JP2002200965A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2002200965A
JP2002200965A JP2001326387A JP2001326387A JP2002200965A JP 2002200965 A JP2002200965 A JP 2002200965A JP 2001326387 A JP2001326387 A JP 2001326387A JP 2001326387 A JP2001326387 A JP 2001326387A JP 2002200965 A JP2002200965 A JP 2002200965A
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bush
seat belt
peripheral surface
shaft
retractor
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JP2001326387A
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Sadakazu Furukawa
定和 古川
Satoshi Hirase
敏 平瀬
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NSK Autoliv Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボビンの回動に伴う異音が生じず、円滑にウ
ェビングを引出し、巻取り可能なリトラクターを備えた
シートベルト装置を提供する。 【解決手段】 シートベルト装置は、対向する側板1
a,1bを有するリトラクターベース1と、中心軸34
を有するとともに側板1a,1b間に回動自在に支持さ
れてウェビングが巻装されるボビン3と、一方の側板1
aの外側に固着されたケース36とを有するシートベル
ト用リトラクター100を備えている。ケース36に中
心軸34の一端を軸支する軸支部36aが設けられ、中
心軸34と軸支部36aとの間にブッシュ31が装着さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の乗員等を座
席に拘束するシートベルト装置に関し、詳しくは、シー
トベルト用リトラクターを備えたシートベルト装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に保持するた
めのシートベルト装置においては、急な加速、衝突又は
減速に反応する慣性感知手段によって駆動されてウェビ
ングの引出しを物理的にロックする緊急ロック機構を備
えて乗員を効果的及び安全に拘束するようにした緊急ロ
ック式リトラクターが用いられている。
【0003】このような緊急ロック式リトラクターとし
ては、例えば特公昭59−21624号公報等に開示さ
れたシートベルト用リトラクターのように、ウェビング
を巻装する巻取軸の一端に配設された係合部材が車両緊
急時にリトラクターベースの被係合部に係合して前記巻
取軸のウェビング引出し方向の回転を阻止することがで
きるロック手段を備えたものがある。
【0004】そして、前記ロック手段においては、巻取
軸が貫通するリトラクターベースの巻取軸貫通孔に形成
された係止噛合部や、その巻取軸貫通孔に併設された内
歯プレートに形成されたラチェット歯が被係合部として
用いられる。巻取軸と共に回転するロックプレートや係
止爪が係合部材として用いられる。車両緊急時にそれら
係合部材と被係合部とが係合して巻取軸のウェビング引
出し方向の回転を阻止するように構成されている。
【0005】又、別の従来例(但し緊急ロック機構の図
示省略)としては、図20に示すものが知られている。
本リトラクター1000では、鍛造及びプレスによって
成形されたリトラクタシャフト60が樹脂製ボビン63
と一体的に回転し、ウェビングを巻き取る。リトラクタ
シャフト60には、ロッキングベース65が一体成形さ
れている。リトラクタシャフト60は、その中心軸のば
ね側(図中、左側)及び緊急ロック手段側(図中、右
側)がそれぞれ、ブッシュ61a,61bを介してリト
ラクターベースの側板に回動自在に支持されている。本
例では、軸方向に部品の重なりがないため、シャフト自
身の反りがなければ重心のずれはほとんどなく、シャフ
トは滑らかに回転し、異音発生や巻取り・引出しフィー
リングの劣化はない。
【0006】しかしながら、衝突による衝撃力が大きい
ときには、衝突後の時間の経過とともにウェビング張力
が増大するため、乗員の身体に急激な減速度を生じるこ
とになり、ウェビングから乗員にかかる負荷が大きくな
る。そこで、ウェビングに作用する荷重が予め設定した
所定値以上となった際、ウェビングを所定量繰出させる
ことにより、乗員の身体に生じる衝撃を吸収するエネル
ギー吸収機構を備え、乗員の身体をより確実に保護する
ようにしたシートベルト用リトラクターも種々提案され
ている。このような構成のシートベルト用リトラクター
としては、特開昭46−7710号公報に記載された、
「とくに安全ベルト用のエネルギー吸収装置」が知られ
ている。
【0007】前記エネルギー吸収機構は、ウェビングが
巻装される略筒状のボビンと、該ボビンの中心を挿通す
ると共に一端側が前記ボビンに一体的に結合されてリト
ラクターベースに回転自在に支持される巻取軸と、この
巻取軸の他端側に一体的に結合されるロッキングベース
と、車両緊急時に前記ロッキングベースをリトラクター
ベースに係合させて前記ボビンのウェビング引出し方向
への回転を阻止する緊急ロック手段とを備えている。前
記巻取軸の他端はリトラクターベースの側板及びロッキ
ングベースを挿通しており、その挿通先端は、緊急ロッ
ク手段を覆うケースに設けられた孔(軸支部)等によっ
て支持されている。そして、前記緊急ロック手段の作動
時に前記ボビンに作用するウェビング引出し方向の荷重
が所定以上になると、前記巻取軸が捩り変形を起こすこ
とで前記ボビンのウェビング引出し方向の回転を許容し
て衝撃エネルギーの吸収を行う。すなわち、ボビンの中
心を挿通する巻取軸は、所謂、トーションバー(捩り
棒)で、ボビンに作用するウェビング引出し方向の荷重
が所定以上になると、該トーションバー自体が軸回りに
捩れる。この捩れによってボビンがウェビング引出し方
向へ回転する分だけ、ウェビングの引出しを許容し、ウ
ェビングによる乗員拘束力を緩めて、ウェビングから乗
員に作用する衝撃を緩和する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】リトラクターの製造に
あたって、ボビンの中心軸(巻取軸)が正規の位置から
ずれたり、ボビンの中心軸が挿通されるリトラクターベ
ースやケースの孔が正規の位置からずれたりなどの製造
誤差が生じる場合がある。この場合、ボビンの回転に伴
って異音が発生したり、摩擦抵抗によってボビンの円滑
な回動が妨げられる所謂スティック現象が発生したりす
る可能性がある。異音や摩擦抵抗を低減するために、製
造許容誤差を極めて小さくしようとすると、加工や組立
が煩雑になり、リトラクターのコストアップを招く。
【0009】エネルギー吸収機構を備えたリトラクター
では、巻取軸の一端に、ロッキングベースが設けられ、
さらにロッキングベースから突出するように金属製のピ
ンがねじ込まれ、このピンがケースの孔に軸支される場
合がある。近年のリトラクターでは、ウェビング引出し
・巻取り時の摩擦損失をなるべく少なくする目的で、回
転支持される部位の軸径をなるべく小さくする設計が行
われている。そこで、回転軸として、アルミボビンや鍛
造シャフトの一部分ではなく、パーツフォーマやヘッダ
ーで成形された別体の金属部品(ピン等)を、圧入やね
じ込みによって組み込むことが多い。
【0010】このような構造は、現在生産されているリ
トラクターの主流であるが、安全性と快適性を両立させ
るために従来のリトラクターに比べて構造が複雑になっ
ており、新たな問題として異音が発生する場合がある。
これは、回転部分に多数の部品(巻取軸、ロッキングベ
ース、ピン)が軸方向に重なりあったため、各部品の寸
法公差の範囲で軸ずれが発生していることが主因と考え
られている。
【0011】ここで、軸ずれとは、ボビンの中心軸線
と、回転軸であるピンの中心軸線とがラジアル方向に平
行にずれている場合、ピンの中心軸線がボビン中心軸線
に対し傾いている場合、及びそれらの複合の場合とがあ
る。どの場合でも、ピンの中心軸線と、巻取軸、ロッキ
ングベース及びピン等の組立体(以下「シャフト」とも
いう。)の回転中心線とがずれるため、ウェビングの巻
取り・引出し時にシャフトが上下することとなり、特に
ピンとケースの孔との間に必要以上の隙間があると、こ
こで打音を発したり、ウェビングの巻取り・引出しフィ
ーリングを劣化させたりすることになる。
【0012】また、ピンの中心軸線がシャフトの回転中
心線に対し傾いていると、ケースの孔がピンでこじら
れ、摩擦による異音を発したり、ウェビングの巻取り・
引出しフィーリングを劣化させたりすることになる。ギ
アケース等のケースは、シャフトの軸支部としてだけで
なく、センサ機構及びロック機構を働かせるための重要
な機能を併せ持っているため、通常はPOMで成形され
る場合が多く、またPOMの中でも比較的剛性の高いグ
レードが採用される場合が多い。よってシャフトが偏心
回転すると、打音も大きくなってしまう傾向がある。ま
た、ピンが傾いている場合などはピンがケースの孔の中
で滑らかに摺動できず、巻取り・引出しフィーリングに
悪影響を与える場合がある。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ボビンの回動に伴う異音が生じず、円
滑にウェビングを巻取り、引出し可能なリトラクターを
備えたシートベルト装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、対
向する側板を有するリトラクターベースと、中心軸を有
するとともに前記側板間に回動自在に支持されてウェビ
ングが巻装されるボビンと、一方の前記側板の外側に固
着されたケースとを有するシートベルト用リトラクター
を備えたシートベルト装置であって、前記ケースに前記
中心軸の一端を軸支する軸支部が設けられ、前記中心軸
と前記軸支部との間にブッシュが装着されたことを特徴
とするシートベルト用リトラクターを備えたシートベル
ト装置によって達成することができる。
【0015】ここでボビンとしては、捩り棒となる巻取
軸などを中心軸として備えたものの他に、ボビンの中心
軸線上に後付けされてボビンの端面から突出する部材な
どを中心軸として備えたものや、ボビンの端面から突出
する中心軸部を一体的に備えたもの等を採用することが
できる。ブッシュとしては、ポリアセタール(POM)
やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピ
レン(PP)等の摺動性に優れたプラスチックや、エン
プラや、それにフッ素樹脂等の摺動性に優れたプラスチ
ックフィラーを混入したものや、エラストマー等を混入
して弾性を持たせたもの、ステンレスや軸受メタル等の
硬く表面が平滑な金属からなるものを採用できる。圧縮
変形可能なブッシュを用いることも可能である。以上の
ようなシートベルト装置によれば、リトラクターにおけ
るリトラクターベースの側板より外側に配設されたケー
スの軸支部が、大きく振れ回る可能性が高いボビン中心
軸の端部を、ブッシュを介して支持するので、異音や摩
擦抵抗が生じることがない。また、リトラクターにおけ
るウェビングの巻取り性、引出し性が向上される。
【0016】ケースを樹脂製とすれば、異音・打音の発
生を顕著に抑制することができる。また、ケースの軸支
部を、樹脂成形により、ブッシュに対応した様々な形状
にすることができるため、ブッシュの設計自由度が高ま
る。
【0017】ブッシュは、その内周面の軸方向の一部分
が中心軸の外径よりも僅かに大きい最小内径を有し、内
周面のそれ以外の部分は中心軸から離れるようにテーパ
部、円弧部又は段部になるように構成されてもよい。か
かる構成によれば、シャフトに対しピン(中心軸)が傾
いて組み付けられているような場合でも、ブッシュの内
周面に形成されたテーパ部等によってピンの傾きを許容
することができる。したがって、摩擦による異音の発生
やウェビングの巻取り・引出しフィーリングへの悪影響
を抑えることができる。また、ピンの傾きを、部品精度
の向上により抑えることに比べて、低コストで実施でき
る。
【0018】ブッシュが、前記中心軸に対してラジアル
方向のみで接触する構成としてもよい。かかる構成によ
れば、ブッシュを追加してもスラスト方向(軸方向)に
重なる部品の数が増えることがない。この結果、部品公
差の累積によって、中心軸と軸支部材(ブッシュとケー
ス端面、又はブッシュの端面)との間で軸方向にガタが
発生することがなく、異音発生を防止できる。また、軸
方向のガタが発生しないので、リトラクターベースとシ
ャフトに取り付けられるロック部材(ラッチプレートと
ポール)が軸方向にずれて強度低下を招くことがない。
逆に、公差の累積によってガタがマイナスになって、シ
ャフトが軸支部材(ブッシュとケース端面、又はブッシ
ュの端面)に強く当接して回転不良となることもない。
【0019】ケースを介して、前記中心軸の軸方向の位
置決めがなされる構成としてもよい。かかる構成によれ
ば、スラスト方向に重なる部品を増加させずに済む。
【0020】ブッシュは、略円筒形状に形成され、軸方
向の少なくとも一部で軸支部の内径とほぼ同じ外径を有
するように設定され、それ以外の部分の外周面をテーパ
部、円弧部又は段差部とすることで外径を小さくされた
構成でもよい。かかる構成によれば、テーパ部等によっ
て中心軸の傾きを許容することができ、摩擦による異音
の発生やウェビングの巻取り・引出しフィーリングへの
悪影響を抑えることができる。また、中心軸の傾きを、
部品精度の向上により抑えることに比べて、低コストで
実施できる。
【0021】ブッシュは、その軸方向中心から見て軸方
向に対称な形状に構成されてもよい。かかる構成によれ
ば、ブッシュの装着方向を誤る心配がない。すなわち、
誤組み付けの心配がない。装着の方向性がないため、ブ
ッシュ装着作業の自動化が容易である。
【0022】ケースの軸支部には、ブッシュを装着する
方向の奥側に底部が形成されていてもよい。かかる構成
によれば、底部が位置決め機能を有するので、ブッシュ
に位置決め手段(フランジ部等)を設ける必要がない。
よってブッシュを対称形状とすることができる。また、
底部はいじり防止機能(一旦組み込まれた後は、指でい
じることを防止する)を奏し、組立工程等で意図せずブ
ッシュが外されるのを防止する。
【0023】前記底部には少なくとも1つの孔又は切り
欠きが形成されていてもよい。かかる構成によれば、孔
又は切り欠きを通じて、組み付け後にブッシュを視認す
ることができ、欠品防止に役立つ。
【0024】ケースの軸支部の内周面に少なくとも1つ
の突起を設け、その突起によりブッシュの抜けを防止す
るように構成してもよい。かかる構成によれば、組立工
程でブッシュ取付後の落下による欠品がなく、信頼性を
向上させることができる。
【0025】ブッシュの少なくとも一方の軸方向端部に
おける外周面の径が、前記突起に干渉しないように、ブ
ッシュの他の部分における外周面の径よりも小さく設定
されていてもよい。一定の径の外周面を有する場合、ブ
ッシュは突起を越えて延びることができないが、このよ
うに小径部分を設けることで、リトラクターを大型化さ
せることなくブッシュ長さを延長でき、ゲート接続面や
突き出しピン当接面を設置することができる。
【0026】ブッシュの両方の軸方向端部にこのような
小径部分を設けてもよく、この場合、誤組み付けを防止
できるとともに、小径部分がブッシュ挿入時に誘い込み
(パイロット)として機能するため、ブッシュの組み付
けが容易になる。
【0027】ブッシュが、フランジ部を有していてもよ
い。かかる構成によれば、ブッシュを手作業で組み付け
るのが容易になる。また、目視、画像認識による欠品検
出も容易である。
【0028】ブッシュは、そのフランジ部がケースの軸
支部に形成された突起と係合することでケースに固定さ
れてもよい。かかる構成によれば、組立工程においてブ
ッシュ取付後の落下による欠品がなく、信頼性を向上さ
せることができる。ブッシュの円筒部にフック又はフッ
ク受部を設けるよりも設計の自由度が高く、且つブッシ
ュをしっかりと固定できる。
【0029】ケースの軸支部におけるブッシュを装着す
る方向の奥側に突起が形成され、その突起の先端をつな
いでなる仮想形状が、ブッシュのフランジ部以外の箇所
における外周形状よりも小さくなるようにしてもよい。
かかる構成によれば、誤組み付け(逆組み付け)を防止
することができる。
【0030】ブッシュとケースの軸支部との径方向の隙
間が、ブッシュが中心軸と接する軸方向位置において最
小となるようにしてもよい。かかる構成によれば、ロッ
クアップ(シンクロずれ)を防止することができる。
【0031】ブッシュが、ケースの軸支部よりも軟質の
又は剛性の低い樹脂を素材とすることが好ましい。かか
る構成によれば、シャフトの偏心に伴うピンの暴れによ
って発生する打音を顕著に抑制できる。
【0032】ボビンには、ウェビングの基端部を挿入固
定するために、そのボビンの中心軸線を通るスリットが
設けられたものや、特開平11−70853号公報に開
示されているようなボビンの中心軸線を避けるようにス
リットが設けられたものがある。本発明には、どちらの
タイプのボビンも適用できるが、異音や摩擦抵抗が生じ
やすい後者のボビンを本発明に適用した場合、特に効果
が顕著である。
【0033】また好ましくは、本発明は、対向する側板
を有するリトラクターベースと、中心軸を有するととも
に前記側板間に回動自在に支持されてウェビングが巻装
されるボビンと、前記ボビンの一端側に設けられており
車両緊急時に前記リトラクターベースにロック部材を係
合させて前記ボビンのウェビング引出し方向の回転を阻
止する緊急ロック手段と、一方の前記側板の外側に固着
されて前記緊急ロック手段を覆うケースとを有するシー
トベルト用リトラクターを備えたシートベルト装置であ
って、前記ケースに前記中心軸の一端を軸支する軸支部
が設けられ、前記中心軸と前記軸支部との間にブッシュ
が装着された構成とすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態である
シートベルト装置におけるリトラクター100を示す断
面図であり、図2は図1に示したリトラクター100の
要部分解斜視図である。図1に示すように、リトラクタ
ー100は、ウェビングが巻装される略円筒状のボビン
3と、ボビン3を挿通してリトラクターベース1に回動
自在に支持される巻取軸2と、衝突等の車両緊急時にボ
ビン3のウェビング引出し方向の回転を阻止する緊急ロ
ック手段300とを備えている。
【0035】リトラクターベース1は、略コ字状の断面
を有するように金属板をプレス成形したものであり、車
体に固定される背板1cと、背板1cの両側から立ち上
げられた左右の側板1a,1bとを備えている。左右の
側板1a,1bの対向位置にはボビン3と組み合わされ
た巻取軸2が回動自在に橋架されている。一方の側板1
bの外側には、その側板1bを挿通した巻取軸2の一端
部を介してボビン3をウェビング巻取方向に常時付勢す
る公知の巻取りばね装置(図示せず)が装備されてい
る。
【0036】巻取軸2の一端側(図1中、右側)には、
ボビン3と一体回転可能な結合を果たすボビン結合部2
aが設けられ、他端側(図1中、左側)には、ロック部
材である円盤状のロッキングベース5と一体回転可能な
結合を果たすロッキングベース結合部2bが設けられて
いる。ボビン結合部2aは、断面六角形状に形成されて
おり、ボビン3の一端側に形成された嵌合凹部3aに嵌
合されたリテーナ40の断面六角形状の挿通穴に嵌挿さ
れている。リテーナ40は、ブッシュ41を介して側板
1bに回動自在に支持されている。ロッキングベース結
合部2bは、断面六角形状に形成されており、ロッキン
グベース5のボビン側端面に突設された円筒状のボス部
8の断面六角形状の挿通孔8aに嵌挿されている。ボビ
ン3のロッキングベース側端面には、ロッキングベース
5のボス部8を受容する嵌合凹部9が凹設されている。
【0037】ボス部8と嵌合凹部9との間には、円筒状
のブッシュ10が装着されている。ブッシュ10は、摺
動性の良好な材質からなり、ボス部8の外周面と嵌合凹
部9の内周面との間の摩擦抵抗を小さくしている。ブッ
シュ10は、ボス部8又は嵌合凹部9の少なくとも一方
に軽く圧入固定されるのが好ましい。ここでは、圧縮変
形可能な樹脂製のブッシュ10が採用されている。
【0038】ここでは、ロッキングベース5を挿通した
巻取軸2の端面に、緊急ロック手段300のイナーシャ
プレート38及びラチェットホイール39を貫通したピ
ン34の一端が螺着されている。ピン34の中心軸線
は、ボビン3及び巻取軸2の中心軸線に重なっている。
ピン34の他端は、緊急ロック手段300のギアケース
36に設けられた軸支部としての孔36aに、ブッシュ
31を介して回動自在に支持されている。本実施形態で
はこのギアケース36が、本発明要旨中のケースとな
る。すなわち、ギアケース36はリトラクターベースの
側板1aの外側に固着されており、軸支部としてのギア
ケース36の孔36aと中心軸としてのピン34との間
にブッシュ31が介装されている。ここでは、摺動性に
優れるとともに弾性を有して圧縮変形可能な樹脂からな
るブッシュ31が用いられている。
【0039】巻取軸2は、結合部2a,2b間に所定以
上の回転トルクが作用した際、結合部2a,2b間が捩
れ変形を起こすことにより、乗員の身体に作用する衝撃
エネルギーの吸収を行うように構成されたエネルギー吸
収機構である。緊急ロック手段300の具体的な構成
は、公知の種々のものを採用することができる。ここで
は図2に示すように、ロッキングベース5の支軸7に、
先端に係止歯16aを備えたポール16が回動可能に軸
支されている。また、側板1aに開口された貫通孔20
の外側に、係止歯16aが噛合可能な係合内歯25を内
周に備えた内歯ラチェット21が併設されている。この
公知の緊急ロック手段300は、側板1aの外側に固着
されるセンサーカバー35によって覆われている。本実
施形態におけるボビン3には、そのボビン3の中心軸線
を避けるようにしてスリット3aが設けられている。ス
リット3aには、ウェビング(図示せず)の基端部が挿
入固定される。ボビン3としては、所定の強度を有する
軽合金や樹脂等の軽量な材料から形成されたものを採用
できる。
【0040】図2に示したセンサーカバー35内には、
図3に示すような部品が装備されている。先ず、センサ
ーカバー35に隣接してギアケース36が設けられてい
る。ギアケース36は、リトラクターベースに固着され
たセンサーカバー35に固定されている。すなわちギア
ケース36は、介在部品を介してリトラクターベース1
に間接的に固着されているといえる。ギアケース36の
下部には、車両に作用する加速度を検出するセンサであ
る車体加速度感知手段37が装着される。車体加速度感
知手段37は、係合アーム37aを有している。ギアケ
ース36には、ピン34を軸支する孔36aが設けられ
ている。孔36aは、その周縁に外周部としてのバール
部36b(図1参照)を備えていることが好ましい。
【0041】図3に示すように、ギアケース36の孔3
6aには、円筒部31aとフランジ部31bとを有する
ブッシュ31の、円筒部31aが装着される。フランジ
部31bはバール部36b先端とピン34のフランジ部
との間に介装される(図1参照)。そして、ピン34の
ギアケース36側の端部が、ブッシュ31の円筒部31
aに嵌挿される。こうして、ピン34のギアケース36
側の端部が、ブッシュ31を介してギアケース36の孔
36aに軸支される。反対側のピン34の端部は、イナ
ーシャプレート38及びラチェットホイール39を貫通
するとともに、巻取軸2の端面に螺着される(図1参
照)。
【0042】以上のようなリトラクター100によれ
ば、万一、ボビン3の中心軸線とピン34の中心軸線と
が若干ずれていても、リトラクターベースの側板1aよ
り外側に配設されたギアケース36の孔36aが、圧縮
変形可能なブッシュ31を介して、ピン34の円滑な回
動を許容しつつピン34を支持する。したがって、製造
許容誤差を極めて小さくするなどの製造の煩雑化を招く
ことなく、異音やスティック現象の発生を防止できると
ともに、ブッシュ41などとの協働によりウェビングの
巻取り性、引出し性を一層向上できる。
【0043】本実施形態では、ウェビングの基端部を挿
入固定するためのボビン3のスリット3a(図2参照)
がボビン3の中心からずれて設けられている。このよう
な構成では、万一ボビン3の中心軸線とピン34の中心
軸線とがずれていると、ボビン3の回動に伴ってピン3
4が大きく振れ回る可能性が高い。しかし、本実施形態
ではギアケース36の孔36aとピン34との間に圧縮
変形可能なブッシュ31を介装したことで、ピン34の
振れ回りが効果的に抑制され、異音やスティック現象の
発生が防止されている。
【0044】また、ブッシュ31の円筒部31aと、巻
取軸2が挿通固定されたロッキングベース5のボス部8
とボビン3の嵌合凹部9との間に介装された圧縮変形可
能なブッシュ10とによって、ボビン3の中心軸線とピ
ン34の中心軸線とのずれが吸収される。さらに、車両
緊急時には、巻取軸2がウェビング引出し方向に強く引
かれることで、ピン34がギアケース36の孔36aの
内周縁に強く当接しようとするが、ピン34と孔36a
との間に介装されたブッシュ31が緩衝材として機能す
るため、ピン34とギアケース36との干渉やそれらの
破損が生じない。したがって、緊急ロック手段300の
作動や巻取軸2によるエネルギー吸収が確実になされ
る。
【0045】図4は本発明の第2実施形態であるシート
ベルト装置におけるリトラクター110を示す片側断面
図である。なお、既に説明した部材等と同様な構成・作
用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当
符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
リトラクター110は、ウェビングが巻装される略円筒
状のボビン113と、ボビン113を挿通してリトラク
ターベース111に回動自在に保持される巻取軸2と、
緊急ロック手段300とを備えている。ロッキングベー
ス5を挿通した巻取軸2の端面に、緊急ロック手段30
0のイナーシャプレート38及びラチェットホイール3
9を貫通したピン34の一端が螺着されている。ピン3
4の中心軸線は、ボビン113及び巻取軸2の中心軸線
に重なっている。ピン34の他端は、緊急ロック手段3
00のギアケース36に設けられた軸支部としての孔3
6aに、ブッシュ31を介して回動自在に支持されてい
る。ブッシュ31は、円筒部とフランジ部31bとを備
えている。
【0046】本実施形態では、リトラクターベース11
1の側板111aに開口された貫通孔120の内周縁
が、リトラクター内側へ絞り加工されることによって、
ボビン113のロッキングベース側端部の外周部113
bに対して所定の長さにわたって対向されている。ボビ
ン113のロッキングベース側端部には、ロッキングベ
ース5のボス部8を受容する嵌合凹部119が凹設され
ている。ロッキングベース5と嵌合凹部119との間に
は、ブッシュ70が介装されている。ブッシュ70は、
ロッキングベース5のボス部8の外周面とボビン113
の嵌合凹部119内周面との間に介装される円筒部71
と、ボビン113のロッキングベース側端面とロッキン
グベース5のボビン側端面との間に介装されるフランジ
部72とを備えている。
【0047】以上のようなリトラクター110によれ
ば、ピン34が挿通されたブッシュ31のフランジ部3
1bと、巻取軸2が挿通固定されたロッキングベース5
のボス部8とボビン113の嵌合凹部119との間に介
装されたブッシュ70のフランジ部72とによって、軸
方向の製造誤差を吸収できる。したがって、異音や摩擦
抵抗の発生が顕著に防止される。また、リトラクターベ
ースの側板111aの内周縁が、所定の長さにわたっ
て、ボビン113の外周部113bに対向しており、車
両緊急時にボビン113がウェビング引出し方向に強く
引かれた際にはそのボビン113の外周部を支持するよ
うになっている。したがって、ピン34とギアケース3
6との干渉やそれらの破損が確実に防止される。
【0048】図5は本発明の第3実施形態であるシート
ベルト装置におけるリトラクターの要部を示す拡大図で
ある。図示されないリトラクターの残りの構成は、第1
実施形態又は第2実施形態と同様とすることができる。
本実施形態においても、ギアケース156の軸支部とし
ての孔156aにブッシュ131が装着されている。こ
のブッシュ131は、円筒部131aと、円筒部131
aの図示しないボビン側(図5中、右側)に設けられた
フランジ部131bと、円筒部131aのフランジ部1
31b側とは反対側に設けられた係止爪部131cとを
備えている。円筒部131aの内周面は、係止爪部13
1c側に向かうにつれて円筒部131aの内径を大きく
するようなテーパ面131dを有している。すなわち、
円筒部131aは係止爪部131c側で薄肉にされ、弾
性変形しやすくされている。
【0049】ギアケース156には、バール部156b
の図示しないボビン側(図5中、右側)とは反対側に、
ブッシュ131の係止爪部131cを受容するための受
容凹部156cが設けられている。ブッシュ131をギ
アケース156に装着する際には、円筒部131aの係
止爪部131c側を弾性圧縮変形させて、係止爪部13
1c側からバール部156b内に挿入していく。する
と、係止爪部131cがバール部の受容凹部156cに
受容嵌合されて、ブッシュ131がバール部156bか
ら抜けないようになる。このとき、ブッシュ131はギ
アケース156の孔156a内で摺動回転自在となる。
【0050】以上のようなブッシュ131を用いれば、
ブッシュ131をギアケース156に仮組みしておくこ
とができ、リトラクターの組立作業が簡便になる。ギア
ケース156に仮組みしたブッシュ131が、ギアケー
ス156から抜けることもない。
【0051】図6は、ブッシュの変形例を示す斜視図で
ある。このブッシュ231は、円筒部231aの内周面
に、複数のリブ突起232を突設して、ボビンの中心軸
とケースの軸支部との間の隙間を埋めつつ、それらに圧
入し易くした構成になっている。
【0052】図7は本発明の第4実施形態であるシート
ベルト装置におけるリトラクター400を示す断面図で
あり、図8は図7に示したリトラクター400の要部拡
大図である。
【0053】図7に示すように、リトラクター400で
は、ボビン403、ボビン403を挿通する巻取軸(ト
ーションバー)402、巻取軸402の一端(図中、左
端)をボビン403に固定するリテーナ440、巻取軸
402の他端(図中、右端)に固定されたロッキングベ
ース405、ロッキングベース405から突出したピン
434の5点が、回転する部品の主なものである。これ
らの組立体からピン434を除いたものをシャフト46
0と呼ぶことにする。図示しないが、シャフトには、上
記4点に加えて、巻取軸402の捻り回転数を規制する
ストッパ部材が含まれることもある。
【0054】本実施形態では、リトラクターベース40
1の、図中右側の側板401aの外側に緊急ロック手段
490が設けられている。リトラクターベース401
の、図中左側の側板401bに設けられた貫通孔に巻取
軸402の左端及びリテーナ440が挿通されている。
側板401bの貫通孔とリテーナ440との間には、ブ
ッシュ441が介装されている。巻取軸402の右端
は、ロッキングベース405を貫通しており、その端面
に、プレート406を挟んでピン434がねじ込まれて
いる。このピン434の中心軸が、緊急ロック手段49
0側(図中、右側)におけるシャフト460の中心軸と
一致している。ピン434の一端は、イナーシャプレー
ト438、ラチェットホイール439及びプレート40
6を貫通している。
【0055】ピン434の他端は、緊急ロック手段49
0のギアケース436に設けられた軸支部としての孔
に、ブッシュ431を介して回動自在に支持されてい
る。ここでピン434の太さは必要強度の範囲で細く設
定されている。これにより、ピン434の、孔と接触す
る外周面の半径(回転接触半径)を小さくして、ウェビ
ング巻取り・引出し時におけるシャフト460の摩擦抵
抗を小さくしている。
【0056】本実施形態のギアケース436は樹脂製で
ある。そしてブッシュ431は、ギアケース436より
も軟質の樹脂で成形されている。図8に示すように、ブ
ッシュ431は略円筒形状で、かつ軸方向中心から軸方
向に見て対称な形状であるため、挿入方向を気にする必
要がなく、製造行程の自動化への対応が容易である。ギ
アケース436の内側面(図中、左側面)には、円筒部
436bが一体成形されており、この円筒部436b内
にブッシュ431が装着されている。ブッシュ431の
外周面433の軸方向両端には、中央部分と比較して小
径となる小径部433aが形成されている。外周面43
3の中央部と小径部433aとの間の段差部分には面取
り(案内部;傾斜部)433bが設けられている。ブッ
シュ431の内周面432とピン434との径方向の隙
間は通常の寸法管理で生じる公差の範囲で、圧入となる
ことのない最小の隙間に設定される。また、内周面43
2は、中央部432aでのみピン434を支持し、軸方
向の両端はピン434から離れるようにテーパ部432
bになっている。このときブッシュ431はピン434
とラジアル方向(周方向)でのみ接触し、ピン434の
軸線方向では点接触状態とされている。ここでは、中央
部432aとテーパ部432bとは、エッジを形成しな
いように滑らかに接続されている。
【0057】図9は、ブッシュ431をギアケース43
6に装着するときの様子を示している。ブッシュ431
の小径部433aは、ギアケース436の円筒部436
bに設けられたブッシュ431を保持するための保持孔
422の内周面422aよりも、その外径が小さくなっ
ている。円筒部436bの先端には、その内周面422
aに、突起426が周方向に等間隔をあけて複数(ここ
では4個)設けられている。突起426の先端をつない
でなる円(仮想円)の径よりも、ブッシュ431の小径
部433aの外径は小さくなっており、ブッシュ431
の中央部の外径は大きくなっている。ブッシュ431を
ギアケース436に装着する際には、小径部433a
が、ブッシュ431をギアケース436の保持孔422
へ誘い込むパイロットとして機能する。これにより、装
着ミスや、ブッシュ431の端面が潰れることが防止さ
れる。ブッシュの面取り433bは、ブッシュ431の
外径を除々に大きくする傾斜面であり、ブッシュ431
が突起426を乗り超える際の挿入抵抗を減少させる機
能を有する。ブッシュ431をギアケース436に装着
する方向は、ギアケース436にシャフト(ピン43
4)を挿入する方向と同じである。
【0058】ブッシュ431の最大外径は、ギアケース
436の保持孔内周面422aの内径とほぼ同じで、な
るべくガタが小さくなるように寸法設定される。望まし
くは径方向のガタの最大値は0.15mm以下とする。
また、この寸法設定の場合、ブッシュ外周面と保持孔内
周面とが寸法公差の範囲で軽圧入となる場合も考えられ
るが、内径の寸法変化の影響を小さくするため圧入代は
最大で0.1mm以下となるよう設定される。
【0059】ギアケース436の円筒部436bの、ブ
ッシュ431を挿入される側とは反対側の端部には、保
持孔422内に装着されたブッシュ431が外部にはみ
出して外れることを防止するための天井部(底部)42
4が形成されている。天井部424は、その天井面42
4aがブッシュ431挿入時の位置決め手段として機能
する。この天井面424aで位置決めを行えるので、ブ
ッシュ431にフランジ等の位置決め手段を設ける必要
がなく、ブッシュ431を対称形状とすることができ
る。
【0060】保持孔422の内周面422aの、ブッシ
ュ431が挿入される側に設けられた突起426は、ブ
ッシュ431が挿入された後に抜け止めとして機能す
る。突起426が4箇所にあることにより、ブッシュ4
31と突起426の寸法が通常の公差の範囲でばらつ
き、どの方向にずれても、確実に抜け止めができるた
め、段差(小径部433aと中央部の外周面との差)は
半径で0.2mmもあれば十分となる。ブッシュ431
の実際の大きさは直径5〜6mm、長さ3mm程度の小
さなものであり、肉厚を均等にするためには段差を小さ
くする方が良い。突起426の高さは、ブッシュ431
の小径部433aと干渉することなく、またブッシュ4
31の外周面433を確実に引っ掛け、落下を防止する
高さに設定される。
【0061】本実施形態の構成によれば、組立行程で挿
入したブッシュ431が、ギアケース436をリトラク
ターベース401に固定する前に落下することがなくな
り、組立の信頼性を向上させることができる。また、ブ
ッシュ431をギアケース436に装着したサブアッシ
ー状態(仮組状態)で保管できるため、組立工程設計の
自由度が上がる。
【0062】図10(a)は、ブッシュ431を装着す
る前のギアケース436の保持孔422を天井部424
側から見た図である。図10(b)は、ブッシュ431
及びピン434をギアケース436に装着した後の状態
を示した図である。図10(a)に示すように、天井部
424には、突起426のそれぞれと対応する位置にス
リット(切り欠き)428が設けてある。ブッシュ43
1をギアケース436に装着した後にギアケース436
をベースに組み付けたときも、スリット428によっ
て、装着されたブッシュ431を視認できる。このよう
な構成によれば、目視又は画像処理による欠品検出が可
能となる。また、スリット428は突起426を成形す
る上でのアンダカットをなくすことにも役立つ。組立行
程によっては抜け止めの突起426は不要の場合もある
が、その場合でもスリット428は、視認を行うために
設けられてもよい。
【0063】スリット428の幅(周方向寸法)は1〜
1.5mmと狭く設定されており、ブッシュ431をギ
アケース436に装着後、図10(b)の紙面に対して
手前側から小指等でブッシュ431を押そうとしても、
天井部424に阻まれてブッシュ431に触れることが
できない(いじり防止機能)ようになっている。したが
って、組立工程の中で意図せずブッシュ431を外して
しまうようなことはない。図示しないが、天井部424
に孔を形成することでも、スリットと同様の作用・効果
を得ることができる。
【0064】図7に戻って、本実施形態のリトラクター
400の作動を説明する。ベルト装着のため乗員がウェ
ビングを引き出すと、巻取ばね力によってウェビングを
巻き付けていたボビン403が、ウェビング引出方向に
回転する。この際、ブッシュ441に案内されるリテー
ナ440と、ブッシュ431に案内されるピン434
が、回転軸になる。ここで、シャフト460の回転中心
が、リテーナ440の中心とピン434の中心を結んだ
線からずれている場合、シャフト460は偏心して回転
する。この結果、シャフト460は遠心力により上下・
左右に振られ、このためピン434が暴れようとする
が、ブッシュ431の内周面はピン434に対して僅か
な隙間しか持っていないため、ピン434はほとんど暴
れることができない。これは、ギアケース436に設け
た孔により直接ピン434を軸支する場合は、孔の寸法
管理が難しかったが、別体且つ小型のブッシュ431を
用いることで、通常の寸法管理でも、孔径のバラツキが
小さくなったことによる。
【0065】また、ピン434がブッシュ431ごと暴
れてブッシュ431がギアケース436の保持孔に打ち
つけられたとしても、ブッシュ431とギアケース43
6が樹脂同士であるため打音は小さい。軸支部を提供す
る別体のブッシュ431を用いることで、ギアケース4
36とブッシュ431が同じ材質の樹脂(例えばPO
M)であっても、ギアケース436には高剛性のPO
M、ブッシュ431には低剛性のPOMを採用できるた
め、より打音を小さくできる。
【0066】さらに、ブッシュ431の内周面をテーパ
化することにより、図11に見られるように、ピン43
4が傾いて組み付けられた場合でも、その傾きをブッシ
ュ431が吸収し、ピン434がブッシュ431の内周
面をこじることがなく、打音・摩擦音の発生やウェビン
グの巻取り・引出しフィーリングへの悪影響がない。
【0067】また、ブッシュ431の長さは、ブッシュ
431がギアケース436の天井面424aに接触して
いる状態でブッシュ431が円筒部436bの端面から
出っ張ることのないように設定される。これにより、ブ
ッシュ431がシャフト460の回転の妨げとなること
がない。又、ピン434とギアケース436とがシャフ
ト460の軸方向で対向することになり、軸方向に重な
る部品数を増加させずに済む。
【0068】本実施形態のリトラクター400によれ
ば、スラスト方向に多数の部品が重なった構成のシャフ
ト460を用いているにも拘わらず、コストアップを招
くことなくシャフト460の円滑な回転を確保できる。
【0069】次に、軽い衝突事故などでリトラクター4
00の緊急ロック手段490がロックし、ウェビングに
数100Nの力がかかった場合を考える。この場合、ウ
ェビング張力によりシャフト460はウェビング引出方
向にガタ寄せされる。特に緊急ロック手段490側にお
いては、ブッシュ431がギアケース436の保持孔の
内周面に押し付けられ、またピン434もブッシュ43
1の内周面に押し付けられる。この時、各隙間が必要以
上に大きいと、ガタ寄せによりシャフトの軸がずれ、図
示しない公知のロック機構がシンクロずれを起こし、ロ
ックアップ現象を起こす場合があるが、本実施形態にお
いては異音発生を防止するため各部でガタを小さく設定
してあり、ロックアップに到ることはない。また、ウェ
ビング張力方向が図8の上方向とすると、ピン434が
ブッシュ431内周面と接触し押し上げる位置は、ブッ
シュ431軸方向中央部であり、これはブッシュ431
外周面がギアケース436内周面と接触している位置で
あるため、ブッシュ431は殆ど潰れることがなく、シ
ンクロずれ及びその結果としてのロックアップに到る恐
れはない。
【0070】図12は、本発明の第5実施形態に係るブ
ッシュ531を示している。このブッシュ531は、前
記第4実施形態に係るブッシュ431(図8参照)の内
周面432のテーパ部432bを、段部にしたものであ
る。具体的には、図12に示すように、ブッシュ531
の内周面532の軸方向両端部が、段部532bにされ
て、中央部より大きな内径を有するようになっている。
【0071】このような構成により、ピンの傾きを許容
し、ピンとブッシュ531との打音や摩擦音、又は回転
抵抗の発生を抑えることができる。なお、ブッシュ53
1とピンとの摺動面の軸方向長さ、即ちブッシュ531
の内周面532の長さは、耐久による磨耗を考慮しても
1〜1.5mm程度で十分である。しかし、ブッシュ5
31単品の剛性、組立時の作業性、射出成形のゲート設
置、突き出しピン又は突き出しスリーブの設置、組み付
け後の抜け止め対策等を考慮した場合、ブッシュ531
の軸方向長さを3mm程度にする必要がある。このよう
な寸法のブッシュ531に、段部532b又はテーパ部
を設けるのが良い。段部やテーパ部の全長は1〜1.5
mm程度にすることができる。
【0072】図13は、本発明の第6実施形態に係るブ
ッシュ631を示している。図14は、ピン634を挿
入する前における図13を右側から見た図である。ブッ
シュ631はフランジ部631aを有している。フラン
ジ部631aの外周面の径はギアケース636の保持孔
622内の径と比較して十分に大きく、図13における
左側から、ブッシュ631をフランジ部631a側から
保持孔622に挿入することはできない。ブッシュ63
1のフランジ部631aを除いた円筒部の内周及び外周
の径寸法は、前記第4実施形態に係るブッシュ431と
同様にすることができる。
【0073】ブッシュ631の内周面には、フランジ部
631a側で内径が大きくなるようにテーパ部631b
が形成されており、ピン634が傾いて組み付けられた
場合でも異音の発生及びウェビングの巻取り・引出しフ
ィーリングの劣化を抑制できる。ブッシュ631のフラ
ンジ部631a側とは反対側の外周面端部には、ブッシ
ュ631装着の際の誘い込みとして機能する、テーパ状
の面取り631cが形成されている。ブッシュ631の
先端(フランジ部631a側とは反対側の端部)は、装
着後、円筒部636bの端面629より突出せず、シャ
フト(ピン634)を保持するスラスト方向受面の寸法
に影響を与えない。すなわち、ブッシュ631の先端
が、ピン634のフランジ部634aに当接することは
ない。ブッシュ631が端面629から突出するとシャ
フトのスラスト力によりブッシュ631が押されてブッ
シュ631が外れる心配があるが、本実施形態ではこの
ような心配がない。
【0074】ブッシュ631は、図中右側からギアケー
ス636に装着されて、フランジ部631aの装着方向
後面(図中、右側面)が、ギアケース636に設けられ
たフック636aによって係止されている。すなわち、
ブッシュ631をギアケース636に装着する方向が、
ギアケース636にシャフト(ピン634)を挿入する
方向と反対である。ブッシュ631はフック636aに
よって係止されて、組立工程で不意に落下しないように
なっている。フランジ部631aの装着方向前面(図
中、左側面)の外周側端部には、テーパ状の面取り63
1dが形成され、ギアケース636に設けられたフック
636aを乗り越える際の誘い込みとして機能する。
【0075】保持孔622における端面629側の内周
面には、突起656が全周に渡り設けられ、ブッシュ6
31を図13の左側から挿入できないようになってい
る。ギアケース636の平面部と円筒部636bの図中
右端とが、円錐筒状の中間部659によって接続されて
いる。中間部659の、フック636aと同様な径方向
の位置に、フック636aがアンダカットとならないよ
うにする成形用孔657が設けられている。なお、ここ
ではフック636aを2つ設けてあるが、3つ又は4つ
でもよい。
【0076】円筒部636bに設けられた突起656
は、ブッシュ631の肉厚を超えて径方向内側に延びる
ことはできない。すなわち、この突起656には高さに
制約がある。一方、フランジ部631aに係合するフッ
ク636aではこのような制約が少なく、掛かり代を大
きくとれる。このため、フック636aは数が少なくて
もブッシュ631をしっかりと保持できる。
【0077】本実施形態に係るブッシュ631を用いた
場合、フランジ部631aがあるため、手組みの場合な
どは組み付けが容易になり、治具製作なども不要とな
る。また、フランジ部631aが大きいため、目視・画
像認識はもちろん、機械的な欠品検出にも対応が容易と
なる。なお、ブッシュ631のその他の機能・効果は第
4実施形態で説明したブッシュ431と同様である。
【0078】ギアケース636の中間部659の、円筒
部636bとの接続箇所及び平面部との接続箇所には、
湾曲隅658が設けられている。また、中間部659は
ほぼ均一な肉厚に設定されている。車両緊急時にはウェ
ビングに張力が掛かり、シャフトの回転軸であるピン6
34にも大きな力がかかるが、湾曲隅658を設け、中
間部659の肉厚を均一にすることで、車両緊急時にギ
アケース636が破壊するのを防止している。
【0079】図15は、本発明の第7実施形態に係るブ
ッシュ731を軸方向に見た平面図を示し、図16は、
図15におけるA−A断面で示すブッシュ731をギア
ケース736に装着した様子である。ブッシュ731の
一方の端部には複数の(ここでは3つの)フランジ部7
61が形成され、他方の端部には複数の(ここでは3つ
の)フック762が形成されている。隣接するフランジ
部761とフランジ部761との間には、切れ込み76
3が設けられている。図15に示すように、フック76
2は、切れ込み763に対応する周方向位置に設けられ
ている。切れ込み763は、フック762がアンダカッ
トになるのを防ぐ。フック762は、ブッシュ731を
ギアケース736に装着した後の抜け止めとして機能す
る。
【0080】図16中、左側からブッシュ731はギア
ケース736に装着される。ブッシュ731のフランジ
部761の、装着方向後面(図中、左側面)766は、
図示しないピンのフランジ部との摺接面である。バリの
発生による摺動抵抗の増大を避けるため、フランジ部7
61のギアケース736と対向する面(装着方向前面)
768をパーティングラインとし、装着方向後面766
の外周端は丸め角767としている。ブッシ731の内
周面における、フランジ部761側と反対側の端部には
テーパ部764が設けてあり、第4実施形態に係るブッ
シュ431のテーパ部と同様の効果を持つ。また、テー
パ部764は、ブッシュ731の外周面に形成されたフ
ック762の内周面側にあり、この部分を薄肉にして変
形しやすくしているため、フック762をギアケース7
36の保持孔722の内周面に通過させやすい。このた
め、フック762の掛かり代を大きくとった場合でも、
挿入抵抗を低く抑えることができる。フランジ部761
とブッシュ731の外周面との接続部には湾曲隅769
を設け、ブッシュ挿入力又はリトラクター作動中のスラ
スト力によりフランジ761の根元部分にクラックが生
じるのを防止している。
【0081】本実施形態における湾曲隅769の構成
は、図13に示した第6実施形態に係るブッシュ631
にも適用でき、同様の効果を得ることができる。図16
に示すように、保持孔722の内周面のブッシュ731
が挿入される側の端部には、ブッシュ731挿入時の誘
い込みとして機能する面取り770が設けられている。
【0082】図17は、本発明の第8実施形態に係るブ
ッシュ831をギアケース836に装着した状態、かつ
ピン834が傾いた状態を示す拡大図である。ブッシュ
831の外周面における軸方向両端部にはテーパ部83
2が設けられている。ブッシュ831の内周面は円筒状
である。本実施形態においては、第4実施形態とは異な
り、ピン834がシャフトに対して傾いて組みつけられ
た場合、ブッシュ831がギアケース836の円筒部8
36b内でピン834に追従して傾く。ブッシュ831
の外周面に設けられたテーパ部832により、このよう
なブッシュ831の傾きが許容され、ピン834によっ
てブッシュ831がこじられることがない。また、摩擦
による異音の発生やウェビングの巻取り・引出しフィー
リングへの悪影響がない。
【0083】図18は、ブッシュの変形例を示してい
る。本例のブッシュ931は、その外周面931aが一
つの円弧部931aとなっている。図17及び図18に
示したブッシュ831,931には、変更を加えてもよ
く、例えば内周面を円筒面とする代わりに、第4実施形
態に係るブッシュ431と同様にテーパ部等を設けても
よい。また、ギアケース836に、第4実施形態と同様
な突起を設けてもよい。これらブッシュ831,931
は、軸方向に対称形状であり、方向性がなく製造工程の
自動化への対応が容易である。
【0084】ドア締め時の振動によってリトラクターが
共振し、振動音(所謂ビビリ音)が発生する場合がある
が、上記の第4実施形態から第8実施形態のような構成
によれば、ブッシュによるガタ詰め、軟質の樹脂の採用
などを行ったことにより、ウェビングの巻取り・引出し
時の異音だけでなく、このビビリ音を抑制する効果もあ
る。
【0085】図19は本発明の第9実施形態を示してい
る。本実施形態に係るリトラクターでは、ブッシュを用
いていない。本実施形態では、ケース(ギアケース93
6)に中心軸(ピン934)の一端を軸支する軸支部
(円筒部936b)が設けられ、前記軸支部の内周面に
は、前記中心軸の先端側に向かうほど中心軸との径方向
の隙間が大きくなるようにテーパ部922aが設けられ
ている。
【0086】すなわち、円筒部936bの保持孔922
内にテーパ部922aが形成されている。ピン934
は、円筒部936b内で摺接回転する。このような構成
によれば、ピン934がギアケース936に対して斜め
に傾いた場合でも、ピン934は保持孔922の中で滑
らかに回転し、巻取り・引出しフィーリングに悪影響を
及ぼすことがない。
【0087】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、ギアケース36の代わりにセンサーカバー35
に軸支部が設けられてもよい。緊急ロック手段300と
は反対側に設けられる巻取りばね装置に軸支部が設けら
れてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造の煩雑化を招くことなく、リトラクターにおけるボ
ビンの回動に伴う異音が生じず、円滑にウェビングを引
出し、巻取り可能なリトラクターを備えたシートベルト
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるリトラクターの
断面図である。
【図2】第1実施形態におけるリトラクターの要部分解
斜視図である。
【図3】第1実施形態における緊急ロック手段の分解斜
視図である。
【図4】本発明の第2実施形態におけるリトラクターの
片側断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態におけるリトラクターの
要部拡大図である。
【図6】本発明のブッシュの他の例を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明の第4実施形態におけるリトラクターの
断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態におけるリトラクターの
要部拡大図である。
【図9】本発明の第4実施形態におけるブッシュをギア
ケースに装着する工程を説明する図である。
【図10】第4実施形態におけるブッシュをギアケース
に装着する前後の状態を示す図である。
【図11】第4実施形態におけるピンがシャフトに対し
て傾斜した状態を示すリトラクターの断面図である。
【図12】本発明の第5実施形態におけるブッシュの断
面図である。
【図13】本発明の第6実施形態におけるリトラクター
の要部拡大図である。
【図14】第6実施形態におけるブッシュをギアケース
に装着した状態を示す図である。
【図15】本発明の第7実施形態におけるブッシュの拡
大図である。
【図16】本発明の第7実施形態におけるリトラクター
の要部拡大図である。
【図17】本発明の第8実施形態におけるリトラクター
の要部拡大図である。
【図18】第8実施形態の変形例を示すブッシュの断面
図である。
【図19】本発明の第9実施形態におけるリトラクター
の要部拡大図である。
【図20】従来例におけるリトラクターの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 リトラクターベース 2 巻取軸 3 ボビン 5 ロッキングベース(ロック部材) 31,131,431,531,631,731,83
1,931 ブッシュ 34,434,634,834 ピン(中心
軸) 36,156,436,636,736,836 ギア
ケース(ケース) 36a 孔(軸支部) 100 シートベルト用リトラクター 300 緊急ロック手段

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する側板を有するリトラクターベー
    スと、中心軸を有するとともに前記側板間に回動自在に
    支持されてウェビングが巻装されるボビンと、一方の前
    記側板の外側に固着されたケースとを有するシートベル
    ト用リトラクターを備えたシートベルト装置であって、 前記ケースに前記中心軸の一端を軸支する軸支部が設け
    られ、前記中心軸と前記軸支部との間にブッシュが装着
    されたことを特徴とするシートベルト用リトラクターを
    備えたシートベルト装置。
  2. 【請求項2】 前記ケースが樹脂製であることを特徴と
    する請求項1に記載のシートベルト用リトラクターを備
    えたシートベルト装置。
  3. 【請求項3】 前記ブッシュは、その内周面の軸方向の
    一部分が前記中心軸の外径よりも僅かに大きい最小内径
    を有し、内周面のそれ以外の部分が前記中心軸から離れ
    るようにテーパ部、円弧部又は段部になっていることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のシートベルト用リト
    ラクターを備えたシートベルト装置。
  4. 【請求項4】 前記ブッシュは、前記中心軸に対してラ
    ジアル方向のみで接触することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のシートベルト用リトラクターを備
    えたシートベルト装置。
  5. 【請求項5】 前記ケースを介して、前記中心軸の軸方
    向の位置決めがなされることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のシートベルト用リトラクターを備え
    たシートベルト装置。
  6. 【請求項6】 前記ブッシュは略円筒形状に形成され、
    その外周面の軸方向の一部分が前記軸支部の内径とほぼ
    同じ外径を有し、外周面のそれ以外の部分がテーパ部、
    円弧部又は段部にされて外径を小さくされていることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシートベル
    ト用リトラクターを備えたシートベルト装置。
  7. 【請求項7】 前記ブッシュは、その軸方向中心から見
    て軸方向に対称な形状であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載のシートベルト用リトラクターを
    備えたシートベルト装置。
  8. 【請求項8】 前記軸支部には前記ブッシュを装着する
    方向の奥側に底部が形成されていることを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載のシートベルト用リトラク
    ターを備えたシートベルト装置。
  9. 【請求項9】 前記底部には少なくとも1つの孔又は切
    り欠きが形成されていることを特徴とする請求項8に記
    載のシートベルト用リトラクターを備えたシートベルト
    装置。
  10. 【請求項10】 前記軸支部の内周面には少なくとも1
    つの突起が形成されており、前記突起が前記ブッシュの
    抜けを防止することを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    かに記載のシートベルト用リトラクターを備えたシート
    ベルト装置。
  11. 【請求項11】 前記ブッシュの少なくとも一方の軸方
    向端部の外周面の径は、前記突起に干渉しないように、
    ブッシュの他の部分における外周面の径よりも小さく設
    定されていることを特徴とする請求項10に記載のシー
    トベルト用リトラクターを備えたシートベルト装置。
  12. 【請求項12】 前記ブッシュの両方の軸方向端部の外
    周面の径が、前記突起に干渉しないように、ブッシュの
    中央部における外周面の径より小さく設定されているこ
    とを特徴とする請求項10に記載のシートベルト用リト
    ラクターを備えたシートベルト装置。
  13. 【請求項13】 前記ブッシュがフランジ部を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート
    ベルト用リトラクターを備えたシートベルト装置。
  14. 【請求項14】 前記ブッシュは、前記フランジ部が前
    記軸支部に形成された突起と係合することで前記ケース
    に固定されることを特徴とする請求項13に記載のシー
    トベルト用リトラクターを備えたシートベルト装置。
  15. 【請求項15】 前記軸支部における前記ブッシュを装
    着する方向の奥側に突起が形成され、該突起の先端をつ
    ないでなる仮想形状は、前記ブッシュの前記フランジ部
    以外の箇所における外周形状よりも小さいことを特徴と
    する請求項13又は14に記載のシートベルト用リトラ
    クターを備えたシートベルト装置。
  16. 【請求項16】 前記ブッシュと前記軸支部との径方向
    の隙間は、前記ブッシュが前記中心軸と接する軸方向位
    置において最小となっていることを特徴とする請求項1
    〜15のいずれかに記載のシートベルト用リトラクター
    を備えたシートベルト装置。
  17. 【請求項17】 前記ブッシュは前記軸支部よりも軟質
    の又は剛性の低い樹脂を素材とすることを特徴とする請
    求項1〜16のいずれかに記載のシートベルト用リトラ
    クターを備えたシートベルト装置。
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