JP2017030304A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CPU303は、ディザ処理が行われた画像データを、回転多面鏡204のミラー面の倒れに起因する走査線の副走査方向の位置ずれに基づく補正量を用いて補正し、階調特性が変化したことを判断するために階調補正テーブルの特徴量を抽出し、抽出された特徴量が所定の範囲を超えた場合に、階調特性が変化したと判断し、階調特性の変化を調整する。
【選択図】図1
Description
図19(b)、図19(c)は、回転多面鏡の面倒れの現象を示す図である。ここでは、回転多面鏡は5つのミラー面を有し、光源は4つの発光素子を有するものとして説明する。光源から照射されたレーザ光が回転多面鏡のミラー面により偏向され、被走査体上で走査線が形成される。図19(b)、図19(c)には、回転多面鏡の1つのミラー面により偏向された4つのレーザ光により形成された走査線を、横長の長方形で表している。走査線を表す長方形の長手方向が主走査方向、主走査方向に直交する方向が副走査方向である。回転多面鏡が1回転する毎に20ライン(=4ビーム×5面)のレーザ光で感光ドラムが露光される。このため、所定の1走査の4ビーム目の走査線と、所定の1走査の次の1走査の1ビーム目の走査線との境界に、回転多面鏡の面倒れによる疎密が発生し、この疎密がレーザ光の20ラインの周期で繰り返される。図19(b)、図19(c)中、グレーの部分はディザのパターンを示す。また、グレーの薄い箇所(白い部分)は走査線の間隔が疎となっている箇所を示し、グレーの濃い箇所(黒い部分)は走査線の間隔が密となっている箇所を示す。
従来では、一走査の副走査方向の端の光ビーム(例えば、4つ目の光ビーム)の光量を、隣接する光ビーム(例えば、次の一走査の1つ目の光ビーム)との距離の疎密に基づいて補正する。しかし、入力した画像パターンによっては、適切に補正ができない場合がある。図20は、横が主走査方向、縦が副走査方向を示し、長方形はレーザ光の走査軌道を示し、長方形の濃度はレーザ光の点灯の強さ(即ち、光量)を示す。ここでは、上から4ビームずつの単位で、回転多面鏡のミラー面の1面目から3面目を表す。
経年変化や温度、湿度等の環境変動等は、電子写真の階調特性に大きな影響を与える。図21を用いて説明する。図21(a)〜図21(d)は、横軸に副走査方向の位置、縦軸に濃度を示すグラフである。濃度は露光量に応じて変化するため、図21に示す棒グラフの棒は各副走査方向の位置における露光量を示すものでもある。図21(a)に示す入力画像データでは、濃度の重心が一点鎖線で示した場所にある。このような入力画像データに対して補正を行い、図21(b)の矢印で示すように濃度の重心を所定方向に移動させる(以下、重心移動という)。図21(b)のような補正を行った入力画像データに基づき感光ドラムを露光し、図21(i)に示す所定の階調特性iで現像した場合に、最適な効果が得られるものとする。ここで、図21(i)は、画像の階調の応答特性を示すグラフであり、横軸の入力は露光量を示し、縦軸の出力は現像した後のトナーの濃度を示す。図21(i)の特性を、階調特性テーブル(以下、LUTとも記す)や現像γともいう。
図1(a)は、複数色のトナーを用いて画像形成を行うデジタルフルカラープリンタ(カラー画像形成装置)の概略断面図である。図1(a)を用いて実施例の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bk(破線部)が備えられている。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表しており、以下、特定の色について説明する場合を除き、添え字Y、M、C、Bkを省略する。
図1(b)に、感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成を示す。光走査装置104は、マルチビームレーザ光源(以下、レーザ光源)201と、コリメータレンズ202と、シリンドリカルレンズ203と、回転多面鏡204とを備える。レーザ光源201は、複数の発光素子によりレーザ光(光ビーム)を発生するマルチビームレーザ光源である。コリメータレンズ202は、レーザ光を平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向へ集光する。尚、本実施例ではレーザ光源201は複数のビームを配列したマルチビーム光源を例にして記載するが、単一の光源を用いた場合も同様に動作させるものとする。レーザ光源201は、マルチビームレーザ駆動回路(以下、単にレーザ駆動回路)304によって駆動される。回転多面鏡204は、回転動作するモータ部とモータ軸に取り付けられた反射ミラーからなる。以下、回転多面鏡204の反射ミラーの面を、ミラー面という。回転多面鏡204は、回転多面鏡駆動部305によって駆動される。光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射するfθレンズ205、206を備える。また、光走査装置104は、種々の情報が格納されたメモリ302を有する。
Dn=(n−1)×21.16μm (n=2〜8)・・・式(1)
例えば、走査ラインLD1から走査ラインLD4までの理想距離D4は、63.48μm(=(4−1)×21.16μm)となる。
Zmn=Ym+X(n−1) (m=1〜5、n=1〜8)・・・式(2)
(ただし、X(0)=0とする)
例えば、回転多面鏡204の1面目の走査ラインLD4についての位置ずれ量Z14は、式(2)からZ14=Y1+X3と求められる。また、回転多面鏡204の2面目の走査ラインLD1についての位置ずれ量Z21は、式(2)からZ21=Y2と求められる。
メモリ302に格納される位置ずれ量の情報は、例えば工場等での光走査装置104の調整工程で測定されたデータを格納するものとする。また、画像形成装置内部にレーザ光源201から出射されたレーザ光により走査される走査ラインの位置を検知する手段を備え、メモリ302に格納されている情報をリアルタイムに更新する構成としてもよい。走査光の副走査方向の位置検出手段としては、公知の技術を用いてよい。例えば、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したCMOSセンサやPSD(Position Sensitive Detector)によって位置検出を行う方法でもよい。また、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したPD(photo diode)面上に三角スリットを配置してPDの出力パルス幅から位置検出を行う方法でもよい。
本実施例の印刷ジョブを図5のフローチャートを用いて説明する。CPU303は、不図示の操作部や外部機器から印刷ジョブを受信すると、ステップ(以下、Sとする)602以降の処理を実行する。また、CPU303は、以降の処理に用いられる不図示のタイマやカウンタ等をリセットする初期動作も行う。S602でCPU303は、一連の電子写真プロセスによるページ処理のための準備が終了し、ページ処理をスタートするか否かを判断する。S602でCPU303は、ページ処理のための準備が終了していないためページ処理をスタートできないと判断した場合は、S602の処理を繰り返す。S602でCPU303は、ページ処理のための準備が終了したためページ処理をスタートできると判断した場合、S603でページ処理を行う。CPU303は、後述するS606の判断に用いられる画像形成の枚数を管理するためのカウンタ、又は、ジョブ開始からの時間を判断するためのタイマをスタートする。尚、S603でCPU303が実行するページ処理は、後述する図7で説明する。
ここで、画像形成の枚数が所定枚数、又はジョブ開始からの時間が所定時間に達した場合に、次のページの画像形成が開始されるまでの間に、中間転写ベルト107上に形成されるパッチについて説明する。図6は、中間転写ベルト107上の、副走査方向におけるページとページの間(以下、ページ間という)とパッチの関係を示す図である。画像形成の枚数が所定枚数、又はジョブ開始からの時間が所定時間に達していない場合にはパッチは出力されない。このため、図6(a)に示すように、ページ間は、連続して用紙に印刷することが可能である最小の間隔となるように制御され、印刷速度が優先される。一方、画像形成の枚数が所定枚数、又はジョブ開始からの時間が所定時間に達した場合にパッチが出力されるページ間には、濃度を読み取るためのセンサ600の位置に合わせて、所定サイズのパッチが1つ以上出力される。
図5のS603のページ処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。本実施例では、画像のハーフトーンを表現するためにディザを用いて画像形成を行う。S702でCPU303は、画像の特徴を検出して複数の画素からなる領域毎に最適なディザを選択するために、どのディザ法を選択するかを判断する。1ページの画像には、文字や写真等、種々の種類の画像が含まれており、例えば文字と写真では画像の特徴が異なる。画像の特徴は、公知の方法を用いて抽出される。例えば、画像形成装置がプリンタとして使用される場合には、PCから送信されたコマンドに基づき画像の特徴が抽出され、コピー機として使用される場合には、画像読取装置で読み取った画像にフィルタ処理を施した結果に基づき画像の特徴が抽出される。
図5のS611の面倒れ補正量の調整処理を図8のフローチャートを用いて説明する。面倒れ補正量の調整処理が開始されると、S802でCPU303は、S610でLUTが更新されたディザが所定のディザか否かを判断する。ここで、所定のディザとはディザCであり、理由は後述する。S802でCPU303は、LUTが更新されたディザが所定のディザではないと判断した場合、面倒れ補正量の調整処理を終了する。S802でCPU303は、LUTが更新されたディザが所定のディザであると判断した場合、S803でLUTの特徴量を抽出する。CPU303は、LUTの特徴量を抽出する抽出手段としても機能する。
ここで、Xoは出力、Xiは入力、μは平均値、σ2は分散値である。CPU303は、(i)’〜(iii)’の関数との誤差が最小二乗法で最少となるμ、σを求める。本実施例では、標準偏差σをLUTの特徴量とする。
S805で出力される調整用のパッチについて、図9(b)を用いて説明する。図9(b)は、中間転写ベルト107上に形成された調整用のパッチの一例を示す図である。図9(b)において、各パッチは所定の補正量、所定の位相量で形成されたものである。図9(b)では、副走査方向(図中、進行方向)に補正量を変化させ、主走査方向(図中、進行方向と直交する方向)に回転多面鏡204の位相量を変化させ、各組み合わせで形成されたパッチを示している。尚、本実施例では、主走査方向の面倒れ量は一定としている。各パッチの進行方向には、濃度を読み取るセンサ600が対向して配置されている。これらのセンサ600は2次元センサであり、S806でCPU303は、これらのセンサ600により搬送されてきた各パッチの濃度を読み取る。S807でCPU303は、例えば高速フーリエ変換(以下、FFTとする)等により補正残差を解析する。尚、FFT等による残差の解析は公知であり説明を省略する。
図5のS603のページ処理において、図7のS708で実行される面倒れ補正処理について詳細に説明する。本実施例では、CPU303は、レーザ光による走査ラインの副走査方向の位置ずれ量に基づいて、画像データに対して補正を行い、補正した画像データをレーザ駆動回路304に出力する。以下、図10のフローチャートについて説明する。図10は、副走査方向の位置ずれに起因して発生する濃度むらやバンディングを補正するための補正処理を説明するフローチャートである。S3602でCPU303は、メモリ302に格納された副走査方向の位置ずれ量を読み出す。具体的には、CPU303は、表1で説明したLD2〜LD8の位置情報X1〜X7と、回転多面鏡204の1〜5面目の位置情報Y1〜Y5をメモリ302から読み出す。CPU303は、図5のS611の面倒れ補正量の調整処理、具体的には、図8のS808で不図示のRAM等に記憶されている現像γの変化を補正するための補正量と位相量を読み出す。CPU303は、読み出した補正量と位相量とに基づいて、回転多面鏡204の面倒れの位置情報Y1〜Y5を調整する。本実施例では、副走査方向の位置ずれ量(X1〜X7、調整後のY1〜Y5)に基づいて、入力された画像データの副走査方向の画素位置に対して補正を行った後、フィルタ処理を行うことによって画素データ、即ち濃度を出力する。
走査ラインの位置ずれの状態は略4つに分類できる。まず、位置ずれの状態には、(a)感光ドラム102上の走査ラインの位置(以下、走査位置)が理想の走査位置に対して進み方向にシフトする場合、(b)感光ドラム102上の走査位置が理想の走査位置に対して戻り方向にシフトする場合がある。また、位置ずれの状態には、(c)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して密になる場合、逆に、(d)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して疎になる場合がある。これらの副走査方向の位置ずれの状態の具体例を図11に示す。図中、破線は走査位置を示し、図中(1)〜(5)は走査の順番を示す。本実施例では8ビームを同時に走査するが、副走査方向に順に並ぶ1ビームずつに順番を振ったものとして説明する。図11の左側の列が理想の走査位置、右側の列が感光ドラム102上の走査位置を示す。走査番号(1)〜(5)に対して、S1〜S5は理想の走査位置からの位置ずれ量を示す。位置ずれ量の単位は、理想のビーム間隔(1200dpiで21.16μm)を1としたときを基準に表し、副走査方向における光ビームの進み方向(以下、単に進み方向という)を正の値としている。また、副走査方向における光ビームの戻り方向(以下、単に戻り方向という)を負の値としている。更に、画像の様子を説明するために副走査方向に並ぶ1画素を走査線上に丸で示す。丸の色は濃度を表す。
本実施例の座標変換の方法を、図12〜図14を用いて説明する。図12〜図14のグラフは、横軸を画素番号n、縦軸を副走査方向の画素位置(走査位置でもある)y(座標変換後はy’)としており、単位はラインとしている。また、図12、図14は、それぞれ図11(a)〜図11(d)に対応している。図12、図14の左側のグラフは座標変換を行う前を、右側のグラフはy軸の座標変換を行った後を、それぞれ示している。グラフにプロットした四角のドットは感光ドラム102上の走査位置、丸のドットは理想の走査位置を表す。
図12(a)左のグラフから順に説明する。座標変換を行う前のグラフでは、丸でプロットした理想の走査位置は、例えば画素番号2に対して副走査方向の画素位置yが2となっており、画素番号nとy座標が等しく、傾き1の直線(一点鎖線で示す)である。一点鎖線の直線は、以下の式(4)で表される。
y=n・・・式(4)
y=n+S・・・式(5)
y’=y+C・・・式(6)
従って、補正量Cはシフト量Sと以下の式(7)で表される。
C=−S・・・式(7)
y’=y+C=n+(−S)=n−S・・・式(8)
y’=y+C=(n+S)+C=(n+S)+(−S)=n・・・式(9)
図12(b)について、シフト量をS=−0.2とすれば、式(4)から式(9)が同様に成立して、図12(a)と同様に説明できる。尚、図12(a)、図12(b)に示すように、走査ライン間に疎密が発生しておらず進み方向又は戻り方向にシフトしている走査ラインの場合には、変換前後で直線が一定の傾きとなっている。
ここで、走査位置の疎密が発生する図14、及びシフトと疎密、図12、図14の組み合わせのケースにも適用できる座標変換について説明する。図13(a)は画素番号と走査位置の関係を示し、横軸は画素番号n、縦軸yは副走査方向の走査位置で、四角ドットは感光ドラム102上の走査位置をプロットしたものである。図13(a)では、画素番号n≦2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが密、画素番号n≧2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが疎の場合について説明する。
y=ft(n)・・・式(10)
次に、副走査方向の走査位置であるy軸の座標変換を行った後の関数をft’(n)で表すと、座標変換後の走査位置を表す関数ft’(n)は、次の式(11)で表される。
y’=ft’(n)・・・式(11)
ft’(n)=n・・・式(12)
式(12)は、例えば、画素番号2に対して、座標変換後の副走査方向の画素位置y’(=ft’(2))が2となることを意味する。
y=fs(n)・・・式(13)
また、本実施例において、入力された画像データの副走査方向の画素の間隔は均等なので、関数fs(n)は以下の式(14)で表される。
fs(n)=n・・・式(14)
入力された画像データの注目する画素番号nsに座標変換を行った後のy’座標の走査位置を、次の3つのステップにより求める。まず、1つめのステップでは、入力された画像データの画素番号nsに対応する理想の走査位置のy座標をysとすると、ysは、以下の式(15)により求めることができる。
ys=fs(ns)・・・式(15)
感光ドラム102上(実線)で座標変換を行う前の走査位置が等しい画素番号ntを求める(図13(c)の(1))。ここで、感光ドラム102上の走査位置は関数y=ft(n)で表され、ys=ft(nt)という関係が成り立つ。関数ft(n)の逆関数をft−1(y)とすると、画素番号ntは、以下の式(16)で表される。
nt=ft−1(ys)・・・式(16)
yt=ft’(nt)・・・式(17)
画素番号nsは任意に選んでも成立するので、画素番号nsから座標変換後のy’座標の位置ytを求める式が、入力された画像データの画素番号nから演算上のy’座標を求める関数fs’(n)に相当する。従って、式(15)〜式(17)から、以下のように式(18)で表される一般式が導かれる。尚、座標変換後の破線で示す理想の走査位置を示す関数は、y’=fs’(n)で表される(図13(d)の(3))。
yt=fs’(ns)=ft’(nt)=ft’(ft−1(ys))
=ft’(ft−1(fs(ns)))
nsをnに一般化して、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))・・・式(18)
fs’(n)=ft−1(n)・・・式(19)
fs(n)=y=k×(n−n0)+y0・・・式(20)
入力された画像データのy軸の座標変換後の画素位置を求めるために、式(18)、式(19)から、逆関数((1/k)×(y−y0)+n0)を求めて、逆関数に画素番号nを代入すればよいので、以下の式(21)が導かれる。
y’=(1/k)×(n−y0)+n0・・・式(21)
図14(a)に示す走査ラインの間隔が密な状態、図14(b)に示す走査ラインの間隔が疎な場合、いずれも座標変換後の感光ドラム102上の走査ラインの位置は、式(21)で表すことができる。また、画素番号nの補正値Cnは、Cn=fs’(n)−fs(n)から求められる。
fs’(n)=(1/0.8)×(n−3)+3・・・式(22)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.00となり、補正値C3は0.00(=3.00−3.00)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=5.50となり、補正値C5は+0.50(=+5.50−5.00)となる。走査位置が密である場合の補正値C1〜C5の値を図16(c)に示す。
fs’(n)=(1/1.2)×(n−3)+3・・・式(23)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.000となり、補正値C3は0.000(=3.000−3.000)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=4.667となり、補正値C5は−0.333(=4.667−5.000)となる。走査位置が疎である場合の補正値C1〜C5の値を図16(d)に示す。
本実施例では、補正データを生成するためにフィルタ処理を実行する。ただし、本実施例では、フィルタ処理部501は、次のようなフィルタ関数による畳み込み演算でフィルタ処理を行う。即ち、フィルタ処理部501は、入力された画像データの画素の副走査方向の走査位置の補正による画素の副走査方向の位置と、座標変換によって走査ラインの間隔が均等に変換された画素の副走査方向の位置との位置関係に基づいて、フィルタ処理を行う。尚、フィルタ処理前の画素を入力画素、フィルタ処理後の画素を出力画素ともいう。また、フィルタ処理前の画素は、上述した座標変換が行われた画素である。
図15(b)、図15(c)の式は以下の2つの式で表される。
本実施例では、a=−1、図15(b)はw=1、図15(c)はw=1.5としているが、各画像形成装置の電子写真的な特性に応じて、a、wを調整してもよい。フィルタ係数設定部504は、フィルタ関数出力部505から得たフィルタ関数の情報と、補正値設定部506から出力された補正値Cの情報と、に基づいて、フィルタ処理に用いられる係数(後述するk)をフィルタ処理部501に出力する。
本実施例の座標変換を行った後の座標位置に基づいて、式(24)の線形補間によるフィルタ関数で畳み込み演算を用いたフィルタ処理を行う具体例を、図16を用いて説明する。尚、畳み込み演算を用いたフィルタ処理は、フィルタ処理部501により実行される。図16は、図11に対応している。図16の左側の列は、上述した座標変換後の入力画素を示している。この入力画素は、図7のS707でディザ処理が施された画像データの画素であり、濃度値がハーフトーンとなっている画素も含まれている。また、図16の右側の列は、上述した座標変換後の感光ドラム102上の走査位置を示している。即ち、図16の右側の列の走査位置が、均等な間隔で、且つ、距離1となるように座標変換されている。
図10の説明に戻る。図10のS3604でCPU303は、S3603で生成した補正用属性情報に基づき、フィルタ処理部501によりフィルタ処理を行う。詳細には、CPU303は、上述した入力画像への畳み込み演算と再サンプリングを行う。ここで、CPU303が実行するS3604の処理を示した図17のフローチャートを用いて詳細に説明する。CPU303は、フィルタ処理部501により畳み込み演算によるフィルタ処理をスタートすると、S3702以降の処理を実行する。S3702でCPU303は、副走査方向の位置yを初期化(1にセット)する。S3703でCPU303は、畳み込み関数の拡がりをLとしたとき、注目する出力画像のラインyn(位置yn)の副走査位置の前後±L、即ち幅2Lの範囲((ys−L)〜(ys+L)の範囲)に含まれる入力画像のラインを抽出する。ここで、Lは畳み込み関数の+L〜−Lの範囲外は畳み込み関数の値が0になる最小の値と定義する。例えば、図15(a)の線形補間では、L=1、図15(b)のバイキュービック補間はL=2、図15(c)のバイキュービック補間はL=3である。式(19)を用い、対応する入力画像の範囲ymin〜ymaxのymin、ymaxは以下の条件を満たす。
ft−1(ymin)=yn−L、ft−1(ymax)=yn+L・・・式(27)
式(27)を変形することにより、ymin、ymaxは、以下の式(28)から求められる。
ymin=ft(yn−L)、ymax=ft(yn+L)・・・式(28)
従って、注目する出力画像のラインynに対して抽出される入力画像のラインは、ymin〜ymaxの範囲の全ての整数のラインとなる。
dnm=yn−ft−1(ym)・・・式(29)
従って、S3704でCPU303は、フィルタ係数設定部504により、畳み込み関数g(y)として係数knmを、以下の式(30)で求める。
knm=g(dnm)・・・式(30)
ここで、式(31)は、図16に対応しており、図16の左側の丸の濃さ(濃度)は、入力画素データPinmに対応し、図16(a)のD1やD2は、knm×Pinmに対応し、図16の右側の丸の濃さ(濃度)は、Poutnに対応している。
実施例2では、実施例1と基本的な構成は同様であり、図5のS611の面倒れ補正量の調整処理が異なる。このため、図5のS611を除く構成についての説明は省略する。実施例1の図8では、抽出した現像γの特徴量が所定範囲外であった場合には、面倒れ補正の補正量を調整するための補正量及び位相量を求めている。実施例1では、所定の領域に用いているディザは変更せずに、求めた補正量及び位相量に基づいて位置ずれ量Y1〜Y5を調整している。一方、本実施例では、抽出した現像γの特徴量が所定範囲外であった場合には、所定の領域に用いている所定のディザを異なる別のディザに切り替える構成である。
図18(b)は、本実施例の面倒れ補正量の調整処理を示すフローチャートである。実施例1の図8で説明した処理と同じ処理には同じステップ番号を付し、説明を省略する。尚、S802で、現像γの特徴量を抽出するのに適したディザは、実施例1同様、ディザCとする。S804でCPU303は、S803で抽出した現像γの特徴量が所定範囲外であると判断した場合、S1105の処理に進む。S1105でCPU303は、EV特性を調整し、現像γの変化を調整する。EV特性は、レーザ光源201からの露光量(e[μJ/cm2]と感光ドラム102の表面電位(v[V])との関係を示す特性である。CPU303は、例えば、レーザ光源201の露光量を調整したり、現像電圧を調整したりすることにより、現像γの変化を調整する。
以上の実施例では、階調補正テーブル(現像γ、LUT)の特徴量を抽出し、特徴量が所定範囲内か否かを判断するタイミングで、補正量を決定したり、ディザを切り替えたり、EV特性を調整したりした。しかし、例えば、面倒れ補正の補正性能が低下したことを操作部等のUI(UserInterface)上へ表示する構成としてもよい。また、面倒れ補正の補正性能が低下した旨の情報をメモリに記憶しておき、画像形成装置の保守点検等のタイミングで、補正性能を向上させるためのメンテナンスが実行されるような構成としてもよい。更に、図5のS606では画像形成の枚数が所定枚数に達した場合や装置の稼働時間が所定時間に達した場合にLUTの更新のための動作を行ったが、環境条件の変化に応じてLUTの更新のための動作を行ってもよい。ここで、環境条件とは、例えば温度や湿度等である。
以上、その他の実施例においても、経年変化や環境変動等による階調変化が生じても、適切な補正を行い安定した画質の画像形成を行うことができる。
105 現像装置
201 レーザ光源
204 回転多面鏡
303 CPU
Claims (18)
- 入力された画像データに、階調補正テーブルを用いて階調補正を行う第1の処理手段と、
前記第1の処理手段により階調補正が行われた画像データにディザ処理を行う第2の処理手段と、
前記第2の処理手段によりディザ処理が行われた画像データを、偏向手段のミラー面の倒れに起因する走査線の第1の方向の位置ずれに基づく補正量を用いて補正する補正手段と、
複数の発光素子を有し、前記補正手段により補正された画像データに基づいて発光する光源と、
前記第1の方向に回転し、前記光源から出射された光ビームにより潜像が形成される感光体と、
前記光源から出射された光ビームを前記ミラー面により偏向し、前記感光体に照射された光ビームのスポットを前記第1の方向に直交する第2の方向に移動させ走査線を形成する前記偏向手段と、
前記感光体に形成された潜像を現像する現像手段と、
階調特性が変化したことを判断するために前記階調補正テーブルの特徴量を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記特徴量が所定の範囲を超えた場合に、前記階調特性が変化したと判断し、前記階調特性の変化を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記調整手段は、前記抽出手段により抽出された前記特徴量が所定の範囲を超えた場合に、前記偏向手段のミラー面の倒れに起因する走査線の前記第1の方向の位置ずれを、調整量に基づき調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段により形成されたトナー像の濃度を検知する検知手段を備え、
前記調整手段は、前記抽出手段により抽出された前記特徴量が所定の範囲を超えた場合に、前記調整量が異なる複数のパッチを形成し、前記複数のパッチを前記検知手段により検知した結果に基づいて、複数の調整量の中から一の調整量を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記調整手段は、前記抽出手段により抽出された前記特徴量が所定の範囲を超えた場合に、所定のディザを前記所定のディザとは異なるディザに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記調整手段は、前記抽出手段により抽出された前記特徴量が所定の範囲を超えた場合に、電子写真プロセスの画像形成条件を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成条件には、前記発光素子の光量と、前記現像手段により現像を行う際の現像電圧と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記ディザには、ラインスクリーンと、ドットスクリーンと、誤差拡散と、が含まれることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記抽出手段は、前記誤差拡散の階調補正テーブルを用いて、前記特徴量を抽出することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記抽出手段は、前記誤差拡散の階調補正テーブルが更新されたタイミングで、前記特徴量を抽出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記特徴量は、前記階調補正テーブルの微分値を正規分布化して求めた標準偏差であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成装置。
- 走査線の前記第1の方向の位置ずれに関する情報を記憶した記憶手段を備え、
前記補正手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記感光体上の走査線の間隔が所定の間隔となるような座標変換を行うことにより、入力画像の画素の位置を変換し、前記座標変換後の入力画像の画素の位置に基づいて、入力画像の画素の画素値に畳み込み演算を行い、出力画像の画素の画素値を求めるフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記補正手段は、
前記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs(n)とし、
前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft(n)とし、
前記座標変換後の前記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs’(n)とし、
前記座標変換後の前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft’(n)としたとき、
前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、関数ft(n)の逆関数ft−1(n)を用いて、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))
から求めることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。 - 関数fs(n)がfs(n)=nを満たし、且つ、関数ft’(n)がft’(n)=nを満たすとき、
前記補正手段は、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、
fs’(n)=ft−1(n)
から求めることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。 - 前記補正手段は、線形補間又はバイキュービック補間を用いて前記畳み込み演算を行うことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画素値は濃度値であり、前記畳み込み演算を行う前と行った後とで、所定面積あたりの濃度値が保存されることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記補正手段は、前記畳み込み演算に用いる畳み込み関数の0でない範囲の前記第1の方向における幅を2Lとしたとき、前記出力画像の所定の画素の位置ynを中心とした前記2Lの幅の範囲に対応する前記入力画像の画素の範囲yminからymaxについて、
ymin=ft(yn−L)、
ymax=ft(yn+L)
と定義することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。 - 前記偏向手段は、所定の数の面を有する回転多面鏡であり、
前記記憶手段に記憶される前記情報には、前記回転多面鏡の回転軸に対する前記面毎の角度のばらつきの情報が含まれていることを特徴とする請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記所定の間隔は、前記画像形成装置による画像形成の解像度に応じて決定されることを特徴とする請求項11から請求項17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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