JP2017203846A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】前画像の履歴が残ることで生じる残像現象を抑制した画像形成装置の提供。
【解決手段】単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層を有する電子写真感光体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容した現像手段と、転写手段と、を備える画像形成装置。
【選択図】なし
【解決手段】単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層を有する電子写真感光体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容した現像手段と、転写手段と、を備える画像形成装置。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真感光体を用いて帯電、静電潜像形成、現像、転写等の工程を順次行う装置が広く知られている。
例えば特許文献1には、支持体、電荷発生層、および、正孔輸送層を有し、量子効率が0.50よりも大きく、電荷発生層が電荷発生物質に対して21〜50質量%の電子輸送物質を含有し、電子写真感光体1cm2あたりの静電容量が135pF以上である電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、並びに転写手段を有する電子写真装置が開示されている。
例えば高画質の画像を形成するために小径(例えば体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下)のトナー粒子を有するトナーを用いて画像形成を行うと、トナー単位体積あたりの帯電量が多いため、転写工程において大きな転写電流が必要となる。
そして、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写する転写電流値を大きい値(例えば20μA以上100μA以下)に設定して画像形成を連続して行うと、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象が起こりやすくなる。
そして、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写する転写電流値を大きい値(例えば20μA以上100μA以下)に設定して画像形成を連続して行うと、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象が起こりやすくなる。
本発明の課題は、体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を用い、かつ、下引層が結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む電子写真感光体を用いた場合において、電子写真感光体における下引層の単位面積あたりの静電容量が100pF/cm2を超える場合に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象を抑制した画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
即ち、請求項1に係る発明は、
導電性基体と前記導電性基体上に設けられ結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層と前記下引層上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
即ち、請求項1に係る発明は、
導電性基体と前記導電性基体上に設けられ結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層と前記下引層上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、
前記転写手段において前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を転写する転写電流値は、20μA以上100μA以下である請求項1に記載の画像形成装置である。
前記転写手段において前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を転写する転写電流値は、20μA以上100μA以下である請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、
前記金属酸化物粒子は、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、及び酸化亜鉛粒子から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
前記金属酸化物粒子は、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、及び酸化亜鉛粒子から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、
前記金属酸化物粒子の体積平均一次粒径は、100nm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
前記金属酸化物粒子の体積平均一次粒径は、100nm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、
前記金属酸化物粒子は、1種以上のカップリング剤で処理されたものである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
前記金属酸化物粒子は、1種以上のカップリング剤で処理されたものである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、
前記カップリング剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びアルミニウム系カップリング剤から選択される少なくとも1種を含む請求項5に記載の画像形成装置である。
前記カップリング剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びアルミニウム系カップリング剤から選択される少なくとも1種を含む請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
前記下引層は、さらに電子受容性化合物を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
前記下引層は、さらに電子受容性化合物を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、
前記電子受容性化合物は、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物である請求項7に記載の画像形成装置である。
前記電子受容性化合物は、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物である請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、
前記アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項8に記載の画像形成装置である。
前記アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項8に記載の画像形成装置である。
(一般式(1)中、n1及びn2は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n1及びn2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す。m1及びm2は、各々独立に0又は1の整数を示す。R11及びR12は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。)
請求項10に係る発明は、
前記下引層の厚みが15μm以上30μm以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
前記下引層の厚みが15μm以上30μm以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、
導電性基体と前記導電性基体上に設けられ結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層と前記下引層上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
を有する画像形成方法である。
導電性基体と前記導電性基体上に設けられ結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層と前記下引層上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
を有する画像形成方法である。
請求項1、3、4、5、6、7、8、9、又は10に係る発明によれば、体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を用い、かつ、下引層が結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む電子写真感光体を用いた場合において、電子写真感光体における下引層の単位面積あたりの静電容量が100pF/cm2を超える場合に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象を抑制した画像形成装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を用い、下引層が結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む電子写真感光体を用い、かつ、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写する転写電流値が20μA以上100μA以下である転写手段を用いた場合において、電子写真感光体における下引層の単位面積あたりの静電容量が100pF/cm2を超える場合に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象を抑制した画像形成装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を用い、下引層が結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む電子写真感光体を用い、かつ、転写電流値が20μA以上100μA以下である転写手段を用いた場合において、電子写真感光体における下引層の単位面積あたりの静電容量が100pF/cm2を超える場合に比べ、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象を抑制した画像形成方法が提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
上記の電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する。そして、トナーに含まれるトナー粒子の体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であり、かつ、下引層は結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み、下引層における単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100F/cm2以下である。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
上記の電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する。そして、トナーに含まれるトナー粒子の体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であり、かつ、下引層は結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み、下引層における単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100F/cm2以下である。
本実施形態に係る画像形成装置は、下引層の単位面積あたりの静電容量が上記範囲であると、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象(以下「ゴースト」ともいう)が抑制される。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
例えば高画質の画像を形成するために小径(例えば体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下)のトナー粒子を有するトナーを用いて画像形成を行うと、トナー単位体積あたりの帯電量が多いため、転写工程において大きな転写電流が必要となる。
そして、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写する転写電流値を高く(例えば20μA以上100μA以下)して画像形成を行うと、次の画像形成において前画像の履歴が残る残像現象(ゴースト)が発生しやすくなる。
そして、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写する転写電流値を高く(例えば20μA以上100μA以下)して画像形成を行うと、次の画像形成において前画像の履歴が残る残像現象(ゴースト)が発生しやすくなる。
ここで、「転写電流値」とは、感光体から被転写体にトナー像が転写される際に、転写手段から感光体に流れる転写電流の電流値を示す。
なお、前記「被転写体」は、転写手段が直接転写方式であるか中間転写方式であるかに関わらず、感光体上のトナー像が直接転写される対象を意味する。具体的には、例えば、転写手段が直接転写方式である場合、感光体上のトナー像を記録媒体の表面に直接転写するため、記録媒体が前記「被転写体」である。また、例えば、転写手段が中間転写方式である場合、感光体上のトナー像が一次転写手段によって中間転写体に直接一次転写され、その後中間転写体上のトナー像が二次転写手段によって記録媒体に二次転写されるため、中間転写体が前記「被転写体」である。
つまり「転写電流値」は、転写手段が直接転写方式の場合は感光体から記録媒体にトナー像が転写される際に流れる転写電流の値であり、転写手段が中間転写方式の場合は、感光体から中間転写体にトナー像が転写される際に流れる一次転写電流の値である。
なお、前記「被転写体」は、転写手段が直接転写方式であるか中間転写方式であるかに関わらず、感光体上のトナー像が直接転写される対象を意味する。具体的には、例えば、転写手段が直接転写方式である場合、感光体上のトナー像を記録媒体の表面に直接転写するため、記録媒体が前記「被転写体」である。また、例えば、転写手段が中間転写方式である場合、感光体上のトナー像が一次転写手段によって中間転写体に直接一次転写され、その後中間転写体上のトナー像が二次転写手段によって記録媒体に二次転写されるため、中間転写体が前記「被転写体」である。
つまり「転写電流値」は、転写手段が直接転写方式の場合は感光体から記録媒体にトナー像が転写される際に流れる転写電流の値であり、転写手段が中間転写方式の場合は、感光体から中間転写体にトナー像が転写される際に流れる一次転写電流の値である。
上記ゴーストは、以下のようにして生じると推測される。まず、感光体と転写手段との間の電気抵抗は、トナー像が存在する画像部に比べて、トナー像が存在しない非画像部の方が小さくなる。そのため、高い転写電流値に設定してトナー像の転写を行うと、転写手段に印加された転写電圧によって、転写電流が感光体の非画像部に集中して流入し、感光体の非画像部に相当する領域のみに多くの電荷が蓄積されることがある。
このように、画像部と非画像部とで電荷の蓄積量に大きな差が生じた状態で次の画像形成が行われると、帯電工程において、前画像における非画像部では帯電電位と逆極性の電荷が多く蓄積されているため、表面電荷が打ち消され、帯電不良が起こりやすくなる。その結果、前画像における非画像部が次画像において前画像の履歴画像として現れ、ゴーストが生じると推測される。
このように、画像部と非画像部とで電荷の蓄積量に大きな差が生じた状態で次の画像形成が行われると、帯電工程において、前画像における非画像部では帯電電位と逆極性の電荷が多く蓄積されているため、表面電荷が打ち消され、帯電不良が起こりやすくなる。その結果、前画像における非画像部が次画像において前画像の履歴画像として現れ、ゴーストが生じると推測される。
これに対して本実施形態では、下引層における単位面積あたりの静電容量を前記範囲とすることで、体積平均粒径が前記範囲のトナー粒子を有するトナー(以下「特定トナー」ともいう)を用いて画像形成を行っても、ゴーストが抑制される。
具体的には、下引層における単位面積あたりの静電容量を従来よりも小さい上記範囲とすることで、下引層が電荷を溜めにくくなり、転写工程において転写手段から感光体に転写電流が流入しても、流入した電荷が導電性基体側に流れやすくなる。その上、流入した電荷と逆極性の電荷も下引層内を移動しやすいため、前記流入した電荷と前記逆極性の電荷とが打ち消しあい、消滅しやすい。その結果、次の画像形成が始まる時点で、感光体に蓄積されている電荷量が少なくなると考えられる。そのため、次の画像形成において、特定の領域のみに多くの電荷が蓄積していることに起因する帯電不良が起こりにくいため、ゴーストが生じにくくなると推測される。
具体的には、下引層における単位面積あたりの静電容量を従来よりも小さい上記範囲とすることで、下引層が電荷を溜めにくくなり、転写工程において転写手段から感光体に転写電流が流入しても、流入した電荷が導電性基体側に流れやすくなる。その上、流入した電荷と逆極性の電荷も下引層内を移動しやすいため、前記流入した電荷と前記逆極性の電荷とが打ち消しあい、消滅しやすい。その結果、次の画像形成が始まる時点で、感光体に蓄積されている電荷量が少なくなると考えられる。そのため、次の画像形成において、特定の領域のみに多くの電荷が蓄積していることに起因する帯電不良が起こりにくいため、ゴーストが生じにくくなると推測される。
以上の理由により、本実施形態の画像形成装置は、特定トナーを用い、かつ、感光体の下引層が結着樹脂及び金属酸化物粒子を含む画像形成装置において、下引層における単位面積あたりの静電容量を10pF/cm2以上100pF/cm2以下とすることで、ゴーストが抑制されると推測される。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。また、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置のうち、直接転写方式の転写手段を備えた画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10には、例えば、電子写真感光体7が設けられている。電子写真感光体7は、円柱状とされ、駆動モータ27(駆動部の一例)にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動モータ27により、回転駆動(図1中の矢印A方向)される。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10には、例えば、電子写真感光体7が設けられている。電子写真感光体7は、円柱状とされ、駆動モータ27(駆動部の一例)にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動モータ27により、回転駆動(図1中の矢印A方向)される。
電子写真感光体7(像保持体の一例)の周辺には、例えば、帯電装置15(帯電手段の一例)、静電潜像形成装置16(静電潜像形成手段の一例)、現像装置18(現像手段の一例)、直接転写方式の転写装置31(転写手段の一例;以下、単に「転写装置」(「転写手段」)とも称する)、非接触帯電方式の再帯電装置40(非接触帯電方式の再帯電手段の一例;以下、単に「再帯電装置」(「再帯電手段」)とも称する)、清掃装置(クリーニング装置)22(清掃手段(クリーニング手段)の一例)、及び除電装置24(除電手段の一例)が、電子写真感光体7の回転方向に沿って順に配設されている。そして、本実施形態に係る画像形成装置10には、定着装置26も配設されている。さらに、画像形成装置10内の各装置及び各部材と接続され、各装置及び各部材の動作を制御する制御装置36も備えている。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
<電子写真感光体>
電子写真感光体7としては、導電性基体と、導電性基体上に設けられた下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する構成の感光体が適用される。
なお、感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の感光層(以下「機能分離型感光層」ともいう)であってもよいし、単層型の感光層(以下「単層型感光層」ともいう)であってもよい。感光層が機能分離型感光層である場合、電荷発生層に電荷発生材料を含み、電荷輸送層に電荷輸送材料を含む。
電子写真感光体7としては、導電性基体と、導電性基体上に設けられた下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する構成の感光体が適用される。
なお、感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の感光層(以下「機能分離型感光層」ともいう)であってもよいし、単層型の感光層(以下「単層型感光層」ともいう)であってもよい。感光層が機能分離型感光層である場合、電荷発生層に電荷発生材料を含み、電荷輸送層に電荷輸送材料を含む。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体を詳細に説明する。
図2は、電子写真感光体7の層構成の一例として示した電子写真感光体7Aの模式断面図である。図2に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体1上に、下引層3、電荷発生層4、及び電荷輸送層5がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層4及び電荷輸送層5が機能分離型感光層6を構成している。
なお、電子写真感光体7Aは、必要に応じてその他の層を設けてもよい。必要に応じて設けられる層としては、例えば、電荷輸送層5上に更に設けられる保護層等が挙げられる。
図2は、電子写真感光体7の層構成の一例として示した電子写真感光体7Aの模式断面図である。図2に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体1上に、下引層3、電荷発生層4、及び電荷輸送層5がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層4及び電荷輸送層5が機能分離型感光層6を構成している。
なお、電子写真感光体7Aは、必要に応じてその他の層を設けてもよい。必要に応じて設けられる層としては、例えば、電荷輸送層5上に更に設けられる保護層等が挙げられる。
図3は、電子写真感光体7の層構成の他の一例として示した電子写真感光体7Bの模式断面図である。図3に示した電子写真感光体7Bは、例えば、導電性基体1上に、下引層3及び単層型感光層2がこの順序で積層された構造を有する。
なお、電子写真感光体7Bは、必要に応じてその他の層を設けてもよい。必要に応じて設けられる層としては、例えば、単層型感光層2上に更に設けられる保護層等が挙げられる。
なお、電子写真感光体7Bは、必要に応じてその他の層を設けてもよい。必要に応じて設けられる層としては、例えば、単層型感光層2上に更に設けられる保護層等が挙げられる。
以下、電子写真感光体7の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、導電性基体と感光層との間に設けられ、結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み、単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である層である。
前述のように、下引層における単位面積あたりの静電容量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べてゴーストが抑制される。また、下引層における単位面積あたりの静電容量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて感光体の良好な電気特性が得られやすくなる。
また、下引層における単位面積あたりの静電容量は、ゴースト抑制の観点から、20pF/cm2以上80pF/cm2以下が好ましく、30pF/cm2以上60pF/cm2以下がより好ましい。
下引層は、導電性基体と感光層との間に設けられ、結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み、単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である層である。
前述のように、下引層における単位面積あたりの静電容量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べてゴーストが抑制される。また、下引層における単位面積あたりの静電容量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて感光体の良好な電気特性が得られやすくなる。
また、下引層における単位面積あたりの静電容量は、ゴースト抑制の観点から、20pF/cm2以上80pF/cm2以下が好ましく、30pF/cm2以上60pF/cm2以下がより好ましい。
ここで、下引層における単位面積あたりの静電容量を求める方法について説明する。
例えば、電子写真感光体の各層を構成する導電性有機膜の等価回路としては、一般的に、抵抗(抵抗値:R)とコンデンサー(静電容量:C)との並列回路が適用される。抵抗値R、及び静電容量Cが不明な並列回路において、抵抗値Rと静電容量Cとを解析・算出する方法として、コール・コールプロット(Cole・Cole Plot)解析が挙げられる。
コール・コールプロット解析とは、抵抗値R及び静電容量Cが不明の並列回路(例えば、導電性有機膜)の両端に電極を取り付け、両電極間に、周波数を変化させながら交流電圧を印加し、印加させた電圧と得られた電流の位相関係を解析する方法である。この方法により、上記並列回路の抵抗値R及び静電容量Cを求め、静電容量Cの値と取り付けた電極の面積の値とから、単位面積あたりの静電容量を求める。
例えば、電子写真感光体の各層を構成する導電性有機膜の等価回路としては、一般的に、抵抗(抵抗値:R)とコンデンサー(静電容量:C)との並列回路が適用される。抵抗値R、及び静電容量Cが不明な並列回路において、抵抗値Rと静電容量Cとを解析・算出する方法として、コール・コールプロット(Cole・Cole Plot)解析が挙げられる。
コール・コールプロット解析とは、抵抗値R及び静電容量Cが不明の並列回路(例えば、導電性有機膜)の両端に電極を取り付け、両電極間に、周波数を変化させながら交流電圧を印加し、印加させた電圧と得られた電流の位相関係を解析する方法である。この方法により、上記並列回路の抵抗値R及び静電容量Cを求め、静電容量Cの値と取り付けた電極の面積の値とから、単位面積あたりの静電容量を求める。
具体的には、例えば、まず下引層の外周面に対向電極としてφ6mmの金電極を真空蒸着法にて形成し、常温常湿(22℃/50%RH)において、ソーラトロン社製インピーダンスアナライザー126096W型により測定を行う。
測定条件としては、例えば、DCバイアス(直流印加電圧):0V、AC(交流印加電圧):±1V、周波数:1Hz以上100Hz以下の範囲が挙げられる。
得られた測定結果から、コール・コールプロット解析により上記静電容量Cが求められ、対向電極の電極面積S(cm2)で除することにより、下引層における単位面積あたりの静電容量が算出される。
測定条件としては、例えば、DCバイアス(直流印加電圧):0V、AC(交流印加電圧):±1V、周波数:1Hz以上100Hz以下の範囲が挙げられる。
得られた測定結果から、コール・コールプロット解析により上記静電容量Cが求められ、対向電極の電極面積S(cm2)で除することにより、下引層における単位面積あたりの静電容量が算出される。
なお、測定対象となる感光体から、上記単位面積あたりの静電容量を測定する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
まず、測定対象となる感光体を準備する。次に、例えば、下引層を被覆している電荷発生層、及び電荷輸送層等の感光層をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶剤を用いて除去し、下引層を露出させる。そして、露出された下引層上に真空蒸着法やスパッタ法等の手段により金電極を装着して、測定用試料とする。そして、この測定用試料について測定を行い、単位面積あたりの静電容量を求める。
まず、測定対象となる感光体を準備する。次に、例えば、下引層を被覆している電荷発生層、及び電荷輸送層等の感光層をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶剤を用いて除去し、下引層を露出させる。そして、露出された下引層上に真空蒸着法やスパッタ法等の手段により金電極を装着して、測定用試料とする。そして、この測定用試料について測定を行い、単位面積あたりの静電容量を求める。
下引層における単位面積あたりの静電容量を制御する方法としては、特に制限されるものではないが、下引層が結着樹脂と金属酸化物粒子と電子受容性化合物とを含有する層である場合、例えば、下引層内における金属酸化物粒子の分散度を調整する方法、金属酸化物粒子の粒径を調整する方法、金属酸化物粒子の表面処理量(すなわち、金属酸化物粒子の表面処理に用いる表面処理剤の量)を調整する方法、金属酸化物粒子の含有量(金属酸化物粒子の表面に表面処理剤が付着している場合は表面処理剤も含む含有量)を調整する方法、金属酸化物粒子の表面処理剤の種類と結着樹脂の種類との組み合わせを変える方法、及び電子受容性化合物の含有量を調整する方法、並びにこれらを組み合わせる方法等が挙げられる。
具体的には、各種材料の種類、組み合わせ、及び含有量等の条件によって適切な調整方法が変わるが、例えば、金属酸化物粒子の分散度を下げると下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の分散度を上げると下引層の静電容量が上がる傾向がある。
金属酸化物粒子を分散させた下引層形成用塗布液の塗膜を形成して下引層を形成する場合、形成された下引層の膜中に、例えば、金属酸化物粒子の一次粒子とともに、一次粒子が凝集した二次粒子が存在することがある。二次粒子の金属酸化物粒子は、一次粒子に比べて粒径が大きく、この二次粒子の存在によって電荷が移動する経路が形成されやすい。そのため、例えば、金属酸化物粒子の分散度を調整して、二次粒子の金属酸化物粒子を制御することによって、下引層の単位面積当たりの静電容量が制御される。
具体的には、金属酸化物粒子の分散度が低い場合(すなわち金属酸化物粒子の分散粒径が大きい場合)、下引層中での電荷の移動度が高くなり、単位面積当たりの静電容量が低下し易くなる。一方、金属酸化物粒子の分散度が高い場合(すなわち金属酸化物粒子の分散粒径が小さい場合)、下引層中での電荷の移動度が低くなり、単位面積当たりの静電容量が増大し易くなる傾向がある。
なお、分散度を調整する方法は、例えば、下引層形成用塗布液を形成する際における金属酸化物粒子の分散時間等によって調整する方法が挙げられる。
金属酸化物粒子を分散させた下引層形成用塗布液の塗膜を形成して下引層を形成する場合、形成された下引層の膜中に、例えば、金属酸化物粒子の一次粒子とともに、一次粒子が凝集した二次粒子が存在することがある。二次粒子の金属酸化物粒子は、一次粒子に比べて粒径が大きく、この二次粒子の存在によって電荷が移動する経路が形成されやすい。そのため、例えば、金属酸化物粒子の分散度を調整して、二次粒子の金属酸化物粒子を制御することによって、下引層の単位面積当たりの静電容量が制御される。
具体的には、金属酸化物粒子の分散度が低い場合(すなわち金属酸化物粒子の分散粒径が大きい場合)、下引層中での電荷の移動度が高くなり、単位面積当たりの静電容量が低下し易くなる。一方、金属酸化物粒子の分散度が高い場合(すなわち金属酸化物粒子の分散粒径が小さい場合)、下引層中での電荷の移動度が低くなり、単位面積当たりの静電容量が増大し易くなる傾向がある。
なお、分散度を調整する方法は、例えば、下引層形成用塗布液を形成する際における金属酸化物粒子の分散時間等によって調整する方法が挙げられる。
また、例えば、金属酸化物粒子の粒径を大きくすると下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の粒径を小さくすると下引層の静電容量が上がる傾向がある。
さらに、金属酸化物粒子としてアミノ基を有するシランカップリング剤により表面処理した酸化亜鉛粒子を用い、結着樹脂としてアセタール樹脂を用いた場合、例えば、金属酸化物粒子の表面処理量を多くすると金属酸化物粒子の分散度が下がることで下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の表面処理量を少なくすると金属酸化物粒子の分散度が上がることで下引層の静電容量が上がる傾向がある。
また、例えば、金属酸化物粒子の含有量を多くすると結着樹脂量が少なくなることで下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の含有量を少なくすると結着樹脂量が多くなることで下引層の静電容量が上がる傾向がある。
また、例えば、電子受容性化合物の含有量を多くすると下引層の静電容量が下がり、電子受容性化合物の含有量を少なくすると下引層の静電容量が上がる傾向がある。
以下、下引層の一例として、結着樹脂と金属酸化物粒子と電子受容性化合物とを含有する層について、材料、製造方法、及び特性等を説明する。
さらに、金属酸化物粒子としてアミノ基を有するシランカップリング剤により表面処理した酸化亜鉛粒子を用い、結着樹脂としてアセタール樹脂を用いた場合、例えば、金属酸化物粒子の表面処理量を多くすると金属酸化物粒子の分散度が下がることで下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の表面処理量を少なくすると金属酸化物粒子の分散度が上がることで下引層の静電容量が上がる傾向がある。
また、例えば、金属酸化物粒子の含有量を多くすると結着樹脂量が少なくなることで下引層の静電容量が下がり、金属酸化物粒子の含有量を少なくすると結着樹脂量が多くなることで下引層の静電容量が上がる傾向がある。
また、例えば、電子受容性化合物の含有量を多くすると下引層の静電容量が下がり、電子受容性化合物の含有量を少なくすると下引層の静電容量が上がる傾向がある。
以下、下引層の一例として、結着樹脂と金属酸化物粒子と電子受容性化合物とを含有する層について、材料、製造方法、及び特性等を説明する。
−金属酸化物粒子−
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられ、その中でも、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、及び酸化亜鉛粒子から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸化亜鉛粒子がより好ましい。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられ、その中でも、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、及び酸化亜鉛粒子から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸化亜鉛粒子がより好ましい。
金属酸化物粒子の数平均一次粒径としては、例えば、10nm以上200nm以下が挙げられる。
金属酸化物粒子の体積平均一次粒径が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて、金属酸化物粒子の表面積が大きすぎることによる分散液中での偏在が抑制される。また、金属酸化物粒子の体積平均一次粒径が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて、二次粒子又はそれ以上の高次粒子の粒径が大きくなりすぎることによる下引層内での偏在が抑制される。なお、上記下引層内での偏在が起こると、下引層内で金属酸化物粒子の存在する部分と存在しない部分とで構成された海島構造が形成され、ハーフトーン濃度のムラ等の画像欠陥が発生することがある。
また、金属酸化物粒子の体積平均一次粒径は、下引層における単位面積当たりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、20nm以上200nm以下が好ましく、30nm以上100nm以下がより好ましい。
金属酸化物粒子の体積平均一次粒径が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて、金属酸化物粒子の表面積が大きすぎることによる分散液中での偏在が抑制される。また、金属酸化物粒子の体積平均一次粒径が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて、二次粒子又はそれ以上の高次粒子の粒径が大きくなりすぎることによる下引層内での偏在が抑制される。なお、上記下引層内での偏在が起こると、下引層内で金属酸化物粒子の存在する部分と存在しない部分とで構成された海島構造が形成され、ハーフトーン濃度のムラ等の画像欠陥が発生することがある。
また、金属酸化物粒子の体積平均一次粒径は、下引層における単位面積当たりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、20nm以上200nm以下が好ましく、30nm以上100nm以下がより好ましい。
金属酸化物粒子の体積平均一次粒径の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定を行う。測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待ったところで測定する。得られたチャンネルごとの粒径を体積基準で小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均一次粒径とする。
金属酸化物粒子の体積抵抗率としては、例えば、104Ω・cm以上1010Ω・cm以下が挙げられる。
下引層は、電子写真プロセス速度に対応した周波数で適切なインピーダンスを得ることが好ましく、その観点で、金属酸化物粒子の体積抵抗率が上記範囲であることが好ましい。すなわち、金属酸化物粒子の体積抵抗率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも低い場合に比べて、インピーダンスの粒子含有量依存性の傾きが小さくなり、インピーダンスの制御困難性が抑制されやすくなる。また、金属酸化物粒子の体積抵抗率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも高い場合に比べて、残留電位の上昇が抑制されやすくなる。
また、金属酸化物粒子の体積抵抗率は、下引層における単位面積当たりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、3×106Ω・cm以上3×109Ω・cm以下が好ましく、5×106Ω・cm以上1×109Ω・cm以下がより好ましい。
下引層は、電子写真プロセス速度に対応した周波数で適切なインピーダンスを得ることが好ましく、その観点で、金属酸化物粒子の体積抵抗率が上記範囲であることが好ましい。すなわち、金属酸化物粒子の体積抵抗率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも低い場合に比べて、インピーダンスの粒子含有量依存性の傾きが小さくなり、インピーダンスの制御困難性が抑制されやすくなる。また、金属酸化物粒子の体積抵抗率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも高い場合に比べて、残留電位の上昇が抑制されやすくなる。
また、金属酸化物粒子の体積抵抗率は、下引層における単位面積当たりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、3×106Ω・cm以上3×109Ω・cm以下が好ましく、5×106Ω・cm以上1×109Ω・cm以下がより好ましい。
金属酸化物粒子の体積抵抗率は、次のようにして測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
まず、層中から金属酸化物粒子を分離する。そして、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離した金属酸化物粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、金属酸化物粒子層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ金属酸化物粒子層を挟み込む。金属酸化物粒子間の空隙をなくすため、金属酸化物粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてから金属酸化物粒子層の厚み(cm)を測定する。金属酸化物粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、金属酸化物粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。金属酸化物粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρは金属酸化物粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは金属酸化物粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I0)/L
まず、層中から金属酸化物粒子を分離する。そして、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離した金属酸化物粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、金属酸化物粒子層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ金属酸化物粒子層を挟み込む。金属酸化物粒子間の空隙をなくすため、金属酸化物粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてから金属酸化物粒子層の厚み(cm)を測定する。金属酸化物粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、金属酸化物粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。金属酸化物粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρは金属酸化物粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは金属酸化物粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I0)/L
金属酸化物粒子のBET比表面積は、例えば、10m2/g以上が挙げられ、下引層における単位面積当たりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、10m2/g以上30m2/g以下が好ましく、15m2/g以上25m2/g以下がより好ましい。
なお、上記BET比表面積は、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
なお、上記BET比表面積は、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
金属酸化物粒子の含有量としては、例えば、下引層中の全固形分に対して20質量%以上80質量%以下が挙げられ、電気特性維持の観点から25質量%以上75質量%以下が好ましい。また、金属酸化物粒子の含有量は、下引層における単位面積当たりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、下引層中の全固形分に対して、20質量%以上80質量%以下が好ましく、25質量%以上75質量%以下がより好ましい。
金属酸化物粒子は、表面処理剤によって表面処理が施されていてもよく、表面処理剤の中でも1種以上のカップリング剤で処理されたものであることが好ましい。カップリング剤は、一般に、有機系材料と無機系材料とを化学的に結び付ける作用を有するものであり、例えば、金属酸化物粒子の表面と親和性又は反応性を有する官能基を含有する化合物が挙げられる。
なお、金属酸化物粒子は、表面処理の異なるものを2種以上混合して用いてもよく、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
なお、金属酸化物粒子は、表面処理の異なるものを2種以上混合して用いてもよく、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
金属酸化物粒子は、例えば、カップリング剤で表面処理がされた後、必要に応じて、金属酸化物粒子の体積抵抗率の環境依存性の改善等の目的で熱処理を行ってもよい。上記熱処理における温度としては、例えば、150℃以上300℃以下が挙げられ、上記熱処理における処理時間としては、例えば、30分以上5時間以下が挙げられる。
−電子受容性化合物−
電子受容性化合物は、下引層中に金属酸化物粒子と共に分散して含まれていてもよいし、金属酸化物粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。電子受容性化合物が金属酸化物粒子の表面に付着した状態で含まれる場合、電子受容性化合物は、金属酸化物粒子の表面と化学反応する材料、又は金属酸化物粒子の表面に吸着する材料であることが好ましく、金属酸化物粒子の表面に選択的に存在し得る。
電子受容性化合物は、下引層中に金属酸化物粒子と共に分散して含まれていてもよいし、金属酸化物粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。電子受容性化合物が金属酸化物粒子の表面に付着した状態で含まれる場合、電子受容性化合物は、金属酸化物粒子の表面と化学反応する材料、又は金属酸化物粒子の表面に吸着する材料であることが好ましく、金属酸化物粒子の表面に選択的に存在し得る。
電子受容性化合物としては、例えば、キノン骨格、アントラキノン骨格、クマリン骨格、フタロシアニン骨格、トリフェニルメタン骨格、アントシアニン骨格、フラボン骨格、フラーレン骨格、ルテニウム錯体骨格、キサンテン骨格、ベンゾキサジン骨格、ポルフィリン骨格等を有する電子受容性化合物が挙げられる。
なお、電子受容性化合物は、これら骨格に、酸性基(例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基等)、アリール基、アミノ基等の置換基で置換された化合物であってもよい。
なお、電子受容性化合物は、これら骨格に、酸性基(例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基等)、アリール基、アミノ基等の置換基で置換された化合物であってもよい。
特に、電子受容性化合物としては、下引層における単位面積あたりの静電容量を前記範囲に調整する観点から、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物が好ましく、ヒドロキシアントラキノン骨格(水酸基を持つアントラキノン骨格)を有する電子受容性化合物がより好ましい。
ヒドロキシアントラキノン骨格を有する電子受容性化合物として具体的には、例えば、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
一般式(1)中、n1及びn2は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n1及びn2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、n1及びn2が同時に0を表さない)。m1及びm2は、各々独立に0又は1の整数を示す。R11及びR12は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。
また、電子受容性化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物であってもよい。
一般式(2)中、n1、n2、n3、及びn4は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。m1及びm2は、各々独立に0又は1の整数を示す。n1及びn2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、n1及びn2が同時に0を表さない)。n3及びn4の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す(つまり、n3及びn4が同時に0を表さない)。rは、2以上10以下の整数を示す。R11及びR12は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。
ここで、一般式(1)及び(2)中、R11及びR12が表す炭素数1以上10以下のアルキル基としては、直鎖状、又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルキル基としては、好ましくは1以上8以下のアルキル基、より好ましくは1以上6以下のアルキル基である。
R11及びR12が表す炭素数1以上10以下のアルコキシ基(アルコキシル基)としては、直鎖状、又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、好ましくは1以上8以下のアルコキシル基、より好ましくは1以上6以下のアルコキシル基である。
R11及びR12が表す炭素数1以上10以下のアルコキシ基(アルコキシル基)としては、直鎖状、又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。炭素数1以上10以下のアルコキシ基としては、好ましくは1以上8以下のアルコキシル基、より好ましくは1以上6以下のアルコキシル基である。
電子受容性化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
電子受容性化合物を金属酸化物粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、金属酸化物粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を金属酸化物粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、金属酸化物粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を金属酸化物粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に金属酸化物粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を金属酸化物粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、下引層中の全固形分に対して0.01質量%以上20質量%以下が挙げられ、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。
電子受容性化合物の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて、電子受容性化合物のアクセプターとしての効果が得られやすい。また、電子受容性化合物の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて、金属酸化物粒子同士の凝集を引き起こして下引層内に金属酸化物粒子が偏在しすぎることが起こりにくく、金属酸化物粒子が偏在しすぎることによる残留電位の上昇、黒点の発生、ハーフトーン濃度ムラ等が起こりにくい。
電子受容性化合物の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて、電子受容性化合物のアクセプターとしての効果が得られやすい。また、電子受容性化合物の含有量が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて、金属酸化物粒子同士の凝集を引き起こして下引層内に金属酸化物粒子が偏在しすぎることが起こりにくく、金属酸化物粒子が偏在しすぎることによる残留電位の上昇、黒点の発生、ハーフトーン濃度ムラ等が起こりにくい。
−結着樹脂−
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
−添加剤−
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように金属酸化物粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように金属酸化物粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
−下引層の形成方法−
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの金属酸化物粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは15μm以上50μm以下、さらに好ましくは15μm以上30μm以下、特に好ましくは20μm以上25μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a−1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C6H4−C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は−C6H4−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a−2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C6H4−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記一般式(CT1)で表されるブタジエン系電荷輸送材料(CT1)も好ましく挙げられる。
一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
cm及びcnは、各々独立に、0、1又は2を表す。
cm及びcnは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン環構造、シクロアルケン環構造、シクロアルカンポリエン環構造等が挙げられる。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン環構造、シクロアルケン環構造、シクロアルカンポリエン環構造等が挙げられる。
一般式(CT1)において、cm及びcnは、1であることが好ましい。
一般式(CT1)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、cm及びcnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、cm及びcnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・−CH3:メチル基
・−OCH3:メトキシ基
・−CH3:メチル基
・−OCH3:メトキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記一般式(CT2)で表されるベンジジン系電荷輸送材料(CT2)も好ましく挙げられる。特に、電荷移動度の観点から、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを併用することが好ましい。
一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子及び基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT2)において、特に、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成(感光体の高感度化)の点から、RC21、RC22、及びRC23が、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表すことが好ましく、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基(特に、メチル基)を表すことがより好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
以下に、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・−CH3:メチル基
・−C2H5:エチル基
・−OCH3:メトキシ基
・−OC2H5:エトキシ基
・−CH3:メチル基
・−C2H5:エチル基
・−OCH3:メトキシ基
・−OC2H5:エトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH2、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2)Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
<帯電装置>
帯電装置15(帯電手段の一例)は、感光体7の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、感光体7の表面を帯電する帯電部材14に帯電電位を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を含んで構成されている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
帯電装置15(帯電手段の一例)は、感光体7の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、感光体7の表面を帯電する帯電部材14に帯電電位を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を含んで構成されている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
帯電装置15の帯電部材14は、例えば、感光体7の表面に接触または非接触で設けられている。帯電部材14としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触帯電方式の帯電器が挙げられる。また、例えば、非接触帯電方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。
帯電装置15(電源28を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、帯電部材14に帯電電圧を印加する。電源28から帯電電圧を印加された帯電部材14は、印加された帯電電圧に応じた帯電電位に、感光体7を帯電させる。このため、電源28から印加される帯電電圧が調整されることで、感光体7は、異なる帯電電位に帯電される。
<静電潜像形成装置>
静電潜像形成装置(露光装置)16(静電潜像形成手段の一例)は、帯電された感光体7の表面に静電潜像を形成する。
具体的には、例えば、静電潜像形成装置16は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、帯電部材14により帯電された感光体7の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調された光Lを露光する。そして、感光体7上に画像情報の画像に応じた静電潜像を形成し、露光された感光体の表面は、静電潜像形成装置の露光光量に応じた露光後電位となる。
静電潜像形成装置(露光装置)16(静電潜像形成手段の一例)は、帯電された感光体7の表面に静電潜像を形成する。
具体的には、例えば、静電潜像形成装置16は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、帯電部材14により帯電された感光体7の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調された光Lを露光する。そして、感光体7上に画像情報の画像に応じた静電潜像を形成し、露光された感光体の表面は、静電潜像形成装置の露光光量に応じた露光後電位となる。
静電潜像形成装置16としては、例えば、半導体レーザ光、発光ダイオード(LED:ライト・エミッティング・ ダイオード)光、液晶シャッタ光等の光を像様に露光する光源を持つ光学系機器等の露光装置が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体7の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、静電潜像形成装置16としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力する形式の面発光型のレーザ光源も有効である。
<現像装置>
現像装置18は、例えば、静電潜像形成装置16による光Lの照射位置より感光体7の回転方向下流側に設けられている。現像装置18内には、現像剤を収容する収容部が設けられている。
現像装置18は、例えば、静電潜像形成装置16による光Lの照射位置より感光体7の回転方向下流側に設けられている。現像装置18内には、現像剤を収容する収容部が設けられている。
なお、現像装置18に収容される現像剤としては、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。
現像装置18は、例えば、トナーを含む現像剤により、感光体7の表面に形成された静電潜像を現像する現像部材18Aと、現像部材18Aに現像電圧を印加する電源32(現像部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。この現像部材18Aは、例えば、電源32に電気的に接続されている。
現像装置18の現像部材18Aとしては、現像剤の種類に応じて選択されるが、例えば、磁石が内蔵された現像スリーブを有する現像ロールが挙げられる。
現像装置18(電源32を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、現像部材18Aに現像電圧を印加する。電源32から現像電圧を印加された現像部材18Aは、印加された現像電圧に応じた現像電位に帯電される。
そして、現像電位に帯電された現像部材18Aは、例えば、現像装置18内に収容された現像剤を表面に保持して、現像剤に含まれるトナーを現像装置18内から感光体7の表面へと供給する。
そして、現像電位に帯電された現像部材18Aは、例えば、現像装置18内に収容された現像剤を表面に保持して、現像剤に含まれるトナーを現像装置18内から感光体7の表面へと供給する。
感光体7上に供給されたトナーは、例えば、感光体7上の静電潜像に静電力により付着する。詳細には、例えば、感光体7と現像部材18Aとの向かい合う領域における電位差、すなわち、この領域における感光体7の表面の電位と現像部材18Aの現像電位との電位差によって、現像剤に含まれるトナーが感光体7の静電潜像の形成された領域に供給され、現像剤にキャリアが含まれている場合には、キャリアは現像部材18Aに保持されたまま現像装置18内に戻る。
これにより、例えば、感光体7上の静電潜像は、現像部材18Aから供給されたトナーによって現像されて、感光体7上には、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
これにより、例えば、感光体7上の静電潜像は、現像部材18Aから供給されたトナーによって現像されて、感光体7上には、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
なお、トナー及び現像剤の詳細については後述する。
<転写装置>
転写装置31(転写手段の一例)は、例えば、現像部材18Aの配設位置より感光体7の回転方向下流側に設けられている。
転写装置31は、例えば、感光体7の表面に形成されたトナー画像を用紙P(記録媒体の一例)へ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30(転写部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、矢印C方向に回転し、感光体7との間で用紙Pを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
転写装置31(転写手段の一例)は、例えば、現像部材18Aの配設位置より感光体7の回転方向下流側に設けられている。
転写装置31は、例えば、感光体7の表面に形成されたトナー画像を用紙P(記録媒体の一例)へ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30(転写部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、矢印C方向に回転し、感光体7との間で用紙Pを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
転写装置31の転写部材20としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の非接触型転写帯電器が挙げられる。
転写装置31(電源30を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、転写部材20に転写電圧を印加する。電源32から転写電圧を印加された転写部材20は、印加された転写電圧に応じた転写電位に帯電される。
転写部材20の電源30から転写部材20に、感光体7上に形成されたトナー像を構成するトナーとは逆極性の転写電圧が印加されると、例えば、感光体7と転写部材20との向かい合う領域(図1中、転写領域T参照)には、感光体7上のトナー像を構成する各トナーを静電力により感光体7から転写部材20側へと移動させる電界強度の電界が形成される。
用紙P(記録媒体の一例)は、例えば、図示を省略する収容部に収容されており、この収容部から図示を省略する複数の搬送部材によって搬送経路34に沿って搬送され、感光体7と転写部材20との向かい合う領域である転写領域Tに到る。図1中に示す例では、矢印B方向に搬送される。転写領域Tに到達した用紙Pは、例えば、転写部材20に転写電圧が印加されることにより、この領域に形成された転写電界によって、感光体7上のトナー像が転写される。すなわち、例えば、感光体7の表面から用紙Pへのトナーの移動により、用紙P上にトナー像が転写される。
感光体7上のトナー像は、転写電界により用紙P上に転写される。転写電界の大きさは転写電流値に基づいて制御されている。
転写電流値は、転写不良の抑制及びゴーストの抑制を両立する観点から、20μA以上100μA以下が好ましく、30μA以上80μA以下がより好ましい。
転写電流値は、転写不良の抑制及びゴーストの抑制を両立する観点から、20μA以上100μA以下が好ましく、30μA以上80μA以下がより好ましい。
<再帯電装置>
再帯電装置40(再帯電手段の一例)は、トナー像を前記記録媒体の表面に直接転写した後の前記電子写真感光体を帯電させる。再帯電装置40は、例えば、再帯電部材40Aに帯電電位を印加する電源(不図示)を含んで構成されている。図示しない電源は、例えば、再帯電部材40Aに電気的に接続されている。
再帯電装置40(再帯電手段の一例)は、トナー像を前記記録媒体の表面に直接転写した後の前記電子写真感光体を帯電させる。再帯電装置40は、例えば、再帯電部材40Aに帯電電位を印加する電源(不図示)を含んで構成されている。図示しない電源は、例えば、再帯電部材40Aに電気的に接続されている。
再帯電装置40の再帯電部材40Aは、感光体7の表面に非接触で設けられている。再帯電部材40Aとしては、例えば、非接触帯電方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器、コロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等が挙げられる。
再帯電装置40は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、再帯電部材40Aに帯電電圧を印加する。印加する電圧は、直流電圧がよい。電源(不図示)から帯電電圧を印加された再帯電部材40Aは、印加された帯電電圧に応じた帯電電位に、トナー像を用紙Pに転写した後の感光体7の表面を帯電させる。
再帯電装置40は、帯電装置15と同極性に帯電させる。例えば、再帯電装置40によって感光体7を帯電させることで、転写装置31によって感光体7の内部に蓄積された電荷を打ち消す。また、再帯電装置40によって感光体7を帯電させることにより、感光体7の表面に残留した残留トナーの帯電が制御され易くなる。そして、残留トナーは、例えば、清掃装置22で回収され易くなる。
<清掃装置>
清掃装置(クリーニング装置)22(清掃手段(クリーニング手段)の一例)は、転写領域Tより感光体7の回転方向下流側に設けられている。
清掃装置22は、トナー像を用紙Pに転写した後に、感光体7に付着した付着物を除去する(つまり、クリーニング装置22は、感光体7の表面をクリーニングする)。
清掃装置22は、感光体7上の残留トナーや紙粉等の付着物を除去する。清掃装置22としては、例えば、感光体7に対して、予め定めた線圧で接触する清掃ブレード(クリーニングブレード)22Aを有する構成等が挙げられる。清掃ブレード22Aは、例えば、線圧10g/cm以上150g/cm以下で感光体7に接触することがよい。
清掃装置(クリーニング装置)22(清掃手段(クリーニング手段)の一例)は、転写領域Tより感光体7の回転方向下流側に設けられている。
清掃装置22は、トナー像を用紙Pに転写した後に、感光体7に付着した付着物を除去する(つまり、クリーニング装置22は、感光体7の表面をクリーニングする)。
清掃装置22は、感光体7上の残留トナーや紙粉等の付着物を除去する。清掃装置22としては、例えば、感光体7に対して、予め定めた線圧で接触する清掃ブレード(クリーニングブレード)22Aを有する構成等が挙げられる。清掃ブレード22Aは、例えば、線圧10g/cm以上150g/cm以下で感光体7に接触することがよい。
<除電装置>
除電装置24(除電手段の一例)は、例えば、清掃装置22より感光体7の回転方向下流側に設けられている。
除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体7の表面を露光して除電する。
具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、感光体7の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
除電装置24(除電手段の一例)は、例えば、清掃装置22より感光体7の回転方向下流側に設けられている。
除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体7の表面を露光して除電する。
具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、感光体7の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
除電装置24としては、例えば、白色光を照射するタングステンランプ、赤色光を照射する発光ダイオード(LED)等の光源を有する装置が挙げられる。
<定着装置>
定着装置26(定着手段の一例)は、例えば、転写領域Tより用紙Pの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。
定着装置26は、例えば、用紙P上に転写されたトナー像を定着する。
具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、用紙P上に転写されたトナー像を熱または熱及び圧力によって用紙Pに定着する。
定着装置26(定着手段の一例)は、例えば、転写領域Tより用紙Pの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。
定着装置26は、例えば、用紙P上に転写されたトナー像を定着する。
具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、用紙P上に転写されたトナー像を熱または熱及び圧力によって用紙Pに定着する。
定着装置26としては、それ自体公知の定着器、例えば、熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。図1では、加熱ロール26Aと、加熱ロール26Aと対向するように配置された加圧ロール26Bとを備えた熱ローラ定着器を例示している。
ここで、搬送経路34に沿って搬送されて感光体7と転写部材20との向かい合う領域(転写領域T)を通過することによりトナー像を転写された用紙Pは、例えば、図示を省略する搬送部材によって、さらに、搬送経路34に沿って定着装置26の設置位置に到り、用紙P上のトナー像の定着が行われる。
トナー像の定着によって画像形成された用紙Pは、図示を省略する複数の搬送部材によって、画像形成装置10の外部へと排出される。
なお、感光体7は、除電装置24による除電後、再度、帯電装置15によって帯電される。
トナー像の定着によって画像形成された用紙Pは、図示を省略する複数の搬送部材によって、画像形成装置10の外部へと排出される。
なお、感光体7は、除電装置24による除電後、再度、帯電装置15によって帯電される。
<制御装置>
制御装置36は、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。具体的には、制御装置36は、例えば、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種情報を記憶する不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース(I/O)を備えている。CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、及びI/Oの各々は、バスを介して接続されている。そして、I/Oには、感光体7(駆動モータ27を含む)、帯電装置15(電源28を含む)、静電潜像形成装置16、現像装置18(電源32を含む)、転写装置31(電源30を含む)、再帯電装置40(不図示の電源含む)、除電装置24、定着装置26等の画像形成装置10の各部が接続されている。
制御装置36は、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。具体的には、制御装置36は、例えば、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種情報を記憶する不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース(I/O)を備えている。CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、及びI/Oの各々は、バスを介して接続されている。そして、I/Oには、感光体7(駆動モータ27を含む)、帯電装置15(電源28を含む)、静電潜像形成装置16、現像装置18(電源32を含む)、転写装置31(電源30を含む)、再帯電装置40(不図示の電源含む)、除電装置24、定着装置26等の画像形成装置10の各部が接続されている。
なお、CPUは、例えば、ROMや不揮発性メモリに記憶されているプログラム(例えば、画像形成シーケンスや回復シーケンス等)の制御プログラム)実行し、画像形成装置10の各部の動作を制御する。RAMは、ワークメモリとして使用される。ROMや不揮発性メモリには、例えば、CPUが実行するプログラムやCPUの処理に必要なデータ等が記憶されている。なお、制御プログラムや各種データは、記憶部等の他の記憶装置に記憶されていてもよいし、通信部を介して外部から取得されてもよい。
また、制御装置36には、各種ドライブが接続されていてもよい。各種ドライブとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータ読み取り可能な可搬性の用紙Pからデータを読み込んだり、用紙Pに対してデータを書き込んだりする装置が挙げられる。各種ドライブを備える場合には、可搬性の用紙Pに制御プログラムを記録しておいて、これを対応するドライブで読み込んで実行してもよい。
<画像形成動作(画像形成方法)>
画像形成装置10の画像形成動作(画像形成方法)について説明する。
まず、感光体7の表面が帯電装置15により帯電される(帯電工程)。静電潜像形成装置16は、帯電された感光体7の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、感光体7上に画像情報に応じた静電潜像が形成される(静電潜像形成工程)。現像装置18では、トナーを含む現像剤により、感光体7の表面に形成された静電潜像が現像される。これにより、感光体7の表面に、トナー画像が形成される(現像工程)。転写装置31では、感光体7の表面に形成されたトナー画像が用紙Pへ転写される(転写工程)。用紙Pに転写されたトナー画像は、定着装置26により定着される。
一方、トナー画像を転写した後の感光体7の表面は、再帯電装置40によって、感光体7の表面を再帯電することで、感光層内部に蓄積されていた逆極性の電荷が打ち消される。また、感光体7の表面に残留した残留トナーの極性を揃えるように帯電が制御される。そして、清掃装置22により清掃され、除電装置24により除電される。
画像形成装置10の画像形成動作(画像形成方法)について説明する。
まず、感光体7の表面が帯電装置15により帯電される(帯電工程)。静電潜像形成装置16は、帯電された感光体7の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、感光体7上に画像情報に応じた静電潜像が形成される(静電潜像形成工程)。現像装置18では、トナーを含む現像剤により、感光体7の表面に形成された静電潜像が現像される。これにより、感光体7の表面に、トナー画像が形成される(現像工程)。転写装置31では、感光体7の表面に形成されたトナー画像が用紙Pへ転写される(転写工程)。用紙Pに転写されたトナー画像は、定着装置26により定着される。
一方、トナー画像を転写した後の感光体7の表面は、再帯電装置40によって、感光体7の表面を再帯電することで、感光層内部に蓄積されていた逆極性の電荷が打ち消される。また、感光体7の表面に残留した残留トナーの極性を揃えるように帯電が制御される。そして、清掃装置22により清掃され、除電装置24により除電される。
また、図1では、除電装置24として、トナー像の転写後、帯電前に感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限らない。
さらに、本実施形態に係る画像形成装置において、トナー像の転写後、転写手段よりも感光体7の回転方向下流側で、清掃手段(クリーニング手段)よりも感光体7の回転方向上流側に、再帯電手段を備える装置を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限らない。
さらに、本実施形態に係る画像形成装置において、トナー像の転写後、転写手段よりも感光体7の回転方向下流側で、清掃手段(クリーニング手段)よりも感光体7の回転方向上流側に、再帯電手段を備える装置を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限らない。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、感光体7を備える部分、及び転写装置31が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る感光体7、及び転写装置31を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、感光体7以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、再帯電手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
<トナー>
以下、本実施形態の画像形成装置に用いるトナー(特定トナー)について説明する。
特定トナーは、少なくとも体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を少なくとも有し、必要に応じてその他に外添剤を有してもよい。
以下、本実施形態の画像形成装置に用いるトナー(特定トナー)について説明する。
特定トナーは、少なくとも体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を少なくとも有し、必要に応じてその他に外添剤を有してもよい。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、前記の通り3.0μm以上5.5μm以下であり、3.0μm以上4.0μm以下が好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
そして、トナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<現像剤>
現像剤は、上記特定トナーを少なくとも含むものであり、特定トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、特定トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
現像剤は、上記特定トナーを少なくとも含むものであり、特定トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、特定トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置のうち、中間転写方式の転写手段を備えた画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置41(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置41は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置41(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置41(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置41は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置41(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図4におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図4には、画像形成装置として、潤滑材140を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
図4に示す画像形成装置の各構成のうち、電子写真感光体7、帯電装置8、露光装置9現像装置11、及びクリーニング装置13については、図1に示す画像形成装置における電子写真感光体7、帯電装置15、静電潜像形成装置16、現像装置18、及びクリーニング装置13とそれぞれ同様であるため、詳細な説明を省略する。
以下、転写手段を構成する中間転写体50、転写装置(すなわち、転写装置41及び図示しない二次転写装置)について説明する。
以下、転写手段を構成する中間転写体50、転写装置(すなわち、転写装置41及び図示しない二次転写装置)について説明する。
<中間転写体>
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
<転写装置>
転写装置41としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
転写装置41としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
図示しない電源によって、トナーの極性とは逆極性の転写電圧を転写装置41に印加することで、転写装置41と電子写真感光体7との間に転写電流(一次転写電流)が流れ、電子写真感光体7上のトナー像が中間転写体50に転写される。
一次転写電流値は、転写不良の抑制及びゴーストの抑制を両立する観点から、20μA以上100μA以下が好ましく、30μA以上80μA以下がより好ましい。
なお、図示しない二次転写装置については、中間転写体50上のトナー像を記録媒体に転写するものであること以外は、上記転写装置41と同様の構成が適用される。
一次転写電流値は、転写不良の抑制及びゴーストの抑制を両立する観点から、20μA以上100μA以下が好ましく、30μA以上80μA以下がより好ましい。
なお、図示しない二次転写装置については、中間転写体50上のトナー像を記録媒体に転写するものであること以外は、上記転写装置41と同様の構成が適用される。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置のうち、中間転写方式の転写手段を備えた画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図5に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
図5に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<感光体の作製>
〔感光体1〕
(下引層の形成)
金属酸化物粒子として酸化亜鉛(商品名:mz300、テイカ株式会社製、体積平均一次粒径:70nm、BET比表面積:15m2/g)100質量部と、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%トルエン溶液10質量部と、トルエン200質量部と、を混合し、攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付け処理を行い、表面処理金属酸化物粒子を得た。
〔感光体1〕
(下引層の形成)
金属酸化物粒子として酸化亜鉛(商品名:mz300、テイカ株式会社製、体積平均一次粒径:70nm、BET比表面積:15m2/g)100質量部と、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%トルエン溶液10質量部と、トルエン200質量部と、を混合し、攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付け処理を行い、表面処理金属酸化物粒子を得た。
得られた表面処理金属酸化物粒子33質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)6質量部と、電子受容性化合物として例示化合物(1−9)」1質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を30分間混合した。その後、結着樹脂としてブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製)5質量部と、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)3質量部と、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01質量部と、を添加し、サンドミルにて1時間の分散を行い(すなわち分散時間を1時間とし)、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を用いて、浸漬塗布法にて、直径84mm、長さ357mm、肉厚1.0mmのアルミニウム基材(導電性基体)上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ20μmの下引層を得た。
(電荷発生層の形成)
電荷発生材料としてCuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料15質量部と、結着樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、株式会社NUC製)10質量部と、溶媒としてn−ブチルアルコール300質量部と、からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用塗布液を得た。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、前記下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を得た。
電荷発生材料としてCuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料15質量部と、結着樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、株式会社NUC製)10質量部と、溶媒としてn−ブチルアルコール300質量部と、からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用塗布液を得た。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、前記下引層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を得た。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:4万)6質量部と、をテトラヒドロフラン24質量部及びクロロベンゼン5質量部の混合溶媒に加え、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布して130℃で40分間乾燥して膜厚35μmの電荷輸送層を形成し、目的の電子写真感光体を得た。
電荷輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:4万)6質量部と、をテトラヒドロフラン24質量部及びクロロベンゼン5質量部の混合溶媒に加え、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布して130℃で40分間乾燥して膜厚35μmの電荷輸送層を形成し、目的の電子写真感光体を得た。
(下引層の静電容量の測定)
上記下引層の形成において得られた下引層形成用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム基材に浸漬塗布し、180℃で30分乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引層を得た。対向電極としてφ6mmの金電極を真空蒸着法にて下引層上に形成し、常温常湿(22℃/50%RH)おいて、ソーラトロン社製インピーダンスアナライザー126096W型を用い、DCバイアス0V、AC±1V、周波数1〜100Hzの範囲で測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
上記下引層の形成において得られた下引層形成用塗布液を、直径30mm、長さ340mmのアルミニウム基材に浸漬塗布し、180℃で30分乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引層を得た。対向電極としてφ6mmの金電極を真空蒸着法にて下引層上に形成し、常温常湿(22℃/50%RH)おいて、ソーラトロン社製インピーダンスアナライザー126096W型を用い、DCバイアス0V、AC±1V、周波数1〜100Hzの範囲で測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
〔感光体2〕
感光体1の下引層の形成において、結着樹脂を3.5質量部に減量した以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、結着樹脂を3.5質量部に減量した以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
〔感光体3〕
感光体1の下引層の形成において、結着樹脂を6.5質量部に増量した以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、結着樹脂を6.5質量部に増量した以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
〔感光体C1〕
感光体1の下引層の形成において、分散時間を40分に短くした以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、分散時間を40分に短くした以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
〔感光体C2〕
感光体1の下引層の形成において、分散時間を20分に更に短くした以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、分散時間を20分に更に短くした以外は、感光体1と同様にして電子写真感光体を得た。
また、感光体1と同様にして、得られた下引層形成用塗布液を用いて測定を行い、下引層における単位面積あたりの静電容量(表中の「静電容量」)を求めた。結果を表1に示す。
<トナーの作製>
〔トナー1〕
(ポリエステル樹脂の合成)
加熱乾燥した3口フラスコに、エチレングリコール124質量部、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル22.2質量部、セバシン酸ジメチル213質量部、と触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂220質量部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(MW)は19000であり、数平均分子量(Mn)は5800であった。
また、ポリエステル樹脂の融解温度(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は70℃であった。
〔トナー1〕
(ポリエステル樹脂の合成)
加熱乾燥した3口フラスコに、エチレングリコール124質量部、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル22.2質量部、セバシン酸ジメチル213質量部、と触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂220質量部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(MW)は19000であり、数平均分子量(Mn)は5800であった。
また、ポリエステル樹脂の融解温度(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は70℃であった。
(各分散液の調製)
得られたポリエステル樹脂150質量部を蒸留水850質量部中に入れ、80℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液を得た。
次いで、カーボンブラック250質量部、アニオン界面活性剤20質量部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)、イオン交換水700質量部を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤を分散させてなる着色剤分散液を調製した。
次いで、パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋社製、融点85℃)100質量部、カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王社製)5質量部、イオン交換水240質量部を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径550nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を調整した。
得られたポリエステル樹脂150質量部を蒸留水850質量部中に入れ、80℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液を得た。
次いで、カーボンブラック250質量部、アニオン界面活性剤20質量部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)、イオン交換水700質量部を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤を分散させてなる着色剤分散液を調製した。
次いで、パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋社製、融点85℃)100質量部、カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王社製)5質量部、イオン交換水240質量部を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径550nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を調整した。
(トナー粒子の作製)
得られた、樹脂粒子分散液2400質量部、着色剤分散液100質量部、及び離型剤粒子分散液63質量部に加え、硫酸アルミニウム6質量部(和光純薬工業社製)、イオン交換水100質量部を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで攪拌しながら加熱した。65℃で2時間加熱攪拌を保持した。
次に、炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら75℃まで加熱し(すなわち加熱温度を75℃とし)、3.5時間保持した(すなわち保持時間を3.5時間とした)。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、トナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1は、体積平均粒径=3.8μm、形状係数SF1=133であった。
得られた、樹脂粒子分散液2400質量部、着色剤分散液100質量部、及び離型剤粒子分散液63質量部に加え、硫酸アルミニウム6質量部(和光純薬工業社製)、イオン交換水100質量部を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで攪拌しながら加熱した。65℃で2時間加熱攪拌を保持した。
次に、炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら75℃まで加熱し(すなわち加熱温度を75℃とし)、3.5時間保持した(すなわち保持時間を3.5時間とした)。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、トナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1は、体積平均粒径=3.8μm、形状係数SF1=133であった。
(トナー粒子の外添)
得られたトナー粒子1を100質量部と、外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ粒子(体積平均粒径40nm)を0.5質量部と、を75Lヘンシェルミキサーにて10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(東洋ハイテック社製)にて篩分し、トナー1を作製した。
得られたトナー粒子1を100質量部と、外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ粒子(体積平均粒径40nm)を0.5質量部と、を75Lヘンシェルミキサーにて10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(東洋ハイテック社製)にて篩分し、トナー1を作製した。
〔トナー2〕
トナー1のトナー粒子の作製において、pHを5.0に調整した後における加熱温度を95℃とし、保持時間を3時間とした以外は、トナー粒子1と同様にして、トナー粒子2を得た。
得られたトナー粒子2は、体積平均粒径=5.8μm、形状係数SF1=133であった。
トナー粒子1の代わりに、トナー粒子2を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー2を得た。
トナー1のトナー粒子の作製において、pHを5.0に調整した後における加熱温度を95℃とし、保持時間を3時間とした以外は、トナー粒子1と同様にして、トナー粒子2を得た。
得られたトナー粒子2は、体積平均粒径=5.8μm、形状係数SF1=133であった。
トナー粒子1の代わりに、トナー粒子2を用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー2を得た。
<現像剤の作製>
〔キャリアの作製〕
フェライトコア100質量部に対して、弗化ビニリデン0.15質量部と、メチルメタアクリレート及びトリフロロエチレンの共重合体(重合比80:20)樹脂1.35質量部と、の混合物を用いて、ニーダー装置により、平均粒径50μmのフェライトコアに樹脂被覆(コーティング)を行って、キャリアを作製した。
〔キャリアの作製〕
フェライトコア100質量部に対して、弗化ビニリデン0.15質量部と、メチルメタアクリレート及びトリフロロエチレンの共重合体(重合比80:20)樹脂1.35質量部と、の混合物を用いて、ニーダー装置により、平均粒径50μmのフェライトコアに樹脂被覆(コーティング)を行って、キャリアを作製した。
〔トナーとキャリアとの混合〕
そして、得られた各トナー(トナー1及びトナー2):8質量部と、得られたキャリア100質量部と、を2リッターのVブレンダーで混合し、それぞれ現像剤1及び現像剤2を作製した。
そして、得られた各トナー(トナー1及びトナー2):8質量部と、得られたキャリア100質量部と、を2リッターのVブレンダーで混合し、それぞれ現像剤1及び現像剤2を作製した。
<評価>
〔ゴーストの評価〕
表1に示す感光体及び表1に示す現像剤を、画像形成装置(富士ゼロックス社製:複写機DocuCentre f 1100)改造機にて、表1に示す転写電流値に設定し、下記画像(ゴーストチャート)を10枚形成し、10枚目の画像を目視で確認し、下記評価基準によりゴーストの評価を行った。結果を表1に示す。
なお、「ゴーストチャート」とは、具体的には、A3用紙に、感光体サイクルピッチで1サイクル目に画像濃度100%のクロス画像、2サイクル目に画像濃度0%の白画像、3サイクル目に画像濃50%のハーフトーン画像を形成した一枚の画像である。このゴーストチャートの10枚目におけるハーフトーン画像(3サイクル目の画像)上の濃度ムラを目視で観察した。なお、下記評価基準において、G3.0以下であればゴーストが抑制されていると言える。
〔ゴーストの評価〕
表1に示す感光体及び表1に示す現像剤を、画像形成装置(富士ゼロックス社製:複写機DocuCentre f 1100)改造機にて、表1に示す転写電流値に設定し、下記画像(ゴーストチャート)を10枚形成し、10枚目の画像を目視で確認し、下記評価基準によりゴーストの評価を行った。結果を表1に示す。
なお、「ゴーストチャート」とは、具体的には、A3用紙に、感光体サイクルピッチで1サイクル目に画像濃度100%のクロス画像、2サイクル目に画像濃度0%の白画像、3サイクル目に画像濃50%のハーフトーン画像を形成した一枚の画像である。このゴーストチャートの10枚目におけるハーフトーン画像(3サイクル目の画像)上の濃度ムラを目視で観察した。なお、下記評価基準において、G3.0以下であればゴーストが抑制されていると言える。
−ゴーストの評価基準−
G1.0:ゴーストが発生しない
G2.0:ゴーストが識別困難
G3.0:よく観察してようやく識別できる程度にゴーストが発生するが、許容範囲内
G4.0:識別できる程度にゴーストが発生し、許容範囲を超える
G5.0:明らかに識別できる程度にゴースト発生し、許容範囲を超える
G1.0:ゴーストが発生しない
G2.0:ゴーストが識別困難
G3.0:よく観察してようやく識別できる程度にゴーストが発生するが、許容範囲内
G4.0:識別できる程度にゴーストが発生し、許容範囲を超える
G5.0:明らかに識別できる程度にゴースト発生し、許容範囲を超える
〔画質(画像濃度)の評価〕
表1に示す感光体及び表1に示す現像剤を、画像形成装置(富士ゼロックス社製:複写機Docu Centre f 1100)改造機に搭載し、表1に示す転写電流値に設定し、温度10℃、湿度15%RHの条件下にて、ゴースト評価用の画像として15mm角の四角パターンを電子写真感光体の1周分、10枚印字した後、次のサイクルで全面ハーフトーン画像(画像密度5%の)を印字し、ハーフトーン画像上に浮き出たゴースト画像を以下の基準に基づいて評価した。なお、画像濃度は、X−Rite社製、X−Rite404を用いて測定を行った。評価基準は以下の通りであり、結果を表1に示す。なお、下記評価基準において、G2.0以下であれば画質が良好であると言える。
表1に示す感光体及び表1に示す現像剤を、画像形成装置(富士ゼロックス社製:複写機Docu Centre f 1100)改造機に搭載し、表1に示す転写電流値に設定し、温度10℃、湿度15%RHの条件下にて、ゴースト評価用の画像として15mm角の四角パターンを電子写真感光体の1周分、10枚印字した後、次のサイクルで全面ハーフトーン画像(画像密度5%の)を印字し、ハーフトーン画像上に浮き出たゴースト画像を以下の基準に基づいて評価した。なお、画像濃度は、X−Rite社製、X−Rite404を用いて測定を行った。評価基準は以下の通りであり、結果を表1に示す。なお、下記評価基準において、G2.0以下であれば画質が良好であると言える。
−画質(画像濃度)の評価基準−
G0.5:画像濃度の差が1%未満
G1.0:画像濃度の差が1%以上3%未満
G1.5:画像濃度の差が3%以上5%未満
G2.0:画像濃度の差が5%以上7%未満
G2.5:画像濃度の差が7%以上10%未満
G3.0:画像濃度の差が10%以上
G0.5:画像濃度の差が1%未満
G1.0:画像濃度の差が1%以上3%未満
G1.5:画像濃度の差が3%以上5%未満
G2.0:画像濃度の差が5%以上7%未満
G2.5:画像濃度の差が7%以上10%未満
G3.0:画像濃度の差が10%以上
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、ゴーストが抑制されていることが分かる。また、上記結果から、体積平均粒径が前記範囲から外れたトナー粒子を有するトナーを用いた参考例では、感光体の下引層における単位面積あたりの静電容量に関わらず、ゴーストの課題が発生しないことが分かる。
1 導電性基体、2 単層型感光層、3 下引層、4 電荷発生層、5 電荷輸送層、6 機能分離型感光層、7 電子写真感光体、7A 電子写真感光体、7B 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、10 画像形成装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、15 帯電装置(帯電手段の一例)、16 静電潜像形成装置(露光装置)(静電潜像形成手段の一例)、18 現像装置(現像手段の一例)、22 清掃装置(クリーニング装置)(清掃手段の一例)、22A 清掃ブレード(クリーニングブレード)、24 除電装置、26 定着装置、27 駆動モータ、31 転写装置(転写手段の一例)、40 再帯電装置(再帯電手段の一例)、41 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、140 潤滑材、300 プロセスカートリッジ
Claims (11)
- 導電性基体と前記導電性基体上に設けられ結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層と前記下引層上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記転写手段において前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を転写する転写電流値は、20μA以上100μA以下である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記金属酸化物粒子は、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、及び酸化亜鉛粒子から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記金属酸化物粒子の体積平均一次粒径は、100nm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記金属酸化物粒子は、1種以上のカップリング剤で処理されたものである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記カップリング剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びアルミニウム系カップリング剤から選択される少なくとも1種を含む請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記下引層は、さらに電子受容性化合物を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記電子受容性化合物は、アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物である請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記アントラキノン骨格を有する電子受容性化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項8に記載の画像形成装置。
(一般式(1)中、n1及びn2は、各々独立に0以上3以下の整数を表す。但し、n1及びn2の少なくとも一方は、各々独立に1以上3以下の整数を表す。m1及びm2は、各々独立に0又は1の整数を示す。R11及びR12は、各々独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、又は炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す。) - 前記下引層の厚みが15μm以上30μm以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 導電性基体と前記導電性基体上に設けられ結着樹脂及び金属酸化物粒子を含み単位面積あたりの静電容量が10pF/cm2以上100pF/cm2以下である下引層と前記下引層上に設けられた感光層とを有する電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
体積平均粒径が3.0μm以上5.5μm以下であるトナー粒子を有するトナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
を有する画像形成方法。
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