JP6686107B2 - 液体吸収用多孔質体 - Google Patents
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Description
したがって、本発明の目的は、画像流れが抑制され、高い搬送強度を有する液吸収部材を備えるインクジェット記録装置に用いることができる液体吸収用多孔質体を提供することにある。
前記第一の多孔質層の厚みが前記第三の多孔質層の厚みより小さく、かつ前記第一の多孔質層の表面自由エネルギーが前記第三の多孔質層の表面自由エネルギーより低く、
前記第二の多孔質層は、厚み方向に投影したときに空隙を有することを特徴とする多孔質体からなり、前記第一の多孔質層側を液体の吸収側とする液体吸収用多孔質体が提供される。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
反応液付与装置は、反応液を被記録体上に付与できるいかなる装置であってもよく、従来知られている各種装置を適宜用いる事ができる。具体的には、グラビアオフセットローラ、インクジェットヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。反応液付与装置による反応液の付与は、被記録体上でインクと混合(反応)することができれば、インクの付与前に行っても、インクの付与後に行ってもよい。好ましくは、インクの付与前に反応液を付与する。反応液をインクの付与前に付与することによって、インクジェット方式による画像記録時に、隣接して付与されたインク同士が混ざり合うブリーディングや、先に着弾したインクが後に着弾したインクに引き寄せられてしまうビーディングを抑制することもできる。
反応液は、インクを高粘度化する成分(インク高粘度化成分)を含有する。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している成分である色材や樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク粘度の上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂などのインクを構成する成分の一部が凝集する事により局所的に粘度の上昇を生じる場合も含まれる。このインク高粘度化成分は被記録体上でのインク及び/又はインクを形成している成分の一部の流動性を低下せしめて、第一の画像形成時のブリーディングや、ビーディングを抑制する効果がある。本発明において、インクを高粘度化することを“インクを粘稠する”とも称する。このようなインク高粘度化成分として、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子などの公知のものを用いることができる。中でも、特に多価の金属イオン及び有機酸が好適である。また、複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。尚、反応液中のインク高粘度化成分の含有量は、反応液全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。
インクを付与するインク付与装置として、インクジェットヘッドを用いる。インクジェットヘッドとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等が挙げられる。本発明では、公知のインクジェットヘッドを用いることができる。中でも特に高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。描画は画像信号を受け、各位置に必要な量のインクを付与することにより行われる。
本発明に適用されるインクの各成分について説明する。
本発明に適用されるインクに含有される色材は、顔料を含むことが好ましい。例えば、色材として、顔料又は染料と顔料との混合物を用いることが好ましい。色材として用いることができる顔料の種類は特に限定されない。顔料の具体例としては、カーボンブラックなどの無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系などの有機顔料を挙げることができる。これらの顔料は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
顔料を分散させる分散剤としては、インクジェット用インクに用いられる公知の分散剤を使用することができる。中でも本発明の態様においては構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、公知のものが好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしては、スチレン及びその他のスチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
本発明に適用されるインクは、色材を有しない各種微粒子を含有させた状態で用いることができる。中でも樹脂微粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。
(硬化成分)
本発明では、反応液またはインクのいずれかに活性エネルギー線で硬化する成分を含有することが好ましい。活性エネルギー線で硬化する成分を液吸収工程前に硬化させることで、液吸収部材への色材付着が抑制される場合がある。
本発明に用いる活性エネルギー線の照射により硬化する成分としては、活性エネルギー線の照射により硬化し照射前より不溶性となる成分を用いる。例としては一般的な紫外線硬化樹脂を用いることが出来る。紫外線硬化樹脂は水に溶けないものが多いが、本発明に好適に用いられる水系インクに適応出来る材料としては、その構造に紫外線で硬化可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも有し、且つ親水性の結合基を持つことが好ましい。親水性の結合基としては例えば、水酸基、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基およびこれらの塩、エーテル結合、アミド結合などが挙げられる。
また、本発明に用いられる該硬化する成分は親水性のものが好ましい。
また、活性エネルギー線としては、紫外線、赤外線、電子線などが挙げられる。
さらに、本発明では反応液またはインクのいずれかに重合開始剤を含むことが好ましい。本発明に用いられる重合開始剤は、活性エネルギー線によってラジカルを生成する化合物であればいずれのものでもよい。
さらに、反応速度を向上させるために光の吸収波長を広げる役割を有する増感材を併用することも極めて好ましい形態の一つである。
本発明において用いることのできるインクは界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(アセチレノ−ルE100(商品名)、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
本発明において用いるインクは、溶剤として水及び/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましく、インク全質量に対して50質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いることのできるインクは上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂及びその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
本発明では、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部を、多孔質体を有する液吸収部材と接触させることで吸収し、第一の画像中の液体成分の含有量を減少させる。液吸収部材の第一の画像との接触面を第一の面とし、第一の面に多孔質体が配置される。このような多孔質体を有する液吸収部材は、被記録体の移動に連動して移動し、第一の画像と当接した後、所定の周期で別の第一の画像に再当接する循環して液吸収が可能な形状を有するものが好ましい。例えば、無端ベルト状やドラム状などの形状が挙げられる。
以下に、多孔質体及びその多孔質体の製造方法について説明する。なお、本発明において、多孔質体は多数の孔を有する材料であればよく、例えば、繊維同士が交差することによって形成される孔を多数有する材料も本発明における多孔質体に含まれる。
本発明に係る多孔質体の製造方法は、前記第一の画像と接触し、第一の樹脂を含む第一の多孔質層と、第二の樹脂を含む第二の多孔質層と、第三の樹脂を含む第三の多孔質層と、を積層する工程と、積層された前記第一から第三の多孔質層を加熱する工程と、を有する。前記第二の多孔質層は、厚み方向に投影したときに空隙を有する。また、前記第一、第二および第三の樹脂の軟化温度T1(℃)、T2(℃)およびT3(℃)と、前記第一から第三の多孔質層を加熱する工程における加熱温度T(℃)とが、T2<T、T<T1、かつT<T3の関係を満たす。
第一の多孔質層は、第一の樹脂を含み、第一の画像に直接触れて第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質層である。前記第一の樹脂は特に限定されないが、色材付着抑制及びクリーニング性を高くする観点から、表面自由エネルギーの低いフッ素樹脂であることが好ましい。すなわち、前記第一の多孔質層はフッ素樹脂を含むことが好ましく、フッ素樹脂からなることがより好ましい。フッ素樹脂としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。また、フッ素樹脂以外にも、例えばポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリスチレン等を用いることもできる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。また、第一の多孔質層が材料の異なる複数の膜が積層された構成であってもよい。
第二の多孔質層は第二の樹脂を含み、前記第一の多孔質層と第三の多孔質層とを接着する多孔質層である。前記第二の樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリスチレン、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
第三の多孔質層は第三の樹脂を含み、液吸収部材の剛性を高める多孔質層である。前記第三の樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリスチレン、フッ素樹脂等を用いることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、剛性の観点から、第三の多孔質層としては不織布を用いることが好ましい。
本発明に係る多孔質体の製造方法において、積層された前記第一から第三の多孔質層を加熱する際の加熱温度T(℃)は、T2<T、T<T1、かつT<T3の関係を満たす。これにより、加熱により第二の多孔質層の第二の樹脂のみを溶融させることができ、第一の多孔質層および第三の多孔質層の細孔内部に第二の樹脂を侵入させることができる。したがって、各層間が高い接着強度で接合され、搬送強度が向上する。T1−T≧10℃、T3−T≧10℃、かつT−T2≧10℃の関係を満たすことが好ましく、T1−T≧15℃、T3−T≧15℃、かつT−T2≧15℃の関係を満たすことがより好ましい。
図1は、本実施形態の転写型インクジェット記録装置の概略構成の一例を示す模式図である。
また、上述したクリアインクが第一の画像に含まれている場合においても、液吸収処理によるインクの濃縮を行うことができる。例えば、転写体101上に付与された色材を含有するカラーインクの上にクリアインクが付与されると、第一の画像の表面には全面的にクリアインクが存在しているか、或いは、第一の画像の表面の一箇所または複数箇所にクリアインクが部分的に存在し、他の箇所にはカラーインクが存在する。第一の画像において、カラーインク上にクリアインクが存在している箇所では、多孔質体が第一の画像の表面のクリアインクの液体成分を吸収し、クリアインクの液体成分が移動する。それに伴ってカラーインク中の液体成分が多孔質体側へ移動することで、カラーインク中の液体成分が吸収される。一方、第一の画像の表面にクリアインクの領域とカラーインクの領域が存在している箇所では、カラーインク及びクリアインクのそれぞれの液体成分が多孔質体側へ移動することで液体成分が吸収される。なお、このクリアインクには、転写体101から記録媒体108への画像の転写性を向上させるための成分を多く含ませておいてもよい。例えばカラーインクよりも加熱により記録媒体への粘着性が高くなる成分の含有率を高くしておくことが挙げられる。
転写体101は、画像形成面を含む表面層を有する。表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料が好ましい。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。反応液の濡れ性、転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
転写体101は、支持部材102上に支持されている。転写体の支持方法として、各種接着剤や両面テープを用いてもよい。または、転写体に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付けることで、設置用部材を用いて転写体を支持部材102上に支持してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置は、転写体101に反応液を付与する反応液付与装置103を有する。図1の反応液付与装置103は、反応液を収容する反応液収容部103aと、反応液収容部103aにある反応液を転写体101上に付与する反応液付与部材103b、103cを有するグラビアオフセットローラの場合を示している。
本実施形態のインクジェット記録装置は、反応液を付与された転写体101にインクを付与するインク付与装置104を有する。反応液とインクとが混合されることで第一の画像が形成され、次の液吸収装置105によって第一の画像から液体成分が吸収される。
本実施形態において、液吸収装置105は、液吸収部材105a、および、液吸収部材105aを転写体101上の第一の画像に押し当てる液吸収用の押圧部材105bを有する。なお、液吸収部材105aおよび押圧部材105bの形状については特に制限がない。例えば、図1に示すように、押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aがベルト形状であって、円柱形状の押圧部材105bでベルト形状の液吸収部材105aを転写体101に押し当てる構成であってもよい。また、押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aが円柱形状の押圧部材105bの周面上に形成された円筒形状であって、円柱形状の押圧部材105bで円筒形状の液吸収部材105aを転写体に押し当てる構成であってもよい。
本実施形態において、多孔質体を有する液吸収部材105aを第一の画像に接触させる前に、液吸収部材に湿潤液(処理液とも称する)を付与する前処理装置(図1および2では不図示)によって前処理を施すことが好ましい。本発明に用いる湿潤液は、水及び水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、エタノールやイソプロピルアルコール等の公知の有機溶剤のいずれも用いることができる。本発明に用いる液吸収部材の前処理において、多孔質体への湿潤液の付与方法は特に限定されないが、浸漬や液滴滴下が好ましい。また、この湿潤液の表面張力を調整する成分としては特に制限はないが、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の少なくとも1種を用いることが好ましく、フッ素系界面活性剤を用いることがより好ましい。また、湿潤液中の界面活性剤の含有量は、湿潤液全質量に対して0.2質量%以上であることが好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。また、湿潤液中の界面活性剤の含有量の上限は特に限定されないが、界面活性剤の湿潤液中における溶解性の観点から、湿潤液全質量に対して10質量%以下であることが好ましい。
転写体上の第一の画像を押圧する液吸収部材の圧力が2.9N/cm2(0.3kgf/cm2)以上であれば、第一の画像中の液体成分をより短時間に固液分離でき、第一の画像中から液体成分を除去できるため好ましい。また、上記圧力が98N/cm2(10kgf/cm2)以下であれば、装置への構造上の負荷が抑制できるため好ましい。尚、本明細書における液吸収部材の圧力とは、被記録体と液吸収部材との間のニップ圧を示しており、面圧分布測定器(I−SCAN(商品名)、新田株式会社製)によって面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割り、値を算出したものである。
第一の画像に液吸収部材105aを接触させる作用時間は、第一の画像中の色材が液吸収部材へ付着することをより抑制するために、50ms(ミリ秒)以内であることが好ましい。尚、本明細書における作用時間とは、上述した面圧測定における、被記録体の移動方向における圧力感知幅を、被記録体の移動速度で割って算出される。以降、この作用時間を液吸収ニップ時間と称する。
本実施形態では、第二の画像と記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108とが接触している間に、転写用の押圧部材106が記録媒体108を押圧することによって、記録媒体108上にインク像が転写される。転写体101上の第一の画像に含まれる液体成分を除去した後に、記録媒体108へ転写することにより、カールや、コックリング等を抑制した記録画像を得ることが可能となる。
本実施形態において、記録媒体108は特に限定されず、公知の記録媒体をいずれも用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物、あるいは所定の寸法に裁断された枚葉のものが挙げられる。材質としては、紙、プラスチックフィルム、木板、段ボール、金属フィルムなどが挙げられる。
本実施形態における転写型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図3は図1に示す転写型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図である。
本発明における別の実施形態として、直接描画型インクジェット記録装置が挙げられる。直接描画型インクジェット記録装置において、被記録体は画像を形成すべき記録媒体である。
本実施形態の直接描画型インクジェット記録装置において、記録媒体搬送装置207は特に限定されず、公知の直接描画型インクジェット記録装置において用いられている搬送装置を用いることができる。例として、図2に示すように、記録媒体繰り出しローラ207a、記録媒体巻き取りローラ207b、記録媒体搬送ローラ207c、207d、207e、207fを有する記録媒体搬送装置が挙げられる。
本実施形態における直接描画型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図2に示す直接描画型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図は、図1に示す転写型インクジェット記録装置と同様に、図3に示す通りである。
反応液には、以下に示される組成を有する反応液を用いた。尚、イオン交換水の「残部」は、反応液を構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・グルタル酸 21.0質量%
・グリセリン 5.0質量%
・界面活性剤(商品名:メガファックF444、DIC株式会社製) 5.0質量%
・イオン交換水 残部。
カーボンブラック(商品名:モナク1100、キャボット製)10部、樹脂水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価150、重量平均分子量(Mw)8,000、樹脂の含有量が20.0質量%の水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したもの)15部、純水75部を混合した。この混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離して、粗大粒子を除去することで、顔料の含有量が10.0質量%の顔料分散体を得た。
エチルメタクリレート20部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)3部、及びn−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:130mgKOH/g、重量平均分子量(Mw):7,000)の8質量%水溶液75部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行い、室温冷却後にろ過して、樹脂の含有量が25.0質量%である樹脂微粒子分散体を調製した。
前記顔料分散体及び前記樹脂微粒子分散体を下記各成分と混合した。尚、イオン交換水の「残部」は、インクを構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・顔料分散体 40.0質量%
・樹脂微粒子分散体 20.0質量%
・グリセリン 7.0質量%
・ポリエチレングリコール(数平均分子量(Mn):1,000) 3.0質量%
・界面活性剤:アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル株式会社製) 0.5質量%
・イオン交換水 残部
これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム株式会社製)にて加圧ろ過を行い、インクを調製した。
第一の樹脂を含む第一の多孔質層および第三の樹脂を含む第三の多孔質層として、以下の表1に示されるNo.1から5の多孔質層を準備した。No.1から5の多孔質層は、具体的には以下の方法により作製した。No.1、2及び5の多孔質層は、エレクトロスピニング法を用い、ノズルと電極間に電圧を印加し、溶融した溶液を積層した後に熱プレスすることにより作製した。No.3の多孔質層は、結晶化したPTFEの乳化重合粒子を圧縮成形し、PTFEの融点以下の温度で多軸延伸することによりフィブリル化した多孔質体を得ることで作製した。No.4の多孔質層は、No.3の多孔質層と同様に、結晶化したPPの乳化重合粒子を圧縮成形し、PPの融点以下の温度で多軸延伸することによりフィブリル化した多孔質体を得ることで作製した。
図1に示す転写型インクジェット記録装置を用いた。転写体101は両面テープにより支持部材102の表面に固定されている。厚さ0.5mmのPETシートに、シリコーンゴム(商品名:KE12、信越化学工業株式会社製)を0.3mmの厚さでコーティングしたシートを転写体101の弾性層として用いた。さらに、グリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとをモル比1:1で混合し、加熱還流することで得られる縮合物と、光カチオン重合開始剤(商品名:SP150、ADEKA製)との混合物を調製した。前記弾性層表面の水の接触角が10度以下となるように大気圧プラズマ処理を行った。その後、前記混合物を前記弾性層上に付与し、UV照射(高圧水銀ランプ、積算露光量:5000mJ/cm2)、熱硬化(150℃、2時間)により成膜し、前記弾性層上に厚さ0.5μmの表面層が形成された転写体101を作製した。なお、転写体101の表面は図示しない加熱装置により60℃に維持した。
以下の方法により、各実施例及び比較例において得られた多孔質体の評価を行った。評価結果を表4に示す。本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のA〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
前記画像形成における、液吸収部材105aの搬送時にかかる張力による変形の有無を観察した。評価基準は以下の通りである。
A:塑性変形がみられず、更に高速搬送時により強い張力をかけても塑性変形がみられなかった。
B:塑性変形がみられなかった。
C:塑性変形がみられた。
前記画像形成における、第一の液体を吸収した後の、画像端部における色材の移動量、すなわち画像流れを観察した。評価基準は以下の通りである。
A:繰り返し使用しても画像流れがみられなかった。
B:わずかに画像流れがみられたが、気にならない程度であった。
C:画像流れが大きくみられた。
111 第二の多孔質層
112 第三の多孔質層
Claims (9)
- 第一の樹脂を含む第一の多孔質層と、第二の樹脂を含む第二の多孔質層と、第三の樹脂を含む第三の多孔質層と、をこの順に有し、
前記第一の多孔質層の厚みが前記第三の多孔質層の厚みより小さく、かつ前記第一の多孔質層の表面自由エネルギーが前記第三の多孔質層の表面自由エネルギーより低く、
前記第二の多孔質層は、厚み方向に投影したときに空隙を有することを特徴とする多孔質体からなり、前記第一の多孔質層側を液体の吸収側とする液体吸収用多孔質体。 - 前記第二の樹脂が、前記第一の多孔質層の細孔内部に侵入している請求項1に記載の液体吸収用多孔質体。
- 前記第二の樹脂が、前記第三の多孔質層の細孔内部に侵入している請求項1または2に記載の液体吸収用多孔質体。
- 前記第二の樹脂が、前記第一の多孔質層および前記第三の多孔質層の細孔内部に侵入していることにより、前記第一から第三の多孔質層が互いに接合している請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吸収用多孔質体。
- 前記第二の多孔質層が網状である請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吸収用多孔質体。
- 前記第二の多孔質層が前記第二の樹脂を含む繊維を含み、
前記繊維の平均直径が、前記第一の多孔質層の厚み未満であり、かつ前記第三の多孔質層の厚み未満である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吸収用多孔質体。 - 前記第三の多孔質層の細孔内部に侵入している前記第二の樹脂の質量が、前記第一の多孔質層の細孔内部に侵入している前記第二の樹脂の質量よりも大きい請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体吸収用多孔質体。
- 前記第一の樹脂がフッ素樹脂を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吸収用多孔質体。
- ガーレー値が12.0秒以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体吸収用多孔質体。
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