JP7380044B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真感光体(以下、「感光体」という場合がある。)を用いて帯電、静電潜像形成、現像、転写、クリーニング等の工程を順次行う装置が広く知られている。
電子写真感光体としては、アルミニウム等の導電性を有する基体上に、電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体、又は、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光体が知られている。
例えば、特許文献1には、「導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、表面層が、特定の構造単位を含み、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下であり、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比〔Mw/Mn〕が1以上8以下であり、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を前記フッ素系グラフトポリマーの含有量が、前記フッ素含有樹脂粒子に対して0.5質量%以上5.0質量%以下となるように含有する電子写真感光体。」が開示されている。
特許第5544850号公報
従来、クリーニング性を高める目的で、電子写真感光体の最表面層には、フッ素含有樹脂粒子を配合している。そして、フッ素含有樹脂粒子の分散性を高めるために、フッ素系グラフトポリマー等の分散剤が使用される。
しかし、電子写真感光体の最表面層が、フッ素含有樹脂粒子とフッ素系グラフトポリマーとを含む場合、フッ素含有樹脂粒子の種類によっては分散状態が崩れ、凝集物が生成してしまうと、表面平滑性が低下してしまうことがある。
そこで、本発明の課題は、フッ素含有樹脂粒子とフッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーとを含む最表面層を有し、フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線が1つのピークを有する場合に比べ、フッ素含有樹脂粒子の種類に依らず高い表面平滑性を有する電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1> 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、
最表面層が、フッ素含有樹脂粒子と、フッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、含み、
前記フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線が2つ以上のピークを有し、且つ、前記フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、分子量が最小であるピークP1のピーク面積をS1とし、且つ、分子量が最大であるピークP2のピーク面積をS2としたとき、S1≦S2の関係を満たす、電子写真感光体。
<2> 前記フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、分子量が最小であるピークP1の極大点の分子量をM1とし、分子量が最大であるピークP2の極大点の分子量をM2としたとき、M1<M2×0.5の関係を満たす、<1>に記載の電子写真感光体。
<3> 前記分子量M2が5万以上20万以下である、<1>又は<2>に記載の電子写真感光体。
<4> 前記最表面層が、前記フッ素含有樹脂粒子の表面に前記フッ素系グラフトポリマーが付着した分散剤付着粒子を含み、前記分散剤付着粒子におけるパーフルオロオクタン酸の含有量が、当該フッ素含有樹脂粒子の全質量に対して0ppb以上25ppb以下である<1>~<3>のいずれか1つに記際の電子写真感光体。
<5> 最表面層の算術平均粗さRaが0.13μm以下である、<4>に記載の電子写真感光体。
<6> <1>~<5>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<7> <1>~<5>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、最表面層が、フッ素含有樹脂粒子とフッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーとを含み、当該フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線が1つのピークを有する場合に比べ、フッ素含有樹脂粒子の種類に依らず高い表面平滑性を有する電子写真感光体が提供される。
<2>又は<3>に係る発明によれば、前記分子量M1及び前記分子量M2がM1<M2×0.5を満たさない場合に比べ、高い表面平滑性を有する電子写真感光体が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記分散剤付着粒子におけるパーフルオロオクタン酸の含有量が、フッ素含有樹脂粒子の全質量に対して25ppbを超える場合に比べ、高い表面平滑性を有する電子写真感光体が提供される。
<5>に係る発明によれば、前記最表面像の表面粗さRaが0.13μmを超える場合に比べ、高い表面平滑性を有する電子写真感光体が提供される。
<6>、又は<7>に係る発明によれば、最表面層が、フッ素含有樹脂粒子とフッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーとを含み、当該フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線が1つのピークを有する場合に比べ、フッ素含有樹脂粒子の種類に依らず高い表面平滑性を有する電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について、詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう)は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、最表面層が、フッ素含有樹脂粒子と、フッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、含む。そして、最表面層に含まれるフッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線が2つ以上のピークを有し、且つ、フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、分子量が最小であるピークP1のピーク面積をS1とし、且つ、分子量が最大であるピークP2のピーク面積をS2としたとき、S1≦S2の関係を満たす。
本実施形態に係る感光体は、フッ素含有樹脂粒子の種類に依らず高い表面平滑性を有する。その理由は、次の通り推測される。
既述のように、電子写真感光体の最表面層において、フッ素含有樹脂粒子とフッ素系グラフトポリマーとを含む場合、フッ素含有樹脂粒子の種類によっては分散状態が崩れ、凝集物が生成してしまうと、表面平滑性が低下してしまうことがある。
そこで、本発明者らは、フッ素含有樹脂粒子の分散剤として使用されるフッ素系グラフトポリマーについて着目し、以下の知見を得た。
まず、フッ素含有樹脂粒子の分散性を高めるためには、(1)フッ素含有樹脂粒子の濡れ性を高めること、及び、(2)分散状態の安定化を図ることがよい。
(1)フッ素含有樹脂粒子の濡れ性を高めることは、具体的には、分散剤であるフッ素系グラフトポリマーによりフッ素含有樹脂粒子表面の表面張力を低下させ、溶媒と親和させることである。また、(2)分散状態の安定化を図ることは、具体的には、分散剤であるフッ素系グラフトポリマーによる立体反発効果によりフッ素含有樹脂粒子同士が接近し、凝集してしまうことを抑制することである。
上記(2)を達成するためには、フッ素含有樹脂粒子同士ができるだけ互いに接触せず、且つ、フッ素含有樹脂粒子に吸着した分散剤が脱離しないようにすることが好ましい。そのため、分散剤であるフッ素系グラフトポリマーの分子量を大きくすることが効果的である。しかしながら、高分子量の分散剤は、フッ素含有樹脂粒子の隙間に入り込みにくくなるので、上記(1)フッ素含有樹脂粒子の濡れ性を高める効果発現の観点からは好ましくない。
そこで、分散剤として、分子量分布曲線が2つ以上のピークを有し、且つ、上記「S1≦S2」の関係を満たすフッ素系グラフトポリマーを用いることで、上記(1)及び上記(2)の両方を達成し、フッ素含有樹脂粒子を均一に近い状態で分散し、且つ、その分散安定性を高めるうることを見出した。
その結果、その種類(具体的には、製造方法の異なる粒子の種類)に依ることなくフッ素含有樹脂粒子は、分散性が高いまま凝集物が少ない状態で最表面層中に含まれることになり、高い表面平滑性を有する電子写真感光体になりうると考えられる。
以下、本実施形態に係る感光体について、詳細に説明する。
〔最表面層〕
本実施形態に係る感光体において、最表面層は、フッ素含有樹脂粒子と、フッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、含む。
感光体における最表面層には、電荷輸送層、保護層、又は単層型感光層が該当する。最表面層には、その層種によって、フッ素含有樹脂粒子及びフッ素系グラフトポリマー以外の他の成分を含む。なお、他の成分については、感光体の各層の構成と共に説明する。
[フッ素含有樹脂粒子]
フッ素含有樹脂粒子としては、フルオロオレフィンのホモポリマーの粒子、モノマーを2種以上用いた共重合体であって、フルオロオレフィンの1種又は2種以上と非フッ素系のモノマー(つまり、フッ素原子を有さないモノマー)との共重合体の粒子が挙げられる。
フルオロオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン(TFEともいう)、パーフルオロビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン(HFPともいう)、クロロトリフルオロエチレン(CTFEともいう)などのパーハロオレフィン、フッ化ビニリデン(VdFともいう)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニルなどの非パーフルオロオレフィン等が挙げられる。これらの中でも、VdF、TFE、CTFE、HFPなどが好ましい。
一方、非フッ素系のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのハイドロカーボン系オレフィン;シクロヘキシルビニルエーテル(CHVEともいう)、エチルビニルエーテル(EVEともいう)、ブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル;ポリオキシエチレンアリルエーテル(POEAEともいう)、エチルアリルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル;ビニルトリメトキシシラン(VSiともいう)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの反応性α,β-不飽和基を有する有機ケイ素化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステル;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(商品名、シェル社製のビニルエステル)などのビニルエステル;などが挙げられる。これらの中でも、アルキルビニルエーテル、ビニルエステル、反応性α,β-不飽和基を有する有機ケイ素化合物が好ましい。
これらの中でも、フッ素含有樹脂粒子としては、フッ素化率の高い粒子が好ましく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEともいう)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEPともいう)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFAともいう)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFEともいう)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFEともいう)などの粒子がより好ましく、PTFE、FEP、PFAの粒子が特に好ましい。
フッ素含有樹脂粒子としては、放射線を照射して得られる粒子(以下「放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子」ともいう)、重合法により得られる粒子(以下「重合型のフッ素含有樹脂粒子」ともいう)等が挙げられる。
放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子とは、放射線重合と共に粒状化したフッ素含有樹脂粒子、及び、重合後のフッ素含有樹脂を放射線照射による分解で、低分量化かつ微粒化したフッ素含有樹脂粒子を示す。
放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子は、空気中での放射線の照射により、カルボン酸が多く生成することから、カルボキシル基が多く含まれる粒子となる。
一方、重合型のフッ素含有樹脂粒子とは、懸濁重合法、乳化重合法等により、重合と共に粒状化し、且つ、放射線照射されていないフッ素含有樹脂粒子を示す。
なお、懸濁重合法によるフッ素含有樹脂粒子の製造は、例えば、分散媒中で、フッ素含有樹脂を形成するためのモノマーと共に、重合開始剤、触媒等の添加物を懸濁した後、モノマーを重合させつつ、重合物を粒子化する方法である。
また、乳化重合法によるフッ素含有樹脂粒子の製造は、例えば、分散媒中で、フッ素含有樹脂を形成するためのモノマーと共に、重合開始剤、触媒等の添加物を、界面活性剤(つまり乳化剤)により乳化させた後、モノマーを重合させつつ、重合物を粒子化する方法である。
重合型のフッ素含有樹脂粒子は、上記のような重合法を用いることから、放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子とは異なり、カルボキシル基が多く含まれる粒子とはなりにくい。
フッ素含有樹脂粒子は、放射線照射型のフッ素含有樹脂粒子であっても、重合型のフッ素含有樹脂粒子であっても、後述する特定の分子量分布曲線を有するフッ素系グラフトポリマーにより分散性が向上し、優れた表面平滑性を有する感光体となりうる。
特に、フッ素含有樹脂粒子が、重合型のフッ素含有樹脂粒子である場合に、後述する特定の分子量分布曲線を有するフッ素系グラフトポリマーによる分散性の向上効果が高くなるため、重合型のフッ素含有樹脂粒子と後述する特定の分子量分布曲線を有するフッ素系グラフトポリマーとの組み合わせが好ましい。
フッ素含有樹脂粒子の一次粒子における個数平均粒径は、特に制限はないが、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.2μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。
フッ素含有樹脂粒子の個数平均粒径は、次の方法により測定される値である。
まず、フッ素含有樹脂粒子が含まれる最表面層から試料片を作製する。得られた試料片について、SEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子状態のフッ素含有樹脂粒子の最大径を測定し、これを50個の粒子について行う。50個の一次粒子状態のフッ素含有樹脂粒子の最大径の平均値を求め、上記個数平均粒径とする。
ここで、SEMとしては、日本電子製JSM-6700Fを使用し、加速電圧5kVの二次電子画像を観察する。
フッ素含有樹脂粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素含有樹脂粒子の含有量は、最表面層の全固形分に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上20質量%以下がより好ましく、5質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
[フッ素系グラフトポリマー]
次に、フッ素系グラフトポリマーについて説明する。
フッ素系グラフトポリマーとは、フッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーであって、フッ素含有分散剤として、フッ素現有樹脂粒子の分散性に寄与する。
本実施形態において、フッ素系グラフトポリマーは、その分子量分布曲線に2つ以上のピークを有する。
フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線は、2つ以上のピークを有していればよく、3つ以上のピークを有してもよいが、低分子量側のピークを構成する成分と高分子量側のピークを構成する成分との機能分離を明確にする観点から、2つのピークを有することが好ましい。
フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、フッ素含有樹脂粒子の分散性を高める観点から、分子量が最小であるピークP1の極大点の分子量をM1とし、分子量が最大であるピークP2の極大点の分子量をM2としたとき、M1<M2×0.5の関係を満たすことが好ましく、M1<M2×0.4の関係を満たすことがより好ましく、M1<M2×0.3の関係を満たすことが更に好ましく、M1<M2×0.2の関係を満たすことが特に好ましい。
フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、フッ素含有樹脂粒子の分散性を高める観点から、分子量が最大であるピークP2の極大点の分子量M2は、5万以上20万以下であることが好ましく、7.5万以上15万以下がより好ましく、10万以上15万以下が更に好ましい。
フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、フッ素含有樹脂粒子の分散性を高める観点から、分子量が最小であるピークP1の極大点の分子量M1は、1万以上5万以下であることが好ましく、2万以上4万以下がより好ましい。
フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、分子量が最小であるピークP1のピーク面積をS1とし、且つ、分子量が最大であるピークP2のピーク面積をS2としたとき、S1≦S2の関係を満たすことが好ましく、S1<S2の関係を満たすことがより好ましく、S1×1.5≦S2の関係を満たすことが更に好ましい。
フッ素系グラフトポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、例えば、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR-M+TSKgel GMHHR-M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、テトラヒドロフラン溶媒で行う。この測定結果から、単分散ポリスチレン標準試料により分子量校正曲線を作成し、これを本実施形態における「フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線」とする。
そして、得らえた分子量分布曲線から、分子量が最小であるピークP1における極大点の分子量M1及びピーク面積S1、並びに、分子量が最大であるピークP2における極大点の分子量M2及びピーク面積S2が求められる。
なお、最表面層に含まれるフッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線を求める場合、以下のようにして、測定試料であるフッ素系グラフトポリマーを採取すればよい。
最表面層をテトラヒドロフラン等の可溶性溶剤に溶解し、フッ素系グラフトポリマーが吸着したフッ素含有微粒子を0.1μmメッシュのフィルターでろ過する。次に、ろ過して得られた、フッ素系グラフトポリマーが吸着したフッ素含有微粒子を、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、フルオロカーボン、パーフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、等のケトン溶剤、又はこれらを2種以上混合した混合溶剤中で、100℃以下で加熱し、その後、ろ過、乾燥して、フッ素含有微粒子の表面に吸着していたフッ素系グラフトポリマーを溶離採取する。
上述の分子量分布曲線を有するフッ素系グラフトポリマーは、分子量が異なる2種以上のフッ素系グラフトポリマーを目的とする量比にて混合することで得ることができる。混合するフッ素系グラフトポリマーは、同じ構成単位を有するフッ素系グラフトポリマーであってもよいし、異なる構成単位を有するフッ素系グラフトポリマーであってもよい。
フッ素系グラフトポリマーは、フッ化アルキル基を有するが、具体的には、例えば、フッ化アルキル基を有するモノマーと、フッ化アルキル基を有さず、エステル基を有するモノマーと、を少なくとも共重合した重合体が好ましい例として挙げられる。
フッ素系グラフトポリマーとして具体的には、フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートと、フッ化アルキル基を有さず、エステル基(>C=0)を有するモノマーと、のランダム又はブロック共重合体等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの双方を意味する。
フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アククリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
フッ化アルキル基を有さず、エステル基(>C=0)を有するモノマーとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アククリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの(メタ)アクリレートが挙げられる。
フッ素系グラフトポリマーとしては、特に、下記一般式(FA)で示される構造単位と、下記一般式(FB)で示される構造単位と、を有するフッ化アルキル基含有重合体が好ましい。
一般式(FA)及び(FB)中、RF1、RF2、RF3、及びRF4は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。
F1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、-S-、-O-、-NH-、又は単結合を表す。
F1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、-(Cfx2fx-1(OH))-、又は単結合を表す。
F1は、-O-、又は-NH-を表す。
fl、fm、及びfnは、各々独立に、1以上の整数を表す。
fp、fq、fr、及びfsは、各々独立に、0又は1以上の整数を表す。
ftは、1以上7以下の整数を表す。
fxは1以上の整数を表す。
一般式(FA)及び(FB)中、RF1、RF2、RF3、及びRF4を表す基としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(FA)及び(FB)中、XF1及びYF1を表すアルキレン鎖(未置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖)としては、炭素数1以上10以下の直鎖状又は分岐状のアルキレン鎖が好ましい。
F1を表す-(Cfx2fx-1(OH))-中のfxは、1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fp、fq、fr、及びfsは、各々独立に、0又は1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fnは、例えば、1以上60以下が好ましい。
ここで、フッ素系グラフトポリマーにおいて、一般式(FA)で示される構造単位と一般式(FB)で示される構造単位との数の比、つまり、fl:fmは、1:9から9:1までの範囲が好ましく、3:7から7:3までの範囲がより好ましい。
フッ素系グラフトポリマーは、一般式(FA)で示される構造単位と一般式(FB)で示される構造単位とに加え、一般式(FC)で示される構造単位を更に有していてもよい。
一般式(FC)中、RF5及びRF6は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。fzは、1以上の整数を表す。
一般式(FC)中、RF5及びRF6を表す基としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(FC)で示される構造単位の含有割合は、一般式(FA)及び(FB)で示される構造単位の数の合計、即ち、fl+fmとfzとの比(fl+fm:fz)で、10:0から7:3までの範囲が好ましく、9:1から7:3までの範囲がより好ましい。
フッ素系グラフトポリマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系グラフトポリマーの含有量は、例えば、フッ素含有樹脂粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上7質量%以下がより好ましい。
[パーフルオロオクタン酸]
本実施形態に係る感光体において、最表面層は、フッ素含有樹脂粒子の表面にフッ素系グラフトポリマーが付着した分散剤付着粒子を含む。
そして、この分散剤付着粒子におけるパーフルオロオクタン酸(PFOAともいう)の含有量が、フッ素含有樹脂粒子の全質量に対して0ppb以上25ppb以下であることが好ましい。
つまり、最表面層に含まれる分散剤付着粒子は、PFOAを含まない、又は、PFOAを含んでも含有量を抑えることが好ましい。
特に、ポリテトラフルオロエチレン粒子、変性ポリテトラフルオロエチレン粒子、パーフルオロアルキルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体粒子等のフッ素含有樹脂粒子の場合、その製造過程で、PFOAが使用されたり、副生成物として生成したりするため、フッ素含有樹脂粒子には、PFOAが含まれることが多い。
そのため、最表面層に含まれる分散剤付着粒子中のPTOAの含有量を抑えるためには、PFOAの量を低減させたフッ素含有樹脂粒子を用いることが好ましい。つまり、フッ素含有樹脂粒子中のPFOAの量も、フッ素含有樹脂粒子の全質量に対して0ppb以上25ppb以下であることが好ましい。
フッ素含有樹脂粒子中のPFOAの量を低減する方法としては、純水、アルカリ水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル等)、その他の一般的な有機溶剤(トルエン、テトラヒドロフラン等)などにより、フッ素含有樹脂粒子を十分洗浄する方法が挙げられる。フッ素含有樹脂粒子の洗浄は室温で行ってもよいが、加熱下で行うことにより、フッ素含有樹脂粒子中のPFOAの量を効率的に低減することができる。
ここで、分散剤付着粒子におけるPFOAの量は、以下の方法により測定される。
-試料の前処理-
分散剤付着粒子を含む最表面層から、PFOAの量を測定する場合、最表面層を溶剤(例えば、テトラヒドロフラン)に浸漬し、分散剤付着粒子及び溶剤に不溶な物質以外を溶剤(ここではテトラヒドロフラン)に溶解させた後、得られた溶液を、純水中に滴下し、析出物をろ別する。その際に得られたPFOAを含む溶液を捕集する。更に、ろ別により得られた不溶物を溶剤に溶解させた後、純水中に滴下し、析出物をろ別する。その際に得られたPFOAを含む溶液を捕集する作業を5回繰り返し、すべての作業で捕集した水溶液を、前処理済みの水溶液とする。
フッ素含有樹脂粒子自体から、PFOAの量を測定する場合、フッ素含有樹脂粒子に対して最表面層に含まれる場合と同様な処理を実施し、前処理済みの水溶液を得る。
-測定-
上記の手段で得た前処理済みの水溶液を「環境水・底質・生物中のペルフルオロオクタンスルホンのペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS) ぺルフルオロオクタン ぺルフルオロオクタン酸(PFOA)の分析 岩手県環境保健研究センター」に示される方法に準じて試料液の調整、測定を行う。
[表面粗さRa]
最表面層の表面粗さRa(即ち、本実施形態に係る感光体の表面粗さRa)は、感光体の表面平滑性を高める観点から、0.13μm以下であることが好ましく、0.10μm以下であることがより好ましく、0.08μm以下であることが更に好ましい。
一方、最表面層の表面粗さRaの下限としては、例えば、0.05μm以上が好ましい。
特に、最表面層が、PFOAの量が上記範囲の分散剤付着粒子を含む場合、最表面層の表面粗さRaは、0.10μm以下であることが好ましい。
表面粗さRaは以下の手法により求める。
最表面層の一部を、カッター等で切り出し、試験片を得る。試験片に対して、触針式表面粗さ測定機(サーフコム1400A:東京精密社製等)を使用して測定する。測定条件は、JIS B 0601:1994に準拠し、評価長さLn=10mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について図面を参照して説明する。
図1に示す電子写真感光体7は、例えば、導電性支持体4上に、下引層1と電荷発生層2と電荷輸送層3とが、この順序で積層された構造を有する。電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
なお、電子写真感光体7は、下引層1が設けられていない層構成であってもよい。
また、電子写真感光体7は、電荷発生層2と電荷輸送層3との機能が一体化した単層型感光層を有する感光体であってもよい。単層型感光層を有する感光体の場合、単層型感光層が最表面層を構成する。
また、電子写真感光体7は、電荷輸送層3上、又は単層型感光層上に、表面保護層を有する感光体であってもよい。表面保護層を有する感光体の場合、表面保護層が最表面層を構成する。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これを更にアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ-t-ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層を更に設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5-263007号公報、特開平5-279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5-98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5-140472号公報、特開平5-140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4-189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004-78147号公報、特開2005-181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp-型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn-型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n-型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012-155282号公報の段落[0288]~[0291]に記載された化合物(CG-1)~(CG-27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a-1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、-C-C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は-C-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a-2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、-C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「-C-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8-176293号公報、特開平8-208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液中に粒子(例えばフッ素含有樹脂粒子)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度を更に改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、-OH、-OR[但し、Rはアルキル基を示す]、-NH、-SH、-COOH、-SiRQ1 3-Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1~3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
<画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)>
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
-帯電装置-
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
-露光装置-
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
-現像装置-
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
-クリーニング装置-
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
-転写装置-
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
-中間転写体-
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、「部」又は「%」は、特に断りがない限り、質量基準である。
<フッ素含有樹脂粒子の製造>
(フッ素含有樹脂粒子(1)の製造)
次の通り、フッ素含有樹脂粒子(1)を製造した。
市販のホモポリテトラフルオロエチレンファインパウダー(ASTM D 4895(2004)に準拠して測定した標準比重2.175)100質量部、添加剤としてエタノール2.8質量部をバリアナイロン製の袋に採取に採取した。その後、室温、空気中にてコバルト-60γ線を160kGy照射し、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を得た。得られた粉末を粉砕し、フッ素含有樹脂粒子(1)を得た。
(フッ素含有樹脂粒子(2)の製造)
フッ素含有樹脂粒子(1)の製造において、得られたフッ素含有樹脂粒子(1)100質量部とメタノール500質量部とを混合し、そこに超音波を照射しながら攪拌機300rpmにて10分洗浄し、上澄みをデカンテーションで除去した。本操作を4回繰り返した後、残渣ろ過物を送風乾燥機で70℃、24時間乾燥させて、フッ素含有樹脂粒子(2)を製造した。
(フッ素含有樹脂粒子(3)の製造)
撹拌機を備えたオートクレーブに、脱イオン水3.2リットル及びパーフルオロオクタン酸アンモニウム5.0g、更に乳化安定剤としてパラフィンワックス(日本石油(株)製)120gを仕込み、窒素で3回、TFE(テトラフルオロエチレン)で2回系内を置換して酸素を取り除いた。その後、TFEで内圧を0.9MPaにして、250rpmで撹拌しながら、内温を80℃に保った。つぎに、脱イオン水に過硫酸アンモニウム15mgを溶かした水溶液20ml、脱イオン水にコハク酸パーオキシド200mgを溶かした水溶液20mlを系内に仕込み反応を開始した。反応中は、系内の温度を80℃に保ち、オートクレーブの内圧は常に0.9MPaに保つように連続的にTFEを供給した。開始剤を添加してから反応で消費されたTFEが1100gに達した時点で、TFEの供給と撹拌を停止し、オートクレーブ内を常圧に解放し反応を終了した。静置冷却後、上澄みのパラフィンワックスを除去したのち、この乳化液を撹拌機を備えたステンレス容器に移して1.5Lの脱イオン水を加えて15℃に調整した。これに炭酸アンモニウム20g及びトリエチルアミン2gを溶かした水溶液100gを加え、450rpmで攪拌しフッ素含有樹脂粒子を凝集させたのち、遠心分離により粒子を分離した。次に、メタノール4Lを加えて30分間攪拌洗浄後、ろ過してフッ素含有樹脂粒子を洗浄した。この洗浄操作を4回繰り返したあと、得られたフッ素含有微粒子を送風乾燥機内で、70℃で24時間乾燥し、フッ素含有樹脂粒子(3)を製造した。
得られたフッ素含有樹脂粒子(1)~(3)の一次粒子における個数平均粒径について、既述の方法で測定した。
結果を表1に示す。
<フッ素系グラフトポリマーの製造>
(フッ素系グラフトポリマー(1)の製造)
次の通り、フッ素系グラフトポリマー(1)を合成した。
撹拌装置、還流冷却管、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた500mLの反応容器に、メチルイソブチルケトン5質量部を入れて撹拌し、窒素ガス雰囲気下で反応容器内の溶液温度を80℃に維持した。パーフルオロヘキシルエチルアクリレート9質量部、マクロモノマーAA-6(東亞合成株式会社製)21質量部、重合開始剤としてパーヘキシルO(日油株式会社製)1.6質量部、メチルイソブチルケトン45質量部の混合溶液を、シリンジ滴下ポンプを使用して反応容器内へ2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間撹拌を続けた後、溶液温度を90℃に上げて更に2時間撹拌した。
反応後に得られたメチルイソブチルケトン樹脂溶液に、メタノール400mlを滴下し、フッ素系グラフトポリマーを析出させた。析出した固形分をろ別後、乾燥させフッ素系グラフトポリマー(1)を得た。
(フッ素系グラフトポリマー(2)の製造)
フッ素系グラフトポリマー(1)の合成において、パーヘキシルOの量を1.6質量部から0.4質量部に変えた以外は、フッ素系グラフトポリマー(1)と同様にして合成し、フッ素系グラフトポリマー(2)を得た。
(フッ素系グラフトポリマー(3)の製造)
フッ素系グラフトポリマー(1)の合成において、パーヘキシルOの量を1.6質量部から0.25質量部に変えた以外は、フッ素系グラフトポリマー(1)と同様にして合成し、フッ素系グラフトポリマー(3)を得た。
(フッ素系グラフトポリマー(4)の製造)
フッ素系グラフトポリマー(1)の合成において、パーヘキシルOの量を1.6質量部から0.19質量部に変えた以外は、フッ素系グラフトポリマー(1)と同様にして合成し、フッ素系グラフトポリマー(4)を得た。
(フッ素系グラフトポリマー(5)の製造)
フッ素系グラフトポリマー(1)の合成において、パーヘキシルOの量を1.6質量部から0.7質量部に変えた以外は、フッ素系グラフトポリマー(1)と同様にして合成し、フッ素系グラフトポリマー(5)を得た。
(フッ素系グラフトポリマー(6)の製造)
フッ素系グラフトポリマー(1)の合成において、パーヘキシルOの量を1.6質量部から0.55質量部に変えた以外は、フッ素系グラフトポリマー(1)と同様にして合成し、フッ素系グラフトポリマー(6)を得た。
得られたフッ素系グラフトポリマー(1)~(6)の重量平均分子量について、既述の分子量分布曲線の求め方と同様の方法で測定した。
結果を表2に示す。
<実施例1>
次の通りにして、感光体を製造した。
(下引層の作製)
酸化亜鉛:(平均粒径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100部をテトラヒドロフラン500部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110部を500部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6部を50部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、更に60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5部とブチラール樹脂 (エスレックBM-1、積水化学工業社製)15部とメチルエチルケトン85部とを混合し混合液を得た。この混合液38部と、メチルエチルケトン25部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社):45部を添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて、直径47mm、長さ357mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、170℃、30分の乾燥硬化を行い厚さ25μmの下引層を得た。
(電荷発生層の作製)
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn-酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間攪拌して分散させた。得られた分散液にn-酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布した。その後、140℃、10分で乾燥を行い、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の作製)
下記構造の電荷輸送剤(HT-1)40質量部、下記構造の電荷輸送剤(HT-2)8質量部、及び下記構造のポリカーボネート樹脂(A)(粘度平均分子量:5万)52質量部を、テトラヒドロフラン800質量部に加えて溶解し、この溶液に、フッ素含有樹脂粒子(3):8質量部と、フッ素系グラフトポリマー(1):0.08質量部と、フッ素系グラフトポリマー(6):0.32質量部と、を加えた。そして、この溶液を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)により5500rpmで2時間分散して、電荷輸送層形成用塗布液を得た。この塗布液を、前述の電荷発生層上に塗布した。その後、140℃、40分の乾燥を行い、膜厚28μmの電荷輸送層を形成した。これを電子写真感光体1とする。
<実施例2~15>
表3に従って、電荷輸送層形成用塗布液に配合する、フッ素含有樹脂粒子の量と、フッ素系グラフトポリマーの種類及び量を、適宜、変更した以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
<比較例1~4>
表3に従って、電荷輸送層形成用塗布液に配合する、フッ素系グラフトポリマーの種類及び量を、適宜、変更した以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
<実施例16~31>
表4に従って、電荷輸送層形成用塗布液に配合する、フッ素含有樹脂粒子の種類と、フッ素系グラフトポリマーの種類及び量と、を、適宜、変更した以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
<比較例5~10>
表4に従って、電荷輸送層形成用塗布液に配合する、フッ素含有樹脂粒子の種類と、フッ素系グラフトポリマーの種類及び量と、を、適宜、変更した以外は、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
<評価>
〔電荷輸送層形成用塗布液中のフッ素含有樹脂粒子の分散性の評価〕
各例で用いられる電荷輸送層形成用塗布液中のフッ素含有樹脂粒子の分散性について、以下の2つについて評価した。結果を表3及び表4に示す。
(1)分散前の粗大粒子率
Malvern Panalytical社製の粒度分布測定器Mastersizer3000を用い、測定溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、「電荷輸送層の作製」におけるホモジナイザーによる分散前のフッ素含有樹脂粒子含有液を測定し、100μm以上の粗大粒子の比率(具体的には、全粒子に対する粗大粒子の個数比率)を求めた。得られた粗大粒子の比率(以下、粗大粒子率という)を、以下の評価基準に基づき評価した。
-評価基準-
A:粗大粒子率が10%より多い
B:粗大粒子率が0%より多く5%以下である
C:粗大粒子率が5%より多く10%以下である
D:粗大粒子率が10%より多い
(2)分散粒子の安定性
既述の方法で得られた電荷輸送層形成用塗布液を容量200mL程度のガラス瓶に入れて密封し、ウェーブローターを用いて20時間ガラス瓶ごと回転させる。この処理を行った後の、電荷輸送層形成用塗布液の粒度分布をMalvern Panalytical社製の粒度分布測定器Mastersizer3000を用いて測定し、平均粒径(メジアン径)を算出した。得られた平均粒径を用い、以下の評価基準にて分散粒子の安定性を評価した。
-評価基準-
A:平均粒形が2μm以下である
B:平均粒形が2μm超え2.5μm以下である
C:平均粒形が2.5μm超え3μm以下である
D:平均粒形が3μm超である
〔分子量分布曲線の測定〕
各例で得られた感光体について、最表面層である電荷輸送層中に含まれるフッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線を、既述の方法で得た。得られた分子量分布曲線をもとに、分子量M1及びM2並びにピーク面積S1及びS2を求めた。結果を表3及び表4に示す。
なお、ピーク面積S1及びS2は、ピーク面積S1とピーク面積S2との総計を「1」としたときの、各ピーク面積S1及びS2の占める割合を示したものである。
〔PFOAの量の測定〕
各例で得られた感光体について、最表面層である電荷輸送層中の分散剤付着粒子におけるPFOAの量について、既述の方法で測定した。結果を表3及び表4に示す。
〔最表面層中のフッ素含有樹脂粒子の分散性の評価〕
既述の、フッ素含有樹脂粒子の個数平均粒径の測定方法と同様に、感光体の電荷輸送層(即ち最表面層)の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)により倍率5000倍で観察し、得られたSEM画像の中に存在するフッ素含有樹脂粒子のうち一次粒子として存在する粒子の比率を算出した。得られた一次粒子の比率を用い、以下の評価基準にて、最表面層中のフッ素含有樹脂粒子の分散性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
-評価基準-
A:凝集粒子は存在せず全てが一次粒子である
B:3μm以下の凝集粒子が部分的に存在する
C:3μm超え5μm以下の凝集粒子が部分的に存在する
D:5μmを超える強い凝集が多くみられる
〔表面平滑性の評価〕
各例で得られた感光体の表面粗さRa(即ち、最表面層である電荷輸送層の表面粗さRa)を既述の方法にて測定し、以下の評価基準にて、表面平滑性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
-評価基準-
A:Raが0.8μm以下であり、非常に高い表面平滑性を有する。
B:Raが0.8μmを超え0.10μm以下であり、高い表面平滑性を有する。
C:Raが0.10μmを超え0.13μm以下であり、表面平滑性は実用上の許容範囲である。
D:Raが0.13μmを超えており、表面平滑性が低く、実用上の問題が生じる。
上記結果から、本実施例の感光体は、比較例の感光体に比べ、フッ素含有樹脂粒子(1)~(3)のいずれを用いても、高い表面平滑性を有することがわかる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基体、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑剤、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (7)

  1. 導電性基体と、前記導電性基体上に設けられた感光層と、を有し、
    最表面層が、フッ素含有樹脂粒子と、フッ化アルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、含み、
    前記フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線が2つ以上のピークを有し、且つ、前記フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、分子量が最小であるピークP1のピーク面積をS1とし、且つ、分子量が最大であるピークP2のピーク面積をS2としたとき、S1×1.5≦S2の関係を満たす、電子写真感光体。
  2. 前記フッ素系グラフトポリマーの分子量分布曲線において、分子量が最小であるピークP1の極大点の分子量をM1とし、分子量が最大であるピークP2の極大点の分子量をM2としたとき、M1<M2×0.5の関係を満たす、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記分子量M2が5万以上20万以下である、請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記最表面層が、前記フッ素含有樹脂粒子の表面に前記フッ素系グラフトポリマーが付着した分散剤付着粒子を含み、前記分散剤付着粒子におけるパーフルオロオクタン酸の含有量が、当該フッ素含有樹脂粒子の全質量に対して0ppb以上25ppb以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記際の電子写真感光体。
  5. 最表面層の算術平均粗さRaが0.13μm以下である、請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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