JP2011137947A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】短い時間で充分な帯電量まで立ち上がる帯電のさらなる迅速さと、その帯電レベルが初期から多数枚プリントアウト後にかけて安定した荷電制御機能を有する荷電制御剤を含有するトナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂と着色剤と荷電制御剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該荷電制御剤が、下式(1)で示されるユニットAを含む重合体であって、金属との金属塩または金属錯体のユニットと、金属レスのユニットを含有する重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上40mol%以下であることを特徴とする。
Figure 2011137947

(式(1)におけるCOOHとOHは隣り合う位置に結合し、R1は水素または炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R2は水素またはメチル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電印刷等の画像形成方法において静電荷像を現像するためのトナー、或いは、トナージェット方式の画像形成方法においてトナー像を形成するためのトナーに関する。
従来、電子写真、静電印刷等による画像形成方法においては、帯電性の制御が必要不可欠である。トナーの帯電性を制御するためには、結着樹脂自体の摩擦帯電特性を利用することもできるが、一般的にトナーに用いられる結着樹脂の摩擦帯電特性は低いものが多く、その組成による帯電性の制御は容易ではない。そこで、一般的には帯電性を付与する荷電制御剤を添加することが行われている。
従来、負帯電性荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸等の金属化合物、カリックスアレーン等がある。これら荷電制御剤は構造が複雑で性質が一定せず、安定性に乏しいものが多い。
更に、これらトナーに添加される荷電制御剤は、摩擦帯電能を付与するため、ある程度トナー表面に存在していなければならない。そのため、トナー同士の摩擦、キャリアとの衝突、搬送スリーブ又はローラー、規制ブレード、感光体ドラムとの摩擦により、トナー表面からこれらの添加剤が脱落し、キャリアの汚染や、現像部材、感光体ドラムの汚染が生じることがある。その結果、耐久枚数が増すに従って、摩擦帯電性が低下すると同時に汚染による劣化も進行し、画像濃度の変化や、画質の低下といった問題を引き起こしやすい。
以上のような背景からトナーの摩擦帯電特性を改良するための検討が盛んに行われている。特に、環境への配慮や、より安定した帯電性の要求、製造コスト等の理由から、近年、荷電制御機能を有する樹脂(荷電制御樹脂)をトナー用の荷電制御剤として用いる提案がなされている。例えば、サリチル酸構造を含有した樹脂を、荷電制御樹脂として用いたトナーが提案されている(特許文献1)。この方法によれば、サリチル酸の昇華性を改善しつつ、良好な帯電特性を有するトナーが得られるとされている。しかしながら、複写機、プリンターの高速化に伴い、改良の余地が残されている。特に、接触一成分現像システムなどでプロセススピードを速めた場合、帯電性能(特に初期の帯電の立ち上がり性能)が不十分であることが明らかとなった。更に、多数枚のプリントアウト時における帯電の安定性、高温高湿下での帯電量の安定性に改善の余地があることが明らかとなった。この現象に対して、トナーには、短い時間で充分な帯電量まで立ち上がる帯電のさらなる迅速さと、その帯電レベルが初期から多数枚プリントアウト後にかけて安定していることが求められており、これを達成し得る荷電制御樹脂が求められている。
特登録2694572号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、短い時間で充分な帯電量まで立ち上がる帯電のさらなる迅速さと、その帯電レベルが初期から多数枚プリントアウト後にかけて安定したトナーを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明のトナーにより前記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
本発明の目的を達成するため、本出願に係る発明は、トナーとして、少なくとも結着樹脂と着色剤と荷電制御剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該荷電制御剤が、少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下であることを特徴とする。
Figure 2011137947
(式(1)におけるCOOHとOHは隣り合う位置に結合し、R1は水素または炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R2は、水素またはメチル基を表す。)
本発明によれば、少なくとも結着樹脂と着色剤と荷電制御剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該荷電制御剤が、少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下であることにより、短い時間で充分な帯電量まで立ち上がる摩擦帯電性を有し、帯電レベルが経時的に安定したトナーが得られる。
また、少なくとも結着樹脂と着色剤と前記荷電制御剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、顔料、特にシアン着色剤の銅フタロシアニン化合物を着色剤として用いたトナーにおいて、帯電安定性と共に顔料分散性の向上したトナーが得られる。
本発明のトナーを用いた現像剤の摩擦帯電量の測定に用いる装置の構成を示す図である。
本発明者らは、該荷電制御剤が、少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下であることにより、前記効果を発揮することを見出し、本発明に至った。
Figure 2011137947
(式(1)におけるCOOHとOHは隣り合う位置に結合し、R1は水素または炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R2は、水素またはメチル基を表す。)
前記効果を発揮するメカニズムは明確ではないが、本発明者らは、荷電制御剤の持つ帯電性能について、
(A)電荷の発生並びに電荷を蓄積する効果
(B)電荷の均一化に寄与すると考えている電荷の散逸速度
が関与しているものと考えている。
本発明において、式(1)で示されるユニットAに金属が塩化または錯体化したユニットが電荷を発生させ、電荷を蓄積する効果を有するものと考えられる。
一方、式(1)で示されるユニットAは、蓄えられた過剰の電荷を散逸し、電荷の均一化に寄与しているものと考えられる。
本発明では、これら2種のユニットが分子レベルで密に共存しているため、電荷の発生と電荷の均一化が瞬時に起こり、帯電の立ち上がりを良好にしているものと考えている。
また、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下とすることで帯電性能を効果的に引き出すことに成功した。
この理由は明確ではないが、サリチル酸誘導体を有するユニットAを持つ重合体に対して、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下とすることで、電荷の発生並びに電荷を蓄積する効果と電荷の均一化の効果が分子レベルで制御されるためと考えている。
重合体中の金属塩量が、ユニットAに対し、5mol%より少ない場合、電荷の発生並びに電荷を蓄積する効果が小さくなり、トナー粒子として帯電させることが困難となる。一方、45mol%より多い場合、電荷の均一化の効果が小さくなり、チャージアップを生じやすくなる。
また、本発明においては、前記荷電制御剤を用いた場合において、顔料、特にシアン着色剤の銅フタロシアニン化合物に対しては、帯電安定性と共に顔料分散性の向上に効果があることがわかった。この理由は明確ではないが、本発明の荷電制御剤が、少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体とすることで、銅フタロシアニン化合物との親和性が高くなり、顔料に吸着され、顔料の分散性に効果を発揮していると考えている。
また、本発明においては、前記荷電制御剤が、式(1)で示されるユニットAが全質量部中1.00質量%以上、40.00質量%以下を含む共重合体であることが好ましい。
式(1)で示されるユニットAが前記荷電制御剤の全質量部に対して、1.00質量%より少ない場合、電荷の均一化が遅くなるために、トナー粒子として帯電の立上がりが遅くなる場合がある。逆に40.00質量%より多い場合には、ユニットAのもつ吸湿効果により、帯電性能を阻害し、長期保存直後のカブリを悪化させる場合がある。
また、本発明においては、前記荷電制御剤における重合体の分子量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出した重量平均分子量が、2000以上で100000以下であることが好ましい。重量平均分子量が2000未満である場合、分子中に導入される式(1)で示されるユニットAの均一な導入がなされなくなる場合が生じ、均一な帯電性を維持できなくなる場合がある。また、重量平均分子量が、100000以上の場合、トナー中での分散が悪くなり、均一な帯電性を維持できなくなる場合がある。
また帯電特性や定着性の観点から、前記共重合体の分子量分布は狭いことが好ましい。好ましい分子量分布の範囲は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより算出される重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnにおいて、Mw/Mnが1.0以上6.0以下である。より好ましくは、1.0以上4.0以下である。
前記重合体の主鎖構造は、式(1)で示されるサリチル酸誘導体を有するユニットAが導入できる構造であれば、特に限定されない。例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。本発明の荷電制御剤を製造する上での製造しやすさや、コストメリット等を考慮すれば、ポリエステル系重合体、ビニル系重合体であることが好ましい。
本発明においては、前記荷電制御剤の重合体中の金属は、式(1)で示されるユニットAと金属塩または金属錯体化が可能な金属原子から選択される。好ましい金属原子としては、原子価が2価、3価、及び4価の金属原子である。その具体例として、アルミニウム、亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、チタン、銅及び鉄が好ましい。これらの中でも、アルミニウム、亜鉛、クロム及びジルコニアが、錯体構造の安定性から耐久時における環境特性が優位であり、より好ましい。
本発明においては、前記荷電制御剤が、式(1)で示されるユニットAと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体であることが好ましい。この理由は明確ではないが、ビニル系単量体との共重合体であることで、特に懸濁重合トナーとした場合に、結着樹脂との相溶性の制御が容易となり、トナー中での分散性、非局在化が可能となるからである。その結果、共重合体自体の帯電特性が安定化するためと考えている。その結果、低温低湿下並びに高温高湿下における帯電量差(環境依存性)が小さくなる。
また、トナーの定着性を損なわずに効果を発揮するためには、前記荷電制御剤のガラス転移点(Tg)を制御が必要であるが、ビニル系単量体との共重合体とすることで制御が容易となるからである。
使用できるビニル系単量体としては、特に制限されない。具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルの如きアクリル酸エステル類;前記アクリル酸エステル類のアクリルをメタクリルに変えたメタクリル酸エステル類;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸アミノエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、の如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロールの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
本発明の荷電制御剤の製造方法としては特に限定されず、公知の手法により製造することができる。
例えば、一例として、重合性単量体(式(2))に、金属付与剤(例えば、硫酸アルミニウム)を用いて金属塩または金属錯体化し、その後、共重合可能な重合体と共重合する製造方法である。
Figure 2011137947
(式(2)におけるCOOHとOHは隣り合う位置に結合し、R3は水素または炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R4は水素またはメチル基を表す。)
本発明における重合性単量体(式(2))としては、3−ビニルサリチル酸、4−ビニルサリチル酸、5−ビニルサリチル酸、6−ビニルサリチル酸、3−ビニル−5−イソプロプピルサリチル酸、3−ビニル−5−t−ブチルサリチル酸、4−ビニル−6−t−ブチルサリチル酸、3−イソプロペニル−5−t−ブチルサリチル酸が例示される。
重合性単量体(式(2))と金属との金属塩または金属錯体化は、重合性単量体(式(2))を、金属付与剤(例えば、硫酸アルミニウム)を用いて、公知の方法により、金属塩また金属錯体化し、生成物を得ることができる。
本発明において用いることができる金属付与剤としては、硫酸アルミニウム及び酢酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物、ギ酸クロム、酢酸クロム、硫酸クロム、硝酸クロムなどのクロム化合物、酢酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウムなどのジルコニウム化合物、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛などの亜鉛化合物が挙げられる。
反応時におけるpHや温度などの反応条件や、重合性単量体(式(2))と金属付与剤とのモル比の調整などにより、金属塩または金属錯体化の割合を制御することができる。
上記で得られた重合性単量体(式(2))と金属との金属塩または金属錯体は、共重合可能な成分と共重合させることで本発明の荷電制御剤を得ることができる。
本発明においては、少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下に制御することが必要である。そのためには、前記で得られた重合性単量体(式(2))と金属との金属塩または金属錯体と、金属塩または金属錯体化されていない重合性単量体(式(2))の仕込み量を制御することで、本発明を達成することができる。
本発明においては、前記荷電制御剤が、式(1)で示されるユニットAと共重合可能なビニル系単量体との共重合体とする場合、使用できるビニル系単量体としては、前述のビニル系単量体が挙げられる。
共重合させる際に用いる重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが使用できる。使用できる過酸化物系重合開始剤としては、有機系としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。無機系としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。具体的には、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられる。また、使用できるアゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。この際使用される重合開始剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対し0.1質量部以上、20.0質量部以下であることが好ましい。また、その重合法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、塊状重合等いずれの方法を用いることも可能であり、特に限定するものではない。
一方、本発明の荷電制御剤は、ポリエステル構造を有する重合体とすることができ、少なくとも多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを重縮合させて生成されるポリエステル構造を有し、且つ少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下を含有する。この場合、ポリエステル構造を有する樹脂としてビニル単量体で変性されたハイブリッド樹脂を用いることができる。
ハイブリッド樹脂中のビニル変性比の調整には公知の方法が使用可能である。具体的には使用するポリエステル樹脂成分とビニル単量体成分の仕込み量比を変えることで任意の変性比が調整可能である。
前記ポリエステル構造を含有する樹脂を構成する多価アルコール成分としては下記の物が挙げられる。具体的には、例えば二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
また多価カルボン酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至12のアルキル基で置換されたコハク酸若しくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;等が挙げられる。
それらの中でも、特に、ビスフェノール誘導体をジオール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が好ましく用いることができる。
ポリエステル樹脂をビニル単量体によってハイブリッド化する方法としては公知の方法が利用可能である。具体的には過酸化物系の開始剤によりポリエステルのビニル変性を行ったり、不飽和基を有するポリエステル樹脂をグラフト変性してハイブリッド樹脂を作製する方法等が挙げられる。
また、本発明でポリエステル樹脂のハイブリッド化に用いることのできるビニル単量体としては、前述したビニル系単量体を用いることができる。
本発明においては、少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下に制御することが必要である。そのためには、前記で得られた重合性単量体(式(2))と金属との金属塩または金属錯体と、金属塩または金属錯体化されていない重合性単量体(式(2))の仕込み量を制御することで、本発明を達成することができる。
本発明において、重合体の重量平均分子量の調整方法としては公知の方法が使用可能である。具体的にはポリエステル樹脂においては酸成分とアルコール成分の仕込み比や重合時間により任意に調整可能である。またハイブリッド樹脂においてはポリエステル成分の分子量調整に加えてビニル変性ユニットの分子量の調整も可能となる。具体的には、ビニル変性の反応工程においてラジカル開始剤量や重合温度等により任意に調整可能である。
本発明のトナーにおいて、該荷電制御剤の含有量は特に制限されないが、結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.3質量部以上10.0質量部以下である。含有量が0.1質量部未満では、含有量が少なすぎるがために、摩擦帯電特性に対する改善効果が充分に発揮されない場合がある。また、20.0質量部を超えてしまうと、トナー粒子中での荷電制御剤の分散性が悪化する場合がある。
本発明のトナーにおいて、使用される結着樹脂としては特に制限はない。例えば、スチレン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等がトナー特性の上で望ましい。
本発明のトナーの結着樹脂の分子量分布は特に制限されないが、THFに可溶な樹脂成分のGPCにより算出したピーク分子量が、3000以上、80000以下の範囲であることが好ましい。3000より小さいと帯電性に問題が生じる場合があり、80000よりも大きいと低温定着化が困難となる。
本発明のトナーは、ワックスを含有することが好ましい。トナー中にワックスを含有させることにより、低温定着性と耐オフセット性にすぐれ、且つ表面平滑性が優れた定着画像を得ることができる定着性に優れたトナーを得ることができる。
トナー中にワックスを含有させた場合、定着時、溶融されたワックスは、その表面張力によって転写材と定着部材との間において離型剤として作用し、耐オフセット性能を著しく向上させることができる。更には、定着時のトナーの溶融化を加速させることによって低温定着性をも向上させることができる。トナーのDSC曲線において、昇温時に見られる吸熱ピークのピーク温度の範囲が、45℃以上、130℃以下となるようなワックスを用いることが好ましい。より好ましくは50℃以上、110℃以下、さらに好ましくは50℃以上、90℃以下となるようなワックスである。
本発明のトナーに用いられるワックスは、結着樹脂100質量部に対して0.5質量部以上、30.0質量部以下の範囲の含有量であることが好ましい。含有量が0.5質量部未満では前記した耐オフセット性に対する改善効果が充分でなく、30.0質量部を超えてしまうと長期間の保存性が低下することがある。また、他のトナー材料の分散性が悪くなる上に、トナー表面近傍に存在するワックスの量が増加してしまい、本発明の特徴によって帯電特性を向上させていても、トナーの流動性が低下することによって画像特性の低下につながることがある。
本発明のトナーに使用可能なワックスとしては、前記のような範囲で吸熱ピークを有しているものから選ばれればよい。特に制限はないが、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、またはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス等が挙げられる。
前述したように、定着性に優れたトナーとする場合、トナーのガラス転移点も制御することが好ましい。つまり、トナーのガラス転移点が高すぎる場合には、低温定着性能は得られない。しかしながら、トナーのガラス転移点の低温化によって、溶融温度は低くなるものの、低すぎる場合にはトナーの保存安定性が悪化してブロッキング現象を引き起こす恐れがある。また、高温環境下において、現像器内への融着を起こしてしまい、トナー同士が融着し、流動性の低下を引き起こすことがある。さらには、結果的に摩擦帯電効率が低下するため、本発明の荷電制御樹脂を用いていても現像時のトナー飛散やカブリの発生を生じてしまうことがある。以上のような理由から、トナーのDSC曲線より求められるガラス転移点は45℃以上70℃以下の範囲が好ましく、より好ましくは50℃以上70℃以下の範囲である。
本発明のトナーは、着色剤を含有している。黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.PigmentYellow74,93,94,95,109,111,128,138,151,155,174,180,185が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.l.SolventYellow93,162,163が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上、20.0質量部以下となる様に添加して用いられる。
さらに本発明のトナーは磁性体を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属との合金及びその混合物が挙げられる。
本発明に用いられる磁性体は、表面改質された磁性体が好ましい。ポリマー溶解懸濁法や懸濁重合法の如き製法によって製造される重合法トナーに用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体は平均粒子が2μm以下、好ましくは0.1μm以上、0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部に対し20質量部以上、200質量部以下、特に好ましくは40質量部以上、150質量部以下となる様に含有させるのが良い。
796kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が保磁力(Hc)1.59kA/m以上、23.9kA/m以下(20エルステッド以上、300エルステッド以下)、飽和磁化(σs)50Am2/kg以上、200Am2/kg以下、残留磁化(σr)2Am2/kg以上、20Am2/kg以下の磁性体が好ましい。
本発明のトナーにおいて、高画質化のため、より微小な潜像ドットを忠実に現像するためには、トナーの重量平均粒径(D4)が3.0μm以上、9.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上、6.5μm以下であることがより好ましい。
本発明のトナーにおいて、摩擦帯電特性を補助するために、他の荷電制御剤を含有させることも可能である。含有させることが可能な荷電制御剤として具体的には、ネガ系制御剤としては、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等の金属化合物;スルホン酸、カルボン酸を側鎖にもつ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法としては特に限定されず公知の製法が用いられる。具体的には、
(A)特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接、トナー粒子を製造する方法
(B)マイクロカプセル製法のような界面重合法でトナー粒子を製造する方法
(C)コアセルベーション法によるトナー粒子を製造する方法
(D)特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重合法によりトナー粒子を得る方法
(E)単分散を特徴とする分散重合法によりトナー粒子を製造する方法
(F)非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後、水中でトナー化するポリマー溶解(溶融)懸濁法
(G)乳化分散法によりトナー粒子を得る方法
(H)加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメディア分散機等を用いてトナー成分を混練、均一に分散せしめた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕し、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにせしめてトナー粒子を製造する粉砕法
(I)さらに粉砕法で得られたトナーを溶媒中で加熱等により球形化処理しトナー粒子を得る方法
などが挙げられる。
その中で特に、本発明の効果がより顕著に表れるのは懸濁重合法によりトナー粒子を製造した場合である。この理由としては明確ではないが、水性媒体中で造粒させる工程(造粒工程)において、前記荷電制御剤を効果的にトナー粒子表面近傍に存在させることが可能となるためと考えている。
懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法においては、まず、結着樹脂を構成する重合性単量体中に着色剤を攪拌機等によって均一に溶解混合または分散させる。特に着色剤が顔料である場合には、分散機により処理し顔料分散ペーストとすることが好ましい。これを重合性単量体、荷電制御樹脂及び重合開始剤、更にワックスや必要に応じた他の添加剤とともに、攪拌機等によって均一に溶解混合または分散させ、重合性単量体組成物を作製する。こうして得られた重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する分散媒体中(好ましくは水系媒体中)に添加し、攪拌装置として高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用してトナー粒子径まで微分散させる(造粒工程)。これによって、重合性単量体組成物の粒子を形成する。そして、重合工程において重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を光や熱により重合反応させ、トナー粒子を得ることができる。
有機媒体に顔料組成物を分散させる方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、有機媒体中に必要に応じて樹脂、顔料分散剤を溶かし込み、撹拌しながら顔料粉末を徐々に加え十分に溶媒になじませる。さらにボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミル等の分散機により機械的剪断力を加えることで顔料を安定に微分散、すなわち均一な微粒子状に分散することができる。
懸濁重合法において好適に用いることができる重合性単量体としては、本発明の荷電制御剤において用いることができるビニル系単量体を同様に用いることができる。
前記の製造方法において用いることのできる分散媒体としては、本発明の荷電制御剤、結着樹脂、有機媒体、重合性単量体などの分散媒体に対する溶解性から決められるものであるが、水系のものが好ましい。水系の分散媒体として使用できるものは、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール等のアルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類が挙げられ、その他にも水溶性のものとして、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;エチルエーテル、エチレングリコール等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸類等から選ばれるが、水またはアルコール類であることが特に好ましい。またこれらの溶媒を2種類以上混合して用いることもできる。分散媒体に対する液状混合物又は重合成単量体組成物の濃度は、分散媒体に対して1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上65質量%以下である。
水系の分散媒体を使用する場合に用いることのできる分散安定化剤としては、公知のものが使用可能である。具体例には、無機化合物として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等を水相に分散させて使用できる。分散安定化剤の濃度は液状混合物又は重合性単量体組成物100質量部に対して0.2質量部以上、20.0質量部以下が好ましい。
懸濁重合法を用いた本発明のトナーに用いる重合開始剤としては、本発明の荷電制御剤において用いることができる重合開始剤を同様に用いることができる。この際使用される重合開始剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対し0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
また、懸濁重合法によりトナーを製造する場合、公知の架橋剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対し0.001質量部以上15.000質量部以下である。
本発明のトナーは、トナー粒子の表面に無機微粉体を有することが好ましい。無機微粉体は、トナーの流動性改良及び帯電均一化のためにトナー粒子に添加、混合され、添加された無機微粉体はトナー粒子の表面に均一に付着した状態で存在する。
本発明における無機微粉体は、一次粒子の個数平均粒径(D1)が4nm以上80nm以下であることが好ましい。
本発明で用いられる無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、チタニアから選ばれる無機微粉体またはその複酸化物などが使用できる。複酸化物としては、例えば、ケイ酸アルミニウム微粉体やチタン酸ストロンチウム微粉体等が挙げられる。また、ケイ酸微粉体として、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。表面及びケイ酸微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
一次粒子の個数平均粒径(D1)が4nm以上、80nm以下の無機微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部未満であることが好ましい。添加量が0.1質量部未満ではその効果が十分ではなく、5.0質量部以上では定着性が悪くなることがある。
さらに、本発明に用いられるトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、あるいは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤、ケーキング防止剤、また、逆極性の有機および/または無機微粒子を現像性向上剤として少量用いる事もできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
また、本発明のトナーは磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることもできるし、トナーのみからなる一成分系現像剤として用いることもできる。特に、帯電の立上がり特性が重要となる非磁性一成分系現像剤として用いる場合に、より顕著にその効果を発揮するものである。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合、磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等を微粒子化したものが使用できる。また、磁性微粒子を樹脂中に分散させた磁性微粒子分散型樹脂キャリアを用いることもできる。
上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆することが好ましく、被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解若しくは懸濁させて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着させる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、例えばシリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が挙げられる。これらは単独或いは複数で用いる。上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1質量%以上30質量%以下(好ましくは0.5質量%以上20質量%以下)が好ましい。これらキャリアの平均粒径は10μm以上100μm以下、さらには20μm以上70μm以下であることが好ましい。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
以下に各物性値の測定方法について記載する。
1.重合体の分子量分布
重合体の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定した。
まず、室温で24時間かけて、測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装 置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806
、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流 速 :1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量 :0.10ml
測定サンプルの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用した。
2.単量体並びに重合体中の金属量の定量
単量体並びに重合体中の金属量については、蛍光X線により定量する。蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。尚、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中に重合体4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いる。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
この測定結果と、定量したい金属元素について予め作成した検量線を用いて金属元素の定量を行う。
3.重合体の酸価
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(i)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(ii)操作
本試験;
測定サンプル2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液100mlを加え、1時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が30秒間続いたときとする。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(iii)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
4.重合体の水酸基価
水酸基価とは,試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。本発明における水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム35gを20mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
測定サンプル1.0gを200ml丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mlをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗う。
指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が30秒間続いたときとする。
(B)空試験
測定サンプル試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)、D:測定サンプルの酸価(mgKOH/g)である。
5.重合体の構造分析
重合体及び重合性単量体の構造決定は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)並びにFT−IRスペクトルを用いて行った。以下に用いた装置について記す。
(i)1H−NMR、13C−NMR
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
(ii)FT−IRスペクトル
Nicolet社製 AVATAR360FT−IR
6.重合体及びトナーのガラス転移温度
本発明における重合体及びトナーのガラス転移温度は、示差操作熱量計(DSC測定装置)を用いて測定した。
示差走査熱量計は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて以下のように測定した。測定サンプルは2乃至5mg、好ましくは3mgを精密に秤量した。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用いた。20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20乃至140℃の間で、1.0℃/minのモジュレーションをかけて、昇温速度1℃/minで測定を行った。本発明においては、ガラス転移温度は中点法で求めた。
7.樹脂微粒子の粒径測定
本発明における樹脂微粒子の数平均粒子径は以下の方法により求めることができる。
マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用いて、0.001μmから10μmのレンジ設定で測定を行い、数平均粒子径を求めた。
8.トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)
本発明におけるトナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出した。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行った。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定した。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定した。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れた。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定した。
具体的な測定法は以下の通りである。
(i)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行った。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去した。
(ii)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れた。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加えた。
(iii)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備した。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加した。
(iv)前記(ii)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させた。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整した。
(v)前記(iv)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させた。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続した。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節した。
(vi)サンプルスタンド内に設置した前記(i)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(v)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整した。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行った。
(vii)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)であった。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。また、「部」は「質量部」を意味する。
本発明で用いる式(2)で示されるサリチル酸誘導体系の単量体は、公知の方法により製造することができる。
<調製例1>
式(2A)で示す単量体2Aは、特開昭63−270060号公報、Journal of Polymer Science : Polymer Chemistry Edition 18, 2755(1980)に記載の方法を用いて製造した。
Figure 2011137947
<調製例2>
式(2B)で示す単量体2Bは、特開昭62−187429号公報に記載の方法を用いて製造した。
Figure 2011137947
<調製例3>
式(2C)で示す単量体2Cは、前述の特開昭63−270060号公報、Journal of Polymer Science : Polymer Chemistry Edition 18, 2755(1980)に記載の方法を用いて製造した。
Figure 2011137947
<調製例4>
式(2D)で示す単量体2Dは、Bioorganic&Medicinal Chemistry,15(15),5207(2007)に記載の方法を用いて製造した。
Figure 2011137947
<調製例5>
NaOH0.5molの水溶液と調製例1で製造した単量体2Aを0.4mol混合し、加熱溶解した。この溶液と硫酸アルミニウム0.1mol水溶液とを混合し、加熱撹拌した後、中性から弱アルカリ付近の条件下で濾別採取した。採取した白色沈殿物を洗浄水が中性となるまで、水洗した後乾燥して、単量体2Aを含み、金属塩または金属錯体として、アルミニウムを含有する単量体3Aを得た。得られたアルミニウムを含有する単量体3Aについて、蛍光X線によりアルミニウムを定量し、7.60%含むことが確認された。得られた結果から、単量体3Aは、単量体2Aに対し、アルミニウムを50mol%含むことが確認された。
<調製例6>
NaOH0.3モルの水溶液と調製例1で製造した単量体2Aを0.3モル混合し、加熱溶解した。この溶液と硫酸アルミニウム0.1モル水溶液とを混合し、加熱撹拌した後、溶液を中性から弱アルカリ性に調整して濾別採取した。採取した白色沈殿物を加熱洗浄水で水洗した後乾燥して、単量体2Aを含み、金属塩または金属錯体として、アルミニウムを含有する単量体3Bを得た。得られたアルミニウムを含有する単量体3Aについて、蛍光X線によりアルミニウムを定量し、9.90%含むことが確認された。得られた結果から、単量体3Bは、単量体2Aに対し、アルミニウムを67mol%含むことが確認された。
<調製例7>
NaOH0.5molの水溶液と調製例2で製造した単量体2Bを0.4mol混合し、加熱溶解した。この溶液と硫酸アルミニウム0.1mol水溶液とを混合し、加熱撹拌した後、中性から弱アルカリ付近の条件下で濾別採取した。採取した白色沈殿物を洗浄水が中性となるまで、水洗した後乾燥して、単量体2Bを含み、金属塩または金属錯体として、アルミニウムを含有する単量体3Cを得た。得られたアルミニウムを含有する単量体3Cについて、蛍光X線によりアルミニウムを定量し、5.80%含むことが確認された。得られた結果から、単量体3Cは、単量体2Bに対し、アルミニウムを50mol%含むことが確認された。
<調製例8>
NaOH0.3モルの水溶液と調製例1で製造した単量体2Bを0.3モル混合し、加熱溶解した。この溶液と硫酸アルミニウム0.1モル水溶液とを混合し、加熱撹拌した後、溶液を中性から弱アルカリ性に調整して濾別採取した。採取した白色沈殿物を加熱洗浄水で水洗した後乾燥して、単量体2Bを含み、金属塩または金属錯体として、アルミニウムを含有する単量体3Dを得た。得られたアルミニウムを含有する単量体3Dについて、蛍光X線によりアルミニウムを定量し、7.60%含むことが確認された。得られた結果から、単量体3Dは、単量体2Bに対し、アルミニウムを67mol%含むことが確認された。
<調製例9>
NaOH0.4molの水溶液と調製例3で製造した単量体2Cを0.4mol混合し、加熱溶解した。この溶液と硫酸クロム0.1mol水溶液とを混合し、加熱撹拌した後、溶液を中性に調整して濾別採取した。採取した白色沈殿物を洗浄水が中性となるまで、水洗した後乾燥して、単量体2Cを含み、金属塩または金属錯体として、クロムを含有する単量体3Eを得た。得られたクロムを含有する単量体3Eについて、蛍光X線によりクロムを定量し、13.70%含むことが確認された。得られた結果から、単量体3Eは、単量体2Cに対し、クロムを50mol%含むことが確認された。
<調製例10>
NaOH0.2モルの水溶液と調製例4で製造した単量体2Dを0.2モル混合し、加熱溶解した。この溶液と塩化亜鉛0.1モル水溶液とを混合し、加熱撹拌した後、溶液を中性から弱アルカリ性に調整して濾別採取した。採取した白色沈殿物を加熱洗浄水で水洗した後乾燥し、単量体2Dを含み、金属塩または金属錯体として、亜鉛を含有する単量体3Fを得た。得られた亜鉛を含有する単量体3Fについて、蛍光X線により亜鉛を定量し、16.60%含むことが確認された。得られた結果から、単量体3Fは、単量体2Dに対し、亜鉛を50mol%含むことが確認された。
<調製例11>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にトルエン60.00部を仕込み、窒素気流下で還流した。
次に、以下の単量体及び溶媒を混合し、単量体混合液を調製した。
〈モノマー組成、混合比〉
・調製例1で調整した、単量体2A 7.45部
・調製例5で調製した、アルミニウムを含有する単量体3A 7.45部
・スチレン 85.10部
・トルエン 60.00部
この単量体混合液に、さらに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(75%炭化水素系溶媒希釈品)を6.60部混合し、前記反応容器に30分間かけて滴下した。110℃で4時間攪拌し、反応終了後、室温まで冷却した。得られた重合体含有組成物をメタノール1400部、アセトン10部の混合溶液に、攪拌下、10分間で滴下し、樹脂組成物を沈殿・晶析させた。得られた樹脂組成物をろ過し、メタノール200部で2回リンス洗浄した。得られた樹脂粉末を減圧下、60℃で10時間乾燥し、重合体1を得た。
<調製例12乃至28、比較例の調製例29乃至33>
モノマー組成、混合比、重合開始剤量を表1に記載の通りに変更する以外は調整例11と同様の方法で、重合体2乃至23を得た。
調製例11乃至28で得られた重合体1乃至23の組成比、収率並びに分子量について表2に示す。重合体中の組成比は、以下の通り行った。
なお、表中の式(1)で示されるユニットについては下記記載の構造である。
Figure 2011137947
Figure 2011137947
Figure 2011137947
<調製例34>
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール90.0部、テレフタル酸104.8部、トリメリット酸5部、アジピン酸10.0部、無水マレイン酸24.0部および縮合触媒としてテトラステアリルチタネート2.0部を入れ、230℃で窒素気流下にて生成する水を留去しながら6時間反応させた。次いで5乃至20mmHgの減圧下で8時間反応させ、不飽和ポリエステル樹脂1を得た。この不飽和ポリエステル樹脂1は、酸価36.2、水酸基価10.1、Mnは2400、Mwは4600であった。
次に冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、トルエン200部、前記不飽和ポリエステル樹脂2を100部仕込み窒素気流下50℃で攪拌した。
次に、
・調製例1で調整した、単量体2A 2.00部
・調製例5で調製した、アルミニウムを含有する単量体3A 8.00部
・スチレン 40.00部
・トルエン 50.00部
この単量体混合液に、さらに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(75%炭化水素系溶媒希釈品)を3.50部混合し、前記反応容器に30分間かけて滴下した。110℃で3時間攪拌し、室温まで冷却した。得られた重合体含有組成物をメタノール2800部、アセトン20部の混合溶液に、攪拌下、10分間で滴下し、樹脂組成物を沈殿・晶析させた。得られた樹脂組成物をろ過し、メタノール300部で2回リンス洗浄した。得られた樹脂粉末を減圧下、60℃で10時間乾燥し、重合体24を得た。得られた重合体は、1H−NMRの結果より、式(1A)で示されるユニットを6.2質量%含有することが確認された。また、蛍光X線によりアルミニウム量を定量し、式(1A)に対し、アルミニウムを20.0mol%含むことが確認された。重合体のMnは4200、Mwは6800であった。
トナーの製造例:
<実施例1>
顔料分散ペーストの作製
〈仕込比〉
・スチレン 80部
・C.I.ピグメントブルー15:3 13部
上記材料を容器中でよくプレミックスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで4時間分散し、顔料分散ペーストを作製した。
トナー粒子の作製
イオン交換水1150部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液390部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて、11000rpmにて攪拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液を58部添加し、Ca3(PO42を含む分散液を得た。
〈仕込比〉
・上記顔料分散ペースト 46.0部
・スチレン 42.0部
・n−ブチルアクリレート 18.0部
・脂肪族ワックス 10.0部
(Mw1850、Mw/Mn1.27、融点78.6℃)
・飽和ポリエステル樹脂 5.0部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価10mgK OH/g、Mw:16000)
・調製例11で調製した重合体1 2.0部
これらを60℃に加温し、溶融、分散して単量体混合物とした。さらに、60℃に保持しながら、重合開始剤として、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0部加えて溶解し、単量体組成物を調製した。
上記分散媒体に、上記単量体組成物を投入した。60℃で、窒素雰囲気とし、クレアミックスを用いて10000rpmで20分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で5時間反応させた後、80℃で5時間撹拌し、重合を終了させた。室温まで冷却させた後、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾過、水洗、乾燥することによりトナー粒子を得た。さらに得られたトナー粒子を分級して、2μm以上、10μm未満を選択し、トナー粒子1を調製した。
トナーの作製
得られたトナー粒子Aの100部に対して、ヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後、シリコーンオイルで処理した個数平均1次粒径9nm、BET比表面積180m2/gの疎水性シリカ微粉体1部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合・外添することで、トナー1を得た。
<実施例2乃至16>
重合体1の代わりに、調製例12乃至26で得られた重合体2乃至16に夫々変更する以外は実施例1と同様の方法で、トナー2乃至16を得た。
<実施例17>
顔料分散ペーストの作製
(仕込比)
・スチレン 80部
・カーボンブラック 13部
上記材料を容器中でよくプレミックスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで4時間分散し、顔料分散ペーストを作製した。
トナー粒子の作製
イオン交換水1200部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液350部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて11,000rpmにて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液52部を添加し、Ca3(PO42を含む分散媒体を得た。
・上記顔料分散ペースト 46.0部
・スチレン 39.0部
・n−ブチルアクリレート 22.0部
・エステルワックス 13.0部
(主成分C1939COOC2041、融点68.6℃)
・飽和ポリエステル樹脂 5.0部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価10mgK OH/g、Mw16000)
・調製例27で得られた重合体17 2.0部
これらを60℃に加温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60℃に保持しながら、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を加えて溶解し、単量体組成物を調製した。
上記分散媒体に、上記単量体組成物を投入した。60℃で、窒素雰囲気とし、クレアミックスを用いて10000rpmで20分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で5時間反応させた後、80℃で5時間撹拌し、重合を終了させた。室温まで冷却させた後、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾過・水洗・乾燥することによりトナー粒子を得た。さらに得られたトナー粒子を分級して、2μm以上、10μm未満を選択し、トナー粒子17を調製した。さらに、実施例1と同様にして、トナー粒子17に疎水性シリカ微粉体を外添することで、トナー17を得た。
<実施例18>
実施例1において、重合体1の代わりに調製例28で得られた重合体18にすること、及びC.I.ピグメントブルー15:3の代わりにC.I.ピグメントバイオレッド19に変更する以外は、実施例1と同様に製造し、トナー18を得た。
<実施例19>
実施例1において、重合体1の代わりに調製例29で得られた重合体24にすること以外は実施例1と同様の方法で、トナー19を得た。
<実施例20>
結着樹脂の調製
(仕込み比)
ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 1206部
ビスフェノールA・エチレンオキサイド2.2モル付加物 475部
テレフタル酸 249部
無水トリメリット酸 192部
フマル酸 290部
酸化ジブチル錫 0.1部
をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内に置いた。窒素雰囲気下で、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。
トナー粒子の作製
(仕込み比)
・上記ポリエステル樹脂 100.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
・脂肪族ワックス 3.0部
(Mw1850、Mw/Mn1.27、融点78.6℃)
・調製例11で得られた重合体1 2.0部
をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)により十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粒径1乃至2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級してトナー粒子20を得た。さらに、実施例1と同様にして、トナー粒子20に疎水性シリカ微粉体を外添することで、トナー20を得た。
<比較例1乃至5>
実施例1において、重合体1の代わりに比較例の調製例29乃至33にて得られた重合体19乃至23にすること以外は実施例1と同様の方法で、比較例のトナー21乃至25を得た。
以上、得られたトナーの重量平均径(D4)並びにDSC測定結果(Tg)を表に示す。
Figure 2011137947
ここで得られたトナー1乃至25と、フェライトキャリアF813−300(パウダーテック社製)とを、トナー濃度6.0重量%になるよう混合し、二成分現像剤とした。
得られたトナー並びに二成分現像剤について、以下の通りに評価を行った。
トナー帯電量の立上がり特性及び環境依存性評価:
帯電量の測定はそれぞれの二成分現像剤50gを分取し、常温常湿環境(23℃/60%Rh)、低温低湿環境(15℃/15%Rh)、及び高温高湿環境(30℃/80%Rh)の各環境下で4日間放置し、その後、50ccのポリ容器に入れ、15秒かけて30回振とう、1分30秒かけて180回振とうを夫々行い、図1の装置を用いて測定した。評価は各振とう回数における摩擦帯電量の絶対値を測定し、下記基準によって判断した。結果を表7に示す。
<帯電の立上がり特性>
低温低湿下並びに高温高湿下での180回振とうの摩擦帯電量の絶対値に対し、30回振とうの摩擦帯電量の絶対値が
Aランク:90%以上100%
Bランク:80%以上90%未満
Cランク:70%以上80%未満
Dランク:70%未満
<環境依存性>
180回振とう時における低温低湿下と高温高湿下での摩擦帯電量の差が
Aランク:0以上15μC/g未満
Bランク:15以上20μC/g未満
Cランク:20以上30μC/g未満
Dランク:30μC以上
(帯電量の測定方法)
底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとする現像剤を0.5gを入れ金属製のフタ4をする。このときの測定容器2全体の質量を秤りWl(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下記式の如く計算される。
摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
Figure 2011137947
その結果、本発明に関わる実施例1乃至20のトナーでは、比較例1乃至5のトナーに比べ、帯電の立上がり特性並びに環境依存性に対し、優位性があることがわかった。
以上の実施例1乃至20、比較例1乃至5のトナーについて、以下の通りに画出し評価を行った。
画出し評価:
評価機としてフルカラーレーザービームプリンターLBP−5300(キヤノン社製)の改造機(プロセススピード:220mm/sec)を用い、23℃/60%Rh(常温常湿環境下)並び30℃/80%Rh(高温高湿環境下)にて画出し評価を行った。評価は、画像出力用カートリッジに各トナーを150g充填したものをシアンステーションに装着し、その他にはダミーカートリッジを装着し、常温常湿環境下及び高温高湿環境下で画像評価を実施した。なお、画出し評価に際し、画像出力用カートリッジを各環境下にて4日間放置後、実施した。
画出し試験において、1から5枚目までを初期1、45から50枚目までを初期2、11995から12000枚目までを耐久後として、画像濃度、カブリを測定し、平均値を求めた。この試験において、75g/m2のA4普通紙を用い、画像面積比率が2%のオリジナルチャートを連続して出力した。結果を表5に示す。
(画像濃度)
画像濃度測定は、マクベス反射濃度計 RD918(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、下記基準により評価をした。
Aランク:1.40以上
Bランク:1.30以上、1.40未満
Cランク:1.20以上、1.30未満
Dランク:1.20未満
(カブリ測定)
カブリの測定は、REFLECTOMETER MODEL TC−6DS(東京電色社製)を使用して測定し、下記式より算出する。数値が小さい程、カブリが抑制されていることになる。
カブリ(反射率)(%)=〔標準紙の反射率(%)〕−〔サンプルの非画像部の反射
率(%)〕
下記基準により評価をした。
Aランク:0.6%以下
Bランク:0.6%を越え、1.2%以下
Cランク:1.2%を越え、1.8%以下
Dランク:1.8%越え
Figure 2011137947
その結果、本発明に関わる実施例1乃至20のトナーでは、常温常湿環境下、高温高湿環境下において画像濃度、カブリ何れも良好な画像結果が得られた。
一方、比較例6乃至10のトナーでは、常温常湿環境下、高温高湿環境下において、何れも画像欠陥が生じた。
顔料分散性評価:
シアン着色剤の銅フタロシアニン化合物を用いたトナーである実施例1乃至16と比較例1のトナーについて、顔料分散性について評価を行った。
実施例1で得られたトナー1の断面を染色超薄切片法により透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、スチレン−アクリル樹脂を主体とする樹脂部とワックスを主体とする中心部に分かれており、カプセル構造が確認された。また、スチレン−アクリル樹脂層には約50nmの顔料粒子が均一に微分散されていることが確認された。
トナー2乃至16及び21について、上記方法と同様の方法で顔料分散性評価を行い、下記評価基準にて評価を行った。結果を表6に示す。
Aランク:約50nmの顔料粒子が均一に分散した状態で存在
Bランク:多くが均一に分散しているが、顔料の一部が凝集した状態で存在
Cランク:顔料の大部分が凝集した状態で存在
Figure 2011137947
その結果、本発明に関わる実施例1乃至16のトナー粒子は、比較例1に比べて、顔料分散においても効果があることが確認できた。
1 吸引機
2 測定容器
3 スクリーン
4 フタ
5 真空計
6 風量調節弁
7 吸引口
8 コンデンサー
9 電位計

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤と荷電制御剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該荷電制御剤が、少なくとも式(1)で示されるユニットAと、そのユニットAから誘導される金属との金属塩化または金属錯体化したユニットを含む共重合体であり、重合体中の金属量が、ユニットAに対し、5mol%以上45mol%以下であることを特徴とするトナー。
    Figure 2011137947
    (式(1)におけるCOOHとOHは隣り合う位置に結合し、R1は水素または炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R2は、水素またはメチル基を表す。)
  2. 前記荷電制御剤の重合体中の金属が、アルミニウム、亜鉛、クロム及びジルコニウムからなるグループより選ばれる金属であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記荷電制御剤の重合体が、ユニットAと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記トナーが、重合性単量体、着色剤、前記荷電制御剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合して得られるトナー粒子を有するトナーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
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