JP2019184793A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制した、静電荷像現像用トナーを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、結着樹脂を含むトナー母体粒子と、チタン酸ストロンチウム微粒子を含む外添剤とを含有し、結着樹脂は非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含み、結晶性ポリエステル樹脂は炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数6〜14の脂肪族ジオールとの重縮合体であり、チタン酸ストロンチウム微粒子はチタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)を含み、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rは、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rよりも小さい、静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置において、プリントスピードの高速化、環境負荷低減等を目的とした一層の省エネルギー化を図るために、より低い温度で熱定着される静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」または「トナー粒子」ともいう)が要求されている。低温定着性を向上させる方法として、シャープメルト性を有する結晶性ポリエステル樹脂などの結晶性材料を定着助剤として結着樹脂に添加することで、結着樹脂の溶融温度や溶融粘度を低下させて、低温定着性を向上させたトナーが提案されている。結晶性材料を含有するトナーでは、結晶性材料による結着樹脂の可塑化が進むことで、低温定着性が向上すると考えられる。しかし、可塑化が進むことによって、結着樹脂の耐熱性は低下するため、例えば、現像機中で熱が掛かった状態でトナーを保管した場合などに、トナーの凝集が発生しやすくなる。よって、トナーの低温定着性と耐熱性(熱保管性)とを両立することは困難であった。
トナーの低温定着性と熱保管性とを両立する試みとして、特許文献1には、非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂と、個数平均粒子径が30nm以上300nm以下のチタン酸ストロンチウム微粉末とを含有するトナーが開示されている。
特開2017−3916号公報
特許文献1のトナーに含まれるチタン酸ストロンチウム微粉末は、粒子径が30nm以上300nm以下の1種類の微粒子である。本発明者らの検討によると、このような小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子はトナーを被覆して、過剰帯電を抑制することができる。しかしながら、被覆率が高くなり過ぎると、定着時にトナー母体粒子の中心まで熱が伝わりづらくなり、低温定着性が低下する場合がある。
本発明は、低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制した、静電荷像現像用トナーを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決する手段として、結着樹脂を含むトナー母体粒子と、チタン酸ストロンチウム微粒子を含む外添剤とを含有し、前記結着樹脂は、非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含み、前記結晶性ポリエステル樹脂は炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数6〜14の脂肪族ジオールとの重縮合体であり、前記チタン酸ストロンチウム微粒子は、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)を含み、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径Rは、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径Rよりも小さい、静電荷像現像用トナーを提供する。
本発明により、低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制した、静電荷像現像用トナーを提供することができる。
図1は、本願の実施例において、現像剤の帯電量の測定に用いた装置の模式図である。
本発明のトナーは、非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを結着樹脂として含むトナー母体粒子と、チタン酸ストロンチウム微粒子を含む外添剤とを含有するものである。本発明においては、特定の結晶性ポリエステル樹脂と、個数粒度分布におけるピークトップの粒子径の異なる少なくとも2種のチタン酸ストロンチウム微粒子(小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(A)および大粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(B))とを組み合わせることによって、トナーの低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制することができる。そのメカニズムは明らかではないが、次のように推測される。
トナー粒子の結着樹脂に、結晶性ポリエステル樹脂が含まれることによって、結着樹脂の溶融温度や溶融粘度を低下させて、低温定着性を向上させることができる。尚、結晶性ポリエステル樹脂を構成する酸とアルコールの炭素数は小さいほど、結晶性ポリエステル樹脂は溶融しやすくなるため、トナーの低温定着性は向上するが、耐熱性は低下する。よって、低温定着性と耐熱性とのバランスを保つために、本発明においては結晶性ポリエステル樹脂を、炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数6〜14の脂肪族ジオールとの重縮合体とする。しかし、上述した特定の結晶性ポリエステル樹脂は、ポリマー分子当たりのエステル基濃度が比較的低いことから、極性も低い。そのため、上述した結晶性ポリエステル樹脂を含むトナーは吸水性が低く、特に低温低湿環境下で、過剰帯電を生じやすい。
こういったトナーの過剰帯電を抑制するために、外添剤として正帯電性を持つチタン酸ストロンチウムの微粒子を使用する。チタン酸ストロンチウムは正帯電性が高い為、他の粒子を添加する場合と比較して、少ない粒子数で過剰帯電の抑制が可能である。トナーの帯電量を下げる効果を十分に発揮させるためには、チタン酸ストロンチウム粒子はトナー母体粒子の表面から脱離せず、留まっていることが必要である。よって、過剰帯電抑制の観点からは、チタン酸ストロンチウム粒子の粒子径は、より脱離しにくい小粒子径である方が望ましい。しかし、添加するチタン酸ストロンチウムのすべてが小粒子径であると、トナー母体粒子表面の外添剤の被覆率が高くなりすぎて、定着時にトナー粒子の中心まで熱が伝わりづらくなり、低温定着性が低下する場合がある。そのため、本発明においては、個数粒度分布におけるピークトップの粒子径の異なるチタン酸ストロンチウム微粒子(A)(小粒子径微粒子)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)(大粒子径微粒子)の少なくとも2種類を併用してトナー母体粒子を被覆する。大粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(B)は小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(A)よりもトナー母体粒子から脱離しやすいため、小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(A)を単独で使用した場合よりも、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が低下する傾向にある。その結果、チタン酸ストロンチウム微粒子が低温定着性に与える提供も低減されると考えられる。
よって本発明においては、特定の結晶性ポリエステル樹脂と、個数粒度分布におけるピークトップの粒子径の異なる少なくとも2種類のチタン酸ストロンチウム微粒子とを併用することによって、低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制した、静電荷像現像用トナーを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態に係るトナーは、少なくとも結着樹脂を含むトナー母体粒子と、チタン酸ストロンチウム微粒子を含む外添剤とを含有する。当該トナー母体粒子は、結着樹脂によって主に構成され、必要に応じて着色剤、離型剤、電制御剤、界面活性剤などの種々の添加剤を含有する粒子である。まず、結着樹脂について説明する。
1.結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂および非晶性樹脂)
結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂とを含む。本明細書において「結着樹脂が結晶性樹脂を含む」とは、結着樹脂が結晶性樹脂そのものを含む態様であってもよいし、他の樹脂中に含まれるセグメントを含む態様であってもよい。また本明細書において、「結着樹脂が非結晶性樹脂を含む」とは、結着樹脂が、非結晶性樹脂そのものを含む態様であってもよいし、他の樹脂中に含まれるセグメントを含む態様であってもよい。
(結晶性ポリエステル樹脂)
結晶性ポリエステル樹脂は、トナーの示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するポリエステル樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、DSCにおいて、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。このような結晶性樹脂の含有量としては、トナーに対して3〜30質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、結着樹脂のシャープメルト性を向上させて、トナーの低温定着性を向上させるという効果を得つつ、結晶性樹脂を含有させることによる耐熱性の低下を抑制することができる。
本発明において使用する結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数6〜14の脂肪族ジオールとの重縮合体である。結晶性ポリエステル樹脂を構成する脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールの炭素数が共に上記範囲内であると、低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制することが容易となる。
炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸の例には、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;これらの無水物;およびこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。
炭素数6〜14の脂肪族ジオールの例には、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,14−テトラデカンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコールが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法に特に限定はなく、公知のエステル化触媒を利用して、上記脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを重縮合する(エステル化する)ことにより製造することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造に使用可能な触媒としては、アルカリ金属化合物、第2族元素を含む化合物、金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重縮合(エステル化)反応の反応条件に特に限定はないが、例えば、150〜250℃で、0.5〜15時間行うことができる。また、反応系内を減圧にしてもよい。
本実施形態に係る結晶性ポリエステル樹脂の融点Tmは、十分な低温定着性と耐熱保管性を得る観点から、50〜90℃の範囲内にあることが好ましく、60〜80℃の範囲内にあることが好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂の融点Tmは、DSCにより測定することができる。具体的には、結晶性ポリエステル樹脂の試料をアルミニウム製パンKITNO.B0143013に封入し、熱分析装置 Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させる。1回目と2回目の加熱時には、10℃/minの昇温速度で室温(25℃)から150℃まで昇温して150℃を5分間保持し、冷却時には、10℃/minの降温速度で150℃から0℃まで降温して0℃の温度を5分間保持する。2回目の加熱時に得られる吸熱曲線における吸熱ピークのピークトップの温度を融点(Tm)として測定する。
本発明において結晶性ポリエステル樹脂は、一種でもそれ以上の種類を用いてもよい。
上記結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は5〜50質量%であることが好ましい。結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が5質量%未満であると、後述の外添剤をトナー母体粒子に保持する効果が得られない虞がある。一方、結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が50質量%を超えると、トナーの着色力および定着性能が低下する虞がある。
[非晶性樹脂]
本発明のトナーに含まれる非晶性樹脂は、結晶性樹脂と共に結着樹脂を構成する。非晶性樹脂とは、当該樹脂について示差走査熱量測定(DSC)を行った時に、融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂である。
DSC測定において1度目の昇温過程におけるガラス転移温度をTgとし、2度目の昇温過程におけるガラス転移温度をTgとしたとき、低温定着性などの定着性、並びに、耐熱保管性などの耐熱性を確実に得る観点から、上記非晶性樹脂のTgは35℃以上80℃以下であることが好ましく、特に45℃以上65℃以下であることが好ましい。また上記と同様の観点から、上記非晶性樹脂のTgは20℃以上70℃以下であることが好ましく、特に30℃以上55℃以下であることが好ましい。
非晶性樹脂の含有量としては、特に制限されるものではないが、画像強度の観点から、トナー母体粒子全量に対して、20質量%以上99質量%以下であると好ましい。さらに非晶性樹脂の含有量は、トナー母体粒子全量に対して30質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上90質量%以下であることが特に好ましい。なお、非晶性樹脂として2種以上の樹脂を含む場合は、これらの合計量が、トナー母体粒子全量に対して、上記含有量の範囲内であることが好ましい。なお、離型剤を含有する非晶性樹脂を用いた場合でも、離型剤を含有する非晶性樹脂中の離型剤は、トナーを構成する離型剤の含有量に含めるものとする。
本発明に係るトナー母体粒子に用いられる非晶性樹脂については、特に制限はなく、本技術分野における従来公知の非晶性樹脂が用いられうる。具体例としては、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性樹脂としては、ポリエステル樹脂やビニル系樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
非晶性のポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られるものである。非晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられる多価カルボン酸および多価アルコールの例に特に限定はない。例えば、多価カルボン酸としては、不飽和脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、およびこれらの誘導体を用いることが好ましい。非晶性の樹脂を形成することができるのであれば、飽和脂肪族多価カルボン酸を併用してもよい。また、多価カルボン酸は、単独でもまたは2種以上を混合して用いてもよい。
多価アルコールとしては、帯電性やトナー強度の観点から、不飽和脂肪族多価アルコール、芳香族多価アルコールおよびこれらの誘導体を用いることが好ましく、非晶性の樹脂を形成することができれば、飽和脂肪族多価アルコールを併用してもよい。上記多価アルコールは、単独でもまたは2種以上を混合して用いてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記多価カルボン酸および多価アルコールを重縮合する(エステル化する)ことにより当該樹脂を製造することができる。反応触媒や反応条件については、上述した結晶性ポリエステル樹脂の製造に使用可能な反応条件と同等である。
以上、非晶性樹脂の好ましい形態として、非晶性ポリエステル樹脂について説明したが、非晶性樹脂としてビニル系樹脂などを併用することもできる。
<他の構成成分(内添剤)>
本発明で用いられるトナー母体粒子は、結晶性樹脂および非晶性樹脂を含む結着樹脂の他に、着色剤、離型剤(ワックス)、荷電制御剤等の内添剤を含んでいてもよい。
<着色剤>
本発明のトナーが含有する着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。着色剤としてはカーボンブラック、磁性粉のほか、各種有機または無機の顔料や染料等が使用できる。
イエロートナー用のイエロー着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162等、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185等が使用可能で、これらの混合物も使用可能である。
マゼンタトナー用のマゼンタ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122等、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222等が使用可能で、これらの混合物も使用可能である。
シアントナー用のシアン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、同7、同15:3、同18:3、同60、同62、同66、同76等が使用可能である。
グリーン用のグリーン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントグリーン3、同5、同28等、顔料としてC.I.ピグメントグリーン7等が使用可能である。
オレンジトナー用のオレンジ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントオレンジ63、同68、同71、同72、同78等、顔料としてC.I.ピグメントオレンジ16、同36、同43、同51、同55、同59、同61、同71等が使用可能である。
ブラックトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラック等が使用可能であり、カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用可能である。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが使用可能である。
着色剤の含有割合は、トナーの全質量に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。このような範囲であると画像の色再現性を確保できる。
また、着色剤の大きさとしては、体積平均粒子径(体積基準のメジアン径)で、10nm以上1000nm以下、50nm以上500nm以下が好ましく、さらには80nm以上300nm以下が特に好ましい。当該体積平均粒子径は、カタログ値であってもよく、また、例えば着色剤の体積平均粒子径(体積基準のメジアン径)は、「UPA−150」(マイクロトラック・ベル株式会社製)によって測定することができる。
<離型剤>
本発明に係るトナーには、離型剤を添加することができる。離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘニルベヘネート、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスルトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー中における離型剤の含有割合としては、トナー全質量に対して2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
<荷電制御剤>
また、本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加(内添)することができる。荷電制御剤としては、種々の公知のものを使用することができる。
荷電制御剤としては、水系媒体中に分散することができる公知の種々の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第四級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又はその金属錯体などが挙げられる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂全量に対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
[トナー母体粒子の構造]
本実施形態に係るトナー母体粒子の構造は、上述したトナー母体粒子のみの単層構造であってもよいし、上述したトナー母体粒子をコア粒子として、当該コア粒子とその表面を被覆するシェル層とを備えるコア・シェル構造のような多層構造であってもよい。シェル層は、コア粒子の全表面を被覆していなくてもよく、部分的にコア粒子が露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)などの公知の観察手段によって、確認することができる。
コア・シェル構造の場合は、コア粒子とシェル層でガラス転移点、融点、硬度などの特性を異ならせることができ、目的に応じたトナー母体粒子の設計が可能である。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤などを含有し、ガラス転移点が比較的低いコア粒子の表面に、ガラス転移点が比較的高い樹脂を凝集、融着させて、シェル層を形成することができる。シェル層としては、上述したように非結晶性ポリエステル樹脂を使用することができ、なかでもスチレン−アクリル樹脂により変性された非結晶性ポリエステル樹脂を好ましく使用することができる。
2.外添剤
本発明に係るトナーは、チタン酸ストロンチウム微粒子を含む外添剤を含有し、当該チタン酸ストロンチウム微粒子は、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)を含み、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径Rは、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径Rよりも小さい。本発明においては、小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(A)と、大粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(B)とを併用することが必須である。チタン酸ストロンチウム微粒子は、その粒子径が大きいほど、トナー母体粒子から脱離しやすい傾向にある。よって、外添剤に小粒子径と大粒子径の少なくとも2種類のチタン酸ストロンチウム微粒子が含まれると、小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子単独の場合よりも、大粒子径の微粒子の脱離によって被覆率が低下する傾向にある。そして、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率を適度な範囲とすることで、チタン酸ストロンチウム微粒子によって過剰帯電を抑制しながらも、低温定着性の低下を防止することが可能となる。
上述した小粒子径と大粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子を併用することによる効果を達成する観点から、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rと、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rは、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
式(1): 200nm ≦(R−R)≦ 3000nm
チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)の粒子径の差R−Rが200nm以上3000nm以下であれば、トナー母体粒子をチタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)で一旦は被覆した後に、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)を主として脱離させることができる。よって、チタン酸ストロンチウム微粒子の被覆による低温定着性への影響を抑制することが可能となる。また、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)の粒子径の差R−Rが3000nmを超えるほどチタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rが大きいと、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)と共にトナー母体粒子を被覆することが困難である。
チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rは、10nm以上100nm以下であることが好ましく、20nm以上60nm以下であることがより好ましい。チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rが10nm以上であれば、トナーの低温定着性を低下させにくく、100nm以下であれば、高い被覆率でトナー母体粒子を被覆し、過剰帯電を抑制することができる。
チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rは、300nmを超え2000nm以下であることが好ましく、310nm以上1500nm以下であることがより好ましい。チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rが300nmを超えれば、比較的脱離しやすいため、チタン酸ストロンチウム微粒子の被覆率を調整して、低温定着性を低下させにくくすることが容易である。また、2000nm以下であれば、過剰帯電を抑制することができる。
本発明においてチタン酸ストロンチウム微粒子の粒子径はその形状によって測定方法が異なる。
立方体状または直方体状のチタン酸ストロンチウム粒子の粒子径は次の方法で測定することができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)(例えば、日本電子(株)製の「JSM−7401F」)を用いて、倍率40000倍でトナー粒子表面の外添剤を観察する。外添剤の一次粒子の画像解析によって、粒子ごとの最長径及び最短径を測定し、その中間値を球相当径とする。そして、測定した100個の一次粒子の粒子径と個数を元に個数粒度分布を求める。当該分布に存在するピークの内、最も大きいもの2つを選び、ピーク値が小さい方をチタン酸ストロンチウム微粒子(A)のピーク、大きい方をチタン酸ストロンチウム微粒子(B)のピークとし、当該ピークのピークトップの粒子径を、チタン酸ストロンチウム粒子の粒子径とする。
不定形のチタン酸ストロンチウム粒子のピークトップ粒子径は次の方法で測定することができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率5000倍でトナーの画像撮影を行う。次いで、その視野でのエネルギー分散型X線分析(EDS分析)を行う。その際、ストロンチウムとチタンの元素分析を行い、チタン酸ストロンチウム粒子を確定する。チタン酸ストロンチウムを確定したSEM画像を、画像処理解析装置(例えば、「LUZEX AP」(ニレコ社製))にて2値化処理する。複数の写真の中で、チタン酸ストロンチウム100個についての水平方向フェレ径を算出し、当該水平方向フェレ径と個数を元に粒度分布を求める。当該分布に存在するピークの内、最も大きいもの2つを選び、ピーク値が小さい方をチタン酸ストロンチウム微粒子(A)のピーク、大きい方をチタン酸ストロンチウム微粒子(B)のピークとし、当該ピークのピークトップの水平方向フェレ径をチタン酸ストロンチウム粒子の粒子径とする。ここで水平方向フェレ径とは、外添剤の画像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さとする。
なお、チタン酸ストロンチウムの数平均一次粒子径が小径であり、凝集体としてトナー表面に存在する場合は、当該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
また、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rが100nm以下であり、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rが300nmを超え、さらに後述するような他のチタン酸ストロンチウム微粒子が含まれない態様においては、上述のように測定した100個の一次粒子の粒子径について、200nm未満のものをチタン酸ストロンチウム微粒子(A)、200nm以上のものをチタン酸ストロンチウム微粒子(B)と定義し、それぞれの平均値である個数平均粒子径を、ピークトップ粒子径である粒子径RおよびRの代わりに使用することもできる。
本発明において使用するチタン酸ストロンチウム微粒子(A)および前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の形状に限定はなく、立方体状、直方体状または不定形のいずれでもかまわない。しかし、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の一方が、立方体状及び/又は直方体状であると好ましい。チタン酸ストロンチウム微粒子(A)またはチタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、他方が不定形であると、チタン酸ストロンチウム微粒子とトナー母体粒子との接触面積が増加するため、トナー母体粒子からの脱離が抑制されて、帯電量を下げる効果をより発揮しやすくなる。
チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察によって確認することができる。
尚、1種のチタン酸ストロンチウム微粒子中に形状の異なる複数種のチタン酸ストロンチウム微粒子が存在する場合、当該チタン酸ストロンチウム微粒子の形状は、最も存在量の多い形状(例えば、確認した100個の粒子中の50個超を占める形状)を粒子の形状とする。
また、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)の少なくとも一方が、ランタン含有チタン酸ストロンチウム微粒子であることが好ましい。ランタン含有チタン酸ストロンチウム微粒子とは、ランタンをドープしたチタン酸ストロンチウム微粒子であり、チタン酸ストロンチウム微粒子にランタンをドープすることで、粒子粉体電気抵抗が下がり、低温低湿下での過剰帯電を抑制する効果を発揮しやすくなる。
ランタン含有チタン酸ストロンチウム微粒子は、例えば、本願の実施例においてチタン酸ストロンチウム微粒子A9やB8を製造したように、塩化ランタン水溶液等を使用することで、製造することができる。
尚、チタン酸ストロンチウム微粒子がランタンを含有するか否かについては、蛍光X線分析(XRF)により確認することができる。具体的には、サンプル3gを加圧してペレット化し、蛍光X線分析装置「XRF−1700」((株)島津製作所製)を用いた定性分析にて測定を行うことができる。なお、2θテーブルより測定した元素のKαピーク角度を決定し、測定に用いた。
チタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)の含有量は、含有質量比(A)/(B)が下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
式(2): 0.5 ≦(A)/(B)≦ 2.5
上記含有質量比(A)/(B)はさらに下記式(3)の関係を満たすことがより好ましい。
式(3): 0.7 ≦(A)/(B)≦ 2.0
チタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)の含有質量比(A)/(B)が0.5以上であると、トナー母体粒子表面における外添剤の被覆率を、過剰帯電を抑制するのに十分な程度にすることが容易となる。また、含有質量比が2.5以下であると、トナー母体粒子表面の外添剤の被覆率が大きくなりすぎることなく、低温定着性を維持することが可能となる。
外添剤は、上記チタン酸ストロンチウム粒子(A)および(B)の使用による効果が損なわれない限り、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)とは粒子径の異なる他のチタン酸ストロンチウム微粒子を1種以上含んでいてもよい。このような他のチタン酸ストロンチウム微粒子の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径に特に限定はなく、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)よりも小さいものでもよいし、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)よりも大きいものでもよいし、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)と(B)の間の粒子径でもよい。
さらに外添剤は、上記チタン酸ストロンチウム粒子(A)および(B)の使用による効果が損なわれない限り、チタン酸ストロンチウム粒子以外の無機微粒子や有機微粒子、滑材を含んでもよい。
チタン酸ストロンチウム粒子以外の無機微粒子の例には、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子および酸化ホウ素粒子などが含まれる。当該無機微粒子は、必要に応じて公知のシランカップリング剤やシリコーンオイルなどの表面処理剤によって疎水化処理されていてもよい。また、上記無機微粒子の大きさは、数平均一次粒子径で20〜500nmの範囲であることが好ましく、70〜300nmの範囲であることがより好ましい。
上記有機微粒子には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子を使用することができる。上記有機微粒子の大きさは、個数平均一次粒子径で10〜2000nm程度であり、その粒子形状は、例えば球形である。
上記滑剤は、クリーニング性や転写性をさらに向上させる目的で使用される。上記滑剤の例には、高級脂肪酸の金属塩が挙げられ、より具体的には、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩;オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウムなどの塩;パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩;リノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩;リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩が含まれる。
上記トナーにおけるチタン酸ストロンチウム粒子の合計含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下の範囲内であることが好ましい。チタン酸ストロンチウム粒子以外の外添剤を使用する場合には、外添剤の総量(即ち、チタン酸ストロンチウム粒子と他の外添剤との合計量)が上記範囲内であることが好ましい。
3.トナー粒子
[トナー粒子の融点]
本実施形態に係るトナー粒子は、融点(Tm)が60〜90℃の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは65〜80℃の範囲内である。融点が上記範囲内にあれば、十分な低温定着性および耐熱保管性を両立させることができる。また、トナー粒子の良好な耐熱性(熱的強度)も維持することができ、十分な耐熱保管性を得ることができる。融点(Tm)は、上記結晶性ポリエステル樹脂と同様にして測定することができる。
[トナー粒子の粒子径]
本実施形態に係るトナー粒子の体積基準のメジアン径は3〜8μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは5〜8μmの範囲内である。体積基準のメジアン径が上記範囲内にあれば、1200dpiレベルの高解像度のドットを正確に再現することができる。なお、体積基準のメジアン径は、製造時において使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、結着樹脂の組成などによって制御することができる。
体積基準のメジアン径は、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフトSoftware V3.51を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定することができる。具体的には、試料(トナー粒子)0.02gを、20mLの界面活性剤溶液(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加してなじませた後、1分間の超音波分散処理を行い、トナー粒子の分散液を調製する。このトナー粒子の分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径として求める。
[トナー粒子の製造方法]
トナー粒子を製造する方法は、トナー母体粒子を製造する工程(以下、「トナー母体粒子製造工程」ともいう)と、当該トナー母体粒子の表面に外添剤を添加する工程(以下、「外添剤添加工程」ともいう)とを含む。トナー母体粒子を製造する方法は限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
また、外添剤添加工程は、乾燥工程の前に行うこともできるが、乾燥工程を経たトナー母体粒子に対して行うことが好ましい。外添剤の添加は、例えば、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用して、トナー母体粒子と外添剤とを混合することにより行うことができる。
[現像剤]
以上のように製造されたトナー粒子は、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤としてのトナーとして使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられるが、二成分現像剤として使用されることが好ましい。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子を用いることが好ましい。上記キャリアの体積平均粒子径は15〜100μmが好ましく、25〜60μmがより好ましい。
上記キャリアは、樹脂により被覆されていることが好ましい。被覆用の樹脂に限定はないが、オレフィン樹脂、シクロヘキシルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などを用いることができる。
また、上記キャリアは、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアとすることもできる。上記樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂にも限定はなく、公知の樹脂を使用することができ、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
1.非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液A1の調製
以下の原料を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド: 3500質量部
ビスフェノールAエチレンオキサイド: 1400質量部
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸: 55質量部
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸: 620質量部
テレフタル酸: 950質量部
フマル酸: 410質量部
ジブチル錫オキサイド: 25質量部
その後、反応系内に生成した水を減圧蒸留にて留去しながら、240℃まで徐々に昇温した。さらに240℃で3時間脱水縮合反応を継続し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認した。質量平均分子量42000になったところで、減圧蒸留を停止し、反応を停止させて、非晶性ポリエステル樹脂a1を得た。
次に、非晶性ポリエステル樹脂a1から不溶分を除去したものを200質量部、メチルエチルケトン100質量部、イソプロピルアルコール35質量部、および10質量%アンモニア水溶液7.0質量部をセパラブルフラスコに入れ、十分に混合、溶解した後、40℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度8g/分で滴下した。液が均一に白濁した後、送液速度を15g/分に上げて転相させ、送液量が580質量部になったところで滴下を止めた。その後、減圧下で溶剤除去を行い、非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液A1を得た。上記分散液の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)にて測定したところ164nm、樹脂粒子の固形分濃度は35%であった。
2−1.結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液C1の調製
(1)結晶性ポリエステル樹脂c1の合成
以下の原料を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、触媒としてジブチル錫オキサイド0.5質量部を加えた。
ドデカン二酸: 250質量部
1,9−ノナンジオール: 150質量部
その後、減圧操作により、三口フラスコ内の空気を窒素に置換して不活性雰囲気下とし、180℃で、機械攪拌により5時間攪拌し、且つ還流して反応を進行させた。反応の間、反応系内において生成した水を留去した。その後、減圧下において、230℃まで徐々に昇温し、2時間攪拌して粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認した。質量平均分子量が24000になったところで、減圧蒸留を停止し、結晶性ポリエステル樹脂c1を得た。
(2)分散液C1の調製
上記結晶性ポリエステル樹脂c1を1000質量部、メチルエチルケトン600質量部、およびイソプロピルアルコール150質量部をセパラブルフラスコに入れ、これを40℃で充分混合して溶解した後、10質量%アンモニア水溶液を42質量部滴下した。加熱温度を67℃に上げ、攪拌しながらイオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度8g/分で滴下し、液が均一に白濁したのち、送液速度15g/分に上げ、総液量が4000質量部になったところで、イオン交換水の滴下を止めた。その後、減圧下で溶媒の除去を行い、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液C1を得た。上記分散液の体積平均粒子径をマイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)にて測定したところ169nm、樹脂粒子の固形分濃度は25%であった。
2−2.結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液C2〜C5の調製
(1)結晶性ポリエステル樹脂c2〜c5の合成
上記結晶性ポリエステル樹脂c1の合成に使用した原料モノマーの種類を下記表1に記載したように変更したこと以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂c2〜c5を得た。
(2)分散液C2〜C5の調製
結晶性ポリエステル樹脂c1を、下記表2に記載したように結晶性ポリエステル樹脂c2〜c5に変更したこと以外は、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液C1の調製と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液C2〜C5を得た。
3.マゼンタ着色剤微粒子分散液の調製
脱イオン水195質量部にアニオン界面活性剤(第一工業製薬社製の「ネオゲンRK」)5質量部を混合溶解させた。そこにC.I.Pigment Red 122(クラリアントジャパン社製)50質量部を加えて、ホモジナイザー(IKA社製の「ウルトラタラックス」)により10分間分散させることにより、固形分(マゼンタ着色剤微粒子)が20質量%であるマゼンタ着色剤微粒子分散液を得た。得られたマゼンタ着色剤微粒子分散液におけるマゼンタ着色剤微粒子の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)にて測定したところ、185nmであった。
4.離型剤微粒子分散液W1の調製
下記原料を110℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。
エステルワックスWE5(日本油脂(株)製): 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製の「ネオゲンRK」): 5質量部
イオン交換水: 200質量部
次に、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒子径が0.21μmである離型剤を分散させてなる離型剤微粒子分散液W1(離型剤濃度:26質量%)を調製した。離型剤微粒子分散液W1中の粒子の体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)にて測定したところ、215nmであった。
5.トナー母体粒子の製造
〔トナー母体粒子1の製造〕
(凝集・融着工程および熟成工程)
下記原料を使用した。
結晶性樹脂粒子分散液C1: 12.8質量部
非晶性樹脂粒子分散液A1: 100質量部
マゼンタ着色剤微粒子分散液: 15.0質量部
アニオン性界面活性剤(Dowfax2A1 20%水溶液): 4.1質量部
離型剤微粒子分散液W1: 12質量部
pHメーター、攪拌羽、温度計を具備した重合釜に、上記原料のうち、非晶性樹脂粒子分散液A1、結晶性樹脂粒子分散液C1、アニオン性界面活性剤及びイオン交換水250質量部を入れ、140rpmで15分間攪拌しながら、界面活性剤を非晶性樹脂粒子分散液A1と結晶性樹脂粒子分散液C1になじませた。これにマゼンタ着色剤微粒子分散液および離型剤微粒子分散液を加え混合した後、この原料混合物に0.3Mの硝酸水溶液を加えて、pHを4.8に調製した。ついで、Ultraturraxにより4000rpmでせん断力を加えながら、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液22質量部滴下した。この凝集剤滴下の途中で原料混合物の粘度が急激に増大するので、粘度が上昇した時点で、滴下速度を緩め、凝集剤が一箇所に偏らないようした。凝集剤の滴下が終了したら、さらに回転数を5000rpmに上げて5分間攪拌し、凝集剤と原料混合物を充分混合した。
反応容器に撹拌器およびマントルヒーターを設置し、スラリーが充分に撹拌されるように撹拌器の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分の昇温速度、40℃を超えてからは0.05℃/分の昇温速度で昇温し、10分ごとにコールターマルチサイザー3(アパーチャー径:100μm、ベックマン・コールター社製)にて粒子径を測定した。体積平均粒子径が5.2μmになったところで温度を保持し、以下の原料を予め混合し、pHを3.8に調整しておいた混合液を20分間かけて投入した。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液A1: 55質量部
イオン交換水: 22質量部
アニオン性界面活性剤(Dowfax2A1 20%水溶液): 0.8質量部
50℃に30分間保持した後、反応容器に、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)20%液を0.8部添加し、次に1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、原料分散液のpHを7.5に制御した。その後、5℃ごとにpHを7.5に調整しながら、昇温速度1℃/分で85℃まで昇温し、85℃で保持した。
(冷却工程)
上記反応器内の反応混合物の形状係数をFPIA−3000(シメックス株式会社製)を用いて測定し、0.962になった時点で降温速度10℃/分で冷却し、トナー母体粒子分散液1を得た。
(濾過・洗浄工程および乾燥工程)
トナー母体粒子分散液1を濾過して、トナー母体粒子を回収し、イオン交換水で充分洗浄した。次いで、40℃にて乾燥して、トナー母体粒子1を得た。得られたトナー母体粒子1は、体積平均粒子径は5.8μm、平均円形度は0.963であった。
〔トナー母体粒子2、3、5、6の製造〕
結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液C1の代わりに、下記表4に記載したように結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液C2〜C5をそれぞれ使用したこと以外は実施例1と同様にして、トナー母体粒子2、3、5、6を得た。
〔トナー母体粒子4の製造〕
原料を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして、トナー母体粒子4を得た。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A1): 1160質量部
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(C1): 0質量部
マゼンタ着色剤微粒子分散液: 209質量部
アニオン性界面活性剤(Dowfax2A1 20%水溶液): 40質量部
イオン交換水: 1500質量部
6.チタン酸ストロンチウム微粒子の製造
〔チタン酸ストロンチウム微粒子A1の調製〕
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加し、pHを1.0に調整してチタニアゾル分散液を得た。得られたチタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHをに調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返し、含水酸化チタンを得た。
含水酸化チタンに対し、0.99倍モル量のSr(OH)・8HOを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO換算で0.5mol/Lになるように蒸留水を加えた。得られたスラリーを窒素雰囲気中で80℃まで30℃/時間で昇温し、80℃に到達してから5時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返した。その後、上記スラリーの固形分に対して3質量%となる量のステアリン酸ナトリウムを溶解した水溶液に、窒素雰囲気中で、上記スラリーを加えた。さらに撹拌しながら、硫酸カルシウム水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸カルシウムを析出させた。その後、当該スラリーを純水でくり返し洗浄した後、ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥し、焼結工程を経由していない、表面がステアリン酸カルシウムで処理されたチタン酸ストロンチウム微粒子A1を得た。このチタン酸ストロンチウム微粒子A1の形状をSEMにより観察した結果、直方体及び/又は立方体の粒子形状を有していた。チタン酸ストロンチウム微粒子A1の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径Rは40nmだった。
尚、立方体状または直方体状のチタン酸ストロンチウム微粒子のピークトップ粒子径は以下の方法で測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製の「JSM−7401F」)を用いて、倍率40000倍でチタン酸ストロンチウム微粒子を観察し、一次粒子の画像解析によって、粒子ごとの最長径及び最短径を測定し、その中間値を球相当径とした。そして、測定した100個の一次粒子の粒子径と個数を元に個数粒度分布を求めた。当該分布に存在するピークのピークトップの粒子径を、チタン酸ストロンチウム粒子の粒子径とした。
〔チタン酸ストロンチウム微粒子A2〜A7およびB9の調製〕
チタン酸ストロンチウム微粒子A1の調製において、チタン酸ストロンチウムの反応温度、当該温度までの昇温速度、塩酸添加後の分散液のpH、NaOH添加後の分散液のpHを以下の表3の記載のように調整して、表4に示す粒子径RまたはRを有する、形状が立方体状または直方体状の、ペロブスカイト型チタン酸ストロンチウム微粒子A2〜A7およびB9を作製した。
〔チタン酸ストロンチウム微粒子A8の調製〕
炭酸ストロンチウム600gと酸化チタン350gをボールミルにて、8時間湿式混合した後、ろ過乾燥し、この混合物を10kg/cmの圧力で成形して、1200℃で7時間焼結した。これを、機械粉砕して、焼結工程を経由した粒子径Rが47nmのチタン酸ストロンチウム微粒子A8を得た。チタン酸ストロンチウム微粒子A8の形状をSEMにより形状を観察した結果、不定形な形状を有していた。
尚、不定形なチタン酸ストロンチウム微粒子のピークトップ粒子径は以下の方法で測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率5000倍でチタン酸ストロンチウム微粒子の画像撮影を行った。得られたSEM画像を、画像処理解析装置(「LUZEX AP」(ニレコ社製))にて2値化処理した。複数の写真の中で、チタン酸ストロンチウム100個についての水平方向フェレ径を算出し、当該水平方向フェレ径と個数を元に粒度分布を求めた。当該分布に存在するピークのピークトップの水平方向フェレ径をチタン酸ストロンチウム粒子の粒子径とした。ここで水平方向フェレ径とは、外添剤の画像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さとした。
〔チタン酸ストロンチウム微粒子B1〜B7の調製〕
チタン酸ストロンチウム微粒子A8の調製において、粉砕条件および分級条件を調整して、表4に示す粒子径Rを有する、形状が不定形のチタン酸ストロンチウム微粒子B1〜B7を作製した。
〔チタン酸ストロンチウム微粒子A9の調製〕
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0とし、脱硫処理を行った。その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。得られた洗浄済みケーキに水を加え、TiOとして1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行い、メタチタン酸を得た。このメタチタン酸からTiOとして1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように2.159mol添加し、更に塩化ランタン溶液をSrモル比で10mol%となる0.216mol添加した後、TiO濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液553mLを1時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、当該沈殿を含むスラリーに塩酸を加えpH6.5に調整し、固形分に対して9重量%のイソブチルトリメトキシシランを添加して1時間撹拌保持を続けた。次いで、ろ過洗浄を行い、得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し、ランタン含有チタン酸ストロンチウム微粒子A9を得た。得られたランタン含有チタン酸ストロンチウム微粒子A9の形状は直方体状であり、粒子径Rを前述した方法で算出したところ、35nmであった。
〔チタン酸ストロンチウム微粒子B8の調製〕
チタン酸ストロンチウム微粒子A9の調製において、メタチタン酸から採取したTiO2量を0.357mol、塩化ストロンチウム溶液量を0.410mol、塩化ランタン溶液を0.041mol、TiO濃度を0.179mol/Lに変更した以外は同様にして、表4に示す粒子径Rを有する、ランタン含有チタン酸ストロンチウム微粒子B8を作製した。
実施例1
〔トナー粒子1の製造〕
250gのトナー母体粒子1(体積平均粒子径:5.8μm)に、疎水性シリカ粒子(HМDS処理済、疎水化度:72%、個数平均一次粒子径:20nm)0.6質量部、チタン酸ストロンチウム微粒子A1(R:40nm)0.50質量部、及びチタン酸ストロンチウム微粒子B1(R:1000nm)0.33質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて20分混合することにより、トナー粒子(1)を作製した。
実施例2〜25および比較例1〜5
〔トナー粒子2〜30の製造〕
トナー粒子1の製造において、トナー母体粒子の種類、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)の種類および添加比率(A)/(B)を表4に示す通りに変更した以外はトナー粒子1と同様にして、トナー粒子2〜30を作成した。
製造したトナー粒子1〜30に含まれる、結晶性ポリエステル樹脂の種類、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)のそれぞれの種類、粒子径RまたはR、粒子形状、ならびにチタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)の粒径差および含有質量比を下記表4にまとめた。
上記トナー粒子1〜30のそれぞれについて、低温定着性、耐熱性、および帯電量を評価した。尚、低温定着性および帯電量は、当該トナー粒子を含む現像剤を用いて測定した。現像剤には、以下の方法で製造したキャリア粒子を使用した。
<キャリア粒子の製造>
(芯材粒子の作製)
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe2O3:50mol%およびSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、水と混合した後、湿式メディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、950℃で2時間加熱し、ロータリーキルンで仮焼成を行った。直径0.3cmのステンレスビーズを用いて乾式ボールミルで1時間粉砕したのち、バインダーとしてPVAを固形分に対して0.8質量%添加し、更に水および分散剤を添加し、直径0.5cmのジルコニアビーズを用いて25時間粉砕した。次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1050℃で20時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、芯材粒子を得た。芯材粒子の体積平均粒子径は28.0μmであった。
(被覆用樹脂の作製)
シクロヘキシルメタクリレートモノマー100質量部、ドデカンチオール1質量部を混合して溶解したものを、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製の「ネオゲンSC」)0.5質量部をイオン交換水400質量部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに開始剤として過硫酸アンモニウム0.5質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して樹脂分散液を得た。その後、樹脂分散液をスプレードライで乾燥することで、被覆用樹脂を得た。被覆用樹脂の重量平均分子量は35万であった。
(キャリア粒子の作製)
水平撹拌羽根付き高速撹拌混合機に、上記で準備した芯材粒子を100質量部、および被覆用樹脂を4.5質量部投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌した。その後、120℃で50分混合して機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で芯材粒子の表面に被覆材を被覆させ、室温まで冷却して、キャリア粒子を得た。
<現像剤の製造>
上記キャリア粒子100質量部に対して、トナー粒子6質量部を、常温常湿(温度10℃、相対湿度20%RH、温度30℃、相対湿度80%RH)環境下で、Vブレンダを用いて混合した。Vブレンダの回転数を20rpm、撹拌時間を20分にして処理を行い、さらに、混合物を目開き125μmのメッシュで篩い分けて、現像剤を得た。
<低温定着性>
画像形成装置として、市販のフルカラー複合機である「bizhub PRESS C1070」(コニカミノルタ社製)を用い、常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下で、A4サイズの上質紙「CFペーパー」(コニカミノルタ株式会社製)の上に、未定着ベタ画像(トナー付着量8.0g/m)を形成した。次に、定着装置の加圧ローラの表面温度を100℃に設定し、加熱ローラの表面温度を2℃刻みで130〜170℃の範囲で変更して、定着を行った。定着オフセットによる画像汚れが目視で確認されない最低の定着温度を、最低定着温度とした。
さらに下記の評価基準に基づき、最低定着温度から低温定着性を評価した。
◎: 135℃未満
○: 135℃以上140℃未満
×: 140℃以上未満
尚、◎および○を実用可能なレベルとする。トナーの最低定着温度が140℃以上であると、目標とする通紙速度では十分定着させることが難しく、実用上問題がある。
<耐熱性>
トナー粒子0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、振とう機「タップデンサーKYT−2000」(セイシン企業社製)を用い、室温で600回振とうさせた。その後、蓋を開けた状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナー粒子を48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナー粒子の凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定した。送り幅1mmとなる振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上に残存したトナー量の比率(質量%)を測定し、下記式(A)によりトナー凝集率を算出した。
式(A): トナー凝集率(%)=(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)×100)
同様の測定を温度57.5℃および60℃のそれぞれで行い、X軸を温度、Y軸をトナー凝集率としてプロットした。温度55℃、57.5℃。60℃の内、トナー凝集率が50%となる領域を挟む2つの温度間で近似直線を引き、内挿からトナー凝集率が50%となる温度を算出し、この温度を耐熱温度とした。
さらに下記の評価基準に基づき、耐熱温度から耐熱性を評価した。
◎: 59℃以上
○: 58℃以上59℃未満
×: 58℃未満
尚、◎および○を実用可能なレベルとする。
<帯電量>
現像剤の帯電量を図1に示す装置を用いて測定した。まず、精密天秤で計量した現像剤1gを導電性スリーブ61の表面全体に均一になる様に乗せた。バイアス電源63から導電性スリーブ61に2kVの電圧を供給すると共に、導電性スリーブ61内に設けられたマグネットロール62の回転数を1000rpmにした。この状態で30秒間放置して、トナー粒子を円筒電極64に収集した。30秒後に円筒電極64の電位Vmを読み取ると共に、トナー粒子の電荷量を求めた。さらに収集したトナー粒子の質量を精密天秤で測定し、平均帯電量(μC/g)を求めた。
下記の評価基準に基づき、平均帯電量から帯電性を評価した。
◎: 40μC/g以上48μC/g未満
○: 48μC/g以上55μC/g未満
×: 55μC/g以上
尚、◎および○を実用可能なレベルとする。
トナー粒子1〜30について、評価結果を下記表5にまとめた。
表5の結果から明かなように、炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数6〜14の脂肪族ジオールとの重縮合体である結晶性ポリエステル樹脂を含むトナー母体粒子と、粒子径の異なるチタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)とを含むトナー粒子1〜25は、いずれも低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制したトナー粒子であった。特にチタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rと、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rとの粒径差が200nm以上である、例えば、トナー粒子1は、粒径差が200nm未満のトナー粒子9と比べて、低温定着性が向上した。これは、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒径が相対的に大きいことで、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が適度に低下したためと考えられる。
また、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rが10nm以上100nm以下の範囲内であるトナー粒子11〜14は、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rが10nm未満のトナー粒子10と比べて、低温定着性が向上した。また、粒子径Rが100nmを超えるトナー粒子15と比べて、耐熱性および帯電率が向上した。上記Rが10nm未満であると、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が上昇して、低温定着性が若干低下し、一方、Rが100nmを超えると、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が低下して、耐熱性および帯電率が若干低下すると考えられる。
チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rが300nmを超え2000nm以下の範囲内であるトナー粒子18〜20は、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rが300nm以下のトナー粒子16および17と比べて、低温定着性が向上した。また、粒子径Rが2000nmを超えるトナー粒子21と比べて、耐熱性および帯電率が向上した。上記Rが300nm未満であると、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が上昇して、低温定着性が若干低下し、一方、Rが2000nmを超えると、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が低下して、耐熱性および帯電率が若干低下すると考えられる。
チタン酸ストロンチウム微粒子(A)が直方体であるトナー粒子1は、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)の両方が不定形であるトナー粒子5と比べて、平均帯電量が少し低下し、帯電性が向上した。これはチタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)の一方の粒子形状が直方体状であり、他方が不定形であることで、チタン酸ストロンチウム微粒子とトナー母体粒子との接触面積が増加し、トナー母体粒子からのチタン酸ストロンチウム微粒子の脱離が抑制されて、帯電量を下げる効果がより発揮しやすくなったためと考えられる。また、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)が直方体状のランタン含有微粒子であるトナー粒子4は、ランタンを含有しないチタン酸ストロンチウム微粒子(A)を使用したトナー粒子1と比べて、平均帯電量がさらに低下し、帯電性が向上した。これは、チタン酸ストロンチウム微粒子にランタンをドープすることで、粒子粉体電気抵抗が下がり、低温低湿下での過剰帯電を抑制する効果を発揮しやすくなったためと考えられる。しかし、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)が直方体状であり、チタン酸ストロンチウム微粒子(B)が直方体状のランタン含有微粒子であるトナー粒子6、およびチタン酸ストロンチウム微粒子(A)および(B)の両方が直方体状のランタン含有微粒子であるトナー粒子7は、上記トナー粒子5よりも平均帯電量が少し低いものの、上記トナー粒子1および4よりも平均帯電量が少し高かった。これは、チタン酸ストロンチウム微粒子にランタンをドープすることの効果の一部が、直方体状の粒子を2種類使用したことによるデメリットによって相殺されたためと考えられる。
チタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)の含有質量比(A)/(B)が0.5以上2.5以下の範囲内であるトナー粒子23および24は、含有質量比が0.5未満のトナー粒子22と比べて、帯電性が向上した。また、含有質量比が2.5を超えるトナー粒子25と比べて、低温定着性が向上した。上記含有質量比が0.5未満であると、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の相対量が少ない(そしてチタン酸ストロンチウム微粒子(B)が多い)ため、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が低下して、帯電率が若干低下したと考えられる。一方、含有質量比が2.5を超えると、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の相対量が多い(そしてチタン酸ストロンチウム微粒子(B)が少ない)ため、チタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率が上昇して、低温定着性が若干低下すると考えられる。
一方、トナー母体粒子が結晶性ポリエステル樹脂を含まないトナー粒子26は、低温定着性が悪かった。また、トナー母体粒子に含まれる結晶性ポリエステル樹脂を構成する脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの炭素数が6未満のトナー粒子27は耐熱性が低く、結晶性ポリエステル樹脂を構成する脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの炭素数が14を超えるトナー粒子28は、低温定着性と帯電性が悪かった。これらの結果は、結晶性ポリエステル樹脂の炭素数が少なすぎると、トナーの耐熱性を大きく下げる場合があり、炭素数が多すぎると、分子量が高くなるため、低温定着性が低下し、さらには過剰帯電も発生し得る。
チタン酸ストロンチウム微粒子として小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(A)のみを含むトナー粒子29は、低温定着性が悪かった。これは、小粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(A)のみでは、外添剤による被覆率が高くなり過ぎて、トナー粒子の中心まで熱が伝わらなかったためと考えられる。一方、チタン酸ストロンチウム微粒子として大粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(B)のみを含むトナー粒子30は、平均帯電量が高かった。これは大粒子径のチタン酸ストロンチウム微粒子(B)のみではトナー母体粒子の被覆が不十分で、帯電率を下げることができなかったためと考えられる。
本発明によれば、低温定着性と耐熱性とを両立しつつ、過剰帯電を抑制した、静電荷像現像用トナーを提供することができる。よって、本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置におけるさらなる高速化、高性能化、省力化および記録媒体の多様化が期待され、当該画像形成装置のさらなる普及が期待される。
61 導電性スリーブ
62 マグネットロール
63 バイアス電源
64 円筒電極

Claims (9)

  1. 結着樹脂を含むトナー母体粒子と、
    チタン酸ストロンチウム微粒子を含む外添剤とを含有し、
    前記結着樹脂は、非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含み、前記結晶性ポリエステル樹脂は炭素数6〜14の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数6〜14の脂肪族ジオールとの重縮合体であり、
    前記チタン酸ストロンチウム微粒子は、チタン酸ストロンチウム微粒子(A)およびチタン酸ストロンチウム微粒子(B)を含み、前記チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径Rは、前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の個数粒度分布におけるピークトップの粒子径Rよりも小さい、静電荷像現像用トナー。
  2. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rと、前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rは、下記式(1)の関係を満たす、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
    式(1): 200nm ≦(R−R)≦ 3000nm
  3. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rは、10nm以上100nm以下である、請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(A)の粒子径Rは、20nm以上60nm以下である、請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rは、300nmを超え2000nm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の粒子径Rは、310nm以上1500nm以下である、請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の含有量は、含有質量比(A)/(B)が下記式(2)の関係を満たす、請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
    式(2): 0.5 ≦(A)/(B)≦ 2.5
  8. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の一方は、立方体状及び/又は直方体状の微粒子を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記チタン酸ストロンチウム微粒子(A)および前記チタン酸ストロンチウム微粒子(B)の少なくとも一方は、ランタン含有チタン酸ストロンチウム微粒子である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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