JP2017197490A - 乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化安定性に優れた、ベタつきのない乳化化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】 乳化化粧料であって、(A)モノマー単位として、(I)塩基によって中和された、カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸を有する重合性親水性モノマー;1〜30質量%と、(II)下記一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー;10質量%以上とを含む構造であり、主鎖にアクリル鎖を有するアニオン性アクリルシリコーン共重合体、
【化1】

(B)油剤、及び(C)水
を含むものであることを特徴とする乳化化粧料。
【選択図】図2

Description

本発明は、乳化化粧料に関する。
油剤を含む組成物の乳化には界面活性剤が必要であり、シリコーン構造を含む界面活性剤は広く検討が行われてきた。例えば、ポリエーテル変性シリコーンやポリグリセリン変性シリコーンがある(特許文献1〜4)。また、主鎖にアクリル構造を持つグラフト型アクリルシリコーンポリマーは皮膜形成剤として広く使用されてきた(特許文献5)。界面活性剤としての検討も示唆されている(特許文献6、7)。
しかしながら、これらのシリコーン界面活性剤を使用した乳化化粧料は安定性が満足するものではなく、経時で分離や使用感が変化したりする問題があった。また、塗布時にベタつきがある等の問題があり、その解決が求められていた。
特開昭61−212324号公報 特開平05−93136号公報 特開平10−66856号公報 特開2000−53554号公報 特開平10−182356号公報 特開2001−139414号公報 特開2012−72081号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、従来、乳化化粧料に使用されていたシリコーン界面活性剤が持っていた問題を解決するものであり、即ち、乳化安定性に優れた、ベタつきのない乳化化粧料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、乳化化粧料であって、
(A)モノマー単位として、少なくとも、
(I)塩基によって中和された、カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸を有する重合性親水性モノマー;1〜30質量%と、
(II)下記一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー;10質量%以上、とを含む構造であり、主鎖にアクリル鎖を有するアニオン性アクリルシリコーン共重合体、
[上記式(1)中、Xは炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、但しRはSiと結合されている脂肪族基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1〜100の整数を示す。]
(B)油剤、及び
(C)水
を含むものであることを特徴とする乳化化粧料を提供する。
このような乳化化粧料であれば、乳化安定性に優れ、化粧持ちがよく、ベタつきのない、さっぱりとした感触の乳化化粧料となる。
またこの場合、前記(B)油剤がシリコーン油であることが好ましい。
このように、前記(B)油剤がシリコーン油であれば、乳化化粧料の使用感が更に良好なものとなる。
またこの場合、前記(B)油剤が極性油であることが好ましい。
また、本発明では、形態が多相エマルションである乳化化粧料とすることができる。
このように、前記(B)油剤が極性油であれば、得られる乳化化粧料を多相エマルションの形態とすることができる。
また、更に、(D)水系増粘剤を含むものであることが好ましい。
このような(D)水系増粘剤を含む乳化化粧料であれば、乳化物の分離を抑制し、さっぱりとした感触を付与することができる。
また、更に、前記(A)成分以外の(E)界面活性剤を含むものであることが好ましい。
このような(A)成分以外の(E)界面活性剤を含むことで、より使用性にすぐれた乳化化粧料となる。
また、前記シリコーンデンドロン基含有重合性モノマーが下記式から選択されるものであることが好ましい。
このように、前記(II)におけるシリコーンデンドロン基含有重合性モノマーとしては、上記式から選択されるシリコーンデンドロン基含有重合性モノマーが挙げられる。
本発明で使用される(A)成分は様々な油剤を安定に乳化することができ、乳化安定性に優れた乳化化粧料を得ることができ、このような(A)〜(C)成分を含有する乳化化粧料は、乳化安定性に優れ、化粧持ちがよく、ベタつきもなく、さっぱりとした感触の乳化化粧料となる。特に(B)成分として極性油を配合した場合、多相エマルションとすることができる。通常、多相エマルションの製造には多段階の乳化ステップが必要であるが、本発明で得られた多相エマルションは1段階で乳化が可能である。
実施例1のクリームのW/Oエマルションの顕微鏡写真である。 実施例5のクリームの多相エマルションの顕微鏡写真である。 実施例7のクリームの多相エマルションの顕微鏡写真である。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記(A)〜(C)成分を含有する乳化化粧料が、乳化安定性に優れ、化粧持ちがよく、ベタつきもなく、さっぱりとした感触が得られることを見出した。特に、界面活性剤としての(A)中の親水基のカルボン酸、リン酸、スルホン酸が塩基性物質で中和された形で存在すること、アクリルポリマー中でシリコーンがランダムにグラフトした形で存在することで、乳化安定性に優れた効果を発揮することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、乳化化粧料であって、
(A)モノマー単位として、少なくとも、
(I)塩基によって中和された、カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸を有する重合性親水性モノマー;1〜30質量%と、
(II)下記一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー;10質量%以上、とを含む構造であり、主鎖にアクリル鎖を有するアニオン性アクリルシリコーン共重合体、
[上記式(1)中、Xは炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、但しRはSiと結合されている脂肪族基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1〜100の整数を示す。]
(B)油剤、及び
(C)水
を含むものであることを特徴とする乳化化粧料を提供する。以下、(A)〜(C)成分、その他成分について詳細に説明する。
(A) アニオン性アクリルシリコーン共重合体
本発明における(A)成分は、モノマー単位として、少なくとも、(I)塩基によって中和された、カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸を有する重合性親水性モノマー;1〜30質量%、(II)下記で示す一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー;10質量%以上、とを含む構造であり、主鎖にアクリル鎖を有するアニオン性アクリルシリコーン共重合体であり、主鎖にアクリル構造を有し、シリコーンがランダムにグラフトした構造を有するアニオン性アクリルシリコーン共重合体である。
(I)塩基によって中和された、カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸を有する重合性親水性モノマー
本発明の乳化化粧料における(A)成分は、モノマー単位(I)として、カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸を有する重合性親水性モノマーが塩基によって中和された構造単位を有する。
カルボン酸を含有する重合性親水性モノマーとしては(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸、イタコン酸であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸である。
リン酸を含有する重合性親水性モノマーとしてはアシッドホスホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシエチルアクリレート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレートメタクリルアミドホスホン酸、アクリルアミドホスホン酸、メタクリルアミドジホスホン酸、アクリルアミドジホスホン酸などが挙げられ、好ましくはアシッドホスホキシエチルメタクリレート、アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシエチルアクリレート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレートである。
スルホン酸を含有する重合性親水性モノマーとしてはビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル−4−スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が挙げられる。好ましくはビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、特に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましいが、本発明に使用できるスルホン酸基含有不飽和モノマーはこれらに限定されるものではない。
これらの重合性親水性モノマー由来のモノマー単位は、アニオン性アクリルシリコーン共重合体中の1〜30質量%である。1質量%未満、30質量%を超える場合は安定な乳化物が得ることができない。
また、本発明の乳化化粧料は、これらの重合性親水性モノマーの酸部位が、塩基性物質で中和された状態で含有される。中和しない場合、安定性の高いエマルションが得られない。塩基性物質としては、塩が形成されれば下記に特に限定されるものではないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属を含有する塩基性化合物、アミン化合物が挙げられる。好ましくは、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、カリウムアルコキシド、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトシキプロピルアミン、ジイソブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、モルホリン、n―メチルモルホリン等が挙げられる。
(II)下記一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー
本発明の乳化化粧料における(A)成分は、モノマー単位(II)として、下記一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマーの構造単位を有する。
下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー由来の、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー由来の構成単位が親油性基となり、各種油剤への溶解性を高める。また、乳化物中でグラフトしたシリコーン鎖が油相中に安定に存在することによって乳化安定性を高める。
(II)におけるシリコーンマクロモノマーは、下記一般式(1)で示される。
[上記式(1)中、Xは炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、但しRはSiと結合されている脂肪族基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1〜100の整数を示す。]
上記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマーのRは、水素原子またはメチル基であるが、好ましくはメチル基である。
また、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であるが、皮膚に対してより好ましいのはフッ素置換された、または非置換の炭素数1〜6の1価のアルキル基、アリール基である。更に好ましくは皮膚に対する低刺激性、滑り性の観点からメチル基、フェニル基、トリフロロプロピル基であり、もっとも好ましいのはメチル基である。
Xは、炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、好ましくは炭素数6〜8の2価の芳香族基もしくは−COOR−である。2価の芳香族基としては、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、メシチレン基等が例示され、好ましくはフェニレン基である。また、−COOR‐において、RはSiに結合されている脂肪族基であり、カルボニル基は共重合体主鎖の炭素原子に結合されている。Rは例えば−(CH−であり、ここでaは1〜9の整数、好ましくは2〜7の整数、より好ましくは3〜5の整数である。
nは1〜100の整数、好ましくは3〜80の整数、より好ましくは5〜65の整数である。nが上限値100を超えると、(A)の共重合体製造時において重合反応の反応性が低下する場合がある。
(II)におけるシリコーンデンドロンモノマーとしては、下記が挙げられる。

上記一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、または、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー由来のモノマー単位は、アニオン性アクリルシリコーン共重合体中10質量%以上含まれ、好ましくは、10質量%以上、70質量%以下である。
(A)成分を構成する、他のモノマー単位成分としては、ラジカル重合性のビニル基を有するものであり、かかるビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の低級アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の高級アルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド等のアミド基含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリセリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基含有ビニル型単量体;テトラヒドロフルフリル(メタアクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2ーエチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
また、多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物等が例示される。
成分(A)を製造するための重合は、上記モノマーとベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤の存在下に行うことができる。重合方法は、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。これらの中でも、溶液重合法は、得られる重量平均分子量を調べる際のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のグラフの分散と共重合体の重量平均分子量を適宜調製することが容易であることから好ましい方法である。重合の際、用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族系有機溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、デカノール等のアルコール系有機溶剤、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤中で重合反応を行っても良い。しかし、化粧品用途として用いる観点からは、無溶剤、エタノール、又はイソプロパノールを使用することが好ましい。
本発明の乳化化粧料中に含まれる(A)成分は、重合性親水性モノマーの酸部位(カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸)が、塩基性物質で中和された状態でモノマー単位として含有される。中和は、乳化化粧料の調製前に予め、共重合体に対して塩基を反応させることで行っても良いし、また、乳化化粧料の調製の際に塩基と混合することによって行っても良い。
このようにして製造される成分(A)のGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量は700〜300,000が好ましく、特には5000〜200,000が好ましく、より一層好ましくは8000〜100,000である。
(B) 油剤
本発明の乳化化粧料は、1種または2種以上の(B)油剤を含む。(B)油剤としては、通常の化粧料に使用される、固体、半固体、液状の何れの油剤も使用することができる。
本発明で使用される(B)油剤のシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン等の分岐状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状シロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状オルガノポリシロキサン溶液、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。シリコーン油の配合量としては1〜60質量%であり、好ましくは3〜40質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。化粧品に配合が許容される他の油剤を併用して使用してもよい。
極性油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、水添ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等、 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。エステル油の配合量としては1〜60質量%であり、好ましくは3〜40質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。化粧品に配合が許容される他の油剤を併用して使用してもよい。
油剤として極性油を用いた場合、多相エマルションが得られる。この多相エマルションは油性成分中を高せん断ミキサー等で撹拌しながら水性成分を添加、もしくは油性成分と水性成分を同時に高せん断ミキサー等で撹拌することによって得られる。通常、多相エマルションの製造には多段階の乳化ステップが必要であるが、本発明で得られた多相エマルションは1段階で乳化が可能である。
また本発明の乳化化粧料は、(B)油剤として、炭化水素油を含んでいても良い。例えば、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリピロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
また本発明の乳化化粧料は、(C)成分として、水を含むものである。このような(A)〜(C)成分を含む乳化化粧料であれば、乳化安定性に優れ、化粧持ちがよく、ベタつきのない、さっぱりとした感触の乳化化粧料となる。
本発明の乳化化粧料は、(D)水系増粘剤を含むことができる。例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンが挙げられる。水系増粘剤を含むことで乳化物の分離を抑制し、さっぱりとした感触を付与できる。配合量としては0.1〜15質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
さらに、本発明の乳化化粧料は、(A)成分以外の(E)界面活性剤を含むことができる。本発明の乳化化粧料は使用目的に応じて界面活性剤を配合することで、より使用性にすぐれた化粧料となる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤があるが、本発明の乳化化粧料に含まれる(A)成分以外の界面活性剤(E)は特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシエチレン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、分子中にポリグリセリン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、或いはそれぞれのアルキル共変性オルガノポリシロキサンである界面活性剤が好ましい。市販品としては、特に限定されるものではないが、KF−6011、KF−6011P、KF−6043、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6028、KF−6028P、KF−6038、KF-6048、KF−6100、KF−6104、KF−6105(何れも信越化学工業(株)製)等がある。また、HLBが2〜10である界面活性剤が好ましく、配合量は、乳化化粧料全体の0.1〜20質量%であることが好ましく、特に0.2〜10質量%の範囲が好適である。
本発明の乳化化粧料には粉体を含んでも良い。粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素、染料等の着色剤があげられる。
無機粉体の具体例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、シリル化シリカ等が挙げられる。
有機粉体の例としては、ポリアミドパウダー、ポリアクリル酸・アクリル酸エステルパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つ架橋型球状ジメチルポリシロキサン微粉末、架橋型球状ポリメチルシルセスキオキサン微粉末、架橋型球状オルガノポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末、疎水化シリカ、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、脂肪酸デンプン誘導体末、ラウロイルリジン等が挙げられる。
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)の例としては、ウンデシレン酸亜鉛、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。
有色顔料の具体例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
パール顔料の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体が挙げられる。
これらの粉体のうち、本発明においては、少なくとも一部がジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つ架橋型球状ジメチルポリシロキサン微粉末、架橋型球状ポリメチルシルセスキオキサン微粉末、架橋型球状ポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末架橋型球状ジフェニルポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末、疎水化シリカが好ましく、また、フッ素基を有する粉体、着色剤も用いられる。市販品としては、KMP−590、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−105、KSP−300(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
これらの粉体は、粉体の複合化や一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。例えば、フッ素化合物処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などによって事前に表面処理されていてもいなくてもかまわない。必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。また、これらの粉体の配合量は、乳化化粧料全体の99質量%以下の範囲が好適である。特に、粉末化粧料の場合の配合量は、乳化化粧料全体の80〜99質量%の範囲が好適である。
本発明の乳化化粧料は、分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物を含んでも良い。かかる化合物としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等があり、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等があるが、通常は水溶性一価のアルコール、水溶性多価アルコールが多く用いられる。分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物の配合量は、乳化化粧料全体の98質量%以下の範囲が好適である。
本発明の乳化化粧料は、親水性基を有しない架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物を含んでも良い。該架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、アルキルハイドロジェンポリシロキサンを分子鎖末端に反応性ビニル性不飽和基を有する架橋剤と反応することによって得られる。アルキルハイドロジェンポリシロキサンとしては直鎖ないし一部分岐単位を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン、炭素数が6〜20のアルキル鎖がグラフトされたメチルハイドロジェンポリシロキサン等をあげることができる。ケイ素原子に結合した水素原子は、分子中に平均で二つ以上必要である。架橋剤は、メチルビニルポリシロキサンやα、ω−アルケニルジエン等のように、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものがあげられる。これらの例として特許第1925781号、特許1932769号、国際公開WO03−24413、特開2009−185296の各公報に記載されている組成物が挙げられる。該架橋型メチルポリシロキサンを、例えば自重以上の0.65mm/秒(25℃)〜100.0mm/秒(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、エステル油で膨潤させる。また、これらの架橋型オルガノポリシロキサンは市販品としては、特に限定されるものではないが、シリコーン油でペースト状にしたKSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−1610、USG−103、炭化水素油やトリグリセライド油でペースト状にしたUSG−106、KSG−41、KSG−42、KSG−43、KSG−44、KSG−810(何れも信越化学工業(株)製)等がある。該親水性基を有しない架橋型オルガノポリシロキサンと液状油剤からなる組成物の配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜30質量%である。
本発明の乳化化粧料は、さらに親水性架橋型オルガノポリシロキサン重合物と液状油剤からなる組成物を含んでも良い。親水性基としては、ポリエーテル基、ポリグリセリン基が好ましい。該ポリエーテル基及び/又はポリグリセリン基を有する架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、アルキルハイドロジェンポリシロキサンを分子鎖末端に反応性ビニル性不飽和基を有する架橋剤と反応することによって得られる。アルキルハイドロジェンポリシロキサンとしてポリオキシエチレン鎖がグラフトされたメチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリグリセリン鎖がグラフトされたメチルハイドロジェンポリシロキサン等をあげることができ、ケイ素原子に結合した水素原子は、分子中に平均で二つ以上必要である。架橋剤は、メチルビニルポリシロキサンやα、ω−アルケニルジエン、グリセリントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ポリオキシアルキニル化トリメチロールプロパントリアリルエーテル等のように、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものがあげられるが、これらを反応させた架橋物は、少なくとも1つの親水基を有するものである。このような組成物としては、特許2631772号、特開平9−136813号、特開2001−342255号、国際公開WO03/20828、特開2009−185296の各公報に記載されているものが好ましい。架橋型オルガノポリシロキサン重合物を、自重以上の0.65mm/秒(25℃)〜100.0mm/秒(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、エステル油に膨潤させる。また、これらの架橋型オルガノポリシロキサンは市販品としては、特に限定されるものではないが、シリコーン油でペースト状にしたKSG−210、KSG−240、KSG−710、炭化水素油やトリグリセライド油でペースト状にしたKSG−310、KSG−320、KSG−330、KSG−340、KSG−820、KSG−830、KSG−840(何れも信越化学工業(株)製)等がある。また、該親水性架橋型オルガノポリシロキサンと液状油剤からなる組成物の配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜30質量%である。
本発明の乳化化粧料は、(A)成分以外のシリコーン樹脂を含んでも良い。このようなシリコーン樹脂は、SiO単位及び/又はRSiO1.5(Rはアルキル基)を含むシリコーン網状化合物、直鎖状のアクリル/シリコーングラフト、又はこれらのブロック共重合体からなる群より選ばれるものであることが好ましい。直鎖状のアクリル/シリコーングラフト又は前記ブロック共重合体は、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸などのアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を有していてよい。市販品としては、特に限定されるものではないが、シリコーン油や炭化水素油、アルコールに溶解したKP−541、KP−543、KP−545、KP−549、KP−550、KP−571、KP−575、KP−581(何れも信越化学工業(株)製)等が例示される。
前記シリコーン網状化合物は、MQ、MDQ、MT、MDT、MDTQと表されるシリコーン網状化合物であることが好ましい。但しM、D、T、Qは、それぞれ、RSiO0.5単位、RSiO単位、RSiO1.5単位、SiO単位を表す。シリコーン網状化合物は、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有していてよい。市販品としては、特に限定されるものではないが、KF−7312J、KF−7312K、KF−7312T(何れも信越化学工業(株)製)等が例示される。
前記シリコーン樹脂は、低粘度シリコーン油や揮発性シリコーン油、及びその他の溶剤に溶解させたものでもよい。何れも、前記シリコーン樹脂の配合量は、本発明の乳化化粧料の総量に対して樹脂量が0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは1〜10質量%である。
本発明の乳化化粧料は、シリコーンワックスを含むこともできる。このシリコーンワックスは、5員環以上のラクトン化合物の開環重合物であるポリラクトンを結合させたポリラクトン変性ポリシロキサンであることが好ましい。あるいは、このシリコーンワックスは、ピロリドン基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基、フルオロアルキル基から選択された少なくとも一つの官能基を分子中に含有するアクリル変性ポリシロキサンであることが好ましい。市販品としては、長鎖アルキル基を有するワックスとして、KP−561P、KP−562P(何れも信越化学工業(株)製)等が例示される。
あるいは、このシリコーンワックスが、オレフィンワックスと1分子中1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスであることが好ましい。また、オレフィンワックスは、エチレンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるもの、または、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるものであり、このジエンとしては、ビニルノルボルネンが好適である。
何れのシリコーンワックスを選択するにせよ、シリコーンワックスを用いる場合、その配合量は、本発明の乳化化粧料の総量に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、特に1〜10重量%であることが好ましい。
さらに本発明の乳化化粧料には、通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤(有機変性粘土鉱物)、樹脂、制汗剤、保湿剤、防菌防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
前記油溶性ゲル化剤としては、例えばアルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれる1種または2種以上の油溶性ゲル化剤が挙げられる。
前記制汗剤としては、例えばアルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる1種または2種以上の制汗剤が挙げられる。
前記保湿剤としては、例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等から選ばれる1種または2種以上の保湿剤が挙げられる。
前記防菌防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等から選ばれる1種または2種以上の防菌防腐剤が挙げられる。
前記塩類としては、例えば無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、たとえば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等から選ばれる1種または2種以上の塩類が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、更には、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
前記酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等から選ばれる1種または2種以上の酸化防腐剤が挙げられる。
前記美肌用成分としては、例えば胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等から選ばれる1種または2種以上の美肌用成分が挙げられる。
前記ビタミン類としては、例えばビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等から選ばれる1種または2種以上のビタミン類が挙げられる。
前記アミノ酸類としては、例えばグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等から選ばれる1種または2種以上のアミノ酸類が挙げられる。
前記毛髪固定用高分子化合物としては、例えば両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物から選ばれる1種または2種以上の毛髪固定用高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
また、本発明の乳化化粧料としては、上記化粧料成分を配合してなる、乳液、クリーム、クレンジング、パック、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料、メイクアップ下地、コンシーラー、白粉、リキッドファンデーション等のメイクアップ化粧料、シャンプ−、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等が挙げられる。
以下、合成例、及び本発明の乳化化粧料の実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、特に断らない限り、以下に記載する「%」は「質量%」を意味し、各例の全体の質量を100%として各成分の質量%を表す。粘度は25℃での数値である。
(合成例(1)〜(6))
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、イソプロパノール140.0g、下記表1に示した各モノマーと、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0gを入れ、窒素気流下にて攪拌しながら加熱還流した。5時間重合を行った後、減圧下で揮発性成分を留去してシリコーン共重合体(合成例(1)〜(6))を得た。ただし、合成例(3)については揮発成分留去前に水酸化ナトリウム0.6gを精製水5gに溶解させた水溶液を添加して、リン酸部位を中和した。合成例(1)、(2)、(4)で得られたシリコーン共重合体は、カルボン酸、スルホン酸基を有するが、合成例(5)、(6)で得られたシリコーン共重合体は、カルボン酸、リン酸、スルホン酸のいずれの部位も有さないものであった。また、GPCにて数平均分子量(ポリスチレン換算)を求めた。
シリコーンマクロマー (1)
シリコーンマクロマー (2)
シリコーンデンドロンモノマー
(実施例1〜7及び比較例1〜7)
常法(油性成分に水性成分を添加する方法)により、下記表2に示す組成のクリームを調製した。得られたクリームについて、下記方法で官能評価を行った。結果を下記表に示す。
[官能評価方法]
下記表2に示すクリームを皮膚に2g塗付し、十分に馴染ませた後、評価を行った。塗布時のさっぱり感、塗布後のベタつき、40℃一ヶ月後のエマルション安定性について官能評価した。結果を「効果がある」と回答したパネラーの人数により、下記の評価基準で示す。
[評価基準]
◎:4〜5人が効果あると回答
○:3人が効果あると回答
△:2人が効果あると回答
×:効果あると回答したのは1人または0人
上記結果により、アクリルシリコーンの酸部位が塩基(水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン)によって中和されたものを含有する実施例のクリームは比較例のクリームに比べ、乳化経時安定性が高く、さっぱり感があり、べたつきのない軽い感触の化粧料であった。図1に実施例1のW/Oエマルションの顕微鏡写真を、図2に実施例5の多相エマルションの顕微鏡写真を、図3に実施例7の多相エマルションの顕微鏡写真を示した。
(実施例8〜10及び比較例8〜10)
常法により下記油中水型リキッドファンデーションを調製した。得られたリキッドファンデーションについて、下記方法で評価を行った。結果を下記表に示す。
[評価方法]
リキッドファンデーションの50℃3ヶ月後の乳化安定性を目視にて評価した。評価基準を下記に示す。
◎:分離なし
○:上層に僅かに分離あり
△:上層分離
×:上下層分離
さらに、リキッドファンデーション調製後、皮膚に2g塗付し、十分に馴染ませ、評価を行った。色相の均一性、べたつきのなさ、化粧持ちの良さ、塗布時の軽さについて官能評価した。結果を「効果がある」と回答したパネラーの人数により、下記の評価基準で示す。
[評価基準]
◎:4〜5人が効果あると回答
○:3人が効果あると回答
△:2人が効果あると回答
×:効果あると回答したのは1人または0人
上記の結果のようにアクリルシリコーンの酸部位が塩基によって中和されたものを含有する実施例のリキッドファンデーションは比較例のリキッドファンデーションに比べ、乳化経時安定性が高く、色相が均一で粉体の分散安定性が良く、べたつきのない、化粧持ちの優れる、軽い感触の化粧料であった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。
リン酸を含有する重合性親水性モノマーとしてはアシッドホスホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシエチルアクリレート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、メタクリルアミドホスホン酸、アクリルアミドホスホン酸、メタクリルアミドジホスホン酸、アクリルアミドジホスホン酸などが挙げられ、好ましくはアシッドホスホキシエチルメタクリレート、アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシエチルアクリレート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレートである。

Claims (7)

  1. 乳化化粧料であって、
    (A)モノマー単位として、少なくとも、
    (I)塩基によって中和された、カルボン酸、リン酸、又はスルホン酸を有する重合性親水性モノマー;1〜30質量%と、
    (II)下記一般式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー、又は、シリコーンデンドロン基含有重合性モノマー;10質量%以上、とを含む構造であり、主鎖にアクリル鎖を有するアニオン性アクリルシリコーン共重合体、
    [上記式(1)中、Xは炭素数6〜12の2価の芳香族基もしくは−COOR−であり、但しRはSiと結合されている脂肪族基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1〜30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1〜100の整数を示す。]
    (B)油剤、及び
    (C)水
    を含むものであることを特徴とする乳化化粧料。
  2. 前記(B)油剤がシリコーン油であることを特徴とする請求項1に記載の乳化化粧料。
  3. 前記(B)油剤が極性油であることを特徴とする請求項1に記載の乳化化粧料。
  4. 形態が多相エマルションであることを特徴とする請求項3に記載の乳化化粧料。
  5. 更に、(D)水系増粘剤を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乳化化粧料。
  6. 更に、前記(A)成分以外の(E)界面活性剤を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乳化化粧料。
  7. 前記シリコーンデンドロン基含有重合性モノマーが下記式から選択されるものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の乳化化粧料。
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