JP7166825B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法による画像形成に使用される静電荷像現像用のトナーの製造方法に関する。
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置に対する品質要求は厳しく、トナーに要求される性能も高度なものとなっている。残留モノマーがトナー中に多く存在すると、トナーの流動性が低下して作業環境を悪化させたり、不快な臭気を発生させる場合がある。特に近年、環境に対する関心も高まっており、加熱加圧定着器で発生するトナー由来の揮発成分を減少させることが要求されている。特に、フルカラー複写機又はフルカラープリンタなどにおいては、小型化や省エネや環境対応への要求が強く求められており、耐久性や低温定着性、残留モノマーの低減の更なる向上が求められている。トナーとしても、より良好な耐久性や低温定着性を有することが求められている。
その要求に対して、重合によってトナーを製造する方法において、コア-シェル構造を有するトナーで、トナーの粒子径、平均円形度とトナーの硬度を適正な範囲にすることで、良好な保存性と定着性を得ることで高画質で耐久性に優れたトナーが得られる方法がある(特許文献1)。
また、遠心沈降板の間隔を制御した遠心沈降装置を用い、遠心力を制御し、トナー前駆体分散液中のトナー前駆体濃度を制御することでトナー表面の極性基の配向を乱したり、トナーの機械的強度を劣化させることなく、不純物を除去することで高画質なトナーを得る方法がある(特許文献2)。
特開2007-171272号公報 特許第4467036号
上記特許文献1では、残留モノマーに関して未だ若干の課題が存在しており、上記特許文献2では、遠心力により当該装置内にトナー前駆体が付着してしまうという課題が未だ存在している。
本発明の目的は、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合することによりトナー前駆体を得る重合工程、および水系媒体中のトナー前駆体の固形分率を上げる濃縮工程を有するトナーの製造方法において、濃縮工程での遠心分離機内でのトナー前駆体の付着、およびトナー前駆体へのダメージを抑制しながらトナー中の残留モノマー(重合性単量体)を低減させたトナーを高い生産効率で提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、以下の方法を見出した。
すなわち、本発明は、重合性単量体を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成する造粒工程、
該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することによりトナー前駆体を得る重合工程、および
該水系媒体中の該トナー前駆体の固形分率を上げる濃縮工程
を有するトナーの製造方法であって、
該造粒工程は、該重合性単量体組成物を調製する工程、および該水系媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、撹拌することにより該水系媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を形成する工程からなり、
該重合工程は、2種以上の重合開始剤を用いて該重合性単量体を重合することにより該トナー前駆体を得る工程であり、
該濃縮工程は、遠心分離機を用いて該水系媒体中の該トナー前駆体の固形分率を上げる工程であり、
該2種以上の重合開始剤のうち、第1の重合開始剤が、下記式(1)の構造または下記式(2)の構造を有し、その10時間半減期温度が、70.0℃以上115.0℃以下であり、
該2種以上の重合開始剤のうち、第2の重合開始剤が、下記式(3)の構造または下記式(4)の構造を有し、その10時間半減期温度が、45.0℃以上65.0℃以下であり、
重合性単量体組成物を調製する工程において、該第1の重合開始剤および該第2の重合開始剤を添加し、
該第2の重合開始剤の添加量が、該重合性単量体に対して2.5mol%以上20.0mol%以下である、
ことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
Figure 0007166825000001
本発明によれば、残留モノマーが少なく、機械的強度に優れたトナーを高い生産効率で得ることができる。
本発明の作用効果の発現メカニズムの模式図である。 本発明の作用効果の発現メカニズムの模式図である。 本発明に用いる好適な遠心沈降装置の断面図の一例である。 分離沈降面積Σを算出する際のディスクの状態を表す模式図である。 本発明に用いる好適なデカンタ型遠心分離機の断面図の一例である。
以下、本発明を詳細に説明する。
重合性単量体を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することによりトナー前駆体を得る重合工程、および該水系媒体中のトナー前駆体の固形分率を上げる濃縮工程を有するトナーの製造方法であって、
該重合工程において少なくとも2種以上の重合開始剤を用いて重合することで製造され、
該重合開始剤のうち第1の重合開始剤が式(1)もしくは式(2)の構造を有し、10時間半減期温度が70.0℃以上115.0℃以下であり、
第2の重合開始剤が式(3)もしくは式(4)の構造を有し、10時間半減期温度が45.0℃以上65.0℃以下であり、
該第2の重合開始剤の添加量が該重合性単量体に対して2.5mol%以上20.0mol%以下であり、
該濃縮工程は遠心分離機を用いることで本発明の効果が得られる。
Figure 0007166825000002
本発明の効果が発現する理由は必ずしも明確にはなっていないが、本発明者らは次のように考えている。
通常遠心分離機を用いてトナー前駆体分散液を濃縮する場合、トナー前駆体には非常に大きな遠心力が働く。その結果、トナー前駆体に負荷がかかり、割れ欠けなどのダメージが生じる。それに対し、10時間半減期温度が高い重合開始剤と低い重合開始剤を併用し、重合性単量体を重合すると分子量の大きいポリマーと小さいポリマーが生成して結着樹脂となる。この時生成するポリマー1分子ずつを考えると各分子の末端には重合開始剤由来の重合開始剤残基が存在することになる。従って重合開始剤残基の性質によって各ポリマー分子の親疎水性に差が生じる。
式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤の重合開始剤残基を有するポリマー分子は、式(3)もしくは式(4)の構造を有する重合開始剤の重合開始剤残基を有するポリマー分子と比較して親水性の性質を有することになる。これは、式(3)もしくは式(4)の構造を有する重合開始剤の開始剤残基より、式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤の重合開始剤残基の方が親水性であるためである。(図1参照)
その際、式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤は式(3)もしくは式(4)の構造を有する重合開始剤より10時間半減期温度が高いため、式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤により生成するポリマーの分子量は式(3)もしくは式(4)の構造を有する重合開始剤により生成するポリマーの分子量より大きくなる。また、水系媒体中で造粒、重合させトナーを製造する場合、より親水性の物質がトナー表面に分布することになる。従って本発明のトナー製造方法の場合、分子量の大きいポリマーがトナー表層側、分子量が小さいポリマーがトナー中心部側に結着樹脂として分布するトナーが得られる(図2参照)。その結果、トナー表層側に存在する高分子量のポリマーによりトナーの機械的強度が高くなるため、濃縮工程における遠心分離機内でのトナー前駆体の付着、およびトナー前駆体へのダメージが抑制される。
また、10時間半減期温度が低い重合性開始剤を用いて重合性単量体を重合すると重合反応初期から重合開始剤が開裂してラジカルを発生して重合反応を行う。そのため、重合反応後期においては重合開始剤の大半は消費されてしまっているため、重合性単量体の減少は鈍化する。これに対して、本発明では10時間半減期温度が高い重合開始剤を併用しているため重合工程後期においても重合開始剤が残っているため、重合性単量体を重合することが可能であり残留モノマーをより低減できる。そのため、濃縮工程における遠心分離機内でのトナー前駆体の付着、およびトナー前駆体へのダメージを抑制しながら、残留モノマーを低減させたトナーを高い生産効率で得ることができる。更には10時間半減期温度が高い重合開始剤のみの使用では生成するポリマーが高分子量のものとなり、トナーの定着性が悪くなり易いが、10時間半減期温度が低い重合開始剤を併用しているため定着性も良好なトナーが得られる。
この効果を得るためには、第1の重合開始剤が式(1)もしくは式(2)の構造を有し、10時間半減期温度が70.0℃以上115.0℃以下であり、
第2の重合開始剤が式(3)もしくは式(4)の構造を有し、10時間半減期温度が45.0℃以上65.0℃以下であり、
該第2の重合開始剤の添加量が該重合性単量体に対して2.5mol%以上20.0mol%以下であり、
該濃縮工程は遠心分離機を用いることが必要となる。
本発明に用いられる第1の重合開始剤と第2の重合開始剤のうち、いずれか一方では本発明の効果は得られない。いずれか一方のみであると生成される結着樹脂はトナー表層部側と中心部側とも同一の均質な状態となるため、濃縮工程における遠心分離機内でのトナー前駆体の付着、およびトナー前駆体へのダメージの抑制と定着性が両立できないためである。
式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤の10時間半減期温度が70.0℃未満であると式(3)もしくは式(4)の構造を有する開始剤との差が小さいため、トナー表層に分布する結着樹脂の分子量が十分大きくないためトナーの機械的強度が不十分となり好ましくない。また、残留モノマー低減効果も低下するため好ましくない。式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤の10時間半減期温度が115.0℃超であると式(3)もしくは式(4)の構造を有する開始剤との差が大きすぎるため結着樹脂の分子量や残留モノマーの調整が困難となる。具体的には、式(3)もしくは式(4)の構造を有する開始剤に最適な温度条件とすると、式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤が重合反応のためにラジカルを生成する確率が低くなり重合反応自体が進行しづらくなるため残留モノマーの低減効率がかえって低下、またトナー表層側に分布する結着樹脂の分子が十分な分子量を得られないため本発明の効果が得られず好ましくない。逆の場合は式(3)もしくは式(4)の構造を有する開始剤の分子量制御が困難で、現像性と定着性の両立が困難になる。また、式(3)もしくは式(4)の構造を有する開始剤の開裂が速過ぎるため重合反応中期以降において重合が進行しづらくなり同様に残留モノマーの低減効率がかえって低下、また残留モノマーが多いことでトナーが可塑化され凝集し易くなるため好ましくない。
式(3)もしくは式(4)の構造を有する重合開始剤の10時間半減期温度が45.0℃未満であると、式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤との差が大きすぎるため結着樹脂の分子量や残留モノマーの調整が困難となり好ましくない。65.0℃超の場合は式(1)もしくは式(2)の構造を有する重合開始剤との差が小さいため、トナー表層に分布する結着樹脂の分子量が十分大きくないためトナーの機械的強度が不十分となり好ましくない。
式(1)もしくは式(2)、式(3)の構造を有する重合開始剤の構造としては、該第1の重合開始剤が式(5)もしくは式(6)の構造を有し、該第2の重合開始剤が式(7)の構造を有していると好ましい。
Figure 0007166825000003
特に第1の重合開始剤が式(2)、(6)の構造を有していると望ましい。これは、本発明の作用効果を発現する原因である2種類の重合開始剤残基の親疎水性のバランスがよりよくなるためである。すなわち、本発明の作用効果を発現する原因である2種類の重合開始剤のうち第1の重合開始剤の重合開始剤残基が酸素原子が1つ多いため親水性が強く、よりトナー表面側に高分子量の結着樹脂が分布し、本発明の作用効果が強く発現するためである。
該第2の重合開始剤の添加量が該重合性単量体に対して2.5mol%以上20.0mol%以下であると好ましい。該第2の重合開始剤の添加量が2.5mol%未満であると、反応の早い段階で重合開始剤がほとんど消費されてしまい第1の開始剤が残っていたとしても残留モノマーを低減しきれず、かつ残留モノマーの可塑効果によりトナーの凝集もし易いため好ましくない。逆に20.0mol%超であると、重合で生成する結着樹脂に関してオリゴマーが多く生成して耐熱性が弱く凝集しやすいため好ましくない。
該第1の重合開始剤および該第2の重合開始剤を該造粒工程において添加することがより好ましい。該2種類の重合開始剤を該造粒工程において添加すると該2種類の重合開始剤が該単量体組成物に均一に含有されやすく、生成されるトナーの性能にムラが小さくなるため好ましい。
また、該第2の重合開始剤の添加量は該第1の重合開始剤より多いと好ましい。これは、得られるトナーの結着樹脂が高分子量成分と低分子量成分が適切な割合で含有されるため、トナーの定着性と機械的強度が双方とも良好になるためである。更に、該第1の重合開始剤の添加量が該第2の重合開始剤の添加量に対して5.0mol%以上60.0mol%以下であると好ましい。これは残留モノマーを低減させつつ、濃縮工程における遠心分離機内でのトナー前駆体の付着、およびトナー前駆体へのダメージを抑制する効果がより大きくなるだけでなく、定着性と耐久性の両立という点でも好ましいためである。すなわち、第1の重合開始剤由来の高分子量の結着樹脂がトナー表層側に存在することで耐久性が向上し、その割合が適度であるため定着性を阻害しないためである。
次に、本発明における濃縮工程で用いられる濃縮装置について説明する。
(濃縮装置)
本発明において、濃縮を行うために使用される装置としては、
1)トナー前駆体分散液を収容する収容部内に、円錐状に配置させた複数の沈降板を設けた遠心沈降装置(※これ以降は、1)遠心沈降装置と省略する。)
2)投入したトナー前駆体分散液を遠心分離する外側回転筒と、前記外側回転筒内に相対回転可能に設けられたスクリューコンベアとを有するデカンタ型遠心分離機(※これ以降は、3)デカンタ型遠心分離機と省略する。)
等を使用することが好ましい。
前記した1)遠心沈降装置としては、アルファラバル(株)製やウエストファリアジャパン(株)製のノズル型遠心分離装置等があげられる。前記した2)デカンタ型遠心分離機としては、タナベウィルテック(株)製やIHI(株)製の連続式デカンタ型遠心分離機等があげられる。
本発明において、上記したいずれかの装置を使用して、トナー前駆体分散液を所定の固形分に濃縮する方法としては、以下のフローが可能であるが、いずれの方法を用いてもよい。
I)トナー前駆体分散液の一部を所定の固形分濃度以上に濃縮し、残りのトナー前駆体分散液中に再度投入・分散し、所定の固形分濃度のトナー前駆体分散液を得る方法。
II)トナー前駆体分散液全量を上記装置により処理し、所定の固形分に濃縮する方法。
本発明に用いる好適な1)遠心沈降装置の断面図の一例を図3に示すが、これに限定されるわけではない。
図3では、トナー前駆体分散液は、回転体2の中心部上部に設けられた液入口1より、案内筒3を通って、回転体2内部の処理室4に供給される。 処理室4の横断面形状は円形であって、この処理室において、処理物は遠心力で比重差により分離される。処理室4には、円錐形状のディスク(分離板)5が、回転軸の方向に沿って、小さな間隙を有して複数重ねられている。円錐形状のディスクの向きは、液抜き出し部7に向かう方向において、円錐がすぼまる向きであればよい。処理室4内に導入されたトナー前駆体分散液は、ディスク5の外周部側よりディスク間の間隙に入り、間隙を軸方向に向けて流れていくうちに、遠心力の作用でトナー前駆体分散液に濃度勾配が生じる。そして、濃縮された(固形分率が高い)高粘度のトナー前駆体分散液が、排出ノズル6方向へと流れ、排出ノズル6より外部に排出される。一方、比重の軽い分離水(清水)は回転体2の中心側へと流れ、回転体2の上部に設けられた液抜き出し部7より外部に排出される。
ここで、該濃縮工程で取り除かれる分散媒の処理量Q(m3/hr)[比重の軽い分離液(清水)の処理量]と、該ディスク型遠心分離機の分離沈降面積Σ(m2)との関係が、
0.2≦Q/Σ≦0.45
であると好ましい。これは、濃縮工程前のトナー前駆体分散液から、比重の軽い分離液(清水もしくは清澄液)を分離する、高い分離能力と該濃縮されたトナー前駆体分散液の生産効率が高いレベルで両立するためである。
この際、Qは比重の軽い分離液(清水もしくは清澄液)の流量であり、図4に示すディスクの状態を表す模式図に基づき、Σは次式で表される。
Σ=2.34×10-3×n2×N×cotα(r13-r23
(n:回転数、N:ディスクの枚数、α:ディスクの角度、r1:ディスクの外径の半径、r2:ディスクの内径の半径)
次に本発明に用いる好適な2)デカンタ型遠心分離機の断面図の一例を図5に示すが、これに限定されるわけではない。
図5に示したデカンタ型遠心分離機は、外側回転筒、及び該外側回転筒内に相対回転自在に設けられたスクリューコンベアを有する。図5に示したデカンタ型遠心分離機では、トナー前駆体分散液を、スクリューコンベア11内に設けられたチューブ13を通って外側回転筒12内に供給する。前記回転筒を高速回転させることにより、濃縮された高粘度トナー前駆体分散液が、排出口15の方向に進み、排出口15から排出される。一方、トナー前駆体分散液から分離された分離液(水系媒体)は、分離液排出口16からオーバーフローして排出される。
本発明に用いられる遠心分離機はディスク型遠心分離機であることが好ましく、ノズル式ディスク型遠心分離機であると更に好ましい。これは、例えばデカンタ型遠心分離機であると、濃縮工程時に該デカンタ型遠心分離機内のスクリューによってトナー前駆体が掻き出されるのに対し、ディスク型遠心分離機であると、濃縮装置として、遠心分離機の遠心力のみでなく、水の流れをディスク間の間隔を制御することで層流に制御することによる効果によっても濃縮効率が向上するため、遠心力が小さくても濃縮が可能なためトナーに掛かる負荷が軽減できるためである。その結果、濃縮装置内部に対する機内付着や割れ欠けの抑制や高い生産効率を維持する点で好ましい。
ディスク型遠心沈降装置は、300G以上15000G以下の遠心力を加えることが好ましく、1000G以上7000G以下の遠心力を加えることが更に好ましい。これは、濃縮効率が高く、トナーへのダメージも小さいためである。
該ディスクは複数配置され、その配置間隔が0.5mm以上1.0mm以下であると好ましい。これは、ディスク間の間隔が上述の範囲であると、水の流れをディスク間で層流にする効率が高く、濃縮効率が高いためである。
該濃縮装置がノズル式ディスク型遠心分離機であると、ノズル径が0.3mm以上5.0mm以下であると望ましく、0.5mm以上3.0mm以下であると更に好ましい。これは、ノズル詰まりの抑制と濃縮効率がより両立しやすい為である。特に、トナー前駆体の重量平均粒径(D4)が4.00μm以上12.00μm以下であると顕著である。
該濃縮工程において事前にノズル径より大きい粒径のトナー前駆体やゴミを除去する工程を有していても良い。
該濃縮装置に供給されるトナー前駆体分散液の温度としては、30℃以上であると好ましい。これは、該トナー前駆体分散液を構成する水系媒体の粘度が低下するため、トナー前駆体分散液から水系媒体を分離し易くなり、濃縮効率が高くなるためである。
該トナー前駆体は、例えば結晶性ポリエステル樹脂などの結晶性物質を含有していてもよい。該トナー前駆体が結晶性物質を含有している場合は、該濃縮装置に供給されるトナー前駆体分散液の温度としては、該結晶性物質の融点以下であると、トナー前駆体による該濃縮装置に対する機内付着が抑制されるため好ましい。
本発明によるトナーはガラス転移温度が60.0℃以上100.0℃以下で酸価2.5mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下の極性樹脂を0.50質量%以上30.0質量%以下有していると好ましく、該極性樹脂は少なくとも非晶性ポリエステル樹脂であるとより好ましい。これは、トナー粒子の表層が該極性樹脂となり、トナー粒子表層の耐熱性が向上するためである。また、該極性樹脂が非晶性ポリエステル樹脂であるとトナーの帯電性の点で優れているためである。
特に水系媒体中でトナーを製造するため、該非晶性ポリエステル樹脂の場合、含有量は0.50質量%以上20.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.50質量%以上15.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上10.0質量%以下であり、1.0質量%以上8.0質量%以下であると特に好ましい。0.50質量%以上では該非晶性ポリエステル層が十分な厚みを持ってトナー表面全域を覆え、特に機械的特性、帯電性の点で効果が大きく、好ましい。また、離型剤の内包化が十分なため現像性、耐久性に優れるため好ましい。20.0質量%以下の場合、トナーの低温定着性の点で優れ、更に離型剤による迅速な離型層の形成がなされるため、耐オフセット性の点でも好ましい。更には粒径分布がシャープになり、帯電分布もシャープになること、加えて湿度のトナーへの影響が小さく、トナーの帯電安定性に優れるため好ましい。
また、該非晶性ポリエステル樹脂の酸価は2.5mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下であると好ましく、2.5mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下であると更に好ましく、3.0mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下であるとより一層好ましく、3.0mgKOH/g以上10.0mgKOH/g以下であると特に好ましい。酸価が2.5mgKOH/g以上では該非晶性ポリエステルはトナー表面に均一な層を形成する点で好ましく、25.0mgKOH/g以下ではトナー化した際に湿度の影響を受けにくく帯電安定性の点で好ましい。
加えて、該非晶性ポリエステル樹脂はトナーと水系媒体との中間の極性を持つことでトナー粒子製造時において分散安定成分としての作用が得られるが、酸価が2.5mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下では、トナー表層に安定した状態で均一に分布するため効果が大きく、異形粒子発生が抑えられ、トナーの帯電分布において均一となり、好ましい。
本発明のトナーにおいては該非晶質ポリエステルの酸価は結晶性ポリエステルの酸価より高いことが望ましい。これは、非晶性ポリエステルの酸価が結晶性ポリエステルの酸価がより高い場合は該結晶性ポリエステルの大半が非晶性ポリエステルよりトナー内部に分布することになり、該結晶性ポリエステル樹脂の融点以上での重合反応工程においてトナー表層側が過疎化されにくくトナー粒子が凝集しにくいためである。
<結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂やスチレン-アクリル樹脂の酸価の測定方法>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT-510)を用いて求めることができる。0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT-510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT-WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
本試験;
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
該非晶性ポリエステル樹脂はガラス転移点(Tg)が、60乃至80℃、好ましくは60乃至80℃が良い。より好ましくは65乃至80℃が良い。更に好ましくは70乃至76℃が良い。特に好ましくは73乃至76℃が良い。ガラス転移点が60℃であると、トナーの耐ブロッキング性、耐久性が良好となり、ガラス転移点が80℃以下であると、トナーの低温での定着性、耐低温オフセット性が良好となる。なお、Tgは中点法により求められる値を示す。
該非晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が6,000乃至100,000であることが好ましく、より好ましくは6,500乃至85,000、更に好ましくは6,500乃至45,000である。該非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が6,000以上であると、連続画像出力においてもトナー表面の外添剤が埋没し難く、転写性の低下を抑えられる。重量平均分子量が100,000以下であると、重合性単量体に該非晶性ポリエステル樹脂を溶解するのに時間を多く費やすことがなく、粒径が小さくかつ、粒度分布の揃ったトナーが得やすくなる。
該非晶性ポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が3,000乃至80,000であることが好ましく、より好ましくは3,500乃至60,000、更に好ましくは3,500乃至12,000である。該非晶性ポリエステル樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量分布のメインピーク値(Mp)が、分子量4,500乃至40,000の領域、より好ましくは分子量6,000乃至30,000の領域に存在することが良い。より好ましくは分子量6,000乃至20,000の領域である。上記範囲内であると重量平均分子量の場合と同様の傾向を示す。
該非晶性ポリエステル樹脂はMw/Mnが1.2乃至3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw/Mnが1.2以上の場合には、トナーの多数枚耐久性及び耐オフセット性の点で好ましく、3.0以下の場合には、低温定着性の面で好ましい。
<結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂やスチレン-アクリル樹脂の分子量および分子量分布の測定方法>
試料の分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出される。酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
GPCによる分子量の測定は、以下のようにして行う。まず、室温で24時間かけて、測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
測定サンプルの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル樹脂やトナー粒子のガラス転移温度の測定方法>
試料のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)を用いて測定する。
示差走査熱量計は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418-82に準じて以下のように測定する。測定サンプルは2から5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用いる。20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20乃至180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。本発明においては、ガラス転移温度は中点法で求めることができる。
該非晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
特に好ましい製造方法は、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際のポリエステルの組成について以下に説明する。
ポリエステルは、全成分中43~57mol%がアルコール成分であり、57~43mol%が酸成分であることが好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂を製造する上で、公知のアルコール成分を用いることができる。アルコール成分としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(I)
Figure 0007166825000004
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2以上10以下を示す。)
で示されるビスフェノー誘導体、又は下記式(II)
Figure 0007166825000005
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル-P・P’-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸,ジフェニルメタン-P・P’-ジカルボン酸、ベンゾフェノン-4,4’-ジカルボン酸,1,2-ジフェノキシエタン-P・P’-ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6以上18以下のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
特に好ましいアルコール成分としては前記(I)式で示されるビスフェノール誘導体、エチレングリコールであり、酸成分としては、テレフタル酸、又はその無水物、こはく酸、n-ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。特にテレフタル酸が好ましい。
該ポリエステルユニットは、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチレンカルボキシルプロパン、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4-メタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
3価以上のポリカルボン酸は全酸モノマーユニットを基準として、10.00.mol%以下であると好ましい。また同様に、3価以上のポリオールは全アルコールモノマーユニットを基準として、10.00.mol%以下であると好ましい。これは、3価以上のポリカルボン酸は全酸モノマーユニットを基準として、10.00.mol%以下であると、架橋による不溶分が少ないため顔料分散性の点で好ましいからである。また、不溶分を生成しないように製法を工夫した場合でも、分岐型のポリエステル樹脂の割合が少なく、強度に優れるため耐久性の点で好ましい。
該非晶性ポリエステル樹脂は芳香族系飽和ポリエステルであると好ましい。これは、該トナーの帯電性、耐久性、定着性に優れ、該トナー及び該ポリエステルの物性の制御が容易であるためである。特に芳香族の有するπ電子の相互作用により帯電性に優れる。また、不飽和ポリエステルを含有していると、トナーを作製する際に不飽和部が反応し、架橋することでトナーが硬くなるため、特に定着性において劣るため好ましくない。
<該ポリエステル樹脂およびトナーの結着樹脂の構造分析>
該ポリエステル樹脂の構造決定は、核磁気共鳴装置(1H-NMR、13C-NMR)並びにFT-IRスペクトルを用いて行うことができる。以下に用いる装置について記す。
各樹脂サンプルはトナー中から分取することで採取し、分析しても良い。
(i)1H-NMR、13C-NMR
日本電子製FT-NMR JNM-EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
(ii)FT-IRスペクトル
Thermo Fisher Scientific Inc.製 AVATAR360FT-IR
(離型剤)
本発明のトナーは、離型剤を含有してもよい。その場合、離型剤の少なくとも1つは、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30℃以上120℃以下であることが好ましく、50℃以上100℃以下であることがより好ましい。また、室温で固体の離型剤であることが好ましく、特に、融点が50℃以上100℃以下の固体離型剤がトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性及び耐オフセット性の点から好ましい。
離型剤としては、パラフィン離型剤、ポリオレフィン離型剤、マイクロクリスタリン離型剤及びフィッシャートロプシュ離型剤の如きポリメチレン離型剤、アミド離型剤、ペトロラタム等の石油系離型剤及びその誘導体、モンタン離型剤及びその誘導体、カルナバ離型剤及びキャンデリラ離型剤等の天然離型剤及びそれらの誘導体、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物離型剤、動物離型剤、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステル離型剤、ケトン離型剤及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体など公知の離型剤を用いることが可能である。これらは単独又は併せて用いることができる。
本発明のトナー中の離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、3質量部以上30質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましく、4質量部以上15質量部以下が更に好ましい。離型剤の添加量が下限値以上であるとオフセット防止効果が低くならず、上限値以下の場合は耐ブロッキング効果が低下せず、耐オフセット効果にも悪影響を与え難く、トナーのドラム融着やトナーの現像スリーブ融着を起こし難い。
本発明で用いられる離型剤としては炭化水素離型剤を用いている場合はより一層、耐ブロッキング効果、耐オフセット効果に優れ、トナーのトナー層規制部材やトナー担持体への融着を起こし難い。また、離型剤としては炭化水素離型剤を用い、かつ脂肪族のジオールと脂肪族のジカルボン酸により製造された結晶性ポリエステル樹脂もトナー中に含有している場合、該結晶性ポリエステルと離型剤との相互作用により、結晶化が促進されやすいため、よりトナー表層側において離型剤や結晶性ポリエステル樹脂が結着樹脂に相溶しにくく、重合工程中にトナーが凝集しにくいため好ましい。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、離型剤をトナーから抽出することを必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法を用いることができる。例えば、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。その後、IR法などにより同定分析をする。
また、定量に関しては、DSCなどにより定量分析を行う。本発明ではTAインスツルメンツジャパン社製DSC-2920を用いて測定を行う。
測定時の比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移点とする。また、得られた昇温時のDSC曲線から離型剤成分の最大吸熱ピーク温度を得る。
(荷電制御剤)
本発明のトナーにおいては、公知の荷電制御剤を使用することができる。荷電制御剤の含有量は、トナー中の結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(顔料)
本発明のトナーは、着色剤として顔料を含有する。シアン系着色剤に用いられる顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、並びに、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3及び15:4。
マゼンタ系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物及びペリレン化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド31、32、122、150、254、264及び269。
イエロー系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物及びアリルアミド化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー74、93、120、139、151、155、180及び185。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、並びに、上記イエロー系、マゼンタ系及びシアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
顔料がカーボンブラック、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド122、150、32、269、C.I.ピグメントイエロー155、93、74、180及び185であると本発明の効果が高く好ましい。特に好ましくはカーボンブラック、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド122である。カーボンブラックの場合は、pHが6以上で吸油量(DBP)が30(cc/100g)以上120(cc/100g)以下であると好ましい。これは、本発明で用いられる重合開始剤が反応阻害されにくいためである。
これら顔料の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のトナーにおいては、本発明の効果を阻害しない範囲で各種特性付与を目的として公知の様々な無機、有機の添加剤を用いることが可能である。用いる添加剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナーの重量平均径の3/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、走査型電子顕微鏡におけるトナーの表面観察により求めたその平均粒径を意味する。
これら添加剤の含有量は、トナー100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.02質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。これらの添加剤は、単独で用いても複数併用してもよい。
また、これらの添加剤は疎水化処理されていてもよい。疎水化処理の方法としては、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤など各種カップリング剤を用いることが可能であるが、シリコーンオイルで疎水化度を高くすることが好ましい。高湿下での無機微粉体の水分吸着を抑制することができ、さらには、規制部材や帯電部材などの汚染が抑制することができるため、高品位の画像が得られるためである。
トナーの重量平均粒径(D4)としては4.0μm以上12.0μm以下であると好ましく、4.0μm以上9.0μm以下であるとより好ましい。重量平均粒径が4.0μm以上であると長期使用において耐久性や耐熱性に良好であり、重量平均粒径が12.0μm以下であるとトナーの着色力及び画像の解像度の点で良好となる。
<トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下までに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)、体積基準メジアン径、個数基準メジアン径を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、「中位径」が体積基準メジアン径(Dv50)である。また、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)であり、「中位径」が個数基準メジアン径(Dn50)である。
トナーのガラス転移温度としては、保存性と定着性の観点から53℃以上75℃以下が好ましい。
トナーの平均円形度としては平均円形度が0.975以上が好ましい。これはトナーがトナー間やトナー担持体、トナー層規制部材と均一に摩擦帯電する確率が高く、トナーが受けるストレスも均一化されるためであり、帯電性や、トナー層規制部材への融着抑制の点で好ましい。
<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS-150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナーを計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.977μm以上39.54μm未満に限定し、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.977μm以上、39.54μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
(重合性単量体)
本発明に用いられる重合性単量体としては、スチレン以外にもラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いても良い。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’-ビス(4-(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組合せて使用する。
スチレン以外に用いる重合性単量体としてはスチレン誘導体、n-ブチルアクリレートや2-エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステル系重合性単量体もしくはn-ブチルメタクリレートや2-エチルヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル系重合性単量体が望ましい。これは重合性単量体を重合して得られる結着樹脂の強度や柔軟性の点で優れているためである。
(製造方法)
本発明のトナーの製造方法として懸濁重合を用いるが、以下の如き製造方法によって直接的にトナーを製造することが可能である。重合性単量体中にポリエステル樹脂などの極性樹脂、離型剤、着色剤、架橋剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた重合性単量体組成物を、分散安定剤を有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミクサー、ホモジナイザーなどにより分散せしめる。その際、重合性単量体組成物の液滴が所望のトナーのサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合開始剤を添加することで重合反応を進行させるが、重合温度は40℃以上、通常50~120℃の温度に設定して重合を行う。重合温度が95℃以上の場合は重合反応を行う容器を加圧して水系媒体が蒸発するのを抑制しても良い。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpHを変更しても良い。更に、定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半に反応温度を上げる、もしくは反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナーを洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
造粒中の水系媒体中のpHは特に制約は受けないが、好ましくはpH3.0~13.0、更に好ましくは3.0~7.0、特に好ましくは3.0~6.0である。pHが3.0未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、分散安定化が困難になり、造粒出来なくなることがある。またpHが13.0を超える場合はトナー中に添加されている成分が分解されてしまうことがあり、本発明の効果がが弱くなることがある。造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤に由来する金属のトナー中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやすくなる。
また、トナーの洗浄をpH2.5以下、より好ましくはpH1.5以下の酸を用いて行うことが好ましい。トナーの洗浄を酸で行うことにより、トナー表面に存在する分散安定剤を低減することができる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸の如き無機酸を用いることができる。これによりトナーの帯電性を所望の範囲に調整することも可能である。
本発明に用いられる分散安定剤としての難水溶性無機微粒子以外に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを併用しても構わない。これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上2.0質量部以下を使用することが好ましい。
さらに、これら分散安定剤の微細化のため0.001質量%以上0.1質量%以下の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
<トナーの重合転化率の測定方法>
トナーの重合転化率は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用い、以下のようにして測定する。トナー分散液約500mgを精秤しサンプルビンに入れる。これに精秤した約10gのアセトンを加えてフタをした後、よく混合し、発振周波数42kHz、電気的出力125Wの卓上型超音波洗浄器(商品名「B2510J-MTH」、ブランソン社製)にて超音波を30分間照射する。その後、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)を用いて濾過を行い、濾液2μLをガスクロマトグラフィーで分析する。そして、予め使用した重合性単量体を用いて作成した検量線により、残留している重合性単量体の「残存量」を算出する。その後、下記式に従い、トナーの重合転化率(質量%)を規定する。測定装置及び測定条件は、下記トナー中の残留モノマーの定量方法と同じである。
(式)100×(1-(重合性単量体の残存量)/(使用した重合性単量体の総量))
<トナー中の残留モノマーの定量方法>
トナー中の残留スチレンモノマーの定量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下のようにして測定する。トナー約500mgを精秤しサンプルビンに入れる。これに精秤した約10gのアセトンを加えてフタをした後、よく混合し、発振周波数42kHz、電気的出力125Wの卓上型超音波洗浄器(例えば、商品名「B2510J-MTH」、ブランソン社製)にて超音波を30分間照射する。その後、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)を用いて濾過を行い、濾液2μlをガスクロマトグラフィーで分析する。そして、予めスチレンなど各種モノマーを用いて作成した検量線により、残留モノマーの残存量を算出する。
測定装置及び測定条件は、下記の通りである。
GC:HP社 6890GC
カラム:HP社 INNOWax(200μm×0.40μm×25m)
キャリアーガス:He(コンスタントプレッシャーモード:20psi)
オーブン:(1)50℃で10分ホールド、(2)10℃/分で200℃まで昇温、(3)200℃で5分ホールド
注入口:200℃、パルスドスプリットレスモード(20→40psi、until0.5分)
スプリット比:5.0:1.0
検出器:250℃(FID)
以下、本発明におけるその他の製造装置について説明する。
本発明では、公知のものが使用できるが、造粒工程における撹拌手段の一例としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック社製)、マックスブレンド(住友重機社製)、スーパーミックス(佐竹化学機械工業社製)、Hi-Fミキサー(綜研化学社製)等の撹拌翼を有するものを用いることができる。他にも、高剪断力を付与できる撹拌機がより好ましい。高剪断撹拌機としては、高速回転する撹拌ロータと該撹拌ロータを囲うように設けられたスクリーンとによって形成される撹拌室を備えているものが好ましく用いられる。具体的には、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エムテクニック社製)、Wモーション(エムテクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、シャープフローミル(太平洋機工社製)等が用いられる。
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
〔非晶性ポリエステル樹脂1の製造〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に、
テレフタレート 29.9部
ビスフェノールA-プロピレンオキサイド2モル付加物 51.7部
エチレングリコール 4.5部
テトラブトキシチタネート 0.125部
上記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行い、その後トリメリット酸を2.1部及びテトラブトキシチタネートを0.120部追加し、220℃で3時間反応させ、更に10~20mmHgの減圧下で2時間反応して非晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂1の物性は表2に示す。また、得られた非晶性ポリエステル樹脂1の組成は表1に記載の仕込み量通りの組成であった。
〔非晶性ポリエステル樹脂2~8の製造〕
表1の原材料モノマー仕込み量および重縮合反応の温度条件にて、非晶性ポリエステル樹脂1と同様の操作を行い、非晶性ポリエステル樹脂2~8を製造した。得られた樹脂の物性を表2に示す。各非晶性ポリエステル樹脂の分子量と酸価の調整に関しては適宜反応時間を調整して非晶性ポリエステル樹脂の物性が達成されるようにした。
Figure 0007166825000006
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
TMA:トリメリット酸
BPA(PO):ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
EG:エチレングリコール
Figure 0007166825000007
〔スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン100部、メタノール350部、スチレン470部、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸-2-エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1を製造した。得られた樹脂の物性は、Mw=24000、Tg=67.0℃、残留モノマー=350ppmであった。
尚、得られたスルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1の酸価は、20.0mgKOH/gであった。
〔疎水性シリカ1の製造〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)100部をヘキサメチルジシラザン10部で処理し、さらにジメチルシリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ1を得た。疎水性シリカ1の一次粒子径は12nm、疎水化度は97であった。
〔疎水性酸化チタン1の製造〕
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)100部をトルエン中でγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン20部で処理し、濾過、乾燥して疎水性酸化チタン1を得た。疎水性酸化チタン1の一次粒子径は25nm、疎水化度は60であった。
(トナー製造例1)
分散媒(水系媒体):
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に7.8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物:
・スチレン 60部
・カーボンブラック(Orion Engineerred Carbons社製、商品名「Printex35」) 7部
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE-89) 0.25部
上記材料をアトライタ分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に、
・スチレン 20部
・n-ブチルアクリレート 20部
・非晶性ポリエステル樹脂1 5部
・スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂1
0.3部
・フィッシャートロプシュ離型剤
(シューマンサゾール社製、商品名「C80」:融点83.0℃) 9部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t-ブチルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーブチルPV」)10.0部と重合開始剤t-ブチルパーオキシイソブチレート(アルケマ吉富社製、商品名「ルペロックス80」)3.0部とを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
造粒タンク中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、T.K.ホモミクサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.2で造粒した。その後、重合タンクに移して、パドル撹拌翼で30回/分で撹拌しつつ70℃で6時間(重合転化率は90%であった)、さらに90℃に昇温し、2時間反応させてトナー前駆体分散液1を得た。得られたトナー前駆体分散液1の物性については表5に記載した。
得られたトナー前駆体分散液1の温度を40℃に降温した後、トナー前駆体分散液1を図3に記載の濃縮装置(ノズル式ディスク型遠心分離機 FESX610S-34CH アルファ・ラバル株式会社製)を用い、表4に記載の条件で濃縮工程を実施した。
濃縮工程終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションをろ紙を用いて加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションをろ紙を用いて加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥した。その後、風力分級し、ブラック着色粒子を得た。
得られたブラック着色粒子100部と、疎水性シリカ1を1.5部、及び疎水性酸化チタン1を0.3部加え、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で混合し、外添剤を有するトナー1を得た。
(トナー製造例2~17、22~27、29~45)
表3に記載される通りに各原料の種類、添加量、および添加タイミングを変更させた以外はトナー製造例1と同様にして、トナー前駆体分散液2~17、22~27、29~45を得た。得られたトナー前駆体分散液2~17、22~27、29~45の物性について表5に示す。
その後、表4に記載される通りに濃縮工程の条件を変更させた以外はトナー製造例1と同様にしてトナー2~17、22~27、29~45を得た。
(トナー製造例28)
表3に記載される通りに各原料の種類、添加量、および添加タイミングを変更させた以外はトナー製造例1と同様にして、トナー前駆体分散液28を得た。得られたトナー前駆体分散液28の物性について表5に示す。
その後、濃縮工程に用いる濃縮装置を図5に記載のタナベウィルテック(株)製の連続式デカンタ型遠心分離機に変更し、表4に記載される通りに濃縮工程の条件を変更させた以外はトナー製造例1と同様にしてトナー28を得た。
Figure 0007166825000008
Figure 0007166825000009
Figure 0007166825000010
[実施例1~17、22~37]
トナー1~17、22~37の濃縮工程前後での平均円形度の変化率、残留スチレンモノマー濃度を評価した。また、評価機を用いてグロスの評価を行った。また、製造時の濃縮工程後の装置機内付着の評価を行った。評価結果は表6に示す。
<平均円形度の変化率の評価>
濃縮前後での平均円形度の変化率[%]=100×(濃縮前のトナー前駆体分散液の平均円形度-濃縮後のトナー前駆体分散液の平均円形度)/(濃縮前のトナー前駆体分散液の平均円形度)
上記式に当てはめることで算出した。また、平均円形度の変化率の評価は、以下の基準とした。
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上
<残留スチレンモノマーの評価>
トナー1~37の有機揮発物質の濃度の評価は、以下の基準とした。
A:12.0ppm未満
B:12.0ppm以上24.0ppm未満
C:24.0ppm以上
<グロスの評価>
定着ユニットを外したカラーレーザープリンタ(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、作製したトナーと同じ色のトナーを有するカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(XEROX 4200用紙、XEROX社製、75g/m2)上に、充填したトナーを用いて、未定着のベタ画像(トナーの載り量:0.6mg/cm2)を形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、プロセススピード250mm/s、170℃で上記未定着画像の定着を行った。PG-3D(日本電色工業製)を用いてグロス値の測定を行った。評価基準を下記に示す。
A:グロス値が30以上
B:グロス値が20以上30未満
C:グロス値が20未満
<濃縮装置機内付着の評価>
濃縮工程終了後、濃縮装置を分解し、内部の付着状況を目視で確認した。
A:濃縮装置内部にトナー付着が存在しない。
B:濃縮装置内部の濃縮液排出口付近に僅かにトナーが付着している。
C:濃縮装置内部の濃縮液排出口付近だけでなく、装置内部全体にトナーが付着している。
[比較例1~8]
トナー38~45の濃縮工程前後での平均円形度の変化率、残留スチレンモノマー濃度を評価した。また、評価機を用いてグロスの評価を行った。また、製造時の濃縮工程後の装置機内付着の評価を行った。評価結果は表6に示す。
Figure 0007166825000011
1:液入口、2:回転体、3:案内筒、4:処理室、5:ディスク(分離板)、6:排出ノズル:、7:液抜き出し部、11:スクリューコンベア、12:外側回転筒、13:原液投入チューブ、14:スクリュー羽根、15:排出口、16:分離液排出口、17:インペラ

Claims (4)

  1. 重合性単量体を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成する造粒工程、
    該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することによりトナー前駆体を得る重合工程、および
    該水系媒体中の該トナー前駆体の固形分率を上げる濃縮工程
    を有するトナーの製造方法であって、
    該造粒工程は、該重合性単量体組成物を調製する工程、および該水系媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、撹拌することにより該水系媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を形成する工程からなり、
    該重合工程は、2種以上の重合開始剤を用いて該重合性単量体を重合することにより該トナー前駆体を得る工程であり、
    該濃縮工程は、遠心分離機を用いて該水系媒体中の該トナー前駆体の固形分率を上げる工程であり、
    該2種以上の重合開始剤のうち、第1の重合開始剤が、下記式(1)の構造または下記式(2)の構造を有し、その10時間半減期温度が、70.0℃以上115.0℃以下であり、
    該2種以上の重合開始剤のうち、第2の重合開始剤が、下記式(3)の構造または下記式(4)の構造を有し、その10時間半減期温度が、45.0℃以上65.0℃以下であり、
    重合性単量体組成物を調製する工程において、該第1の重合開始剤および該第2の重合開始剤を添加し、
    該第2の重合開始剤の添加量が、該重合性単量体に対して2.5mol%以上20.0mol%以下である、
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
    Figure 0007166825000012
  2. 前記第1の重合開始剤が、下記式(5)の構造または下記式(6)の構造を有する、請求項1に記載のトナーの製造方法。
    Figure 0007166825000013
  3. 前記第1の重合開始剤の添加量が、前記第2の重合開始剤の添加量に対して5.0mol%以上60.0mol%以下である、請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記遠心分離機が、ディスク型遠心分離機である、請求項1~3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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