JP2018063367A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、電荷輸送層を厚くすると、発生した電荷の移動に時間かかり、層内に前画像の電荷が残留した状態で次画像の形成が行われやすいため、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象が起こりやすくなる。
即ち、請求項1に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、10℃/15%RHでの体積抵抗率が2.0×108Ω・cm以上2.0×1012Ω・cm以下である下引層と、
前記下引層上に設けられた電荷発生層と、
前記電荷発生層上に最表面層として設けられ、膜厚が35μm以上60μm以下である電荷輸送層と、
を有する電子写真感光体である。
前記電荷輸送層における単位面積あたりの静電容量は、4.0×10−9F/cm2以上1.0×10−7F/cm2以下である請求項1に記載の電子写真感光体である。
前記電荷輸送層は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、フッ素含有樹脂粒子と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤と、下記一般式(PCA)で示される構造単位と下記一般式(PCB)で示される構造単位とを含むポリカーボネート樹脂と、を含有する請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体である。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジである。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置である。
前記電子写真感光体の表面における残留電荷を除電する除電手段を有さない請求項5に記載の画像形成装置である。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下「感光体」とも称する)は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた下引層と、下引層上に設けられた電荷発生層と、電荷発生層上に設けられた最表面層である電荷輸送層と、を有し、電荷輸送層の膜厚が35μm以上60μm以下であり、かつ、下引層における10℃/15%RHでの体積抵抗率(以下「体積抵抗率ρT」ともいう)が2.0×108Ω・cm以上2.0×1012Ω・cm以下である。
この電荷輸送層の摩耗による寿命を長くする方法としては、例えば、電荷輸送層そのものを厚くする方法が挙げられる。具体的には、電荷輸送層の膜厚を35μm以上60μm以下とすることで、膜厚が35μm未満である場合に比べ、電荷輸送層の摩耗による寿命は長くなる。
また、本実施形態では、下引層の体積抵抗率ρTが上記範囲であるため、上位範囲よりも高い場合に比べて、感光体の電位上昇による短寿命化も抑制される。具体的には、下引層の体積抵抗率ρTが上記範囲よりも高い場合は、下引層内や下引層と上層との界面等に電荷が蓄積しやすく、使用に伴って残留電位が高くなり、濃度異常などが発生することにより、感光体が短寿命化することがある。一方、本実施形態では、下引層の体積抵抗率ρTが上記範囲であるため、感光体の電位上昇に伴う短寿命化も抑制される。
以上のように、本実施形態の感光体では、感光体の長寿命化とゴーストの抑制との両立もなされる。
図1は、電子写真感光体7の層構成の一例として示した電子写真感光体7Aの模式断面図である。図1に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体1上に、下引層3、電荷発生層4、及び電荷輸送層5がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層4及び電荷輸送層5が機能分離型感光層6を構成し、電荷輸送層5が最表面層である。
なお、電子写真感光体7Aは、必要に応じてその他の層を設けてもよい。必要に応じて設けられる層としては、例えば、下引層3と電荷発生層4との間に設けられる中間層等が挙げられる。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、導電性基体上に設けられ、体積抵抗率(体積抵抗率ρT)が2.0×108Ω・cm以上2.0×1012Ω・cm以下である層である。
前述のように、下引層における体積抵抗率ρTが上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べてゴーストが抑制される。また、下引層における体積抵抗率ρTが上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて残留電位の上昇による短寿命化が抑制される。
なお、下引層における体積抵抗率ρTは、ゴーストの抑制と残留電位の上昇による短寿命化の抑制とを両立する観点から、2.0×108Ω・cm以上2.0×1012Ω・cm以下が好ましく、5.0×109Ω・cm以上2.0×1012Ω・cm以下がより好ましい。
例えば、電子写真感光体の各層を構成する導電性有機膜の等価回路としては、一般的に、抵抗(抵抗値:R)とコンデンサー(静電容量:C)との並列回路が適用される。抵抗値R、及び静電容量Cが不明な並列回路において、抵抗値Rと静電容量Cとを解析・算出する方法として、コール・コールプロット(Cole・Cole Plot)解析が挙げられる。
コール・コールプロット解析とは、抵抗値R及び静電容量Cが不明の並列回路(例えば、導電性有機膜)の両端に電極を取り付け、両電極間に、周波数を変化させながら交流電圧を印加し、印加させた電圧と得られた電流の位相関係を解析する方法である。この方法により、上記並列回路の抵抗値R及び静電容量Cを求め、抵抗値Rの値と取り付けた電極の面積の値とサンプルの厚さとから、体積抵抗率(体積抵抗率ρT)を求める。
測定条件としては、例えば、DCバイアス(直流印加電圧):0V、AC(交流印加電圧):±1V、周波数:1Hz以上100Hz以下の範囲が挙げられる。
得られた測定結果から、コール・コールプロット解析により上記抵抗値Rが求められ、「サンプルの厚さ(cm)/対向電極の電極面積S(cm2)」で除することにより、下引層における体積抵抗率(体積抵抗率ρT)が算出される。
まず、測定対象となる感光体を準備する。次に、例えば、下引層を被覆している電荷発生層、及び電荷輸送層等の感光層をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶剤を用いて除去し、下引層を露出させる。そして、露出された下引層上に真空蒸着法やスパッタ法等の手段により金電極を装着して、測定用試料とする。そして、この測定用試料について測定を行い、体積抵抗率ρTを求める。
無機粒子の分散度を高める方法は特に限定されないが、例えば、表面処理した無機粒子を用いる方法、下引層形成用塗布液調製時の無機粒子分散時間を長くする方法、下引層形成用塗布液の塗膜の乾燥温度を高くする方法等が挙げられる。
なお、表面処理した無機粒子、無機粒子分散時間、及び乾燥温度の詳細は後述する。
以下、下引層の一例として、無機粒子と結着樹脂とを含む層について、材料、製造方法、及び特性等を説明する。
これらの中でも、上記体積抵抗率を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、最表面層であり、膜厚が35μm以上60μm以下の層である。
電荷輸送層の膜厚は、感光体寿命及びゴースト抑制の観点から、40μm以上60μm以下が好ましい。
具体的には、例えば、まず電荷輸送層の外周面に電極を形成し、導電性基体上に設けられたすべての層(すなわち下引層、電荷発生層、及び電荷輸送層)全体における単位面積あたりの静電容量をコール・コールプロット解析により求める。そして、前述の方法により電荷輸送層のみを除去し、残った層の外周面(電荷発生層の外周面)に電極を形成し、電荷輸送層以外の層(すなわち下引層及び電荷発生層)全体における単位面積あたりの静電容量をコール・コールプロット解析により求める。それらの値を用いて、電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を算出する。なお、電極の形成方法及び測定条件については、前述の下引層における体積抵抗率ρTを求める場合における電極の形成方法及び測定条件と同様である。
以下、電荷輸送層に含まれる各成分について説明する。
cm及びcnは、各々独立に、0、1又は2を表す。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン環構造、シクロアルケン環構造、シクロアルカンポリエン環構造等が挙げられる。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
・−CH3:メチル基
・−OCH3:メトキシ基
特に、電荷移動度の観点から、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを併用することが好ましい。なお、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを併用する場合における質量比(ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量/ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量)は、電荷輸送能の点から、1/9以上5/5以下が好ましく、1/9以上4/6以下がより好ましく、1/9以上3/7以下が更に好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
・−CH3:メチル基
・−C2H5:エチル基
・−OCH3:メトキシ基
・−OC2H5:エトキシ基
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
他の構造単位としては、ビスフェノール骨格(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールF、ビスフェノールZ等)を有する構造単位等が挙げられる。
これらジヒドロキシビフェニル化合物は、1種単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。
これらビスフェノール化合物は、1種単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基、イソウンデシレン基、sec−ウンデシレン基、tert−ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec−ドデシレン基、tert−ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
具体的には、BPポリカーボネート樹脂の上記例示化合物中、pm、pnは共重合比(モル比)を示すが、pm:pn=95:5から5:95の範囲、50:50から5:95の範囲、更に好ましくは、15:85から30:70の範囲が挙げられる。
なお、BPポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の測定方法としては、次の方法により測定される値である。樹脂1gをメチレンクロライド100cm3に均一溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕2cの関係式(ただしcは濃度(g/cm3))より極限粘度〔η〕(cm3/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
電荷輸送層に用いる添加剤は特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フッ素含有樹脂粒子、フッ素含有分散剤等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環を有し、且つ分子量が300以上の化合物である。
1)ヒンダードフェノール環を1つ有する酸化防止剤、
2)ヒンダードフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が連結された酸化防止剤
3)2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環と、一つのベンゼン環(未置換、又はアルキル基等で置換された置換ベンゼン環)又はイソシアヌレート環とを有し、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が、各々、ベンゼン環又はイソシアヌレート環とアルキレン基を介して連結された酸化防止剤
等が挙げられる。
RH3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
RH5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキレン基が好ましい。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例示化合物(HP−3)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
フッ素含有樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の粒子の中から1種又は2種以上を選択するのが望ましい。これらの中でも、フッ素含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂粒子、フッ化ビニリデン樹脂粒子が望ましい。
なお、この一次粒子は、感光層(電荷輸送層)から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子状態のフッ素樹脂粒子の最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM−6700Fを使用し、加速電圧5kVの二次電子画像を観察する。
フッ素含有分散剤としては、フッ化アルキル基を有する重合性化合物を単独重合又は共重合した重合体(以下「フッ化アルキル基含有重合体」とも称する)が挙げられる。
フッ化アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アククリレートが挙げられる。
フッ素原子を有さないモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アククリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
XF1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−、又は単結合を表す。
YF1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(CfxH2fx−1(OH))−又は単結合を表す。
QF1は、−O−、又は−NH−を表す。
fl、fm及びfnは、各々独立に、1以上の整数を表す。
fp、fq、fr及びfsは、各々独立に、0または1以上の整数を表す。
ftは、1以上7以下の整数を表す。
fxは1以上の整数を表す。
YF1を表す−(CfxH2fx−1(OH))−中のfxは、1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fp、fq、fr及びfsは、それぞれ独立に0または1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fnは、例えば、1以上60以下が好ましい。
フッ素含有分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される値である。GPCによる分子量測定は、例えば、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行い、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、フッ化アルキル基含有共重合体は、1種を単独でまたは2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
[感光体1]
(下引層の形成)
酸化亜鉛粒子(商品名:MZ 300、テイカ株式会社製、体積平均一次粒径35nm)100質量部、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液を10質量部、及びトルエン200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後、10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付けて、シランカップリング剤による酸化亜鉛の表面処理を行った。
次に、電荷発生材料としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料「Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m2/g)」、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、株式会社NUC製)、およびn−酢酸ブチルからなる混合物を、容量100mLガラス瓶中に、充填率50%で1.0mmφガラスビーズと共に入れて、ペイントシェーカーを用いて2.5時間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の混合物に対して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の含有率を55.0体積%とし、分散液の固形分は6.0質量%とした。含有率は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.606g/cm3、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の比重1.35g/cm3をとして計算した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)「例示化合物(CT1−1)8.0質量部及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)「例示化合物(CT2−1)」32.0質量部と、結着樹脂として、BPポリカーボネート樹脂「例示化合物(PC−1)、pm:pn=25:75、粘度平均分子量=5万」60.0質量部と、フッ素含有樹脂粒子として、4フッ化エチレン樹脂粒子(体積平均粒子径200nm):8質量部と、フッ素含有分散剤として、GF400(東亜合成社製:フッ化アルキル基を持つメタクリレートを少なくとも重合成分とした界面活性剤):0.3質量部と、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)と、をテトラヒドロフラン340.0質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT(表1中の「ρT」)及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量(表1中の「静電容量」)を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、分散時間を1.8時間から1.0時間に変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体2を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、分散時間を1.8時間から1.7時間に変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体3を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の電荷輸送層の形成において、電荷輸送層の膜厚を60μmから45μmに変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体4を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、電荷輸送層の膜厚を60μmから40μmに変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体5を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、電荷輸送層の膜厚を60μmから35μmに変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体6を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、分散時間を1.8時間から0.7時間に変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体7を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、分散時間を1.8時間から1.9時間に変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体8を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
感光体1の下引層の形成において、電荷輸送層の膜厚を60μmから65μmに変えた以外は、感光体1と同様にして、感光体9を作製した。
得られた感光体の下引層の体積抵抗率ρT及び電荷輸送層における単位面積当たりの静電容量を前述の方法で求めた。結果を表1に示す。
〔ゴーストの評価〕
表1に示す感光体を画像形成装置(富士ゼロックス社製ApeosPort−V C5585の改造機)に搭載し、一次転写電流値が8μAになるように一次転写電圧を設定し、感光体回転速度:255mm/s、温度30℃、湿度75%の環境下で、A3用紙上に下記画像(ゴーストチャート)を5枚形成し、5枚目の画像を目視で確認し、下記評価基準によりゴーストの評価を行った。結果を表1(表1中の「ゴースト」)に示す。
なお、「ゴーストチャート」とは、具体的には、×の字を記載した感光体一周分経過した箇所にハーフトーン画像チャートが記載されているチャートである。
G1(○):ゴーストが発生しない
G2(△):ゴーストがわずかに発生するが、許容範囲内
G3(×):ゴーストが発生し、許容範囲を超える
表1に示す感光体を画像形成装置(富士ゼロックス社製ApeosPort−5 C5585の改造機)に搭載し、一次転写電流値が8μAになるように一次転写電圧を設定し、感光体回転速度:255mm/s、温度30℃、湿度75%の環境下で、100%ベタ画像のチャートを1枚形成し、次いで画像濃度5%のチャートを200,000枚形成し、さらに100%ベタ画像を1枚形成した。最初の100%ベタ画像形成における画像露光後の感光体電位VL1と、最後に形成した100%ベタ画像形成における画像露光後の感光体電位VL2と、の電位差(VL2−VL1)を測定し、下記評価基準により走行による電位上昇レベルの評価を行った。
G1(○):電位差が100V以下
G2(△):電位差が100Vを超え150V以下
G3(×):電位差が150Vを超える
Claims (6)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、10℃/15%RHでの体積抵抗率が2.0×108Ω・cm以上2.0×1012Ω・cm以下である下引層と、
前記下引層上に設けられた電荷発生層と、
前記電荷発生層上に最表面層として設けられ、膜厚が35μm以上60μm以下である電荷輸送層と、
を有する電子写真感光体。 - 前記電荷輸送層における単位面積あたりの静電容量は、4.0×10−9F/cm2以上1.0×10−7F/cm2以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、フッ素含有樹脂粒子と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤と、下記一般式(PCA)で示される構造単位と下記一般式(PCB)で示される構造単位とを含むポリカーボネート樹脂と、を含有する請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。cm及びcnは、各々独立に、0、1又は2を表す。)
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
(一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。) - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記電子写真感光体の表面における残留電荷を除電する除電手段を有さない請求項5に記載の画像形成装置。
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