JP2017213856A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像に含まれる液体成分を多孔質体で吸収して画像定着を促進する際に、多孔質体への色材の付着を抑制しつつ高い吸収量が得られることにより、高画質な画像形成を可能とする画像形成技術を提供すること。【解決手段】被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成ユニットと、第一の画像と接触する第一の面を有し、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する被記録体の第一の画像を加圧する複数の圧力印加部とを備えるインクジェット記録装置において、、複数の圧力印加部は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加部と、第一の圧力印加部により処理された第一の画像を第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する第二の圧力印加部を含む構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式では、色材を含む液体組成物(インク)を紙等の記録媒体上に直接的または間接的に付与することで画像を形成している。このとき、記録媒体がインク中の液体成分を過剰に吸収することによるカールやコックリングが生じることがある。
そこで、インク中の液体成分を速やかに除去するため、記録媒体を温風や赤外線等の手段を用いて乾燥する方法や転写体上で画像を形成し、その後転写体上の画像に含まれる液体成分を熱エネルギー等により乾燥した後、紙等の記録媒体に画像を転写する方法がある。
さらに、転写体上の画像に含まれる液体成分を除去する手段として、熱エネルギーを用いずにローラ状の多孔質体をインク画像(インク像)と接触させてインク画像から液体成分を吸収して除去する方法が提案されている(特許文献1)。
また、ベルト状の高分子吸収体をインク画像と接触させてインク画像から液体成分を吸収して除去する方法が提案されている(特許文献2)。
複数の多孔体ローラを同じ圧力で中間転写体上の画像に押圧しながら、各多孔体ローラの孔径または開口率を変化させる手法が提案されている(特許文献3)。本文献には、孔径が小さいほど毛管圧は高くなり、二回目以降に接触する多孔質体の孔径を小さくすることで吸収量が向上すると記載されている。
上記文献に開示されるようにローラ状やベルト状の液吸収部材を画像からの液体成分の吸収除去に利用する場合では、液吸収部材と被記録体とが接触するニップを形成し、このニップ部に画像を通過させて、液吸収処理を行っている。
特開2009−045851号公報 特開2001−179959号公報 特開2009−000915号公報
液吸収部材の有する多孔質体により画像に含まれる液体成分を吸収する画像処理では、液体成分の多孔質体による吸収に、多孔質体の毛管圧が重要な役割を有している。画像形成条件によっては画像の液体成分の含有量が多く、画像定着の初期段階で液体成分の含有量が多い状態においては、特許文献2のような高分子吸収体では十分な液体成分の吸収効果を得ることができない場合がある。
また、特許文献1及び特許文献3に記載される多孔質体を用いた場合においても、画像定着の初期段階で液体成分の含有量が多い状態においては、多孔質体の毛管圧単独で画像中の液体成分の効率良い吸収を行うことができない場合がある。特に、ブリーディング及びビーディングを抑制するためにインクに反応液を作用させて色材を含む凝集物を画像中に形成する記録方法では、画像自体が構造的に毛管力を持ち、多孔質体の単純な毛管圧だけでは十分な吸収量が得られない場合が生じ易くなる。
上述のような場合には、多孔質体の画像への押し圧力を毛管圧と併用することが有効である。この場合、画像中の液体成分を多孔質体が吸収する量である液体成分吸収量を高めるため、多孔質体を画像へ押し当てる加圧力を高め、画像から押し出した液体成分を多孔質体で効率良く吸収する必要がある。
しかしながら、画像定着の初期段階で液体成分の含有量が多い状態では、画像には被記録体側に十分な固着状態で保持されていない色材成分が含まれており、多孔質体を高圧で画像に押圧すると色材成分が多孔質体に付着する場合がある。また、高い圧力によって画像変形が生じたり、潰れた状態になると、画像中の色材と多孔質体の接触機会が増え、これにより色材が付着し易くなる場合がある。
従って、多孔質体で画像に含まれる液体成分の吸収に加圧力を併用する場合においては、色材の付着を抑制しつつ、効率良い液体成分の吸収を行うという技術課題があるが、上記文献にはかかる技術課題についての開示や示唆は見当たらない。
本発明はこのような背景技術を鑑みてなされたものであり、画像に含まれる液体成分を多孔質体で吸収して画像定着を促進する際に、多孔質体への色材の付着を抑制しつつ高い吸収量が得られることにより、高画質な画像形成を可能とする画像形成技術を提供することを目的とする。
本発明によれば、液体成分を多孔質体で吸収して画像定着を促進する際に、多孔質体への色材の付着を抑制しつつ高い吸収量が得られることにより、高画質な画像形成を可能とするインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法が提供される。
本発明の一形態によれば、
被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成ユニットと、
前記第一の画像と接触する第一の面を有し、前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記第一の画像を加圧する複数の圧力印加部と、
を有するインクジェット記録装置であって、
前記複数の圧力印加部は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加部と、該第一の圧力印加部により処理された第一の画像を前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する第二の圧力印加部とを含む、
ことを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、
被記録体上に水性液体成分と色材とを含むインク像を形成する画像形成ユニットと、
前記インク像と接触する第一の面を有し、前記インク像から前記水性液体成分の少なくとも一部を吸収することによって、前記インク像を構成するインクを濃縮する多孔質体を有する液吸収部材と、
前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記インク像を加圧する複数の圧力印加部と、
を備えるインクジェット記録装置であって、
前記複数の圧力印加部は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加部と、該第一の圧力印加部により処理されたインク像を前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する第二の圧力印加部とを含む、
ことを特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、
被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成工程と、
液吸収部材の有する多孔質体の第一の面を、前記第一の画像に接触させて、前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を該多孔質体により吸収する液吸収工程と、
を有するインクジェット記録方法であって、
前記液吸収工程は、前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記第一の画像を加圧する複数の圧力印加工程を有し、
前記複数の圧力印加工程は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加工程と、該第一の圧力印加工程の後に、前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する圧力印加工程とを含む、
ことを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、
被記録体上に水性液体成分と色材とを含むインク像を形成する画像形成工程と、
液吸収部材の有する多孔質体の第一の面を、前記インク像に接触させて、前記インク像から前記水性液体成分の少なくとも一部を該多孔質体により吸収することによって、前記インク像を構成するインクを濃縮する液吸収工程と、を有するインクジェット記録方法であって、
前記液吸収工程は、前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記インク像を加圧する複数の圧力印加工程を有し、
前記複数の圧力印加工程は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加工程と、該第一の圧力印加工程の後に、前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する圧力印加工程とを含む、
ことを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明においては、液体成分を含む画像からの液吸収部材による液吸収工程に、圧力P1で液吸収部材の多孔質体を画像に押し付ける加圧工程(P1)と、圧力P2で液吸収部材の多孔質体を画像に押し付ける加圧工程(P2)とを含む多段式加圧工程が含まれる。多段式加圧工程は、圧力P1<P2の条件で加圧工程(P1)を加圧工程(P2)に先立って行う。
この多段式加圧工程を液吸収工程に導入したことにより、加圧工程(P1)における圧力を単式加圧工程に比べて相対的に下げることにより、画像から多孔質体への色材の付着を抑制しつつ、効果的な量の多孔質体の液体成分の吸収が可能となる。更に、加圧工程(P2)においては、加圧工程(P1)による画像の定着が進行し、色材が付着し難い状態で相対的に圧力を上げた加圧を行うことにより、画像に残存する液体成分の効果的な多孔質体への吸収が可能となる。このように、本発明においては、画像の液体成分の除去時の多孔質体への色材の付着を抑制しつつ、高い吸収量とすることで、高画質な画像形成を可能とするインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することが可能となる。
本発明における転写型インクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明における転写型インクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明における直接描画型インクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。 図1〜3に示すインクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図である。 図1、2に示す転写型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。 図3に示す直接描画型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。 本発明における転写型インクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。
本発明者らの検討によると、特許文献1に開示される金属多孔質体(アルミナ粒子を焼結した材質)からなる吸収材は親水性であり、水性インクの濡れ性が高く、液吸収処理時の条件によって吸収材へ色材が付着し易くなる場合があった。それに対し、特許文献2では、インクに含まれる色材に対して親和性が低い部材を多孔質体表面に有しているため、多孔質体への色材の付着は抑制できる。しかしながら、親和性が低い部材では毛管圧が小さい場合が多く、十分に液体成分を吸収するためには、多孔質体を高い圧力で画像に接触させる必要がある。しかしながら、高い圧力で多孔体が画像に接触すると、先に記載した理由から、多孔質体へ色材が付着する場合があった。
更に、特許文献3に記載されている多段の多孔体ローラを用いる場合においても、液吸収処理時の条件によっては吸収材へ色材が付着し易くなる場合があった。
本発明者は、多孔質体への画像からの色材の付着を抑制しつつ、効果的な液吸収処理を行うという技術課題を達成するための手段について検討した。その結果、液体成分を含む画像定着の進行状態、特に、画像の液体成分の含有量と、多孔質体の加圧力との関係を利用して異なる加圧力を用いる多段式加圧工程により、かかる技術課題を達成し得ることを新たに見出した。本発明はかかる本発明者による新たな知見に基づいて成されたものである。
以下、本発明にかかるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置の実施形態について説明する。
本発明にかかるインクジェット記録方法は、被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成工程と、液吸収部材の有する多孔質体の第一の面を、第一の画像に接触させて、第一の画像から第一の液体を含む液体成分の少なくとも一部を該多孔質体により吸収する液吸収工程と、を有する。
第一の画像は、第一の液体を含む液体成分と色材とを含むインク像から構成された、液吸収処理対象としての被処理画像である。すなわち、第一の画像とは、液吸収処理に供される前の液除去前インク像のことである。液吸収工程においては、液吸収部材の有する多孔質体の第一の画像との接触面、すなわち第一の面と、この多孔質体の第一の面と対向して配置される被記録体の第一の画像形成用の面とによってニップ部が形成される。このニップ部に第一の画像を、多孔質体の第一の面と接触するように通過させて第一の画像からの液体成分の少なくとも一部を多孔質体側へ除去することで、液体成分が低減された第二の画像を得ることができる。第二の画像とは、液吸収処理を行って第一の液体(水性液体成分)の含有量が低減された液除去後インク像のことである
ニップ部での第一の画像からの液体成分の吸収は、液吸収部材の多孔質体を被記録体に対して押圧するための圧力印加により、更に効果的になる。この圧力印加は、被記録体側及び/または液吸収部材側からの加圧により行うことができる。このニップ部への加圧には、公知の加圧手段を用いることができる。加圧可能に設けたニップ部により、圧力印加部を構成することができる。
本発明では、液吸収工程は、液吸収部材の多孔質体を、少なくとも2回圧力をかけて第一の画像に接触させる多段式の圧力印加工程を含む。この多段式の圧力印加工程は、同一の第一の画像に対する以下の工程の組合せを含むことができる。
(A)加圧力(第一の圧力:P1)でのニップ部を形成する圧力印加部(P1)での第一の圧力印加工程(P1)。
(B)圧力印加工程(P1)の後に行われ、加圧力(第二の圧力:P2)でのニップ部を形成する第二の圧力印加部(P2)での圧力印加工程(P2)をP1<P2の条件で行う圧力印加工程。
この異なる加圧力により行われる圧力印加工程の組合せの少なくとも1つを、多段式の圧力印加工程中に導入するこができる。
例えば、2つの圧力印加工程を用いる場合には、この2つの圧力印加工程を、上述した圧力印加工程(P1)及び圧力印加工程(P2)とする。一方、3つの圧力印加工程(A)〜(C)を用いる場合には、以下のような加圧力の組合せを用いることができる。
Figure 2017213856
組合せ1において、P1−1またはP1−2<P2であり、組合せ2においてP1<P2−1またはP2−2である。なお、P1−1とP1−2の関係、並びにP2−1とP2−2の関係は目的に応じて適宜設定できるが、P1−1<P1−2、並びにP2−1<P2−2となるように設定することが好ましい。4段以上の圧力印加工程を用いる場合にも、各段を圧力印加工程(P1)または圧力印加工程(P2)に振り分けて、P1<P2での圧力印加工程の組合せの少なくとも1つが液吸収工程に含まれるように設定することができる。
各圧力印加工程ではそれぞれ独立して、液吸収部材の構成要素である多孔質体の種類や液吸収性能を選択することができる。例えば、この複数の圧力印加工程において使用する液吸収部材は、1つ以上の異なる液吸収部材の組合せを含むことができる。更に、各圧力印加工程において用いる多孔質体として同一の多孔質体を用いることができ、あるいは各圧力印加工程において異なる多孔質体を用いることもできる。更に、各圧力印加工程において同一の多孔質体を用いる場合には、各圧力印加工程において共通の液吸収部材を用いることもできる。
各圧力印加工程において異なる多孔質体を用いる場合には、圧力印加工程(P1)における多孔質体の平均孔径よりも、圧力印加工程(P2)における多孔質体の平均孔径が大きいことが好ましい。更に、圧力印加工程(P1)における多孔質体の平均孔径は0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることが更に好ましい。圧力印加工程(P2)における多孔質体の平均孔径は0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
また、圧力印加工程(P1)における多孔質体のガーレ値G1よりも、圧力印加工程(P2)における多孔質体のガーレ値G2が大きいことが好ましい。
P1及びP2は、本発明において目的とする色材の付着の防止と液吸収効果が得られるように設定すればよく、特に限定されない。装置構成や汎用的な第一の画像の湿潤状態などを考慮した場合、圧力P1は、16.61N/cm以下(2.0kgf/cm以下)の圧力から選択して用いることが好ましい。また、同様に、圧力P2は、画像の乾燥物における降伏応力値よりも低いことが好ましい。降伏応力値は公知のレオメーターで測定することができる。
なお、P1とP2の差(P2>P1)は、16.61〜98.07N/cm(2〜10kgf/cm)の範囲内に設定することが好ましい。
上記の如く、各圧力印加工程において圧力印加工程(P2)が圧力印加工程(P1)におけるP1<P2を満たすP1とP2の設定条件としては、圧力印加工程の押圧部材がローラ形状であればそのローラ径、弾性および荷重の条件によりP1<P2になるように設定することができる。特に圧力印加工程(P1)の押圧部材であるローラ径R1と圧力印加工程(P2)の押圧部材であるローラ径R2がR1>R2であるとき、吸収量が多くなる。
本発明にかかるインクジェット記録方法に適用し得るインクジェット記録装置は、少なくとも被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成ユニットと、第一の画像と接触する第一の面を有し、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、を有する。
液吸収部材による第一の画像からの液体成分の除去は、先に述べた通り、被記録体、液吸収部材の有する多孔質体及び加圧装置から形成される加圧印加部において行われる。加圧されたニップ部に被記録体上の第一の画像を通過させることによって第一の画像からの液体成分の吸収を行うことできる。このニップ部は、液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面と第一の面に対向する被記録体の第一の画像が形成された面とを接触させてニップ部を形成するニップ部形成ユニットによって形成することができる。
画像形成ユニットとしては、被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成できるものであれば、特に限定されるものではない。好ましくは、
1)第一の液体または第二の液体を含む第一の液体組成物を被記録体上に付与する第一の付与工程のための第一の付与装置と、
2)第一の液体または第二の液体と、色材とを含む第二の液体組成物を被記録体上に付与する第二の付与工程のための第二の付与装置と、を有する。
第一の液体組成物及び第二の液体組成物の少なくとも一方には第一の液体が含まれる。
液吸収処理対象としての第一の画像は、第一の液体組成物と第二の液体組成物を、これらが少なくとも重複する領域を有するように被記録体に付与することによって形成される。第一の液体組成物により被記録体上に第二の液体組成物とともに付与された色材の定着性が向上する。この色材の定着性の向上は、被記録体に付与された第二の液体組成物が流動性を有している初期状態から、第一の液体組成物の作用によって第二の液体組成物自体のあるいは第二の液体組成物中の色材の流動性が低下して、初期状態と比較して流動し難い固定化された状態となることを言う。そのメカニズムについては後述する。
第一の画像は第一の液体組成物及び第二の液体組成物の混合物を含む。第二の液体組成物は、液媒体及び色材を含有するインクであり、第二の液体組成物を被記録体上に付与する装置は、インクジェット記録デバイスである。また、第一の液体組成物は、第二の液体組成物と化学的または物理的に作用して、第一の液体組成物及び第二の液体組成物の混合物を第一の液体組成物及び第二の液体組成物のそれぞれより粘稠して色材の定着性を向上させる成分を含むことができる。第一の液体組成物は、水性液媒体を含むことができる。水性液媒体は、少なくとも水を含み、必要に応じて水溶性有機溶媒や各種の添加剤を含む。
第一の液体組成物及び第二の液体組成物の少なくとも一方には、水を第一の液体とした場合に、それ以外の第二の液体を含むことができる。第二の液体の揮発性の高低は問わないが、第一の液体よりも揮発性の高い液体であることが好ましい。
第一の液体としては、その少なくとも一部が第一の画像に含まれることによって、画像の定着速度の減少やビーディング等を生じる主因となるものが選択される。第二の液体組成物として水性顔料インクを用いた場合や、第一の液体組成物として水性液媒体を含有する反応液を用いた場合には、水を第一の液体として選択することが好ましい。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態において、第一の液体組成物として反応液、第一の液体組成物を被記録体上に付与する液体付与部として反応液付与装置を用いる。第二の液体組成物としてインク、第二の液体組成物を被記録体上に付与する液体付与部としてインク付与装置を用いる。
<反応液付与装置>
反応液付与装置は、反応液を被記録体上に付与できるいかなる装置であってもよく、従来から知られている各種装置を適宜用いることができる。具体的には、グラビアオフセットローラ、インクジェットヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。反応液付与装置による反応液の付与は、被記録体上でインクと混合(反応)することができれば、インクの付与前に行っても、インクの付与後に行ってもよい。好ましくは、インクの付与前に反応液を付与する。反応液をインクの付与前に付与することによって、インクジェット方式による画像記録時に、隣接して付与されたインク同士が混ざり合うブリーディングや、先に着弾したインクが後に着弾したインクに引き寄せられてしまうビーディングを抑制することもできる。
<反応液>
反応液は、インクを高粘度化する成分(インク高粘度化成分)を含有する。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している成分である色材や樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク粘度の上昇が認められることである。
このインクの高粘度化には、インク粘度の上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂などのインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇を生じる場合も含まれる。
インクを構成する成分の一部を凝集する方法として、水性インク中の顔料の分散安定性を低下させる反応液を用いることができる。
このインク高粘度化成分は、被記録体上でのインク及び/又はインクを構成している成分の一部の流動性を低下せしめて、第一の画像形成時のブリーディングやビーディングを抑制する効果がある。インクを高粘度化することを“インクを粘稠する”とも称する。このようなインク高粘度化成分として、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子などの公知のものを用いることができる。中でも、特に多価の金属イオン及び有機酸が好適である。また、複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。尚、反応液中のインク高粘度化成分の含有量は、反応液の全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。
多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+及びAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。
また、有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
反応液は第一の液体として水、水と水溶性有機溶媒の混合物、及び/または低揮発性の有機溶剤を適量含有することができる。この場合に用いる水はイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また本発明に適用される反応液に用いることのできる有機溶剤としては特に限定されず、公知の有機溶剤を用いることができる。
また、反応液は界面活性剤や粘度調整剤を加えてその表面張力や粘度を適宜調整して用いることができる。用いられる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。具体的に用いられる界面活性剤としては、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(製品名:アセチレノールE100、川研ファインケミカル株式会社製)、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(製品名:メガファックF444、DIC株式会社製)等が挙げられる。
<インク付与装置>
インクジェット記録部を構成する、インクを付与するインク付与装置として、インクジェット法によって液体の吐出を行うインクジェットヘッドを用いる。インクジェットヘッドとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等が挙げられる。本発明では、公知のインクジェットヘッドを用いることができる。中でも特に高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。描画は、画像信号を受け、各位置に必要なインク量を付与することにより行われる。
インク付与量は画像濃度(duty)やインク厚みで表現することができるが、本発明では各インクドットの質量に付与個数(吐出数)を掛け、印字面積で割った平均値をインク付与量(g/m)とした。尚、画像領域における最大インク付与量とは、インク中の液体成分を除去する観点より、被記録体の情報として用いられる領域内において、少なくとも5mm以上の面積において付与されているインク付与量を示す。
本発明のインクジェット記録装置は、被記録体上に各色のインクを付与するために、インクジェットヘッドを複数有していてもよい。例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを用いてそれぞれの色画像を形成する場合、インクジェット記録装置は上記4種類のインクを被記録体上にそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッドを有する。
また、インク付与装置は、色材を含有しないインク(クリアインク)を吐出するインクジェットヘッドを含んでいてもよい。
<インク>
本発明に適用されるインクの各成分について説明する。
(色材)
本発明に適用されるインクに含有される色材として、顔料又は染料と顔料との混合物を用いることができる。色材として用いることができる顔料の種類は特に限定されない。顔料の具体例としては、カーボンブラックなどの無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系などの有機顔料を挙げることができる。これらの顔料は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
色材として用いることができる染料の種類は特に限定されない。染料の具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、食用染料などを挙げることができ、アニオン性基を有する染料を用いることができる。染料骨格の具体例としては、アゾ骨格、トリフェニルメタン骨格、フタロシアニン骨格、アザフタロシアニン骨格、キサンテン骨格、アントラピリドン骨格などが挙げられる。
インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
(分散剤)
顔料を分散させる分散剤としては、インクジェット用インクに用いられる公知の分散剤を使用することができる。中でも本発明の態様においては構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、公知のものが好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしては、スチレン及びその他のスチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
該分散剤の酸価は50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、該分散剤の重量平均分子量は1000以上50000以下であることが好ましい。尚、顔料と分散剤との質量比(顔料:分散剤)としては1:0.1〜1:3の範囲であることが好ましい。
また分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散顔料を用いることも好適である。
(樹脂微粒子)
本発明に適用されるインクは、色材を有しない各種微粒子を含有させて用いることができる。中でも樹脂微粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。本発明に用いることのできる樹脂微粒子の材質としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物、または、これらの単独重合物を生成するためのモノマーを複数組み合わせて重合した共重合物が挙げられる。該樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。またインク中における樹脂微粒子の量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
さらに本発明の態様においては、該樹脂微粒子が液中に分散した樹脂微粒子分散体として用いることが好ましい。分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種共重合させた樹脂を用いて分散させたいわゆる自己分散型樹脂微粒子分散体は好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂微粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂微粒子分散体も、同様に本発明に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好ましい。該界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ界面活性剤が好ましい。
本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体は、10nm以上1000nm以下の分散粒径を有することが好ましく、さらに50nm以上500nm以下の分散粒径を有することがより好ましい。
また本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体を作製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。該添加剤としては、例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、青色染料(ブルーイング剤)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明に用いることのできるインクは界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(製品名:アセチレノ−ルE100、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
(水及び水溶性有機溶剤)
本発明に用いるインクは溶剤として水、水と水溶性有機溶剤の混合物等の水性液媒体を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましく、インク全質量に対して50質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
液媒体として少なくとも水を含む水性インクとしては、色材として少なくとも顔料を含む水性顔料インクを用いることができる。
また用いる水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、エタノール、メタノール、等が挙げられる。もちろん、これらの中から選択した2種類以上のものを混合して用いることもできる。
また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
(その他添加剤)
本発明に用いることのできるインクは上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂及びその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
<液吸収部材>
本実施形態では、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部を、多孔質体を有する液吸収部材と接触させることで吸収し、第一の画像中の液体成分の含有量を減少させる。液吸収部材の第一の画像との接触面を第一面とし、第一面に多孔質体が配置される。
(多孔質体)
液吸収部材の多孔質体としては、多孔質体全体が同様に孔径分布を有する多孔質体、並びに、第一面側の平均孔径が、第一面と対向する第二面側の平均孔径よりも小さい多孔質体から適宜選択して用いることができる。
なお、平均孔径とは第一面または第二面の表面での平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。
(各圧力印加工程において同一の多孔質体を用いる場合)
各圧力印加工程において同一の多孔質体を用いる場合は、多孔質体全体が同様に孔径分布を有する多孔質体や、第一面側の平均孔径が第一面と対向する第二面側の平均孔径よりも小さい多孔質体を用いることができる。また、同一の多孔質体というのは、同じ材料を用いて別のユニットで用いることも含む。同じ材料を用いることは、コストが抑制されるため好ましい。更に、以下の多孔質体を選択して用いることが好ましい。この場合における多孔質体は、第一面側の平均孔径が、第一面と対向する第二面側の平均孔径よりも小さい多孔質体を使用することが好ましい。多孔質体へのインクの色材の付着を抑制するため、孔径は小さいことが好ましく、少なくとも画像と接触する第一面側の多孔質体の平均孔径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは0.2μm以下であることが好ましい。一方、多孔質体への液体成分の吸収性を向上させるため、少なくとも画像と接触する第一面側の多孔質体の平均孔径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上であることが好ましい。
また、均一に高い通気性とするために多孔質体の厚みを薄くすることが好ましい。通気性はJIS P8117で規定されるガーレ値で示すことができ、ガーレ値は10秒以下であることが好ましい。
但し、多孔質体を薄くすると、液体成分を吸収するために必要な容量を十分に確保できない場合があるため、多孔質体を多層構成とすることが可能である。また、液吸収部材は、第一の画像と接触する層が多孔質体であればよく、第一の画像と接触しない層は多孔質体でなくてもよい。
<多層構成>
次に、多孔質体を多層構成とする場合の実施形態について説明する。ここでは第一の画像に接触する側を第一の層、第一の層の第一の画像との接触面と反対の面に積層される層を第二の層として説明する。さらに多層の構成についても順次第一の層からの積層順で表記する。なお、本明細書において、第一の層を「吸収層」、第二の層以降を「支持層」ということがある。
[第一の層]
本発明において、第一の層の材料は特に限定されることはなく、水に対する接触角が90°未満の親水性材料と、水に対する接触角が90°以上の撥水性材料のいずれも使用することができる。親水性材料の場合、水に対する接触角が40°以下であることがより好ましい。第一の層が親水性材料で構成されている場合、毛管力により水性液体成分を吸い上げる効果がある。
親水性材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ナイロン、ポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)等が挙げられる。
一方、色材の付着を抑制するため、及び、クリーニング性を高くするために、第一の層の材料は、表面自由エネルギーの低い撥水性材料、特にフッ素樹脂であることが好ましい。フッ素樹脂としては、具体的に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、第一の層の中に複数の膜が積層された構成でもよい。
第一の層が撥水性材料で構成されている場合、毛管力により水性液体成分を吸い上げる効果が殆どなく、初めて画像と接触する際に水性液体成分の吸い上げに時間を要することがある。このため、第一の層中に、第一の層との接触角が90°未満である液体をしみ込ませておくことが好ましい。第一の画像中の第一の液体及び任意の第二の液体に対して、第一の層中にしみ込ませておく液体を第三の液体(湿潤液)ということがある。第三の液体は、液吸収部材の第一の面から塗布することで第一の層中にしみ込ませておくことができる。第三の液体は、第一の液体(水)に界面活性剤や第一の層との接触角の低い液体を混合して調製することが好ましい。第三の液体は、第一の液体で徐々に置換されるため、徐々に第一の層の吸収効率が低下していく。このため、所定の回数毎に第三の液体の塗布装置により第三の液体を液吸収部材の第一の面に塗布することが好ましい。
本発明において、第一の層の膜厚は、50μm以下であることが好ましい。膜厚は、30μm以下がより好ましい。本発明の実施例において、膜厚は、直進式のマイクロメーターOMV_25(ミツトヨ製)で任意の10点の膜厚を測定し、その平均値を算出することで得た。
第一の層は、公知の薄膜多孔質膜の製造方法により製造することができる。例えば、樹脂材料を押出成形などの方法でシート状物を得た後、所定の厚みに延伸することで得ることができる。また、押出成形時の材料にパラフィン等の可塑剤を添加し、延伸時に加熱などにより可塑剤を除去することで多孔質膜として得ることができる。孔径は添加する可塑剤の添加量、延伸倍率などを適宜調整することで調節することができる。
[第二の層]
本発明において、第二の層は通気性を有する層であることが好ましい。このような層は樹脂繊維の不織布でもよいし、織布でも良い。第二の層の材料としては、特に限定されないが、第一の層側へ吸収した液体が逆流しないように、第一の層に対して第一の液体との接触角が同等かそれよりも低い材料であることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ナイロン、ポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)などの単一素材、またはこれらの複合材料などから好ましく選択される。また、第二の層は第一の層よりも孔径の大きな層であることが好ましい。
[第三の層]
本発明において、多層構造の多孔質体は3層以上の構成であってもよい。三層目(第三の層ともいう)以降の層としては剛性の観点から不織布が好ましい。材料としては第二の層と同様なものが用いられる。
[その他の材料]
液吸収部材には、上記の積層構造の多孔質体以外に、液吸収部材の側面を補強する補強部材を有してもよい。また、長尺のシート形状の多孔質体の長手方向端部を繋いでベルト状の部材とする際の接合部材を有してもよい。このような材料としては非孔質のテープ材などを用いることができ、画像と接触しない位置あるいは周期に配置すればよい。
(複数の圧力印加工程において異なる多孔質体を用いる場合)
複数の圧力印加工程において異なる多孔質体を用いる場合も、多孔質体全体が同様に孔径分布を有する多孔質体、並びに、第一面側の平均孔径が第一面と対向する第二面側の平均孔径よりも小さい多孔質体(多層構造の多孔質体を含む)を用いることができる。更に、以下の多孔質体を選択して用いることが好ましい。
圧力印加工程P1で用いる多孔質体の少なくとも画像と接触する面を含む領域の孔径D1を、圧力印加工程P2で用いる多孔質体の少なくとも画像と接触する面を含む領域の孔径D2よりも小さく(D1<D2)設定することが好ましい。このような孔径差の設定により、圧力印加工程P1では色材の付着を制御しつつ液吸収を行い、圧力印加工程P2では、耐久性のより一層の抑制が可能となる。このような効果を得る上での多孔質体の孔径D1及びD2は、先に(各圧力印加工程において同一の多孔質体を用いる場合)において述べた孔径の範囲から選択することができる。
D1とD2の差(D2−D1)は、本発明において目的とする効果が得られるように設定すればよいが、0.3μm<(D2−D1)<3.5μmの範囲から選択することが好ましい。
また、複数の圧力印加工程において異なるガーレ値の多孔質体を用いることもできる。この場合、圧力印加工程(P1)における多孔質体のガーレ値G1よりも、圧力印加工程(P2)における多孔質体のガーレ値G2が小さい(G1>G2)ことが好ましい。このようなガーレ値の差を用いることにより、圧力印加工程P2においても十分な耐久性を確保することできる。
G1及びG2も先に(各圧力印加工程において同一の多孔質体を用いる場合)において述べた値の範囲から選択することができる。
G1とG2の差(G1−G2)は、本発明において目的とする効果が得られるように設定すればよいが、1秒<(G1−G2)<10秒の範囲から選択することが好ましい。
[多孔質体の製造方法]
第一の層と第二の層を積層して多孔質体を形成する方法は、特に限定されることはない。重ね合わせるだけでもよいし、接着剤ラミネートまたは熱ラミネートなどの方法を用いて互いに接着してもよい。通気性の観点から、本発明においては熱ラミネートが好ましい。また例えば、加熱により第一の層または第二の層の一部を溶融させて接着積層してもよい。また、ホットメルトパウダーのような融着材を第一の層と第二の層の間に介在させて加熱により互いに接着積層してもよい。第三の層以上を積層する場合は、一度に積層させてもよいし、順次積層させてもよく、積層順に関しては適宜選択される。加熱工程では、加熱されたローラで多孔質体を挟み込んで加圧しながら、多孔質体を加熱するラミネート法が好ましい。
次に、本発明のインクジェット記録装置の具体的な実施形態例について説明する。
本発明のインクジェット記録装置としては、被記録体としての転写体上に第一の画像を形成し、液吸収部材による第一の液体(水溶性液体成分)の吸収後の第二の画像を記録媒体へ転写するインクジェット記録装置と、被記録体としての記録媒体上に第一の画像を形成するインクジェット記録装置とが挙げられる。なお、本発明において、前者のインクジェット記録装置を、以下便宜的に転写型インクジェット記録装置と称し、後者のインクジェット記録装置を、以下便宜的に直接描画型インクジェット記録装置と称する。
以下にそれぞれのインクジェット記録装置について説明する。
(転写型インクジェット記録装置)
図1及び図2は、本実施形態の転写型インクジェット記録装置の概略構成の一例を示す模式図である。
転写型インクジェット記録装置100は、第一の画像と、第一の画像から水性液体成分の少なくとも一部を吸収除去した第二の画像とを一時的に保持する転写体101を備えている。また、転写型インクジェット記録装置100は、第二の画像を、画像を形成すべき記録媒体109、すなわち目的とする用途に応じた最終画像を形成するための記録媒体上に転写する転写用の押圧部材107を有する転写ユニットを備えている。
図1に示す転写型インクジェット記録装置は、それぞれが圧力印加部を有する2つの液吸収装置105、106を有する。図2に示す転写型インクジェット記録装置は1つの液吸収装置105に、それぞれが圧力印加部を構成する2つの液除去用の押圧部材105b、105gを有する。
図示した装置では、圧力印加部を構成するニップ部形成ユニットは、転写体と液除去用の押圧部材により構成されており、各押圧部材には加圧装置(不図示)が接続されており、各押圧部材毎に所望とする圧力を転写体に対して印加できるようになっている。
本発明の転写型インクジェット記録装置100は、図1、図2に示すように、支持部材102によって支持された転写体101と、転写体101上に反応液を付与する反応液付与装置103と、反応液が付与された転写体101上にインクを付与し転写体上に第一の画像を形成するインク付与装置104と、転写体上の第一の画像から液体成分を吸収する液吸収装置105、106と、記録媒体を押圧することによって液体成分が除去された転写体上の第二の画像を紙などの記録媒体109上に転写する転写用の押圧部材107と、を有する。また、転写型インクジェット記録装置100は、第二の画像を記録媒体109に転写した後の転写体101の表面をクリーニングする転写体クリーニング部材110を有していてもよい。
支持部材102は、回転軸102aを中心として図1、図2の矢印の方向に回転する。この支持部材102の回転により、転写体101が移動される。移動される転写体101上に、反応液付与装置103による反応液、および、インク付与装置104によるインクが順次付与され、転写体101上に第一の画像が形成される。転写体101上に形成された第一の画像は、転写体101の移動により、液吸収装置105、106が有する液吸収部材105a、106aと接触する位置まで移動される。
液吸収装置105、106の液吸収部材105a、106aは、転写体101の回転に同期して移動する。転写体101に形成された第一の画像はこの移動する液吸収部材105aと接触した状態を経る。この間に液吸収部材105a、106aは第一の画像から少なくとも第一の液体を含む液体成分を除去する。
なお、この液吸収部材105a、106aと接触した状態を経ることで、第一の画像に含まれる液体成分が除かれる。この接触した状態において、液吸収部材105a、106aは、所定の押圧力をもって第一の画像に押圧されることが、液吸収部材105a、106aを効果的に機能させる点で好ましい。
液体成分の除去を異なる視点で説明すれば、転写体上に形成された画像を構成するインクを濃縮するとも表現することができる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
そして、液体成分が除去された後の第二の画像は、転写体101の移動により、記録媒体搬送装置108によって記録媒体と接触する転写部に移動される。液体成分が除去された後の第二の画像が記録媒体に接触している間に、押圧部材106が記録媒体109を押圧することによって、記録媒体109上に画像(インク像)が転写される。記録媒体109上に転写された転写後インク像は第二の画像の反転画像である。以降の説明では、上述した第一の画像(液除去前インク像)、第二の画像(液除去後インク像)とは別に、この転写後インク像を第三の画像ということがある。
なお、転写体上には反応液が付与された後にインクが付与されて画像が形成されるため、非画像領域(非インク像形成領域)には反応液がインクと反応することなく残っている。本装置では液吸収部材105a、106aは画像からのみならず、未反応の反応液とも接触し、反応液の液体成分も併せて転写体101の表面上から除去している。
したがって、以上では、画像から液体成分を除去すると表現して説明しているが、画像のみから液体成分を除去するという限定的な意味合いではなく、少なくとも転写体上の画像から液体成分を除去していればよいという意味合いで用いている。例えば、第一の画像とともに第一の画像の外側領域に付与された反応液中の液体成分を除去することも可能である。
なお、液体成分は、一定の形を持たず、流動性を有し、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
また、上述したクリアインクが第一の画像に含まれている場合においても、液吸収処理によるインクの濃縮を行うことができる。例えば、転写体101上に付与された色材を含有するカラーインクの上にクリアインクが付与された場合、第一の画像の表面には全面的にクリアインクが存在する、若しくは、第一の画像の表面の一箇所または複数箇所にクリアインクが部分的に存在し、他の箇所はカラーインクが存在する。第一の画像において、カラーインク上にクリアインクが存在している箇所では、多孔質体が第一の画像の表面のクリアインクの液体成分を吸収し、クリアインクの液体成分が移動する。それに伴ってカラーインク中の液体成分が多孔質体側へ移動することで、カラーインク中の液体成分が吸収される。一方、第一の画像の表面にクリアインクの領域とカラーインクの領域が存在している箇所では、カラーインク及びクリアインクのそれぞれの液体成分が多孔質体側へ移動することで液体成分が吸収される。なお、このクリアインクには、転写体101から記録媒体への画像の転写性を向上させるための成分を多く含ませておいてもよい。例えばカラーインクよりも加熱により記録媒体への粘着性が高くなる成分の含有率を高くしておくことが挙げられる。
図1、図2に示す装置における被記録体の搬送ユニットは、支持部材102とそれを回転駆動する駆動装置(不図示)から構成することができる。
本実施形態の転写型インクジェット記録装置の各構成について以下に説明する。
<転写体>
転写体101は、画像形成面を含む表面層を有する。表面層の部材としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料が好ましい。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。反応液の濡れ性、転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
また転写体は、圧力変動を吸収する機能を有する圧縮層を有することが好ましい。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速印刷時においても良好な転写性を維持することができる。圧縮層の部材としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。上記ゴム材料の成形時に、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し多孔質としたものが好ましい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがある。本発明ではいずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
さらに転写体は、表面層と圧縮層との間に弾性層を有することが好ましい。弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料が好ましく用いられる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で好ましい。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも好ましい。
転写体を構成する各層(表面層、弾性層、圧縮層)の間に、これらを固定・保持するために各種接着剤や両面テープを用いてもよい。また、装置に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を設けてもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体は上記の材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
転写体の大きさは、目的の印刷画像サイズに合わせて自由に選択することができる。転写体の形状としては、特に制限されず、具体的にはシート形状、ローラ形状、ベルト形状、無端ウェブ形状等が挙げられる。
<支持部材>
転写体101は、支持部材102上に支持されている。転写体の支持方法として、各種接着剤や両面テープを用いてもよい。または、転写体に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付けることで、設置用部材を用いて転写体を支持部材102上に支持してもよい。
支持部材102は、その搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。支持部材の材質には金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。中でも特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましく用いられる。またこれらを組み合わせて用いるのも好ましい。
<反応液付与装置>
本実施形態のインクジェット記録装置は、転写体101に反応液を付与する反応液付与装置103を有する。図1、図2の反応液付与装置103は、反応液を収容する反応液収容部103aと、反応液収容部103aにある反応液を転写体101上に付与する反応液付与部材103b、103cとを有するグラビアオフセットローラの場合を示している。
<インク付与装置>
本実施形態のインクジェット記録装置は、反応液を付与された転写体101にインクを付与するインク付与装置104を有する。反応液とインクとが混合されることで第一の画像が形成され、次の液吸収装置105,106により第一の画像から液体成分が吸収される。
<液吸収装置>
本実施形態におけるインクジェット記録装置は、転写体上の高粘度化インクで形成された画像から、少なくとも2回以上の圧力印加工程により液体成分を除去する液吸収装置105、106を有する。液吸収装置105、106によって画像から液体成分を除去することで、画像の定着を促進することができる。更に、画像に含まれる液体成分に起因する紙などの記録媒体に画像が転写された後のカールやコックリング、重ねた紙への裏移り等の画像乱れを抑制することができる。
図1に示す液吸収装置105、106はそれぞれ液吸収部材105a、106a、および、液吸収部材105a、106aを転写体101上の第一の画像に押し当てる液吸収用の押圧部材105b、106bを有する。なお、液吸収部材105a、106aおよび押圧部材105b、106bの形状については特に制限がない。例えば、押圧部材105b、106bを断面が半円形状の部材とし、液吸収部材105a、106aをベルト形状とし、押圧部材105b、106bを摺動状態で液吸収部材105a、106aを押圧して転写体101に押し当てる構成であってもよい。また、押圧部材105b、106bが円柱形状であり、液吸収部材105a、106aの各々が円柱形状の押圧部材105b、106bの周面上に形成された円筒形状であって、円柱形状の押圧部材105b、106bで円筒形状の液吸収部材105a、106aを転写体に押し当てる構成であってもよい。
本発明において、インクジェット記録装置内でのスペース等を考慮すると、液吸収部材105a、106aはベルト形状であることが好ましい。
また、このようなベルト形状の液吸収部材105a、106aを有する液吸収装置105、106は、液吸収部材105a、106aを張架する張架部材を有していてもよい。図1において、105c、105d、105e、106c、106d、106eは張架部材としての張架ローラである。図1において、押圧部材105b、106bも張架ローラと同様に回転するローラ部材としているが、これに限定されるものではない。
液吸収装置105、106では、多孔質体を有する液吸収部材105a、106aを押圧部材105b、106bによって第一の画像に押圧させることで、第一の画像に含まれる液体成分を液吸収部材105a、106aに吸収させ、第一の画像から液体成分を除去する。第一の画像中の液体成分を除去する方法として、液吸収部材を押圧する本方式に加え、その他従来から用いられている各種手法、例えば、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法等を組み合わせても良い。
図2における液吸収部材105b、105gについても、これらを共通の液吸収部材105aに設置する以外は、図1に示す105bと同様の構成とすることができる。
以下、液吸収装置105、106における各種条件と構成について詳細に述べる。
(前処理)
本実施形態において、多孔質体を有する液吸収部材105a、106aを第一の画像に接触させる前に、液吸収部材に湿潤液を付与する前処理装置(図1および図2では不図示)によって前処理を施すことが好ましい。湿潤液は、水及び水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、エタノールやイソプロピルアルコール等の公知の有機溶剤を用いることができる。液吸収部材の前処理において、湿潤液の付与方法は特に限定されないが、浸漬や液滴滴下などによる方法が好ましい。
(加圧条件)
転写体上の第一の画像に対して押圧する液吸収部材の圧力が2.94N/cm(0.3kgf/cm)以上であれば、第一の画像中の液体成分をより短時間に固液分離でき、第一の画像中から液体成分を除去できるため好ましい。尚、本発明における液吸収部材の画像への印加圧力とは、転写体101と液吸収部材105a、106aとの間の各々のニップ圧を示しており、面圧分布測定器(製品名:I−SCAN、新田株式会社製)により面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割って、値を算出した平均圧力である。
(作用時間)
画像に液吸収部材105a、106aを接触させる作用時間は、画像中の色材の液吸収部材への付着をより抑制するために、50ms(ミリ秒)以内であることが好ましい。尚、本発明における作用時間とは、上述した面圧測定における、転写体101の移動方向における圧力感知幅を、転写体101の移動速度で割って算出される。以降、この作用時間を液吸収ニップ時間と称す。
(加圧回数)
本実施形態では、液吸収部材が画像に対し少なくとも2回以上圧力をかけて接触させる圧力印加工程を行う。圧力印加工程では、少なくとも上述した面圧測定機で検出可能なレベル以上の圧力をかける。具体的には、0.686N/cm(0.07kgf/cm)以上の圧力をかける。二回目以降の圧力印加工程において、液吸収部材により画像にかかる圧力は、一回目の圧力印加工程における圧力より高い。
一回目の圧力印加工程は、液吸収部材への色材の付着を防止しつつ液体成分をある程度吸収することが目的であって、完全に液体成分を吸収することが目的ではない。液吸収部材に色材が付着しないように、接触圧力を制御しつつ吸収することで、液体成分の一部を印字直後より減らすことが可能となる。その結果、二回目の圧力印加工程では、一回目よりも高い圧力で液吸収部材が接触しても、色材の付着を抑制することが可能となり、単純に複数の液吸収部材が同じ圧力で接触する場合よりも吸収量を高めることが可能となる。
液体成分の吸収量は、反応液とインクを吐出した総重量に対し、液吸収部材で吸収後の重量を測定し、その差分から算出できる。
本実施形態では、一回目の圧力印加工程において液吸収部材が被記録体に接触したときにかかる圧力P1は14.71N/cm(1.5kgf/cm)以下であることが好ましい。この構成により、一回目の圧力印加で液吸収部材が接触する際、より確実に色材の付着を抑制することが可能となる。
また、二回目の圧力印加工程において液吸収部材が被記録体に接触したときにかかる圧力P2は、画像の乾燥物における降伏応力値よりも低いことが好ましい。この乾燥物とは、第一の画像を形成する際と同じ単位面積当たりの反応液量と、第一の画像を形成する際と同じ単位面積当たりのインクとを同じ比率で混合したサンプルを、常温で24時間放置して得られる画像のことを示し、降伏応力は一般的なレオメーターで測定した値を示す。この構成により、二回目の圧力印加工程で液吸収部材が接触する際、より確実に色材の付着を抑制することが可能となる。
さらに、一回目の圧力印加工程と二回目の圧力印加工程において接触する液吸収部材の有する多孔質体は同一の多孔質体でも、それぞれ別の多孔質体でも良い。
一回目の圧力印加工程で接触する液吸収部材を第一の液吸収部材、二回目の圧力印加工程で接触する液吸収部材を第二の液吸収部材と称する。この場合に、JISL 1092で規定される多孔質体の耐水圧は、第一の液吸収部材の多孔質体の耐水圧R1よりも、第二の液吸収部材の多孔質体の耐水圧R2が小さいことが好ましい。一般的に耐水圧が小さいほど孔径は大きい。孔径が大きいほど色材の付着は発生しやすくなるが、二回目以降の接触であれば問題とならず、孔径が大きいことにより耐久性を高めることが可能となる。ここでの孔径とは平均の直径で示される孔径を指し、窒素吸着法、水銀圧入法、SEMによる外観測定等、公知の手段で測定可能である。
第一の液吸収部材の多孔質体の耐水圧R1は250kPa以上であることが好ましい。この構成により、十分に第一の液吸収部材の多孔質体の孔径が小さいことで、一回目の接触工程で液吸収部材が接触する際、より確実に色材の付着を抑制することが可能となる。
第二の液吸収部材の多孔質体の耐水圧R2は100kPa以下であることが好ましい。この構成により、第二の液吸収部材の多孔質体の孔径が十分に大きいことで、二回目の接触工程以降に接触する液吸収部材の耐久性を十分に向上させることが可能となる。
本実施形態において、液吸収部材の通気性はJIS P8117で規定されるガーレ試験機により測定されるガーレ値が、第一の液吸収部材の多孔質体のガーレ値G1よりも、第二の液吸収部材の多孔質体のガーレ値G2が大きいことが好ましい。この構成により、二回目の接触工程以降に接触する液吸収部材の多孔質体の耐久性を十分に向上させることが可能となる。
本実施形態において、一回目と二回目に接触する液吸収部材は、図2に示すように同じ液吸収部材であることも好ましい。なお、図2における105gは105bと同様に押圧部材であり、105fは張架ローラである。複数の液吸収部材を同じ液吸収装置105内に設けることによって、低コスト化が可能となる。なお、押圧部材105b、105gはそれぞれ独立して加圧力を調整できるように圧力調整機構を設ける。
また、液吸収部材の多孔質体は、水に対して撥水性を有し、画像と接触する液吸収部材の多孔質体の表面と水の接触角が90°以上であることが好ましい。ここで、水に対する液吸収部材の多孔質体の接触角が90°以上であることを、撥水性を有すると定義した。
接触角とは、測定液体を対象物に滴下し、その液滴が対象物に接している部分での対象物表面と液滴の接線とがなす角度のことである。測定の技法にはいくつか種類があるが、本発明者らはJIS R3257の「6.静滴法」に記載の技法に準拠して測定を行った。
なお、液吸収部材に吸収された液体成分は公知の手段により除去することが可能である。例としては加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、多孔質体を絞る方法等が挙げられる。
<転写用の押圧部材>
本実施形態では、第二の画像と記録媒体搬送装置108によって搬送される記録媒体109とが接触している間に、転写用の押圧部材107が記録媒体109を押圧することによって、記録媒体109上に画像(インク像)が転写される。転写体101上の第一の画像に含まれる液体成分を除去した後に、記録媒体109へ転写することにより、カールや、コックリング等を抑制した記録画像を得ることが可能となる。
押圧部材107は、記録媒体109の搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。押圧部材107の材質には金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。中でも特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましく用いられる。またこれらを組み合わせて用いてもよい。
転写体101上の第二の画像を記録媒体109に転写するために押圧部材107が押圧する時間については特に制限はないが、転写が良好に行われ、かつ転写体の耐久性を損なわないようにするために、5ms以上100ms以下であることが好ましい。尚、本実施形態における押圧する時間とは、記録媒体109と転写体101間が接触している時間を示しており、面圧分布測定器(製品名:I−SCAN、新田株式会社製)により面圧測定を行い、加圧領域の搬送方向長さを搬送速度で割って、値を算出したものである。
また、転写体101上の第二の画像を記録媒体109に転写するために押圧部材107が押圧する圧力についても特に制限はないが、転写が良好に行われ、かつ転写体の耐久性を損なわないようにする。このために、圧力が9.8N/cm(1kgf/cm)以上294.2N/cm(30kgf/cm)以下であることが好ましい。尚、本実施形態における圧力とは、記録媒体109と転写体101間のニップ圧を示しており、面圧分布測定器により面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割って、値を算出したものである。
転写体101上の第二の画像を記録媒体109に転写させるために押圧部材106が押圧しているときの温度についても特に制限はないが、インクが樹脂成分を含む場合には、インクに含まれる樹脂成分のガラス転移点以上又は軟化点以上であることが好ましい。また、加熱には転写体101上の第二の画像、転写体101及び記録媒体109を加熱する加熱手段を備える態様が好ましい。
押圧部材107の形状については特に制限されないが、例えばローラ形状のものが挙げられる。
<記録媒体および記録媒体搬送装置>
本実施形態において、記録媒体109は特に限定されず、公知の記録媒体をいずれも用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物、あるいは所定の寸法に裁断された枚葉のものが挙げられる。材質としては、紙、プラスチックフィルム、木板、段ボール、金属フィルムなどが挙げられる。
また、図1、図2において、記録媒体109を搬送するための記録媒体搬送装置108は、記録媒体繰り出しローラ108aおよび記録媒体巻き取りローラ108bによって構成されているが、記録媒体を搬送できればよく、特にこの構成に限定されるものではない。
図7に他の実施形態にかかる転写型インクジェット記録装置の構成を示す。図7に示す装置は、押圧部材105bとしてのローラの径(直径)よりも、押圧部材106bとしてのローラの径(直径)を小さくしたこと以外は、図1に示す装置と同様の構成を有する。
<制御システム>
本実施形態における転写型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図4は、図1及び図2に示す転写型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図である。
図4において、301は外部プリントサーバー等の記録データ生成部、302は操作パネル等の操作制御部、303は記録プロセスを実施するためのプリンタ制御部、304は記録媒体を搬送するための記録媒体搬送制御部、305は印刷するためのインクジェットデバイスである。
図5は図1及び図2の転写型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。
401はプリンタ全体を制御するCPU、402はCPUの制御プログラムを格納するためのROM、403はプログラムを実行するためのRAMである。404はネットワークコントローラ、シリアルIFコントローラ、ヘッドデータ生成用コントローラ、モーターコントローラ等を内蔵した特定用途向けの集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)である。405は液吸収部材搬送モータ406を駆動するための液吸収部材搬送制御部であり、ASIC404からシリアルIFを介して、コマンド制御される。407は転写体駆動モータ408を駆動するための転写体駆動制御部であり、同様にASIC404からシリアルIFを介してコマンド制御される。409はヘッド制御部であり、インクジェットデバイス305の最終吐出データ生成、駆動電圧生成等を行う。
(直接描画型のインクジェット記録装置)
本発明における別の実施形態として、直接描画型インクジェット記録装置が挙げられる。直接描画型インクジェット記録装置において、被記録体は画像を形成すべき記録媒体である。
図3は、本実施形態における直接描画型インクジェット記録装置200の概略構成の一例を示す模式図である。直接描画型インクジェット記録装置は、前述した転写型インクジェット記録装置と比較して、転写体101、支持部材102、転写体クリーニング部材109を有さず、記録媒体209上で画像を形成する点以外は、転写型インクジェット記録装置と同様の構成を有する。
したがって、記録媒体209に反応液を付与する、反応液収容部203a、反応液付与部材203b、203cを有する反応液付与装置203、記録媒体209にインクを付与するインク付与装置204は、図1に示す転写型インクジェット記録装置と同様の構成を有しており、説明を省略する。更に、記録媒体209上の第一の画像に接触する液吸収部材205a、206aにより第一の画像に含まれる液体成分を吸収する液吸収装置205、206の説明も同様に省略する。
なお、本実施形態の直接描画型インクジェット記録装置において、液吸収装置205、206は、液吸収部材205a、206aおよび液吸収部材205a、206aを記録媒体209上の第一の画像に押し当てる液吸収用の押圧部材205b、206bを有する。また、液吸収部材205a、206aおよび押圧部材205b、206bの形状については特に制限がなく、転写型インクジェット記録装置で使用可能な液吸収部材および押圧部材と同様の形状のものを用いることができる。また、液吸収装置205、206は、液吸収部材を張架する張架部材を有していてもよい。図3において、205c、205d、205e、205f、205g、206c、206d、206e、206f、206gは張架部材としての張架ローラである。張架ローラの数は、図3の5個に限定されるものではなく、装置設計に応じて必要数を配置して良い。また、インク付与装置204によって記録媒体209にインクを付与するインク付与部および液吸収部材205a、206aを記録媒体上の第一の画像に接触して液体成分を除去する液体成分除去部と対向する位置に、記録媒体を下方から支持する不図示の記録媒体支持部材が設けられていてもよい。
<記録媒体搬送装置>
本実施形態の直接描画型インクジェット記録装置において、記録媒体搬送装置208が被記録体である記録媒体の搬送ユニットを構成している。この記録媒体搬送装置208の構成は、特に限定されず、公知の直接描画型インクジェット記録装置における搬送手段を用いることができる。例として、図3に示すように、記録媒体繰り出しローラ208a、記録媒体巻き取りローラ208b、記録媒体搬送ローラ208c、208d、208e、208fを有する記録媒体搬送装置が挙げられる。
<制御システム>
本実施形態における直接描画型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図3に示す直接描画型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図は、図1に示す転写型インクジェット記録装置と同様に、図4に示す通りである。
図6は図3の直接描画型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。転写体駆動制御部407及び転写体駆動モータ408を有さない以外は図5における転写型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図と同等である。すなわち、501はプリンタ全体を制御するCPU、502はCPUの制御プログラムを格納するためのROM、503はプログラムを実行するためのRAMである。504はネットワークコントローラ、シリアルIFコントローラ、ヘッドデータ生成用コントローラ、モーターコントローラ等を内蔵したASICである。505は液吸収部材搬送モータ506を駆動するための液吸収部材搬送制御部であり、ASIC504からシリアルIFを介して、コマンド制御される。509はヘッド制御部であり、インクジェットデバイス305の最終吐出データ生成、駆動電圧生成等を行う。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
本実施例では図1に示す転写型インクジェット記録装置を用いた。
本実施例における転写体101は接着剤により支持部材102に固定されている。
本実施例では、厚さ0.5mmのPETシートにシリコーンゴム(製品名:KE12、信越化学工業株式会社製)を0.3mmの厚さにコーティングしたシートを転写体の弾性層として用いた。さらにグリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとをモル比1:1で混合し、加熱還流により得られる縮合物と光カチオン重合開始剤(製品名:SP150、ADEKA製)の混合物を作製した。
弾性層表面の水の接触角を10度以下となるように大気圧プラズマ処理を行い、上記の混合物を弾性層上に付与し、UV照射(高圧水銀ランプ、積算露光量5000mJ/cm)、熱硬化(150℃2時間)により成膜し、弾性体上に厚さ0.5μmの表面層を形成した転写体101を作製した。
本構成においては、説明の簡略のため図示を省略しているが、転写体101と支持部材102の間に転写体101を保持するために両面テープを用いた。
また、本構成においては、転写体101の表面は図示しない加熱装置により60℃としている。
反応液付与装置103により付与される反応液は、以下組成のものを用い、付与量は1g/mとした。
・グルタル酸: 21.0部
・グリセリン: 5.0部
・界面活性剤(製品名:メガファックF444、DIC株式会社製):5.0部
・イオン交換水 :残部
インクは以下のように調製した。
<顔料分散体の調製>
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット製)10部、樹脂水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価150、重量平均分子量(Mw)8,000、樹脂の含有量が20.0質量%の水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したもの)15部、純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離して、粗大粒子を除去した後、顔料の含有量が10.0質量%のブラック顔料分散体を得た。
<樹脂粒子分散体の調製>
エチルメタクリレート20部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)3部、n−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:130mgKOH/g、重量平均分子量(Mw):7,000)の8%水溶液75部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行い、室温冷却後にろ過して、樹脂の含有量が25.0質量%である樹脂粒子分散体を調製した。
<インクの調製>
上記で得られた樹脂粒子分散体、及び、顔料分散体を下記各成分と混合した。尚、イオン交換水の残部は、インクを構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・顔料分散体(色材の含有量は10.0質量%): 40.0質量%
・樹脂粒子分散体: 20.0質量%
・グリセリン: 7.0質量%
・ポリエチレングリコール(数平均分子量(Mn):1,000): 3.0質量%
・界面活性剤:アセチレノールE100(川研ファインケミカル株式会社製):0.5質量%
・イオン交換水 残部
これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム株式会社製)により加圧ろ過を行い、ブラックインクを調製した。
上述した反応液1gとインク25gを混合した後に、24時間常温乾燥させた混合物をレオメーターで測定した結果、降伏応力値は0.44MPa(4.5kgf/cm)であった。
インク付与装置104は電気−熱変換素子を用いてオンデマンド方式でインク吐出を行うタイプのインクジェットヘッドを使用し、インク付与量は10g/mとした。液吸収部材105aは、液吸収部材を張架しつつ搬送する搬送ローラ105c、105d、105eによって、転写体101の移動速度と同等の速度になるよう調節されている。液吸収部材106aも同様に調節されている。また、転写体101の移動速度と同等の速度となるように、記録媒体109は記録媒体繰り出しローラ108aおよび記録媒体巻き取りローラ108bによって搬送される。本実施例において、搬送速度は0.2m/sとし、記録媒体109としてオーロラコート紙(日本製紙株式会社製・坪量104g/m)を用いた。
本実施例では、液吸収部材をエタノール95部、水5部からなる湿潤液に浸漬させ、浸透させた後、水100部からなる液に置換し、その後液体除去に使用した。
また、液吸収装置における押圧部材105b、106bはローラ直径φ200mmのものを用いた。
本実施例においては、液吸収部材105a、106aは同じ親水ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製多孔質体を用いた。この多孔質体の平均孔径は0.5μm、ガーレ値は5秒であった。
(実施例2〜9)
以下、実施例2〜9において、実施例1と同じように図1に示す装置を用いて、異なる多孔質体、圧力条件により検討を行った。
(実施例10)
実施例10においては、図7に示す装置において、実施例1と同じ条件で106bの径をローラ直径φ20mmのものを用いた。
(比較例1〜2)
比較例1〜2において、実施例1と同じように図1に示す装置を用いて、異なる多孔質体、圧力条件により検討を行った。
以上の各実施例及び各比較例で用いた液体吸収部材の多孔質体の種類を、吸収体種として以下の表2に示す。それぞれ結晶化したPTFEの乳化重合粒子を圧縮成形し、融点以下の温度で延伸することによりフィブリル化した多孔質体を得た。
また、各液吸収装置105、106における押圧部材105b、106bのローラ径と圧力条件および各液吸収部材105a、106aの組み合わせを以下の表3に示す。
Figure 2017213856
Figure 2017213856
[評価]
各条件において、以下の評価方法により評価を行った。評価結果を表4に示す。本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のAA〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
<色材の付着>
上述した条件における、液吸収部材に対する接触後の色材の付着量を示す。色材の付着は少ないことが好ましい。評価基準は以下の通りである。
A:色材の付着がみられなかった。
B:わずかに色材の付着がみられたが、気にならないレベルであった。
C:色材の付着が大きくみられた。
<吸収量>
転写後の記録媒体を重ねた際に、上に重なった記録媒体の裏側に色材が付着する度合いを評価した。
A:色材の付着がみられなかった。
B:わずかに色材の付着が発生したが、気にならないレベルであった。
C:色材の付着が大きくみられた。
<液吸収部材の耐久性>
上記で得られた多孔質体をベルト状で液吸収部材105aとして繰り返し用いた場合において、1回目との吸収量の差を評価した。差が少ない程、耐久性が高いことを意味する。評価基準は以下の通りである。
AA:10000回の繰り返し後においても、一回目と吸収量に差がみられなかった。
A:1000回の繰り返し後においては、一回目と吸収量に差がみられなかった。10000回の繰り返し後において、わずかに一回目と吸収量に差がみられたが、気にならないレベルであった。
B:1000回の繰り返し後において、わずかに一回目と吸収量に差がみられたが、気にならないレベルであった。
C:1000回の繰り返し後において、大きく一回目と吸収量に差がみられた。
Figure 2017213856
また、転写型ではなく、直接記録媒体に反応液を塗布し、インクを付与する図3に示す直接描画型インクジェット記録装置を用いて同様の実験を行った。図3に示す直接描画型インクジェット記録装置における画像評価においては、記録媒体としてグロリアピュアホワイト紙坪量210g/m(五條製紙株式会社製)を用いた。
記録媒体以外の、反応液組成、反応液付与装置203、インク組成、インク付与装置204、記録媒体の搬送速度、液吸収装置205、206は、実施例1で用いた転写型インクジェット記録装置と同様の条件となっている。
その結果、表4と同じ結果が得られることが確認された。
100 転写型インクジェット記録装置
101 転写体
102 支持部材
103 反応液付与装置
103a 反応液収容部
103b、c 反応液付与部材
104 インク付与装置
105、106 液吸収装置
105a、106a 液吸収部材
105b、106b 液除去用の押圧部材
107 転写用の押圧部材
108 記録媒体

Claims (31)

  1. 被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成ユニットと、
    前記第一の画像と接触する第一の面を有し、前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
    前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記第一の画像を加圧する複数の圧力印加部と、
    を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記複数の圧力印加部は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加部と、該第一の圧力印加部により処理された第一の画像を前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する第二の圧力印加部とを含む、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記複数の圧力印加部は、共通する液吸収部材に対して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記複数の圧力印加部には、異なる液吸収部材に圧力を印加する圧力印加部の1つ以上の組合せが含まれることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第一の圧力印加部における多孔質体の平均孔径よりも、前記第二の圧力印加部における多孔質体の平均孔径の方が大きいことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第一の圧力印加部における多孔質体の平均孔径は0.3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第二の圧力印加部における多孔質体の平均孔径は1μm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第一の圧力印加部における多孔質体のガーレ値G1よりも、前記第二の圧力印加部における多孔質体のガーレ値G2の方が小さいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第一の圧力は、2.0kgf/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記第二の圧力は、前記第一の画像の乾燥物における降伏応力値よりも低いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記画像形成ユニットは、
    前記第一の液体または第二の液体を含む第一の液体組成物を前記被記録体上に付与する第一の付与装置と、
    前記第一の液体または第二の液体と、前記色材とを含む第二の液体組成物を前記被記録体上に付与する第二の付与装置と、
    を含み、
    前記第一の液体組成物及び前記第二の液体組成物の少なくとも一方は、前記第一の液体を含み、
    前記第一の画像は、前記第一の液体組成物及び前記第二の液体組成物の混合物を含み、前記第一の液体組成物及び前記第二の液体組成物よりも粘稠であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記第二の液体組成物は、前記第一の液体として水を含み、前記色材として少なくとも顔料を含む、水性顔料インクであり、前記第一の液体組成物は、前記水性顔料インクに含まれる顔料の分散安定性を低下させる反応液であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記水性顔料インクは、インクジェット法により前記被記録体に付与されることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記被記録体は、前記第一の画像と、前記第一の画像から前記第一の液体を吸収した第二の画像とを一時的に保持し、前記第二の画像を記録媒体上に転写する転写体であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記被記録体は、最終画像を形成するための記録媒体であり、
    前記液吸収部材は、前記記録媒体上で前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を吸収した第二の画像を形成する請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記第一の圧力印加部は、前記被記録体の前記第一の画像を押圧する第一のローラを含み、
    前記第二の圧力印加部は、前記被記録体の前記第一の画像を押圧する第二のローラを含み、
    前記第一のローラのローラ径は、前記第二のローラのローラ径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  16. 被記録体上に水性液体成分と色材とを含むインク像を形成する画像形成ユニットと、
    前記インク像と接触する第一の面を有し、前記インク像から前記水性液体成分の少なくとも一部を吸収することによって、前記インク像を構成するインクを濃縮する多孔質体を有する液吸収部材と、
    前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記インク像を加圧する複数の圧力印加部と、
    を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記複数の圧力印加部は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加部と、該第一の圧力印加部により処理されたインク像を前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する第二の圧力印加部とを含む、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成工程と、
    液吸収部材の有する多孔質体の第一の面を、前記第一の画像に接触させて、前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を該多孔質体により吸収する液吸収工程と、
    を有するインクジェット記録方法であって、
    前記液吸収工程は、前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記第一の画像を加圧する複数の圧力印加工程を有し、
    前記複数の圧力印加工程は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加工程と、該第一の圧力印加工程の後に、前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する圧力印加工程を含む、
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 前記複数の圧力印加工程において共通の液吸収部材を用いることを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  19. 前記複数の圧力印加工程において使用する液吸収部材に1つ以上の異なる液吸収部材の組合せが含まれることを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  20. 前記第一の圧力印加工程における多孔質体の平均孔径よりも、前記第二の圧力印加工程における多孔質体の平均孔径の方が大きいことを特徴とする請求項19に記載のインクジェット記録方法。
  21. 前記第一の圧力印加工程における多孔質体の平均孔径は0.3μm以下であることを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  22. 前記第二の圧力印加工程における多孔質体の平均孔径は1μm以上であることを特徴とする請求項17乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  23. 前記第一の圧力印加工程における多孔質体のガーレ値G1よりも、前記第二の圧力印加工程における多孔質体のガーレ値G2の方が小さいことを特徴とする請求項17乃至22のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  24. 前記第一の圧力は、2.0kgf/cm以下であることを特徴とする請求項17乃至23のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  25. 前記第二の圧力は、前記第一の画像の乾燥物における降伏応力値よりも低いことを特徴とする請求項17乃至24のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  26. 前記画像形成工程は、
    前記第一の液体または第二の液体を含む第一の液体組成物を前記被記録体上に付与する第一の付与工程と、
    前記第一の液体または第二の液体と、前記色材とを含む第二の液体組成物を前記被記録体上に第二の付与工程と、
    を含み、
    前記第一の液体組成物及び前記第二の液体組成物の少なくとも一方は、前記第一の液体を含み、
    前記第一の画像は、前記第一の液体組成物及び前記第二の液体組成物の混合物を含み、前記第一の液体組成物及び第二の液体組成物よりも粘稠である
    ことを特徴とする請求項17乃至25のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  27. 前記第二の液体組成物は、前記第一の液体として水を含み、前記色材として少なくも顔料を含む、水性顔料インクであり、前記第二の液体組成物は前記水性顔料インクに含まれる顔料の分散安定性を低下させる反応液である請求項17乃至26のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  28. 前記水性顔料インクは、インクジェット法により前記被記録体に付与されることを特徴とする請求項27に記載のインクジェット記録方法。
  29. 前記被記録体は、前記第一の画像と、前記第一の画像から前記第一の液体を吸収した第二の画像とを一時的に保持する転写体であり、前記インクジェット記録方法は、前記複数の圧力印加工程の後に、前記第二の画像を記録媒体上に転写する転写工程を有することを特徴とする請求項17乃至28のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  30. 前記被記録体は、最終画像を形成するための記録媒体であり、前記液吸収工程において、前記記録媒体上で前記第一の画像から前記第二の液体の少なくとも一部が除去された第二の画像の形成されることを特徴とする請求項17乃至28のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  31. 被記録体上に水性液体成分と色材とを含むインク像を形成する画像形成工程と、
    液吸収部材の有する多孔質体の第一の面を、前記インク像に接触させて、前記インク像から前記水性液体成分の少なくとも一部を該多孔質体により吸収することによって、前記インク像を構成するインクを濃縮する液吸収工程と、
    を有するインクジェット記録方法であって、
    前記液吸収工程は、前記液吸収部材の多孔質体から形成される第一の面により該第一の面に対向する前記被記録体の前記インク像を加圧する複数の圧力印加工程を有し、
    前記複数の圧力印加工程は、第一の圧力で加圧する第一の圧力印加工程と、該第一の圧力印加工程の後に、前記第一の圧力より高い第二の圧力で加圧する圧力印加工程とを含む、
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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