JP2018040844A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた下引層であって、結着樹脂、金属酸化物粒子、及び、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物を含み、470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLが2%以上5%以下である下引層と、
前記下引層上に設けられた感光層と、
を有する電子写真感光体。
前記470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLが、2%以上4%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
750nm以上800nm以下の波長範囲の光の反射率RHに対する、前記470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLの比率が、5%以上20%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
750nm以上800nm以下の波長範囲の光の反射率RHに対する、前記470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLの比率が、5%以上15%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子、及び酸化チタン粒子からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像が転写手段によって転写された後、前記電子写真感光体の表面が帯電手段によって帯電される前に、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を備えない請求項7に記載の画像形成装置。
請求項2に係る発明によれば、下引層の光の反射率RLが2%未満又は4%超えの場合に比べ、ゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、下引層における「光の反射率RHに対する光の反射率RLの比率」が5%未満又は20%超えの場合に比べ、ゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項4に係る発明によれば、下引層における「光の反射率RHに対する光の反射率RLの比率」が5%未満又は15%超えの場合に比べ、ゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項5に係る発明によれば、金属酸化物粒子が酸化錫粒子である場合に比べ、ゴーストの発生を抑制する電子写真感光体が提供される。
請求項8に係る発明によれば、導電性基体上に設けられ、金属酸化物粒子、及び、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物を含む下引層を有する電子写真感光体において、下引層の光の反射率RLが2%未満又は5%超えの電子写真感光体を備える場合に比べ、除電手段を備えなくても、ゴーストの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する。そして、下引層は、結着樹脂、金属酸化物粒子、及び、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物(以下「アントラキノン系電子受容性化合物」とも称する。)を含み、470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLが2%以上5%以下である。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。図2、図3はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。
図2に示す電子写真感光体7Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷輸送層3、電荷発生層2、及び保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Bにおいては、電荷輸送層3及び電荷発生層2により感光層が構成される。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、結着樹脂、金属属酸化物粒子、及びアントラキノン系電子受容性化合物を含む。そして、下引層は、470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLが2%以上5%以下である。
反射率RLは、下引層形成塗布液の攪拌条件により金属酸化物粒子の凝集状態を制御して、調整される。具体的には、例えば、反射率RLを2%以上5%以下とするには、分散機の回転数が速い状態で攪拌した後、低い状態で攪拌する、又は、速い状態と低い状態を繰り返して攪拌することがよい。また、下引層の厚さによっても、金属酸化物粒子の凝集状態を制御でき、反射率RLを調整できる。
まず、使用する測定装置について説明する。図6に示すように、測定装置70、光ファイバー束(直径100)を内蔵し、測定対象に光照射及び照射した光を受光する光照射受光面72Aを有する二分岐ライトガイド72と、二分岐ライトガイド72の分岐した一方に接続された光源74(ハロゲンランプ)と、二分岐ライトガイド72の分岐した他方に接続された分光光度計76(大塚電子社製 MPCD−3000)とを備えた装置である。なお、図6中、76は、下引層が形成された導電性基体を示す。
なお、光照射受光面72Aにおいて、光ファイバー束の各光ファイバー端面は、光照射用の光ファイバーの端面、受光用の光ファイバーの端面が不規則(ランダム)に配置されている。
なお、測定は、下引層の表面との距離を内蔵する光ファイバー束の直径(=1mm)の10倍(=10mm)とし、光の照射方向が導電性基体の軸方向に対して直交方向に沿うように(つまり、照射光と反射光とは共に導電性基体の軸方向に対して直交方向に沿うように)、二分岐ライトガイド72の光照射受光面72Aを下引層の表面に対向して配置して実施する。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
金属酸化物粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)102Ωcm以上1011Ωcm以下の金属酸化物粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する金属酸化物粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物粒子としては、ゴーストの発生抑制の観点から、酸化亜鉛粒子、及び酸化チタン粒子からなる群から選択される少なくとも一種が好ましく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
なお、金属酸化物粒子は1種単種で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アントラキノン系電子受容性化合物は、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物である。アントラキノン系電子受容性化合物は、アントラキノン骨格に置換基(例えば、水酸基、アミノ基等)を有する化合物であってもよい。
アントラキノン系電子受容性化合物としては、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が挙げられる。
R1及びR2が表す炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、直鎖状、または分岐状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、オクトキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1以上8以下のアルコキシ基、より好ましくは炭素数1以上6以下のアルコキシ基である。
一般式(1A)中、nとしては、好ましくは1以上7以下の整数、より好ましくは2以上5以下の整数である。
なお、下記の化合物の具体例において、「例示化合物」と称し、例えば、下記(1−1)の化合物であれば「例示化合物(1−1)」と称す。
また、下記例示化合物中、「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「Bu」はn−ブチル基、「C5H11」はn−ペンチル基、「C6H13」はn−ヘキシル基、「C7H15」はn−ヘプチル基、「C8H17」はn−オクチル基、「C9H19」はn−ノニル基、「C10H21」はn−デシル基を表す。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように金属酸化物粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
特に、反射率RLを上記範囲とし、ゴーストの発生を抑制する観点から、下引層の膜厚は、10〜50μmが好ましく、15〜35μmがより好ましい。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図5に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
〔下引層の形成〕
金属酸化物粒子として酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−300、テイカ社製、平均一次粒子径=35nm):100質量部、シランカップリング剤として、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液:10質量部、及びトルエン:200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後、10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付け表面処理を行った。
次に、電荷発生材料としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:18質量部、結着樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製):16質量部、及びn−酢酸ブチル:100質量部からなる混合物を、容量100mLガラス瓶中に1.0mmφガラスビーズを充填率50%とともに入れてペイントシェーカーにより2.5時間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(CT1)で表される化合物:2質量部、下記式(CT2)で表される化合物:2質量部、及び下記式(PC1)で表されるポリカーボネート共重合樹脂(分子量4万)6質量部を、テトラヒドロフラン60重量部を加えて溶解して、電荷輸送層形成「用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、150℃、30分の乾燥を行うことにより膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。
表1に従って、下引き層形成用塗布液を調製するときの第一の分散及び第二の分散の分散条件と、下引層の膜厚と、金属酸化物粒子の種類。平均一次流子径(D50p)及び部数(表面処理した金属酸化物粒子の部数)と、電子受容性化合物の種類及び部数とを変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5の電子写真感光体を得た。
なお、実施例6、7は金属酸化物粒子として酸化亜鉛粒子(商品名:MZ−200、テイカ社製、平均一次粒子径=50nm)を使用した。
実施例9は金属酸化物粒子として酸化チタン粒子(商品名:TAF500J、富士チタン工業社製、平均一次粒子径=50nm)を使用した。
実施例10は金属酸化物粒子として酸化錫粒子(商品名:S−1、三菱マテリアル社製、平均一次粒子径=25nm)を使用した。
実施例11は電子受容性化合物として電子受容性化合物として下記式(Y)で表されるアントラキノン系電子受容性化合物を使用した。
各例の電子写真感光体の作製において、下引層を形成した段階で、既述の方法に従って。下引層における「470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RL」及び「750nm以上800nm以下の波長範囲の光の反射率RH」を測定した。
(ゴーストの評価)
各例で得られた電子写真感光体を、除電光を消灯できるように改造した電子写真式画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuCentre−V C7776)に搭載し、気温10℃、湿度15%RHで画像出力を行った。
なお、ゴーストの評価は、除電光を点灯(除電あり)した場合と、除電光を消灯(除電なし)した場合の双方で行った。
Claims (8)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた下引層であって、結着樹脂、金属酸化物粒子、及び、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物を含み、470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLが2%以上5%以下である下引層と、
前記下引層上に設けられた感光層と、
を有する電子写真感光体。 - 前記470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLが、2%以上4%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 750nm以上800nm以下の波長範囲の光の反射率RHに対する、前記470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLの比率が、5%以上20%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 750nm以上800nm以下の波長範囲の光の反射率RHに対する、前記470nm以上510nm以下の波長範囲の光の反射率RLの比率が、5%以上15%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子、及び酸化チタン粒子からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像が転写手段によって転写された後、前記電子写真感光体の表面が帯電手段によって帯電される前に、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を備えない請求項7に記載の画像形成装置。
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