JP2020027195A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、「支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有する感光体において、前記感光体における最表層が少なくとも無機微粒子、バインダー樹脂、及び電荷輸送剤を含有し、該バインダー樹脂の含有量が前記最表層の全固形分に対し50質量%以上であり、かつ前記感光体における特定の式で表される静電容量変化率が30%以下であることを特徴とする感光体。」が開示されている。
特許文献3には、「面移動可能に配置した電子写真感光体と、該電子写真感光体を除電する前露光手段と、前記電子写真感光体表面に接触配置され直流電圧が印加されることによって前記電子写真感光体表面を帯電する帯電部材と、を備えた画像形成装置において、前記前露光手段が、前記電子写真感光体の吸収波長域内の光であり、かつ吸収ピーク波長よりも長波長の光を含む、ことを特徴とする画像形成装置。」が開示されている。
特許文献4には、「特定の単層型電子写真感光体を使用し、前記感光体の進行方向に沿って、少なくとも主帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程とを備え、前記転写工程で印加される電圧は、帯電工程で印加される電圧とは逆極性であることを特徴とする除電工程を有さない反転現像式デジタル画像形成装置。」が開示されている。
特許文献5には、「基体上に、少なくとも電荷発生剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂と、を含む感光層を有する電子写真感光体を備えるとともに、除電手段を省略した除電レスタイプの画像形成装置であって、前記正孔輸送剤が、特定のアミン化合物を含むことを特徴とする除電レスタイプの画像形成装置。」が開示されている。
導電性基体、前記導電性基体上に設けられ、単位面積あたりの静電容量が0.7×10−9F/cm2以下であり、金属酸化物粒子を含む下引層、及び前記下引層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される帯電方式により帯電させる帯電手段、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、並びに、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を備え、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を有さず、被転写体の走行方向に向かって並列に配置されている少なくとも2つの画像形成ユニットと、
前記トナー像を被転写体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<2>
前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子である<1>に記載の画像形成装置。
<3>
前記下引層が、さらに電子受容性化合物を含有する<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
前記感光層が、下記一般式(CT1)および下記一般式(CT2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む電荷輸送材料と、ポリカーボネート樹脂を含む結着樹脂とを含む<1>〜<3>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記ポリカーボネート樹脂が、下記一般式(PCA)で示される構造単位と、下記一般式(PCB)で示される構造単位と、を含むポリカーボネート樹脂である<4>に記載の画像形成装置。
前記感光層が、さらに、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む<1>〜<5>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
<7>
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤である<6>に記載の画像形成装置。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が、下記一般式(BP)で示される紫外線吸収剤である<6>に記載の画像形成装置。
導電性基体、前記導電性基体上に設けられ、単位面積あたりの静電容量が0.7×10−9F/cm2以下であり、金属酸化物粒子を含む下引層、及び前記下引層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体を備え、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を有さず、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<2>に係る発明によれば、下引層に酸化チタン粒子の金属酸化物粒子を含む電子写真感光体が適用されている場合に比べ、2つ以上の色が重ねられた多重色の画像を形成したときのゴーストの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
<3>に係る発明によれば、下引層に、さらに電子受容性化合物が含まれている電子写真感光体が適用されている場合であっても、2つ以上の色が重ねられた多重色の画像を形成したときのゴーストの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
<6>〜<8>に係る発明によれば、感光層が、電荷輸送材料および結着樹脂のみ含む子写真感光体が適用されている場合に比べ、2つ以上の色が重ねられた多重色の画像を形成したときのゴーストの発生が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、導電性基体、前記導電性基体上に設けられ、単位面積あたりの静電容量が0.7×10−9F/cm2以下であり、金属酸化物粒子を含む下引層、及び前記下引層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される帯電方式により帯電させる帯電手段、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、並びに、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を備え、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を有さず、被転写体の走行方向に向かって並列に配置されている少なくとも2つ画像形成ユニットを備える。さらに、トナー像を被転写体の表面に転写する転写手段を備える。
なお、本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、被転写体は中間転写体が該当する。一方、本実施形態に係る画像形成装置が直接転写方式の場合、被転写体は記録媒体が該当する。
すなわち、画像形成装置に着脱される本実施形態に係るプロセスカートリッジは、導電性基体、前記導電性基体上に設けられ、単位面積あたりの静電容量が0.7×10−9F/cm2以下であり、金属酸化物粒子を含む下引層、及び前記下引層上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体を備え、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を有さない。
なお、1色のみで画像が形成される場合、転写後の感光体表面に1色のトナー像が存在していた領域と存在していない領域との間で生じる程度の電位差では、ゴーストの発生が生じ難い。また、感光体表面に交流電圧が印加される場合には、感光体表面の電位差が均されるため、ゴーストは生じ難い。
図2に示す画像形成装置120は、画像形成ユニット300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置の態様を模式的に表している。画像形成装置120では、被転写体である中間転写体50上に4つの画像形成ユニット300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120の画像形成ユニット300は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
帯電装置8は、例えば、画像形成装置100に設けられた制御装置62に電気的に接続されており、制御装置62により駆動制御されて、帯電装置8に直流電圧のみが印加される。帯電装置8は、印加された帯電電圧に応じた帯電電位に、電子写真感光体7を帯電させる。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
制御装置62は、画像形成装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。具体的には、制御装置62は、例えば、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種情報を記憶する不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース(I/O)を備えている。CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、及びI/Oの各々は、バスを介して接続されている。そして、I/Oには、電子写真感光体7、帯電装置8、露光装置9、現像装置11、転写装置40、クリーニング装置13等の画像形成装置100の各部が接続されている。
次に、図2を参照して、図2に示す画像形成装置120の画像形成動作について説明する。まず、中間転写体50の走行方向上流側に設けられた画像形成ユニット300において、トナー像が形成され、中間転写体50に転写される。次に、中間転写体50の走行方向下流側に設けられた画像形成ユニット300において、トナー像が形成され、中間転写体50に転写される。このとき、中間転写体50の走行方向上流側に設けられた画像形成ユニット300により形成されたトナー像上に、中間転写体50の走行方向下流側に設けられた画像形成ユニット300により形成されたトナー像が重ねられ、多重色トナー像を含むトナー像が形成される。中間転写体50に転写されたトナー像は、図示しない二次定着装置により記録媒体の表面に定着される。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置に適用される電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示す概略部分断面図である。
なお、電子写真感光体7Aは、必要に応じて、その他の層を設けてもよい。その他の層としては、例えば、電荷輸送層3の外周面に設けられる保護層等が挙げられる。本実施形態に係る画像形成装置に適用される電子写真感光体は、図3に示す構造に限定されず、感光層が単層型感光層であってもよい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
単位面積あたりの静電容量の下限値は特に限定されず、例えば、0.4×10−9F/cm2以上であってもよい。
前述のように、下引層における単位面積あたりの静電容量が上記範囲であることにより、0.7×10−9F/cm2よりも大きい場合に比べて多重色ゴーストが抑制される。
例えば、電子写真感光体の各層を構成する導電性有機膜の等価回路としては、一般的に、抵抗(抵抗値:R)とコンデンサー(静電容量:C)との並列回路が適用される。抵抗値R、及び静電容量Cが不明な並列回路において、抵抗値Rと静電容量Cとを解析・算出する方法として、コール・コールプロット(Cole・Cole Plot)解析が挙げられる。
コール・コールプロット解析とは、抵抗値R及び静電容量Cが不明の並列回路(例えば、導電性有機膜)の両端に電極を取り付け、両電極間に、周波数を変化させながら交流電圧を印加し、印加させた電圧と得られた電流の位相関係を解析する方法である。この方法により、上記並列回路の抵抗値R及び静電容量Cを求め、静電容量Cの値と取り付けた電極の面積の値とから、単位面積あたりの静電容量を求める。
測定条件としては、例えば、DCバイアス(直流印加電圧):0V、AC(交流印加電圧):±1V、周波数:1Hz以上100Hz以下の範囲が挙げられる。
得られた測定結果から、コール・コールプロット解析により上記静電容量Cが求められ、対向電極の電極面積S(cm2)で除することにより、下引層における単位面積あたりの静電容量が算出される。
まず、測定対象となる感光体を準備する。次に、例えば、下引層を被覆している電荷発生層、及び電荷輸送層等の感光層をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶剤を用いて除去し、下引層を露出させる。そして、露出された下引層上に真空蒸着法やスパッタ法等の手段により金電極を装着して、測定用試料とする。そして、この測定用試料について測定を行い、単位面積あたりの静電容量を求める。
金属酸化物粒子を分散させた下引層形成用塗布液の塗膜を形成して下引層を形成する場合、形成された下引層の膜中に、例えば、金属酸化物粒子の一次粒子とともに、一次粒子が凝集した二次粒子が存在することがある。二次粒子の金属酸化物粒子は、一次粒子に比べて粒径が大きく、この二次粒子の存在によって電荷が移動する経路が形成されやすい。そのため、例えば、金属酸化物粒子の分散度を調整して、二次粒子の金属酸化物粒子を制御することによって、下引層の単位面積当たりの静電容量が制御される。
具体的には、金属酸化物粒子の分散度が低い場合(すなわち金属酸化物粒子の分散粒径が大きい場合)、下引層中での電荷の移動度が高くなり、単位面積当たりの静電容量が低下し易くなる。一方、金属酸化物粒子の分散度が高い場合(すなわち金属酸化物粒子の分散粒径が小さい場合)、下引層中での電荷の移動度が低くなり、単位面積当たりの静電容量が増大し易くなる傾向がある。
なお、分散度を調整する方法は、例えば、下引層形成用塗布液を形成する際における金属酸化物粒子の分散時間等によって調整する方法が挙げられる。
さらに、金属酸化物粒子としてアミノ基を有するシランカップリング剤により表面処理した酸化亜鉛粒子を用い、結着樹脂としてアセタール樹脂を用いた場合、例えば、金属酸化物粒子の表面処理量を多くすると金属酸化物粒子の分散度が下がることで下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の表面処理量を少なくすると金属酸化物粒子の分散度が上がることで下引層の静電容量が上がる傾向がある。
また、例えば、金属酸化物粒子の含有量を多くすると結着樹脂量が少なくなることで下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の含有量を少なくすると結着樹脂量が多くなることで下引層の静電容量が上がる傾向がある。
また、例えば、電子受容性化合物の含有量を多くすると下引層の静電容量が下がり、電子受容性化合物の含有量を少なくすると下引層の静電容量が上がる傾向がある。
以下、下引層の一例として、結着樹脂と金属酸化物粒子と電子受容性化合物とを含有する層について、材料、製造方法、及び特性等を説明する。
金属酸化物粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)102Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する金属酸化物粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
金属酸化物粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
電子受容性化合物は、下引層中に、金属酸化物粒子と共に分散して含まれていてもよいし、金属酸化物粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。電子受容性化合物が金属酸化物粒子の表面に付着した状態で含まれる場合、電子受容性化合物は、金属酸化物粒子の表面と化学反応する材料、又は金属酸化物粒子の表面に吸着する材料であることが好ましく、金属酸化物粒子の表面に選択的に存在し得る。
なお、電子受容性化合物は、これら骨格に、酸性基(例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基等)、アリール基、アミノ基等の置換基で置換された化合物であってもよい。
R11及びR12が表す炭素数1以上10以下のアルコキシ基(アルコキシル基)としては、直鎖状、又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、好ましくは1以上8以下のアルコキシル基、より好ましくは1以上6以下のアルコキシル基である。
電子受容性化合物の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて、電子受容性化合物のアクセプターとしての効果が得られやすい。また、電子受容性化合物の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて、金属酸化物粒子同士の凝集を引き起こして下引層内に金属酸化物粒子が偏在しすぎることが起こりにくく、金属酸化物粒子が偏在しすぎることによる残留電位の上昇、黒点の発生、ハーフトーン濃度ムラ等が起こりにくい。
また、電子受容性化合物の含有量は、下引層における単位面積当たりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、下引層中の全固形分に対して、0.5質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1.0質量%以下がより好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
以下、ブタジエン系電荷輸送材料について説明する。ブタジエン系電荷輸送材料は、下記一般式(CT1)で表される。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
・−CH3:メチル基
・−OCH3:メトキシ基
以下、エナミン系電荷輸送材料について説明する。エナミン系電荷輸送材料は、下記一般式(CT2)で表される。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
つまり、エナミン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−3))であることがより好ましい。
・−CH3:メチル基
・−OCH3:メトキシ基
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールTP等の単独重合型、又はこれらの共重合型等)、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上混合して用いてもよい。
すなわち、BPポリカーボネート樹脂としては、例えば、ビフェニル骨格を有する構造単位で構成された単独重合体、ビスフェノール骨格を有する構造単位で構成された単独重合体のほか、ビフェニル骨格を有する構造単位及びビスフェノール骨格を有する構造単位の少なくとも1種を含んで構成された共重合体が挙げられる。BPポリカーボネート樹脂は、多重色ゴーストの発生が抑制される点で、ビスフェノール骨格を有する構造単位で構成された単独重合体が好ましい。
なお、ビスフェノール骨格としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールB骨格、ビスフェノールBP骨格、ビスフェノールC骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールZ骨格等が挙げられる。
これらジヒドロキシビフェニル化合物は、1種単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。
これらビスフェノール化合物は、1種単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基、イソウンデシレン基、sec−ウンデシレン基、tert−ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec−ドデシレン基、tert−ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
なお、BPポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の測定方法としては、次の方法により測定される値である。樹脂1gをメチレンクロライド100cm3に均一溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕2cの関係式(ただしcは濃度(g/cm3))より極限粘度〔η〕(cm3/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
フッ素含有樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の粒子の中から1種又は2種以上を選択するのが望ましい。これらの中でも、フッ素含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂粒子、フッ化ビニリデン樹脂粒子が望ましい。
なお、この個数平均一次粒径は、感光層(電荷輸送層)から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子状態のフッ素樹脂粒子の最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM−6700Fを使用し、加速電圧5kVの二次電子画像を観察する。
フッ素含有分散剤は、例えば、電荷輸送層形成用塗布液中における上記フッ素含有樹脂粒子の分散安定剤として用いる。
フッ素含有分散剤としては、例えば、フッ化アルキル基を有する重合性化合物を単独重合又は共重合した重合体(以下「フッ化アルキル基含有重合体」とも称する)が挙げられる。
フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アククリレートが挙げられる。
フッ素原子を有さないモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
フッ素含有分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される値である。GPCによる分子量測定は、例えば、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行い、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、フッ化アルキル基含有共重合体は、1種を単独でまたは2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤として、その代表的なものは、例えば、電子写真感光体の内部または表面に存在する酸化性物質に対して、光、熱、放電などの条件下で酸素の作用を防止または抑制する性質を有する物質が挙げられる。
酸化防止剤としては、ラジカル重合禁止剤、過酸化物分解剤等が挙げられる。ラジカル重合禁止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ジアリルアミン系酸化防止剤、ジアリルジアミン系酸化防止剤、ハイドロキノン系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤が挙げられる。過酸化物分解剤としては、有機硫黄系(例えばチオエーテル系)酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤が挙げられる。
これの中でも、酸化防止剤としては、ラジカル重合禁止剤がよく、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤がより好ましい。酸化防止剤としては、一分子中に、酸化防止作用を持つ異なる骨格を2つ以上有する酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール骨格とヒンダードアミン骨格とを有する酸化防止剤等)であってもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環を有する化合物である。
1)ヒンダードフェノール環を1つ有する酸化防止剤、
2)ヒンダードフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が連結された酸化防止剤、
3)2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環と、一つのベンゼン環(未置換、又はアルキル基等で置換された置換ベンゼン環)又はイソシアヌレート環とを有し、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が、各々、ベンゼン環又はイソシアヌレート環とアルキレン基を介して連結された酸化防止剤、
等が挙げられる。
RH3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
RH5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキレン基が好ましい。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例示化合物(HP−3)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。
具体的には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、多重色ゴーストの抑制の点から、下記一般式(BP)で示される紫外線吸収剤が好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
具体的には、紫外線吸収剤は、下記構造式(BPA)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例示化合物(BP−3))であることが特に好ましい。
・−CH3:メチル基
・−C2H5:エチル基
・−(CH2)7−CH3:オクチル基
・−OCH3:メトキシ基
・−OH:ヒドロキシ基
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
下引層は、単位面積あたりの静電容量が0.7×10−9F/cm2以下(好ましくは、0.4×10−9F/cm2以上0.7×10−9F/cm2以下、より好ましくは、0.5×10−9F/cm2以上0.6×10−9F/cm2以下)である。また、下引層には、金属酸化物粒子として、酸化亜鉛粒子を含み、さらに、電子受容性化合物(好ましくは、ヒドロキシアントラキノン骨格を有する電子受容性化合物)を含むことが好ましい。
感光層は、前述のトリアリールアミン誘導体の電荷輸送材料、前述の一般式(CT1)で表されるブタジエン系の電荷輸送材料、及び一般式(CT2)で表されるエナミン系の電荷輸送材料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む電荷輸送材料と、ポリカーボネート樹脂を含む結着樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂は、BPポリカーボネート樹脂でもよい。さらに、感光層は、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことも好ましい。また、感光層は、フッ素含有樹脂粒子およびフッ素含分散剤の少なくとも1種を含むことも好ましい。
[下引層の形成]
酸化亜鉛粒子(テイカ株式会社製、体積平均一次粒径:70nm、比表面積:15m2/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(表面処理剤)として、KBM603(信越化学工業製、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を酸化亜鉛粒子100質量部に対し1.5質量部添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて除去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理したシランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール130、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)4.0質量部とを添加し、下引層形成用の塗布液を得た。
この塗布液を、浸漬塗布法にて直径24mmのアルミニウム基材上に塗布し、硬化温度:190℃、硬化時間:30分の条件で乾燥硬化を行い、厚さ35μmの下引層を得た。
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2゜)が少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜、及び28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部、及びn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して、厚さが0.2μmの電荷発生層を得た。
(電荷輸送層形成用塗布液1の調製)
4フッ化エチレン樹脂粒子8質量部(平均粒径:0.2μm)およびフッ化アルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量:80000)0.02質量部をテトラヒドロフラン3質量部およびトルエン2質量部と共に48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液Aを得た。
次に、電荷輸送材料として後述の構造式(CTa−1A)に示すトリス[4−(4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル)フェニル]アミンを4質量部、バインダー樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部をテトラヒドロフラン24部と混合して混合液を調整し、この混合液とトルエン11部とを混合溶解して、混合溶解液Bを得た。この混合溶解液Bに4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液A液を加えて攪拌混合した後、貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧して、分散処理を4回繰り返した。この液に、フッ素変性シリコーンオイル(商品名:FL−100、信越化学工業社製)を10ppm添加し、攪拌して電荷輸送層用塗布液を得た。
この塗布液を電荷発生層上に塗布して115℃で25分間乾燥し、膜厚が30μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体1を得た。
後述の構造式(CTa−1A)に示す電荷輸送材料に代えて、前述の構造式(CT2−3)に示す構造を有するエナミン誘導体4質量部に変更した以外は、電子写真感光体1の作製と同様にして、電子写真感光体2を得た。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)を電荷輸送層にさらに含有させた以外は、電子写真感光体1の作製と同様にして、電子写真感光体3を得た。
紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤「例示化合物(BP−1)」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)を電荷輸送層にさらに含有させた以外は、電子写真感光体1の作製と同様にして、電子写真感光体4を得た。
下引層に用いた材料種、感光層に用いた材料種を表1に示すように変更した以外は、電子写真感光体1の作製と同様にして、各電子写真感光体を得た。
下引層の厚さを表1に示すように変更した以外は、電子写真感光体3の作製と同様にして、各電子写真感光体を得た。
下引層形成用塗布液の調整において、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて分散時間の4時間を2時間に変えた以外は、電子写真感光体3の作製と同様にして、電子写真感光体11を得た。
下引層形成用塗布液の調整において、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて分散時間の4時間を6時間に変え、下引層の厚さを表1に示すように変更した以外は、電子写真感光体3の作製と同様にして、電子写真感光体12を得た。
下引層の膜厚を19μmにした以外は、電子写真感光体1の作製と同様にして、電子写真感光体C1を得た。
紫外線吸収剤として、「例示化合物(HP−1)、分子量775」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)を使用した以外は電子写真感光体C1の作製と同様にして、電子写真感光体C2を得た。
下引層形成用塗布液の調整において、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて分散時間の4時間を14時間に変え、下引層の厚さを表1に示すように変更した以外は、電子写真感光体1の作製と同様にして、電子写真感光体C3を得た。
上記で得られた各電子写真感光体を、画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuPrint C2110)から除電手段を取り除いた改造機に搭載し、各例の画像形成装置として、以下の評価を行った。なお、静電容量の測定は、既述の方法にしたがって行った。結果を表1に示す。
温度22℃、湿度50%の環境下で、3次色の画像濃度50%のハーフトーン画像を形成した後、次のサイクルの白紙画像およびハーフトーン画像に現れる多重色ゴーストを目視にて観察し、下記評価基準により評価した。
−評価基準−
A(◎):目視上多重色ゴースト未発生
B(○):目視上多重色ゴーストの発生が認められるが、合格レベルである。
C(×):目視上多重色ゴーストの発生が認められ、不合格レベルである。
AQ1−9:電子受容性化合物の例示化合物(1−9)
CTa−1A:トリス[4−(4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル)フェニル]アミン(下記構造式(CTa−1A)で表される電荷輸送材料)
CT2−3:エナミン系電荷輸送材料(CT2)の例示化合物(CT2−3)
CT1−3:ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の例示化合物(CT1−3)
PC−Z:PCZ500:ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)
PC−BP:下記構造式(PC−1)で示されるポリカーボネート共重合体(pm:pn=25:75、重量平均分子量:53000)
HP−1 :ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例示化合物(HP−1)
BP−1 :ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例示化合物(BP−1)
Claims (9)
- 導電性基体、前記導電性基体上に設けられ、単位面積あたりの静電容量が0.7×10−9F/cm2以下であり、金属酸化物粒子を含む下引層、及び前記下引層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を、直流電圧のみが印加される帯電方式により帯電させる帯電手段、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、並びに、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を備え、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を有さず、被転写体の走行方向に向かって並列に配置されている少なくとも2つの画像形成ユニットと、
前記トナー像を被転写体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記下引層が、さらに電子受容性化合物を含有する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記感光層が、下記一般式(CT1)および下記一般式(CT2)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む電荷輸送材料と、ポリカーボネート樹脂を含む結着樹脂とを含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。) - 前記ポリカーボネート樹脂が、下記一般式(PCA)で示される構造単位と、下記一般式(PCB)で示される構造単位と、を含むポリカーボネート樹脂である請求項4に記載の画像形成装置。
(一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。) - 前記感光層が、さらに、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤である請求項6に記載の画像形成装置。
(一般式(HP)中、RH1、及びRH2は、各々独立に、炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基を表す。RH3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。RH5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。) - 前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が、下記一般式(BP)で示される紫外線吸収剤である請求項6に記載の画像形成装置。
(一般式(BP)中、RB1、RB2、及びRB3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。) - 導電性基体、前記導電性基体上に設けられ、単位面積あたりの静電容量が0.7×10−9F/cm2以下であり、金属酸化物粒子を含む下引層、及び前記下引層上に設けられた感光層を有する電子写真感光体を備え、前記電子写真感光体の表面を除電する除電手段を有さず、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
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