JP6481454B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、感光層に、ブタジエン三量体系電荷輸送材料とフェノール系酸化防止剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とを含有する電子写真感光体が開示されている。
特許文献3には、最表面層に、ブタジエン系電荷輸送材料とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含有することを特徴とする感光体が開示されている。
導電性基体と、
前記導電性基体上に配置された感光層であって、電荷発生材料と、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、フッ素含有樹脂粒子と、フッ素含有分散剤と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含む感光層と、
を有する電子写真感光体である。
前記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表す<1>に記載の電子写真感光体である。
前記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料において、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基を表す<1>又は<2>に記載の電子写真感光体である。
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
前記一般式(HP)で示される酸化防止剤において、RH1、及びRH2がtert−ブチル基を表す<4>に記載の電子写真感光体である。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が、下記一般式(BP)で示される紫外線吸収剤である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
前記一般式(BP)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤において、RB1、及びRB2が水素原子を表し、RB3が炭素数1以上4以下のアルコキシ基を表す<6>に記載の電子写真感光体である。
前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の電子写真感光体である。
<1>〜<8>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
<1>〜<8>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
<2>に係る発明によれば、一般式(CT1)で示される電荷輸送材料が、例示化合物(CT1−1)である場合に比べ、同一画像を連続して出力したときに生じる焼付きゴーストの発生と共に、光暴露されたときに生じる光疲労の発生を抑制した電子写真感光体が提供される。
<3>に係る発明によれば、一般式(CT2)で示される電荷輸送材料が、例示化合物(CT2−1)である場合に比べ、同一画像を連続して出力したときに生じる焼付きゴーストの発生と共に、光暴露されたときに生じる光疲労の発生を抑制した電子写真感光体が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する。そして、感光層は、電荷発生材料と、一般式(CT1)で示される電荷輸送材料(以下、「ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)」とも称する)と、一般式(CT2)で示される電荷輸送材料(以下、「ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)」とも称する)と、フッ素含有樹脂粒子と、フッ素含有分散剤と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤(以下、単に「ヒンダードフェノール系酸化防止剤」とも称する)およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含む。
また、感光体を交換するとき等に、感光体が室内光又は太陽光等に光暴露されると、光暴露された部分の感光体の帯電性が低下し、その後、全面ハーフトーン画像を出力すると、光暴露された部分の画像濃度が濃く浮き出る「光疲労」と称する画像欠陥が生じてしまう。
そして、この帯電電位の低下による画像の濃度上昇は、感光層がブタジエン系電荷輸送材料(CT1)及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)を共に含有する場合に、特に顕著となる。これは、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)が構造上高い電荷輸送能力を有するが故に、分子内の電子の非局在化領域が大きく、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)及び電荷発生材料との間で相互作用を生じ、同一画像の連続出力および光暴露によって、帯電電位の低下が顕著に生じるためと考えられる。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す概略部分断面図である。図1に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。
電荷輸送材料としては、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)が適用される。そして、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)を含む電荷輸送層には、更に、フッ素含有樹脂粒子と、フッ素含有分散剤とを含み、ヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
・CH3:メチル基
・OCH3:メトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
・CH3:メチル基
・C2H5:エチル基
・OCH3:メトキシ基
・OC2H5:エトキシ基
フッ素含有樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の粒子の中から1種又は2種以上を選択するのが望ましい。これらの中でも、フッ素含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂粒子、フッ化ビニリデン樹脂粒子が望ましい。
なお、この一次粒子は、感光層(電荷輸送層)から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子状態のフッ素樹脂粒子の最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM−6700Fを使用し、加速電圧5kVの二次電子画像を観察する。
フッ素含有分散剤としては、フッ化アルキル基を有する重合性化合物を単独重合又は共重合させた重合体(以下「フッ化アルキル基含有重合体」とも称する)が挙げられる。
フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
フッ素原子を有さないモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
以下、下記一般式(FA)で示される構造単位と、下記一般式(FB)で示される構造単位とを有するフッ化アルキル基含有重合体について説明する。
XF1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−、又は単結合を表す。
YF1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(CfxH2fx−1(OH))−又は単結合を表す。
QF1は、−O−、又は−NH−を表す。
fl、fm及びfnは、各々独立に、1以上の整数を表す。
fp、fq、fr及びfsは、各々独立に、0または1以上の整数を表す。
ftは、1以上7以下の整数を表す。
fxは1以上の整数を表す。
YF1を表す−(CfxH2fx−1(OH))−中のfxは、1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fp、fq、fr及びfsは、それぞれ独立に0または1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fnは、例えば、1以上60以下が好ましい。
フッ素含有分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される値である。GPCによる分子量測定は、例えば、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行い、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、フッ素含有分散剤は、1種を単独でまたは2種以上を併用してもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環を有し、且つ分子量が300以上の化合物である。
1)ヒンダードフェノール環を1つ有する酸化防止剤、
2)ヒンダードフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が連結された酸化防止剤
3)2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環と、一つのベンゼン環(未置換、又はアルキル基等で置換された置換ベンゼン環)又はイソシアヌレート環とを有し、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が、各々、ベンゼン環又はイソシアヌレート環とアルキレン基を介して連結された酸化防止剤
等が挙げられる。
RH3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
RH5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキレン基が好ましい。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例示化合物(HP−3)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン骨格を有する化合物である。
1)2つのベンゼン環が無置換の化合物、
2)2つのベンゼン環に、各々に独立に、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基よりなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換された化合物が挙げられる。特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、2つのベンゼン環の一方に、少なくとも水酸基が置換(特に、−C(=O)−基に対してオルトの位置に置換)されている化合物がよい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
具体的には、紫外線吸収剤は、下記構造式(BPA)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例示化合物(BP−3))であることが特に好ましい。
・CH3:メチル基
・C2H5:エチル基
・(CH2)7−CH3:オクチル基
・OCH3:メトキシ基
・OH:ヒドロキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、CT1と結着樹脂との配合比(質量比 CT1:結着樹脂)で0.1:9.9から4.0:6.0までの範囲内であることが好ましく、0.4:9.6から3.5:6.5までの範囲内であることがより好ましく、0.6:9.4から3.0:7.0の範囲内であることが更に好ましい。
特に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量との質量比が上記範囲であると、焼付きゴースト及び光疲労が生じ易いが、ヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種により、焼付きゴースト及び光疲労の発生が抑制される。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。
一方、単層型感光層中、電荷輸送材料、酸化防止剤および紫外線吸収剤の含有量は電荷輸送層中での含有量と同様である。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
酸化亜鉛(商品名:MZ 300、テイカ株式会社製)100質量部、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液を10質量部、トルエン200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付けて、シランカップリング剤による酸化亜鉛の表面処理を行った。
表面処理した酸化亜鉛:33質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):6質量部、下記構造式(AK−1)で示される化合物:1質量部、メチルエチルケトン:25質量部を30分間混合し、その後ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製):5質量部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):3質量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、サンドミルにて3時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を得た。
さらに、浸漬塗布法にて、下引層形成用塗布液を、直径47mm、長さ357mm、肉厚1mmのアルミニウム基体上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚25μmの下引層を得た。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、150℃、40分の乾燥を行うことにより、膜厚34μmの電荷輸送層を形成した。
表1に従って、電荷輸送材料の種類と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の種類とを変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤に代えて、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤「例示化合物(BP−1)」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表1に従って、電荷輸送材料の種類と、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の種類とを変更した以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)と共に、更に、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤「例示化合物(BP−1)」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表1に従って、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の種類と、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の種類とを変更した以外は、実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表1に従って、電荷輸送材料の種類と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の種類と、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の種類とを変更した以外は、実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表1に従って、酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤の量と、紫外線吸収剤としてのベンゾフェノン系紫外線吸収剤の量とを変更した以外は、実施例20と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表1に従って、電荷輸送材料の量を変更した以外は、実施例20と同様にして、電子写真感光体を作製した
表1に従って、フッ素含有樹脂粒子、フッ素含有分散剤の量を変更した以外は、実施例20と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表1に従って、電荷輸送材料の種類、酸化防止剤の種類、紫外線吸収剤の種類を変更した以外は、実施例9と同様にして、電子写真感光体を作製した。
各例で得られた電子写真感光体について、下記要領で、「焼付きゴースト」、「光疲労」、および「ハーフトーン画像濃度」の評価を行った。
各例で得られた電子写真感光体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:Versant 2100 Press)に搭載し、A3サイズの用紙に格子模様チャートを3000枚連続出力した後、A3サイズの用紙に、画像濃度20%の全面ハーフトーン画像(Cyan色の全面ハーフトーン画像)を1枚出力した。
そして、出力した全面ハーフトーン画像を観察し、格子模様の連続画像出力部と非連続画像出力部との濃度差について、目視による官能評価(グレード判定)を実施した。グレード判定は0G〜5Gまで0.5G刻みで行い、Gの数字が小さい程、濃度差が小さく、焼付きゴーストが発生していないことを示す。焼付きゴーストの許容グレードは3.5G以下である。なお、画像出力は全て28℃、85%RHの環境下で実施した。結果を表1〜表2に示す。
先ず、各例で得られた電子写真感光体を、2cm四方の窓を開けた黒紙に巻き、窓開け部のみが光暴露されるようにして、白色蛍光灯(1000Lux)下で10分間放置し、電子写真感光体を光暴露させた。
次に、光暴露させた電子写真感光体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:Versant 2100 Press)に搭載し、A3サイズの用紙に、画像濃度50%の全面ハーフトーン画像(Cyan)を1枚出力した。
そして、出力した全面ハーフトーン画像を観察し、光暴露部と非光暴露部との濃度差について、目視による官能評価(グレード判定)を実施した。グレード判定は0G〜5Gまで0.5G刻みで行い、Gの数字が小さい程、濃度差が小さく、光疲労が発生していないことを示す。光疲労の許容グレードは3.5G以下である。なお、画像出力は全て28℃、85%RHの環境下で実施した。結果を表1〜表2に示す。
各例で得られた電子写真感光体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:Versant 2100 Press)に搭載し、A3サイズの用紙に、画像濃度50%の全面ハーフトーン画像(Cyan)を1枚出力した。
そして、出力した全面ハーフトーン画像を観察し、目的とする画像濃度が出力されているかを調べた。なお、画像出力は全て28℃、85%RHの環境下で実施した。結果を表1〜表2に示す。
また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤の配合量が適切な実施例1〜20は、実施例21〜25に比べ、目的とするハーフトーン画像濃度が得られていることがわかる。
・CT1−2:ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の例示化合物(CT1−2)
・CT1−3:ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の例示化合物(CT1−3)
・CT2−2:ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の例示化合物(CT2−2)
・HP−2 :ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例示化合物(HP−2)
・HP−3 :ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例示化合物(HP−3)
・CAO−1:酸化防止剤の比較化合物(下記構造式(CAO−1)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤参照)
・CAO−2:酸化防止剤の比較化合物(下記構造式(CAO−2)で示されるヒンダードアミン系酸化防止剤参照)
・BP−2 :ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例示化合物(BP−2)
・BP−3 :ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例示化合物(BP−3)
・CUA−1:紫外線吸収剤の比較化合物(下記構造式(CUA−1)で示されるベンゾエート系紫外線吸収剤参照)
Claims (9)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に配置された感光層であって、電荷発生材料と、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、フッ素含有樹脂粒子と、フッ素含有分散剤と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含む感光層と、
を有し、
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤である、電子写真感光体。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
(一般式(HP)中、R H1 、及びR H2 は、各々独立に、炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基を表す。R H3 、及びR H4 は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。R H5 は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。) - 前記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表す請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料において、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基を表す請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(HP)で示される酸化防止剤において、RH1、及びRH2がtert−ブチル基を表す請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が、下記一般式(BP)で示される紫外線吸収剤である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(一般式(BP)中、RB1、RB2、及びRB3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。ただし、RB3は、水酸基を表してもよい。) - 前記一般式(BP)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤において、RB1、及びRB2が水素原子を表し、RB3が炭素数1以上10以下のアルコキシ基を表す請求項5に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生材料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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