JP3829167B2 - 吸収体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば紙おむつや生理用品、農業用、園芸用の保水材、あるいは土木用止水材などに適用される吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、例えば紙おむつや生理用品などに適用される吸収体としては、フラッフパルプと粒状の高吸収性ポリマーを組み合わせたものの他に、図5に示すように、2枚の不織布3の間に粉状の高吸収性ポリマー2を介在させたものが用いられていた。
【0003】
ところが、この吸収体1にあっては、その製造の段階で少量の水により表面のみを膨潤させた高吸収性ポリマー2の粘性と、その乾燥処理によって不織布3の接合がなされていることから、当該吸収体1が大量に吸水した場合には、前記高吸収性ポリマー2の膨潤により同不織布3との接合力が大きく低下し、このため、同不織布3が容易に層間剥離を生じるといった不具合を生じていた。
【0004】
このような事情から、一層構造の吸収体が提案されるに至っている。例えば図6に示す吸収体1は、熱融着性繊維5とパルプ繊維6とを含んでおり(具体的には熱融着性繊維:パルプ繊維の含有量の比率は10〜20重量%:90〜80重量%)、これら繊維間に高吸収性ポリマー2が保持されていた。
【0005】
ところがこの場合、熱融着性繊維5は、それ自身では結合力のないパルプ繊維同士を結合させシート化する目的のものであり、従って高吸収性ポリマー2をこれら繊維表面に固着させる目的のものではなく、またそのような効果もなかった。このため、従来の吸収体1にあっては、乾燥時に高吸収性ポリマー2が脱落し易く、また吸水時には同高吸収性ポリマー2の膨潤により同吸収体1自身の強度が低下するという問題があった。このような問題を有するため、従来の吸収体1にあっては、高吸収性ポリマー2を増加させることが困難であり、従って同吸収体1の坪量が限定された場合、大きな吸水量が得られなかった。
【0006】
さらに、この従来の吸収体1にあっては、高吸収性ポリマー2が当該吸収体1表面付近にも存在し、このため同ポリマー2が膨潤した場合、同吸収体1表面にも突出し易く、風合い、感触面において好ましくなかった。特には紙おむつや生理用品など、肌に触れるような用途に適用した場合には、使用者に不快感を与える可能性があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、高吸収性ポリマーが確実に保持されており、しかも親水性が良好で、ソフトな風合い、肌触りの良さが確保されていて、水を含んで膨潤しても層間剥離が生じ難い吸収体を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、繊維状基材と高吸収性ポリマーとからなり、前記繊維状基材中に熱融着性繊維が60〜100重量%の割合で含まれており、前記繊維状基材中に含まれる熱融着性繊維の連続した自らの熱融着によって前記高吸収性ポリマーが熱融着性繊維の表面に保持されている熱融着性吸収シートと、
前記熱融着性吸収シートの少なくとも一方表面に前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されている親水性繊維シートとからなることを特徴とする吸収体をその要旨とした。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記熱融着性吸収シートの一方表面に親水性繊維シートが前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されていると共に、前記熱融着性吸収シートの他方表面に非透液性フィルムが前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されていることを特徴とする吸収体をその要旨とした。
【0010】
請求項3記載の発明は、親水性繊維シートがパルプ不織布であることを特徴とする吸収体をその要旨とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収体を図面に示した一形態に基づいて更に詳しく説明する。まず、本発明の熱融着性吸収シートについて説明する。図1、図2、図3及び図4に示すように、この熱融着性吸収シート12は吸収体11を構成する一材料であり、該シート12の上下に後述する親水性繊維シート13や非透液性フィルム14を重ね合わせて熱処理するだけで、簡単に吸収体11を得ることができるようになっている。
【0012】
この熱融着性吸収シート12は繊維状基材と高吸収性ポリマー22とからなり、前記繊維状基材中に熱融着性繊維15を含んでおり、この熱融着性繊維15の連続した自らの熱融着によって高吸収性ポリマー22が熱融着性繊維15の表面に保持されている。このため、同高吸収性ポリマー22は殆ど脱落することがない。また、同熱融着性吸収シート12は、熱融着性繊維15を介して繊維同士が交点で結合しているので、伸縮性に優れている。前記熱融着性繊維15としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンオクテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系重合体、エチレンテレフタレート共重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレート共重合体、ブチレンイソフタレート共重合体、ポリアミド、スチレン共重合体などの可紡性熱可塑性重合体から選ばれた一種若しくは二種以上の組み合わせからなる樹脂を構成成分とする繊維を好ましい例として挙げることができる。
【0013】
また、熱融着性繊維の形態としては、上記樹脂成分のみからなる繊維の他に、これを鞘成分とする芯鞘型、サイドバサイド型、海島型などの複合繊維を挙げることができる。複合繊維を構成する芯成分としては、鞘成分との軟化点または融点の差が20°C以上のものが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、6−ナイロン、6、6−ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミドなどのポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの可紡性重合体から選ばれた一種若しくは二種以上の組み合わせからなる樹脂を挙げることができる。
【0014】
熱融着性吸収シート12には、同熱融着性吸収シート12を構成する繊維状基材中に上記熱融着性繊維15が60〜100重量%の割合で含まれているのである。この熱融着性繊維15は、自らが熱融着して高吸収性ポリマー22を確実に保持し、また吸収体11を製造するときには、親水性繊維シート13や非透液性フィルム14を接合するという接着剤としての機能を持たせる必要から、60〜100重量%という範囲にその含有量が特定されている。この範囲よりも含有量が少ない場合には、高吸収性ポリマー22を確実に保持できなかったり、当該熱融着性吸収シート12に親水性繊維シート13や非透液性フィルム14を接合したときに層間剥離が生じ易くなってしまったりするといった不具合を生じることになる。
【0015】
尚、熱融着性繊維が100重量%の場合以外の繊維状基材を構成する他の繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリウレタン繊維などを挙げることができ、これらを熱融着性繊維として用いた繊維の種類に応じて適宜選択して使用する。
【0016】
高吸収性ポリマー22としては、吸水倍率が自重の30倍から1000倍の樹脂であり、具体的にはデンプン−アクリル酸共重合体、架橋ポリアクリル酸塩、ビニルエステルと不飽和カルボン酸との共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体架橋物、その加水分解物、架橋カルボキシメチル誘導体、架橋ポリエチレンオキシド誘導体、ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
【0017】
この高吸収性ポリマー22の形態としては、粉粒状、顆粒状、造粒状、鱗片状、塊状、ビーズ状、繊維状など任意であるが、取り扱い性や繊維表面に保持され易さなどの点から粉粒状や繊維状が好ましい。この高吸収性ポリマー22の含有量は、用途や使用状態、使用するポリマーの種類に応じて適宜決定すれば良い。図1に示すように、この高吸収性ポリマー22が前記熱融着性繊維15の連続した自らの熱融着によって、同繊維15の表面に確実に保持されることで熱融着性吸収シート12が構成されているのである。これにより、高吸収性ポリマー22の脱落は殆どなく、また、同高吸収性ポリマー22は、繊維間の隙間で自由に膨潤可能となる。
【0018】
上記熱融着性吸収シート12の目付は、用途や高吸収性ポリマーの量に応じて任意に変化させれば良い。好ましくは高吸収性ポリマー22の目付(g/m2 )に対し、20重量%〜80重量%の範囲である。前記範囲よりも繊維量が多くなると、親水性繊維シート13や非透液性フィルム14を貼り合わせて吸収体11としたときに厚くなったり硬くなったりして風合いが損なわれてしまうことになる。反対に上記範囲よりも繊維量が少ない場合には、前記高吸収性ポリマー22の保持性が低下し、当該吸収シート12を製造するときや取り扱うときに同ポリマー22が脱落してしまう恐れがある。
【0019】
また繊維量が少ない場合には、これを構成する熱融着性繊維の量も少なくなるので、その分高吸収性ポリマー22の保持性も低下し、親水性繊維シート13や非透液性フィルム14を貼り合わせたときの接合力も小さくなってしまうことになる。
【0020】
次に、上記熱融着性吸収シートを用いた吸収体について説明する。図2に示す吸収体11は、前記熱融着性吸収シート12の両表面に親水性繊維シート13を接合したものである。図3に示す吸収体11は熱融着性吸収シート12の一方表面にのみ親水性繊維シート13を接合したものである。親水性繊維シート13は、親水性繊維を構成繊維とする繊維シート、例えば不織布、紙、布などである。親水性繊維としては、パルプ繊維やレーヨン繊維、或いは木綿繊維等の天然繊維の他に、親水性の油剤を付与した合成繊維を挙げることができる。また、親水性シート13に所定の伸度や引張強度を付与するために、親水性繊維の他に同親水性繊維シートに、例えばポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維など通常の合成繊維を加えることもできる。そして、親水性繊維シートの親水性を高めたい場合にはパルプ繊維やレーヨン繊維等の親水性繊維の含有量を多くし、シートの伸度や引張強度を高めたい場合には前述のポリプロピレン繊維などの繊維量を多くしたり、繊維長の長いものを採用すればよい。
【0021】
この親水性繊維シート13が前記熱融着性吸収シート12の両表面または一方表面に同吸収シート12に含まれる熱融着性繊維15の熱融着によって接合されているのである。図2及び図3に示すように、熱融着性吸収シート12の一方表面または両表面に親水性繊維シート13を重ねて上下方向から熱圧着したとき、熱融着性吸収シート12に含まれる熱融着性繊維15の一部又は全部がその熱と圧力とによって溶融状態となる。そして、この熱融着性繊維15と接触している親水性繊維シート13の構成繊維が熱融着し、熱融着性吸収シート12の一方表面または両表面に親水性繊維シート13が接合されるのである。
【0022】
また、親水性繊維シート13は吸水性に優れているので、吸収した水分を素早く熱融着性吸収シート12に移行させることができる。この場合、同親水性繊維シート13の密度を高くすることにより同親水性繊維シート13表面での水分の拡散面積を大きくすることができる。又逆に同密度を低くすることにより、同親水性繊維シート13表面での水分の拡散面積を小さくすることも可能である。これにより、同親水性繊維シート13表面から熱融着性吸収シート12への水分の移行面積を変化させることが可能となる。そしてこの親水性繊維シート13表面から熱融着性吸収シート12へと移行した水分は、同吸収シート12に保持された高吸収性ポリマー22に吸収される。
【0023】
図4に示す吸収体11は、高吸収性ポリマー22を保持した熱融着性吸収シート12の一方表面に親水性繊維シート13を接合する共に、熱融着性吸収シート12の他方表面に非透液性フィルム14を接合したものである。熱融着性吸収シート12の表面に接合された親水性繊維シート13及び非透液性フィルム14は、いずれも前述の熱融着性吸収シート12に含まれる熱融着性繊維15の熱融着によって接合されている。そして、このフィルム14により親水性繊維シート13及び熱融着性吸収シート12が吸収及び保持した水分或いは余剰の水分の同フィルム14側への浸透が防止されるようになっている。
【0024】
ここで非透液性フィルム14としては、ポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムなど非透液性のものならば何でも良い。
【0025】
尚、本発明の吸収体にあっては、熱融着性吸収シートの表面に親水性繊維シートや非透液性フィルムを接合した例に限らず、例えば紙おむつや生理用品の場合、後戻りがしないように、また肌さわり良くする意味で、親水性繊維シートの更に外側に疎水性材料からなるメッシュやティッシュを積層するなど、用途や使用状態に合わせて適宜変更することができる。
【0026】
【実施例】
実施例1
パルプ繊維(N・B・KP)からなる目付が40g/m2 のパルプ不織布の上面に少量の水と共に粉粒状の高吸収性ポリマー(架橋ポリアクリル酸塩系のポリマーで平均粒径が350μmのもの、花王株式会社製)を50g/m2 散布する。次いで、この上に熱融着性繊維(ポリエチレンとポリプロピレンの芯鞘型複合繊維であって鞘成分の融点が105℃のもの、チッソ株式会社製)が60重量%、その他構成繊維が40重量%の割合で含まれる目付が20g/m2 の繊維ウェブ(繊維状基材)を重ね合わせる。この後にこの繊維ウェブ(繊維状基材)上に少量の水と共に再度粉粒状の高吸収性ポリマー50g/m2 を散布し、この上に前述のパルプ不織布と同じものを重ね合わせる。次いで、これらを熱ローラ間に通して熱圧着し、さらにヒータで加熱することで、図2に示す熱融着性吸収シート12の両表面にパルプ不織布13を接合した吸収体11を得た。
【0027】
実施例2
パルプ繊維(N・B・KP)からなる目付が50g/m2 のパルプ不織布の上に熱融着性繊維(ポリエチレンとポリプロピレンの芯鞘型複合繊維であって、鞘成分の融点が105℃のもの、チッソ株式会社製)が100重量%で目付が30g/m2 の繊維ウェブ(繊維状基材)を重ね合わせる。次いでこの繊維ウェブ(繊維状基材)上に少量の水分と共に粉粒状の高吸収性ポリマー(架橋ポリアクリル酸塩系のポリマーで平均粒径が350μmのもの、花王株式会社製)を130g/m2 散布し、この後この上に前述のパルプ不織布と同じものを重ね合わせる。次いで、これらを熱ローラ間に通して熱圧着し、さらにヒータで加熱することで、図2に示す熱融着性吸収シート12の両表面にパルプ不織布13を接合した吸収体11を得た。
【0028】
比較例
パルプ繊維(N・B・KP)からなる目付が50g/m2 のパルプ不織布の上に少量の水と共に粉粒状の高吸収性ポリマー(架橋ポリアクリル酸塩系のポリマーで平均粒径が350μmのもの、花王株式会社製)を100g/m2 散布し、次いでこの上に前述のパルプ不織布と同じものを重ね合わせる。この後、これらを熱ローラ間に通して熱圧着して吸収体を得た。
【0029】
得られた実施例1、実施例2及び比較例の各吸収体について、その剥離強度を測定し、形体安定性を評価したところ、下記表1の結果を得た。
【0030】
【表1】
Figure 0003829167
【0031】
測定及び評価方法剥離強度については、まず各吸収体について各々横25mm×縦200mmの大きさに切断して試験片を作成し、これを株式会社島津製作所製の引張試験機(オートグラフAG50A)にて測定する。このとき、引張試験機のチャックには、先端の親水性繊維シート部を予め強制的に剥しておいた試験片を縦方向に取り付けた。そして、剥した部分にスポイトにて3mlの0.9%NaCl液を注入し、10秒後にこれを上下のチャック間距離50mm、引張速度300mm/minにて測定した。
【0032】
また、形体安定性については、吸収後の各吸収体を測定者が手で掴んだときに、親水性繊維シート部分が剥がれるか、また膨潤した高吸収体ポリマーが同吸収体から押し出されるかという状態を目視で判定したものであり、良いものから順に◎、○、△、×の記号を付すことにした。尚、本試験においては、○及び△については、該当するものがなかった。
【0033】
上記の表1において、剥離強度の比較例の数値は、実際に吸収体の親水性繊維シート部分が剥がれたときの強度であるが、実施例1及び同2の数値は、同親水性繊維シート部分が剥がれる前に同シート自身が破断したときの強度である。
【0034】
これより、従来の比較例に係る吸収体においては、親水性繊維シート部分が極めて容易に剥離したのに対し、本発明の実施例1及び同2に係る吸収体においては、親水性繊維シート部分が破断する程同シート部分と熱融着性吸収シート部分とが強固に熱融着していたことが解る。
【0035】
また形体安定性は、本発明の実施例1及び同2に係る吸収体がいずれも優れるとの判定であるのに対し、従来の比較例に係る吸収体の場合、大きく劣っているとの判定であった。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の吸収体にあっては、繊維状基材と高吸収性ポリマーとからなり、前記繊維状基材中に熱融着性繊維が60〜100重量%の割合で含まれており、前記繊維状基材中に含まれる熱融着性繊維の連続した自らの熱融着によって前記高吸収性ポリマーが熱融着性繊維の表面に保持されている熱融着性吸収シートと、
前記熱融着性吸収シートの少なくとも一方表面に前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されている親水性繊維シートとからなることから、前記熱融着性吸収シートの上下に親水性繊維シートや非透液性フィルムを重ね合わせて熱圧着するだけで、簡単に吸収体を得ることができる。
【0037】
またこの吸収体にあっては、高吸収性ポリマーが繊維状基材中に含まれる熱融着性繊維の連続した自らの熱融着によって前記熱融着性繊維の表面に保持されているので、同高吸収性ポリマーが殆ど脱落することがなく、また、同高吸収性ポリマーは、繊維間の隙間で自由に膨潤が可能なため、同膨潤の阻害が小さく、このため優れた吸収性が確保されている。
【0038】
またこの吸収体にあっては、熱融着性吸収シートの表面に親水性繊維シートが前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されているので、親水性が良好であり、このため水分が素早く高吸収性ポリマーに到達するようになっている。またこの吸収体にあっては、高吸収性ポリマーが表面に突出していないので同ポリマーの膨潤後も表面の風合いは良好である。
【0039】
またこの吸収体は、親水性繊維シートが前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されているので、熱融着性吸収シートと親水性繊維シートとの間で層間剥離が生じ難い。
【0040】
請求項2記載の吸収体にあっては、請求項1記載の吸収体の効果に加え、非透液性フィルムにより、同吸収体の一方表面において水分が浸透しないので他方表面の濡れ防止が可能である。
【0041】
請求項3記載の吸収体にあっては、親水性繊維シートがパルプ不織布であることから、特に親水性が良好であり、風合いがソフトで、肌触りが頗る良い。
【0042】
以上のことから、本発明に係る吸収体は、紙おむつや生理用品はもちろん、農業用、園芸用の保水材あるいは土木用止水材等に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱融着性吸収シートの要部拡大断面図。
【図2】本発明の吸収体の要部拡大断面図。
【図3】本発明の吸収体の別例を示す要部拡大断面図。
【図4】本発明の吸収体のさらに別の例を示す要部拡大断面図。
【図5】従来の吸収体の要部拡大断面図。
【図6】従来のさらに別の吸収体の要部拡大断面図。
【符号の説明】
11・・・吸収体
12・・・熱融着性吸収シート
13・・・親水性繊維シート
14・・・非透液性フィルム
15・・・熱融着性繊維
22・・・高吸収性ポリマー

Claims (3)

  1. 繊維状基材と高吸収性ポリマーとからなり、前記繊維状基材中に熱融着性繊維が60〜100重量%の割合で含まれており、前記繊維状基材中に含まれる熱融着性繊維の連続した自らの熱融着によって前記高吸収性ポリマーが熱融着性繊維の表面に保持されている熱融着性吸収シートと、
    前記熱融着性吸収シートの少なくとも一方表面に前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されている親水性繊維シートとからなることを特徴とする吸収体。
  2. 前記熱融着性吸収シートの一方表面に親水性繊維シートが前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されていると共に、前記熱融着性吸収シートの他方表面に非透液性フィルムが前記熱融着性吸収シートに含まれる熱融着性繊維の熱融着によって接合されていることを特徴とする請求項1記載の吸収体。
  3. 前記親水性繊維シートがパルプ不織布であることを特徴とする請求項1または2記載の吸収体。
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