JP2019191366A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】濃度ムラ及びゴーストの発生を抑制する電子写真感光体の提供。【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体上に配置され、ポリカーボネート樹脂を含む感光層であって、少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む感光層と、を有する電子写真感光体。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、導電性基体と、この導電性基体上に直接もしくは下引き層を介して形成される感光層とを有する電子写真感光体であって、上記感光層が、少なくとも電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダ樹脂とを含有し、上記正孔輸送剤が、特定の一般式で示されるp−ターフェニル誘導体を含有する電子写真感光体が開示されている。
特開2015−225089号公報
従来、感光層には、感光層の少なくとも一方の端部で、偏摩耗が発生する場合がある。そして、この偏摩耗に起因して、形成された画像には、濃度ムラが発生することがある。また、濃度ムラを抑制しようとして、単に感光層の硬度を向上させると、形成された画像には、前サイクルの履歴による残像現象(以下、ゴーストと称する)が生じることがある。
本発明の課題は、ポリカーボネート樹脂を含む感光層において、感光層に含まれる電荷輸送材料として、電子写真感光体の軸方向の全幅の領域で、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミンのみ含む場合、又は、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン、及び式(1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料(例示化合物CT1−17)のみ含む場合に比べ、濃度ムラ及びゴーストの発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
導電性基体と、
前記導電性基体上に配置され、ポリカーボネート樹脂を含む感光層であって、少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む感光層と、
を有する電子写真感光体。
<2>
前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料が、ジアミノターフェニル構造を持つ電荷輸送材料である<1>に記載の電子写真感光体。
<3>
前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料が、下記一般式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料である<2>に記載の電子写真感光体。
(ただし、一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、及びRC14は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基どうしが結合して、炭化水素環構造を形成してもよい。)
<4>
前記感光層が、電荷発生層と、電荷発生層上に設けられ、ポリカーボネート樹脂を含む電荷輸送層であって、少なくとも一方の端部のみに、前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む電荷輸送層と、を有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<5>
前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含有する端部において、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含み、前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料の含有量が、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料100質量部に対して、5質量部以上60質量部以下である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<6>
前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料が、下記一般式(CT2)で表される電荷輸送材料、及び下記一般式(CT3)で表される電荷輸送材料の少なくとも一方である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)
(一般式(CT3)中、RC31、RC32、及びRC33は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ホルミル基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリール基を表す。)
<7>
ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む端部が、前記感光層の端縁から45mm以下の範囲である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<8>
ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む端部が、前記感光層の端縁から25mm以下の範囲である<7>に記載の電子写真感光体。
<9>
<1>〜<8>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<10>
<1>〜<8>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<1>、<2>、又は<3>に係る発明によれば、ポリカーボネート樹脂を含む感光層において、感光層に含まれる電荷輸送材料として、電子写真感光体の軸方向の全幅の領域で、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミンのみ含む場合、又は、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン、及び式(1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料(例示化合物CT1−17)のみ含む場合に比べ、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<4>に係る発明によれば、電荷輸送層に含まれる電荷輸送材料として、電子写真感光体の軸方向の全幅の領域で、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミンのみ含む場合、又は、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン、及び式(1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料(例示化合物CT1−17)のみ含む場合に比べ、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<5>に係る発明によれば、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含有する端部において、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料の含有量が、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料100質量部に対して、5質量部未満、又は、60質量部を超える場合に比べ、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される電子写真感光体が提供される。
<6>に係る発明によれば、感光層に含まれる電荷輸送材料として、電子写真感光体の軸方向の全幅の領域で、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミンのみ含む場合、又は、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン、及び式(1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料(例示化合物CT1−17)のみ含む場合に比べ、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される電子写真感光体であって、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含有する端部において、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含有し、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料が、一般式(CT2)及び一般式(CT3)の少なくとも一方である電子写真感光体が提供される。
<7>又は<8>に係る発明によれば、感光層に含まれる電荷輸送材料として、電子写真感光体の軸方向の全幅の領域で、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミンのみ含む場合、又は、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン、及び式(1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料(例示化合物CT1−17)のみ含む場合に比べ、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制され、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む端部が、感光層の端縁から45mm以下の範囲、又は25mm以下の範囲である電子写真感光体が提供される。
<9>又は<10>に係る発明によれば、感光層に含まれる電荷輸送材料として、電子写真感光体の軸方向の全幅の領域で、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミンのみ含む場合、又は、構造式(CT2A)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン、及び式(1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料(例示化合物CT1−17)のみ含む電子写真感光体を備える場合に比べ、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
本実施形態の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に配置され、ポリカーボネート樹脂を含む感光層であって、少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む感光層と、を有する。
なお、本明細書中において、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料をターフェニル系電荷輸送材料と称する場合がある。また、少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含むとは、電子写真感光体の軸方向における少なくとも一方の端部のみにターフェニル系電荷輸送材料を含むことを表す。
従来、繰り返し画像を形成すると、電子写真感光体の軸方向において、感光層の少なくとも一方の端部には、偏摩耗が生じる場合がある。例えば、電子写真感光体の軸方向において、感光層の少なくとも一方の端部では、過剰な放電が生じることがある。そして、過剰な放電が生じた感光層の端部では、感光層の硬度が低下しているため、例えば、クリーニングブレードとの接触によって、感光層の表面が掻き取られ、摩耗が進行しやすくなる。そのため、感光層に発生した偏摩耗に起因して、得られた画像には、画像の濃度ムラが生じ易くなる。一方、偏摩耗を抑制しようとして、感光層の硬度を向上させると、例えば、感光層の電荷輸送能等が低下し、電荷が蓄積することにより、ゴーストが発生することがある。
これに対し、本実施形態に係る写真感光体では、感光層に、ポリカーボネート樹脂を含み、感光層の少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル系電荷輸送材料を含む。感光層の少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル系電荷輸送材料を含有させ、感光層に含有する結着樹脂であるポリカーボネート樹脂と組み合わせることで、ポリカーボネート樹脂の有するπ電子と、ターフェニル系電荷輸送材料の有するπ電子とによって、π−π相互作用が生じると考えられる。そのため、感光層におけるポリカーボネート樹脂とターフェニル系電荷輸送材料との充填性(パッキング性)が向上し、これら成分を含む端部では、ポリカーボネート樹脂とターフェニル系電荷輸送材料との積み重ね構造が形成され、より密な構造が形成されると考えられる。それによって、ターフェニル系電荷輸送材料を含む感光層の端部では、硬度が向上する。その結果、感光層の偏摩耗が抑えられることにより、濃度ムラの発生が抑制されると推測される。一方、ターフェニル系電荷輸送材料を含む感光層を感光層の全体にわたって形成した場合、硬度が向上することで、感光層の偏摩耗は抑制される。しかしながら、感光層の中央部にも、ターフェニル系電荷輸送材料を含んでいると、ターフェニル系電荷輸送材料は電荷輸送能が低く、電荷が捕獲(トラップ)されてしまうため、感光層の電荷輸送能が低下しやすい。また、端部よりも中央部の量を低減した場合であっても、同様の傾向がある。そのため、ターフェニル系電荷輸送材料を、端部にのみ存在させることで、感光層の画像部における電荷輸送能の低下が抑制される。そのため、ゴーストの発生が抑えられると推測される。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る電子写真感光体を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示す概略部分断面図である。
図1に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2、及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。電子写真感光体7Aでは、電荷発生層2の上に設けられた電荷輸送層3が、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂を含み、電荷輸送層3の少なくとも一方の端部のみにおいて、ターフェニル系電荷輸送材料を含んでいる。
なお、電子写真感光体7Aは、下引層1が設けられていない層構成であってもよい。また、電子写真感光体7Aは、必要に応じて、その他の層を設けてもよい。その他の層としては、例えば、電荷輸送層3の外周面に設けられる保護層等が挙げられる。本実施形態に係る電子写真感光体は、図1に示す構造に限定されず、感光層が単層型感光層であってもよい。この場合、電子写真感光体の軸方向において、単層型感光層の少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル系電荷輸送材料を含んでいてもよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の一例として、図1に示す感光体7Aの各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED、有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
本実施形態に係る電子写真感光体では、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂を含み、電子写真感光体の軸方向において、感光層の少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル系電荷輸送材料を含有する。
なお、電荷輸送層は、電荷輸送層の端部及び中央部(つまり、電荷輸送層の軸方向の全幅)にわたって、ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含有していることがよい。すなわち、電子写真感光体の軸方向において、感光層の少なくとも一方の端部では、ターフェニル系電荷輸送材料と、ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料とを含み、中央部は、ターフェニル系電荷輸送材料は含まず、ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含んでいることがよい。ここで、中央部とは、電子写真感光体の軸方向の全領域において、感光層の両端部以外の領域を表す。
ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料としては、例えば、下記の電荷輸送材料が挙げられる。具体的には、ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料としては、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、後述する一般式(CT2)及び一般式(CT3)の少なくとも一方を用いることが好ましい。
−ターフェニル系電荷輸送材料−
まず、ターフェニル系電荷輸送材料について説明する。ターフェニル系電荷輸送材料は、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料であり、ターフェニル構造を主骨格として有しているターフェニル化合物の電荷輸送材料である。ターフェニル構造は、o−ターフェニル、m−ターフェニル、及びp−ターフェニルのいずれでもよい。電荷輸送能の点で、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料としては、ジアミノターフェニル構造を持つ電荷輸送材料であることがよく、中央のベンゼン環に置換する2つのフェニル基が、それぞれアミノ基を有するジアミノターフェニル構造を持つ電荷輸送材料であることがよい。中でも、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料であることが好ましい。
(ただし、一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、及びRC14は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基どうしが結合して、炭化水素環構造を形成してもよい。)
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、及びRC14が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル 基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル 基、sec−ヘプチル 基、tert−ヘプチル 基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、及びRC14が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、及びRC14が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。例えば、炭素数1以上20以下のアルキル基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)で置換されていてもよい。また、炭素数6以上30以下のアリール基は、上記のハロゲン原子、上記のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アラリキル基(ベンジル基、フェニチル基等)などの基で置換されていてもよい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、及びRC14の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(CT1)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、及びRC14が置換又は無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、又は、置換又は無置換の炭素数6以上30以下のアリール基を表すことが好ましい。
以下に、ターフェニル系電荷輸送材料(CT1)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(CT1−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(CT1−15)」と以下表記する。
上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
「n−Bu」:n−ブチル基、
「t−Bu」:tert−ブチル基、
「Me」:メチル基
「Et」:エチル基
「MeO」:メトキシ基
「Ph」:フェニル基
「Np」:ナフチル基
なお、「Ph」の右隣の数値は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。また、数値が2つ記載されている場合は、ベンゼン環に対して2つの位置で置換していることを示している。例えば、「−Ph−4−Me」は、ベンゼン環の4位の位置にメチル基が置換されたフェニル基であることを表す。また、「−Ph−3,4−Me」は、ベンゼン環の3位及び4位の2つの位置にメチル基が置換されたフェニル基であることを表す。
−ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料−
ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料としては、特に限定されるものではない。濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、下記一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及び下記一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料の少なくとも一方であることが好ましい。
・ブタジエン系電荷輸送材料
以下、ブタジエン系電荷輸送材料について説明する。ブタジエン系電荷輸送材料は、下記一般式(CT2)で表される。
一般式(CT2)中、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT2)において、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26の隣接する二つの置換基同士(例えばRC21及びRC22同士、RC23及びRC24同士、RC25及びRC26同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(CT2)において、n及びmは、1であることが好ましい。
一般式(CT2)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、m及びnが1又は2を表することが好ましく、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26が水素原子を表し、m及びnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT2)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(CT2−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(CT2−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・−CH:メチル基
・−OCH:メトキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
・ベンジジン系電荷輸送材料
以下、ベンジジン系電荷輸送材料について説明する。ベンジジン系電荷輸送材料は、下記一般式(CT3)で表される。
一般式(CT3)中、RC31、RC32、及びRC33は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ホルミル基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリール基を表す。
一般式(CT3)において、RC31、RC32、及びRC33が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT3)において、RC31、RC32、及びRC33が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT3)において、RC31、RC32、及びRC33が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT3)において、RC31、RC32、及びRC33が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(CT3)において、RC31、RC32、及びRC33が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT3)において、特に、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC31、RC32、及びRC33が、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表すことが好ましく、RC31、及びRC33が水素原子を表し、RC32が炭素数1以上10以下のアルキル基(特に、メチル基)を表すことがより好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT3)は、下記構造式(CT3A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT3−2))であることが特に好ましい。
以下に、一般式(CT3)で表される電荷輸送材料の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(CT3−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(CT3−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・−CH:メチル基
・−C:エチル基
・−OCH:メトキシ基
・−OC:エトキシ基
電荷輸送層は、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、少なくとも一方の端部のみに、一般式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料を含み、一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及び一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料の少なくとも一方の電荷輸送材料を含むことが好ましい。一方、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、端部及び中央部の全領域では、一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、及び一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料の少なくとも一方の電荷輸送材料を含むことがよい。
電子写真感光体の軸方向に全領域において、電荷輸送層に含有するターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、30質量部以上60質量部以下が好ましく、35質量部以上50質量部以下がより好ましく、40質量部以上50質量部以下がさらに好ましい。なお、ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料が2種以上併用する場合、2種以上のターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料の合計含有量を表す。
また、電子写真感光体の軸方向の少なくとも一方の端部において、ターフェニル系電荷輸送材料の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、1質量部以上36質量部以下が好ましく、2質量部以上30質量部以下がより好ましく、3質量部以上30質量部以下がさらに好ましい。なお、ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料が2種以上併用する場合、2種以上のターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料の合計含有量を表す。
濃度ムラ及びゴーストの発生を抑制する点で、電子写真感光体の軸方向の少なくとも一方の端部において、ターフェニル系電荷輸送材料の含有量は、ターフェニル系電荷輸送材料を含有する端部に含まれるターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料100質量部に対して、5質量部以上60質量部以下であることがよい。また、同様の点で、5質量部以上40質量部以下であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料の含有量とは、ターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料の全量を表す。
−結着樹脂−
結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂を含む。ポリカーボネート樹脂(すなわち、カーボネート結合を有する高分子化合物)は、特に限定されない。ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ビフェニル骨格及びビスフェノール骨格の少なくとも一方を有する構造単位を含むポリカーボネート樹脂(以下「BPポリカーボネート樹脂」ともいう)が挙げられる。
すなわち、BPポリカーボネート樹脂としては、例えば、ビフェニル骨格を有する構造単位で構成された単独重合体、ビスフェノール骨格を有する構造単位で構成された単独重合体のほか、ビフェニル骨格を有する構造単位及びビスフェノール骨格を有する構造単位の少なくとも一種を含んで構成された共重合体が挙げられる。BPポリカーボネート樹脂は、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、ビスフェノール骨格を有する構造単位で構成された単独重合体が好ましい。
なお、ビスフェノール骨格としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールB骨格、ビスフェノールBP骨格、ビスフェノールC骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールZ骨格等が挙げられる。
BPポリカーボネート樹脂として具体的には、例えば、ジヒドロキシビフェニル化合物の単独重合体、ジヒドロキシビスフェノール化合物の単独重合体、及びこれらの共重合体が挙げられる。これらの重合体は、例えば、上記化合物を原料として用い、ホスゲン等の炭酸エステル形成性化合物との重縮合又はビスアリールカーボネートとのエステル交換反応等の方法によって得られる。
ジヒドロキシビフェニル化合物は、ビフェニル骨格を有し、ビフェニル骨格の2つのベンゼン環に、各々、一つのヒドロキシル基を有するビフェニル化合物である。ジヒドロキシビフェニル化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジシクロヘキシルビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルビフェニル等が挙げられる。
これらジヒドロキシビフェニル化合物は、1種単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。
ジヒドロキシビスフェノール化合物は、ビスフェノール骨格を有し、ビスフェノール骨格の2つのベンゼン環に、各々、一つのヒドロキシル基を有するビスフェノール化合物である。ジヒドロキシビスフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。
これらビスフェノール化合物は、1種単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。
これらの中でも、BPポリカーボネート樹脂は、電荷輸送層の耐摩耗性の点から、下記一般式(PCA)で示される構造単位及び下記一般式(PCB)で示される構造単位の少なくとも1つを含むポリカーボネート樹脂であることが好ましい。つまり、好ましいBPポリカーボネート樹脂として、下記一般式(PCA)で示される構造単位で構成された単独重合体、下記一般式(PCB)で示される構造単位で構成された単独重合体、及びこれらの共重合体が挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数5以上7以下のシクロアルキル基、又は、炭素数6以上12以下のアリール基を表す。XP1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアルキル基としては、炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルが挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、及びRP4が表すアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等が挙げられる。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すアルキレン基としては、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数1以上6以下、より好ましくは炭素数1以上3以下)の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられる。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基、イソウンデシレン基、sec−ウンデシレン基、tert−ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、イソドデシレン基、sec−ドデシレン基、tert−ドデシレン基、ネオドデシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PCA)及び(PCB)中、XP1が表すシクロアルキレン基としては、炭素数3以上12以下(好ましくは炭素数3以上10以下、より好ましくは炭素数5以上8以下)のシクロアルキレン基が挙げられる。
シクロアルキレン基として具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。
これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
なお、一般式(PCA)及び(PCB)中、RP1、RP2、RP3、RP4、及びXP1が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルキル基(例えば炭素数1以上6以下のアルキル基)、シクロアルキル基(例えば炭素数5以上7以下のシクロアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上4以下のアルコキシ基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等)等が挙げられる。
一般式(PCA)において、RP1、及びRP2は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、RP1、及びRP2は、水素原子を表すことがより好ましい。
一般式(PCB)において、RP3、及びRP4は、各々独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、XP1がアルキレン基、又はシクロアルキレン基を表すことが好ましい。
一般式(PCA)及び一般式(PCB)の具体例としては、例えば以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
BPポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量としては、例えば20,000以上80,000以下が好ましい。
なお、BPポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の測定方法としては、次の方法により測定される値である。樹脂1gをメチレンクロライド100cmに均一溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計により、その比粘度ηspを測定し、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕cの関係式(ただしcは濃度(g/cm))より極限粘度〔η〕(cm/g)をもとめ、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10−4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
ここで、BPポリカーボネート樹脂の含有量は、例えば、電荷輸送層全体対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、50質量%以上90質量%以下が更に好ましい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、BPポリカーボネート樹脂以外の樹脂を含有していてもよい。例えば、BPポリカーボネート樹脂以外の結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、結着樹脂としては、BPポリカーボネート樹脂単独で用いることがよい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
−電荷輸送層の形成−
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
これらの塗布方法によって、ターフェニル系電荷輸送材料を、少なくとも一方の端部のみに含む電荷輸送層を形成させてもよい。上記の塗布方法以外にも、例えば、電荷発生層上の少なくとも一方の端部のみに、ポリカーボネート樹脂、及びターフェニル系電荷輸送材料を含む電荷輸送層形成用塗布液を、インクジェット塗布方法で塗布する方法あってもよい。例えば、電荷発生層上の少なくとも一方の端部に、ポリカーボネート樹脂、及びターフェニル系電荷輸送材料を含む端部用の電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上の中央部に、ポリカーボネート、及びターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含む中央部用の電荷輸送層形成用塗布液を、それぞれインクジェット方式により塗布する工程を有する方法であってもよい。
中でも、軸方向全体にわたって均一に近い電荷輸送層を得る観点から、導電性基体上に形成された電荷発生層上に、ポリカーボネート樹脂及びターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含む第1の電荷輸送層形成用塗布液を、浸漬塗布法により塗布して、第1の電荷輸送層を形成する工程と、電子写真感光体の軸方向において、前記第1の電荷輸送層上の少なくとも一方の端部のみに、ポリカーボネート樹脂、及びターフェニル系電荷輸送材料を含む第2の電荷輸送層形成用塗布液を、インクジェット方式により塗布して、第2の電荷輸送層を形成する工程と、を有していることがよい。第2の電荷輸送層を得る工程は、電子写真感光体の軸方向において、前記第1の電荷輸送層の少なくとも一方の端部のみに、ポリカーボネート樹脂、及びターフェニル系電荷輸送材料を含む端部用の第2の電荷輸送層形成用塗布液、前記第1の電荷輸送層の中央部に、ポリカーボネート樹脂、及びターフェニル系電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含む中央部用の第2の電荷輸送層形成用塗布液を、それぞれインクジェット方式により塗布して、第2の電荷輸送層を形成する工程であってもよい。
ここで、浸漬塗布法で電荷輸送層を形成する場合、電子写真感光体の軸方向における感光層の端部では、中央部よりも膜厚が薄くなる場合がある。このような場合には、電荷輸送層の少なくとも一方の端部と中央部とで、膜厚にムラが生じてしまう。電荷輸送層に膜厚ムラが生じると、電子写真感光体が帯電部材と接触したときに、電荷輸送層の膜厚の薄い側の端部で、放電が過剰に発生する。放電が過剰に発生した端部では硬度が低下するため、例えば、クリーニングブレードが接触して、電荷輸送層が掻き取られることで、偏摩耗が促進される。その結果、濃度ムラが生じやすくなる。上記の浸漬塗布法で形成する第1の電荷輸送層を得る工程においても、端部では、中央部よりも膜厚が薄くなる場合がある。
電子写真感光体の軸方向において、第1の電荷輸送層上の少なくとも一方の端部のみに、ポリカーボネート樹脂、及びターフェニル系電荷輸送材料を含む第2の電荷輸送層形成用塗布液を塗布することで、第1の電荷輸送層上の少なくとも一方の端部に硬度が上昇した電荷輸送層が形成される。そのため、偏摩耗に起因する濃度ムラが抑制されると考えられる。一方、第2の電荷輸送層の中央部にもターフェニル系電荷輸送材料を含ませた電荷輸送層を形成すると、電荷輸送能の低下により、ゴーストが発生し易くなる。そのため、第2の電荷輸送層の少なくとも一方の端部のみにターフェニル系電荷輸送材料を含ませることで、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制されると考えられる。
なお、濃度ムラ及びゴーストの発生が抑制される点で、浸漬塗布法で塗布する第1の電荷輸送層形成用塗布液には、ポリカーボネート樹脂と、一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料および一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料の少なくとも一方の電荷輸送材料と、を含むことが好ましい。また、インクジェット塗布法で、端部のみに塗布する端部用の第2の電荷輸送層形成用塗布液には、ポリカーボネート樹脂と、一般式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料と、一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料および一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料の少なくとも一方の電荷輸送材料と、を含むことが好ましい。さらに、インクジェット塗布法で、中央部に塗布する中央部用の電荷輸送層形成用塗布液には、ポリカーボネート樹脂と、一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料および一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料の少なくとも一方の電荷輸送材料と、を含むことが好ましい。
ここで、本実施形態において、ターフェニル系電荷輸送材料を含む感光層の端部は、感光層の端縁から、40mm以下の範囲であることがよい。また、ターフェニル系電荷輸送材料を含む感光層の端部は、感光層の端縁から、25mm以下の範囲であってもよい。
なお、感光層の少なくとも一方の端部のみに含有するターフェニル系電荷輸送材料の確認方法としては、例えば、測定対象となる電子写真感光体における感光層の端部から測定用試料を採取し、赤外吸収スペクトル分析によって確認する方法が挙げられる。
なお、本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に配置され、ポリカーボネート樹脂を含む感光層であって、少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル系電荷輸送材料を含み、ターフェニル系電荷輸送材料を含む端部の硬さAと、中央部の硬さBとの関係が、A>Bの関係を満足する感光層と、を有していてもよい。少なくとも一方の端部の硬さAと、中央部の硬さBとの関係は、A≧B×1.1の関係を満足することが好ましい。
なお、硬さは、例えば、マルテンス硬さが挙げられる。マルテンス硬さは、測定対象となる感光層を有する感光体を、温度23℃、30%RHの環境下において、フィッシャー・インストルメンツ社製の測定装置(PICODENTOR HM500)にセットする。そして、感光体表面(感光層)の中央部及び端部に対して、ビッカース圧子を用いて連続的に荷重を増加させ、0.5μm押し込んだときに測定されるマルテンス硬度について求める。マルテンス硬度は、試験荷重を圧子の表面積で除して求める。なお、端部における測定位置は、両端から25mmまでの位置とする。中央部及び端部のそれぞれの測定位置におけるマルテンス硬さは、それぞれの測定位置における周方向の5箇所の平均値とする。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(フェニルビニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(フェニルビニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、特に限定のないかぎり「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
<実施例1>
[下引層の形成]
酸化亜鉛粒子(テイカ株式会社製、体積平均一次粒径:85mm、比表面積:12m/g)55質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(表面処理剤)として、KBM603(信越化学工業製、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を酸化亜鉛粒子100質量部に対し0.80質量部添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて除去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を得た。
前記シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子100質量部と、電子受容性化合物としてアントラキノン1質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)22.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業製)25質量部とを、メチルエチルケトン142質量部と混合した混合液を得た。この混合液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて5時間の分散(すなわち分散時間を5時間とする分散)を行い、分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.008質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)6.5質量部とを添加し、下引層形成用の塗布液を得た。
この塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基材上に塗布し、硬化温度:183℃、硬化時間:24分、風速:1.1m/sの条件で乾燥硬化を行い、厚さ25μmの下引層を得た。
[電荷発生層の形成]
次に、電荷発生材料として、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2゜)が少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜、及び28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶15質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部、及びn−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を前記下引層上に浸漬塗布し、150℃、5分で乾燥して、厚みが0.2μmの電荷発生層を得た。
[電荷輸送層の形成]
(電荷輸送層形成用塗布液1の調製)
前記構造式(CT2A)で示されるブタジエン系電荷輸送材料12.9質量部と、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(前記構造式(CT3A)で示される電荷輸送材料)30.1質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(前記PCB−1で示される構造単位で構成された単独重合体、粘度平均分子量:5万)100質量部と、をテトラヒドロフラン340質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液1を得た。
(電荷輸送層形成用塗布液2の調製)
一般式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料(前述の例示化合物CT1−17で示される電荷輸送材料)4.3質量部と、前記構造式(CT2A)で示されるブタジエン系電荷輸送材料12.9質量部と、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(前記構造式(CT3A)で示される電荷輸送材料)25.8質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(前記PCB−1で示される構造単位で構成された単独重合体、粘度平均分子量:5万)100質量部と、をテトラヒドロフラン340質量部に加えて溶解し、端部塗布用の塗布液である、電荷輸送層形成用塗布液2を得た。
次に、得られた電荷輸送層形成用塗布液1を、下記方法により電荷発生層上に浸漬塗布し、膜厚が40μmである浸漬塗装膜である第1の電荷輸送層を形成した。
前述の手順で得られた下引層及び電荷発生層が形成されたアルミニウム基材の軸方向の一端を、アルミニウム基材の密閉されていない他端を下側に向けて、電荷輸送層形成用塗布液1中に、アルミニウム基材の他端(下端)側から浸漬させた。次いで、アルミニウム基材を電荷輸送層形成用塗布液1から引き上げた。指触乾燥させた後、指触乾燥膜が形成されたアルミニウム基材を乾燥炉に入れ、150℃で40分の加熱乾燥を行い、第1の電荷輸送層を得た。
次に、電子写真感光体の軸方向において、第1の電荷輸送層の両端部に塗布されるように、電荷輸送層形成用塗布液2を、インクジェット成膜装置の予め定められた位置に充填した。また、第1の電荷輸送層の中央部に塗布されるように、電荷輸送層形成用塗布液1を、インクジェット成膜装置の予め定められた位置に充填した。そして、第1の電荷輸送層上に、第1の電荷輸送層の端縁から19mmまでの範囲の両端部に、電荷輸送層形成用塗布液2を、その間の中央部に、電荷輸送層形成用塗布液1を、それぞれ、導電性基体上に形成された電荷発生層上の第1の電荷輸送層に向けて噴射して、塗膜を形成した。その後、140℃、30分の乾燥を行い、厚さ5μmの第2の電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光体を得た。
<実施例2〜6、比較例3>
電荷輸送材料の量、ターフェニル系電荷輸送材料を塗布する範囲(塗布幅)を変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ、実施例2〜実施例6、及び比較例3の感光体を得た。
<比較例1>
電荷輸送層形成用塗布液1を用いて、第1の電荷輸送層の中央部と両端部の両方に塗布した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を得た。
<比較例2>
電荷輸送層形成用塗布液2を用いて、第1の電荷輸送層の中央部と両端部の両方に塗布した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体を得た。
<感光体の評価>
各実施例及び比較例で得られた感光体について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(画像の濃度ムラの評価)
各例で得られた電子写真感光体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuCentre f1100)に搭載し、A3サイズの用紙に、画像濃度70%の全面ハーフトーン画像(シアン色の全面ハーフトーン画像)を1000枚出力した。なお、画像出力は全て10℃、15%RHの環境下で実施した。
1000枚目における全面ハーフトーン画像について、電子写真感光体の中央部と、電子写真感光体の軸方向の両端(つまり、一端及び他端の平均値)に対応する領域それぞれ5箇所ずつについて、画像濃度計(X−Rite938:X−Rite社製)を用いて画像濃度を測定して平均し、その画像濃度差(すなわち、「中央部の平均画像濃度」−「一端及び他端の平均画像濃度」の絶対値)を求め、以下の評価基準で判定した。なお、G2までが許容される範囲である。
−評価基準−
G0:0 ≦ 画像濃度差 ≦ 0.05
G1:0.05 < 画像濃度差 ≦ 0.1
G2:0.1 < 画像濃度差 ≦ 0.2
G3:0.2 < 画像濃度差 ≦ 0.25
G4:0.25 < 画像濃度差
(偏摩耗の評価)
各例で得られた電子写真感光体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuCentre f1100)に搭載し、A3サイズの用紙に、2cm×2cmのハーフトーン画像(画像密度70%)を1枚につき2箇所、1000000枚形成した。
そして、電子写真感光体の軸方向の両端(つまり、一端及び他端)について、上記画像形成を行う前における電荷輸送層の膜厚と上記画像形成を行った後における電荷輸送層の膜厚とを測定してその差から摩耗量を求め、中央部における摩耗量と、一端及び他端における摩耗量との差(すなわち、「中央部の摩耗量(μm)−「一端及び他端の摩耗量(μm)の平均」の絶対値)を算出して「偏摩耗量(μm)」とした。なお、画像形成は全て10℃、15%RHの環境下で実施した。
(ゴーストの評価)
各例で得られた電子写真感光体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuCentre f1100)に搭載し、A3サイズの用紙に、Gの文字と黒領域(黒べた部分)を有するパターンのチャートの画像を1枚出力した後、画像濃度20%の全面ハーフトーン画像(Cyan色の全面ハーフトーン画像)を1枚出力した。
そして、出力した全面ハーフトーン画像を観察し、目視による官能評価(グレード判定)を実施した。グレード判定はG0〜G4まで1G刻みで行い、Gの数字が小さい程、結果が良好であることを示す。ゴーストの許容グレードはG3以下である。
なお、画像出力は全て10℃、15%RHの環境下で実施した。
表1中、CT1は、一般式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料、CT2は、一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料、CT3は、一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料を表す。また、表1中、「(CT2+CT3)に対する量」欄は、一般式(CT2)で表されるブタジエン系電荷輸送材料と、一般式(CT3)で表されるベンジジン系電荷輸送材料との合計量100質量部に対する一般式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料の質量部を表す。
上記結果から、本実施例の電子写真感光体は、比較例の電子写真感光体に比べ、濃度ムラとゴーストの発生が抑制されていることが分かる。なお、電荷輸送層の端部の硬さは、電荷輸送層の中央部の硬さよりも硬いと考えられる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基体、7 電子写真感光体、7A 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (10)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に配置され、ポリカーボネート樹脂を含む感光層であって、少なくとも一方の端部のみに、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む感光層と、
    を有する電子写真感光体。
  2. 前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料が、ジアミノターフェニル構造を持つ電荷輸送材料である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料が、下記一般式(CT1)で表されるターフェニル系電荷輸送材料である請求項2に記載の電子写真感光体。

    (ただし、一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、及びRC14は、各々独立に、水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基どうしが結合して、炭化水素環構造を形成してもよい。)
  4. 前記感光層が、電荷発生層と、電荷発生層上に設けられ、ポリカーボネート樹脂を含む電荷輸送層であって、少なくとも一方の端部のみに、前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む電荷輸送層と、を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含有する端部において、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料を含み、前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料の含有量が、ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料100質量部に対して、5質量部以上60質量部以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料以外の電荷輸送材料が、下記一般式(CT2)で表される電荷輸送材料、及び下記一般式(CT3)で表される電荷輸送材料の少なくとも一方である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

    (一般式(CT2)中、RC21、RC22、RC23、RC24、RC25、及びRC26は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)

    (一般式(CT3)中、RC31、RC32、及びRC33は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ホルミル基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリール基を表す。)
  7. ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む端部が、前記感光層の端縁から45mm以下の範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. ターフェニル構造を持つ電荷輸送材料を含む端部が、前記感光層の端縁から25mm以下の範囲である請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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