JP2019194683A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】多価金属元素が結着樹脂中に存在するトナーにおいて、初期から連続使用末期まで、低温定着性と耐久性を両立できるトナー。【解決手段】結着樹脂、及び着色剤を有するトナー粒子並びにチタン酸金属微粒子を含有するトナーであって、該トナー粒子は、電気抵抗率2.5×10−8〜10.0×10−8Ω・mの多価金属元素を含有し、該トナー粒子の該多価金属の含有量が、0.080〜20.000μmol/gであり、該チタン酸金属微粒子はペロブスカイト型結晶構造を有し、該チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10〜80nmであることを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されており、高画質化や高速化を始めとする性能の向上が求められている。
中でも、複写機やプリンターは、小型で省エネルギー性に優れたものにしたいという要望が高まっている。そのため、低温定着性に優れ、良好な保存安定性を有し、長期間にわたって優れた画質を維持できるトナーが求められている。
この要求に対し、材料選択性の幅が広い、トナー粒子の形状の制御が容易、多量の離型剤を含有させることが可能であるといった点で、乳化凝集法により製造されたトナーが多く提案されている。
乳化凝集法では、乳化重合・強制乳化・転相乳化法等による樹脂粒子分散液、及び溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作製する。その後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、加熱することによって融合・合一させ、トナーが製造される。
特許文献1には、上記乳化凝集法により製造されたトナーとして、トナー粒子中にアルミニウムを含有し、その含有量が蛍光X線によるNet強度0.02〜0.30のトナーが開示されている。
この技術によれば、アルミニウムの含有量と結着樹脂分子中のカルボン酸等の極性部との間で一部が架橋構造をとることで、良好な帯電量と低温定着性とを両立できることが開示されている。
特開2008−107769号公報
一般に、上記のような乳化凝集法により製造されたトナーは、凝集剤由来の多価金属イオンが結着樹脂中に存在している。このような多価金属イオンは、トナー粒子表面近傍及びトナー粒子内部に存在するが、トナー粒子中において、多価金属イオンの存在状態はむらになりやすい。
一方で、上記のようなトナー粒子は、凝集剤由来の多価金属イオンが結着樹脂中に存在することにより、トナー粒子表面で蓄積された電荷をリークさせることができる。
そのため、シリカ粒子や酸化チタン粒子といった外添剤によりトナー粒子表面を被覆することで、トナー粒子表面で蓄積された電荷を、トナー粒子内部の多価金属イオンによって、適度にリークさせることができる。それにより、帯電性を良化させることが可能である。
しかしながら、トナーが連続使用により劣化すると、外添剤の埋め込みなどが起こり、トナー粒子表面及びトナー粒子内部の帯電性に影響する。
上記により、トナーの帯電分布がブロード化することでチャージアップし、特に低温低湿環境下においてかぶりや現像スジといった画像弊害が生じることがわかった。
帯電性の問題に対し、トナー粒子に添加する外添剤を増やすことで耐久性の良化は可能である。しかしながら、外添剤を増やすことで低温定着性が低下することがわかった。
以上のように、低温定着性と耐久性はトレードオフの関係となっていた。
本発明の目的は、多価金属元素が結着樹脂中に存在するトナーにおいて、初期から連続使用末期まで、低温定着性と耐久性を両立できるトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、及び着色剤を有するトナー粒子並びにチタン酸金属微粒子を含有するトナーであって、
該トナー粒子は、20℃における抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を含有し、
該トナー粒子の該多価金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であり、
該チタン酸金属微粒子はペロブスカイト型結晶構造を有し、
該チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上80nm以下であることを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、多価金属元素が結着樹脂中に存在するトナーにおいて、初期から連続使用末期まで、低温定着性と耐久性が両立できる。
本発明において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、多価金属元素が結着樹脂中に存在するトナー粒子を含有するトナーにおいて、初期から連続使用末期まで、
(1)連続使用での劣化によるトナー粒子中への外添剤の埋め込みを抑えること
(2)連続使用によりトナーが劣化しても、トナー粒子の帯電特性により、チャージアップが抑えられ、耐久性が維持できること
(3)低温定着性を維持するために(1)、(2)を少ない外添剤量で達成すること
について鋭意検討した。
その結果、
(1)トナー粒子が、外添剤として、ペロブスカイト型結晶構造を有するチタン酸金属微粒子を含有し、
該チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上80nm以下であること、
(2)トナー粒子が、20℃における抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を含有し、
トナー粒子の該多価金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であること
により達成できることがわかった。
上記により、本発明の効果が発現する理由について、本発明者らは、以下のように考えている。
乳化凝集法により製造されたトナーは、凝集剤由来の多価金属イオンが結着樹脂中に存在する。上記のような多価金属イオンは、トナー粒子表面近傍及びトナー粒子内部で不均一に存在する。
上記のトナー粒子に対し、高抵抗材料であるシリカ微粒子は、外添時において、トナー粒子表面に存在する多価金属イオンの帯電の影響を受ける。
外添時において、シリカ微粒子は、上記トナー粒子表面の多価金属イオンにより、トナ
ー粒子表面で静電凝集しやすくなる。その結果、シリカ微粒子は、トナー粒子に対し、不均一な状態で付着しやすくなる。
また、中抵抗材料である酸化チタン微粒子を外添した場合、ルチル型及びアナターゼ型のいずれであっても、酸化チタン微粒子は凝集した状態でトナー粒子に付着する。結果として、シリカ微粒子、酸化チタン粒子何れも、トナー粒子に対し、不均一な状態で付着する。
特に、上記トナーは、トナー粒子上の外添剤が少ない場合、外添剤が不均一な状態で存在しやすく、電荷が局在化する。結果として、連続使用時において、トナーが、チャージアップしやすく、特に低温低湿環境下においてかぶりや現像スジといった画像弊害が生じる。
それに対し、チタン酸金属微粒子が、ペロブスカイト型の結晶構造を有し、かつ、その一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上80nm以下であり、トナー粒子が、20℃における電気抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を含有し、トナー粒子の該多価金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下である場合において、チタン酸金属微粒子がトナー粒子表面に均一な状態で付着されることがわかった。
更には、シリカ微粒子などの高抵抗材料の外添剤と共に該チタン酸金属微粒子を外添した場合、該チタン酸金属微粒子により高抵抗材料の外添剤の静電凝集が抑えられ、高抵抗材料の外添剤及びチタン酸金属微粒子が均一な状態でトナー粒子に付着されることがわかった。外添時において中抵抗材料であるチタン酸金属微粒子が分散した状態で高抵抗材料の外添剤と接触することで、高抵抗材料の外添剤の静電凝集を抑える効果を生み出していると、本発明者らは予想している。
結果として、トナー粒子上の外添剤が少ない場合でも、トナー粒子表面の電荷が非局在化されるため、チャージアップが抑えられると考えている。
チタン酸金属微粒子は、ペロブスカイト型の結晶構造を有している。チタン酸金属微粒子の粒子は、立方体状又は直方体状の形状を有している。これにより、シリカ微粒子など他の外添剤に対し、スペーサー効果を生み出し、外添剤の埋め込みなどのトナー劣化を抑えていると考えている。
また、トナー粒子が、20℃における抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を含有し、トナー粒子の多価金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であることが必須である。
上記の範囲とすることで、トナー粒子は適度に電荷をリークできる。結果として、連続使用において、トナー粒子表面で発生した電荷が、トナー粒子中に拡散することが可能となる。これにより、チャージアップが抑えられると考えている。
以上のように、トナー粒子が、外添剤として、ペロブスカイト型結晶構造を有するチタン酸金属微粒子を含有し、該チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上80nm以下であること、トナー粒子が、20℃における電気抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を含有し、トナー粒子の該多価金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下とすることで、多価金属元素が結着樹脂中に存在するトナー粒子を含有するトナーにおいて、従来課題であったトナー粒子上の外添剤が少なくても、トナーの耐久劣化が抑えられる。そのため、トナー粒子上の外添剤を少なくすることが可能となり、低温定着性を実現したと考えている。
本発明で用いられるチタン酸金属微粒子について説明する。トナーは、トナー粒子表面
にチタン酸金属微粒子を有することが好ましい。
チタン酸金属微粒子は、ペロブスカイト型の結晶構造を有し、かつ、その一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上80nm以下であることが必須である。この範囲をとることで、チタン酸金属微粒子がトナー粒子表面に均一に付着した状態で存在する。これにより、トナー粒子表面で発生した電荷を効率的に拡散させることが可能となるため、低温低湿環境におけるカブリの抑制並びに現像スジを抑制しやすくなる。該個数平均粒径が、10nm以上60nm以下であることが好ましい。
また、チタン酸金属微粒子のトナー粒子表面上の固着率が、60%以上100%以下であることが好ましい。固着率が、60.0%以上であることで、トナー粒子表面の電荷の制御を効果的に行うことが可能となる。そのため、低温低湿環境におけるカブリの抑制並びに現像スジを抑制しやすくなる。より好ましくは、75%以上100%以下であり、さらに好ましくは、88%以上100%以下であり、特に好ましくは88%以上99%以下である。
該固着率は、後述のトナー製造方法により制御することができる。
また、X線光電子分光装置(ESCA)により測定されるチタン酸金属微粒子によるトナー粒子表面の被覆率が、0.5面積%以上20.0面積%以下であることが好ましい。表面被覆率がこの範囲内にある場合、一次粒子の状態で付着するチタン酸金属微粒子の割合が多くなる。
その結果、チタン酸金属微粒子がトナー粒子表面に留まりやすく、トナー粒子表面上で発生した電荷を効果的に拡散することができる。低温低湿環境におけるカブリの抑制並びに現像スジを抑制しやすくなる。また、高温高湿環境でのカブリを抑制しやすくなる。また、被覆率が20.0面積%以下であると、外添剤の量が適切であり、低温定着性を良好に維持できる。より好ましい範囲は0.5面積%以上10.0面積%以下である。
該被覆率は、チタン酸金属微粒子の添加量や外添時における製造条件により制御することができる。
ペロブスカイト型の結晶構造を有するチタン酸金属微粒子としては、チタン酸ベリリウム微粒子、チタン酸マグネシウム微粒子、チタン酸カルシウム微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子、及びチタン酸バリウム微粒子などからなる群から選択される少なくとも一つが使用できる。
これらの中でも、トナー粒子表面で付与された電荷をトナー粒子表面に偏りなく広く拡散することができるチタン酸ストロンチウム微粒子が好ましい。すなわち、チタン酸金属微粒子がチタン酸ストロンチウムを含むことが好ましく、チタン酸金属微粒子がチタン酸ストロンチウムであることがより好ましい。
チタン酸ストロンチウム微粒子のブラッグ角をθとしたとき、2θが10°以上90°以下の範囲で得られるCuKαのX線回折スペクトルにおいて、
前記チタン酸ストロンチウム微粒子に由来するピークを39.700°±0.150°と46.200°±0.150°に有する。
この位置にピークを有するチタン酸ストロンチウムは、立方晶系に属するぺロブスカイト構造を採る。39.700°±0.150°と46.200°±0.150°のピークは、それぞれミラー指数(111)と(200)の格子面に由来する回折ピークである。一般に立方晶系に属する粒子は、粒子の外観形状として6面体形状を採りやすい。
チタン酸ストロンチウム微粒子は、製造過程で6面体形状の面方向にあたる(100)面、(200)面を持ちながら粒子が成長する。
本発明者らが検討した結果、6面体形状の面方向にあたる(200)面と、頂点方向にあたる(111)面を持つ、チタン酸ストロンチウム微粒子を用いた場合に良好な特性を
示すことを見出した。
詳細に検討した結果、39.700°±0.150°のピークの面積をSaとし、46.200°±0.150°のピークの面積をSbとしたとき、Sb/Saが、1.80以上2.30以下であることが好ましく、1.80以上2.25以下であることがより好ましい。当該範囲であると、連続使用時に、トナー粒子中への外添剤の埋め込みが更に抑制される。
上記の範囲をとることで、チタン酸ストロンチウム微粒子が、トナー粒子に対し、より均一に分散した状態で付着させることができると考えられる。これにより、トナー粒子−トナー粒子間の帯電性が均一になる。結果として、初期から連続使用末期において帯電性が均一になる。その結果、現像性がより良好になる。
これにより、低温低湿環境で連続使用した際のカブリ並びに現像スジの発生が抑制されると考えている。
上記のペロブスカイト型チタン酸ストロンチウム微粒子の一次粒子の個数平均粒径、及びSb/Saは、以下に記載のチタン酸ストロンチウム微粒子の原材料のモル比や製造条件により制御できる。
ペロブスカイト型チタン酸ストロンチウム微粒子を製造するには、加圧容器を用いる水熱処理や、常圧で反応させる常圧加熱反応法を用いることができる。本発明においては、常圧加熱反応法が好適である。
酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、ストロンチウム源として水溶性酸性化合物を用いる。そして、それらの混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法が例示できる。以下、該常圧加熱反応法について説明する。
酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いるとよい。
好ましくは、硫酸法で得られた、SO含有量が1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下のメタチタン酸を塩酸でpHを0.8以上1.5以下に調整して解膠したものを用いる。これにより、粒度分布が良好なチタン酸ストロンチウム微粒子を得ることができる。
一方、ストロンチウム源としては、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウムなどを使用することができる。アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
該製造方法において、得られるチタン酸ストロンチウム微粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、酸化チタン源とストロンチウム源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度及び添加速度などが挙げられる。これらの因子は、目的の粒子径及び粒度分布のチタン酸ストロンチウム微粒子を得るために適宜調整することができる。なお、反応過程に於ける炭酸ストロンチウムの生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させるなど、炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
反応時における酸化チタン源とストロンチウム源の混合割合は、Sr/Ti(モル比)で、0.90以上1.40以下であることが好ましく、より好ましくは1.05以上1.20以下である。
ストロンチウム源は水への溶解度が高いのに対し、酸化チタン源は水への溶解度が低いため、Sr/Ti(モル比)を0.90以上にすることで、反応生成物における未反応の酸化チタンが残存しにくくなる。
反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiOとして0.050モル/L以上1.300モル/L以下であることが好ましく、より好ましくは0.080モル/L以上1.200モル/L以下である。
反応初期の酸化チタン源の濃度を高くすることで、チタン酸ストロンチウム微粒子の一次粒子の個数平均粒径を小さくすることができる。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、高いほど結晶性の良好な生成物が得られるが、100℃以上ではオートクレーブなどの圧力容器が必要であり、実用的には60℃以上100℃以下の範囲が適切である。また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対して、0.001当量/h以上1.2当量/h以下であることが好ましく、より好ましくは0.002当量/h以上1.1当量/h以下である。これらは、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。
続いて酸処理について説明する。酸化チタン源とストロンチウム源の混合割合が、Sr/Ti(モル比)において、1.40以下であると、反応終了後に残存した未反応のストロンチウム源が空気中の炭酸ガスと反応して、炭酸ストロンチウムなどの不純物を生成することを抑制できるため、粒度分布をシャープにできる。
また、表面に炭酸ストロンチウムなどの不純物が残存すると、疎水性を付与するための表面処理をする際に、不純物の影響で表面処理剤を均一に被覆しにくくなる。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応のストロンチウム源を取り除くため酸処理を行うとよい。酸処理では、塩酸を用いてpH2.5以上7.0以下に調整することが好ましく、pH4.5以上6.0以下に調整することがより好ましい。
酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸などを酸処理に用いることができる。
続いてSb/Saの制御方法について説明する。上記チタン酸ストロンチウム微粒子を得るためには、乾式で機械的処理を施すことも一例として挙げられる。
例えば、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイフレックスグラル(アーステクニカ社製)などを用いることができる。チタン酸ストロンチウム微粒子をこれらの装置で処理することで、Sb/Saを1.80以上2.30以下に制御しやすい。
機械的処理でチタン酸ストロンチウム微粒子の形状を制御する場合、チタン酸ストロンチウム微粒子の微粉が発生する場合がある。該微粉を取り除くためには、機械的処理後に酸処理を行うことが好ましい。酸処理では、塩酸を用いてpH0.1以上5.0以下に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸などを酸処理に用いることができる。チタン酸ストロンチウム微粒子の形状を制御するための機械的処理は、チタン酸ストロンチウム微粒子の表面処理を施す前に実施することが好ましい。
チタン酸金属微粒子は、帯電調整や環境安定性の改良のため、処理剤で表面被覆されていてもよい。
処理剤としては、
チタンカップリング剤;
シランカップリング剤;
シリコーンオイル;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;
ステアリン酸などの脂肪酸;
を例示できる。
処理の方法としては、表面処理剤などを溶媒中に溶解/分散させ、そこにチタン酸金属微粒子を添加し、撹拌しながら溶媒を除去する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩とチタン酸金属微粒子を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法が挙げられる。
チタン酸金属微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.02
質量部以上2.00質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上2.00質量部以下である。
トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、20℃における電気抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を含有する。また、トナー粒子の多価金属元素の含有量が0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であることを特徴とする。好ましくは、0.08μmol/g以上14.000μmol/g以下である。
トナーが連続使用により劣化しても、トナー粒子の帯電特性により、チャージアップが抑えられ、耐久性が維持できるようにするために、トナー粒子中に適度に電荷をリークし得る成分を含有させればよいと本発明者らは考えた。適度に電荷をリークさせるためには、特定の電気抵抗率の物質をトナーに含有させることが考えられる。本発明者らは特定の電気抵抗率の物質の中でも、上記範囲とすることでチャージアップの抑制に特段の効果があることを見出した。
様々な物質の20℃における電気抵抗率は、例えば「化学大辞典」(第1版、東京化学同人、1989年)、「化学便覧 基礎編II」(改定4版、日本化学会編、丸善、19
93年、490ページ)に記載されている値を採用しうる。
本発明においては、20℃における電気抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を用いる必要がある。
例えば、アルミニウム2.7×10−8Ω・m、カルシウム3.5×10−8Ω・m、マグネシウム4.5×10−8Ω・m、コバルト6.2×10−8Ω・m、亜鉛5.9×10−8Ω・m、ニッケル6.9×10−8Ω・m、及び鉄9.7×10−8Ω・mなどからなる群から選択される少なくとも一つを挙げることができる。
20℃における電気抵抗率が2.5×10−8Ω・mよりも小さい場合には高温高湿環境下における電荷のリークが起きやすい。一方、10.0×10−8Ω・mを超える場合にはチャージアップの抑制効果が十分とは言えない。
また、トナー粒子の多価金属元素の含有量が0.080μmol/g以上であれば、チャージアップの抑制効果を満足に得ることができる。
一方、量が多すぎると定着性が低下し、また、高温高湿環境下において電荷のリーク起因のカブリが発生し得るため、トナー粒子の多価金属元素の含有量が20.000μmol/g以下である必要がある。なお、前記電気抵抗率範囲の多価金属元素を2種以上含有させる場合には、前記範囲はそれぞれの多価金属元素の合算値とする。
多価金属元素をトナー粒子中に含有させる手段は特に問わない。例えば、粉砕法によりトナー粒子を製造する場合には原料の樹脂に予め多価金属元素を含有させておくことや、原料を溶融混練する際に添加してトナー粒子に含有させることもできる。
重合法など湿式製造法でトナー粒子を製造する場合には、原料に含有させておくことや、製造過程で水系媒体を介して添加することもできる。湿式製造法において、水系媒体中でイオン化させた状態を経てトナー粒子中に含有させることは均一化の観点から好ましい。
多価金属元素がアルミニウム、鉄、マグネシウム、及びカルシウムからなる群から選択される少なくとも一つであると、イオン化傾向が比較的大きく、イオン化し易いため特に好ましい。
製造時に混合する際の多価金属元素の態様は特に問わないが、単体、ハロゲン化物、水酸化物、酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩、ヘキサフルオロシリル化物、酢酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、塩素酸類塩、硝酸類塩等を挙げることができる。前述の通りこれらを水
系媒体中で一度イオン化した状態を経てトナー粒子中に含有させることが好ましい。
水系媒体とは水が50質量%以上と、水溶性の有機溶媒50質量%以下からなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを挙げることができる。
水系媒体がヒドロキシアパタイトを含有し、該多価金属元素がカルシウムである場合にはカルシウムの添加量に注意する。ヒドロキシアパタイトの化学式はCa10(PO(OH)であり、カルシウムとリンのモル数の比は1.67である。従って、カルシウムのモル数をM(Ca)、リンのモル数をM(P)とした時、M(Ca)≦1.67M(P)の条件下ではカルシウムはヒドロキシアパタイトの結晶に取り込まれ易いため、これを超える量のカルシウムを存在させることが好ましい。
[結着樹脂]
トナー粒子は、結着樹脂を含有する。結着樹脂は特段限定されず、従来公知のものを用いることができる。結着樹脂はカルボキシ基を含有し、さらに多価金属元素はアルミニウム、鉄、マグネシウム、及びカルシウムからなる群から選択される少なくとも一つである組み合わせが特に好ましい。
多価金属元素がアルミニウムを含む場合(好ましくは多価金属元素がアルミニウムである場合)、トナー粒子のアルミニウム含有量は、0.080μmol/g以上0.400μmol/g以下であることが好ましく、0.100μmol/g以上0.320μmol/g以下であることがより好ましい。
多価金属元素が鉄を含む場合(好ましくは多価金属元素が鉄である場合)、トナー粒子の鉄含有量は、0.250μmol/g以上1.250μmol/g以下であることが好ましく、0.375μmol/g以上1.000μmol/g以下であることがより好ましい。
多価金属元素がマグネシウムを含む場合(好ましくは多価金属元素がマグネシウムである場合)、トナー粒子のマグネシウムの含有量は、2.000μmol/g以上20.000μmol/g以下であることが好ましく、4.000μmol/g以上14.000μmol/g以下であることがより好ましい。
多価金属元素がカルシウムを含む場合(好ましくは多価金属元素がカルシウムである場合)、トナー粒子のカルシウムの含有量は、2.000μmol/g以上20.000μmol/g以下であることが好ましく、4.000μmol/g以上14.000μmol/g以下であることがより好ましい。
これら多価金属元素の含有量は、トナー粒子作製時における多価金属元素含有物質の添加量により制御することができる。
結着樹脂がカルボキシ基を有することで、連続使用による劣化が抑えられ、外添剤の埋め込みなどをより抑える効果がある。これは、結着樹脂のカルボキシル基と多価金属が存在することにより、一部金属架橋が起き、トナーに強いシェアが加わった場合でも劣化が抑えられる効果を生み出すためと推察している。
物質により好ましい多価金属元素の含有量の範囲が異なるのは金属の価数に関係するものと考えられる。即ち、価数が高い場合には少ない金属量でカルボキシ基と配位し得るため、3価のアルミニウムは少量で、2価のマグネシウムとカルシウムは多量で、混合価数を取り得る鉄はその間の量であると考えられる。
また、結着樹脂の酸価は、1.0mgKOH/g以上40.0mgKOH/g以下であることが好ましい。
上記の酸価範囲を取ることで、トナー劣化が抑えられる効果と、定着性に対する阻害を抑制する効果とを両立することができる。
結着樹脂はビニル系樹脂、ポリエステル樹脂などが好ましい。ビニル系樹脂、ポリエス
テル樹脂及びその他の結着樹脂として、以下の樹脂又は重合体が例示できる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。
これら結着樹脂は単独又は混合して使用できる。好ましくは、スチレン系共重合体である。
結着樹脂はカルボキシ基を含有することが好ましく、カルボキシル基を含む重合性単量体を用いて製造された樹脂であることが好ましい。
カルボキシル基を含む重合性単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸;α−エチルアクリル酸、クロトン酸などのアクリル酸又はメタクリル酸のα−アルキル誘導体又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノアクリロイルオキシエチレンエステル、フタル酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノメタクリロイルオキシエチルエステルなどの不飽和ジカルボン酸モノエステル誘導体などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、下記に挙げるカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させたものを用いることができる。
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及び、トリメリット酸が挙げられる。
アルコール成分としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、及び、ペンタエリスリトールが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、ウレア基を含有したポリエステル樹脂であってもよい。ポリエステル樹脂は末端などのカルボキシ基はキャップしないことが好ましい。
[架橋剤]
トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、架橋剤を添加してもよい。
例えば、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたものが挙げられる。
架橋剤の添加量としては、重合性単量体100質量部に対して、0.001質量部以上15.000質量部以下であることが好ましい。
[離型剤]
トナー粒子は離型剤を含有してもよい。
離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムのような石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスのような天然ワックス及びその誘導体、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸のような脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ン樹脂が挙げられる。
なお、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。なお、離型剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して5.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
[着色剤]
着色剤は特に限定されず、公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180、185、193。
橙色顔料としては以下のものが挙げられる。
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオキシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、ア
ンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGが挙げられる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤、赤色系着色剤及び青色系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
必要により、重合阻害のない物質により着色剤に表面処理を施してもよい。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して3.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。
[荷電制御剤]
トナー粒子は荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤として、トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物及びキレート化合物として、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、又はエステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンが挙げられる。
これら荷電制御剤は単独で又は2種類以上組み合わせて含有することができる。荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂100.00質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。
〔外添剤〕
トナー粒子は、そのままトナーとして用いてもよいが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、いわゆる外添剤である流動化剤、クリーニング助剤などを添加してトナーとしてもよい。
外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などの無機微粒子が挙げられる。
これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、光沢処理が行われていることが好ましい。外添剤のBET比表面積は、10m/g以上450m/g以下であることが好ましい。
BET比表面積は、BET法(好ましくはBET多点法)に従って、動的定圧法による低温ガス吸着法により求めることができる。例えば、比表面積測定装置(商品名:ジェミ
ニ2375 Ver.5.0、(株)島津製作所製)を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて測定することにより、BET比表面積(m/g)を算出することができる。
これらの種々の外添剤の含有量は、その合計が、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上5.00質量部以下である。本発明の効果が阻害されない限り、外添剤種並びに含有量は、適宜選択することができる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
トナーは、一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
キャリアとしては、例えば鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、これらの中ではフェライト粒子を用いることが好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなどを用いてもよい。
キャリアとしては、体積平均粒径が15μm以上100μm以下のものが好ましく、25μm以上80μm以下のものがより好ましい。
[トナー粒子の製造方法]
トナー粒子の製造方法は公知の手段を用いることができ、混練粉砕法や湿式製造法を用いることができる。粒子径の均一化や形状制御性の観点からは湿式製造法が好ましい。湿式製造法には懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法、乳化凝集法などを挙げることができ、乳化凝集法がより好ましい。すなわち、トナー粒子が、乳化凝集トナー粒子であることが好ましい。これは、水系媒体中で多価金属元素をイオン化させ易いため、また、結着樹脂を凝集させる際にトナー粒子中に多価金属元素を含有させ易いためである。
乳化凝集法は、まず結着樹脂の微粒子や着色剤などの各材料の分散液を調製する。得られた各材料の分散液を、必要に応じて分散安定剤を添加して、分散混合させる。その後、凝集剤を添加することによって所望のトナー粒子の粒径となるまで凝集させ、その後又は凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行う。更に必要に応じて、熱による形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する。
ここで、結着樹脂の微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、又はいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。
トナー粒子中に内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子に内添剤を含有したものとしてもよく、また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子を樹脂微粒子と凝集させる際に共に凝集させてもよい。また、凝集時に組成の異なる樹脂微粒子を時間差で添加して凝集させることにより組成の異なる層構成のトナー粒子を作ることもできる。
分散安定剤としては以下のものを使用することができる。
界面活性剤として、公知のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を使用することができる。
無機分散安定剤として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。
また、有機系分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロー
ス、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。
画像の高精細、高解像の観点から、トナー粒子の重量平均粒径が3.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
[トナーの製造方法]
トナーの製造において、外添装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)、ナウターミキサー、メカノハイブリッドなどを用いることができる。
チタン金属微粒子を所望の状態に制御する観点において、FMミキサ(日本コークス工業株式会社製)が好ましい。チタン酸金属微粒子の状態を制御するために、回転数、処理時間、ジャケットの水温・水量を調整してトナーを調製することができる。これにより、チタン酸金属微粒子のトナー粒子表面上の固着率を制御することができる。
トナー、トナー粒子、チタン酸金属微粒子、その他材料に係る各種物性の測定方法を以下に説明する。
チタン酸金属微粒子の物性は、トナーをサンプルとして測定する。または、チタン酸金属微粒子が外添されたトナーから、チタン酸金属微粒子やトナー粒子の物性を測定する場合は、トナーからチタン酸金属微粒子や他の外添剤を分離して測定することができる。
その場合、トナーをメタノールに超音波分散させてチタン酸金属微粒子や他の外添剤を分離して、24時間静置する。沈降したトナー粒子と、上澄み液に分散したチタン酸金属微粒子や他の外添剤とを分離、回収し、十分に乾燥させることで、トナー粒子を単離することができる。また、上澄み液を遠心分離で処理することで、チタン酸金属微粒子を単離することができる。
<トナー粒子の粒径の測定>
トナー粒子の粒径は細孔電気抵抗法により測定することができる。例えば「コールター・カウンター Multisizer 3」と、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3Version3.51」(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定および算出することができる。
細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンター Multisizer 3)と、専用ソフト(商品名:ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51、ベックマン・コールター社製)を用いる。アパーチャー径は100μmを用い、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、ベックマン・コールター社製のISOTON II(商品名)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は(標準粒子10.0μm、ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON II(商品名)に設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。ここにコンタミノンN(商品名)(精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器(商品名:Ultrasonic Dispersion System Tetora150、日科機バイオス(株)製)
の水槽内にイオン交換水所定量とコンタミノンN(商品名)を約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー(粒子)約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー(粒子)を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径>
チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定は、透過型電子顕微鏡「JEM−2800」(日本電子株式会社)を用いて行う。チタン酸金属微粒子が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個のチタン酸金属微粒子の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、チタン酸金属微粒子の大きさによって適宜調整する。
なお、トナーの外添剤から、チタン酸金属微粒子を区別する方法としては、後述するX線光電子分光装置を用いたトナー粒子表面の元素分析により行うことができる。または、上述のように、単離したチタン酸金属微粒子を同様の元素分析を行うことで区別することでも代用可能である。
また、チタン酸金属微粒子がペロブスカイト型結晶構造を有するか否かは、上述のように単離したチタン酸金属微粒子を粉末X線回折装置により分析を行うことで判断することができる。
<トナー粒子表面のチタン酸金属微粒子の有無、及び被覆率の測定>
トナー粒子表面のチタン酸金属微粒子の有無、及び被覆率の測定は、トナー粒子表面の元素分析を行うことで確認することができる。
測定装置及び測定条件は下記により行う。
・測定装置:X線光電子分光装置:Quantum2000(商品名、アルバックファ
イ株式会社製)
・X線源:モノクロAl Kα
・Xray Setting:100μmφ(25W(15KV))
・光電子取りだし角:45度
・中和条件:中和銃とイオン銃の併用
・分析領域:300×200μm
・Pass Energy:58.70eV
・ステップサイズ:0.125eV
・解析ソフト:Maltipak(PHI社)
ここで、Ti原子の定量値の算出には、Ti 2p(B.E.452〜468eV)のピークを使用した。ここで得られたTi元素の定量値をZ1とする。次いで、上述のトナー粒子の表面の元素分析と同様にして、チタン酸金属微粒子単体の元素分析を行い、ここで得られたTi元素の定量値をZ2とする。トナー粒子の表面のチタン酸金属微粒子による被覆率は、上記Z1、Z2を用いて下記式のように定義される。
被覆率(面積%)=Z1/Z2×100
<チタン酸金属微粒子のトナー粒子に対する固着率の測定方法>
まず、2種類のサンプル(水洗前トナー、水洗後トナー)を用意する。
(i)水洗前トナー:後述する実施例で作製した各種トナーをそのまま用いる。
(ii)水洗後トナー:イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。
この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。遠心分離用チューブをシェイカーにて5.8s−1、20minで振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて58.3s−1,30minの条件で遠心分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを含む水溶液を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、サンプルとする。
これらの水洗前後のサンプルについて、波長分散型蛍光X線分析(XRF)により、ターゲット元素(例えば、チタン酸金属微粒子としてチタン酸ストロンチウム微粒子を使用した場合は、Sr)の強度を使用することにより、チタン酸金属微粒子の定量を行い、固着量を求める。
なお、測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中に、それぞれ水洗後のトナーと水洗前のトナーを約1g入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ約2mmに成型したペレットを用いた。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
トナーからの固着率は、まず上記方法にて水洗前トナー、水洗後トナーの元素の強度を求める。その後、下記式に基づき固着率を算出する。例として、チタン酸金属微粒子としてチタン酸ストロンチウム微粒子を使用し、ターゲット元素として、Srを用いた場合の式を示す。
チタン酸ストロンチウムの固着率=(水洗後トナーのSr元素の強度)/(水洗前トナーのSr元素の強度)×100
<チタン酸ストロンチウム微粒子の回折ピーク>
チタン酸ストロンチウム微粒子の回折ピークの位置の測定には、粉末X線回折装置「SmartLab」(株式会社リガク製、試料水平型強力X線回折装置)を用いる。また、得られたピークからのSb/Saの計算は、上記装置に付属する解析ソフトウェアの「PDXL2(version2.2.2.0)」を使用する。
(サンプル作製)
測定サンプルは、0.5mm径のBoro−Silicateキャピラリー(W.Muller社製)に均一に入れた後に測定した。
(測定条件)
・管球:Cu
・光学系:CBO−E
・試料台:キャピラリー試料台
・検出器:D/tex Ultra250検出器
・電圧:45kV
・電流:200mA
・開始角度:10°
・終了角度:60°
・サンプリング幅:0.02°
・スピード計測時間設定値:10
・IS:1mm
・RS1:20mm
・RS2:20mm
・アッテネータ:Open
・キャピラリー回転数設定値:100
その他の条件は、装置の初期設定値を使用した。
(解析)
まず、得られたピークを装置付属のソフトウェア「PDXL2」を用いてピーク分離処理を行う。ピーク分離はPDXLで選択できる「分割型Voigt関数」を用いて最適化を実行することで求め、得られた積分強度の値を使用する。これで回折ピークトップの2θ値とその面積が決定する。所定の2θ値のピーク面積から、Sb/Saを計算する。この際、ピーク分離の計算結果と実測のスペクトルが大きくずれている場合は、ベースラインを手動で設定するなどの処理をして、計算結果と実測のスペクトルが一致するように調整する。
上記ではチタン酸金属微粒子として、チタン酸ストロンチウム微粒子を例示しているが、チタン酸ストロンチウム微粒子以外についても同様に行うことができる。
<チタン酸ストロンチウム微粒子のSr/Tiのモル比>
チタン酸ストロンチウム微粒子のSr及びTiの含有量の測定は、蛍光X線分析装置で求めることができる。例えば、波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いて、PANalytical社で推奨する粉末測定専用のカップに専用フィルムを貼ったものにサンプル1gを秤量し、大気圧He雰囲気下においてFP法にてチタン酸ストロンチウム微粒子におけるNaからUまでの元素を測定する。
その際、検出された元素全てが酸化物であると仮定し、それらの総質量を100%として、ソフトウェアSpectraEvaluation(version 5.0L)に
て総質量に対するSrO及びTiOの含有量(質量%)を酸化物換算値として求めた後に、酸素をSrとTiの含有量に換算してSr/Tiのモル比を求める。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の疎水化度>
チタン酸ストロンチウム微粒子の疎水化度は、粉体濡れ性試験機「WET−100P」
(レスカ社製)によって測定する。
直径5cm及び厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に、フッ素樹脂コーティングされた長さ25mm及び最大胴径8mmの紡錘型回転子を入れる。上記円筒型ガラス容器中にメタノール50体積%と水50体積%とからなる含水メタノール液70mlを入れた後、チタン酸ストロンチウム微粒子0.5gを添加し、粉体濡れ性試験機にセットする。
マグネティックスターラーを用いて、200rpmの速度で撹拌しながら、上記粉体濡れ性試験機を通して、メタノールを0.8mL/分の速度で液中に添加する。波長780nmの光で透過率を測定し、透過率が50%に達した時のメタノールの体積百分率(=(メタノールの体積/混合物の体積)×100)により表される値を疎水化度とする。試料の疎水化度に応じて、最初のメタノールと水の体積比率は適宜調整する。
<トナー粒子中の多価金属元素の含有量(ICP−AES)>
トナー粒子中の多価金属元素の含有量は、結合誘導プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES(セイコーインスツル社製))により定量する。
前処理として、トナー粒子100.0mgに60%硝酸(関東化学製、原子吸光分析用)8.00mlを使用して酸分解を行う。
酸分解の際には、マイクロウェーブハイパワー試料前処理装置ETHOS1600(マイルストーンゼネラル(株)製)により内部温度220℃/1時間密封容器内で処理し、多価金属元素含有溶液サンプルを作製する。
その後、全体で50.00gになるように超純水を加え、測定サンプルとする。各多価金属元素に対し、検量線を作成し、各サンプルに含まれている金属量の定量を行う。なお、硝酸8.00mlに超純水を加え、全体で50.00gとしたものをブランクとして測定し、ブランクの金属量は差し引いている。
<トナー粒子中の結着樹脂の酸価>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/l塩酸100mlを250mlトールビーカーに取り、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。上記0.100モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウェア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
本試験;
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。上記電位差滴定装置を用い、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。)
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。以下の配合における部は、特に断りのない限り質量基準である。
なお、本発明の構成による効果を明確に示すために、本発明の実施例、比較例において、トナー粒子の重量平均粒径を6.0μmとし、シリカ微粒子の添加量は、同一のシリカ微粒子を用い、トナー1〜36及びトナー40〜46では1.0部添加、トナー37〜39では1.5部添加として、現像性評価と定着性評価を実施した。これにより本発明の効果を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
チタン酸ストロンチウム微粒子は以下のようにして作製した。チタン酸ストロンチウム微粒子T1〜8の物性を表1に示す。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例1>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO濃度1.039モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB
−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた
後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T1を得た。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例2>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO濃度1.039モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB
−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで15分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T2を得た。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例3>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.35となるよう2.54モル添加した後、TiO濃度1.039モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB
−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた
後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T3を得た。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例4>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO濃度1.083モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB
−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T4を得た。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例5>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO濃度0.988モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB
−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた
後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T5を得た。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例6>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO濃度1.039モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T6を得た。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例7>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO濃度0.941モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB
−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T7を得た。
<チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例8>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗
を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、Sr/Tiモル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO濃度0.897モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB
−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム微粒子T8を得た。
<比較例用酸化チタン粒子の製造例1>
ステンレス容器中に、重量平均粒径35nmのルチル型酸化チタン100部をイオン交換水に分散し、pH7に調整したスラリー(酸化チタン6質量%含有)を得た。その後スラリー中に、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し、ルチル型酸化チタン粒子T9を得た。T9の疎水化度は76%であった。
<比較例用酸化チタン粒子の製造例2>
ステンレス容器中に、重量平均粒径35nmのアナターゼ型酸化チタン100部をイオン交換水に分散し、pH7に調整したスラリー(酸化チタン6質量%含有)を得た。その後スラリー中に、固形分に対して4.0質量%のn−オクチルトリエトキシシランを添加し10時間撹拌保持を続けた。5モル/L水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し、アナターゼ型酸化チタン粒子T10を得た。T10の疎水化度は78%であった。
Figure 2019194683
<シリカ粒子の調製>
撹拌機付き反応器に、一次粒子の個数平均粒径18nmの未処理の乾式シリカを投入し、撹拌による流動化状態において、200℃に加熱した。
反応器内部を窒素ガスで置換して反応器を密閉し、乾式シリカ100質量%に対し、25質量%のジメチルシリコーンオイル(粘度=100mm/秒)を噴霧し、30分間攪拌を続けた。その後、攪拌しながら300℃まで昇温して、さらに2時間攪拌した後に取り出し、解砕処理を実施し、シリカ微粒子1を得た。なお、シリカ微粒子1の疎水化度は94%であった。
<結着樹脂粒子分散液1の調製>
スチレン78.0部、アクリル酸ブチル20.7部、カルボキシル基付与モノマーとしてアクリル酸1.3部、n−ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部のイオン交換水150部の水溶液を添加して、分散させた。
さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.3部のイオン交換水10部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂粒子分散液1を得た。
得られた樹脂粒子は、酸価を測定するために、一部について、界面活性剤を除去するために純水による洗浄、並びに減圧乾燥した。樹脂の酸価を測定した結果、9.5mgKOH/gであることを確認した。
<結着樹脂粒子分散液2の調製>
結着樹脂粒子分散液1の調整に対し、アクリル酸ブチルを21.6部、アクリル酸を0.4部に変更する以外は、結着樹脂粒子分散液1の調整と同様に行い、樹脂粒子分散液2を得た。得られた樹脂粒子分散液2の体積基準のメジアン径が0.2μmであり、樹脂の酸価は3.0mgKOH/gであることを確認した。
<結着樹脂粒子分散液3の調製>
結着樹脂粒子分散液1の調整に対し、アクリル酸ブチルを17.5部、アクリル酸を4.5部に変更する以外は、結着樹脂粒子分散液1の調整と同様に行い、樹脂粒子分散液3を得た。得られた樹脂粒子分散液3の体積基準のメジアン径が0.2μmであり、樹脂の酸価は38.0mgKOH/gであることを確認した。
<離型剤分散液の調製>
離型剤(ベヘン酸ベヘニル、融点:72.1℃)100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水385部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して離型剤分散液を得た。離型剤分散液の濃度は20質量%であった。
<着色剤分散液の調製>
着色剤としてカーボンブラック「Nipex35(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)」100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水885部に混合させ、湿式ジェットミル JN100を用いて約1時間分散して着色剤分散液を得た。
<トナー粒子1の作製例>
樹脂粒子分散液1: 265部、ワックス分散液10部、着色剤分散液10部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。撹拌しながら容器内の温度を30℃に調整して、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8.0に調整した。
凝集剤として、塩化アルミニウム0.25部をイオン交換水10部に溶解した水溶液を
、30℃攪拌下、10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、50℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定する。重量平均粒径が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム0.9部とネオゲンRK5.0部を添加して粒子成長を停止させた。
1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=9.0に調整してから95℃まで昇温し、凝集粒子の球形化を行った。平均円形度が0.980に到達したら降温を開始し、室温まで冷却して、トナー粒子分散液1を得た。
得られたトナー粒子分散液1に塩酸を添加してpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。得られたトナーケーキは、乾燥を行い、更に分級機を用いて、重量平均粒径が6.0μmになるように分級して、トナー粒子1を得た。
<トナー粒子2の作製例>
凝集剤として添加する塩化アルミニウムの添加部数を0.20部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子2を得た。
<トナー粒子3の作製例>
凝集剤として添加する塩化アルミニウムの添加部数を0.30部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子3を得た。
<トナー粒子4の作製例>
凝集剤として添加する塩化アルミニウムの添加部数を0.15部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子4を得た。
<トナー粒子5の作製例>
凝集剤として添加する塩化アルミニウムの添加部数を0.35部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子5を得た。
<トナー粒子6の作製例>
凝集剤として添加する塩化アルミニウムの添加部数を0.08部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子6を得た。
<トナー粒子7の作製例>
凝集剤を塩化アルミニウムから硫酸マグネシウムに変更し、添加部数を0.90部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子7を得た。
<トナー粒子8の作製例>
凝集剤として添加する硫酸マグネシウムの添加部数を1.15部とした以外はトナー粒子7と同様に作製し、トナー粒子8を得た。
<トナー粒子9の作製例>
凝集剤として添加する硫酸マグネシウムの添加部数を1.40部とした以外はトナー粒子7と同様に作製し、トナー粒子9を得た。
<トナー粒子10の作製例>
凝集剤として添加する硫酸マグネシウムの添加部数を1.90部とした以外はトナー粒子7と同様に作製し、トナー粒子10を得た。
<トナー粒子11の作製例>
凝集剤として添加する硫酸マグネシウムの添加部数を0.60部とした以外はトナー粒子7と同様に作製し、トナー粒子11を得た。
<トナー粒子12の作製例>
凝集剤を塩化アルミニウムから塩化カルシウムに変更し、添加部数を1.00部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子12を得た。
<トナー粒子13の作製例>
凝集剤を塩化アルミニウムから塩化鉄(III)に変更し、添加部数を0.30部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子13を得た。
<トナー粒子14の作製例>
凝集剤として添加する塩化鉄(III)の添加部数を0.35部とした以外はトナー粒子13と同様に作製し、トナー粒子14を得た。
<トナー粒子15の作製例>
凝集剤として添加する塩化鉄(III)の添加部数を0.25部とした以外はトナー粒子13と同様に作製し、トナー粒子15を得た。
<トナー粒子16の作製例>
凝集剤として添加する塩化鉄(III)の添加部数を0.50部とした以外はトナー粒子13と同様に作製し、トナー粒子16を得た。
<トナー粒子17の作製例>
凝集剤として添加する塩化鉄(III)の添加部数を0.20部とした以外はトナー粒子13と同様に作製し、トナー粒子17を得た。
<トナー粒子18の作製例>
凝集剤として添加する塩化アルミニウムの添加部数を0.05部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子18を得た。
<トナー粒子19の作製例>
凝集剤として添加する硫酸マグネシウムの添加部数を2.50部とした以外はトナー粒子7と同様に作製し、トナー粒子19を得た。
<トナー粒子20の作製例>
凝集剤を塩化アルミニウムから塩化銅(II)に変更し、添加部数を0.80部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子20を得た。
<トナー粒子21の作製例>
凝集剤を塩化アルミニウムから塩化スズ(II)に変更し、添加部数を0.80部とした以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子21を得た。
<トナー粒子22の作製例>
樹脂粒子分散液1に代えて樹脂粒子分散液2を用いた以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子22を得た。
<トナー粒子23の作製例>
樹脂粒子分散液1に代えて樹脂粒子分散液3を用いた以外はトナー粒子1と同様に作製し、トナー粒子23を得た。
<トナー1の製造例>
上記で得られたトナー粒子1(100部)に対して、チタン酸ストロンチウム微粒子T1(0.8部)、シリカ微粒子1(1.0部)を、FM10C(日本コークス工業株式会社製)によって外添混合した。外添条件は、下羽根をA0羽根とし、デフクレターの壁との間隔を20mmにセットさせ、トナー粒子の仕込み量:2.0kg、回転数:50.0s−1、外添時間:12分、冷却水を温度22℃・流量11L/minで行った。その後、目開き200μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。トナー1の製造条件及びトナー物性を表2に示す。
<トナーの製造例2〜34、及び、比較トナーの製造例1〜12>
トナーの製造例1において、使用するトナー粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子、シリカ微粒子の添加量、外添処理時間を表2の記載に変更した以外は、同様にしてトナー2〜34、及び、比較トナー1〜12を得た。外添条件及び物性を表2に示す。
<実施例1>
トナー1について、下記評価を行った。評価結果は、表3に示す。
評価に際しては、評価機としてLBP712Ci(キヤノン社製)の改造機を使用した。本体のプロセススピードを270mm/secに改造した。そして、この条件で画像形成が可能となるように必要な調整を行った。また、ブラックカートリッジからトナーを除去し、代わりにトナー1を160g充填した。
(現像性評価)
<低温低湿環境下での耐久カブリ評価>
低温低湿環境下(15℃/10%RH)での連続使用後のカブリを評価した。評価紙として、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m)を用いた。
低温低湿環境下において、印字率1%となるE文字画像を4秒ごとに2枚出力する間欠連続使用を15000枚実施した。
その後、ベタ白画像を出力して、白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Dr−Dsをカブリ値とした。
白地部反射濃度の測定は、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用い、フィルターには、アンバーライトフィルターを用いた。
数値が小さいほど評価が良好であることを示す。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.5%未満
C:1.5%以上2.5%未満
D:2.5%以上4.0%未満
E:4.0%以上
<スジ画像の評価>
スジ画像は、外添剤による部材汚染やトナー劣化により発生する0.5mm程度の縦スジであり、全面ハーフトーン画像を出力した際に観察されやすい画像不良である。
スジ画像の評価は、上記カブリ評価と同様の環境で、15000枚の連続使用試験を行った後、全面ハーフトーン画像を出力し、スジの有無を観察した。
(評価基準)
A:スジやトナー塊が未発生。
B:斑点状のスジはないが、1〜3個所の小さなトナー塊がある。
C:端部に斑点状スジが若干ある、又は4、5個所の小さなトナー塊がある。
D:全面に斑点状のスジがある、又は5個所以上小さなトナー塊若しくは明らかなトナー塊がある。
<高温高湿環境下で連続使用後に放置した際のカブリの評価>
上記カブリは、高温高湿環境下(30℃/80%RH)で評価した。評価紙として、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m)を用いた。
高温高湿環境下において、印字率1.5%となるE文字画像を4秒ごとに2枚出力する間欠連続使用を15000枚実施した。その後、本体の電源を停止し、72時間高温高湿環境下で放置した。放置後、本体を再起動させ、上記と同じ方法でカブリ評価を実施した。
ベタ白画像を出力して、白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Dr−Dsをカブリ値とした。
白地部反射濃度の測定は、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用い、フィルターには、アンバーライトフィルターを用いた。
数値が小さいほど評価が良好であることを示す。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.5%未満
C:1.5%以上2.5%未満
D:2.5%以上4.0%未満
E:4.0%以上
(定着性評価)
<低温定着性>
定着ユニットを外したカラーレーザープリンターLBP712Ci(キヤノン社製)を用意し、ブラックカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。記録媒体としては、カラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m)を使用した。次いで、充填したトナーを用いて、トナー載り量0.20mg/cmとなるように縦2.0cm、横15.0cmの未定着画像を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
まず、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、プロセススピードを270mm/s、定着線圧27.4kgfに設定し、初期温度を110℃として設定温度を5℃ずつ順次昇温させながら、各温度で上記未定着画像の定着を行った。
低温定着性の評価基準は以下の通りである。低温側定着開始点とは、画像の表面を4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけたシルボン紙(ダスパー K−3)で0.2m/秒の速度で5回摺擦したときに、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10.0%以下になる最低温度のことである。定着がしっかり行われない場合には、上記画像濃度の低下率は増える傾向にある。
評価結果を表3に示す。
(評価基準)
A:低温側定着開始点が120℃以下
B:低温側定着開始点が125℃又は130℃
C:低温側定着開始点が135℃又は140℃
D:低温側定着開始点が145℃以上
Figure 2019194683

表中、「抵抗率」は、20℃における多価金属元素の電気抵抗率(×10−8Ω・m)である。「含有量」は、トナー粒子中の多価金属元素の含有量(μmol/g)である。
Figure 2019194683

Claims (9)

  1. 結着樹脂、及び着色剤を有するトナー粒子並びにチタン酸金属微粒子を含有するトナーであって、
    該トナー粒子は、20℃における電気抵抗率2.5×10−8Ω・m以上10.0×10−8Ω・m以下の多価金属元素を含有し、
    該トナー粒子の該多価金属元素の含有量が、0.080μmol/g以上20.000μmol/g以下であり、
    該チタン酸金属微粒子はペロブスカイト型結晶構造を有し、
    該チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上80nm以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記チタン酸金属微粒子の前記トナー粒子表面上の固着率が、60%以上100%以下であり、
    X線光電子分光装置により測定される該チタン酸金属微粒子の前記トナー粒子表面上の被覆率が、0.5面積%以上20.0面積%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記多価金属元素はアルミニウム、鉄、マグネシウム、及びカルシウムからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記結着樹脂はカルボキシ基を含有し、
    前記多価金属元素はアルミニウム、鉄、マグネシウム、及びカルシウムからなる群から選択される少なくとも一つであり、
    前記多価金属元素がアルミニウムを含む場合、前記トナー粒子中のアルミニウム含有量は、0.080μmol/g以上0.400μmol/g以下であり、
    前記多価金属元素が鉄を含む場合、前記トナー粒子中の鉄含有量は、0.250μmol/g以上1.250μmol/g以下であり、
    前記多価金属元素がマグネシウムを含む場合、前記トナー粒子中のマグネシウムの含有量は、2.000μmol/g以上20.000μmol/g以下であり、
    前記多価金属元素がカルシウムを含む場合、前記トナー粒子中のカルシウムの含有量は、2.000μmol/g以上20.000μmol/g以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記チタン酸金属微粒子は、チタン酸ストロンチウム微粒子を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子のブラッグ角をθとしたとき、2θが10°以上90°以下の範囲で得られるCuKαのX線回折スペクトルにおいて、
    前記チタン酸ストロンチウム微粒子に由来するピークを39.700°±0.150°と46.200°±0.150°に有し、
    39.700°±0.150°のピークの面積をSaとし、46.200°±0.150°のピークの面積をSbとしたとき、Sb/Saが、1.80以上2.30以下である請求項5に記載のトナー。
  7. 前記チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上60nm以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記結着樹脂の酸価が、1.0mgKOH/g以上40.0mgKOH/g以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記トナー粒子が、乳化凝集トナー粒子である請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
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