JP2019045578A - トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トナー粒子と、外添剤として、第2族元素を有するチタン酸塩の微粒子、及びハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有するトナーであって、
該チタン酸塩の微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をLt(nm)、該ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をLh(nm)としたとき、
10≦Lt≦80
100≦Lh≦トナー粒子の重量平均粒径(D4)×0.50
を満たすことを特徴とするトナー。
【選択図】 なし
Description
・長期間の連続使用においても画像品質の変動が小さいこと、
・連続使用後に数日間放置し、再起動時の画像品質が正常であること、
が求められている。
・長期間の連続使用においても画像品質の変動が小さいこと、
・連続使用後に数日間放置し、再起動した際の画像品質が正常であること、
について、十分に改善することは困難であった。
該チタン酸塩の微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をLt(nm)、該ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をLh(nm)としたとき、
10≦Lt≦80
100≦Lh≦トナー粒子の重量平均粒径(D4)×0.50
を満たすことを特徴とするトナーに関する。
100≦Lh≦トナー粒子の重量平均粒径(D4)×0.50
を満たす。好ましくは、
100≦Lh≦トナー粒子の重量平均粒径(D4)×0.25
であり、より好ましくは、
100≦Lh≦650
である。
10≦Lt≦80
を満たし、好ましくは、
10≦Lt≦70
であり、より好ましくは、
10≦Lt≦50
である。
第2族元素を有するチタン酸塩の微粒子について説明する。
チタンカップリング剤;
シランカップリング剤;
シリコーンオイル;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;
ステアリン酸などの脂肪酸;
を例示できる。
次に、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子について説明する。
[M2+ 1−xM3+ x(OH)− 2][x/nAn−・mH2O] 一般式(A)
一般式(A)中、
M2+は、Mg2+,Zn2+などの2価金属イオンを表し、
M3+は、Al3+,Fe3+などの3価金属イオンを表し、
An−は、CO3 2−,Cl−,NO3 −などのn価アニオンを表し、
m≧0である。
[Mg2+ 0.750Al3+ 0.250(OH)− 2.000][0.125CO3 2−・0.500H2O]が挙げられる。
トナー粒子は、結着樹脂に加えて、必要に応じて、着色剤、ワックス、荷電制御剤などを含有する。以下、トナー粒子に含有される各材料について記載する。
結着樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルモノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)が挙げられる。その他、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド脂、セルロース樹脂、ポリエーテル等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれら非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうち、シャープメルト性を有し、かつ低分子量でも強度に優れるポリエステルが特に好ましい。
着色剤には、公知の有機顔料または染料、カーボンブラック、磁性粉体などが挙げられる。
ワックスとしては、特に限定はないが、以下のものが挙げられる。
荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。そのほか、4級アンモニウム塩や樹脂タイプの荷電制御剤を用いることもできる。樹脂タイプの荷電制御剤としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホン酸エステル基などのスルホン系官能基を有する樹脂、カルボキシ基を有する樹脂が挙げられる。本発明のトナーは、これら荷電制御剤を単独で或いは2種類以上組み合わせて含有することができる。
SF−2が上記の範囲内であれば、トナー粒子表面に凹凸が存在するため、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子とトナー粒子との接触機会がより多くなり、負極正の電荷の発生がより促進される。その結果、本発明の効果がより顕著となる。
(凝集状態で存在する粒子の数)/(一次粒子の状態で存在する粒子の数)≧3.0
凝集状態で存在する粒子は、繰り返しの摺擦を受けても、移動可能な状態を保つことができるため、この割合が高い方が好ましい。より好ましくは、上記の比率が3.5以上である。
次いで、トナー粒子の製造方法について記載する。
樹脂微粒子の水系分散体は、公知の分散方法で調製される。具体的には、例えば、樹脂に水系媒体や乳化剤等を加え、クレアミックス、ホモミキサー、ホモジナイザーなどの高速剪断力をかける装置により分散させる、外部剪断力を用いた乳化により水中にて樹脂粒子分散液を作製してもよい。また、樹脂を溶剤に溶かして、水系媒体中に乳化剤や高分子電解質等と共にホモジナイザーなどの分散機により粒子状に分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を除去する転相乳化法により、樹脂粒子分散体を作製することができる。もしくは、ビニル系単量体を構成要素とする樹脂粒子を含む樹脂粒子分散体の場合は、乳化剤を用いて、乳化重合を実施することで、樹脂粒子分散体を作製してもよい。
着色剤微粒子の分散体は、着色剤微粒子を水系媒体に分散させて調製される。着色剤粒子は公知の方法で分散される。例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧衝突式の分散機等が好ましく用いられる。特に高圧衝突式の分散機である吉田機械興業社製「ナノマイザー」、スギノマシン社製「アルティマイザー」、Serendip社製「ナノジサイザーLPNシリーズ」が好ましく用いられる。
水系分散体を調製する際に用いることができる乳化剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤が挙げられる。当該乳化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の樹脂微粒子の水系分散体、着色剤微粒子の水系分散体、およびその他の成分を分散させた分散体を混合し、そこにpH調整剤、凝集剤、安定剤等を添加して、温度、機械的動力等を適宜加えることにより、凝集粒子が形成される。凝集剤等の添加・混合は、樹脂のガラス転移点以下の温度で行うのが好ましい。この温度条件下で混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。
熟成工程は、凝集粒子を加熱して、各微粒子を融着する工程である。熟成工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、pH調整剤、極性界面活性剤、極性界面活性剤等を適宜投入することができる。
トナー粒子に、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子、およびチタン酸塩の微粒子を外添することによって、本発明のトナーは得られる。外添装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)、ナウターミキサー、メカノハイブリッドなどが挙げられるが、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)が好ましい。
<外添剤の体積抵抗の測定方法>
粉体抵抗測定システム(粉体抵抗測定ユニットMCP−PD51、高抵抗率計MCP−HT450:三菱化学アナリテック社製)を使用して下記の条件で測定した。なお、外添剤は、20℃/50%の温湿度環境下に12時間暴露した物を使用した。
加重:20kN
測定時間:10秒
印加電圧の範囲:10V〜1000V
外添剤の体積抵抗は、印加電圧が1000Vの時の値とした。
チタン酸塩の微粒子の疎水化度(体積%)は、粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)によって測定する。
トナー表面に存在するチタン酸塩、およびハイドロタルサイト類化合物の存在個所は、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)(SEM−EDX)による観察、及び元素分析によって特定することができる。例えば、2万倍の倍率下で観察と元素マッピングとを連続した視野で行い、観察される粒子に対してTiとSrの両元素の存在が確認できたとき、これをチタン酸ストロンチウムであると判断した。同様に、観察される粒子に対してMgとAlの両元素をマッピングしたとき、これをハイドロタルサイト類化合物の微粒子と判断した。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
S−4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PCSTEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
チタン酸塩の微粒子によるトナーの表面被覆率は、ESCA(X線光電子分光分析)により測定される。例えば、チタン酸塩の微粒子がチタン酸ストロンチウム微粒子の場合、ストロンチウム原子量から算出される。ESCAは、サンプル表面の深さ方向で数nm以下の領域の原子を検出する分析方法である。そのため有機無機複合微粒子の表面の原子を検出することが可能である。
使用装置:アルバック−ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
測定条件:
X線源:Al−Kα
X線条件:100μ、25W、15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
まず、2種類のサンプル(水洗前トナー、水洗後トナー)を用意する。
チタン酸ストロンチウムの固着率=(水洗後トナーのSr元素の強度)/(水洗前トナーのSr元素の強度)×100
<トナー表面におけるチタン酸塩の微粒子の個数、および変動係数>
トナー表面のチタン酸塩の微粒子の存在状態を示す変動係数は、走査型電子顕微鏡によって確認する。
(変動係数)=(個数の標準偏差)/(平均個数)
即ち、本発明において規定されるトナー粒子表面Sにおけるチタン酸塩の微粒子の個数の変動係数は、半径2μmの円を8分割した領域(0.5πμm2)に存在するチタン酸塩の微粒子の個数の変動係数である。
走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)で撮影した倍率2万倍、解像度2048×1356ピクセルの画像をパソコンに取り込んだ。この画像を、マウンテック社製画像解析装置「MacView Ver.4」を使用し、簡単取り込みツールを用いて粒子を認識させ、粒子の長径(A)と短径(B)の比(A/B)からアスペクト比を測定した。長径(A)は、粒子表面上の2点間の距離の最大値と定義する。また、短径(B)は、長径と直交する方向の粒子幅を測定し、その分布における極大値と定義する。なお、この極大値が複数存在するときはそれらの平均値を短径(B)とする。測定は、任意の円相当径50nm以上の粒子200個に対して行い、その相加平均値を平均アスペクト比とした。尚、撮影した粒子が、凝集粒子(二次粒子)となっている場合は、二次粒子を単一の粒子とみなして測定を行う。
走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)で、トナー粒子を観察し、2万倍に拡大した視野において、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を使用して、一次粒子として存在する粒子の周囲長、面積を算出した。得られた周囲長、面積を用いて、下記の式にてSF−2を算出した。
SF−2=(粒子の周囲長)2/粒子の面積×100/4π
100個のトナー粒子に対して同様の観察/測定を行い、得られたSF−2の値の相加平均値を算出して、本発明で規定するSF−2とする。
トナー粒子およびトナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)でトナーを観察した。3万倍に拡大した視野において、100個のトナーの観察を行い、ハイドロタルサイト類化合物の形状より、一次粒子の数と凝集粒子の数との比率を算出した。ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の形状は、その多くが扁平型の形状である。扁平型の粒子が重なって存在している粒子を凝集粒子と判断した。
粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT−4(Freeman Technology社製)(以下、「FT−4」と省略する場合がある)を用いることによって測定できる。
(a)ブレードの回転スピード(ブレードの最外縁部の周速)を60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角(以降、「なす角」と省略する場合がある)が5(deg)のスピードで、粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転により粉体層がほぐされる方向)の回転方向に、粉体層表面からトナー粉体層の底面から10mmの位置までブレードを進入させる。
上述のFT−4測定専用セルのスプリット部分でトナー粉体層をすり切り、粉体層上部のトナーを取り除くことで、同じ体積のトナー粉体層を形成する。
(i)トータルエネルギーの測定
(a)上記(1)−(a)と同様の操作を一回行う。
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後のTiO2濃度を1.015モル/Lに調整するように変更する以外は、製造例1と同様にしてチタン酸塩の微粒子T−2を製造した。
解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.35となるよう2.54モル添加するように変更し、さらに、添加後、95℃まで加温するように変更する以外は、製造例1と同様にしてチタン酸塩の微粒子T−3を製造した。
製造例3において、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後の加温を100℃までに変更する以外は同様にして、チタン酸塩の微粒子T−4を製造した。
解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後のTiO2濃度を1.083モル/Lに調整するように変更し、さらに、添加後、85℃まで加温するように変更する以外は、製造例1と同様にしてチタン酸塩の微粒子T−5を製造した。
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH6.0まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
0.92モル/LのNaOH水溶液を約90℃に保持し、40℃に加熱保持したTiCl4水溶液(TiCl4濃度が0.472モル/L)と、予め未溶解分を除去し約100℃に加熱保持したBaCl2/NaOH水溶液(BaCl2濃度が0.258モル/L、NaOH濃度が2.73モル/L)とを、反応容器内に連続的に供給した。混合水溶液の温度を約90℃で一定とし、2分間撹拌して粒子状のチタン酸バリウムを生成した。熟成後、デカンテーション洗浄を行った。
203.3gの塩化マグネシウム6水和物と、96.6gの塩化アルミニウム6水和物とを1Lの脱イオン水に溶解し、この溶液を25℃に保ちながら、水酸化ナトリウム60gを1Lの脱イオン水に溶解した液でpH10.5に調整した。そして、98℃で24時間熟成した。冷却後、沈殿物を脱イオン水でろ液の電導度が100μS/cm以下になるまで洗浄し、5質量%の濃度のスラリーとした。このスラリーを攪拌しながら、スプレードライヤー(DL−41、ヤマト科学(株)製)にて乾燥温度180℃、噴霧圧0.16MPa、噴霧速度約150mL/minで噴霧乾燥によりハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−1を得た。
Mg2+ 0.692Al3+ 0.308(OH)− 2.000・0.154CO3 2−・0.538H2O
塩化マグネシウム6水和物を、246.5gの硫酸マグネシウム7水和物に変更し、塩化アルミニウム6水和物を、126.1gの硫酸アルミニウム16水和物に変更し、さらに、水酸化ナトリウム60gに加えて、炭酸ナトリウム53gを溶解した液でpHの調整を行う以外は、製造例1と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−2を得た。熱重量分析と蛍光X線分析とCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+ 0.692Al3+ 0.308(OH)− 2.000・0.150CO3 2−・0.555
H2O
塩化マグネシウム6水和物を、256.4gの硝酸マグネシウム6水和物に変更し、塩化アルミニウム6水和物を、150.1gの硝酸アルミニウム9水和物に変更し、さらに、水酸化ナトリウム60gに加えて、炭酸ナトリウム53gを溶解した液でpHの調整を行う以外は、製造例1と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−3を得た。熱重量分析と蛍光X線分析とCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+ 0.692Al3+ 0.308(OH)− 2.000・0.141CO3 2−・0.502H2O
水酸化ナトリウム60gに加えて、炭酸ナトリウム53gを溶解した液でpHの調整を行い、スプレードライヤーの噴霧条件を噴霧圧0.12MPa、噴霧速度約110mL/minに変更する以外は、製造例1と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−4を得た。熱重量分析と蛍光X線分析とCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+ 0.692Al3+ 0.308(OH)− 2.000・0.155CO3 2−・0.544H2O
硫酸アルミニウム16水和物の量を105.1gに変更し、スプレードライヤーの噴霧条件を噴霧圧0.10MPa、噴霧速度約70mL/minに変更する以外は、製造例2と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−5を得た。熱重量分析と蛍光X線分析とCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+ 0.750Al3+ 0.250(OH)− 2.000・0.125CO3 2−・0.510H2O
塩化アルミニウム9水和物の量を80.5gに変更し、水酸化ナトリウム60gに加えて、炭酸ナトリウム53gを溶解した液でpHの調整を行った。また、スプレードライヤーの噴霧条件を噴霧圧0.10MPa、噴霧速度約60mL/minに変更する以外は、製造例1と同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−6を得た。熱重量分析と蛍光X線分析とCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+ 0.750Al3+ 0.250(OH)− 2.000・0.125CO3 2−・0.490H2O
ハイドロタルサイト類化合物H−2に対して分級処理を行い、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−7得た。表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
ハイドロタルサイト類化合物H−6の製造において、スプレードライヤーの噴霧条件を噴霧圧0.08MPa、噴霧速度約40mL/minに変更する以外は同様にして、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−8を得た。熱重量分析と蛍光X線分析とCHN元素分析の結果から、組成は以下のように決定された。表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
Mg2+ 0.750Al3+ 0.250(OH)− 2.000・0.120CO3 2−・0.500H2O
ハイドロタルサイト類化合物H−5に対して分級処理を行い、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−9を得た表2にハイドロタルサイト類化合物の微粒子の物性を示す。
撹拌機付き反応器に、一次粒子の個数平均粒径18nmの未処理の乾式シリカを投入し、撹拌による流動化状態において、200℃に加熱した。
・ポリエステル 60.0質量部
〔組成(モル比)/ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:エチレングリコール:テレフタル酸:マレイン酸:トリメリット酸=35:15:33:15:2、Mn:4,600、Mw:16,500、ピーク分子量(Mp):10,400、Mw/Mn:3.6、酸価:13mgKOH/g〕
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 0.3質量部
・N,N−ジメチルアミノエタノール 1.5質量部
・テトラヒドロフラン 200.0質量部
以上を混合及び溶解し、超高速撹拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス社製)を用いて66.6s−1で撹拌した。さらに、イオン交換水180質量部を滴下し、樹脂微粒子分散体1を得た。
スチレン: 320質量部
n−ブチルアクリレート: 80質量部
アクリル酸: 10質量部
ドデカンチオール: 10質量部
上記の材料を混合した溶液420質量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6質量部、及びアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化した。10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、樹脂粒子分散液2を得た。
・シアン顔料 100.0質量部
(Pigment Blue 15:3、大日精化社製)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 15.0質量部
・イオン交換水 885.0質量部
以上を混合及び溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子分散体(固形分濃度10質量%)を調製した。着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は0.2μmであった。
・エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、融点75℃) 100.0質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10.0質量部
・イオン交換水 880.0質量部
以上を撹拌装置付きの容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社製)を用い、循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断撹拌部位にて、ローター回転数310s−1、スクリーン回転数310s−1の条件にて撹拌し、60分間分散処理した。その後、ローター回転数33.3s−1、スクリーン回転数33.3s−1、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、ワックス微粒子分散体(固形分濃度10質量%)を得た。ワックス微粒子の体積基準のメジアン径は0.15μmであった。
・樹脂微粒子分散体1 40.0質量部
・着色剤微粒子分散体 10.0質量部
・ワックス微粒子分散体 20.0質量部
・1質量%塩化カルシウム水溶液 20.0質量部
・イオン交換水 110.0質量部
ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて、上記の材料を混合及び分散させた後、ウォーターバス中で45℃まで撹拌翼にて撹拌しながら加熱した。45℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、重量平均粒径(D4)が5.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された(凝集工程)。
・樹脂微粒子分散体1 40.0質量部
・着色剤微粒子分散体 10.0質量部
・ワックス微粒子分散体 15.0質量部
・1質量%塩化カルシウム水溶液 30.0質量部
・イオン交換水 110.0質量部
ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて上記の材料を混合及び分散させた後、ウォーターバス中で45℃まで撹拌翼にて撹拌しながら加熱した。45℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、重量平均粒径(D4)が2.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された(凝集工程)。
・樹脂微粒子分散体1 40.0質量部
・着色剤微粒子分散体 10.0質量部
・ワックス微粒子分散体 20.0質量部
・1質量%塩化カルシウム水溶液 10.0質量部
・イオン交換水 110.0質量部
ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて上記の材料を混合及び分散させた後、ウォーターバス中で55℃まで撹拌翼にて撹拌しながら加熱した。55℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、重量平均粒径(D4)が9.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された(凝集工程)。
・シアン顔料 6質量部
(Pigment Blue 15:3、大日精化社製)
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体
(ガラス転移点Tg=63℃) 100質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(ネガ帯電性制御剤) 2質量部
・低分子量ポリエチレン
(DSC吸熱ピーク106.7℃、Mw/Mn=1.08) 4質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物を機械式粉砕器で微粉砕した。得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて分級してトナー粒子4を得た。トナー粒子4の重量平均粒径(D4)は6.9μmであった。
四つ口容器中にイオン交換水710質量部と0.1モル/LのNa3PO4水溶液850質量%を添加し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて2,000S−1で撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/LのCaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、微細な分散安定剤を含む水系分散媒体を調製した。
・スチレン 124質量部
・n−ブチルアクリレート 36質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 13質量部
・ポリエステル 10質量部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)共重合体、酸価:10mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg):70℃、重量平均分子量(Mw):10500)
・荷電制御剤(ボントロンE88:オリエント化学工業社製) 2質量部
・フィッシャートロプシュワックス(融点:78℃) 15質量部
上記材料を、アトライタ(日本コークス工業株式会社製)を用いて3時間撹拌し、各成分を重合性単量体中に分散させ、単量体混合物を調製した。
製造例1において、樹脂微粒子分散体1を樹脂微粒子分散体2に変更したこと以外は同様にして、トナー粒子6を製造した。トナー粒子6の重量平均粒径(D4)は7.2μmであった。得られたトナー粒子6の物性を表3に示す。
得られたトナー粒子1(100質量部)に対して、チタン酸塩の微粒子T1(0.5質量部)、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子H−1(0.3質量部)、シリカ微粒子1(0.2質量部)を、FM10C(日本コークス工業株式会社製)によって外添混合した。外添条件は、トナー粒子の仕込み量:2.0kg、回転数:66.6s−1、外添時間:10分、冷却水を温度22℃・流量11L/minで行った。
トナーの製造例1において、使用するトナー粒子、チタン酸塩の微粒子と、ハイドロタルサイト類化合物の微粒子、シリカ微粒子の種類及び添加量、外添処理方法を表4の記載に変更した以外は、同様にしてトナー2〜24、及び、比較トナー1〜4を得た。トナー2〜24、及び、比較トナー1〜4の外添条件を表3に、トナー物性を表4に示す。
トナー1について、下記評価を行った。評価結果を表5に示す。
カブリは、低温低湿環境下(15℃/10%RH)で評価した。評価紙として、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m2)を用いた。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.5%未満
C:1.5%以上3.0%未満
D:3.0%以上
スジ画像は、外添剤による部材汚染により発生する0.5mm程度の縦スジであり、全面ハーフトーン画像を出力した際に観察されやすい画像不良である。
A:20,000枚出力後も発生なし
B:15,000枚〜20,000枚で発生あり
C:10,000枚〜15,000枚で発生あり
D:5,000枚〜10,000枚で発生あり
カブリは、高温高湿環境下(30℃/80%RH)で評価した。評価紙として、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m2)を用いた。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.5%未満
C:1.5%以上3.0%未満
D:3.0%以上
トナー2〜24、及び、比較トナー1〜4を用いて、実施例1と同様の各評価を行った。評価結果を表5に示す。
Claims (9)
- トナー粒子と、外添剤として、第2族元素を有するチタン酸塩の微粒子、及びハイドロタルサイト類化合物の微粒子を含有するトナーであって、
該チタン酸塩の微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をLt(nm)、該ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をLh(nm)としたとき、
10≦Lt≦80
100≦Lh≦トナー粒子の重量平均粒径(D4)×0.50
を満たすことを特徴とするトナー。 - 該チタン酸塩の微粒子による該トナーの表面被覆率が、0.5%以上20.0%以下である請求項1に記載のトナー。
- 該トナー粒子に対する該チタン酸塩の微粒子の固着率が、60%以上100%以下である請求項1又は2に記載のトナー。
- 該チタン酸塩の微粒子が、該トナーの表面0.5πμm2当たり2個以上126個以下存在する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
- 該トナーの表面0.5πμm2当たりに存在する該チタン酸塩の微粒子の個数の変動係数が、0.5以下である請求項4に記載のトナー。
- 該トナー粒子に対する該ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の固着率が、20%以上60%以下である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
- 該ハイドロタルサイト類化合物の微粒子の平均アスペクト比が1.5以上である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
- 該トナー粒子の表面に、ポリエステルが存在している請求項1乃至7のいずれか一項に記載のトナー。
- 該トナー粒子の形状係数SF−2が、110以上180以下である請求項1乃至8のいずれか一項に記載のトナー。
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