JP2017122879A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間の使用においても耐久性および保存安定性に優れ、かつ着色力に優れたトナーを提供することにある。【解決手段】重合性単量体およびポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程、とを有するトナー粒子の製造方法において、該重合工程における該水系媒体は、アルミニウム元素を含有する無機微粒子を含有し、該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が、5.0atm%以上70.0atm%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット式記録法による画像形成に使用されるトナー粒子の製造方法に関する。
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置に対する品質要求は厳しく、トナーに要求される性能も高度なものとなっている。特に、フルカラー複写機又はフルカラープリンタなどにおいては、紙種によらず高画質なプリントを実現することが求められており、耐久性および低温定着性の更なる向上が求められている。トナーとしても、より良好な保存性および低温定着性を有することが求められている。
その要求に対して、イソソルバイドおよび1,3−プロパンジオールを含むジオール成分を用いて得られるポリエステル樹脂を用いることで高画質で保存性にも優れたトナーが得られる方法がある(例えば特許文献1)。しかしながら、長期使用においては、耐久性に関して未だ若干の課題が存在している。
また、イソソルビドおよび2種類の2価酸モノマーを用いることで得られるポリエステル樹脂を用いることで帯電性および保存性に優れたトナーを得る方法がある(例えば特許文献2)。しかしながら、長期使用においては、耐久性に関して未だ若干の課題が存在している。
また、特定の触媒を含有し、一定の範囲の酸価を有する極性樹脂を用いて水系媒体中で造粒することで低温定着性、耐高温オフセット性、転写性に優れ、高精細・高品位な画像を安定して得えられるトナーを得る方法がある(例えば特許文献3)。しかしながら、長期使用においてトナー層規制部材やトナー担持体への融着や保存性の点で未だ若干の課題を有している。
特開2012−73304号公報 特許第4740313号 特開2005−62818号公報
本発明の目的は、保存安定性、耐久性および低温定着性に優れたトナー粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、以下の方法を見出した。
すなわち、本発明は、重合性単量体およびポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程、とを有するトナー粒子の製造方法において、
該重合工程における該水系媒体は、アルミニウム元素を含有する無機微粒子を含有し、該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が、5.0atm%以上70.0atm%以下であることを特徴とするトナー粒子の製造方法に関する。
本発明によれば、長期間の使用においても耐久性および保存安定性に優れたトナー粒子を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数を測定した場合の透過率曲線の一例を示す図である。 無機微粒子中のアルミニウム元素の含有の有無による差が本発明で用いられるシェル用ポリエステル樹脂とアルミニウム元素を含有する無機微粒子との相互作用の結果となるものの透過率曲線の一例を示す図である。 トナー粒子1および5〜12のメタノール濡れ性の透過率50%時のメタノール濃度の差について表わした図である。 ポリエステル樹脂を用いずスチレン−アクリル樹脂1を用いた場合(トナー粒子70)の無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素比率の影響を確認した結果を示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、重合性単量体およびポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程、とを有するトナー粒子の製造方法であって、
該重合工程における該水系媒体は、アルミニウム元素を含有する無機微粒子を含有し、該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が、5.0atm%以上70.0atm%以下にしてトナーを製造することで本発明の効果が得られる。
本発明の効果が発現する理由は必ずしも明確にはなっていないが、本発明者らは次のように考えている。
重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る製造方法と適正な材料を用いることでコア−シェル構造を有するトナーが得られる。
その際用いられるシェル用材料としては、一般的にはスチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂などが用いられる。一般的にはトナーの保存性を向上させようとするとシェル用材料を多く含有させる必要が生じる。ただし、シェル用材料の含有量を増加させると低温定着性が悪化する。これは、シェル用材料が耐熱性に優れるため、定着時には逆に定着を阻害する因子として作用するためである。そのため、トナーの保存性と低温定着性を両立させるためにはシェル用材料を可能な限り少量含有させた上で、効率よくトナー粒子表面に分布させる必要が生じる。そこで、シェル用材料を効率よくトナー粒子表面に分布させる方法を検討した結果、以下のことがわかった。具体的には、シェル用材料としてはポリエステル樹脂を用い、トナー粒子を製造する重合工程における該水系媒体中にアルミニウム元素が一定量含有される無機微粒子を含有させてトナー粒子を作製する方法でシェル材料をトナー粒子表面に効率よく分布できた。該無機微粒子中に含有されるアルミニウム元素の割合は、該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が、5.0atm%以上70.0atm%以下にする必要がある。該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が10.0atm%以上50.0atm%以下であるとより好ましい。
これは、ポリエステル樹脂とアルミニウム元素が一定量含有される無機微粒子の親和性が強いためである。トナー粒子を製造する際、重合性単量体およびポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子表面に、水系媒体中の無機微粒子が付着する。その場合、該無機微粒子がアルミニウム元素を規定量含有することで該重合性単量体組成物の粒子中の該ポリエステル樹脂が該無機微粒子に引き寄せられることになる。結果として、該重合性単量体組成物の粒子の表面に(水系媒体に接しているため)ポリエステル樹脂が偏在することになり、効率よくシェル層が形成される。そのため、得られたトナー粒子は低温定着性と保存性を両立することができる。この時アルミニウム元素を含有する無機微粒子は固体であり、イオンなどではないために該ポリエステル樹脂を引き付け、付着しても重合性単量体組成物の粒子内部に引き込まれず、水系媒体との境界面に存在するため、該ポリエステル樹脂をトナー粒子表面に偏在させ、保持できる。
該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が5.0atm%未満であると、該ポリエステル樹脂と該無機微粒子との親和性が不足するため望ましくない。また、該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が70.0atm%超であると、親和性が強すぎるため、重合工程中に該重合性単量体組成物の粒子同士が凝集してトナー粒子が粗大化したり異形化するため望ましくない。
本発明に用いられるアルミニウム元素を含有する該無機微粒子を構成する金属元素中にはアルミニウム以外にカルシウム、バリウム、マグネシウム、亜鉛などの元素を用いることが可能である。特にカルシウム、バリウム、マグネシウムの元素であることが望ましい。特に望ましくはカルシウム、バリウムの元素である。これは、アルミニウム元素の効果を阻害しないためであり、且つポリエステル樹脂との親和性に優れるためである。
また、アルミニウム元素を含有する該無機微粒子の製造方法としては、塩化アルミニウム水溶液などアルミニウム化合物の水溶液にリン酸塩水溶液や硫酸塩水溶液、炭酸塩水溶液などを混合して得られる無機微粒子が望ましい。特に望ましくはアルミニウム化合物の水溶液にリン酸塩水溶液を混合して得られる無機微粒子である。これは、ポリエステル樹脂との親和性が特に優れるためである。加えて、アルミニウム元素との相互作用により電子雲の分布が最適化されているためトナーの粒度分布が良好で、且つ重合反応終了後の酸洗浄などによる無機微粒子の除去工程において容易に除去できるため、トナーの帯電性に優れるため望ましい。
アルミニウム元素を含有する該無機微粒子のゼータ電位としては−10.0mV以上25.0mV以下であると望ましい。これは該無機微粒子のゼータ電位が−10.0mV以上であると該ポリエステル樹脂との親和性が一層強くなり、25.0mV以下であるとトナー粒子間の凝集が抑制されるため異形粒子の生成が抑制されるため望ましい。
<無機微粒子のゼータ電位測定>
アルミニウム元素を有する該無機微粒子のゼータ電位およびゼータ電位の平均値に対する標準偏差の測定はZetasizer Nano ZS(MALVERN社製)と測定条件および測定データを解析するための付属の専用ソフト「Dispersion Technology software 4.20」(MALVERN社製)を用いて算出した。具体的な測定方法は以下の通りである。
無機微粒子を含有する水系媒体の製造が完了した後、水系媒体の一部を抜き取り、30℃で保持した。その後、各実施例の重合時におよそ対応する、ゼータ電位調整またはpH調整を行った。ゼータ電位調整:電荷決定イオン含有水溶液の添加
pH調整:0.1N水酸化ナトリウム水溶液の添加
調整した水系媒体を一部抜き取り、容積10mlのシリンジに移した。次に、シリンジ先端を、イオン交換水で2回共洗いしたゼータ電位測定用キャピラリ−セル(DTS1060−Clear disposable zeta cell)の片方のサンプルポートに挿入し、気泡が発生しないように水系媒体をゆっくり注いだ。液がキャピラリ−部分に隙間なく注入されたことを確認した後、2つのサンプルポートに栓をした。セルを測定装置のセルホルダーに差し込み、検出部の蓋を閉じた。下記の測定条件で測定を行った。
F(ka)selection Model:Smoluchowski
Dispersant:Water
Temperature:重合時の温度(通常は70℃)
Result Calculation:General Purpose
測定終了後、表示される測定結果のレポート画面において「Zeta Potential」の値をゼータ電位の平均値とした。
<無機微粒子の金属元素中のアルミニウム元素比率の定量>
各元素の蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。尚、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中に無機微粒子約4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ約2mm、直径約39mmに成型したペレットを用いる。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。算出式は以下の通りである。
無機微粒子の金属元素中のアルミニウム元素比率[atm%](別名:原子%)=(無機微粒子中のアルミニウム元素の含有量)/(無機微粒子中の全金属元素の含有量)×100
蛍光X線分析法では、アルミニウム元素など金属元素の含有量が既知の酸化物粒子を用いて、蛍光X線分析装置で検量線をそれぞれ作成しておき、この検量線を用いて複合酸化物粒子中のアルミニウム元素など金属元素の含有量を求めるものである。
蛍光X線分析装置によるアルミニウム元素など金属元素の定量は、例えば、以下の手順により実施することが可能である。
(1)先ず、検量線作成用の試料を作製する。スチレンパウダー100質量部に既知量のアルミニウム元素など各金属元素の酸化物を添加して、測定用ペレットを作製する。具体的にはアルミニウム元素の場合は、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化アルミニウムを添加し、酸化アルミニウム用の測定用ペレットを作製する。
(2)作製したペレットをそれぞれ蛍光X線分析装置にて測定し、スチレンパウダー中の酸化アルミニウム或いは他の金属酸化物について、各試料より得られるピーク強度より検量線を作成する。
(3)次に、本発明に使用されるアルミニウム元素を含有する無機微粒子を蛍光X線分析装置で測定し、得られたピーク強度を検量線と照合することにより、アルミニウム元素など金属元素の含有量を定量する。
用いるポリエステル樹脂としては、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを有していると望ましい。これは、該ポリエステル樹脂が下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを有していると剛直性に優れることに加え、アルミニウム元素が一定量含有される無機微粒子との親和性がより強いため、より効率よく、シェル層を形成できるため、トナーの耐久性が優れるためである。
Figure 2017122879
また、水系媒体中において本件のトナーを製造する場合、該ポリエステル樹脂の酸価は、1.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下であると好ましく、1.0mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下であるとより好ましい。これは、該ポリエステル樹脂の酸価は、1.0mgKOH/g以上であると、該ポリエステル樹脂は水相側に分布するため、トナー粒子製造過程においてシェル層の形成がより一層ムラの小さいものになるため保存性等の点で望ましい。また、該ポリエステル樹脂の酸価が30.0mgKOH/g以下であると、シェル層を形成する該ポリエステル樹脂の吸湿性が過剰とはならないため、特に高温高湿環境下において帯電性の点で望ましい。
<該ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル樹脂の酸価の測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
本試験;
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
該重合性単量体中に含有されるスチレンの割合を60質量%以上にし、該ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数が15.0以上27.0以下にすると望ましい。
これは、結着樹脂の構成要素がスチレンをメインとする状態であれば、該ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数が15.0以上であるとポリエステル樹脂の重合性単量体中での溶解性が十分なため顔料分散等が良好となるため望ましい。さらに、結着樹脂との親和性も十分なため均一なシェル層が形成されるため望ましい。また、該ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数が27.0以下であると結着樹脂との相分離が十分となり強固なシェル層を形成するため、トナー層規制部材へのトナーの融着の抑制など耐久性の点で望ましい。
該ポリエステル樹脂が式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有する場合は特に顕著である。
該ポリエステル樹脂はイソソルビドユニットの配向性が強いため、耐久性に優れる。但し、単純に式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有するポリエステル樹脂を用い、重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る製造方法によりトナーを製造しても、顔料の分散性が悪化する。これはイソソルビドユニットの配向性が強いため、該ポリエステル樹脂の自己凝集力が強いためである。それに伴って、前記ポリエステル樹脂の分布も不均一になるため、耐久性、保存安定性および着色力の点で劣るトナーとなってしまう場合が多い。
それに対して、該重合性単量体中に含有されるスチレンの割合を60質量%以上にし、前記ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数が15.0以上27.0以下にすることで着色力にも優れたトナーが得られる。式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有する該ポリエステル樹脂を用い、重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させる過程において、重合反応が進行するに伴い、重合性単量体は減少していく。つまり、重合が進行するに伴い該ポリエステル樹脂の溶媒が減少することになる。従って、該ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数が15.0以上であると、該ポリエステル樹脂が析出してくるタイミングが適度に遅い。その結果析出してきた該ポリエステル樹脂が顔料の分散状態を乱すことがないためトナー粒子の着色力の点で望ましい。また、前記ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数が27.0以下であると、スチレンの割合が60質量%以上の、該重合性単量体から生成するトナー粒子のバインダー樹脂との相分離性が十分であり、シェル層が十分な厚みになるため耐久性の点で望ましい。
前記ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数を調整する方法としては前記ポリエステル樹脂のモノマー組成を変更することが最も影響が大きい。その他には前記ポリエステル樹脂の酸価や分子量を変えることで多少変化させられる。ただし、かなり大きく変動させなければ、モノマー組成の変更と比較して影響は小さい。前記ポリエステル樹脂のモノマー組成の変更によりスチレン−ヘキサン溶解度指数を調整する場合、該ポリエステル樹脂がイソソルビドユニットを有する場合、イソソルビドユニットの比率により変更することが可能である。更には、エチレングリコールなど分子量が低いモノマーを用い、その比率を調整することで、前記ポリエステル樹脂のエステル濃度を変えることでも調整することが可能である。
また、前記ポリエステル樹脂がテレフタル酸ユニットを含有し、該テレフタル酸ユニットの含有量が、全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として85.00mol%以上であると望ましく、95.00mol%以上であるとより望ましく、100.00mol%であるとより一層望ましい。
これは、フタル酸やイソフタル酸、脂肪族系ジカルボン酸と比較して、分子構造として、対称性および直線性が高いテレフタル酸を高い比率で用いることで、得られるポリエステル樹脂の配向性が高まり、剛直な分子となるためである。特に、該テレフタル酸ユニットの含有量が、全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として100.00mol%であるとポリエステル樹脂の組成ムラが小さくなるため強固なシェルを形成できるので望ましい。また、該テレフタル酸ユニットの含有量が、全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として100.00mol%であるとテレフタル酸の配向性の高さから、ベンゼン環由来のπ電子相互作用が強く発現し、より分子の配向性が高く耐久性が向上すること、帯電性的にも優れることになり望ましい。
前記ポリエステル樹脂イソソルビドユニットを有する場合、含有される前記イソソルビドユニットの含有量が、全モノマーユニットを基準として0.10mol%以上20.00mol%以下であると望ましく、0.50mol%以上10.00mol%以下であるとより望ましく、1.00mol%以上8.00mol%以下であるとより一層望ましい。
これは、イソソルビドユニット同士の配向性が非常に高く、得られるポリエステル樹脂の剛直性が向上するためである。前記ポリエステル樹脂に含有される前記イソソルビドユニットの含有量が、全モノマーユニットを基準として0.10mol%未満であると、得られるポリエステル樹脂の剛直性が不十分であるため望ましくない。20.00mol%超であると溶解性が悪く、顔料の分散状態を乱し、着色力が低くなるため望ましくない。
前記ポリエステル樹脂がイソソルビドユニットを有する場合、エチレングリコールユニットを含有し、エチレングリコールユニットが全アルコールモノマーユニットを基準として5.00mol%以上43.00mol%以下であると望ましく、15.00mol%以上43.00mol%以下であると望ましい。
前記ポリエステル樹脂がイソソルビドユニットを有する場合、エチレングリコールユニットを含有し、エチレングリコールユニットが全アルコールモノマーユニットを基準として5.00mol%以上43.00mol%以下であると、得られるポリエステル樹脂が、イソソルビドユニットによる剛直性だけでなく、エチレングリコールユニットによる柔軟性も有することになり、耐久性に優れるため望ましい。更にはイソソルビドユニットとエチレングリコールユニットの極性の強さから水系媒体中でトナー粒子形成をした際、ポリエステル樹脂がシェル層を形成するため耐久性に優れ、かつシェルを形成するポリエステル樹脂の極性が適度になることからトナーの帯電性に優れるため望ましい。
従って、イソソルビドユニットを有するポリエステル樹脂に用いられる脂肪族系ジオール化合物としては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールやネオペンチルグリコールなどを用いても良い。但し、これらの脂肪族系ジオール化合物のように、水酸基が結合する炭素原子もしくはその隣の炭素原子にメチル基などアルキル基が結合した分岐構造を有するものは分岐のアルキル基による立体障害が生じる。そのため、これらの脂肪族系ジオール化合物としては、ポリエステル樹脂の柔軟性の点でエチレングリコールを用いることが望ましい。また、炭素数が3以上の直鎖構造のジオール化合物ではポリエステル樹脂の柔軟性が過剰となり易い。そのため、イソソルビドユニットを有する場合、ポリエステル樹脂に用いられる脂肪族系ジオールとしてはエチレングリコールが望ましい。
前記ポリエステル樹脂がイソソルビドユニットとエチレングリコールユニットの和が全アルコールモノマーユニットを基準として20.00mol%以上65.00mol%以下であると、特に上述の効果が大きく、長期使用においてもカブリや画像濃度の低下を抑制できるため望ましい。
これは、該ポリエステル樹脂の構成ユニットのうちイソソルビドユニットとエチレングリコールユニットが特に極性が強く、シェル形成に大きく影響を与えるためである。該ポリエステル樹脂が強固なシェルを形成するのに必要であり、かつ高温高湿環境下での適度な吸湿性を有するのに適度な極性を有することになるため耐久性、帯電性の点で望ましい。
また、重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成した際、該重合性単量体組成物中において該ポリエステル樹脂の分子が、イソソルビドユニットとテレフタル酸ユニットによる配向性の強さに加え、エチレングリコールユニットにより分子に適度に自由度を与えることで該ポリエステル樹脂の分子が重合性単量体組成物中において適度に分子が広がり、分子サイズが適度な大きさになる。その結果、配向性が強すぎることで分子サイズが小さくなり、溶媒分子として機能する重合性単量体に対して溶解性が低すぎるということがなくなる。且つまた、分子の自由度が高すぎて分子サイズが大きすぎる状態になり、顔料が枯渇凝集するといったことがない。そのため、トナー粒子の着色力が高い状態で維持した上で、分子の配向性が適度に強いことから、十分な強度を有するシェル層が形成するため耐久性と着色力に優れたトナーが得られる。
特に、前記ポリエステル樹脂がイソソルビドユニットとエチレングリコールユニットの和が全アルコールモノマーユニットを基準として15.00mol%以上50.00mol%以下であり、該テレフタル酸ユニットの含有量が、全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として100mol%である場合上述の効果が大きく、トナーの着色力が高く、現像剤担持体やトナー層規制部材へのトナーの汚染が抑制され好ましい。
<該ポリエステル樹脂およびトナーの結着樹脂の構造分析>
該ポリエステル樹脂の構造決定は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)並びにFT−IRスペクトルを用いて行うことができる。以下に用いる装置について記す。
各樹脂サンプルはトナー中から分取することで採取し、分析しても良い。
(i)1H−NMR、13C−NMR
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
(ii)FT−IRスペクトル
Thermo Fisher Scientific Inc.製 AVATAR360FT−IR
<スチレン−ヘキサン溶解度指数の測定>
本発明で規定するスチレン−ヘキサン溶解度指数とは、ポリエステル樹脂を良溶媒であるスチレンに溶解させたものに貧溶媒であるヘキサンを添加していった時にポリエステル樹脂成分が析出し始めるヘキサンの添加量で規定されるものである。本発明のトナーの製造方法においては重合性単量体に含有されるスチレンの割合が60質量%以上とスチレンが多く含まれている。そのため、スチレンを多く含む重合性単量体中にポリエステル樹脂が溶解している状態から重合反応が進行し、重合反応の進行とともにスチレンを含む重合性単量体が減少していく。ポリエステル樹脂のスチレン溶液にヘキサンを添加していくことは、ポリエステル樹脂のスチレン溶液のスチレンの割合が減少することになり、実際の重合反応の状態変化に前記スチレン−ヘキサン溶解度指数は相当することになる。従って、前記スチレン−ヘキサン溶解度指数が小さい程重合反応初期にポリエステル樹脂が析出してくることを表す。
また、この測定において無極性溶媒であるヘキサンを用いることで、極性が高いポリエステル樹脂ほどヘキサンの添加量が少ない段階で析出することになる。従って、前記スチレン−ヘキサン溶解度指数が小さい程水相側のトナー表層側に重合反応の進行に伴い析出したポリエステル樹脂が存在することを示す。
(サンプル作製)
ポリエステル樹脂4.0質量部をスチレン 100.0質量部に溶解させたスチレン溶液(液温25℃)を調製する。樹脂を溶解して12時間以上24時間未満放置したものをサンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45μm)で濾過してスチレン不溶分を濾別し、濾液を測定用試料とする。
(測定方法)
測定装置としては、例えば(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−101Pが挙げられる。具体的な測定操作としては、前記作製した測定試料をトールビーカー容器中に入れ、滴下試薬としてはn−ヘキサンとし、ヘキサン滴下透過率曲線を用いて測定する。
次に、この測定用サンプル液を280乃至300rpmの速度で撹拌しながら、n−ヘキサンを0.8ml/minの滴下速度で連続的に添加し、波長780nmの光で透過率を測定し、n−ヘキサン滴下透過率曲線を作成する。得られたn−ヘキサン滴下曲線から光の透過率が50%の時点におけるn−ヘキサン濃度をポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数とする。その代表的な一例の透過率曲線模式図を図1に示す。尚、この測定において、トールビーカーとしては、直径5cmの円形で、厚さ1.75mmのガラス製のものを用い、スターラーとして、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形でありフッ素樹脂コーティングを施されたマグネティックスターラーを用いた。
該ポリエステル樹脂のトナー中における含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量%以上20.0質量%以下であると好ましく、1.0質量%以上15.0質量%以下であるとより好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であるとより一層好ましい。
これは、該ポリエステル樹脂のトナー中における含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量%以上であるとトナーの表面においてシェル層を形成するのに十分であり、耐久性、保存性の点で望ましい。また、20.0質量%以下であるとトナーの着色力において顔料の分散状態を維持し易く、且つ定着性の点でも望ましいためである。
また、該ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は5000以上25000以下が望ましく、8000以上20000以下がより望ましい。
これは、該ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は5000以上であると該ポリエステル樹脂が分子として強靭であるため耐久性の点で望ましい。また、該ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が25000以下であると該ポリエステル樹脂の溶解性の点でも分子サイズの点でも大きすぎないため、トナーの着色力の点で望ましい。
<該ポリエステル樹脂の分子量および分子量分布>
該ポリエステル樹脂の分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出される。酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
GPCによる分子量の測定は、以下のようにして行う。まず、室温で24時間かけて、測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
測定サンプルの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
特に、前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が8000以上20000以下でかつ酸価が1.0mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下であると望ましい。これは適度に強固なポリエステル樹脂が適度な極性を有することで強固なシェルを形成するため、トナーの保存性と帯電性に優れるため望ましい。
また、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は65℃以上85℃以下が望ましい。これは、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は65℃以上であると耐熱性が高く保存性の点で望ましい。また、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が85℃以下であるとトナーの定着性の点で望ましい。
<ポリエステル樹脂のガラス転移温度>
本発明のトナー粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)を用いて測定する。
示差走査熱量計は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて以下のように測定する。測定サンプルは2から5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用いる。20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20乃至180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。本発明においては、ガラス転移温度は中点法で求めることができる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
特に好ましい製造方法は、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際のポリエステルの組成について以下に説明する。
ポリエステルは、全成分中43〜57mol%がアルコール成分であり、57〜43mol%が酸成分であることが好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂を製造する上で、本発明の効果を阻害しない限り、式(1)で示されるイソソルビドもしくはイソソルビド誘導体以外にも公知のアルコール成分を用いることができる。アルコール成分としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(I)
Figure 2017122879
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)で示されるビスフェノー誘導体、又は下記式(II)
Figure 2017122879
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
特に好ましいアルコール成分としては前記(I)式で示されるビスフェノール誘導体、エチレングリコールであり、酸成分としては、テレフタル酸、又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。特にテレフタル酸が好ましい。
該ポリエステルユニットは、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂の効果の発現を効率良く行うという観点から、3価以上のポリカルボン酸は全酸モノマーユニットを基準として、10.00.mol%以下であると望ましい。また同様に、3価以上のポリオールは全アルコールモノマーユニットを基準として、10.00.mol%以下であると望ましい。
これは、3価以上のポリカルボン酸は全酸モノマーユニットを基準として、10.00.mol%以下であると、架橋による不溶分が少ないため顔料分散性の点で望ましい。また、不溶分を生成しないように製法を工夫した場合でも、分岐型のポリエステル樹脂の割合が少なく、強度に優れるため耐久性の点で望ましい。
<トナー粒子表面でのポリエステル樹脂の存在量に対する無機微粒子の影響の確認>
ポリエステル樹脂がトナー粒子表面に存在する比率が増大する程、トナー粒子表面の疎水化度が低下するため、メタノール濡れ性試験において疎水化度を測定した。トナー粒子についてメタノール濡れ性の測定を行い、疎水化度を求めた。疎水化度が小さいほど、極性樹脂であるポリエステル樹脂がトナー粒子表面に分布していることとなる。
本発明においては、トナー粒子の疎水化度は、下記のようにして得たメタノール滴下透過率曲線から求める。
まず、イオン交換水70mlを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行う。
次いで、トナー粒子を目開き500μmのメッシュで振るい、メッシュを通ったトナー粒子0.1gを精秤して、上記イオン交換水が入れられた容器の中に添加し、測定用サンプル液を調製する。
そして、測定用サンプル液を粉体濡れ性試験機「WET−101P」(レスカ社製)にセットする。この測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、6.7s-1(400rpm)の速度で撹拌する。尚、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ25mm、最大胴径8mmの紡錘型回転子を用いる。
次に、この測定用サンプル液中に、上記装置を通して、メタノールを0.8ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定し、図2に示したようなメタノール滴下透過率曲線を作成する。
得られたメタノール滴下曲線から光の透過率が50%の時点におけるメタノール濃度に関して、無機微粒子中のアルミニウム元素の含有の有無による差が本発明で用いられるシェル用ポリエステル樹脂とアルミニウム元素を含有する無機微粒子との相互作用の結果となるものの代表的な一例の透過率曲線模式図を2に示す。
(ワックス)
本発明のトナーは、ワックスを含有してもよい。その場合、ワックスの少なくとも1つは、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30℃以上120℃以下であることが好ましく、50℃以上100℃以下であることがより好ましい。また、室温で固体のワックスであることが好ましく、特に、融点が50℃以上100℃以下の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性及び耐オフセット性の点から好ましい。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びフィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びキャンデリラワックス等の天然ワックス及びそれらの誘導体、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体など公知のワックスを用いることが可能である。これらは単独又は併せて用いることができる。
本発明のトナー中のワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、3質量部以上30質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましく、4質量部以上15質量部以下が更に好ましい。ワックスの添加量が下限値以上であるとオフセット防止効果が低くならず、上限値以下の場合は耐ブロッキング効果が低下せず、耐オフセット効果にも悪影響を与え難く、トナーのドラム融着やトナーの現像スリーブ融着を起こし難い。
本発明で用いられるワックスとしては炭化水素ワックスを用いている場合はより一層、耐ブロッキング効果、耐オフセット効果に優れ、トナーのトナー層規制部材やトナー担持体への融着を起こし難い。これは、本発明に用いられるポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数の測定に用いられる貧溶媒が炭化水素であるn−ヘキサンであることから、同じ炭化水素である炭化水素ワックスとの相性をも示唆することになるためである。また、ポリエステル樹脂のスチレン−ヘキサン溶解度指数が15.0以上27.0以下であると炭化水素ワックスがトナー表面から露出することを抑制できる程度の相分離性を有し、定着時にワックスの染み出しを妨げない程度にはポリエステル樹脂は炭化水素ワックスと親和性を有するためである。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、ワックスをトナーから抽出することを必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法を用いることができる。例えば、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。その後、IR法などにより同定分析をする。
また、定量に関しては、DSCなどにより定量分析を行う。本発明ではTAインスツルメンツジャパン社製DSC−2920を用いて測定を行う。
測定時の比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移点とする。また、得られた昇温時のDSC曲線からワックス成分の最大吸熱ピーク温度を得る。
(荷電制御剤)
本発明のトナーにおいては、公知の荷電制御剤を使用することができる。荷電制御剤の含有量は、トナー中の結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(顔料)
本発明のトナーは、着色剤として顔料を含有する。シアン系着色剤に用いられる顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、並びに、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4。
マゼンタ系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物及びペリレン化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264及びC.I.ピグメントレッド269。
イエロー系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物及びアリルアミド化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180及びC.I.ピグメントイエロー185。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、並びに、上記イエロー系、マゼンタ系及びシアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
顔料がカーボンブラック、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー180及びC.I.ピグメントイエロー185であると本発明の効果が高く望ましい。理由は定かではないが、イソソルビドユニットとの親和性が高いためと思われる。特にカーボンブラックの場合は、pHが6以上で吸油量(DBP)が30(cc/100g)以上120(cc/100g)以下であると好ましい。
これら顔料の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のトナーにおいては、本発明の効果を阻害しない範囲で各種特性付与を目的として公知の様々な無機、有機の添加剤を用いることが可能である。用いる添加剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の3/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、走査型電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。
これら添加剤の含有量は、トナー100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.02質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
これらの添加剤は、単独で用いても複数併用してもよい。
また、これらの添加剤は疎水化処理されていてもよい。疎水化処理の方法としては、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤など各種カップリング剤を用いることが可能であるが、シリコーンオイルで疎水化度を高くすることが好ましい。高湿下での無機微粉体の水分吸着を抑制することができ、さらには、規制部材や帯電部材などの汚染が抑制することができるため、高品位の画像が得られるためである。
トナーの重量平均粒径(D4)としては4.0μm以上12.0μm以下であると望ましく、4.0μm以上9.0μm以下であるとより望ましい。これは重量平均粒径が4.0μm未満であるとトナーの比表面積が大きいため長期使用において耐久性や耐熱性において問題が発生しやすく、重量平均粒径が12.0μmを超える場合はトナーの着色力及び画像の解像度の点で劣るため望ましくない。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下までに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)、体積基準メジアン径、個数基準メジアン径を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、「中位径」が体積基準メジアン径(Dv50)である。また、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)であり、「中位径」が個数基準メジアン径(Dn50)である。
トナー粒子のガラス転移温度としては53℃以上75℃以下が望ましい。トナー粒子のガラス転移温度が53℃以上75℃以下であると、保存性と定着性が両立するため望ましい。
<トナー粒子のガラス転移温度>
本発明のトナー粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)を用いて測定する。
示差走査熱量計は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて以下のように測定する。測定サンプルは2から5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用いる。20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20乃至140℃の間で、1.0℃/minのモジュレーションをかけて、昇温速度1℃/minで測定を行う。本発明においては、ガラス転移温度は中点法で求めることができる。
トナー粒子の平均円形度としては平均円形度が0.975以上が望ましい。これはトナー粒子がトナー粒子間やトナー担持体、トナー層規制部材と均一に摩擦帯電する確率が高く、トナー粒子が受けるストレスも均一化されるためである。そのため、帯電性や、トナー層規制部材への融着の点で望ましい。
<トナー粒子の平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.977μm以上39.54μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.977μm以上39.54μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
〔重合性単量体〕
本発明に用いられる重合性単量体としては、スチレン以外にもラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いても良い。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組合せて使用する。
スチレン以外に用いる重合性単量体としてはスチレン誘導体、n−ブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステル系重合性単量体もしくはn−ブチルメタクリレートや2−エチルヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル系重合性単量体が望ましい。これは重合性単量体を重合して得られる結着樹脂の強度や柔軟性の点で優れているためである。
〔重合開始剤〕
本発明を懸濁重合法で製造する際に用いる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5乃至20質量%の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
(製造方法)
本発明のトナーの製造方法として懸濁重合を用いるが、以下の如き製造方法によって直接的にトナーを製造することが可能である。重合性単量体中にポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、架橋剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた重合性単量体組成物を、分散安定剤を有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミクサー、ホモジナイザーなどにより分散せしめる。その際、重合性単量体組成物の液滴が所望のトナーのサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合開始剤を添加することで重合反応を進行させるが、重合温度は40℃以上、通常50〜95℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpHを変更しても良い。更に、定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
造粒中の水系媒体中のpHは特に制約は受けないが、好ましくはpHは3.0以上13.0以下、更に好ましくは3.0以上7.0以下、特に好ましくは3.0以上6.0以下である。pHが3.0未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、分散安定化が困難になり、造粒出来なくなることがある。またpHが13.0を超える場合はトナー中に添加されている成分が分解されてしまうことがあり、十分な帯電能力が発揮出来なくなることがある。造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤に由来する金属のトナー中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやすくなる。
アルミニウム元素を含有する該無機微粒子を造粒工程から添加する場合は特に水系媒体中のpHは3.0以上6.0以下であると望ましい。これは、pHが3.0以上であるとアルミニウム元素を含有する該無機微粒子が水系媒体中で溶解する成分が僅かで、固体として存在することで重合性単量体組成物と水系媒体の境界面に存在し続けられるためトナー表面に該ポリエステル樹脂を偏在させ易いためである。pHが6.0以下であることで水酸化アルミニウム単独の無機微粒子の生成を抑制することができ、該ポリエステル樹脂との親和性が優れ、かつトナー粒子の凝集によるトナー粒子の粗大化や異形化を抑制できるため帯電性の点で望ましい。
また、トナー粒子の洗浄をpH2.5以下、より好ましくはpH1.5以下の酸を用いて行うことが好ましい。トナー粒子の洗浄を酸で行うことにより、トナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することができる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸の如き無機酸を用いることができる。これによりトナー粒子の帯電性を所望の範囲に調整することも可能である。
本発明に用いられる分散安定剤としての無機微粒子としては、アルミニウム元素を含有する無機微粒子以外にも使用しても良い。他に使用しても良い無機微粒子としては、例えばリン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイドなど無機微粒子が挙げられる。特にヒドロキシアパタイトがアルミニウム元素を含有する無機微粒子とトナーの表面に分布してシェルを形成するポリエステル樹脂との相互作用を阻害することなく、粒度分布がシャープなトナー粒子が得られるため望ましい。
さらに、これらの無機微粒子は市販のものをそのまま用いてもよいが、無機微粒子の粒径制御を考慮すると、水系媒体中にて無機微粒子を生成させることがよい。例えば、ヒドロキシアパタイトの場合、高撹拌下においてリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム溶液とを混合することにより得ることがよい。
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを併用しても構わない。
これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01乃至2.0質量部を使用することが好ましい。
さらに、これら分散安定剤の微細化のため重合性単量体100質量部に対して0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
本発明に必須のアルミニウム元素を含有する該無機微粒子の添加時期としては、重合工程時、もしくは造粒工程時のどちらでも効果はあるため良い。ただし、造粒工程時からアルミニウム元素を含有する該無機微粒子が存在していると該ポリエステル樹脂のトナー粒子表面への偏在が効率よく行われるため望ましい。また、アルミニウム元素を含有する該無機微粒子の添加時期としては重合工程時に添加する場合は重合性単量体の転化率が60%以下であることが望ましい。これは、転化率が60%以下であると、重合性単量体が十分残存しているため、該ポリエステル樹脂が該重合性単量体組成物中で移動でき、トナー粒子表面に偏在しやすいためである。
また、特に、リン酸塩水溶液とアルミニウム化合物の水溶液を混合することにより該無機微粒子を得る工程を有していると望ましい。これは、均一系の水溶液同士を混合し、無機微粒子を生成することで無機微粒子の組成が均一になり本発明の効果が高くなること、および該無機微粒子がリン酸塩との化合物となることで該ポリエステル樹脂との親和性が向上するためである。
更に、該重合工程において、水系媒体のpHを3.0以上6.0以下とすると望ましい。これは、pHが3.0以上であるとアルミニウム元素を含有する該無機微粒子が水系媒体中で溶解する成分が僅かで、固体として存在することで重合性単量体組成物と水系媒体の境界面に存在し続けられるためトナー表面に該ポリエステル樹脂を偏在させ易いためである。pHが6.0以下であることで水酸化アルミニウム単独の無機微粒子の生成を抑制することができ、該ポリエステル樹脂との親和性が優れ、かつトナー粒子の凝集によるトナー粒子の粗大化や異形化を抑制できるため帯電性の点で望ましい。
<トナー粒子の重合転化率の測定方法>
トナー粒子の重合転化率は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用い、以下のようにして測定する。
トナー粒子分散液約500mgを精秤しサンプルビンに入れる。これに精秤した約10gのアセトンを加えてフタをした後、よく混合し、発振周波数42kHz、電気的出力125Wの卓上型超音波洗浄器(商品名「B2510J−MTH」、ブランソン社製)にて超音波を30分間照射する。その後、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)を用いて濾過を行い、濾液2μLをガスクロマトグラフィーで分析する。そして、予め使用した重合性単量体を用いて作成した検量線により、残留している重合性単量体の「残存量」を算出する。その後、下記式に従い、トナー粒子の重合転化率(質量%)を規定する。
(式) 100×(1−(重合性単量体の残存量)/(使用した重合性単量体の総量))
(製造装置)
本発明では、公知のものが使用できるが、造粒工程における撹拌手段の一例としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、アンカー翼、フルゾーン(神鋼パンテック社製)、マックスブレンド(住友重機社製)、スーパーミックス(佐竹化学機械工業社製)、Hi−Fミキサー(綜研化学社製)等の撹拌翼を有するものを用いることができる。また、高剪断力を付与し、均一な循環を達成できる製造方法がより好ましい。高剪断撹拌機としては、高速回転する撹拌ロータと該撹拌ロータを囲うように設けられたスクリーンとによって形成される撹拌室を備えているものが好ましく用いられる。具体的には、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エムテクニック社製)等が用いられる。
<水系媒体のpH測定>
水系媒体にトナー組成物を投入する1分前に、水系媒体を1.0リットル採取し、30秒以内にpH計を水系媒体に浸す。そして、水系媒体にpH計を浸してから60秒後の値を記録する。採取時点の水系媒体温度よりも測定時の温度が2℃以上下がっていないことも併せて確認する。なお、pH計は横河電機社製HA406を使用した。また、pH計は、マニュアルに従って事前に温度とpH値の校正を行っておく。
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
〔ポリエステル樹脂1の製造〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に、
テレフタレート 29.9質量部
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 48.5質量部
イソソルビド 1.2質量部
エチレングリコール 4.5質量部
テトラブトキシチタネート 0.125質量部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後トリメリット酸を2.1質量部及びテトラブトキシチタネートを0.120質量部追加し、220℃で3時間反応させ、更に10〜20mmHgの減圧下で2時間反応してポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂1の物性は表2に示す。
得られたポリエステル樹脂1の組成は表1に記載の仕込み量通りの組成であった。なお、表中のイソソルビドとは、下記式(2)の構造を持つ化合物である。
Figure 2017122879
〔ポリエステル樹脂2〜33の製造〕
表1の原材料モノマー仕込み量および重縮合反応の温度条件にて、ポリエステル樹脂1と同様の操作を行い、ポリエステル樹脂2〜33を製造した。得られた樹脂の物性を表2に示す。各ポリエステル樹脂の分子量と酸価の調整に関しては、適宜反応時間を調整してポリエステル樹脂の物性が達成されるようにした。
Figure 2017122879
Figure 2017122879
〔スチレン−アクリル樹脂1の製造〕
プロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、下記材料を混合したものを3時間かけて滴下した。
スチレン 91.7質量部
メチルメタクリレート 2.50質量部
メタクリル酸 3.30質量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 2.50質量部
ジtert−ブチルパーオキサイド(日油(株)製、商品名「パーブチルD」)
1.25質量部
滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。該固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンで再沈殿、析出した固体を濾別することでポリマー成分(A−1)を得た。得られたポリマー成分(A−1)の組成および物性は以下の通りであった。
Mw=15000、酸価=20mgKOH/g、水酸基価=10mgKOH/g、Tg(中点法)=90℃
〔スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン100質量部、メタノール350質量部、スチレン470質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70質量部、メタクリル酸ベンジル20質量部、ラウリルパーオキサイド10質量部を仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合した。次いで、内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1を製造した。得られた樹脂の物性は、Mw=24000、Tg=67℃、残存モノマー=350ppmであった。
尚、得られたスルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1の酸価は、20mgKOH/gであった。
〔疎水性シリカ1の製造〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)100質量部をヘキサメチルジシラザン10質量部で処理し、さらにジメチルシリコーンオイル20質量部で処理して疎水性シリカ1を得た。疎水性シリカ1の一次粒子径は12nm、疎水化度は97であった。
〔疎水性酸化チタン1の製造〕
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)100質量部をトルエン中でγ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン20質量部で処理し、濾過、乾燥して疎水性酸化チタン1を得た。疎水性酸化チタン1の一次粒子径は25nm、疎水化度は60であった。
(無機微粒子4および水系媒体4の製造)
タンクAにて、水100質量部に対して塩化アルミニウム・6水和物を24.26質量部と塩化カルシウム・2水和物を33.63質量部の割合で添加して、塩化アルミニウムおよび塩化カルシウムの水溶液を調製した。一方、造粒タンクにて、水1000質量部に、リン酸ナトリウム25.0質量部、10%塩酸6.66質量部を添加した液を、撹拌機であるクレアミックス(エム・テクニック(株)製)を用いて、周速33m/sで撹拌しながら、60℃に加温した。次に、造粒タンク内を窒素置換すると共に、タンクBにて調整した塩化アルミニウムおよび塩化カルシウムの水溶液を投入した。この後、30分間撹拌を継続し、無機微粒子4を含む水系媒体4を得た。
得られた水系媒体4の70℃(重合反応温度)におけるゼータ電位を測定したところ、ζt(ゼータ電位)=+9.10mVであった。また、水系媒体4のpHは5.2であった。得られた無機微粒子4の物性と、水系媒体4のpHを表2に示す。
(無機微粒子および水系媒体の製造例1〜3、5〜20)
表3と4に記載される通りに各原料の種類及び含有量を変更させた以外は無機微粒子4および水系媒体4と同様にして、無機微粒子および水系媒体1〜3、5〜20を製造した。得られた無機微粒子および水系媒体1〜3、5〜20の物性等を表3、表4に示す。
Figure 2017122879
Figure 2017122879
(トナー製造例1)
・スチレン 55質量部
・カーボンブラック(Orion Engineerred Carbons社製、商品名「Printex35」)
7質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−89) 0.25質量部

上記材料をアトライタ分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、着色剤分散液を得た。
上記着色剤分散液に、
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 25質量部
・ポリエステル樹脂1 5質量部
・スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1
0.3質量部
・フィッシャートロプシュワックス
(シューマンサゾール社製、商品名「C80」:融点83.0℃) 9質量部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
造粒タンク中の上記水系媒体4中に上記重合性単量体組成物を投入し、70℃、N2パージ下において、T.K.ホモミクサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.2で造粒した。その後、重合タンクに移して、パドル撹拌翼で30回/分で撹拌しつつ70℃で6時間(転化率は95%であった)、さらに90℃に昇温し、2時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、ブラック着色粒子(トナー粒子1)を得た。
得られたブラック着色粒子100質量部と、疎水性シリカ1を1.5質量部、及び疎水性酸化チタン1を0.3質量部加え、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製))で混合し、外添剤を有するトナー1を得た。得られたトナー1の物性等については表6に記載した。
(トナー製造例2〜19、22〜69、71〜73)
表5に記載される通りに各原料の種類及び含有量を変更させた以外はトナー製造例1と同様にして、外添剤を有するトナー2〜19、22〜69、71〜73を製造した。得られたトナー2〜19、22〜69、71〜73の物性等を表6に示す。
この時、表5に記載の重合性単量体中のスチレン比を変更しているトナーNo.2〜4に関しては、スチレンの増減に合わせてn−ブチルアクリレートを増減させ、スチレンとn−ブチルアクリレートの合計が同じになるようにした。
(トナー製造例20)
・スチレン 60質量部
・カーボンブラック(Orion Engineerred Carbons社製、商品名「Printex35」)
7質量部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−89) 0.25質量部
上記材料をアトライタ分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、着色剤分散液を得た。
上記着色剤分散液に、
・スチレン 20質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・ポリエステル樹脂1 5質量部
・スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1
0.3質量部
・フィッシャートロプシュワックス
(シューマンサゾール社製、商品名「C80」:融点83.0℃) 9質量部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
造粒タンク中の上記水系媒体20中に上記重合性単量体組成物を投入し、70℃、N2パージ下において、T.K.ホモミクサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.3で造粒した。その後、重合タンクに移して、パドル撹拌翼で30回/分で撹拌しつつ70℃で1.5時間(転化率は45%であった)の時に、上記重合タンクに水系媒体4を400質量部添加し、更に4.5時間反応を継続させた。その後さらに90℃に昇温し、2時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、ブラック着色粒子(トナー粒子20)を得た。
得られたブラック着色粒子100質量部と、疎水性シリカ1を1.5質量部、及び疎水性酸化チタン1を0.3質量部加え、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で混合し、外添剤を有するトナー20を得た。得られたトナー20の物性等については表6に記載した。
(トナー製造例21)
表5に記載される通りに水系媒体4の添加時期を転化率70%時に変更させた以外はトナー製造例20と同様にして、外添剤を有するトナー21を製造した。得られたトナー21の物性等を表6に示す。
(トナー製造例70)
ポリエステル樹脂をスチレン−アクリル樹脂1に変更した以外はトナー製造例1と同様にして、外添剤を有するトナー70を製造した。得られたトナー70の物性等を表6に示す。
Figure 2017122879
Figure 2017122879
<トナー粒子表面でのポリエステル樹脂の存在量に対する無機微粒子の影響の確認>
無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素比率の影響を確認するために、水系媒体20のみを用いてトナー粒子を作製した場合のメタノール濡れ性の透過率50%時のメタノール濃度と水系媒体1〜9を用いてトナー粒子を作製したトナー粒子1および5〜12のメタノール濡れ性の透過率50%時のメタノール濃度の差について表わしたグラフを図3に示す。
図3の結果より無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素比率が増加する程トナー粒子の表面が親水性、つまりポリエステル樹脂がトナー粒子表面に多く分布していることが示唆された。
図4にポリエステル樹脂を用いずスチレン−アクリル樹脂1を用いた場合の無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素比率の影響を確認した結果を示す。無機微粒子を構成する金属元素中にアルミニウム元素を含有させても変化が無く効果が無いことが示唆された。
[実施例1〜69]
トナー1〜69をそれぞれ評価機を用いて各種画像評価を行った。評価結果は表13に示す。
[比較例1〜4]
トナー70〜73をそれぞれ評価機を用いて各種画像評価を行った。評価結果は表13に示す。
各種画像評価は以下のようにして評価を行った。
<カブリ>
カブリの測定は、画像形成装置として後述の評価機を用い、下記の環境下で印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久13000枚印字後に各環境下において6日間放置した。
Figure 2017122879
その後の1枚目の画像サンプルのカブリ量を東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して測定し、下記式より算出した。耐久試験に用いた記録材としてはA4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
カブリ量(%)=(プリントアウト前の記録材の白色度)−(プリント後の記録材の非画像形成部(白地部)の白色度)
<画像濃度>
初期画像濃度は、常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)で、後述の評価機を用い、紙上のトナーの載り量が0.38(mg/cm2)にした全面ベタチャートを1枚印字し、各画像の画像濃度を測定した。画像サンプルの濃度については東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定した。記録材としてはA4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
<トナー担持体およびトナー層規制部材へのトナーの融着や固着>
トナー担持体およびトナー層規制部材へのトナーの融着や固着は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)で、後述の評価機を用いて評価した。印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久8000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。記録材として、A4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。以下に評価基準を示す。
Figure 2017122879
<潜像担持体へのフィルミング>
潜像担持体へのフィルミングは常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)で、後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字にて耐久試験を行った。初期から耐久2000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。記録材として、A4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。以下に評価基準を示す。
Figure 2017122879
<トナーの保存安定性評価>
トナーの保存安定性評価は、10gのトナーを100mlのポリカップに量り取り、50℃および55℃の恒温層の中へ3日間放置した後、200メッシュ(目開き)の篩性により評価した。測定装置として、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
測定法としては、セットした200メッシュふるい(目開き75μm)上に評価用のトナーのせ、デジタル振動計の変位の値を0.50mm(peak−to−peak)になるように調整し、30秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残ったトナーの凝集塊の状態から保存安定性を評価した。以下に評価基準を示す。
Figure 2017122879
<定着性>
低温低湿環境下(L/L:温度10℃、湿度10%RH)で、後述の評価機を用い、マシン及びトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(該環境下に24時間放置後)から電源を入れた。ウェイトアップ直後に200μm幅の横線パターン(横幅200μm、間隔200μm)をプリントアウトし、50枚目のプリント画像を定着性の評価に用いた。定着性の評価は画像をシルボン紙で5往復100g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)の平均で評価した。
評価には表面平滑度10〔sec〕以下のボンド紙を用いた。以下に評価基準を示す。
Figure 2017122879
<画像濃度低下>
常温常湿環境下(N/N:温度25℃,湿度60%RH)及び、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度85%RH)で、トナーを充填したカートリッジを2週間放置した後、後述の評価機を用い、印字率2%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行った。初期から耐久10000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。記録材として、A4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。以下に評価基準を示す。
Figure 2017122879
(評価機)
市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを220mm/sに改造し、市販のマゼンタカートリッジからトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した。その後、本発明のトナーを260g充填し、その他のシアン、イエロー及びブラックのカートリッジをトナーを抜いて各ステーションに挿入したものを用いた。
Figure 2017122879

Claims (6)

  1. 重合性単量体およびポリエステル樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程、とを有するトナー粒子の製造方法において、
    該重合工程における該水系媒体は、アルミニウム元素を含有する無機微粒子を含有し、該無機微粒子を構成する金属元素中のアルミニウム元素の割合が、5.0atm%以上70.0atm%以下であることを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該ポリエステル樹脂が下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを有している請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
    Figure 2017122879
  3. 該ポリエステル樹脂の酸価が1.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該重合工程において、該水系媒体のpHを3.0以上6.0以下とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. リン酸塩水溶液とアルミニウム化合物の水溶液とを混合することにより該無機微粒子を得る工程を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 該造粒工程における該水系媒体に該無機微粒子が含有されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
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