JP2016042135A - トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】耐トナー凝集性に優れるトナーを提供する。【解決手段】非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、結晶核剤とを含み、前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記結晶核剤が、前記非晶性ポリエステル樹脂中に分散しており、ここで、前記結晶核剤が、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子であることを特徴とするトナーである。【選択図】なし
Description
本発明は、トナーに関し、特には耐トナー凝集性に優れるトナーに関するものである。
結晶性ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と比較して、トナーの機械的強度を低下させることなく、トナーの軟化温度や溶融粘度を下げることができるため、結晶性ポリエステル樹脂をトナーの結着樹脂として使用すると、加熱定着時により低い温度でトナー画像を定着させることができる。
例えば、特開2011−70001号公報(特許文献1)には、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤及び着色剤を含む凝集法トナーが開示されており、該トナーは、各構成成分を水系媒体中に分散させてなる分散液を調製し、次いでこれら分散液を混合して凝集粒子の分散液を調製する工程を経て製造されている。
しかしながら、トナーが混練法トナーであると、混練時に結晶性ポリエステル樹脂が溶融し、再結晶後のポリエステル樹脂の結晶化度が低下する場合があり、トナー粒子の凝集を起こす問題がある。かかる問題を解決するため、シリカ粒子等の結晶核剤を用いて、溶融した結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進する手法が知られている(特開2006−84953号公報(特許文献2)及び特開2010−26185号公報(特許文献3))。
しかしながら、シリカ粒子のような結晶核剤を用いたトナーでは、トナー粒子の凝集が依然として確認されており、トナー粒子の凝集を防止するには改善の余地がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、耐トナー凝集性に優れるトナーを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、結晶性ポリエステル樹脂の融点を低くするほど、溶融混練時における非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の粘度差が大きくなるため、混練工程において与えられるべき結晶核剤の分散に必要なせん断力を、粘度の低い結晶性ポリエステル樹脂中で与えることが難しくなり、結晶核剤の結晶性ポリエステル樹脂中での分散性が不十分になる(即ち、結晶核剤が含まれない結晶性ポリエステル樹脂のドメインが生じる)ことが分かった。このため、従来の結晶核剤は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を十分に促進できず、該結晶性ポリエステル樹脂の結晶化度を維持できないものと推定される。更に、本発明者は、従来の結晶核剤に代えて、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子を用いると、該樹脂微粒子がトナー中に分散できるため、トナー粒子の凝集を防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、結晶核剤とを含み、
前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記結晶核剤が、前記非晶性ポリエステル樹脂中に分散しており、ここで、
前記結晶核剤が、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子であることを特徴とする。
前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記結晶核剤が、前記非晶性ポリエステル樹脂中に分散しており、ここで、
前記結晶核剤が、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子であることを特徴とする。
本発明のトナーの好適例において、前記樹脂微粒子は、平均一次粒子径が100nm以下である。
本発明のトナーの他の好適例において、前記結晶性ポリエステル樹脂は、融点が85℃未満である。
本発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含むトナーにおいて、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子を結晶核剤として用いることで、耐トナー凝集性に優れるトナーを提供することができる。
[トナー]
以下に、本発明のトナーを詳細に説明する。本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、結晶核剤とを含み、前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記結晶核剤が、前記非晶性ポリエステル樹脂中に分散しており、ここで、前記結晶核剤が、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子であることを特徴とする。
以下に、本発明のトナーを詳細に説明する。本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、結晶核剤とを含み、前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記結晶核剤が、前記非晶性ポリエステル樹脂中に分散しており、ここで、前記結晶核剤が、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子であることを特徴とする。
なお、本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂や結晶性ポリエステル樹脂の結着樹脂及び結晶核剤の他、トナー粒子内部に公知の内添剤が含まれていてもよいし、必要に応じてトナー粒子の表面に外添剤が添加されている。また、トナー粒子は、一般に、体積平均粒子径が5μm〜10μmであることが好ましい。
[結着樹脂]
本発明のトナーに用いる結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含み、本発明のトナーにおいては、結晶性ポリエステル樹脂が非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。なお、本発明のトナーでは、結晶核剤を使用するため、非晶性ポリエステル樹脂中に分散している結晶性ポリエステル樹脂の内部には結晶核剤が存在している。
本発明のトナーに用いる結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含み、本発明のトナーにおいては、結晶性ポリエステル樹脂が非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。なお、本発明のトナーでは、結晶核剤を使用するため、非晶性ポリエステル樹脂中に分散している結晶性ポリエステル樹脂の内部には結晶核剤が存在している。
本発明において、非晶性樹脂と結晶性樹脂は、結晶性指数により区別され、結晶性指数が0.6〜1.5の範囲にある樹脂を結晶性樹脂とし、結晶性指数が0.6未満であるか又は1.5を超える樹脂を非晶性樹脂とする。結晶性指数が1.5を超える樹脂は非晶性であり、また、結晶性指数が0.6未満である樹脂は結晶性が低く、非晶性部分が多い。
なお、結晶性指数とは、樹脂の結晶化の度合いの指標となる物性であり、軟化温度と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化温度/吸熱の最高ピーク温度)により定義されるものである。ここで、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度と軟化温度の差が20℃以内であれば、最高ピーク温度を融点とし、最高ピーク温度と軟化温度の差が20℃を超える場合は、最も高温側にあるピークをガラス転移に起因するピークとする。
結晶化の度合いは、原料モノマーの種類及び比率、並びに製造条件(例えば反応温度、反応時間、冷却速度)等を調整することで制御できる。
なお、結晶性指数とは、樹脂の結晶化の度合いの指標となる物性であり、軟化温度と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化温度/吸熱の最高ピーク温度)により定義されるものである。ここで、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度と軟化温度の差が20℃以内であれば、最高ピーク温度を融点とし、最高ピーク温度と軟化温度の差が20℃を超える場合は、最も高温側にあるピークをガラス転移に起因するピークとする。
結晶化の度合いは、原料モノマーの種類及び比率、並びに製造条件(例えば反応温度、反応時間、冷却速度)等を調整することで制御できる。
[非晶性ポリエステル樹脂]
非晶性ポリエステル樹脂は、結晶性指数が0.6未満であるか又は1.5を超えるポリエステル樹脂であるが、結晶性指数が1.5を超えるポリエステル樹脂の方が好ましい。また、非晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを重縮合させることによって得られる。
非晶性ポリエステル樹脂は、結晶性指数が0.6未満であるか又は1.5を超えるポリエステル樹脂であるが、結晶性指数が1.5を超えるポリエステル樹脂の方が好ましい。また、非晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを重縮合させることによって得られる。
多塩基酸としては、ポリエステル合成用の公知のモノマーを使用でき、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物等が挙げられる。これら多塩基酸は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコールとしても、ポリエステル合成用の公知のモノマーを使用でき、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の芳香族系ジオール類等が挙げられる。これら多価アルコールは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は、常法に従って実施でき、例えば、有機溶媒の存在下又は非存在下で且つ重縮合触媒(酸化ジブチル錫等)の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価や軟化温度等が所望の値になったところで反応を終了する。これによって、非晶性ポリエステル樹脂が得られる。多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比や反応率等を適宜変更することによって、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、延いては得られる非晶性ポリエステル樹脂の特性を変性できる。また、多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することができる。
また、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は、通常150℃〜300℃、好ましくは170℃〜280℃程度の温度条件下で行われる。更に、上記重縮合反応は、常圧下、減圧下又は加圧下で行うことができるが、重縮合反応の進行を物性値(例えば酸価、融点等)や反応機の撹拌トルク又は動力値で追いながら、系内の圧力を適宜調整するのが望ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、10KOHmg/g以上30KOHmg/g以下が好ましく、15KOHmg/g以上25KOHmg/g以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上50000以下が好ましく、数平均分子量(Mn)としては、1000以上10000以下が好ましい。本発明において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した値であり、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)が使用され、標準物質にはポリスチレンが使用される。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、55℃以上70℃以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の軟化温度は、80℃以上150℃以下が好ましい。
本発明のトナーにおいて、非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中70〜90質量%であることが好ましい。
[結晶性ポリエステル樹脂]
結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性指数が0.6〜1.5であるポリエステル樹脂であるが、結晶性指数が0.8〜1.2であるポリエステル樹脂が好ましい。また、結晶性ポリエステル樹脂は、例えば特開2006−113473号公報に記載されるような公知の方法によって製造でき、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを重縮合させることによって得られる。
結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性指数が0.6〜1.5であるポリエステル樹脂であるが、結晶性指数が0.8〜1.2であるポリエステル樹脂が好ましい。また、結晶性ポリエステル樹脂は、例えば特開2006−113473号公報に記載されるような公知の方法によって製造でき、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを重縮合させることによって得られる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられるが、炭素数2〜8の脂肪族ジオール等の、樹脂の結晶性を促進させる多価アルコールを用いることが好ましい。なお、これら多価アルコールは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂の結晶性を高める観点から、多価アルコール中における炭素数2〜8の脂肪族ジオールの含有量は、80モル%以上であることが好ましく、また、炭素数2〜8の脂肪族ジオールを2種以上用いる場合は、1種の炭素数2〜8の脂肪族ジオールの含有量が、多価アルコール中70モル%以上であることが望ましい。
多塩基酸としては、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の炭素数2〜30、好ましくは2〜8の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸等が挙げられ、高い結晶化度(結晶性指数)を得るためには、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸が更に好ましい。なお、これら多塩基酸は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下が好ましい。また、結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上100000以下が好ましく、数平均分子量(Mn)は、3000以上20000以下が好ましい。本発明において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した値であり、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)が使用され、標準物質にはポリスチレンが使用される。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、85℃未満であることが好ましく、55℃以上で且つ85℃未満であることが更に好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融点が85℃未満であれば、トナーの定着性を向上させることができる。
本発明のトナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径は、0.2μm以上0.4μm以下が好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径が0.2μm以上0.4μm以下であれば、結着樹脂の軟化や結晶性ポリエステル樹脂のトナー粒子からの離脱を抑えることができる。
本発明のトナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中5〜20質量%であることが好ましい。
[結晶核剤]
結晶核剤は、混練時や定着時に溶融した結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進するために添加される核(微小固体)であり、混練時や定着時に変形しにくいガラス転移点が110℃以上の樹脂微粒子が使用できる。なお、本発明において、樹脂微粒子のガラス転移点は、混練時や定着時の変形しにくさを示す指標として用いているので、ガラス転移温度の測定時に温度をいくら上昇させてもガラス転移点を示さないような架橋型樹脂微粒子もガラス転移点が110℃以上の樹脂微粒子に含まれる。本発明においては、このような架橋型樹脂微粒子をガラス転移温度が無限大の樹脂微粒子とみなす。本発明のトナーにおいては、結晶核剤が樹脂成分で構成されているため、結晶性ポリエステル樹脂中に分散されやすく、また、混練時の粘着性が低いため、結晶核剤どうしが融着して大きな塊を形成することがなく、即ち結晶核剤の粒子数が減少することがなく、結晶核剤は、微細粒子として微細な結晶性ポリエステル樹脂のドメイン中に分散されやすくなると推定される。この結晶核剤が結晶性ポリエステル樹脂中に存在することで、混練時や定着時に結晶性ポリエステル樹脂が溶融した場合、その後の冷却過程で、結晶核剤が起点となり(不純物が核になりやすい)、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進することができる。
結晶核剤は、混練時や定着時に溶融した結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進するために添加される核(微小固体)であり、混練時や定着時に変形しにくいガラス転移点が110℃以上の樹脂微粒子が使用できる。なお、本発明において、樹脂微粒子のガラス転移点は、混練時や定着時の変形しにくさを示す指標として用いているので、ガラス転移温度の測定時に温度をいくら上昇させてもガラス転移点を示さないような架橋型樹脂微粒子もガラス転移点が110℃以上の樹脂微粒子に含まれる。本発明においては、このような架橋型樹脂微粒子をガラス転移温度が無限大の樹脂微粒子とみなす。本発明のトナーにおいては、結晶核剤が樹脂成分で構成されているため、結晶性ポリエステル樹脂中に分散されやすく、また、混練時の粘着性が低いため、結晶核剤どうしが融着して大きな塊を形成することがなく、即ち結晶核剤の粒子数が減少することがなく、結晶核剤は、微細粒子として微細な結晶性ポリエステル樹脂のドメイン中に分散されやすくなると推定される。この結晶核剤が結晶性ポリエステル樹脂中に存在することで、混練時や定着時に結晶性ポリエステル樹脂が溶融した場合、その後の冷却過程で、結晶核剤が起点となり(不純物が核になりやすい)、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進することができる。
本発明のトナーに用いる結晶核剤は、上述のように、樹脂微粒子であるため、結晶性ポリエステル樹脂中に分散させることができ、また、該樹脂微粒子のガラス転移温度が110℃以上であり、混練時や定着時に溶融しないため、結晶性ポリエステル樹脂中における樹脂微粒子の分散が非常に安定している。
上記樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)の上限は、200℃以上でもよいし、或いは樹脂微粒子が架橋型の場合のように、ガラス転移温度の測定時に温度をいくら上昇させてもガラス転移点を示さないようなガラス転移温度が無限大の樹脂微粒子でもよいが、トナーに配合される観点から分解温度が110℃以上の樹脂微粒子が好ましい。
上記樹脂微粒子としては、特に制限されるものではないが、アクリル系樹脂、スチレン樹脂、又はスチレンアクリル共重合体樹脂で構成される微粒子が好ましい。なお、これら樹脂微粒子は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記樹脂微粒子の平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、30nm以上90nm以下であることが更に好ましい。樹脂微粒子の平均一次粒子径が100nm以下であれば、樹脂微粒子をより安定に分散させることができ、トナー粒子の凝集を大幅に防止することができる。
本発明のトナーにおいて、結晶核剤の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中2〜5質量%であることが好ましい。
[内添剤]
本発明のトナーは、更に、離型剤、着色剤、帯電制御剤等を内添剤として含んでもよい。本発明のトナーにおいて、これら内添剤は、非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。
本発明のトナーは、更に、離型剤、着色剤、帯電制御剤等を内添剤として含んでもよい。本発明のトナーにおいて、これら内添剤は、非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。
[離型剤]
離型剤は、トナーを記録媒体に定着させるときに、トナーに離型性を付与するために添加される。本発明のトナーにおいては、離型剤が非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。本発明のトナーに用いる離型剤は、特に制限されるものではないが、炭化水素系ワックス又はエステル系ワックスが好ましい。炭化水素系ワックス及びエステル系ワックスは、優れた離型効果が得られる上、トナー粒子からの離脱によるキャリア汚染に起因した帯電量の低下を起こしにくい。
離型剤は、トナーを記録媒体に定着させるときに、トナーに離型性を付与するために添加される。本発明のトナーにおいては、離型剤が非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。本発明のトナーに用いる離型剤は、特に制限されるものではないが、炭化水素系ワックス又はエステル系ワックスが好ましい。炭化水素系ワックス及びエステル系ワックスは、優れた離型効果が得られる上、トナー粒子からの離脱によるキャリア汚染に起因した帯電量の低下を起こしにくい。
炭化水素系ワックスとしては、パラフィンワックス(日本精鑞株式会社製;HNP−3、HNP−5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、HNP−51)、フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞株式会社製;FNP−0080、FNP−0090)、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋株式会社製;Hi−Mic−1070、Hi−Mic−1080、Hi−Mic−1090、Hi−Mic−2095)、ポリオレフィン系重合体ワックス(三井化学株式会社製;NP055)等を挙げることができる。また、エステル系ワックスとしては、ニッサンエレクトールワックス(日油社製;WEP−2、WEP−3、WEP−4、WEP−5、WEP−6、WEP−7、WEP−8、WEP−9、WEP−10)等を挙げることができる。
離型剤の融点は、結晶性ポリエステル樹脂の融点より高いことが好ましく、具体的には80℃以上105℃以下であることが更に好ましい。離型剤の融点が結晶性ポリエステル樹脂の融点より高いと、低温定着時に、結晶性ポリエステル樹脂が離型剤より先に溶融し、トナー粒子の変形が始まることになる。このため、離型剤の溶融に起因するトナー粒子の変形及び離型剤のしみ出しを抑えることができ、延いては、低温定着時にトナー粒子と記録媒体(例えば紙)の間に離型剤が入り込みトナー粒子と記録媒体の接着力が低下することを抑えることになり、低温定着時において定着強度を高めることができる。
本発明のトナーにおいて、離型剤の平均分散径は、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径より大きいことが好ましく、0.6μm以上2μm以下であることが更に好ましい。
本発明のトナーにおいて、離型剤の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中0.5〜8質量%であることが好ましい。
[着色剤]
着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。具体的に、黒トナー用着色剤としては、カーボンブラックやマグネタイト等を挙げることができる。イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98等のアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155等の縮合モノアゾ系黄色顔料、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185等のその他黄色顔料、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ディスパースイエロー164等の黄色染料等を挙げることができる。マゼンタトナー用着色剤としては、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントバイオレット19等の赤色若しくは紅色顔料、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド58、C.I.ソルベントレッド8等の赤色系染料等を挙げることができる。シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4等の銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニン・グリーン)等の緑色顔料等を挙げることができる。本発明のトナーにおいて、着色剤の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中1〜12質量%であることが好ましい。
着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。具体的に、黒トナー用着色剤としては、カーボンブラックやマグネタイト等を挙げることができる。イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98等のアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155等の縮合モノアゾ系黄色顔料、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185等のその他黄色顔料、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ディスパースイエロー164等の黄色染料等を挙げることができる。マゼンタトナー用着色剤としては、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントバイオレット19等の赤色若しくは紅色顔料、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド58、C.I.ソルベントレッド8等の赤色系染料等を挙げることができる。シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4等の銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニン・グリーン)等の緑色顔料等を挙げることができる。本発明のトナーにおいて、着色剤の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中1〜12質量%であることが好ましい。
[帯電制御剤]
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加される。本発明のトナーに使用できる帯電制御剤としては、正電荷制御用又は負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。正電荷制御用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等を挙げることができる。負電荷制御用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ナフトール酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ベンジル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スルフォン酸塩等を挙げることができる。本発明のトナーにおいて、帯電制御剤の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中0.1〜16質量%であることが好ましい。
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加される。本発明のトナーに使用できる帯電制御剤としては、正電荷制御用又は負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。正電荷制御用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等を挙げることができる。負電荷制御用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ナフトール酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ベンジル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スルフォン酸塩等を挙げることができる。本発明のトナーにおいて、帯電制御剤の含有量は、特に限定されないが、トナー粒子中0.1〜16質量%であることが好ましい。
[外添剤]
外添剤としては、例えば、平均粒子径が7nm〜200nmの微粒子であって、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子や、該無機微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤又はシリコーンオイルにより表面処理(疎水化処理)したものが挙げられる。外添剤の添加量は、特に限定されないが、トナー粒子100質量部に対して0.2〜3質量部であるのが好ましい。該外添剤の添加量が0.2質量部未満では、流動性の向上効果を与えることが難しく、一方、3質量部を超えると、定着性が低下する場合がある。また、外添剤の添加方法としては、トナー粒子と外添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機で混合する方法が一般的である。
外添剤としては、例えば、平均粒子径が7nm〜200nmの微粒子であって、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子や、該無機微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤又はシリコーンオイルにより表面処理(疎水化処理)したものが挙げられる。外添剤の添加量は、特に限定されないが、トナー粒子100質量部に対して0.2〜3質量部であるのが好ましい。該外添剤の添加量が0.2質量部未満では、流動性の向上効果を与えることが難しく、一方、3質量部を超えると、定着性が低下する場合がある。また、外添剤の添加方法としては、トナー粒子と外添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機で混合する方法が一般的である。
本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び結晶核剤と、必要に応じて適宜選択される内添剤とを含むトナー粒子を一成分現像剤として使用してもよいし、該トナー粒子に外添剤を外添したものを一成分現像剤として使用してもよい。また、後述するように、本発明のトナーとキャリアの混合物を二成分現像剤として使用することもできる。
[トナー製造方法]
次に、本発明のトナーを製造する方法について説明する。本発明のトナーは、混練粉砕法や凝集法等の公知の方法によって製造できる。例えば、本発明のトナーを混練粉砕法によって製造する場合、まず、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂並びに結晶核剤と、必要に応じて適宜選択される離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機により混合し、得られる原料混合物をオープンロール混練機等の溶融混練機により90以上110℃未満の温度で混練する。そして、得られる溶融混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級等の粒度調整を行うことにより、トナー粒子を製造する。
次に、本発明のトナーを製造する方法について説明する。本発明のトナーは、混練粉砕法や凝集法等の公知の方法によって製造できる。例えば、本発明のトナーを混練粉砕法によって製造する場合、まず、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂並びに結晶核剤と、必要に応じて適宜選択される離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機により混合し、得られる原料混合物をオープンロール混練機等の溶融混練機により90以上110℃未満の温度で混練する。そして、得られる溶融混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級等の粒度調整を行うことにより、トナー粒子を製造する。
[平均分散径の調整方法]
本発明においては、場合により、結晶性ポリエスエル樹脂の平均分散径及び離型剤の平均分散径を調整することになる。これら平均分散径の調整方法としては、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤の各表面エネルギーを調整する方法や、分散剤を用いる公知の方法が挙げられるが、溶融混練機を用いるトナー製造方法においては、溶融混練機の混練条件や冷却条件を制御することにより、平均分散径を調整することができる。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径を小さくする時は、混練温度を低めに設定してせん断力が大きくなるように設定する方法が利用でき、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径を大きくする時は、混練温度を高めに設定してせん断力が小さくなるように設定する方法が利用できる。
また、離型剤の平均分散径を小さくする時は、混練機のパドルやローラの回転速度を速めに設定してせん断力が大きくなるように設定すると同時に、混練後の冷却速度を速く設定する方法が利用でき、離型剤の平均分散径を大きくする時は、混練機のパドルやローラの回転速度を遅めに設定してせん断力が小さくなるように設定すると同時に、混練後の冷却速度を遅く設定する方法が利用できる。
本発明においては、場合により、結晶性ポリエスエル樹脂の平均分散径及び離型剤の平均分散径を調整することになる。これら平均分散径の調整方法としては、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤の各表面エネルギーを調整する方法や、分散剤を用いる公知の方法が挙げられるが、溶融混練機を用いるトナー製造方法においては、溶融混練機の混練条件や冷却条件を制御することにより、平均分散径を調整することができる。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径を小さくする時は、混練温度を低めに設定してせん断力が大きくなるように設定する方法が利用でき、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径を大きくする時は、混練温度を高めに設定してせん断力が小さくなるように設定する方法が利用できる。
また、離型剤の平均分散径を小さくする時は、混練機のパドルやローラの回転速度を速めに設定してせん断力が大きくなるように設定すると同時に、混練後の冷却速度を速く設定する方法が利用でき、離型剤の平均分散径を大きくする時は、混練機のパドルやローラの回転速度を遅めに設定してせん断力が小さくなるように設定すると同時に、混練後の冷却速度を遅く設定する方法が利用できる。
[二成分現像剤]
以下に、本発明のトナーを二成分現像剤に利用する場合について説明する。上記二成分現像剤は、上述の本発明のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とし、例えば、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)等の混合機を用いて、トナーとキャリアとを混合することによって製造できる。また、トナーとキャリアの配合比としては、例えば10:90〜5:95の質量比であることが好ましい。
以下に、本発明のトナーを二成分現像剤に利用する場合について説明する。上記二成分現像剤は、上述の本発明のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とし、例えば、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)等の混合機を用いて、トナーとキャリアとを混合することによって製造できる。また、トナーとキャリアの配合比としては、例えば10:90〜5:95の質量比であることが好ましい。
[キャリア]
キャリアとしては、体積平均粒子径が20〜45μmの磁性体粒子を使用できる。キャリアの体積平均粒子径が20μm未満では、現像時に現像ローラから感光体にキャリアが移動することにより、得られる画像に白抜けが発生する場合がある。また、45μmを超えると、ドット再現性が悪くなり、画像が粗くなる。なお、本発明において、キャリアの体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置HELOS(SYMPATEC社製)に乾式分散装置RODOS(SYMPATEC社製)を用いて、分散圧3.0barの条件下で測定したときの値である。
キャリアとしては、体積平均粒子径が20〜45μmの磁性体粒子を使用できる。キャリアの体積平均粒子径が20μm未満では、現像時に現像ローラから感光体にキャリアが移動することにより、得られる画像に白抜けが発生する場合がある。また、45μmを超えると、ドット再現性が悪くなり、画像が粗くなる。なお、本発明において、キャリアの体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置HELOS(SYMPATEC社製)に乾式分散装置RODOS(SYMPATEC社製)を用いて、分散圧3.0barの条件下で測定したときの値である。
キャリアの飽和磁化については、飽和磁化が低いほど感光体と接する磁気ブラシ(現像ローラ表面に形成される)が柔らかくなるので、静電潜像に忠実な画像が得られるが、飽和磁化が低すぎると、感光体表面にキャリアが付着し、白抜け現象が発生しやすくなる。一方、飽和磁化が高すぎると、磁気ブラシの剛直化により、静電潜像に忠実な画像が得られにくくなる。このため、キャリアの飽和磁化は、30〜100emu/gの範囲内にあるのが好ましい。
このようなキャリアとして、磁性を有するコア粒子表面に被覆層を設けた被覆キャリアが一般的によく使用される。コア粒子としては公知の磁性粒子が使用できるが、フェライト系粒子が好ましい。フェライト系粒子を用いると、飽和磁化の高いキャリアが得られ、感光体へのキャリア付着量を低減できる。フェライト系粒子としては公知のものを使用でき、例えば、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライト等が挙げられる。
これらのフェライト系粒子は、公知の方法で作製できる。例えば、Fe2O3やMg(OH)2等のフェライト原料を混合し、この混合粉を加熱炉で加熱して仮焼する。得られた仮焼品を冷却した後、振動ミルでほぼ1μmの粒子となるように粉砕し、粉砕粉に分散剤と水を加えてスラリーを作製する。このスラリーを湿式ボールミルで湿式粉砕し、得られる懸濁液をスプレードライヤーで造粒乾燥することによって、フェライト粒子が得られる。
上記キャリアの被覆層を構成する被覆材としては、公知の樹脂材料が使用でき、例えば、アクリル樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられる。特に、シリコーン樹脂で被覆した被覆キャリア、即ちシリコーン樹脂の被覆層を有する被覆キャリアが好ましい。シリコーン樹脂の被覆層を有する被覆キャリアを用いると、結晶性ポリエステル樹脂や離型剤等のトナー成分がキャリア表面に付着し難くなり、キャリア汚染を抑え、帯電安定性に優れる。
シリコーン樹脂としては公知のものが使用できる。また、シリコーン樹脂は、例えばワニスの形態等で市販されており、これらを好適に使用できる。具体例としては、シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165、信越化学工業株式会社製:KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212)、アルキッド変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR184、TSR185)、エポキシ変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR194、YS54)、ポリエステル樹脂変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR187)、アクリル変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR170、TSR171)、ウレタン変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR175)、反応性シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製:KA1008、KBE1003、KBC1003、KBM303、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603)等が挙げられる。
上記被覆材には、キャリアの体積抵抗率値を制御するため、導電材が添加されることが好ましい。導電材としては、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの導電材の中でも、作製安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が90〜170ml/100gの範囲にあるものが、作製安定性に優れる点で好ましい。また、一次粒子径として100nm以下のものが分散性に優れるため特に好ましい。これら導電材は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。導電材の添加量は、被覆材100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
被覆材でキャリア粒子を被覆するには、公知の方法が採用できる。例えば、被覆材の有機溶媒溶液中にキャリア粒子を浸漬させる浸漬法、被覆材の有機溶媒溶液をキャリア粒子に噴霧するスプレー法、キャリア粒子を流動エアにより浮遊させた状態で被覆材の有機溶媒溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア粒子と被覆材の有機溶媒溶液とを混合し、有機溶媒等の溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。ここで、上記被覆材の有機溶媒溶液は、導電材を含むことが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。まず、各物性値の測定方法について説明する。
[物性値の測定]
{樹脂の酸価}
ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K 0070に規定される方法により測定される。ここで、酢酸エチル不溶分が3.0質量%以上である場合は、酸価測定溶媒にジオキサンを用いた。
{樹脂の酸価}
ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K 0070に規定される方法により測定される。ここで、酢酸エチル不溶分が3.0質量%以上である場合は、酸価測定溶媒にジオキサンを用いた。
{樹脂の水酸基価}
ポリエステル樹脂の水酸基価は、JIS K 0070に規定される方法により測定される。ここで、酢酸エチル不溶分が3.0質量%以上である場合は、水酸基価測定溶媒にジオキサンを用いた。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、JIS K 0070に規定される方法により測定される。ここで、酢酸エチル不溶分が3.0質量%以上である場合は、水酸基価測定溶媒にジオキサンを用いた。
{樹脂の軟化温度}
フローテスター(商品名:CFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重10kgf/cm2(0.98MPa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1.0mm、長さ1.0mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の1/10が流出した時の温度を求め、これを軟化温度とした。
フローテスター(商品名:CFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重10kgf/cm2(0.98MPa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1.0mm、長さ1.0mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の1/10が流出した時の温度を求め、これを軟化温度とした。
{樹脂のガラス転移温度}
日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
{樹脂の吸熱の最高ピーク温度}
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線の吸熱ピークの最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とした。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線の吸熱ピークの最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とした。
{樹脂の結晶性指数}
上述の測定方法によって得られた軟化温度及び吸熱の最高ピーク温度を用い、下記式から、結晶性指数を結晶性の度合いとして算出した。
結晶性指数=軟化温度/吸熱の最高ピーク温度
上述の測定方法によって得られた軟化温度及び吸熱の最高ピーク温度を用い、下記式から、結晶性指数を結晶性の度合いとして算出した。
結晶性指数=軟化温度/吸熱の最高ピーク温度
{樹脂の融点}
結晶性指数が0.6〜1.5の範囲にあるポリエステル樹脂を結晶性ポリエステル樹脂A及びBとしたが、これら樹脂は、最高ピーク温度と軟化温度の差が20℃以内であったため、樹脂の吸熱の最高ピーク温度を結晶性ポリエステル樹脂の融点として定めた。
結晶性指数が0.6〜1.5の範囲にあるポリエステル樹脂を結晶性ポリエステル樹脂A及びBとしたが、これら樹脂は、最高ピーク温度と軟化温度の差が20℃以内であったため、樹脂の吸熱の最高ピーク温度を結晶性ポリエステル樹脂の融点として定めた。
{樹脂微粒子の平均粒子径及び粒度分布}
走査型電子顕微鏡(商品名:S−4300SE/N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて50000倍に拡大した樹脂微粒子の画像を、視野を変えて100個撮影し、画像解析によって樹脂微粒子のマーチン径(一定方向に寸法を測って得られる、粒子の面積が2分割される線分の長さ)をそれぞれ測定した。得られた測定値から任意の粒径で頻度比率を算出することにより粒度分布を得た。この粒度分布において、個数累計比率が50%となった粒子径を、樹脂微粒子の平均一次粒子径とした。
走査型電子顕微鏡(商品名:S−4300SE/N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて50000倍に拡大した樹脂微粒子の画像を、視野を変えて100個撮影し、画像解析によって樹脂微粒子のマーチン径(一定方向に寸法を測って得られる、粒子の面積が2分割される線分の長さ)をそれぞれ測定した。得られた測定値から任意の粒径で頻度比率を算出することにより粒度分布を得た。この粒度分布において、個数累計比率が50%となった粒子径を、樹脂微粒子の平均一次粒子径とした。
{離型剤の融点}
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、型番:DSC220)を用いて、試料1gを温度20℃から昇温速度10℃/分で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定する。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、型番:DSC220)を用いて、試料1gを温度20℃から昇温速度10℃/分で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定する。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とする。
{外添剤粒子の平均一次粒子径}
シリカ粒子の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてシリカ粒子を撮影し、得られた画像から任意に100個のシリカ粒子の粒径を測定し、平均値を算出した。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてシリカ粒子を撮影し、得られた画像から任意に100個のシリカ粒子の粒径を測定し、平均値を算出した。
{トナー粒子の体積平均粒子径}
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー粒子20mg及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布からトナー粒子の体積平均粒子径を求めた。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー粒子20mg及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布からトナー粒子の体積平均粒子径を求めた。
{平均分散径の測定方法}
結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径及び離型剤の平均分散径は、以下の方法により測定された。
トナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂で固めて固化物を得、ダイヤモンド歯を備えるミクロトームで該固化物を約100μm厚みに超薄切片化し、該超薄切片を四酸化ルテニウムによって染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM、商品名:H−8100、株式会社日立製作所社製)によって50000倍でトナーの断面観察を行った。
この断面観察において、結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤の分散領域(ドメイン)を、任意に100個ずつ抽出し、各分散領域(ドメイン)の分散最長径を測定し、その平均値をそれぞれ算出することにより、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径及び離型剤の平均分散径を求めた。
なお、分散領域(ドメイン)を抽出する際には、分散最長径が0.03μm未満の分散領域(ドメイン)を除いた。
結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径及び離型剤の平均分散径は、以下の方法により測定された。
トナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂で固めて固化物を得、ダイヤモンド歯を備えるミクロトームで該固化物を約100μm厚みに超薄切片化し、該超薄切片を四酸化ルテニウムによって染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM、商品名:H−8100、株式会社日立製作所社製)によって50000倍でトナーの断面観察を行った。
この断面観察において、結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤の分散領域(ドメイン)を、任意に100個ずつ抽出し、各分散領域(ドメイン)の分散最長径を測定し、その平均値をそれぞれ算出することにより、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径及び離型剤の平均分散径を求めた。
なお、分散領域(ドメイン)を抽出する際には、分散最長径が0.03μm未満の分散領域(ドメイン)を除いた。
[結着樹脂]
(非晶性ポリエステル樹脂Aの製造例)
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1750g、テレフタル酸706g及び酸化ジブチル錫4gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容積の四つ口フラスコに入れ、230℃で20時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させて、酸価11.6mgKOH/g、軟化点100℃、ガラス転移温度58℃、吸熱の最高ピーク温度62℃、結晶性指数1.61の非晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
(非晶性ポリエステル樹脂Aの製造例)
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1750g、テレフタル酸706g及び酸化ジブチル錫4gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した5リットル容積の四つ口フラスコに入れ、230℃で20時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させて、酸価11.6mgKOH/g、軟化点100℃、ガラス転移温度58℃、吸熱の最高ピーク温度62℃、結晶性指数1.61の非晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
(結晶性ポリエステル樹脂Aの製造例)
1,4−ブタンジオール270g、1,6−ヘキサンジオール976g、フマル酸1010gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器を備える3リットルの四つ口フラスコに入れて160℃で8時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させることにより、数平均分子量4020、融点90℃、結晶性指数0.92の結晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
1,4−ブタンジオール270g、1,6−ヘキサンジオール976g、フマル酸1010gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器を備える3リットルの四つ口フラスコに入れて160℃で8時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させることにより、数平均分子量4020、融点90℃、結晶性指数0.92の結晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
(結晶性ポリエステル樹脂Bの製造例)
1,4−ブタンジオール270g、1,6−ヘキサンジオール826g、フマル酸1160gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器を備える3リットルの四つ口フラスコに入れて160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させることにより、数平均分子量3860、融点80℃、結晶性指数0.92の結晶性ポリエステル樹脂Bを得た。
1,4−ブタンジオール270g、1,6−ヘキサンジオール826g、フマル酸1160gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器を備える3リットルの四つ口フラスコに入れて160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させることにより、数平均分子量3860、融点80℃、結晶性指数0.92の結晶性ポリエステル樹脂Bを得た。
[結晶核剤]
(樹脂微粒子Aの製造例)
攪拌装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器に、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム20質量部及び純水1680質量部を仕込み、窒素雰囲気下で70℃に昇温した。この溶液中に、下記モノマー混合液と下記重合開始剤溶液を反応容器内の温度を70℃に保持しながら90分間かけて同時に滴下した。
<モノマー混合液>
メチルメタクリレート 1250質量部
イソボニルアクリレート 197質量部
<重合開始剤溶液>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム 5質量部
純水 620質量部
モノマー混合液と重合開始剤溶液の滴下速度としては、各液の全量が60分間で滴下されるよう滴下速度を調整した。滴下後、反応液の温度を110℃に保持しながら4時間撹拌して反応させることによって、アクリル系共重合体樹脂で構成されるガラス転移点Tg=110℃、軟化温度=200℃、平均一次粒子径は110nmの樹脂微粒子Aを得た。
(樹脂微粒子Aの製造例)
攪拌装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器に、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム20質量部及び純水1680質量部を仕込み、窒素雰囲気下で70℃に昇温した。この溶液中に、下記モノマー混合液と下記重合開始剤溶液を反応容器内の温度を70℃に保持しながら90分間かけて同時に滴下した。
<モノマー混合液>
メチルメタクリレート 1250質量部
イソボニルアクリレート 197質量部
<重合開始剤溶液>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム 5質量部
純水 620質量部
モノマー混合液と重合開始剤溶液の滴下速度としては、各液の全量が60分間で滴下されるよう滴下速度を調整した。滴下後、反応液の温度を110℃に保持しながら4時間撹拌して反応させることによって、アクリル系共重合体樹脂で構成されるガラス転移点Tg=110℃、軟化温度=200℃、平均一次粒子径は110nmの樹脂微粒子Aを得た。
(樹脂微粒子Bの製造例)
攪拌装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器に、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム25質量部及び純水1680質量部を仕込み、窒素雰囲気下で70℃に昇温した。この溶液中に、下記モノマー混合液と下記重合開始剤溶液を反応容器内の温度を70℃に保持しながら90分間かけて同時に滴下した。
<モノマー混合液>
メチルメタクリレート 1125質量部
スチレン 125質量部
イソボニルアクリレート 200質量部
<重合開始剤溶液>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム 5質量部
純水 620質量部
モノマー混合液と重合開始剤溶液の滴下速度としては、各液の全量が60分間で滴下されるよう滴下速度を調整した。滴下後、反応液の温度を110℃に保持しながら4時間撹拌して反応させることによって、スチレンアクリル共重合体樹脂で構成されるガラス転移点Tg=110℃、軟化温度=205℃、平均一次粒子径が90nmの樹脂微粒子Bを得た。
攪拌装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器に、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム25質量部及び純水1680質量部を仕込み、窒素雰囲気下で70℃に昇温した。この溶液中に、下記モノマー混合液と下記重合開始剤溶液を反応容器内の温度を70℃に保持しながら90分間かけて同時に滴下した。
<モノマー混合液>
メチルメタクリレート 1125質量部
スチレン 125質量部
イソボニルアクリレート 200質量部
<重合開始剤溶液>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム 5質量部
純水 620質量部
モノマー混合液と重合開始剤溶液の滴下速度としては、各液の全量が60分間で滴下されるよう滴下速度を調整した。滴下後、反応液の温度を110℃に保持しながら4時間撹拌して反応させることによって、スチレンアクリル共重合体樹脂で構成されるガラス転移点Tg=110℃、軟化温度=205℃、平均一次粒子径が90nmの樹脂微粒子Bを得た。
(樹脂微粒子Cの製造例)
モノマー混合液を以下に示すモノマー混合液に変更した以外は、樹脂微粒子Aの製造例と同様の方法に従い、樹脂微粒子Cを得た。
<モノマー混合液>
メチルメタクリレート 1250質量部
スチレン 75質量部
イソボニルアクリレート 25質量部
なお、樹脂微粒子Cは、スチレンアクリル共重合体樹脂で構成される微粒子であり、ガラス転移点Tgが105℃、軟化温度が195℃、平均一次粒子径が110nmであった。
モノマー混合液を以下に示すモノマー混合液に変更した以外は、樹脂微粒子Aの製造例と同様の方法に従い、樹脂微粒子Cを得た。
<モノマー混合液>
メチルメタクリレート 1250質量部
スチレン 75質量部
イソボニルアクリレート 25質量部
なお、樹脂微粒子Cは、スチレンアクリル共重合体樹脂で構成される微粒子であり、ガラス転移点Tgが105℃、軟化温度が195℃、平均一次粒子径が110nmであった。
[トナー]
(実施例1)
非晶性ポリエステル樹脂A79質量部と、着色剤(C.I.Pigment Blue 15:1、DIC製)7質量部と、離型剤(エステル系ワックス、融点78℃、日油株式会社製、商品名:WEP−8)5質量部と、帯電制御剤(サリチル酸系化合物、オリエント化学工業株式会社、商品名:ボントロンE84剤)1質量部と、結晶性ポリエステル樹脂A(融点90℃)8質量部と、樹脂微粒子A(ガラス転移温度110℃、平均一次粒子径110nm)2質量部とを、ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製、型式:FM20C)に投入し、5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をオープンロール型連続混練機(商品名:MOS320−1800、三井鉱山社製)で溶融混練した。
ここで、オープンロールの設定条件は、加熱ロールの供給側温度が130℃、排出側温度が100℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。加熱ロール及び冷却ロールとしては、ともに直径が320mm、有効長が1550mmであるロールを用い、供給側及び排出側におけるロール間ギャップをいずれも0.3mmとした。加熱ロールの回転数を75rpm、冷却ロールの回転数を65rpmとし、トナー原料の供給量を5.0kg/hとした。冷却ベルトの温度を10℃に設定し、冷却ベルトの速度を5m/minとした。
得られた溶融混練物を、冷却ベルトで冷却させた後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製、型式:IDS−2)を用いて微粉砕し、更にエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、体積平均粒子径6.7μmのトナー粒子を得た。
次に、得られたトナー粒子100質量部に、シランカップリング剤で疎水化処理された平均一次粒子径16nmのシリカ粒子(日本アエロジル(株)製R972)0.7質量部と、平均一次粒子径30〜40nmの酸化チタン1質量部(チタン工業(株)製ST550)とを混合して、実施例1のトナーを作製した。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径は、0.3μmであり、離型剤の平均分散径は、1μmであった。
(実施例1)
非晶性ポリエステル樹脂A79質量部と、着色剤(C.I.Pigment Blue 15:1、DIC製)7質量部と、離型剤(エステル系ワックス、融点78℃、日油株式会社製、商品名:WEP−8)5質量部と、帯電制御剤(サリチル酸系化合物、オリエント化学工業株式会社、商品名:ボントロンE84剤)1質量部と、結晶性ポリエステル樹脂A(融点90℃)8質量部と、樹脂微粒子A(ガラス転移温度110℃、平均一次粒子径110nm)2質量部とを、ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製、型式:FM20C)に投入し、5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をオープンロール型連続混練機(商品名:MOS320−1800、三井鉱山社製)で溶融混練した。
ここで、オープンロールの設定条件は、加熱ロールの供給側温度が130℃、排出側温度が100℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。加熱ロール及び冷却ロールとしては、ともに直径が320mm、有効長が1550mmであるロールを用い、供給側及び排出側におけるロール間ギャップをいずれも0.3mmとした。加熱ロールの回転数を75rpm、冷却ロールの回転数を65rpmとし、トナー原料の供給量を5.0kg/hとした。冷却ベルトの温度を10℃に設定し、冷却ベルトの速度を5m/minとした。
得られた溶融混練物を、冷却ベルトで冷却させた後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製、型式:IDS−2)を用いて微粉砕し、更にエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、体積平均粒子径6.7μmのトナー粒子を得た。
次に、得られたトナー粒子100質量部に、シランカップリング剤で疎水化処理された平均一次粒子径16nmのシリカ粒子(日本アエロジル(株)製R972)0.7質量部と、平均一次粒子径30〜40nmの酸化チタン1質量部(チタン工業(株)製ST550)とを混合して、実施例1のトナーを作製した。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の平均分散径は、0.3μmであり、離型剤の平均分散径は、1μmであった。
(実施例2)
樹脂微粒子Aを樹脂微粒子B(ガラス転移温度110℃、平均一次粒子径90nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
樹脂微粒子Aを樹脂微粒子B(ガラス転移温度110℃、平均一次粒子径90nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
(実施例3)
結晶性ポリエステル樹脂Aを結晶性ポリエステル樹脂B(融点80℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
結晶性ポリエステル樹脂Aを結晶性ポリエステル樹脂B(融点80℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
(実施例4)
樹脂微粒子Aを樹脂微粒子B(ガラス転移温度110℃、平均一次粒子径90nm)に変更し、結晶性ポリエステル樹脂Aを結晶性ポリエステル樹脂B(融点80℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
樹脂微粒子Aを樹脂微粒子B(ガラス転移温度110℃、平均一次粒子径90nm)に変更し、結晶性ポリエステル樹脂Aを結晶性ポリエステル樹脂B(融点80℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
(比較例1)
樹脂微粒子Aをシリカ粒子(日本アエロジル(株)製R972、平均一次粒子径16nm)に変更し、結晶性ポリエステル樹脂Aを結晶性ポリエステル樹脂B(融点80℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
樹脂微粒子Aをシリカ粒子(日本アエロジル(株)製R972、平均一次粒子径16nm)に変更し、結晶性ポリエステル樹脂Aを結晶性ポリエステル樹脂B(融点80℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
(比較例2)
樹脂微粒子Aを樹脂微粒子C(ガラス転移温度105℃、平均一次粒子径110nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
樹脂微粒子Aを樹脂微粒子C(ガラス転移温度105℃、平均一次粒子径110nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
(比較例3)
樹脂微粒子Aを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
樹脂微粒子Aを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
[キャリア]
フェライト原料として、酸化鉄(KDK社製)50mol%、酸化マンガン(KDK社製)35mol%、酸化マグネシウム(KDK社製)14.5mol%、酸化ストロンチウム(KDK社製)0.5mol%をボールミルで4時間粉砕し、得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、得られた真球状の粒子をロータリーキルンにて930℃で2時間仮焼した。得られた仮焼粉を、湿式粉砕機(粉砕媒体としてスチールボールを使用)により、平均粒子径1μm以下にまで微粉砕した。この粉砕物に水を加えたスラリーにポリビニルアルコール(PVA)を2質量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1100℃、酸素濃度0体積%で4時間、本焼成を行った。その後、解砕、分級を行うことによって、体積平均粒子径が44μm、体積抵抗率が1×109Ω・cmのフェライト成分からなるコア粒子を得た。
次に、コア粒子を被覆する被覆層を形成するための被覆用塗液として、シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)100質量部と、導電材としてカーボンブラック(一次粒径25nm、吸油量150ml/100g)3質量部、硬化剤としてオクチル酸5質量部とをトルエンに溶解及び分散し、被覆用塗液を調製した。
スプレー被覆装置を用いて、調製した被覆用塗液で上記フェライト成分からなるコア粒子を被覆した。被覆用塗液中のトルエンを完全に蒸発除去し、シリコーン樹脂の被覆層を有する被覆キャリアを作製した。なお、該被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μm、シリコーン樹脂の被覆率100%、体積抵抗率が2×1011Ω・cm、飽和磁化が65emu/gであった。
フェライト原料として、酸化鉄(KDK社製)50mol%、酸化マンガン(KDK社製)35mol%、酸化マグネシウム(KDK社製)14.5mol%、酸化ストロンチウム(KDK社製)0.5mol%をボールミルで4時間粉砕し、得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、得られた真球状の粒子をロータリーキルンにて930℃で2時間仮焼した。得られた仮焼粉を、湿式粉砕機(粉砕媒体としてスチールボールを使用)により、平均粒子径1μm以下にまで微粉砕した。この粉砕物に水を加えたスラリーにポリビニルアルコール(PVA)を2質量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1100℃、酸素濃度0体積%で4時間、本焼成を行った。その後、解砕、分級を行うことによって、体積平均粒子径が44μm、体積抵抗率が1×109Ω・cmのフェライト成分からなるコア粒子を得た。
次に、コア粒子を被覆する被覆層を形成するための被覆用塗液として、シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)100質量部と、導電材としてカーボンブラック(一次粒径25nm、吸油量150ml/100g)3質量部、硬化剤としてオクチル酸5質量部とをトルエンに溶解及び分散し、被覆用塗液を調製した。
スプレー被覆装置を用いて、調製した被覆用塗液で上記フェライト成分からなるコア粒子を被覆した。被覆用塗液中のトルエンを完全に蒸発除去し、シリコーン樹脂の被覆層を有する被覆キャリアを作製した。なお、該被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μm、シリコーン樹脂の被覆率100%、体積抵抗率が2×1011Ω・cm、飽和磁化が65emu/gであった。
[二成分現像剤]
(実施例1)
実施例1のトナーと上記被覆キャリアとを、二成分現像剤中のトナー濃度が7質量%になるように、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)に投入し、20分間撹拌混合することによって、実施例1の二成分現像剤を作製した。
(実施例1)
実施例1のトナーと上記被覆キャリアとを、二成分現像剤中のトナー濃度が7質量%になるように、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)に投入し、20分間撹拌混合することによって、実施例1の二成分現像剤を作製した。
(実施例2〜実施例4及び比較例1〜比較例3)
実施例1と同様の方法に従い、実施例2〜実施例4及び比較例1〜比較例3の二成分現像剤を作製した。
実施例1と同様の方法に従い、実施例2〜実施例4及び比較例1〜比較例3の二成分現像剤を作製した。
次に、得られたトナー及び二成分現像剤について、定着性及び耐トナー凝集性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
[トナーの評価方法]
{定着性}
市販複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−5111FN)を評価用に改造したものを用いて、二成分現像剤による定着画像を作製した。
まず、記録用紙(シャープ株式会社製、PPC用紙、型式:SF−4AM3)に、ベタ画像部(縦20mm、横50mmの長方形)を含むサンプル画像を未定着画像として形成した。この際、ベタ画像部におけるトナーの記録用紙への付着量が1.0mg/cm2となるよう調整した。
次に、ベルト定着装置を用いて定着画像を作製した。定着プロセス速度を200mm/秒とし、定着ベルトの温度を130℃から5℃刻みで上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を求め、その温度幅を定着非オフセット域とした。
「高温オフセット」及び「低温オフセット」とは、定着時にトナーが記録用紙に定着せずに、定着ベルトに付着したまま定着ベルトが一周した後に記録用紙に付着することと定義する。
得られた結果から、次式により定着非オフセット域を求めた。
定着非オフセット域(℃)=定着上限温度(℃)−定着下限温度(℃)
得られた結果から、次の基準により定着性を評価した。
◎:非常に良好(定着非オフセット域が50℃以上)
○:良好 (定着非オフセット域が35℃以上50℃未満)
△:やや不良 (定着非オフセット域が25℃以上35℃未満)
×:不良 (定着非オフセット域が25℃未満)
{定着性}
市販複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−5111FN)を評価用に改造したものを用いて、二成分現像剤による定着画像を作製した。
まず、記録用紙(シャープ株式会社製、PPC用紙、型式:SF−4AM3)に、ベタ画像部(縦20mm、横50mmの長方形)を含むサンプル画像を未定着画像として形成した。この際、ベタ画像部におけるトナーの記録用紙への付着量が1.0mg/cm2となるよう調整した。
次に、ベルト定着装置を用いて定着画像を作製した。定着プロセス速度を200mm/秒とし、定着ベルトの温度を130℃から5℃刻みで上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を求め、その温度幅を定着非オフセット域とした。
「高温オフセット」及び「低温オフセット」とは、定着時にトナーが記録用紙に定着せずに、定着ベルトに付着したまま定着ベルトが一周した後に記録用紙に付着することと定義する。
得られた結果から、次式により定着非オフセット域を求めた。
定着非オフセット域(℃)=定着上限温度(℃)−定着下限温度(℃)
得られた結果から、次の基準により定着性を評価した。
◎:非常に良好(定着非オフセット域が50℃以上)
○:良好 (定着非オフセット域が35℃以上50℃未満)
△:やや不良 (定着非オフセット域が25℃以上35℃未満)
×:不良 (定着非オフセット域が25℃未満)
{耐トナー凝集性}
高温保存後の凝集物の有無によって耐トナー凝集性を評価した。トナー20gをポリ容器に入れ、ポリ容器を密閉し、50℃で72時間放置した後、トナーを取り出して、230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの質量を測定し、この質量のトナー全質量に対する割合である残存量を求め、下記の評価基準で評価した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好(凝集なし。残存量が0.5質量%未満である)
○:良好 (凝集微量。残存量が0.5質量%以上2質量%未満である)
△:やや悪い (凝集少量。残存量が2質量%以上10質量%未満である)
×:不良 (凝集多量。残存量が10質量%以上である)
高温保存後の凝集物の有無によって耐トナー凝集性を評価した。トナー20gをポリ容器に入れ、ポリ容器を密閉し、50℃で72時間放置した後、トナーを取り出して、230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの質量を測定し、この質量のトナー全質量に対する割合である残存量を求め、下記の評価基準で評価した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好(凝集なし。残存量が0.5質量%未満である)
○:良好 (凝集微量。残存量が0.5質量%以上2質量%未満である)
△:やや悪い (凝集少量。残存量が2質量%以上10質量%未満である)
×:不良 (凝集多量。残存量が10質量%以上である)
Claims (3)
- 非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、結晶核剤とを含み、
前記結晶性ポリエステル樹脂及び前記結晶核剤が、前記非晶性ポリエステル樹脂中に分散しており、ここで、
前記結晶核剤が、ガラス転移温度が110℃以上の樹脂微粒子であることを特徴とするトナー。 - 前記樹脂微粒子は、平均一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂は、融点が85℃未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
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Cited By (1)
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JP2018045093A (ja) * | 2016-09-14 | 2018-03-22 | シャープ株式会社 | トナー、ならびにそれを用いた二成分現像剤、現像装置及び画像形成装置 |
-
2014
- 2014-08-18 JP JP2014165746A patent/JP2016042135A/ja active Pending
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JP2018045093A (ja) * | 2016-09-14 | 2018-03-22 | シャープ株式会社 | トナー、ならびにそれを用いた二成分現像剤、現像装置及び画像形成装置 |
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