JP2017213854A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、インク中の液体成分を速やかに除去するため、記録媒体を温風や赤外線等の手段を用いて乾燥する方法や、転写体上で画像を形成し、その後転写体上の画像に含まれる液体成分を熱エネルギー等により乾燥した後、紙等の記録媒体に画像を転写する方法がある。
さらに、転写体上の画像に含まれる液体成分を除去する手段として、熱エネルギーを用いずに、ローラ状の多孔質体をインク画像と接触させてインク画像から液体成分を吸収して除去する方法が提案されている(特許文献1)。
・多孔質体に対して一様に別の液体を付与する工程
・多孔質体に吸収された液体を除去または回収する工程
・多孔質体表面に付着したゴミを除去する工程
しかしながら、特許文献1および2では、吸収体として用いた多孔質体を繰り返し使用する場合における該多孔質体からの液体回収方法について開示されているものの、インク凝集物由来等のゴミが多孔質体に付着することに対するクリーニング等の提案はなされていない。
被記録体にインクを付与して該被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成ユニットと、
前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
を備えるインクジェット記録装置であって、
前記第一の液体を吸収した前記多孔質体に前記インクよりも粘度の低い回復液を付与する回復液付与装置と、
前記多孔質体に吸収された前記第一の液体を回収する液回収装置と、
前記液吸収部材を搬送する液吸収部材搬送装置と、
前記多孔質体をクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
前記液吸収部材の搬送経路には、
前記多孔質体が前記第一の画像から前記第一の液体を吸収する液吸収部と、
前記回復液付与装置によって前記回復液が付与される回復液付与部と、
前記多孔質体に吸収された前記第一の液体が前記液回収装置によって回収される液回収部と、
がこの順に配置され、
前記多孔質体が前記クリーニング部材によってクリーニングされるクリーニング部が、少なくとも前記液吸収部と前記回復液付与部の間および前記液回収部と前記液吸収部の間のいずれか一方に配置される、
ことを特徴とする。
被記録体にインクを付与して第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成工程と、
多孔質体を有する液吸収部材によって前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を吸収する液吸収工程と、
を有するインクジェット記録方法であって、
前記第一の液体を吸収した前記多孔質体に前記インクよりも粘度の低い回復液を付与する回復液付与工程と、
前記多孔質体に吸収された前記第一の液体を回収する液回収工程と、を有し、
前記液吸収部材は、前記液吸収工程と前記回復液付与工程と前記液回収工程とが、この順で繰り返し供され、
前記多孔質体をクリーニング部材によってクリーニングするクリーニング工程を、少なくとも前記液吸収工程と前記回復液付与工程の間および前記液回収工程と前記液吸収工程の間のいずれか一方に有する、
ことを特徴とする。
本実施形態にかかるインクジェット記録装置は、被記録体にインクを付与して被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成ユニットと、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材とを備える。多孔質体を有する液吸収部材を被記録体上の第一の液体と色材とを含む第一の画像と接触させることで、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部が除去される。この結果、紙などの記録媒体が第一の画像中の第一の液体を過剰に吸収することによるカールや、コックリングが抑制される。
反応液付与装置は、インク増粘用の反応液を被記録体上に付与できるいかなる装置であってもよく、従来から知られている各種装置を適宜用いることができる。具体的には、グラビアオフセットローラ、インクジェットヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。反応液付与装置による反応液の付与は、被記録体上でインクと混合(反応)することができれば、インクの付与前に行っても、インクの付与後に行ってもよい。好ましくは、インクの付与前に反応液を付与する。反応液をインクの付与前に付与することによって、インクジェット方式による画像記録時に、隣接して付与されたインク同士が混ざり合うブリーディングや、先に着弾したインクが後に着弾したインクに引き寄せられてしまうビーディングを抑制することもできる。
反応液は、インクを高粘度化する成分(インク高粘度化成分)を含有する。反応液は、インクと接触することでインクを増粘させる。インクの高粘度化とは、インクを構成している成分の一部である色材や樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク粘土の上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂などのインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇を生じる場合も含まれる。インクを構成する成分の一部を凝集する方法として、水性インク中の顔料の分散安定性を低下させる反応液を用いることができる。このインク高粘度化成分は、被記録体上でのインク及び/又はインクを構成している成分の一部の流動性を低下せしめて、第一の画像形成時のブリーディングや、ビーディングを抑制する効果がある。インクを高粘度化することを「インクを粘稠する」とも称する。このようなインク高粘度化成分として、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子などの公知のものを用いることができる。中でも、特に多価の金属イオン及び有機酸が好適である。また、複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることも好適である。なお、反応液中のインク高粘度化成分の含有量は、反応液全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。
また有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等が挙げられる。
インクを付与するインク付与装置としては、インクジェットヘッドを用いる。インクジェットヘッドとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等が挙げられる。本発明では、公知のインクジェットヘッドを用いることができる。中でも、特に高速で高密度の印刷の観点からは、電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。描画は画像信号を受け、各位置に必要なインク量を付与する。
本発明に適用されるインクの各成分について説明する。
本発明に適用されるインクに含有される色材として、顔料又は染料と顔料との混合物を用いることができる。色材として用いることができる顔料の種類は特に限定されない。顔料の具体例としては、カーボンブラックなどの無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系などの有機顔料を挙げることができる。これらの顔料は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
顔料を分散させる分散剤としては、インクジェット用インクに用いられる公知の分散剤を使用することができる。中でも本発明の態様においては構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、公知のものが好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしては、スチレン及びその他のスチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
また、分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散顔料を用いることも好適である。
本発明に適用されるインクは、色材を有しない各種微粒子を含有させて用いることができる。中でも樹脂微粒子は、画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。
本発明に用いることのできる樹脂微粒子の材質としては特に限定されず、公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物、または、これらの単独重合物を生成するためのモノマーを複数組み合わせて重合した共重合物が挙げられる。該樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。またインク中における樹脂微粒子の量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
本発明に用いることのできるインクは界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(商品名:アセチレノールE100、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いるインクは、溶剤として水及び/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましく、インク全質量に対して50質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
用いる水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、エタノール、メタノール、等が挙げられる。もちろん、これらの中から選択した2種類以上のものを混合して用いることもできる。
また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いることのできるインクは、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂及びその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
本発明では、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部を、多孔質体を有する液吸収部材と接触させることで吸収し、第一の画像中の液体成分の含有量を減少させる。液吸収部材の第一の画像との接触面を第一の面とし、第一の面に多孔質体が配置される。このような多孔質体を有する液吸収部材は、被記録体の移動に連動して移動し、第一の画像と当接した後、所定の周期で別の第一の画像に再当接する循環して液吸収が可能な形状を有するものが好ましい。例えば、無端ベルト状やドラム状などの形状が挙げられる。
液吸収部材の多孔質体は、第一の面側の平均孔径が、第一の面と対向する第二の面側の平均孔径よりも小さいものを使用することが好ましい。多孔質体へのインクの色材の付着を抑制するため、多孔質体の孔径は小さいことが好ましく、少なくとも画像と接触する第一の面側の多孔質体の平均孔径は、10μm以下であることが好ましい。なお、平均孔径とは第一の面または第二の面の表面での平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。
本発明において、第一の層の材料は特に限定されることはなく、水に対する接触角が90°未満の親水性材料と、水に対する接触角が90°以上の撥水性材料のいずれも使用することができる。親水性材料の場合、水に対する接触角が40°以下であることがより好ましい。第一の層が親水性材料で構成されている場合、毛管力により水性液体成分、特に水を吸い上げる効果がある。
親水性材料としては、セルロースやポリアクリルアミドなどの単一素材、またはこれらの複合材料などから好ましく選択される。また、下記の撥水性材料の表面を親水化処理して用いることもできる。親水化処理としては、スパッタエッチング法、放射線やH2Oイオン照射、エキシマ(紫外線)レーザー光照射などの方法が挙げられる。
なお、本明細書において、接触角とは、測定液体を対象物に滴下し、その液滴が対象物に接している部分での対象物表面と液滴の接線とがなす角度のことである。測定の技法にはいくつか種類があるが、例えばJIS R3257の「6.静滴法」に記載の技法に準拠して撥水性の測定を行うことができる。
本発明において、第二の層は通気性を有する層であることが好ましい。このような層は樹脂繊維の不織布でもよいし、織布でもよい。第二の層の材料としては、特に限定されないが、第一の層側へ吸収した液体が逆流しないように、第一の層に対して第一の液体との接触角が同等かそれよりも低い材料であることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)などの単一素材、またはこれらの複合材料などから好ましく選択される。また、第二の層は第一の層よりも孔径の大きな層であることが好ましい。
本発明において、多層構造の多孔質体は3層以上の構成であってもよく、限定されない。三層目(第三の層ともいう)以降の層としては剛性の観点から不織布が好ましい。材料としては第二の層と同様なものが用いられる。
液吸収部材には、上記の積層構造の多孔質体以外に、液吸収部材の側面を補強する補強部材を有してもよい。また、長尺のシート形状の多孔質体の長手方向端部を繋いでベルト状の部材とする際の接合部材を有してもよい。このような材料としては非孔質のテープ材などを用いることができ、画像と接触しない位置あるいは周期に配置すればよい。
第一の層と第二の層を積層して多孔質体を形成する方法は、特に限定されることはない。重ね合わせるだけでもよいし、接着剤ラミネートまたは熱ラミネートなどの方法を用いて互いに接着してもよい。通気性の観点から、本発明においては熱ラミネートが好ましい。また例えば、加熱により第一の層または第二の層の一部を溶融させて接着積層してもよい。また、ホットメルトパウダーのような融着材を第一の層と第二の層の間に介在させて加熱により互いに接着積層してもよい。第三の層以上を積層する場合は、一度に積層させてもよいし、順次積層させてもよく、積層順に関しては適宜選択される。加熱工程では、加熱されたローラで多孔質体を挟み込んで加圧しながら、多孔質体を加熱するラミネート法が好ましい。
インクジェット記録装置としては、被記録体としての転写体上に第一の画像を形成し、液吸収部材による第一の液体の吸収後の第二の画像を記録媒体へ転写するインクジェット記録装置と、被記録体としての記録媒体上に第一の画像を形成するインクジェット記録装置とが挙げられる。なお、本発明において、前者のインクジェット記録装置を、以下便宜的に転写型インクジェット記録装置と称し、後者のインクジェット記録装置を、以下便宜的に直接描画型インクジェット記録装置と称する。
以下にそれぞれのインクジェット記録装置について説明する。
図1は、本実施形態の転写型インクジェット記録装置の概略構成の一例を示す模式図で
ある。
転写型インクジェット記録装置100は、第一の画像と、第一の画像から第一の液体の少なくとも一部を吸収除去した第二の画像とを一時的に保持する転写体101を備えている。また、転写型インクジェット記録装置100は、第二の画像を、画像を形成すべき紙などの記録媒体、すなわち目的とする最終画像を形成するための記録媒体上に転写する転写用の押圧部材106を備えている。
支持部材102は、回転軸102aを中心として図1の矢印Aの方向に回転する。この支持部材102の回転により、転写体101が移動される。移動される転写体101上には、反応液付与装置103による反応液、および、インク付与装置104によるインクが順次付与され、転写体101上に第一の画像が形成される。転写体101上に形成された第一の画像は、転写体101の移動により、液吸収装置105が有する液吸収部材105aと接触する位置まで移動される。
そして、第一の画像から液体成分が除去された後の第二の画像は、転写体101の移動により、記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108と接触する転写部に移動される。液体成分が除去された後の第二の画像が記録媒体108と接触している間に、押圧部材106が記録媒体108を押圧することによって、記録媒体上に画像(インク像)が転写される。記録媒体108上に転写された転写後インク像は第二の画像の反転画像である。以降の説明では、上述した第一の画像(液除去前インク像)、第二の画像(液除去後インク像)とは別に、この転写後インク像を第三の画像ということがある。
したがって、以上では、第一の画像から液体成分を除去すると表現して説明しているが、第一の画像のみから液体成分を除去するという限定的な意味合いではなく、少なくとも転写体上の第一の画像から液体成分を除去していればよいという意味合いで用いている。例えば、第一の画像とともに第一の画像の外側領域に付与された反応液中の液体成分を除去することも可能である。なお、液体成分は、一定の形を持たず、流動性を有し、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
また、上述したクリアインクが第一の画像に含まれている場合においても、液吸収処理によるインクの濃縮を行うことができる。例えば、転写体101上に付与された色材を含有するカラーインクの上にクリアインクが付与された場合、第一の画像の表面には全面的にクリアインクが存在する、あるいは、第一の画像の表面の一箇所または複数箇所にクリアインクが部分的に存在し、他の箇所はカラーインクが存在する。第一の画像において、カラーインク上にクリアインクが存在している箇所では、多孔質体が第一の画像の表面のクリアインクの液体成分を吸収し、クリアインクの液体成分が移動する。それに伴ってカラーインク中の液体成分が多孔質体側へ移動することで、カラーインク中の水性液体成分が吸収される。一方、第一の画像の表面にクリアインクの領域とカラーインクの領域が存在している箇所では、カラーインク及びクリアインクのそれぞれの液体成分が多孔質体側へ移動することで水性液体成分が吸収される。なお、このクリアインクには、転写体101から記録媒体への画像の転写性を向上させるための成分を多く含ませておいてもよい。例えばカラーインクよりも加熱により記録媒体への粘着性が高くなる成分の含有率を高くしておくことが挙げられる。
転写体101は、画像形成面を含む表面層を有する。表面層の部材としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料が好ましい。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。反応液の濡れ性、転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
転写体101は、支持部材102上に支持されている。転写体の支持方法として、各種接着剤や両面テープを用いてもよい。または、転写体に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付けることで、設置用部材を用いて転写体を支持部材102上に支持してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置は、転写体101に反応液を付与する反応液付与装置103を有する。図1の反応液付与装置103は、反応液を収容する反応液収容部103aと、反応液収容部103aにある反応液を転写体101上に付与する反応液付与部材103b、103cとを有するグラビアオフセットローラの場合を示している。
本実施形態のインクジェット記録装置は、反応液を付与された転写体101にインクを付与するインク付与装置104を有する。反応液とインクとが混合されることで第一の画像が形成され、次の液吸収装置105により第一の画像から液体成分が吸収される。
本実施形態において、液吸収装置105は、液吸収部材105a、および、液吸収部材105aを転写体101上の第一の画像に押し当てる液吸収用の押圧部材105bを有する。押圧部材105bが作動して液吸収部材105aの第二の面を押圧することで、多孔質体の第一の面を転写体101の外周表面に接触させることにより形成されるニップ部に、第一の画像を通過させることにより、第一の画像からの液吸収処理を行うことができる。ここで、転写体101の外周表面に対して液吸収部材105aの押圧接触を可能とする領域を液吸収処理領域とする。
なお、液吸収部材105aおよび押圧部材105bの形状については特に制限がない。例えば、図1に示すように、押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aがベルト形状であって、円柱形状の押圧部材105bでベルト形状の液吸収部材105aを転写体101に押し当てる構成であってもよい。また、押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aが円柱形状の押圧部材105bの周面上に形成された円筒形状であって、円柱形状の押圧部材105bで円筒形状の液吸収部材105aを転写体に押し当てる構成であってもよい。
以下、液吸収装置105における、各種条件と構成について詳細に述べる。
転写体上の第一の画像に対して押圧する液吸収部材の圧力が2.9N/cm2(0.3kgf/cm2)以上であれば、第一の画像中の液体成分をより短時間に固液分離でき、第一の画像中から液体成分を除去できるため好ましい。なお、本明細書における液吸収部材の圧力とは、被記録体と液吸収部材との間のニップ圧を示しており、面圧分布測定器(商品名:I−SCAN、新田株式会社製)により面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割って、値を算出したものである。
第一の画像に液吸収部材105aを接触させる作用時間は、第一の画像中の色材が液吸収部材へ付着することをより抑制するために、50ms(ミリ秒)以内であることが好ましい。なお、本明細書における作用時間とは、上述した面圧測定における、被記録体の移動方向における圧力感知幅を、被記録体の移動速度で割って算出される。以降、この作用時間を液吸収ニップ時間と称す。
このようにして、転写体101上には、第一の画像から液体成分が吸収され、液体成分の減少した第二の画像が形成される。第二の画像は、次に転写部において記録媒体108上に転写される。
液吸収装置105には、必要に応じて前処理液付与部を有する前処理液付与装置を設けることができる。本実施形態においては、多孔質体を有する液吸収部材105aを第一の画像に接触させる前に、液吸収部材に湿潤液(第三の液体)を付与する前処理付与装置(図1および2では不図示)によって前処理を施すことが好ましい。
湿潤液は、多孔質体の第一の面との接触角が90°未満であり、多孔質体に目的とする液体吸収性を与えることができるものであれば特に限定されない。水性液媒体(水溶性液体)、例えば、水、あるいは水と水溶性有機溶媒との混合物を含有し、界面活性剤を加えてその表面張力を適宜調整して用いることができる。この湿潤液の調製に用いられる材料としては特に制限はないが、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の少なくとも1種を用いることが好ましい。湿潤液は、水及び水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、エタノールやイソプロピルアルコール等の公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。液吸収部材の前処理において、湿潤液の付与方法は特に限定されないが、浸漬や液滴滴下が好ましい。
前処理液付与工程は、液吸収工程の前に行うことが好ましく、液回収工程と液吸収工程の間に行うことがより好ましい。
多孔質体を有する液吸収部材105aを繰り返して使用し、連続印刷を可能とするためには、多孔質体の表面へ付着するゴミの除去や、多孔質体に吸収した液体の除去などを実施することにより、液吸収部材を初期化する工程が必要となる。図6は、図1に示す転写型インクジェット記録装置における液吸収装置105を拡大した模式図である。また、液吸収を行った多孔質体を初期化するための複数の工程を示している。以下、図6を用いて、多孔質体を初期化するための各工程について説明する。
なお、液吸収部材の搬送経路内には、上記各工程において使用する各種ローラ以外の張架ローラ等が配置されていてもよい。以下、液吸収部、液回収部、クリーニング部について詳細に述べる。
液吸収部2では、上述した多孔質体を有する液吸収部材105aを押圧部材105bによって第一の画像に押圧して第一の画像から第一の液体の吸収を行う。
回復液付与部3では、液吸収部材105aの有する多孔質体が繰り返し第一の画像に接触するまでの間に、回復液付与装置を用いて、液吸収部材105aに対して、インクまたは/及び反応液よりも粘度の低い回復液を付与する。液吸収部材を繰り返し使用する場合、液吸収工程2の後であって、液回収工程4の前に、液吸収部材105aに対して回復液を付与することにより、多孔質体内部の液体成分の増粘を抑制し、また、多孔質体内部の液体分布を均一にすることができる。図7では、回復液付与部材11aと、回復液を保持するチャンバー11bと張架ローラ105cとの組み合わせにより回復液付与部を構成する回復液付与装置11が図示されている。
液回収部4では、多孔質体(液吸収部材)105aに吸収された液体成分を液回収装置12によって回収する。液体成分は、公知の手段により多孔質体105aから回収することが可能である。例としては、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、多孔質体を絞る方法等が挙げられる。図6において、12はエアーブロー方式のノズルを模擬しており、多孔質体と第一の画像との接触面である第一の面の裏側である第二の面に対し、ノズル12から噴霧されるエアーが吹き付けられて、多孔質体が保持している液体を飛ばす方法を示している。また別の方式として、負圧を発生させたキャップなどを多孔質体へ接触させて、多孔質体が一旦吸収した液体を除去、または回収する方式を用いることも可能である。
クリーニング部5では、多孔質体の第一の面にクリーニング部材を接触させて、該第一の面に付着したインク等に由来するゴミをクリーニング部材によって除去する。上記のとおり、クリーニング部は、少なくとも、液吸収部と回復液付与部との間(5A)、または、液回収部と液吸収部との間(5C)に配置される。多孔質体へ付着するゴミの種類としては、主に上記のようなインク中に含まれる色材やエマルジョン樹脂などの固形成分ゴミと、ホコリや紙粉などの繊維ゴミなどが想定される。発明者らが検討したところ、インクジェット記録装置の実使用形態のほとんどのケースにおいて、どちらのゴミも液吸収工程のタイミングで多孔質体表面へ付着していることが分かった。さらに、本発明においては、クリーニング工程を実施するタイミングによって、クリーニング性能が変化すること、および、付着するゴミの種類によって、クリーニング性能に影響するパラメータが異なることを見出した。詳細は、実施例において説明する。
なお、多孔質体へ付着するゴミの種類が限定できないケースなどにおいても、少なくとも液吸収部と回復液付与部の間および液回収部と液吸収部の間のいずれか一方にクリーニング工程5を配置することにより、本発明の効果をより得ることができる。
一方で、液回収部と液吸収部との間に配置されるクリーニング部が有するクリーニング部材は、液吸収部材105aが搬送されている間に付着したゴミを除去する。ゴミ付着が少ない場合、該クリーニング部材の二次クリーニングをオフラインで行うことが好ましい。また、間欠的にクリーニング工程を行うことが好ましい。さらに、液回収部と液吸収部との間に配置されるクリーニング部が有するクリーニング部材としては、液吸収部と回復液付与部との間に配置される場合と比較して、柔らかい材料を用いることが好ましい。なお、硬さは圧縮弾性率で示すことが可能であり、公知の手法で測定した値を示す。
本実施形態では、第二の画像と記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108とが接触している間に、転写用の押圧部材106が記録媒体108を押圧することで記録媒体108上に画像(インク像)を転写する。転写体101上の第一の画像に含まれる液体成分を除去した後に、記録媒体108へ転写することにより、カールや、コックリング等を抑制した記録画像を得ることが可能となる。
本実施形態において、記録媒体108は特に限定されず、公知の記録媒体をいずれも用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物、あるいは所定の寸法に裁断された枚葉のものが挙げられる。材質としては、紙、プラスチックフィルム、木板、段ボール、金属フィルムなどが挙げられる。
また、図1において、記録媒体108を搬送するための記録媒体搬送装置107は、記録媒体繰り出しローラ107aおよび記録媒体巻き取りローラ107bによって構成されているが、記録媒体を搬送できればよく、特にこの構成に限定されるものではない。
本実施形態における転写型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図3は、図1に示す転写型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図である。図3において、301は外部プリントサーバー等の記録データ生成部、302は操作パネル等の操作制御部、303は記録プロセスを実施するためのプリンタ制御部、304は記録媒体を搬送するための記録媒体搬送制御部、305は印刷するためのインクジェットデバイスである。
本発明における別の実施形態として、直接描画型インクジェット記録装置が挙げられる。直接描画型インクジェット記録装置において、被記録体は画像を形成すべき記録媒体、すなわち目的とする最終画像を形成すべき記録媒体である。
本実施形態の直接描画型インクジェット記録装置において、記録媒体搬送装置207は特に限定されず、公知の直接描画型インクジェット記録装置における搬送装置を用いることができる。例として、図2に示すように、記録媒体繰り出しローラ207a、記録媒体巻き取りローラ207b、記録媒体搬送ローラ207c、207d、207e、207fを有する記録媒体搬送装置が挙げられる。
本実施形態における直接描画型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図2に示す直接描画型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図は、図1に示す転写型インクジェット記録装置と同様に、図3に示す通りである。
第一の層:平均孔径0.2μm、厚み10μmの撥水PTFE
第二の層:オレフィン製の不織布(商品名:HOP60、廣瀬製紙株式会社製)
回復液としては、純水を使用し、チャンバー11bに保持された回復液を、回復液付与部材11aとしてのゴムローラの表面へ汲み上げて、液吸収部材表面へ付与した。ゴムローラ11aの材質はニトリルゴム(NBR)とした。さらに、本実施例では、液回収工程4において、エアーブロー方式のノズル12を用いて、液吸収部材の第二の面へ、ノズル12から噴霧されるエアーを吹き付け、多孔質体が保持している液体を除去・回収した。
転写体及び液吸収部材の搬送速度:0.3m/sec
粘着ゴムローラ条件;
ゴム材質・硬度:ブチルゴム、30°(アスカーC硬度)
ニップ圧/ニップ幅:9.8N/cm2(1.0kgf/cm2)、6mm
上記条件下での粘着ゴム−多孔質体間の剥離時タック力(ドライ状態):3.9N/cm2(0.4kgf/cm2)
一方、回復液付与工程3→液回収工程4の間にクリーニング工程5を配置した場合(5B)、インク中の固形成分ゴミは除去しきれず、次の出力画像で画像欠陥が見られた。また、繊維上の紙粉ゴミについても十分には除去されていなかった。
液回収工程4→液吸収工程2の間にクリーニング工程5を配置した場合(5C)、インク中の固形成分ゴミについては、除去できている場合と除去できていない場合とが混在した。そのため、表1では△と表記している。一方、繊維上の紙粉ゴミについては、上記の5Aで実施した場合と比べても明らかに優れた結果であった。
上記推定を検証するため、以下の検討を行った。図7に示す液吸収部材を使用して、液吸収部材が保持している液量が少ない状態のまま変化しないように、回復液付与部3を液吸収部材から離間し、さらに液回収部4のエアーブローをOFF状態にした。そして、多孔質体の保持液量を一定とした場合における、インク中の固形成分ゴミのクリーニング性能を確認した。その結果を表3に示す。
2 液吸収部
3 回復液付与部
4 液回収部
5 クリーニング部
6 液吸収部材搬送装置
11 回復液付与装置
11a 回復液付与部材
11b チャンバー
12 液回収装置
13 クリーニング装置
13a 粘着ゴムローラ
13b バックアップローラ
14 ゴミ
100 転写型インクジェット記録装置
101 転写体
102 支持部材
102a 支持部材の回転軸
103 反応液付与装置
103a 反応液収容部
103b、c 反応液付与部材
104 インク付与装置
105 液吸収装置
105a 液吸収部材
105b 液吸収用の押圧部材
105c、d、e 張架ローラ
106 転写用の押圧部材
107 記録媒体搬送装置
107a 記録媒体繰り出しローラ
107b 記録媒体巻き取りローラ
108 記録媒体
109 転写体クリーニング部材
Claims (20)
- 被記録体にインクを付与して該被記録体上に第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成ユニットと、
前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
を備えるインクジェット記録装置であって、
前記第一の液体を吸収した前記多孔質体に前記インクよりも粘度の低い回復液を付与する回復液付与装置と、
前記多孔質体に吸収された前記第一の液体を回収する液回収装置と、
前記液吸収部材を搬送する液吸収部材搬送装置と、
前記多孔質体をクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
前記液吸収部材の搬送経路には、
前記多孔質体が前記第一の画像から前記第一の液体を吸収する液吸収部と、
前記回復液付与装置によって前記回復液が付与される回復液付与部と、
前記多孔質体に吸収された前記第一の液体が前記液回収装置によって回収される液回収部と、
がこの順に配置され、
前記多孔質体が前記クリーニング部材によってクリーニングされるクリーニング部が、少なくとも前記液吸収部と前記回復液付与部の間および前記液回収部と前記液吸収部の間のいずれか一方に配置される、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記画像形成ユニットは、前記インクを付与する前に前記被記録体にインク増粘用の反応液を付与し、
前記回復液は、前記反応液よりも粘度が低い、
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記クリーニング部が、前記液吸収部と前記回復液付与部の間に配置される、ことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記クリーニング部が、前記液回収部と前記液吸収部の間に配置される、ことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記液吸収部材の搬送経路には、前記クリーニング部が2つ以上配置され、該クリーニング部が、前記液吸収部と前記回復液付与部の間および前記液回収部と前記液吸収部の間に配置される、ことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記被記録体は、前記第一の画像と、前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部が除去された第二の画像とを一時的に保持する転写体であり、該転写体上の前記第二の画像が最終画像を形成するための記録媒体に転写される、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記被記録体は、最終画像を形成するための記録媒体であり、該記録媒体上で前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部が除去された第二の画像が形成される、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記クリーニング部材をクリーニングする二次クリーニング部材をさらに備える、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記液回収部と前記液吸収部の間に配置されるクリーニング部が有するクリーニング部材の圧縮弾性率は、前記液吸収部と前記回復液付与部の間に配置されるクリーニング部が有するクリーニング部材の圧縮弾性率より小さい、ことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
- 被記録体にインクを付与して該被記録体上に水性液体成分と色材とを含むインク像を形成する画像形成ユニットと、
前記インク像から前記水性液体成分の少なくとも一部を吸収して前記インク像を構成するインクを濃縮する多孔質体を有する液吸収部材と、
を備えるインクジェット記録装置であって、
前記水性液体成分を吸収した前記多孔質体に前記インクよりも粘度の低い回復液を付与する回復液付与装置と、
前記多孔質体に吸収された前記水性液体成分を回収する液回収装置と、
前記液吸収部材を搬送する液吸収部材搬送装置と、
前記多孔質体をクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
前記液吸収部材の搬送経路には、
前記多孔質体が前記インク像から前記水性液体成分を吸収する液吸収部と、
前記回復液付与装置によって前記回復液が付与される回復液付与部と、
前記多孔質体に吸収された前記水性液体成分が前記液回収装置によって回収される液回収部と、
がこの順に配置され、
前記多孔質体が前記クリーニング部材によってクリーニングされるクリーニング部が、少なくとも前記液吸収部と前記回復液付与部の間および前記液回収部と前記液吸収部の間のいずれか一方に配置される、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 被記録体にインクを付与して第一の液体と色材とを含む第一の画像を形成する画像形成工程と、
多孔質体を有する液吸収部材によって前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部を吸収する液吸収工程と、
を有するインクジェット記録方法であって、
前記第一の液体を吸収した前記多孔質体に前記インクよりも粘度の低い回復液を付与する回復液付与工程と、
前記多孔質体に吸収された前記第一の液体を回収する液回収工程と、を有し、
前記液吸収部材は、前記液吸収工程と前記回復液付与工程と前記液回収工程とが、この順で繰り返し供され、
前記多孔質体をクリーニング部材によってクリーニングするクリーニング工程を、少なくとも前記液吸収工程と前記回復液付与工程の間および前記液回収工程と前記液吸収工程の間のいずれか一方に有する、
ことを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記画像形成工程において、前記インクを付与する前に前記被記録体にインク増粘用の反応液を付与し、
前記回復液は、前記反応液よりも粘度が低い、
ことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。 - 前記クリーニング工程を、前記液吸収工程と前記回復液付与工程の間に有する、ことを特徴とする請求項11または12に記載のインクジェット記録方法。
- 前記クリーニング工程を、前記液回収工程と前記液吸収工程の間に有する、ことを特徴とする請求項11または12に記載のインクジェット記録方法。
- 前記液吸収部材の搬送経路において、前記クリーニング工程を2回以上有し、該クリーニング工程は、前記液吸収工程と前記回復液付与工程の間および前記液回収工程と前記液吸収工程の間で実施される、ことを特徴とする請求項11または12に記載のインクジェット記録方法。
- 前記被記録体は、前記第一の画像と、前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部が除去された第二の画像とを一時的に保持する転写体であり、該転写体上の前記第二の画像が最終画像を形成するための記録媒体に転写される、ことを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記被記録体は、最終画像を形成するための記録媒体であり、該記録媒体上で前記第一の画像から前記第一の液体の少なくとも一部が除去された第二の画像が形成される、ことを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記クリーニング部材をクリーニングする二次クリーニング工程をさらに有する、ことを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記液回収工程と前記液吸収工程の間に実施されるクリーニング工程で用いるクリーニング部材の圧縮弾性率は、前記液吸収工程と前記回復液付与工程の間に実施されるクリーニング工程で用いるクリーニング部材の圧縮弾性率より小さい、ことを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録方法。
- 被記録体にインクを付与して水性液体成分と色材とを含むインク像を形成する画像形成工程と、
多孔質体を有する液吸収部材によって前記インク像から前記水性液体成分の少なくとも一部を吸収することで前記インク像を構成するインクを濃縮する液吸収工程と、
を有するインクジェット記録方法であって、
前記水性液体成分を吸収した前記多孔質体に前記インクよりも粘度の低い回復液を付与する回復液付与工程と、
前記多孔質体に吸収された前記水性液体成分を回収する液回収工程と、を有し、
前記液吸収部材は、前記液吸収工程と前記回復液付与工程と前記液回収工程とが、この順で繰り返し供され、
前記多孔質体をクリーニング部材によってクリーニングするクリーニング工程を、少なくとも前記液吸収工程と前記回復液付与工程の間および前記液回収工程と前記液吸収工程の間のいずれか一方に有する、
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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