JP2019168632A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置の機内汚染が少なく、耐久性にも優れ、高画質を維持できるトナーを提供する。【解決手段】結着樹脂を含有するコアと前記コア表面に存在するシェルとを有するトナー粒子と、チタン酸金属微粒子とを有するトナーであって、前記シェルは、ポリエステル樹脂Aを含有し、前記ポリエステル樹脂Aは、脂環式構造を有するアルコール又は脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットを有し、ポリエステル樹脂Aを構成する全ユニット数に対する脂環式構造を有するアルコール及びカルボン酸に由来するユニットの数の割合が、0.10%以上20.00%以下であり、前記チタン酸金属微粒子は、(i)一次粒子の個数平均粒径が10nm以上100nm以下であり、(ii)ペロブスカイト結晶構造であり、(iii)メタノール濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が30.0%以上60.0%以下である、ことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真および静電印刷などの画像形成に用いられるトナーに関する。
近年、複写機やプリンターには、小型化、高速化、長寿命化(長期にわたり安定した画像が得られる)に加え、あらゆる環境下においても安定した画像が得られることが求められている。
そうした要望に応えるために、帯電環境差を低減させる作用を有する酸化チタン外添剤を用いたトナーが提案されている。
例えば、高温高湿下におけるさらなる帯電性の向上を目的として、フッ素原子含有のシラン化合物により表面処理された酸化チタンを含む外添剤を用いたトナーが提案されている(特許文献1)。これによれば、フッ素原子を含むシラン化合物により表面処理された酸化チタンを含む外添剤を用いることで、帯電の立ち上がり性が向上することが開示されている。
また、特許文献2では、コアシェル構造を有するトナー粒子と外添剤を含有するトナーにおいて、トナー粒子のシェルに、特定の物性を有するポリエステル樹脂を含有し、フッ素原子を含むシラン化合物により表面処理された酸化チタンを含む外添剤とを含むトナーが開示されている。これによれば、初期から帯電の立ち上がり性に優れ、かつ低温低湿環境下であっても過度な帯電量の増加を抑制できることが開示されている。
特許4310146号公報 特開2017−44982号公報
確かに、特許文献1及び特許文献2に記載のトナーは、帯電の立ち上がり性が向上し、安定した画像が得られる。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、いずれの開示されている技術は、より高速化、高寿命化した際に、トナーに含有されるワックスが原因で生じる画像形成装置の機内汚染において、改善の余地があることが分かった。
本発明の目的は、画像形成装置の機内汚染が少なく、耐久性にも優れ、高画質を維持できるトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂を含有するコアと前記コア表面に存在するシェルとを有するトナー粒子と、チタン酸金属微粒子とを有するトナーであって、
前記シェルは、ポリエステル樹脂Aを含有し、
前記ポリエステル樹脂Aは、脂環式構造を有するアルコール又は脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットを有し、ポリエステル樹脂Aを構成する全ユニット数に対する脂環式構造を有するアルコール及びカルボン酸に由来するユニットの数の割合が、0.10%以上20.00%以下であり、
前記チタン酸金属微粒子は、(i)一次粒子の個数平均粒径が10nm以上100nm以下であり、(ii)ペロブスカイト結晶構造であり、(iii)メタノール濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が30.0%以上60.0%以下である、
ことを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、機内汚染が少なく、環境によらず長期使用において高画質を維持できるトナーを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
一般に電子写真方式において、機内汚染は定着器付近で発生する。その理由としては、トナーに含まれるワックスが過剰に定着ローラに付着し、加熱されることで超微粒子化し、機内に付着するからである。本発明者らは、耐久性に優れ、高画質を維持するとともに、機内汚染を抑制することについて鋭意検討した。
その結果、本発明の構成を取ることによって上記目的が達成されることがわかった。
本発明の効果の発現メカニズムの詳細は不明だが、下記のように予想している。
初期から帯電の立ち上がり性に優れ、かつ低温低湿環境下であっても過度な帯電量の増加を抑制するためには、特定の構造を有するポリエステル樹脂を含有し、フッ素原子を含むシラン化合物により表面処理された酸化チタンを含む外添剤含有トナーとすることが開示されている(特許文献2)。
それに対し、本発明者らは、上記の性能に加え、更に機内汚染を抑制するためには、
(1)定着時において、外添剤がトナー粒子表面に埋め込まれにくいこと
(2)上記外添剤自体が、ワックスに対し親和性が高い(疎水性)こと
(1)、(2)とすることで、定着時において、トナーの表面に存在する過剰量のワックスをトナー粒子表面の外添剤によって捕捉し、定着器へのワックスの付着を抑制することができると考えた。その結果、(1)、(2)に対し、コアシェル構造を有するトナー粒子のシェルとして、脂環式ポリエステル樹脂を用いること、及び外添剤として、ペロブスカイト結晶構造をとるチタン酸金属微粒子を使用し、一次粒子の個数平均粒径と疎水化度を制御することにより、本発明の効果を生み出すことがわかった。
この理由として、トナー粒子のシェルとして脂環式ポリエステル樹脂を用いることで、その環状構造により適度な剛直性を有するため、定着時においても外添剤が埋め込まれにくくなる。このトナー粒子に用いるチタン酸金属微粒子は、ペロブスカイト型の結晶構造を有している。また、チタン酸金属微粒子は、立方体/直方体の形状を有している。これにより、シリカ微粒子など他外添剤に対し、スペーサー効果を生み出し、外添剤の埋め込みを抑えていると考えている。このトナー粒子表面物性と外添剤の形状の相乗効果により、定着時において、外添剤が定着面の表面積を大きくし、それらを起点にワックスが濡れ広がり効果を生み出していると考えている。
さらには、上記チタン酸金属微粒子は、メタノール濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が30.0%以上60.0%以下であることで、ワックスに対し、親和性が高くなっている。これにより、定着時において、親和性によるワックスの濡れ広がりの効果を生み出していると考えている。上記により、定着時において、トナーの表面に存在する過剰量のワックスをトナー粒子表面の外添剤によって捕捉し、定着器へのワックスの付着を抑制することができていると考えている。
本発明における構成要素の一つであるトナー粒子について説明する。
本発明において、トナー粒子は、結着樹脂を含有するコアと前記コア表面に存在するシェルとを有する。
前記シェルは、ポリエステル樹脂Aを含有し、脂環式構造を有するアルコール又は脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットを有し、ポリエステル樹脂Aを構成する全ユニット数に対する脂環式構造を有するアルコール及びカルボン酸に由来するユニットの数の割合が、0.10%以上20.00%以下であることが必須である。
ポリエステル樹脂Aは、脂環式構造において、ユニット数が0.10%より小さいと、定着時の外添剤埋め込み抑制効果が小さくなる。ポリエステル樹脂Aの脂環式構造において、ユニット数が20.00%より大きいと、トナー粒子としての剛性があがりすぎて外添剤の固着性が悪化し、固着不良となる。
前記ポリエステル樹脂Aは、高分子鎖を構成するユニットとして、脂環式構造を有するアルコール又は脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットを有する。前記ポリエステル樹脂Aは、酸成分とアルコール成分の重縮合により高分子鎖が形成されている。高分子鎖は、酸成分から得られるユニットとアルコール成分から得られるユニットがエステル結合により結合した構造を含有する繰り返し単位を有する。ポリエステル樹脂Aにおいては、繰り返し単位を構成する酸成分から得られるユニット及びアルコール成分から得られるユニットの少なくとも一方が、脂環式構造を有する。
この脂環式構造は、高分子鎖の構成単位自体としてのユニットとして、すなわち脂環式構造が直接隣接するユニットと連結して高分子鎖に組み込まれており、高分子鎖に結合する基、例えば、重合体としての繰り返し単位構造を有していない側基やペンダント基には配置されない。
前記ポリエステル樹脂Aは、この高分子鎖として、直鎖状の主鎖のみを有するものでも、主鎖及び側鎖を有する分岐鎖状のものでもよい。分岐鎖状の場合は、主鎖及び/または側鎖の構成単位として脂環式構造を組み込むことができる。
なお、脂環式化合物とは芳香族性を有さない環状構造を含む化合物を指す。構成元素に基づく分類では、脂環式構造としては、芳香族性を有さない環状構造が炭素および水素のみで構成されている脂環式炭化水素構造と、芳香族性を有さない環状構造に炭素、水素及びその他の元素を含む脂環式複素環構造があり、これらのいずれの脂環式構造も利用することができる。
脂環式炭化水素構造を含有する酸成分としてのモノマー(酸モノマー)及びアルコール成分としてのモノマー(アルコールモノマー)の例として、以下の各種のモノマーを挙げることができる。
酸モノマーとしては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、cis−1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸等が挙げられる。
アルコールモノマーとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、水素添加ビスフェノ−ルA、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、4,4’−ビシクロヘキサノール、1,3−アダマンタンジオール等が挙げられる。脂環式複素環構造を有するモノマーの例としては、アルコールモノマーとしてイソソルビド、スピログリコール等が挙げられる。
特に、アルコールモノマーとしてイソソルビドを用いることにより、ポリエステル樹脂の主鎖及び/または側鎖がイソソルビド構造を高分子鎖の構成ユニットとして有することがより好ましい。
ポリエステル樹脂Aは脂環式構造を有するアルコール又はカルボン酸以外に、以下の、二塩基酸やその誘導体(カルボン酸ハロゲン化物、エステル、酸無水物)と二価のアルコール、必要に応じて三官能以上の多塩基酸、その誘導体(カルボン酸ハロゲン化物、エステル、酸無水物)、一塩基酸、三官能以上のアルコール、一価のアルコール等を脱水縮合する方法等により調製することができる。
二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン−1,10−ジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸;フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロムフタル酸、テトラクロルフタル酸、ヘット酸、ハイミック酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族の二塩基酸等が挙げられる。また、二塩基酸の誘導体としては、上記脂肪族二塩基酸、芳香族二塩基酸のカルボン酸ハロゲン化物、エステル化物および酸無水物等が挙げられる。
二価のアルコ−ルとしては、例えば、エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類;ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF等のビスフェノ−ル類;ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノ−ルAアルキレンオキサイド付加物;キシリレンジグリコ−ル等のアラルキレングリコ−ル類等が挙げられる。
上記三官能以上の多塩基酸やその無水物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂Aの酸価は、0.5mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が0.5mgKOH/g以上であれば、トナー母粒子中においてポリエステル樹脂Aの大きなドメインの発生がより効果的に抑制され、トナーの帯電量分布をよりシャープにすることができる。また、酸価が25.0mgKOH/g以下であれば、低温低湿下で過剰な帯電をより効果的に抑えることが出来る。さらに、トナー粒子のシェル層に含有されるポリエステル樹脂Aの酸価が上記範囲を満たすことで、後述の懸濁重合法などにおいてトナー粒子の結着樹脂を形成する重合性単量体と水系媒体の呈する極性のバランスに応じて、添加したポリエステル樹脂Aがトナー粒子表面にシェル層を形成しやすくなる。
ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は5000以上50000以下であると、耐久性が良好になり、好ましい。ポリエステル樹脂Aの数平均分子量は1000以上20000以下であると、耐久性が良好になり、好ましい。
ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量の調整方法としては公知の方法が使用可能である。例えば、重量平均分子量を上記範囲とするためには、ポリエステル樹脂Aを製造する際の原料の量、反応温度、溶媒濃度などの条件を変えることによって重量平均分子量の制御が可能である。
また、ポリエステル樹脂Aの脂環式構造は、下記構造式(1)に示されるイソソルビド構造式であることが好ましい。イソソルビド構造におけるエーテル結合部分が極性を有するため外添剤の親水部と相互作用し、外添剤が母体表面からはがれにくく、且つ外添剤のチャージアップ抑制効果がある。その結果、長期耐久時の規制不良や機内汚染に効果を生み出すことが可能となる。
Figure 2019168632
トナー粒子の結着樹脂100.0質量部に対して、ポリエステル樹脂Aは、1.0質量部以上20.0質量部以下含有することがより好ましい。この範囲内とすることで、シェルの形成と外添剤の固着状態がより良好となる。そのため、耐久時の外添剤の埋め込みがより抑制される。また、定着時における外添剤の埋め込みが抑制される。さらには、定着時において外添剤の表面積を大きくすることができるため、定着器へのワックスの付着をより抑制することができる。
[結着樹脂について]
本発明において、ポリエステル樹脂Aとともに結着樹脂を有する。例えば以下のようなものを例示することができる。スチレン樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、また、それらの樹脂を任意に結合させたハイブリッド樹脂。
中でも以下のものがトナー特性の上で望ましく用いられる。スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂。
上記の場合において使用できる重合性単量体として、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルのようなビニルエステルを好適にあげられる。
[着色剤について]
本発明のトナー粒子は着色剤を含有する。黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂を生成する重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
さらに本発明のトナーは、着色剤として磁性体を含有させ磁性トナーとすることも可能である。磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属又はこれらの金属とアルミニウム、銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、ベリリウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
上記磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましい。重合法により磁性トナーを調製する場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。これらの磁性体の個数平均粒径は2.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下のものがさらに好ましい。トナー粒子中に含有させる量としては、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し、好ましくは20質量部以上200質量部以下、より好ましくは40質量部以上150質量部以下である。
[ワックスについて]
本発明のトナー粒子はワックスを含有する。
ワックス成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムのような石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスのような天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックスも使用できる。
[荷電制御剤について]
本発明のトナーは、トナーの帯電性を環境によらず安定に保つために、公知の荷電制御剤を用いてもよい。
[本発明のトナー粒子の製造方法について]
トナー粒子の製造方法は、特に限定されない。例えば、懸濁重合法・界面重合法・分散重合法のような、親水性媒体中で直接トナーを製造する方法(以下、重合法とも称する)が挙げられる。また、粉砕法を用いてもよく、粉砕法により得られたトナーを熱球形化してもよい。
その中でも、個々の粒子がほぼ球形に揃っていて、帯電量の分布も比較的均一となるため高い転写性を有している、懸濁重合法で製造するトナーが好ましい。
懸濁重合法は、結着樹脂を生成する重合性単量体、着色剤、ワックス等の添加剤を有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、重合性単量体組成物の液滴を製造する造粒工程、液滴中の該重合性単量体を重合する重合工程を経ることによりトナー粒子を製造する方法である。
[チタン酸金属微粒子について]
本発明における構成要素の一つであるチタン酸金属微粒子について説明する。
本発明では、ペロブスカイト結晶構造をとるチタン酸金属微粒子であり、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上100nm以下であり、メタノール濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が30.0%以上60.0%以下である外添剤を含有することが必須である。
前述した適度な剛性のある表層を有するトナー粒子に対して、上記の特定の範囲となるチタン酸金属微粒子を含有することで、機内汚染と低温低湿環境での規制不良に改善効果があり、長期間にわたり安定的な画像品質を得られるようになった。
また、前記外添剤が立方体/直方体の形状をとることにより、定着時において外添剤の埋め込みが抑制されるのと同時に、表面積を増大させることができる。
また、前記外添剤は、メタノール濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が30.0%以上60.0%以下であることで、定着時においてワックスとの親和性を高めることができる。そのため、定着時において、ワックスの濡れ広がり効果を生み出していると考えている。
チタン酸金属微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下であることが重要である。チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径が10nmより小さいと、形状の特性が小さくなり、定着時においての埋め込み抑制せず機内汚染が良化しない。100nmより大きいと、チタン酸金属微粒子がトナー表面から外れやすくなり、長期間にわたってチタン酸金属微粒子の効果を得られない。
チタン酸金属微粒子はメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が、30.0%以上60.0%以下である。以降、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験における、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度を「疎水化度」と記載する。
疎水化度が30.0%以上であれば、ワックスとの親和性が高まるため、ワックスの濡れ広がりやすさが向上する。加えて、水分吸着量の環境変動が抑えられ、環境により現像性が変化することを抑えることができる。疎水化度が30.0%より低い場合は、特に高温高湿環境下における帯電の立ち上り性が低下する。ただし、疎水性が高くなりすぎると、低温低湿環境下でも帯電の立ち上がり性が確保できないことが分かった。これは吸着水が表層に侵入することができず、負の帯電性が強くなる効果が得られず、帯電性が低くなることが要因であるが分かった。この吸着水が表層から侵入することにより帯電性を上げる効果を得るために必要な濡れ性は、疎水化度で60.0%以下の場合であった。チタン酸金属微粒子の疎水化度は、チタン酸金属微粒子の表面処理条件を調整することで制御することができる。
チタン酸金属微粒子は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上2.00質量部以下で添加されていることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上1.50質量部以下である。
チタン酸金属微粒子が、一般式(1)又は(2)で表される構造を有するいずれかの化合物による処理微粒子であることが好ましい。フッ素を含む外添剤は高ネガチャージを有する構造であることから、耐久初期から帯電の立ち上がり性が高く、高温高湿環境においてかぶり抑制が良化する。
Figure 2019168632
(式(1)中、Ra〜Rfは水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基又は炭素数1以上10以下のフッ化アルキル基を表す。Ra〜Rfの少なくとも一つは炭素数1以上10以下のフッ化アルキル基を表す。)
Figure 2019168632
(式(2)中、Rgは炭素数1以上10以下のフッ化アルキル基を表し、Rhは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルコキシ基を表す。)
チタン酸金属微粒子としては、チタン酸ストロンチウム微粒子、チタン酸カルシウム微粒子、チタン酸マグネシウム微粒子などのチタン酸アルカリ土類金属微粒子;チタン酸カリウム微粒子などのチタン酸アルカリ金属微粒子が挙げられる。中でも、チタン酸ストロンチウム微粒子であることがより好ましい。
チタン酸金属微粒子が、チタン酸ストロンチウム微粒子である場合、前記チタン酸ストロンチウム微粒子のブラッグ角をθとしたとき、2θが10°以上90°以下の範囲で得られるCuKαのX線回折スペクトルにおいて、前記チタン酸ストロンチウム粒子に由来するピークを39.700°±0.150°と46.200°±0.150°に有する。この位置にピークを有するチタン酸ストロンチウムは、立方晶系に属するぺロブスカイト構造を採る。39.700°±0.150°と46.200°±0.150°のピークは、それぞれミラー指数(111)と(200)の格子面に由来する回折ピークである。一般に立方晶系に属する粒子は、粒子の外観形状として6面体形状を採りやすい。
チタン酸ストロンチウム微粒子は、製造過程で6面体形状の面方向にあたる(100)面、(200)面を持ちながら粒子が成長する。
中でも、本発明者らが検討した結果、6面体形状の面方向にあたる(200)面と、頂点方向にあたる(111)面を持つ、チタン酸ストロンチウム微粒子を用いた場合に良好な特性を示すことを見出した。
詳細に検討した結果、39.700°±0.150°のピークの面積をSa、46.200°±0.150°のピークの面積をSbとしたとき、Sb/Saが、1.80以上2.30以下である場合、耐久時において、トナー粒子中への外添剤の埋め込みが更に抑制されることがわかった。
また、メカニズムは明らかではないが、上記の範囲をとることで、チタン酸ストロンチウム微粒子が、トナー粒子に対し、より均一に分散した状態で付着させることができる。
上記の形状を持つことで、機内汚染がさらに抑制されることがわかった。この理由としては、トナー粒子に対して外添剤の埋め込みが更に抑制され、且つ、均一に外添剤が分散した状態で付着させることができるため、ワックスの濡れ広がりやすさが増大したことが予想される。
チタン酸金属微粒子は、帯電調整や環境安定性の改良のため、前記処理剤に加えて、別途処理剤で表面被覆されていてもよい。
処理剤としては、
チタンカップリング剤;
シランカップリング剤;
シリコーンオイル;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;
ステアリン酸などの脂肪酸;
を例示できる。
処理の方法としては、表面処理剤などを溶媒中に溶解/分散させ、そこにチタン酸塩の微粒子を添加し、撹拌しながら溶媒を除去する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩とチタン酸塩の微粒子を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法が挙げられる。
チタン酸金属微粒子は、例えば、常圧加熱反応法により製造することができる。このとき、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、チタン以外の金属源としては水溶性酸性金属化合物を用いるとよい。そして、該原料の混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法で製造することができる。また、チタン酸金属粒子の形状を制御する方法として、乾式で機械的処理を施す方法もある。
以下、該常圧加熱反応法について説明する。
酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いる。好ましくは、硫酸法で得られたSO3含有量が1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下のメタチタン酸を塩酸でpHを0.8以上1.5以下に調整して解膠したものを用いる。一方、チタン以外の金属源としては、金属の硝酸塩又は塩酸塩などを使用することができる。
硝酸塩としては例えば、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、及び硝酸カルシウムなどを使用することができる。塩酸塩としては例えば、塩化ストロンチウム、塩化マグネシウム、及び塩化カルシウムなどを使用することができる。ストロンチウム、カルシウム、マグネシウムの硝酸塩や塩酸塩を使用して製造した場合、得られるチタン酸金属粒子はペロブスカイト結晶構造を有するため、帯電の環境安定性がさらに向上する点で好ましい。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
該製造方法において、得られるチタン酸金属粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、メタチタン酸を塩酸で解膠する際のpH、酸化チタン源とチタン以外の金属源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度、添加速度、反応時間及び撹拌条件などが挙げられる。
これらの因子は、目的の粒子径及び粒度分布のチタン酸金属粒子を得るため適宜調整することができる。なお、反応過程における炭酸塩の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させるなど、炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
反応時の酸化チタン源とチタン以外の金属源の混合割合は、チタン以外の金属をMで示したとき、M/Tiのモル比で、0.70以上1.40以下であることが好ましく、0.75以上1.20以下であることがより好ましい。M/Ti(モル比)が上記範囲にあることで、帯電的に負帯電性に近いTiの割合が増えることで、帯電分布がシャープになりやすく、トナー表面での電荷分布が均一になるため、静電凝集が抑制される。
反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiO2として0.050モル/L以上1.300モル/L以下であることが好ましく、0.080モル/L以上1.200モル/L以下であることがより好ましい。反応初期の酸化チタン源の濃度を高くすることで、チタン酸金属粒子の一次粒子の個数平均粒径を小さくすることができる。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、100℃以上ではオートクレーブなどの圧力容器が必要であり、実用的には60℃以上100℃以下の範囲が適切である。
また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸金属粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸金属粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し0.001当量/h以上1.2当量/h以下であることが好ましく、より好ましくは0.002当量/h以上1.1当量/h以下である。これらは、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。
該製造方法においては、常圧加熱反応によって得たチタン酸金属粒子をさらに酸処理することが好ましい。常圧加熱反応を行って、チタン酸金属粒子を製造する際に、酸化チタン源とチタン以外の金属源の混合割合がM/Ti(モル比)で、1.40を超える場合、反応終了後に残存した未反応のチタン以外の金属源が空気中の炭酸ガスと反応して、金属炭酸塩などの不純物を生成しやすい。また、表面に金属炭酸塩などの不純物が残存すると、疎水性を付与するための表面処理をする際に、不純物の影響で表面処理剤を均一に被覆しにくくなる。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応の金属源を取り除くため酸処理を行うとよい。
酸処理では、塩酸を用いてpH2.5以上7.0以下に調整することが好ましく、pH4.5以上6.0以下に調整することがより好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸などを酸処理に用いることができる。硫酸を用いると、水への溶解度が低い金属硫酸塩が発生しやすい。
続いて形状制御について説明する。本発明で用いるチタン酸金属微粒子の形状を得るための方法として、乾式で機械的処理を施すことが挙げられる。
例えば、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイフレックスグラル(アーステクニカ社製)等を用いることができる。チタン酸金属微粒子をこれらの装置で処理することで、チタン酸金属の表面処理性を上げることができる。機械的処理でチタン酸金属微粒子の形状を制御する場合、チタン酸金属微粒子の微粉が発生する場合がある。微粉を取り除くためには、酸処理を行うことが好ましい。酸処理では、塩酸を用いてpH0.1以上5.0以下に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸等を酸処理に用いることができる。チタン酸金属微粒子の形状を制御するための機械的処理は、チタン酸金属微粒子の表面処理を施す前に実施することが好ましい。
[外添剤について]
本発明のトナーは、チタン酸金属微粒子以外の他の外添剤を含んでいても構わない。特にトナーの流動性や帯電性を向上させるために、流動性向上剤を添加してもよい。流動性向上剤としては、以下のものを用いることができる。例えば、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粉体、それらをシラン化合物、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ等が挙げられる。
流動性向上剤は、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上30nm以下であると、高い帯電性と流動性を持たせることができるので好ましい。さらには、流動性向上剤としては、シリカ微粉体にシリコーンオイルまたは/かつシランカップリング剤で疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上300m2/g以下のものが好ましい。トナー粒子100質量部に対して、流動性向上剤を総量で、0.01質量部以上3質量部以下使用することが好ましい。
トナー粒子に外添する混合機としては、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)が挙げられる。
また、外添後に粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(フロイント・ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製)。
[トナーの粒径]
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は4.0μm以上12.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上9.0μm以下であるとより好ましい。これは重量平均粒径が4.0μm未満であるとトナーの比表面積が大きいため長期使用において耐久性や耐熱性において問題が発生しやすく、重量平均粒径が9.0μmを超える場合はトナーの着色力及び画像の解像度の点で劣るため望ましくない。本発明のトナーの重量平均粒径は、トナー製造時の製造条件や分級により、調整可能である。
本発明のトナーの各種物性の測定方法について以下に説明する。
<チタン酸金属微粒子の単離方法>
チタン酸金属微粒子が外添されたトナーから、チタン酸金属微粒子やトナー粒子の物性を測定する場合は、トナーからチタン酸金属微粒子や他の外添剤を分離して測定することができる。トナーをメタノールに超音波分散させてチタン酸金属微粒子や他の外添剤を外して、24時間静置する。沈降したトナー粒子と上澄み液に分散したチタン酸金属微粒子や他の外添剤とを分離、回収し、十分に乾燥させることで、トナー粒子を単離することができる。また、上澄み液を遠心分離で処理することで、チタン酸金属微粒子を単離することができる。
<チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径>
チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定は、透過型電子顕微鏡「JEM−2800」(日本電子株式会社)を用いて行う。チタン酸金属微粒子が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個のチタン酸金属微粒子の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、チタン酸金属微粒子の大きさによって適宜調整する。外添剤がチタン酸金属微粒子であることの確認は、STEM‐EDS測定より実施する。
測定条件は以下の通りである。
JEM2800型透過電子顕微鏡:加速電圧200kV
EDS検出器:JED−2300T(日本電子、素子面積100mm2)を使用
EDSアナライザー:Noran System7(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を使用。
X線保存レート:10000〜15000cps
デッドタイム:20〜30%になるよう電子線量を調整し、EDS分析(積算回数100回or測定時間5分)を実施。
<チタン酸金属微粒子の表面における部分構造の同定>
チタン酸金属微粒子の表面における部分構造の同定は、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)によって行う。下記装置を下記条件にて使用し、チタン酸金属微粒子表層のフラグメントピークから部分構造を同定する。
・測定装置:TRIFT−IV(商品名、アルバックファイ株式会社製)
・一次イオン:Au3
・ラスターサイズ:100μm×100μm
・中和電子銃:使用
<チタン酸金属微粒子のM/Tiのモル比>
本発明に用いられるチタン酸金属微粒子のMおよびTiの含有量の測定は、蛍光X線分析装置で求めることができる。例えば、波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いて、PANalytical社で推奨する粉末測定専用のカップに専用フィルムを貼ったものにサンプル1gを秤量し、大気圧He雰囲気下においてFP法にてチタン酸金属微粒子におけるNaからUまでの元素を測定する。その際、検出された元素全てが酸化物であると仮定し、それらの総質量を100%として、ソフトウエアSpectraEvaluation(version 5.0L)にて総質量に対するMXOおよびTiO2の含有量(質量%)を酸化物換算値として求める。その後に、定量結果から酸素を除いた、M/Ti(質量比)を求めたのちに、各元素の原子量から、M/Ti(モル比)に換算する。
<チタン酸ストロンチウム粒子の回折ピークの測定>
チタン酸ストロンチウム粒子の回折ピークの位置の測定には、粉末X線回折装置「SmartLab」(株式会社リガク製、試料水平型強力X線回折装置)を用いる。
また、得られたピークからのSb/Saの計算は、上記装置に付属する解析ソフトウェアの「PDXL2(version2.2.2.0)」を使用する。
測定サンプルとしては、トナーまたは又はトナーからチタン酸ストロンチウム粒子を単離したものを用い、以下の手順で測定する。また、以下の実施例では、製造されたチタン酸ストロンチウム粒子も測定している。
〜(サンプルの作製)〜
測定サンプルは、0.5mm径のBoro−Silicateキャピラリー(W.Muller社製)に均一に入れた後に測定する。
〜(測定条件)〜
・管球:Cu
・光学系:CBO−E
・試料台:キャピラリー試料台
・検出器:D/tex Ultra250検出器
・電圧:45kV
・電流:200mA
・開始角度:10°
・終了角度:60°
・サンプリング幅:0.02°
・スピード計測時間設定値:10
・IS:1mm
・RS1:20mm
・RS2:20mm
・アッテネータ:Open
・キャピラリー回転数設定値:100
その他の条件は、装置の初期設定値を使用する。
〜(解析)〜
まず、得られたピークを装置付属のソフトウェア「PDXL2」を用いてピーク分離処理を行う。ピーク分離はPDXLで選択できる「分割型Voigt関数」を用いて最適化を実行することで求め、得られた積分強度の値を使用する。
これで回折ピークトップの2θ値とその面積が決定する。所定の2θ値のピーク面積から、Sb/Saを計算する。この際、ピーク分離の計算結果と実測のスペクトルが大きくずれている場合は、ベースラインを手動で設定するなどの処理をして、計算結果と実測のスペクトルが一致するように調整する。
<チタン酸金属微粒子の疎水化度>
チタン酸金属微粒子の疎水化度は、粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)によって測定した。
直径5cmおよび厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に、フッ素樹脂コーティングされた長さ25mmおよび最大胴径8mmの紡錘型回転子を入れた。上記円筒型ガラス容器中にメタノール50体積%と水50体積%とからなる含水メタノール液70mlを入れた後、チタン酸金属微粒子0.5gを添加し、粉体濡れ性試験機にセットした。マグネティックスターラーを用いて、回転数3.3回/秒で撹拌しながら、上記粉体濡れ性試験機を通して、メタノールを0.8mL/分の速度で液中に添加した。波長780nmの光で透過率を測定し、透過率が50%に達した時のメタノールの体積百分率(=(メタノールの体積/混合物の体積)×100)により表される値を疎水化度とした。試料の疎水化度に応じて、最初のメタノールと水の体積比率は適宜調整する。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量>
本発明におけるポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は、以下の操作により求められる。
ポリエステル樹脂0.03gをo−ジクロロベンゼン10mlに分散して溶解後、135℃において24時間振とう機で振とうを行い、0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用い、下記の条件にて分析を行う。
[分析条件]
分離カラム:Shodex(TSK GMHHR−H HT20)×2
カラム温度:135℃
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
移動相流速:1.0ml/min.
試料濃度 :約0.3%
注入量 :300μl
検出器 :示差屈折率検出器 Shodex RI−71
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量校正曲線を使用する。
<酸価>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/l塩酸100mlを250mlトールビーカーに取り、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。上記0.100モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
本試験;
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。上記電位差滴定装置を用い、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
<トナー粒子中の樹脂に対するポリエステル樹脂A及びスチレンアクリル樹脂の含有割合の算出方法、およびポリエステル樹脂Aにおける脂環式構造を有するアルコール又はカルボン酸に由来するユニットの含有割合算出方法>
樹脂の含有割合、及び、脂環式構造を有するアルコール又はカルボン酸に由来するユニットの含有割合の分析には、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析計(以下、熱分解GC/MS)およびNMRを用いる。尚、本発明では、分子量1500以上の成分を測定の対象とする。分子量1500未満の領域は、離型剤の割合が高く、樹脂がほぼ含有されていない領域と思われるためである。
熱分解GC/MSでは、トナー粒子中の樹脂全量の構成モノマーを決定し、各モノマーのピーク面積を求めることができるが、定量を行うには基準となる濃度既知のサンプルによるピーク強度の規格化が必要となる。一方、NMRでは構成モノマーの決定および定量を、濃度既知のサンプルを用いることなく求めることが可能である。そこで、状況に応じて、構成モノマーの決定には、NMRと熱分解GC/MSの両方のスペクトルを比較しながら行う。
具体的には、NMR測定時の抽出溶媒である、重水素化クロロホルムに溶けない樹脂成分が5.0質量%未満の場合、NMRの測定による定量を行う。
一方、NMR測定時の抽出溶媒である、重水素化クロロホルムに溶けない樹脂成分が5.0質量%以上存在した場合には、重水素化クロロホルム可溶分に対して、NMRおよび熱分解GC/MSの両方の測定を行い、重水素化クロロホルム不溶分に対して、熱分解GC/MSの測定を行う。この場合は、先ず重水素化クロロホルム可溶分のNMR測定を行い、構成モノマーの決定と定量を行う(定量結果1)。次いで、重水素化クロロホルム可溶分に対して、熱分解GC/MS測定を行い、各構成モノマーに帰属されるピークのピーク面積を求める。NMR測定で得られた定量結果1を用いて、各構成モノマーの量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係を求める。次いで、重水素化クロロホルム不溶分の熱分解GC/MS測定を行い、各構成モノマーに帰属されるピークのピーク面積を求める。重水素化クロロホルム可溶分の測定で得られた各構成モノマーの量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係から、重水素化クロロホルム不溶分における構成モノマーの定量を行う(定量結果2)。そして、定量結果1と定量結果2とを合わせて、最終的な各構成モノマーの定量結果となる。具体的には、以下の操作を行う。
(1)トナー粒子500mgを30mLのガラス製サンプル瓶に精秤し、重水素化クロロホルムを10mL加えた後、蓋をし、超音波分散機によって1時間分散し溶解させる。次いで、0.4μm径のメンブランフィルターによりろ過を行い、ろ液を回収する。この際、重水素化クロロホルム不溶分は、メンブランフィルター上に残存する。
(2)ろ液のうち3mLを分取高効率液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、フラクションコレクターにより分子量1500未満を除き、分子量1500未満の成分が除かれた樹脂溶液を回収する。ロータリーエバポレーターを用いて回収した溶液からクロロホルムを除去し、樹脂を得る。なお、分子量1500未満については、分子量が既知のポリスチレン樹脂の測定をあらかじめ行い、溶出時間を求めておくことで決定しておく。
(3)得られた樹脂20mgを、重水素化クロロホルム1mLに溶解させ、1H−NMR測定を行い、樹脂中の各構成モノマーについて、スペクトルを帰属し、定量値を求める。
(4)重水素クロロホルム不溶分の分析が必要であれば、熱分解GC/MSにて分析を行う。必要に応じて、メチル化などの誘導化処理を行う。
<NMRの測定条件>
ブルカー・バイオスピン(株)社製 Bruker AVANCE 500
測定核:1H
測定周波数:500.1MHz
積算回数:16回
測定温度:室温
<熱分解GC/MSの測定条件>
熱分解装置:日本分析工業(株)社製 TPS−700
熱分解温度:400℃〜600℃での適正値、本件では590℃
GC/MS装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)社製 ISQ
カラム:「HP5−MS」(アジレント/19091S−433)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
GC/MS条件
注入口条件:
InletTemp:250℃、
SplitFlow:50mL/min
GC昇温条件:40℃(5min)→10℃/min(300℃)→300℃(20min)
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。
本発明におけるポリエステル樹脂Aの製造例を以下に記載する。
<ポリエステル樹脂1の製造>
原材料モノマーを表1に示した仕込み比率で混合した混合物100質量部と触媒として、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.55質量部を窒素導入管、脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した6リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で6時間かけて反応させた。更に210℃にて無水トリメリット酸を添加して、40kPaの減圧下にて反応を行い、重量平均分子量(Mw)が12000になるまで反応を続けた。得られたポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂1とする。
ポリエステル樹脂1の組成分析を行い、イソソルビドモノマーに由来するユニットの比率を求めた。ポリエステル樹脂1におけるイソソルビドユニットの比率、酸価を表1に示す。
ポリエステル樹脂1の組成分析は1H−NMRにより行った。具体的な測定方法は下記の通りである。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて測定試料を調製する。当該測定試料を用いて上記条件にて測定した。
<ポリエステル樹脂2〜6の製造>
酸成分とアルコール成分の仕込み量を表1のように変更することを除いて、ポリエステル樹脂1の製造と同様にしてポリエステル樹脂2〜6を製造した。ポリエステル樹脂2〜6の物性を表1に示す。
Figure 2019168632
TPA:テレフタル酸
TMA:トリメリット酸
BPA(PO2):ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物
EG:エチレングリコール
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
本発明におけるチタン酸金属微粒子の製造例を以下に記載する。
<チタン酸金属微粒子1の製造例>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiO2として1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO2濃度1.039モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10N モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した。次に、固形分に対して4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを1時間撹拌混合した後添加し、10時間撹拌保持を続けた。5N水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥した。得られたチタン酸金属微粒子をチタン酸金属微粒子1とする。また、得られたチタン酸金属微粒子の物性を表2に示す。
<チタン酸金属微粒子2の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後に調整するTiO2濃度を1.083モル/Lにした以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子2を得た。
<チタン酸金属微粒子3の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSr/Tiモル比で0.941となるようにしたこと、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを「45分間」かけて添加するところを「50分間」かけて添加する以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子3を得た。
<チタン酸金属微粒子4の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSr/Tiモル比で0.933となるようにしたこと、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを「45分間」かけて添加するところを「60分間」かけて添加する以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子4を得た。
<チタン酸金属微粒子5の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.01モル添加してSr/Tiモル比で1.07となるようにしたこと、固形分に対して加える時に4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、2.0質量%のイソブチルトリメトキシシランと2.0質量%のヘキサメチルジシラザンにする以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子5を得た。
<チタン酸金属微粒子6の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSr/Tiモル比で1.35となるようにしたこと、固形分に対して加える時に4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、7.2質量%のイソブチルトリメトキシシランと6.9質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランにする以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子6を得た。
<チタン酸金属微粒子7の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSr/Tiモル比で0.927となるようにしたこと、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを「45分間」かけて添加するところを「70分間」かけて添加する以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子7を得た。
<チタン酸金属微粒子8の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.01モル添加してSr/Tiモル比で1.07となるようにしたこと、固形分に対して加える4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、1.0質量%のイソブチルトリメトキシシランと3.0質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランにする以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子8を得た。
<チタン酸金属微粒子9の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSr/Tiモル比で1.35となるようにしたこと、固形分に対して加える時に4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、7.5質量%のイソブチルトリメトキシシランと6.9質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランにする以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子9を得た。
<チタン酸金属微粒子10の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、塩化ストロンチウム水溶液を解膠メタチタン酸スラリーに加えるところを塩化マグネシウムに変更する以外は同様の操作を行い、チタン酸金属微粒子10を得た。
<チタン酸金属微粒子11の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子1の製造例において、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.08となるよう2.03モル添加した以外は同様にしてチタン酸金属微粒子11を得た。
<チタン酸金属微粒子12の製造例>
チタン酸ストロンチウム粒子1の製造例において、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を添加後、TiO2濃度を1.039モル/Lに調整した以外は同様にしてチタン酸金属微粒子12を得た。
<チタン酸金属微粒子粒子13の製造例>
四塩化チタン水溶液にアンモニア水を添加することにより加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で洗浄し、含水酸化チタンのスラリーに含水酸化チタンに対するSO3として0.25%の硫酸を添加した。
次に、含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.65に調整してチタニアゾル分散液を得た。チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを4.7に調整し上澄み液の電気伝導度が50μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。
含水酸化チタンに対し、0.95倍モル量の水酸化ストロンチウム八水和物を加えてSUSステンレス製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO3換算で0.6molモル/リットルLになるように蒸留水を加えた。
窒素雰囲気中で該スラリーを65℃まで10℃/時間で昇温し、65℃に到達してから8時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後純水で洗浄をくり返した。
さらに、窒素雰囲気下、上記スラリーをスラリーの固形分に対して2質量%のステアリン酸ナトリウムを溶解した水溶液中に入れ、撹拌しながら、硫酸マグネシウム水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸マグネシウムを析出させた。
スラリーを純水でくり返し洗浄した後ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥してステアリン酸マグネシウムで表面処理したチタン酸金属微粒子13を得た。
<酸化チタン1の製造例>
出発原料としてTiO2相当分を50質量%含有しているイルメナイト鉱石を使用した。この原料を150℃で2時間乾燥させた後、硫酸を添加して溶解させることによって、TiOSO4の水溶液を得た。これを濃縮し、ルチル結晶を持つチタニアゾルをシードとして4.5質量部を添加した後、110℃で加水分解を行ない、不純物を含有しているTiO(OH)2のスラリーを得た。このスラリーをpH5〜6で繰り返し水洗浄を行ない、硫酸、FeSO4、不純物を十分に除去した。そして、高純度のメタチタン酸〔TiO(OH)2〕のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、180℃で2時間焼成した後、微粒子の凝集体がなくなるまで、繰り返しジェットミルにより解砕処理を行なった。この酸化チタンをエタノール中に分散させ、酸化チタン固形分100質量部に対して、4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを、粒子の合一が生じないように十分に撹拌しながら滴下混合し、反応させた。さらに、十分に撹拌しながら、スラリーのpHを6.5に調整した。
これを、ろ過、乾燥した後、170℃で2時間加熱処理し、その後、酸化チタンの凝集体がなくなるまで、繰り返しジェットミルにより解砕処理を行ない、酸化チタン粒子1を得た。
得られたチタン酸金属微粒子を1〜13、及び酸化チタン1の物性を表2に示す。
Figure 2019168632
本発明におけるトナー粒子の製造例を以下に記載する。
<トナー粒子1の製造例>
スチレン単量体100質量部に対して、C.I.Pigment Blue15:3を16.5質量部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物〔ボントロンE88(オリエント化学工業社製)〕を3.0質量部用意した。これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズ(140質量部)を用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
一方、イオン交換水710質量部に0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7質量部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
・マスターバッチ分散液1 40質量部
・スチレン単量体 49.5質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 16.5質量部
・炭化水素系ワックス 9質量部
(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピークのピーク温度=78℃、Mw=750)
・ポリエステル樹脂1 5.0質量部
上記材料を65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて均一に溶解し分散した。これに、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液7.1質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度65℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて12,000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度67℃に昇温し、重合性ビニル系単量体の重合転化率が90%に達したところで、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して水系分散媒体のpHを9に調整した。更に昇温速度40℃/hで80℃に昇温し4時間反応させた。重合反応終了後、減圧下でトナー粒子中の残存モノマーを留去した。水系媒体を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、6時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解した。トナー粒子を濾別し水洗を行った後、温度40℃にて48時間乾燥した。得られた乾燥品を多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で、超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径(D4)6.3μmのシアン色のトナー粒子1を得た。
<トナー粒子2〜10の製造例>
用いるポリエステル樹脂Aの種類、およびポリエステル樹脂Aの添加量を表3のように変更することを除いて、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子2〜10を得た。得られたトナー粒子の重量平均粒径D4を表3に示す。
Figure 2019168632
本発明のトナーの製造例について以下に記載する。
<トナー1の製造例>
本発明のトナーの製造例を以下に記載する。
前記トナー粒子1において、表4に示すようにトナー粒子100質量部に対して、シリカ微粒子であるRX300(日本アエロジル社製)を1.0質量部とチタン酸金属微粒子1を0.2質量部、ヘンシェルミキサーFM10C(三井鉱山社製)で3600rpmの条件で12分間乾式混合してトナー1とした。
<トナー2〜27の製造例>
トナー1の製造例において、トナー粒子の種類と、外添剤の種類および添加量を表4に記載の組み合わせで変更した以外は、同様にして外添を行った。これにより製造されたトナーをトナー2〜27とした。
Figure 2019168632
〔実施例1〕
トナー1を下記項目について評価した。評価結果を表5に示す。
<評価機>
評価に際しては、評価機としてLBP712Ci(キヤノン社製)の改造機を使用した。本体のプロセススピードを280mm/secに改造した。そして、この条件で画像形成が可能となるように必要な調整を行った。また、トナーは所定のカートリッジに充填した。評価紙としては、キヤノンマーケティングジャパンが販売するCS−680を用いた。
<機内汚染>
定着器周りの汚染状態を目視により評価した。
耐久評価チャートは各色印字率が5%(フルカラー印字率20%)のオリジナルチャートを用い、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの全ステーションに、トナー1を詰め替えたカートリッジを装着し、トナーが無くなる毎にカートリッジ交換を行い、プリントを続けた。
耐久試験の条件は、高温高湿環境(30℃,80%RH)、常温常湿環境(23℃,50%RH)、低温低湿環境(15℃,10%RH)の各環境下において普通紙モードで合計500,000枚のプリント試験を行った。
耐久後の定着器周りの汚染状態を、目視により以下の基準で評価した。
A:定着器周辺に目立った汚染は見られない。
B:定着器周辺に微量の汚染が観察される。
C:定着部材と加圧部材とのニップへ紙を案内するための定着ガイド部に汚染の広がりがはっきりと観察される。
D:定着器周辺にかなりの量の汚染が目立ち、画像欠落が発生する。
<規制不良>
規制不良の評価は、チャージアップに厳しい低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)で評価を行った。長期耐久試験を想定して、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。上記のモードで、計17000枚の画出し試験を実施し、500枚ごとに15000枚目までに目視によって画像を確認した。トナー規制部材とトナー担持体の規制が不良で、トナー担持体上に規制しきれなかったトナーによって画像にムラが出るまでの枚数によって以下のように評価した。
A:発生なし。
B:16001枚から17000枚目で発生。
C:15001枚から16000枚目で発生。
D:15000枚目までで発生。
<放置カブリ>
放置カブリの評価は、帯電の立ち上がり性が不利な高温高湿環境(温度30℃、相対湿度80%)で評価を行った。まず初期に、中央下あたりにポストイットを張った紙に対して全白画像を印刷し、ポストイットで隠れていた部分とそうでない部分の濃度差を初期のカブリの値とした。長期耐久試験を想定して、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。このモードで、計15000枚の画出し試験を実施し、15000枚の画出しが終わった直後から72時間、マシンの電源を切り、現像器をマシンの中に放置した。放置後、再びマシンの電源を入れ、初期のカブリと同様の画像を印刷し、濃度差を放置カブリの値とした。反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用い、フィルターにはアンバーライトフィルターを用いた。評価基準は以下のように設定した。
A:2.0未満
B:2.0以上3.0未満
C:3.0以上4.0未満
D:4.0以上
〔実施例2〜21、比較例1〜6〕
上記評価方法にてトナー2〜27を評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2019168632

Claims (8)

  1. 結着樹脂を含有するコアと前記コア表面に存在するシェルとを有するトナー粒子と、チタン酸金属微粒子とを有するトナーであって、
    前記シェルは、ポリエステル樹脂Aを含有し、
    前記ポリエステル樹脂Aは、脂環式構造を有するアルコール又は脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットを有し、ポリエステル樹脂Aを構成する全ユニット数に対する脂環式構造を有するアルコール及びカルボン酸に由来するユニットの数の割合が、0.10%以上20.00%以下であり、
    前記チタン酸金属微粒子は、
    (i)一次粒子の個数平均粒径が10nm以上100nm以下であり、(ii)ペロブスカイト結晶構造であり、(iii)メタノール濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が30.0%以上60.0%以下である、
    ことを特徴とするトナー。
  2. 前記トナーが、前記トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上2.00質量部以下の前記チタン酸金属微粒子を含有する、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナー粒子が、前記結着樹脂100.0質量部に対して、前記ポリエステル樹脂Aを1.0質量部以上20.0質量部以下含有する、請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記チタン酸金属微粒子が、一般式(1)又は(2)で表される構造を有するいずれかの化合物による処理微粒子である、請求項1から3のいずれか1項に記載のトナー。
    Figure 2019168632
    (式(1)中、Ra〜Rfは水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基又は炭素数1以上10以下のフッ化アルキル基を表す。Ra〜Rfの少なくとも一つは炭素数1以上10以下のフッ化アルキル基を表す。)
    Figure 2019168632
    (式(2)中、Rgは炭素数1以上10以下のフッ化アルキル基を表し、Rhは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルコキシ基を表す。)
  5. 前記チタン酸金属微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上80nm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記チタン酸金属粒子がチタン酸ストロンチウム粒子である、請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記チタン酸ストロンチウムは、ブラッグ角をθとしたとき、2θが10°以上90°以下の範囲で得られるCuKαのX線回折スペクトルにおいて、該チタン酸ストロンチウム粒子に由来するピークを39.700°±0.150°と46.200°±0.150°に有し、39.700°±0.150°のピークの面積をSa、46.200°±0.150°のピークの面積をSbとしたとき、Sb/Saが、1.80以上2.30以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 前記ポリエステル樹脂Aの脂環式構造が、イソソルビド構造である、請求項1から7のいずれか1項に記載のトナー。
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