転部材と称することもある。また、第二端面112の内面には、リングギア31の外周に沿って動力伝達部材32aからの荷重を制御しつつ回転を案内するシャフトガイド35が配置されていてもよい。
プリテンショナカバー33は、例えば、ベースフレーム11の第二端面112の内側に配置される。また、プリテンショナカバー33は、例えば、留め具36等により、案内部材32bとともに又は直にベースフレーム11(第二端面112)に固定される。
動力伝達装置32は、例えば、筒形状のパイプによって構成される案内部材32bの後端から先端に向かって、ガス発生器32c、コイルスプリング32f、ピストン32d、スペーサ32e、動力伝達部材32aの順に配置されている。動力伝達部材32a、スペーサ32e、ピストン32d及びコイルスプリング32fは、案内部材32b内に収容されており、案内部材32bの後端に配置されたガス発生器32cから発生した作動ガスによって案内部材32b内を移動する。
動力伝達部材32aは、案内部材32bに挿入する前の状態では、直線形状を有する棒状に形成されており、例えば、案内部材32bの先端側から案内部材32b内に圧入することによって、図1に示したように、案内部材32bの形状に沿った状態で案内部材32bの内部に収容される。また、動力伝達部材32aの後端部321は、凸の球面形状を有している。
案内部材32bは、例えば、図1に示したように、第一端面111の上部、タイプレート114の上部、第二端面112の上部を通り、第二端面112及び側面113によって形成される角隅部内側の上部から下方に向かって延設するように三次元曲げ加工された形状を有している。図1に示した案内部材32bは、例えば、上流側から下流側に向かって三つの屈曲部αを備えている。なお、案内部材32bの曲げ加工は図示した形状に限定されるものではない。
案内部材32bの先端部には、ガイドブロック32gが配置される。また、案内部材32bの先端部には、ガイドブロック32gに案内された動力伝達部材32aを案内部材32bからプリテンショナカバー33により形成された空間に放出する開口部32hが形成されている。また、案内部材32bは、案内部材32bの先端部から開口部32hまで連通する切欠部32iと、開口部32hの下方に形成された留め具36を挿通する挿通孔32kと、を備えている。
開口部32hは、案内部材32bのガイドブロック32gと隣接する位置に形成されており、動力伝達部材32aの出口部を構成している。また、切欠部32iは、ガイドブロック32gの周方向の位置決めをする機能を有し、切欠部32iにはガイドブロック32gの突起部が挿入される。
ガイドブロック32gは、例えば、案内部材32bの先端部に挿入可能な略円柱形状を有し、その挿入側の端部に動力伝達部材32aを開口部32hに案内する摺動面32mが斜めに形成されている。摺動面32mは、動力伝達部材32aの外形に沿って湾曲した溝形状を有していてもよい。また、摺動面32mの下部には、留め具36を挿通する切欠部32nが形成されている。
ピストン32dは、例えば、略円柱形状を有するエラストマー製のシール部材である。ピストン32dは、ガス発生器32cから供給された作動ガスの圧力によって案内部材32bの内面に接触した状態を保持しながら移動する。なお、コイルスプリング32fは、初期状態でガス発生器32cとピストン32dとの間に生じる隙間を埋めてピストン32dを位置決めする部品である。
スペーサ32eは、ピストン32dの動力を動力伝達部材32aに伝達する押圧部材である。スペーサ32eは、例えば、図2(A)に示したように、略円柱形状の外形を有し、先端部322は凹の球面形状を有している。動力伝達部材32aの後端部321とスペーサ32eの先端部322とは、略同一の曲率半径を有し、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの接触部βはボールジョイントを構成している。
スペーサ32eは、ピストン32dの動力を動力伝達部材32aに伝達する必要があることから、少なくともピストン32dよりも硬い素材により構成される。また、スペーサ32eは、動力伝達部材32aと同等以下の硬さを有する素材により構成される。例えば、スペーサ32eは、動力伝達部材32aと同じ樹脂により構成される。
また、ピストン32dとスペーサ32eとは、図2(A)に示したように、平面接触するように構成されている。なお、スペーサ32eは、動力伝達部材32aよりも硬い素材(例えば、金属等)により構成されていてもよい。
また、ボールジョイント(接触部β)は、図2(B)に示した第二実施形態のように、動力伝達部材32aの後端部321に形成された凹の球面形状と、スペーサ32eの先端部322に形成された凸の球面形状と、により構成されていてもよい。かかる構成により、第二実施形態に係るボールジョイントは第一実施形態と同一の作用効果を有する。
ここで、図3は、動力伝達部材が屈曲部を通過するときの説明図であり、(A)は第一実施形態、(B)は比較例、を示している。例えば、図3(B)に示したように、動力伝達部材32a′が案内部材32bの屈曲部αを通過するとき、動力伝達部材32a′の軸心は案内部材32bの軸心から外れ、後端部321′は案内部材32bの内面の一方向に片寄ることとなる。
したがって、図3(B)の比較例に示したように、動力伝達部材32a′とスペーサ32e′とが平面接触する構成の場合、動力伝達部材32a′とスペーサ32e′との間に隙間γが形成され、動力伝達部材32a′とスペーサ32e′との接触面積が減り、動力伝達効率が低下することとなる。
それに対して、図3(A)に示した第一実施形態のように、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの接触部βがボールジョイントにより構成されている場合、動力伝達部材32aが案内部材32bの屈曲部αを通過するときに後端部321が案内部材32bの内面の一方向に片寄っていても、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの間に形成される隙間を低減し、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの接触面積を維持することができ、動力伝達効率の向上を図ることができる。
また、案内部材32bが三次元曲げ加工されている場合、屈曲部αを通過する度に動力伝達部材32aの後端部321の片寄る方向が異なることとなるが、そのような場合であっても動力伝達部材32aとスペーサ32eとの接触面積を維持することができ、動力伝達効率の向上を図ることができる。
ここで、図4は、プリテンショナの初期状態を示す説明図であり、(A)は第一実施形態、(B)は比較例、を示している。なお、各図において、説明の便宜上、コイルスプリング32fの図を省略してある。
例えば、図4(B)に示したように、プリテンショナ3の初期状態において、スペーサ32e′が案内部材32bの屈曲部αに位置している場合も同様に、動力伝達部材32a′とスペーサ32e′との間に隙間γが形成される。したがって、プリテンショナ3の作動時における動力伝達効率及び応答性能が低下することとなる。
それに対して、図4(A)に示した第一実施形態のように、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの接触部βがボールジョイントにより構成されている場合、プリテンショナ3の初期状態において、スペーサ32eが案内部材32bの屈曲部αに位置している場合であっても、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの間に形成される隙間を低減し、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの接触面積を維持することができ、動力伝達効率及び応答性能の向上を図ることができる。
次に、上述したプリテンショナ3の変形例について、図5(A)~図6(C)を参照しつつ説明する。ここで、図5は、プリテンショナの変形例を示す断面図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例、(C)は第三変形例、を示している。図6は、プリテンショナの変形例を示す断面図であり、(A)は第四変形例、(B)は第五変形例、(C)は第六変形例、を示している。
図5(A)に示した第一変形例は、図2(A)に示したピストン32dの先端部を凸の球面形状に変更したものである。かかる構成により、初期状態におけるスペーサ32eとピストン32dとの隙間を埋めやすくすることができる。なお、図示しないが、ピストン32dは球形状であってもよい。
図5(B)に示した第二変形例は、図5(A)に示したスペーサ32eの後端部を凹の球面形状に変更したものである。かかる構成により、ピストン32dとスペーサ32eとの間においてもボールジョイントを構成することができ、動力伝達効率の向上を図ることができる。
図5(C)に示した第三変形例は、図2(A)に示したピストン32dの先端部を凹の球面形状に変更し、スペーサ32eの後端部を凸の球面形状に変更したものである。かかる構成によっても、ピストン32dとスペーサ32eとの間にボールジョイントを構成することができ、動力伝達効率の向上を図ることができる。
図6(A)に示した第四変形例は、図2(A)に示したピストン32dの先端部に略円柱形状又は略円錐台形状の係合穴32pを形成し、スペーサ32eの後端部に係合穴32pに係合する突起32qを形成したものである。かかる構成によれば、案内部材32bに挿入する前にピストン32dとスペーサ32eとを一体化することができ、組付性能の向上を図ることができる。また、ピストン32dとスペーサ32eとの接触面積を大きくし、動力伝達効率の向上を図ることができる。
図6(B)に示した第五変形例は、図2(A)に示したスペーサ32eの後端部に略円柱形状又は略円錐台形状の係合穴32rを形成し、ピストン32dの先端部に係合穴32rに係合する突起32sを形成したものである。かかる構成によれば、案内部材32bに挿入する前にピストン32dとスペーサ32eとを一体化することができ、組付性能の向上を図ることができる。また、ピストン32dとスペーサ32eとの接触面積を大きくし、動力伝達効率の向上を図ることができる。
図6(C)に示した第六変形例は、図2(A)に示したスペーサ32eの軸方向中間部に絞り部32tを形成したものである。絞り部32tは、スペーサ32eの軸方中間部の径を縮径することによって形成される。かかる絞り部32tを形成することにより、スペーサ32eの軽量化及び屈曲性を向上することができる。なお、絞り部32tは図示した形状に限定されるものではない。
上述した第一変形例~第六変形例は、図2(A)に示した第一実施形態に係るプリテンショナ3の動力伝達装置32に適用したものであるが、図2(B)に示した第二実施形態に適用することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置について、図7を参照しつつ説明する。ここで、図7は、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。なお、図7において、説明の便宜上、シートベルト装置以外の構成部品については、一点鎖線で図示している。
図7に示した本実施形態に係るシートベルト装置100は、乗員を拘束するウェビングWと、ウェビングWの巻き取りを行うリトラクタ1と、車体側に設けられウェビングWを案内するガイドアンカー101と、ウェビングWを車体側に固定するベルトアンカー102と、シートSの側面に配置されたバックル103と、ウェビングWに配置されたトング104と、を備え、リトラクタ1は、例えば、図1に示した構成を有している。
以下、リトラクタ1以外の構成部品について、簡単に説明する。シートSは、例えば、乗員が着座する腰掛部S1と、乗員の背面に位置する背もたれ部S2と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト部S3とを備えている。リトラクタ1は、例えば、車体のBピラーRに内蔵される。また、一般に、バックル103は腰掛部S1の側面に配置されることが多く、ベルトアンカー102は腰掛部S1の下面に配置されることが多い。また、ガイドアンカー101は、BピラーRに配置されることが多い。そして、ウェビングWは、一端がベルトアンカー102に接続され、他端がガイドアンカー101を介してリトラクタ1に接続されている。
したがって、トング104をバックル103に嵌着させる場合、ウェビングWはガイドアンカー101の挿通孔を摺動しながらリトラクタ1から引き出されることとなる。また、乗員がシートベルトを装着した場合や降車時にシートベルトを解除した場合には、リトラクタ1のスプリングユニット4の作用により、ウェビングWは一定の負荷がかかるまで巻き取られる。
上述したシートベルト装置100は、前部座席における通常のシートベルト装置に、上述した実施形態に係るリトラクタ1を適用したものである。したがって、本実施形態に係るシートベルト装置100によれば、案内部材32bがどのように屈曲している場合であっても、動力伝達部材32aとスペーサ32eとの間の接触面積を維持することができ、動力伝達効率を向上することができる。
なお、本実施形態に係るシートベルト装置100は、前部座席への適用に限定されるものではなく、例えば、ガイドアンカー101を省略して後部座席にも容易に適用することができる。また、本実施形態に係るシートベルト装置100は、車両以外の乗物にも使用することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 リトラクタ
2 スプール
3 プリテンショナ
4 スプリングユニット
5 ロック機構
6 ビークルセンサ
11 ベースフレーム
21 トーションバー
31 リングギア
32 動力伝達装置
32a 動力伝達部材
32b 案内部材
32c ガス発生器
32d ピストン
32e スペーサ
32f コイルスプリング
32g ガイドブロック
32h 開口部
32i 切欠部
32k 挿通孔
32m 摺動面
32n 切欠部
32p,32r 係合穴
32q,32s 突起
32t 絞り部
33 プリテンショナカバー
34 ピン
35 シャフトガイド
36 留め具
51 リテーナカバー
52 ロッキングベース
53 ロックギア
61 センサレバー
100 シートベルト装置
101 ガイドアンカー
102 ベルトアンカー
103 バックル
104 トング
111 第一端面
111a 開口部
112 第二端面
112a,112b 開口部
113 側面
114 タイプレート
321 後端部(動力伝達部材)
322 先端部(スペーサ)



Claims (9)

  1. 乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールに接続されたリングギアと、緊急時に前記リングギアに動力を伝達する動力伝達装置と、を含むプリテンショナにおいて、
    前記動力伝達装置は、樹脂製のロッド形状を備えた動力伝達部材と、該動力伝達部材を前記リングギアに案内する曲げ加工された筒形状の案内部材と、該案内部材の内部に作動ガスを供給するガス発生器と、該ガス発生器と前記動力伝達部材との間に配置されたピストンと、該ピストンと前記動力伝達部材との間に配置されたスペーサと、を備え、
    前記動力伝達部材と前記スペーサとの接触部はボールジョイントを構成している、
    ことを特徴とするプリテンショナ。
  2. 前記ボールジョイントは、前記動力伝達部材側が凸の球面形状を有し、前記スペーサ側が凹の球面形状を有している、請求項1に記載のプリテンショナ。
  3. 前記ボールジョイントは、前記動力伝達部材側が凹の球面形状を有し、前記スペーサ側が凸の球面形状を有している、請求項1に記載のプリテンショナ。
  4. 前記スペーサは、前記ピストンよりも硬く、前記動力伝達部材と同等以下の硬さを有する素材により構成されている、請求項1に記載のプリテンショナ。
  5. 前記スペーサは、前記動力伝達部材よりも硬い素材により構成されている、請求項1に記載のプリテンショナ。
  6. 前記ピストンと前記スペーサとは、平面接触若しくは球面接触可能又は係合可能に構成されている、請求項1に記載のプリテンショナ。
  7. 前記スペーサは、軸方向中間部に絞り部を有する、請求項1に記載のプリテンショナ。
  8. 請求項1~請求項7の何れか一項に記載されたプリテンショナを備える、ことを特徴とするリトラクタ。
  9. 請求項1~請求項7の何れか一項に記載されたプリテンショナを備えたリトラクタを有する、ことを特徴とするシートベルト装置。
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