JP7468052B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、「銅を主成分とする金属粒子と、フラックスと、ガラス粒子と、溶剤と、樹脂と、を含む電極用ペースト組成物」が開示されている。
特開2011-090214号公報
本発明の課題は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、最表面層がフッ素含有樹脂粒子を含み、且つ、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内である電子写真感光体において、
最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、の比(N2/N1)が0.95以上である場合に比べて、
感度及び耐摩耗性の両方に優れる電子写真感光体を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
[1] 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた感光層と、
を有し、
最表面層がフッ素含有樹脂粒子を含み、
前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、比(N2/N1)が、0.95未満であり、
前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内である、
電子写真感光体。
[2] 前記比(N2/N1)が、0.1以上0.8以下である[1]に記載の電子写真感光体。
[3] 前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の9/10以降の第三の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N3)と、の比(N3/N1)が、0.9以下である[1]又は[2]に記載の電子写真感光体。
[4] 前記比(N3/N1)が、0.7以下である[3]に記載の電子写真感光体。
[5] 前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D2)と、の比(D2/D1)が、2以上である[1]~[4]のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
[6] 前記比(D2/D1)が、3以上30以下である[5]に記載の電子写真感光体。
[7] 前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)が、5個/100μm以上50個/100μm以下である[1]~[6]のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
[8] 前記フッ素含有樹脂粒子における、カルボキシル基の個数が炭素数10個あたり0個以上30個以下で、かつ塩基性化合物の量が0ppm以上3ppm以下である[1]~[7]のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
[9] 前記カルボキシル基の個数が炭素数10個あたり0個以上20個以下で、かつ前記塩基性化合物の量が0ppm以上3ppm以下である[8]に記載の電子写真感光体。
[10] [1]~[9]のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
[11] [1]~[9]のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
[1]に係る発明によれば、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、最表面層がフッ素含有樹脂粒子を含み、且つ、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内である電子写真感光体において、
最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、の比(N2/N1)が0.95以上である場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方に優れる電子写真感光体が提供される。
[2]に係る発明によれば、前記比(N2/N1)が、0.1未満又は0.8超えである場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体が提供される。
[3]に係る発明によれば、前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の9/10以降の第三の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N3)と、の比(N3/N1)が、0.9超えである場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体が提供される。また、針状の異物の混入に起因する色点の発生がより抑制された電子写真感光体が提供される。
[4]に係る発明によれば、前記比(N3/N1)が、0.7超えである場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体が提供される。また、針状の異物の混入に起因する色点の発生がより抑制された電子写真感光体が提供される。
[5]に係る発明によれば、前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D2)と、の比(D2/D1)が、2未満である場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体が提供される。
[6]に係る発明によれば、前記比(D2/D1)が、3未満又は30超えである場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体が提供される。
[7]に係る発明によれば、前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)が、5個/100μm未満又は50個/100μm超えである場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体が提供される。
[8]に係る発明によれば、前記フッ素含有樹脂粒子における、カルボキシル基の個数が炭素数10個あたり30超えで、かつ塩基性化合物の量が0ppm以上3ppm以下である場合に比べて、帯電性に優れる電子写真感光体が提供される。
[9]に係る発明によれば、前記カルボキシル基の個数が炭素数10個あたり20個超えで、かつ前記塩基性化合物の量が0ppm以上3ppm以下である場合に比べて、帯電性に優れる電子写真感光体が提供される。
[10]又は[11]に係る発明によれば、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられたフッ素含有樹脂粒子を含む最表面層と、を有し、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内である電子写真感光体において、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、の比(N2/N1)が0.95超えである電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置である場合に比べて、感度及び耐摩耗性の両方に優れる電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
-電子写真感光体-
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、最表面層がフッ素含有樹脂粒子を含む。
本実施形態に係る電子写真感光体は、前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、比(N2/N1)が、0.95未満である。
本実施形態に係る電子写真感光体は、前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内である。
フッ素含有樹脂粒子を含む最表面層を有する電子写真感光体では、フッ素含有樹脂粒子が、クリーニングブレードと最表面層とが接触した際の耐摩耗性を向上させる役割を有している。しかしながら、フッ素含有樹脂粒子は凝集性が高い傾向にあるため、これを含む最表面層では、フッ素含有樹脂粒子の凝集を抑制しながら層全体に均一に近い状態で分散させる技術が採用されていた。しかしながら、フッ素含有樹脂粒子を均一に近い状態で分散させると、フッ素含有樹脂粒子が最表面層の電荷輸送性を物理的に阻害する傾向にある。その結果、電子写真感光体に露光したときの最表面層における電荷輸送性が低下する、つまり、感度が低下する傾向にあった。
一方、本実施形態に係る電子写真感光体は、上記構成を有することにより、感度及び耐摩耗性の両方に優れる。この要因は必ずしも明らかではないが、以下のように推定することができる。
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、比(N2/N1)が、0.95未満である。つまり、第一の領域(クリーニングブレードと接触する表面側)と第二の領域(導電性基体側)とでは、第一の領域の方が、フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数が多く、均一に近い状態でフッ素含有樹脂粒子が分散している。そのため、クリーニングブレードと接触する表面側で、耐摩耗性が発揮されると考えられる。また、第二の領域における凝集体の数が少なくなることで、フッ素含有樹脂粒子が存在しない領域が増え、フッ素含有樹脂粒子による最表面層の電荷輸送性の物理的な阻害が抑制される。その結果、感度の低下が抑制されると考えられる。
また、本実施形態に係る電子写真感光体は、第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1以下である。つまり、第一の領域(クリーニングブレードと接触する表面側)と第二の領域(導電性基体側)とでは、凝集度合に関わらず、フッ素含有樹脂粒子の存在量は同程度である。そのため、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を長期的に駆動した場合も、耐摩耗性に優れると考えられる。
≪電子写真感光体の層構成≫
以下、電子写真感光体の層構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。電子写真感光体107Aは、導電性基体104上に、下引層101が設けられ、その上に電荷発生層102、電荷輸送層103、及び表面保護層106が順次形成された構造を有する。電子写真感光体107Aは、電荷発生層102と電荷輸送層103とに機能が分離された感光層105を有する。以下、図1に示すような積層型の感光層105を有する電子写真感光体107Aを、「積層型感光体」とも称す。
図2は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。電子写真感光体107Bは、導電性基体104上に、下引層101が設けられ、感光層105及び表面保護層106が順次形成された構造を有する。電子写真感光体107Bは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の感光層105に含有させ機能を一体化した単層型感光層を有する。以下、図2に示すような単層型の感光層105を有する電子写真感光体107Bを、「単層型感光体」とも称す。
本実施形態における電子写真感光体は、下引層101及び表面保護層106を設けてもよいし、設けなくてもよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
≪最表面層≫
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層にフッ素含有樹脂粒子を含む。
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、比(N2/N1)が、0.95未満である。
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内である。
電子写真感光体が表面保護層を有する場合、最表面層とは、表面保護層のことを指す。
電子写真感光体が表面保護層を有しない積層型感光体である場合、最表面層とは、電荷輸送層のことを指す。
電子写真感光体が表面保護層を有しない単層型感光体である場合、最表面層とは、感光層のことを指す。
〔最表面層の状態〕
「フッ素含有樹脂粒子の凝集体」とは、粒子間距離が1μm以内に存在するフッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群を意味する。ただし、一次粒子の周囲1μm以内に粒子が存在しない場合は、この一次粒子1個は凝集体1個とカウントする。
凝集体を構成する一次粒子は、互いに1μm以内の領域に存在していればよく、粒子同士が接触している状態、粒子同士が接触せずに隣接している状態、及びその両方を含む状態のいずれであってもよい。
粒子間距離とは、隣接する一次粒子同士の外縁(表面)における任意の2点を結んだときに最短となる直線距離を表す。
例えば、第一の領域と第二の領域との境界線上、又は、第二の領域と第三の領域との境界線上に凝集体が存在する場合、前記凝集体はその凝集体の面積がより多く存在する領域の方に存在するものとしてカウントされる。
(各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度の比)
・比(N2/N1)
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、比(N2/N1)が、0.95未満であり、感度及び耐摩耗性の両方に優れる電子写真感光体とする観点から、0.1以上0.8以下であることが好ましく、0.2以上0.7以下であることがより好ましい。
・比(N3/N1)
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の9/10以降の第三の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N3)と、の比(N3/N1)が、感度及び耐摩耗性の両方に優れる電子写真感光体とする観点、及び、針状の異物の混入に起因する色点の発生を抑制する観点から、0.9以下であることが好ましく、0.7以下がより好ましい。比(N3/N1)は、0.2以上0.8以下であることも好ましく、0.3以上0.7以下であることもより好ましい。
従来、電子写真感光体では、カーボンファイバー等の針状の導電性異物が混入したときに、これが最表面層に突き刺さり、この突き刺さり領域が帯電部材からの電圧によって絶縁破壊され、漏れ電流が発生し易い。漏れ電流が発生している領域では、帯電不良となり、画像を形成したときに色点が発生することがあった。この現象は、フッ素含有樹脂粒子を含む最表面層(特に電荷輸送層)を有する電子写真感光体において特に顕著であり、フッ素含有樹脂粒子と樹脂との界面が電気的に弱く絶縁破壊を引き起こし易い。
一方、本実施形態に係る電子写真感光体では、特に、前記比(N3/N1)を上記範囲内とすることで、第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度がより低くなる。そのため、導電性異物の突き刺さりが生じた場合も、絶縁破壊が生じ難くなる。その結果、漏れ電流による色点の発生が抑制されると考えられる。
・各数密度(N1、N2及びN3)
最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)は、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体とする観点から、5個/100μm以上50個/100μm以下であることが好ましく、6個/100μm以上30個/100μm以下であることがより好ましく、8個/100μm以上20個数/100μm以下であることがさらに好ましい。
各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度の比(N2/N1)及び比(N3/N1)を調整する手法は特に制限されないが、例えば、最表面層の形成における、(1)フッ素含有樹脂粒子を含む塗液作製の際にホモジナイザーの処理回数を調整する手法;(2)フッ素含有樹脂粒子の量又は種類を調整する手法;(3)最表面層におけるフッ素含有樹脂粒子の含有量を調整しながら、フッ素含有樹脂粒子の固形分濃度が異なる複数の塗液を用いて、濃度差を有する塗膜を段階的に形成する手法;(4)塗布膜の乾燥温度を段階的に調整する手法(5)塗布時における被塗布材と塗布液の相対速度を大きくさせる方法;などが挙げられる。
各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1~N3)を調整する手法は特に制限されないが、例えば、最表面層の形成における、(1)フッ素含有樹脂粒子を含む塗液作製の際にホモジナイザーの処理回数を調整する手法;(2)フッ素含有樹脂粒子の量又は種類を調整する手法;(3)最表面層におけるフッ素含有樹脂粒子の含有量を調整しながら、フッ素含有樹脂粒子の固形分濃度が異なる複数の塗液を用いて、濃度差を有する塗膜を段階的に形成する手法;(4)塗布膜の乾燥温度を段階的に調整する手法(5)塗布時における被塗布材と塗布液の相対速度を大きくさせる方法;などが挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1~N3)及び最表面層における前記比(N2/N1、N3/N1)は、以下のようにして確認することができる。
(1)電子写真感光体における最表面層を、厚さ方向に切断し、この断面を観察面とする試験片を得る。
(2)試験片の観察面を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置(日本電子(株)製:JSM-6700F)により観察して画像を撮影し、画像解析により、最表面層の表面(つまり層厚0μm)から層厚の1/2までの第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の個数を数え、単位面積当たりの個数に換算した値をフッ素含有樹脂粒子の数密度(N1)を求める。同様にして、第二の領域、及び第三の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の個数をそれぞれ数え、単位面積当たりの個数に換算した値を求める。
(3)上記(1)及び(2)を、電子写真感光体における任意の3カ所の最表面層の断面について行い、その算術平均値を、それぞれの領域におけるフッ素含有樹脂粒子の数密度(N1、N2及びN3)とする。
(4)比(N2/N1)及び比(N3/N1)をそれぞれ求める。
(各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率の比)
・比(S2/S1)
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内であり、耐摩耗性により優れる電子写真感光体とする観点から、0.97以上1.07以下であることが好ましく、0.95以上1.05以下であることがより好ましい。
各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率の比(S2/S1)を調整する手法は特に制限されないが、例えば、最表面層の形成における、(1)フッ素含有樹脂粒子を含む塗液作製の際にホモジナイザーの処理回数を調整する手法;(2)フッ素含有樹脂粒子の量又は種類を調整する手法;(3)最表面層におけるフッ素含有樹脂粒子の含有量を調整しながら、フッ素含有樹脂粒子の固形分濃度が異なる複数の塗液を用いて、濃度差を有する塗膜を段階的に形成する手法;(4)塗布膜の乾燥温度を段階的に調整する手法(5)塗布時における被塗布材と塗布液の相対速度を大きくさせる方法;などが挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率の比(S2/S1)は、以下のようにして確認することができる。
(1)電子写真感光体における最表面層を、厚さ方向に切断し、この断面を観察面とする試験片を得る。
(2)試験片の観察面を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S-4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込む。そして、画像解析により、最表面層の表面(つまり層厚0μm)から層厚の1/2までの第一の領域における、全てのフッ素含有樹脂粒子の凝集体の総面積を求める。そして、第一の領域の面積に対する、フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率を求める。同様にして、第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率を求める。
(3)上記(1)及び(2)を、電子写真感光体における任意の3カ所の最表面層の断面について行い、その算術平均値を、それぞれの領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1及びS2)とする。
(4)比(S2/S1)を求める。
(各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径の比)
・比(D2/D1)
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D2)と、の比(D2/D1)が、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体とする観点、及び、針状の異物の混入に起因する色点の発生を抑制する観点から、2以上であることが好ましく、3以上30以下であることがより好ましく、5以上30以下であることがさらに好ましい。
各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径の比(D2/D1)を調整する手法は特に制限されないが、例えば、最表面層の形成における、(1)フッ素含有樹脂粒子を含む塗液作製の際にホモジナイザーの処理回数を調整する手法;(2)フッ素含有樹脂粒子の量又は種類を調整する手法;(3)最表面層におけるフッ素含有樹脂粒子の含有量を調整しながら、フッ素含有樹脂粒子の固形分濃度が異なる複数の塗液を用いて、濃度差を有する塗膜を段階的に形成する手法;(4)塗布膜の乾燥温度を段階的に調整する手法(5)塗布時における被塗布材と塗布液の相対速度を大きくさせる方法;などが挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径の比(D2/D1)は、以下のようにして確認することができる。
(1)電子写真感光体における最表面層を、厚さ方向に切断し、この断面を観察面とする試験片を得る。
(2)試験片の観察面を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S-4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込む。そして、画像解析により、最表面層の表面(つまり層厚0μm)から層厚の1/2までの第一の領域における、全てのフッ素含有樹脂粒子の凝集体ごとの面積を求める。そして、この面積値から各凝集体の円相当径を算出し、得られた円相当径の個数基準の累積頻度における50%径(D50)を、第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D1)とする。同様にして、第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D2)を求める。
(3)比(D2/D1)を求める。
(各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の一次粒子径)
本実施形態に係る電子写真感光体は、最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子径(D11)、および、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子径(D12)が、各々、感度及び耐摩耗性の両方により優れる電子写真感光体とする観点、及び、針状の異物の混入に起因する色点の発生を抑制する観点から、20nm以上800nm以下であることが好ましく、50nm以上600nm以下であることがより好ましく、100nm以上500nm以下であることがさらに好ましい。
各領域におけるフッ素含有樹脂粒子の一次粒子径(D11又はD12)は、以下のようにして確認することができる。
(1)電子写真感光体における最表面層を、厚さ方向に切断し、この断面を観察面とする試験片を得る。
(2)試験片の観察面を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S-4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込む。そして、画像解析により、最表面層の表面(つまり層厚0μm)から層厚の1/2までの第一の領域における、全てのフッ素含有樹脂粒子(一次粒子)ごとの面積を求める。そして、この面積値から各一次粒子の円相当径を算出し、得られた円相当径の個数基準の累積頻度における50%径(D50)を、第一の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の一次粒子径(D11)とする。同様にして、第二の領域におけるフッ素含有樹脂粒子の一次粒子径(D12)を求める。
〔フッ素含有樹脂粒子〕
最表面層は、フッ素含有樹脂粒子を含む。フッ素含有樹脂粒子は1種単独であっても、2種以上の併用であってもよい。
・カルボキシ基
フッ素含有樹脂粒子は、カルボキシ基は含まない、又は、含んでも微量であることが好ましい。具体的には、フッ素含有樹脂粒子のカルボキシ基の個数は、帯電性に優れる電子写真感光体とする観点から、炭素数10個あたり0個以上30個以下であることが好ましく、0個以上20個がより好ましい。
前記フッ素含有樹脂粒子のカルボキシ基とは、フッ素含有樹脂粒子に含まれる末端カルボン酸に由来するカルボキシ基を指す。
フッ素含有樹脂粒子のカルボキシ基の量を低減する方法は、特に制限されないが、例えば、フッ素含有樹脂の粒子化の過程で(1)放射線を照射しない方法、(2)放射線を照射する際に酸素が存在しない条件又は酸素濃度を低減した条件で行う方法等が挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子のカルボキシ基の量は、特開平4-20507などに記載のように、次の通り測定する。フッ素含有樹脂粒子をプレス機にて予備成型し、およそ0.1mm厚みのフィルムを作製する。作製したフィルムの赤外吸収スペクトルを測定する。フッ素含有樹脂粒子にフッ素ガスを接触させて作製したカルボン酸末端を完全にフッ素化したフッ素含有樹脂粒子についても赤外吸収スペクトルを測定し、両者の差スペクトルから次式によって末端カルボキシ基の個数(炭素数10個当たり)を求める。
末端カルボキシ基の個数(炭素数10個当たり)=(l×K)/t
l:吸光度
K:補正係数、
t:フィルムの厚さ(mm)
カルボキシ基の吸収波数は3560cm-1、補正係数は440とする。
・塩基性化合物
フッ素含有樹脂粒子は、塩基性化合物を含まない、又は、含んでも微量であることが好ましい。具体的には、フッ素含有樹脂粒子の塩基性化合物の量は、帯電性に優れる電子写真感光体とする観点から、0ppm以上3ppm以下であることが好ましく、0ppm以上1.5ppm以下であることがより好ましく、0ppm以上1.2ppm以下であることがさらに好ましい。なお、ppmは、質量基準である。
フッ素含有樹脂粒子に含まれる塩基性化合物の具体例としては、例えば、1)フッ素含有樹脂粒子を重合と共に粒子化するときに使用する重合開始剤に由来する塩基性化合物、2)重合後に凝集させる工程で用いる塩基性化合物、3)重合後に分散液を安定化する分散助剤として用いる塩基性化合物などが挙げられる。
塩基性化合物としては、例えば、アミン化合物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物;酢酸塩類等が対象(例えば、特に、アミン化合物が対象);などが挙げられる。
塩基性化合物としては、例えば、沸点(常圧下(1気圧下)での沸点)が40℃以上130℃以下(好ましくは50℃以上110℃以下、より好ましは60℃以上90℃以下)の塩基性化合物が対象とできる。
アミン化合物としては、例えば、1級化合物、2級化合物、又は3級アミン化合物が挙げられる。
1級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、t-ブチルアミン、ヘキシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、セカンダリーブチルアミン、アリルアミン、メチルヘキシルアミン等が挙げられる。
2級アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-t-ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、N-イソプロピル-N-イソブチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジセカンダリーブチルアミン、ジアリルアミン、N-メチルヘキシルアミン、3-ピペコリン、4-ピペコリン、2,4-ルペチジン、2,6-ルペチジン、3,5-ルペチジン、モルホリン、N-メチルベンジルアミン等が挙げられる。
3級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ-t-ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリ(2-エチルヘキシル)アミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジメチルアリルアミン、N-メチルジアリルアミン、トリアリルアミン、N,N-ジメチルアリルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,2-ジアミノエタン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N,N’,N’-テトラアリル-1,4-ジアミノブタン、N-メチルピペリジン、ピリジン、4-エチルピリジン、N-プロピルジアリルアミン、3-ジメチルアミノプロパノール、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,4-ルチジン、2,5-ルチジン、3,4-ルチジン、3,5-ルチジン、2,4,6-コリジン、2-メチル-4-エチルピリジン、2-メチル-5-エチルピリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N-エチル-3-ヒドロキシピペリジン、3-メチル-4-エチルピリジン、3-エチル-4-メチルピリジン、4-(5-ノニル)ピリジン、イミダゾール、N-メチルピペラジン等が挙げられる。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物としては、NaOH、KOH、Ca(OH)、Mg(OH)、Ba(OH)等が挙げられる。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物としては、CaO、MgO等が挙げられる。
酢酸塩類としては、酢酸亜鉛、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子に含まれる塩基性化合物の量を低減する方法は、特に制限されないが、例えば、(1)粒子製造後、水、有機溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、テトラヒドロフラン等)等により洗浄する方法;(2)粒子製造後、粒子を加熱(例えば200℃以上250℃以下に加熱)し、塩基性化合物を分解又は気化して除去する方法;などが挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子に含まれる塩基性化合物の量は、次の通り測定する。
-前処理-
フッ素含有樹脂粒子を含む最表面層を測定する場合、最表面層の試料を溶剤(例えばテトラヒドロフラン)に浸漬し、フッ素含有樹脂粒子および溶剤に不溶な物質以外を溶剤(例えばテトラヒドロフラン)に溶解させた後、純水中に滴下し析出物をろ別する。その際に得られたPFOAを含む溶液を捕集する。さらにろ別により得られた不溶物を溶剤に溶解させた後、純水中に滴下し析出物をろ別する。この作業を5回繰り返し、測定試料としてのフッ素含有樹脂粒子を得る。
-測定-
一方、濃度が既知の塩基性化合物溶液(メタノール溶媒)を使用し、ガスクロマトグラフィーを利用し、濃度が既知の塩基性化合物溶液(メタノール溶媒)の塩基性化合物濃度とピーク面積の値から検量線(0ppmから100ppmまでの検量線)を得る。
そして、ガスクロマトグラフィーにより測定試料を測定し、得らえたピーク面積と検量線から、フッ素含有樹脂粒子の塩基性化合物の量を算出する。測定条件は、次の通りである。
-測定条件-
・ヘッドスペースサンプラー:(HP7694、HP社製)
・測定機:ガスクロマトグラフ(HP6890 series、HP社製)
・検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
・カラム:HP19091S-433、HP社製)
・試料加熱時間:10min
・Sprit Ratio:300:1
・流速:1.0ml/min
・カラム昇温設定:60℃(3min)、60℃/min、200℃(1min)
・フッ素含有樹脂
フッ素含有樹脂粒子を構成するフッ素含有樹脂としては、(1)フルオロオレフィンのホモポリマーの粒子、(2)2種以上の共重合体であって、フルオロオレフィンの1種又は2種以上と非フッ素系のモノマー(つまり、フッ素原子を有しないモノマー)との共重合体等が挙げられる。
フルオロオレフィンとしては、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのパーハロオレフィン、フッ化ビニリデン(VdF)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニルなどの非パーフルオロオレフィン等が挙げられる。これらの中でも、フルオロオレフィンとしては、VdF、TFE、CTFE、及びHFPからなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
非フッ素系のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのハイドロカーボン系オレフィン;シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、エチルビニルエーテル(EVE)、ブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル;ポリオキシエチレンアリルエーテル(POEAE)、エチルアリルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル;ビニルトリメトキシシラン(VSi)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの反応性α,β-不飽和基を有する有機ケイ素化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステル;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(商品名、シェル社製のビニルエステル)などのビニルエステル;などが挙げられる。これらの中でも、非フッ素系のモノマーとしては、ルキルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ビニルエステル、及び反応性α,β-不飽和基を有する有機ケイ素化合物からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
これらの中でも、フッ素含有樹脂としては、フッ素化率の高い樹脂を含むことが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)からなる群より選択される1種以上の樹脂を含むことがより好ましく、PTFE、FEP及びPFAからなる群より選択される1種以上の樹脂を含むことがさらに好ましい。
・フッ素含有樹脂の粒子化方法
フッ素含有樹脂の粒子化方法は、特に制限されず、放射線を照射して粒子化する方法(本明細書では、得られた粒子を「放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子」とも称する)、重合法により粒子化する方法(本明細書では、得られた粒子を「重合型のフッ素含有樹脂粒子」とも称する)等のいずれであってもよい。
放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子(放射線を照射して得られるフッ素含有樹脂粒子)とは、放射線重合と共に粒状化され、且つ、重合後のフッ素含有樹脂が放射線照射によって低分量化及び微粒化されたフッ素含有樹脂粒子のことを示す。放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子は、空気中での放射線照射により、カルボン酸が多く生成するため、カルボキシ基も多く含有する。
重合型のフッ素含有樹脂粒子(重合法により得られるフッ素含有樹脂粒子)とは、懸濁重合法、乳化重合法等により、重合と共に粒状化され、且つ、放射線照射されていないフッ素含有樹脂粒子のことを示す。重合型のフッ素含有樹脂粒子は、塩基性化合物の存在下で重合することにより製造されるため、塩基性化合物を残留物として含有する。
これらの中でも、フッ素含有樹脂粒子は、重合型のフッ素含有樹脂粒子であることが好ましい。重合型のフッ素含有樹脂粒子は、上述のように、放射線を照射せずに、懸濁重合法、乳化重合法等により、重合と共に粒状化されたフッ素含有樹脂粒子である。
懸濁重合法によるフッ素含有樹脂粒子の製造は、例えば、分散媒中で、フッ素含有樹脂を形成するためのモノマーと共に、重合開始剤、触媒等の添加物を懸濁した後、モノマーを重合させつつ、重合物を粒子化する方法である。
乳化重合法によるフッ素含有樹脂粒子の製造は、例えば、分散媒中で、フッ素含有樹脂を形成するためのモノマーと共に、重合開始剤、触媒等の添加物を、界面活性剤(つまり乳化剤)により乳化させた後、モノマーを重合させつつ、重合物を粒子化する方法である。
・平均粒径
フッ素含有樹脂粒子の平均粒径は、特に制限されないが、0.1μm以上4μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。平均粒径が0.1μm以上4μm以下のフッ素含有樹脂粒子(特に、PTFE粒子等)は、PFOAを多く含む傾向がある。そのため、平均粒径0.1μm以上4μm以下のフッ素含有樹脂粒子は、特に、帯電性が低くなる傾向がある。しかし、PFOAの量を上記範囲に抑えることで、平均粒径0.1μm以上4μm以下のフッ素含有樹脂粒子であっても、帯電性が高まると考えられる。フッ素含有樹脂粒子の平均粒径は、既述の方法により測定される値である。
・比表面積
フッ素含有樹脂粒子の比表面積(BET比表面積)は、分散安定性の観点から、5m/g以上15m/g以下であることが好ましく、7m/g以上13m/g以下であることがより好ましい。比表面積は、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
・見掛密度
フッ素含有樹脂粒子の見掛密度は、分散安定性の観点から、0.2g/ml以上0.5g/ml以下であることが好ましく、0.3g/ml以上0.45g/ml以下であることがより好ましい。見掛密度はJIS K6891(1995年)に準拠して測定される値である。
・溶融温度
フッ素含有樹脂粒子の溶融温度は、300℃以上340℃以下であることが好ましく、325℃以上335℃以下であることがより好ましい。溶融温度はJIS K6891(1995年)に準拠して測定される融点である。
(フッ素含有分散剤)
フッ素含有樹脂粒子は、フッ素原子を持つ分散剤(以下、「フッ素含有分散剤」とも称する)が表面に付着していてもよい。フッ素含有分散剤は、1種を単独であっても、2種以上の併用であってもよい。
フッ素含有分散剤としては、フッ化アルキル基を有する重合性化合物を単独重合体又は共重合した重合体(以下「フッ化アルキル基含有重合体」とも称する)、フッ素系界面活性剤等が挙げられ、フッ化アルキル基含有重合体を含むことが好ましい。
フッ化アルキル基含有重合体として具体的には、フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートの単独重合体、フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートとフッ素原子を有しないモノマーとのランダム又はブロック共重合体等が挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの双方を意味する。
フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アククリレートが挙げられる。
フッ素原子を有しないモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アククリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルo-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
その他、上述以外のフッ素含有分散剤としては、米国特許5637142号明細書、特許第4251662号公報等で開示されるブロックポリマー及びブランチポリマーも挙げられる。
フッ化アルキル基含有重合体は、下記一般式(FA)で示される構造単位を有するフッ化アルキル基含有重合体を含むことが好ましく、下記一般式(FA)で示される構造単位と、下記一般式(FB)で示される構造単位とを有するフッ化アルキル基含有重合体を含むことがより好ましい。
以下、下記一般式(FA)で示される構造単位と、下記一般式(FB)で示される構造単位とを有するフッ化アルキル基含有重合体について説明する。
一般式(FA)及び(FB)中、RF1、RF2、RF3及びRF4は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。
F1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、-S-、-O-、-NH-、又は単結合を表す。
F1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、-(Cfx2fx-1(OH))-、又は単結合を表す。
F1は、-O-、又は-NH-を表す。
fl、fm及びfnは、各々独立に、1以上の整数を表す。
fp、fq、fr及びfsは、各々独立に、0または1以上の整数を表す。
ftは、1以上7以下の整数を表す。
fxは1以上の整数を表す。
一般式(FA)及び(FB)中、RF1、RF2、RF3及びRF4を表す基としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(FA)及び(FB)中、XF1及びYF1を表すアルキレン鎖(未置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖)としては、炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン鎖が好ましい。
F1を表す-(Cfx2fx-1(OH))-中のfxは、1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fp、fq、fr及びfsは、それぞれ独立に0または1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fnは、例えば、1以上60以下が好ましい。
一般式(FA)で示される構造単位と一般式(FB)で示される構造単位とを有するフッ化アルキル基含有重合体において、一般式(FA)で示される構造単位と一般式(FB)で示される構造単位との比、つまり、fl:fmは、1:9以上9:1以下の範囲であることが好ましく、3:7以上7:3以下の範囲であることがより好ましい。
フッ化アルキル基含有重合体は、一般式(FA)で示される構造単位と一般式(FB)で示される構造単位とに加え、一般式(FC)で示される構造単位を更に含んで重合された重合体であってもよい。この場合、一般式(FC)で示される構造単位の含有比は、一般式(FA)及び(FB)で示される構造単位の合計、即ちfl+fmとの比(fl+fm:fz)が、10:0以上7:3以下の範囲であることが好ましく、9:1以上7:3以下の範囲であることがより好ましい。
一般式(FC)中、RF5、及びRF6は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。fzは、1以上の整数を表す。
一般式(FC)中、RF5、及びRF6を表す基としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
フッ化アルキル基含有重合体の市販品としては、例えば、GF300、GF400(東亞合成社製)、サーフロン(登録商標)シリーズ(AGCセイミケミカル社製)、フタージェントシリーズ(ネオス社製)、PFシリーズ(北村化学社製)、メガファック(登録商標)シリーズ(DIC製)、FCシリーズ(3M製)等が挙げられる。
・重量平均分子量Mw
フッ化アルキル基含有重合体の重量平均分子量Mwは、フッ素含有樹脂粒子の分散性向上の観点から、2万以上20万以下が好ましく、5万以上20万以下がより好ましい。
フッ化アルキル基含有重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される値である。GPCによる分子量測定は、例えば、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR-M+TSKgel GMHHR-M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行い、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出する。
・含有量
フッ素含有分散剤の含有量は、例えば、フッ素含有樹脂粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。
・フッ素含有分散剤の表面付着手法
フッ素含有樹脂粒子の表面にフッ素含有分散剤を付着させる手法は、特に制限されないが、例えば、以下の(1)~(3)が挙げられる。
(1)フッ素含有樹脂粒子とフッ素含有分散剤とを分散溶媒に混合し、フッ素含有樹脂粒子の分散液を調製する方法。
(2)乾式粉体混合機を用いてフッ素含有樹脂粒子とフッ素含分散剤を混合しフッ素含有樹脂粒子にフッ素含分散剤を付着させる方法。
(3)フッ素含有樹脂粒子を攪拌しながら溶剤に溶かしたフッ素含有分散剤を滴下した後溶剤を除去する方法。
≪導電性基体≫
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
≪下引層≫
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
≪中間層≫
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
≪電荷発生層≫
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5-263007号公報、特開平5-279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5-98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5-140472号公報、特開平5-140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4-189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004-78147号公報、特開2005-181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp-型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn-型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n-型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012-155282号公報の段落[0288]~[0291]に記載された化合物(CG-1)~(CG-27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
≪電荷輸送層≫
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
これらの化合物のうち、電荷移動度の観点から好ましい電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物及びベンジジン系化合物が挙げられる。中でも、トリアリールアミン系化合物としては、トリアリールアミン系化合物の一例である下記式(CT1)で示される電荷輸送材料(以下、「ブタジエン系電荷輸送材料とも称す。)が好ましい。また、ベンジジン系化合物としては、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料(以下「ベンジジン系電荷輸送材料」とも称す。)が好ましい。
・ブタジエン系電荷輸送材料
以下、ブタジエン系電荷輸送材料について説明する。ブタジエン系電荷輸送材料は、下記一般式(CT1)で表される。
一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、イソウンデシル基、sec-ウンデシル基、tert-ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec-ドデシル基、tert-ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec-トリデシル基、tert-トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec-テトラデシル基、tert-テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1-イソブチル-4-エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec-ペンタデシル基、tert-ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec-ヘキサデシル基、tert-ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1-メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec-ヘプタデシル基、tert-ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec-オクタデシル基、tert-オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec-ノナデシル基、tert-ノナデシル基、ネオノナデシル基、1-メチルオクチル基、イソイコシル基、sec-イコシル基、tert-イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、n-ノナデシルオキシ基、n-イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec-ウンデシルオキシ基、tert-ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec-ドデシルオキシ基、tert-ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec-トリデシルオキシ基、tert-トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec-テトラデシルオキシ基、tert-テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1-イソブチル-4-エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec-ペンタデシルオキシ基、tert-ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec-ヘキサデシルオキシ基、tert-ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1-メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec-ヘプタデシルオキシ基、tert-ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec-オクタデシルオキシ基、tert-オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec-ノナデシルオキシ基、tert-ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1-メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec-イコシルオキシ基、tert-イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’-メチレン基、2,2’-エチレン基、2,2’-ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’-メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(CT1)において、n及びmは、1であることが好ましい。
一般式(CT1)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、m及びnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1-3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(CT1-番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(CT1-15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・-CH:メチル基
・-OCH:メトキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
・ベンジジン系電荷輸送材料
ベンジジン系化合物としては、電荷移動度の観点から、下記一般式(CT2)で表されるベンジジン系電荷輸送材料(CT2)が好ましく挙げられる。
特に、電荷移動度の観点から、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを併用することが好ましい。なお、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを併用する場合における質量比(ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量/ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量)は、電荷輸送能の点から、1/9以上5/5以下が好ましく、1/9以上4/6以下がより好ましい。
以下、ベンジジン系電荷輸送材料について説明する。ベンジジン系電荷輸送材料は、下記一般式(CT2)で表される。
一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ホルミル基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリール基を表す。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT2)において、特に、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC21、RC22、及びRC23が、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表すことが好ましく、RC21、RC22、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基(特に、メチル基)を表すことがより好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2-2))であることが特に好ましい。
以下に、一般式(CT2)で表される電荷輸送材料の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(CT2-番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(CT2-15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・-CH:メチル基
・-C:エチル基
・-OCH:メトキシ基
・-OC:エトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8-176293号公報、特開平8-208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材料は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。結着樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の併用であってもよい。
電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1以上1:5以下であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂と共に、カルボキシル基を多く有するフッ素含有樹脂粒子を適用すると、フッ素含有樹脂粒子の分散性が低下する傾向がある。特に、単位モル当たりのカーボネート基(-OC(=O)O-)が多くなる、下記一般式(PCA)で示される構造単位と、下記一般式(PCB)で示される構造単位と、を含むポリカーボネート樹脂を適用すると、フッ素含有樹脂粒子の分散性が低下する傾向がある。そのため、下記一般式(PCA)で示される構造単位と、下記一般式(PCB)で示される構造単位と、を含むポリカーボネート樹脂を適用する場合、カルボキシル基の個数が炭素数10個あたり0個以上30個以下のフッ素含有樹脂粒子を適用することが好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニリレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアルキル基としては、炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等が挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すアルキレン基としては、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数1以上6以下、より好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられる。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基、n-ウンデシレン基、n-ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec-ヘキシレン基、tert-ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec-ヘプチレン基、tert-ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec-オクチレン基、tert-オクチレン基、イソノニレン基、sec-ノニレン基、tert-ノニレン基、イソデシレン基、sec-デシレン基、tert-デシレン基、イソウンデシレン基、sec-ウンデシレン基、tert-ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec-ドデシレン基、tert-ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すシクロアルキレン基としては、炭素数3以上12以下(好ましくは炭素数3以上10以下のシクロアルキレン基、より好ましくは炭素数5以上8以下)のシクロアルキレン基が挙げられる。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
なお、一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、RP4、及びXP1が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルキル基(例えば炭素数1以上6以下のアルキル基)、シクロアルキル基(例えば炭素数5以上7以下のシクロアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上4以下のアルコキシ基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等)などが挙げられる。
一般式(PCA)において、RP1、及びRP2は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、RP1、及びRP2は、水素原子を表すことがより好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
BPポリカーボネート樹脂の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、例示化合物中、pm、pnは共重合比を示す。
ここで、Pポリカーボネート樹脂において、一般式(PCA)で示される構造単位の含有率(共重合比)は、ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位に対して5モル%以上95モル%以下の範囲がよく、粒状性画像の濃度ムラを抑制する観点から、好ましくは5モル%以上50モル%以下の範囲、さらに好ましくは15モル%以上30モル%以下の範囲である。
具体的には、BPポリカーボネート樹脂の上記例示化合物中、pm、pnは共重合比(モル比)を示すが、pm:pn=95:5から5:95の範囲、50:50から5:95の範囲、更に好ましくは、15:85から30:70の範囲が挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
≪表面保護層≫
表面保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。
表面保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善したりする目的で設けられる。そのため、表面保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用してもよい。
硬化膜で構成された表面保護層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
(1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
(2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、-OH、-OR[但し、Rはアルキル基を示す]、-NH、-SH、-COOH、-SiRQ1 3-Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1~3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
表面保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
表面保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた表面保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
表面保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、表面保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
表面保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
表面保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
≪単層型感光層≫
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
-画像形成装置及びプロセスカートリッジ-
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図3に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図3におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図3には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
-帯電装置-
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
-露光装置-
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
-現像装置-
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
-クリーニング装置-
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
-転写装置-
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
-中間転写体-
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図4に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
-電子写真感光体の作製-
[実施例1]
(下引層の形成)
酸化亜鉛粒子(商品名:MZ 300、テイカ株式会社製、体積平均一次粒径35nm)100質量部、シランカップリング剤としてN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液を10質量部、及びトルエン200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後、10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付けて、シランカップリング剤による酸化亜鉛の表面処理を行った。
表面処理した酸化亜鉛粒子:33質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):6質量部、下記構造式(AK-1)で示される化合物:1質量部、及びメチルエチルケトン:25質量部を30分間混合し、その後ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製):5質量部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):3質量部、レベリング剤として東レダウコーニングシリコーンオイル(商品名:SH29PA、ダウコーニング社製):0.01質量部を添加し、サンドミルにて1.8時間の分散を行い(すなわち、分散時間を1.8時間とし)、下引層形成用塗布液を得た。
さらに、浸漬塗布法にて、得られた下引層形成用塗布液を、直径47mm、長さ357mm、肉厚1mmのアルミニウム製の基体(導電性基体)上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚25μmの下引層を得た。
(電荷発生層の形成)
電荷発生材料としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料「Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m2/g)」、結着樹脂としての塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、株式会社NUC製)、およびn-酢酸ブチルからなる混合物を、容量100mLガラス瓶中に、充填率50%で1.0mmφガラスビーズと共に入れて、ペイントシェーカーを用いて2.5時間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂の混合物に対して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の含有率を55.0体積%とし、分散液の固形分は6.0質量%とした。含有率は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.606g/cm3、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂の比重1.35g/cmをとして計算した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送材料として、前記一般式(1)で表される正孔輸送材料である例示化合物(CT1-1)8.0質量部及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2-1)32.0質量部と、結着樹脂として前記一般式(PC-1)で表されるBPポリカーボネート樹脂(pm:pn=25:75、粘度平均分子量:5万)60.0質量部と、フッ素含有樹脂粒子としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)8質量部と、フッ素含有分散剤である「GF400(東亞合成株式会社製、フッ化アルキル基を持つメタクリレートを少なくとも重合成分とした界面活性剤)」0.2質量部と、酸化防止剤であるヒンダードフェノール系酸化防止剤(分子量775)3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)と、をテトラヒドロフラン340.0質量部に加えて溶解し、高圧ホモジナイザーで10回処理して電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布した。
浸漬塗布に際し、塗布液の温度を31℃とし、塗布液の上昇速度を800mm/分、被塗布材(電荷発生層まで形成した基体)の上昇速度を300mm/分とし、塗布液と被塗布材の相対速度差を500mm/分とし、150℃、40分の乾燥を行うことにより、膜厚40μmの電荷輸送層を形成し、これを電子写真感光体1とした。
なお、既述の方法により測定したフッ素含有樹脂粒子におけるカルボキシ基の個数、及び、塩基性化合物であるトリエチルアミン(沸点89℃)の量を、表1に示す。
[実施例2~11]、比較例3]
実施例1におけるフッ素含有樹脂粒子の種類と量、最表面層の状態(N1~N3、N2/N1,S1、S2、S2/S1,N3/N1,D1、D2及びD2/D1)、電荷輸送層形成用塗布液と被塗布材(電荷発生層まで形成した基体)の相対速度差、電荷輸送材料の種類と量等を、表1及び表2に示す仕様に変更した以外は、実施例1と同様にして各例の電子写真感光体を作製した。なお、電荷輸送材料を複数種使用している場合、表1に示す電荷輸送材料の量は、各電荷輸送材料の量の総和を意味する。
[比較例1~2]
実施例1における電荷輸送層の形成において、塗布液温度を15℃とした以外は、フッ素含有樹脂粒子の種類と量、最表面層の状態(N1~N3、N2/N1,S1、S2、S2/S1,N3/N1,D1、D2及びD2/D1)、高圧ホモジナイザーにおける処理回数、電荷輸送材料の種類と量等を、表1及び表2に示す仕様に変更した以外は、実施例1と同様にして各例の電子写真感光体を作製した。なお、電荷輸送材料を複数種使用している場合、表1に示す電荷輸送材料の量は、各電荷輸送材料の量の総和を意味する。
-感度の評価-
各例の電子写真感光体における感度の評価は、+800Vに電子写真感光体を帯電させたときの半減露光量として評価した。具体的に、まず、静電複写紙試験装置(エレクトロスタティックアナライザーEPA-8100、川口電気社製)を用いて、温度20℃/相対湿度40%の環境下、各例の電子写真感光体を+800Vに帯電させた。その後、タングステンランプの光を、モノクロメーターを用いて800nmの単色光にし、電子写真感光体の表面上で1μW/cmとなるように、光量を調整して照射した。そして、帯電直後における電子写真感光体の表面電位Vo(V)が、光照射により2分の1となる半減露光量(μJ/cm)を測定した。得られた半減露光量の値を、下記の基準で分類した。結果を表2に示す。
G1:半減露光量が0.10μJ/cm以下であった。
G2:半減露光量が0.10μJ/cm超え0.13μJ/cm以下であった。
G3:半減露光量が0.13μJ/cm超え0.15μJ/cm以下であった。
G4:半減露光量が0.15μJ/cm超え0.18μJ/cm以下であった。
G5:半減露光量が0.18μJ/cmを超えていた。
-耐摩耗性の評価-
各例の電子写真感光体を、富士ゼロックス株式会社製のカラー複写機DocuCentre-V C7776におけるブラックのプロセスカートリッジに搭載した。そして、温度20℃、湿度40%の環境下で、ハーフトーン画像(つまり、画像濃度50%)を100,000枚(100kPV)出力するランニングテストを行い、その後、電子写真感光体の最表面における摩耗量を、渦電流式膜厚計により、ランニング前に計測した膜厚とランニング後に計測した膜厚の差より計測した。結果を表2に示す。
-点状の画像欠陥の数評価-
カーボンファイバーが各層を貫通して導電性基体にまで達すると、電流が流れて点状の画像欠陥が発生する現象を利用して、リーク電流の発生抑制の評価を行った。
各例の電子写真感光体を、DocuCentre-V C7776のブラックに装着した。そして、カーボンファイバー(MLD-30、東レ株式会社製)を、現像剤の量に対して10mg(0.1質量%)混ぜた現像剤を用いて、画像濃度15%の黒色画像をA4白紙で10枚連続出力した。得られた10枚目の用紙における点状の画像欠陥の数を目視で数えた結果を表2に示す。
-帯電性の評価-
各例の電子写真感光体の帯電性について、次の通り評価した。
評価用画像形成装置により、帯電後の表面電位を-700Vに設定した後、高温高湿環境下(温度28℃、湿度85%RHの環境下)で、A4用紙に画像濃度30%の全面ハーフトーン画像を70,000枚出力した。そして、表面電位計により表面電位を測定し、下記評価基準で評価した。
G1: 表面電位が-700V以上-690V未満
G2: 表面電位が-690V以上-675V未満
G3: 表面電位が-675V以上-660V未満(実用上問題ないレベル)
G4: 表面電位が-660V以上-640V未満
G5: 表面電位が-640V以上
表2に示すように、実施例の電子写真感光体は、比較例の電子写真感光体に比べて、感度及び耐摩耗性に優れることがわかった。また、実施例の電子写真感光体は、比較例の電子写真感光体に比べて、カーボンファイバー等の針状の異物が現像剤内に混入した場合に引き起こされるリーク電流の発生も抑制されることがわかった。
101 下引層
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 導電性基体
105 感光層
106 表面保護層
107A,107B 電子写真感光体
8 帯電装置
9 露光装置
11 現像装置
13 クリーニング装置
14 潤滑剤
40 転写装置
50 中間転写体
100 画像形成装置
120 画像形成装置
131 クリーニングブレード
132 繊維状部材(ロール状)
133 繊維状部材(平ブラシ状)
300 プロセスカートリッジ

Claims (11)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた感光層と、
    を有し、
    最表面層がフッ素含有樹脂粒子を含み、
    前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N2)と、比(N2/N1)が、0.95未満であり、
    前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の面積率(S2)と、の比(S2/S1)が、1±0.1の範囲内である、
    電子写真感光体。
  2. 前記比(N2/N1)が、0.1以上0.8以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)と、前記最表面層の表面から層厚の9/10以降の第三の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N3)と、の比(N3/N1)が、0.9以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記比(N3/N1)が、0.7以下である請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D1)と、前記最表面層の表面から層厚の1/2以降の第二の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の平均径(D2)と、の比(D2/D1)が、2以上である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記比(D2/D1)が、3以上30以下である請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記最表面層の表面から層厚の1/2までの第一の領域における粒子間距離が1μm以内に存在する前記フッ素含有樹脂粒子の一次粒子の群からなる前記フッ素含有樹脂粒子の凝集体の数密度(N1)が、5個/100μm以上50個/100μm以下である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記フッ素含有樹脂粒子における、カルボキシル基の個数が炭素数10個あたり0個以上30個以下で、かつ塩基性化合物の量が0ppm以上3ppm以下である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記カルボキシル基の個数が炭素数10個あたり0個以上20個以下で、かつ前記塩基性化合物の量が0ppm以上3ppm以下である請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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