JP6632346B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
図16(b)、図16(c)は、回転多面鏡の面倒れの現象を示す図である。ここでは、回転多面鏡は5つのミラー面を有し、光源は4つの発光素子を有するものとして説明する。光源から照射されたレーザ光が回転多面鏡のミラー面により偏向され、被走査体上で走査線が形成される。図16(b)、図16(c)には、回転多面鏡の1つのミラー面により偏向された4つのレーザ光により形成された走査線を、横長の長方形で表している。走査線を表す長方形の長手方向が主走査方向、主走査方向に直交する方向が副走査方向である。回転多面鏡が1回転する毎に20ライン(=4ビーム×5面)のレーザ光で感光ドラムが露光される。このため、所定の1走査の4ビーム目の走査線と、所定の1走査の次の1走査の1ビーム目の走査線との境界に、回転多面鏡の面倒れによる疎密が発生し、この疎密がレーザ光の20ラインの周期で繰り返される。図16(b)、図16(c)中、グレーの部分はディザのパターンを示す。また、グレーの薄い箇所(白い部分)は走査線の間隔が疎となっている箇所を示し、グレーの濃い箇所(黒い部分)は走査線の間隔が密となっている箇所を示す。
使用するディザによって、面倒れにより生じるモアレ強度は異なる。図17(a)は、画像濃度(図中、D3)を一定にしたときの、2つのディザA、Bにおける面倒れの補正量とモアレ強度の関係を示したグラフである。横軸は面倒れ補正量、縦軸は面倒れのモアレ強度を示す。図17(a)に示すように、モアレ強度は、面倒れの補正量が面倒れ量と同じときに最も小さくなるため、面倒れの補正量とモアレ強度のとの関係を示すグラフ(特性曲線)では、補正量が面倒れ量と等しいときのモアレ強度が最下点となる。また、ディザにより、最下点のモアレ強度は異なり、図17(a)では、ディザBのモアレ強度の方がディザAのモアレ強度よりも小さい。そして、このグラフ(特性曲線)は、補正量が面倒れ量と同じ値から離れるほど(補正量が面倒れ量より大きくなるほど、又は少なくなるほど)、モアレ強度が大きくなるV字型の特性を示す曲線となる。また、図中、点線はモアレの視認限界を示し、図中、H0、H1は、それぞれディザB、ディザAを使用した場合の視認限界に対応する面倒れの補正量を示し、補正量H0、H1は、H0<H1の大小関係にある。異なるディザに対して、面倒れに対して同じ補正量を適用すると、ディザ毎にモアレ強度が異なる。そのため、モアレ強度を同じにするためには、面倒れに対する補正量を使用するディザに合わせて修正する必要がある。
従来では、一走査の副走査方向の端の光ビーム(例えば、4つ目の光ビーム)の光量を、隣接する光ビーム(例えば、次の一走査の1つ目の光ビーム)との距離の疎密に基づいて補正する。補正の前後で所定面積当たりの濃度が保存されないため、入力した画像パターンによっては、適切に補正ができない場合がある。図17(c)は、図16(a)の画像パターン(ラインスクリーン)の一部を抜き出した図である。図17(c)では、回転多面鏡に面倒れが発生し、回転多面鏡の隣り合う走査線の間が疎となる領域A1が生じて濃度が薄くなる。また、同様に、回転多面鏡に面倒れが発生し、隣り合う走査線の間が密となる領域A2が生じて濃度が濃くなる。このように、回転多面鏡の面倒れが発生すると、全体として濃度むらが発生する。図17(d)は、図17(c)の回転多面鏡の面倒れに対して、従来の方式で補正した結果を示す図である。図17(d)における領域A1、A2のそれぞれの両隣の領域B11、B12、及び領域B21、B22でも、レーザ光の間隔は元のビーム間隔と変わらない。そのため、図17(c)で疎となっている領域A1の両側の領域B11、B12では、補正の結果、図17(d)に示すように濃度が濃くなる。一方、図17(c)で密となっている領域A2の両側の領域B21、B22では、補正の結果、図17(d)に示すように濃度が薄くなる。このように、図17(d)では、回転多面鏡の面倒れの補正を行ったために、かえって濃度むらが発生してしまい、適切に補正を行うことができていない。
入力画像のパターンによらず補正可能な方式として、周辺の走査線も組み合わせて画像の重心位置をずらす図18に示す露光方式が考えられる。図18(a)〜(c)は、それぞれ、横軸は副走査方向の位置を示し、縦軸は露光量を示し、棒グラフの棒部分は、各副走査位置の露光量を示す。図18(a)は、入力データに従って露光した副走査位置における露光量を示し、図18(b)、(c)は、図18(a)に対して、走査線の密度が疎な場所から密な場所に重心の移動処理を行った場合の副走査位置における露光量を示している。図18(b)、(c)は、重心の移動処理を行う前後の画像濃度を保存して、重心位置をずらす演算の結果、ハーフトーン(中間階調)の画素が多く発生する。そのため、温度や湿度などの環境変動が大きい場合には、電子写真的な特性から補正性能に影響を受ける要因になる。即ち、入力画像データを所定の方向に重心移動して、所定の階調で現像すると最適な補正効果が得られる場合に、例えば環境変動により階調特性が変化してしまい、リニアな特性となったり、所定の露光量で急に立ち上がるような特性となったりすることがある。このような場合、リニアな階調特性で現像すると過補正となったり、所定の露光量で急に立ち上がるような階調特性で現像すると、逆に補正不足となったりする。
図1(a)は、複数色のトナーを用いて画像形成を行うデジタルフルカラープリンタ(カラー画像形成装置)の概略断面図である。図1(a)を用いて実施例の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bk(破線部)が備えられている。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表しており、以下、特定の色について説明する場合を除き、添え字Y、M、C、Bkを省略する。
図1(b)に、感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成を示す。光走査装置104は、マルチビームレーザ光源(以下、レーザ光源)201と、コリメータレンズ202と、シリンドリカルレンズ203と、回転多面鏡204とを備える。レーザ光源201は、複数の発光素子によりレーザ光(光ビーム)を発生するマルチビームレーザ光源である。コリメータレンズ202は、レーザ光を平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向へ集光する。尚、本実施例ではレーザ光源201は複数のビームを配列したマルチビーム光源を例にして記載するが、単一の光源を用いた場合も同様に動作させるものとする。レーザ光源201は、マルチビームレーザ駆動回路(以下、単にレーザ駆動回路)304によって駆動される。回転多面鏡204は、回転動作するモータ部とモータ軸に取り付けられた反射ミラーからなる。以下、回転多面鏡204の反射ミラーの面を、ミラー面という。回転多面鏡204は、回転多面鏡駆動部305によって駆動される。光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射するfθレンズ205、206を備える。また、光走査装置104は、種々の情報が格納されたメモリ302を有する。
Dn=(n−1)×21.16μm (n=2〜8)・・・式(1)
例えば、走査ラインLD1から走査ラインLD4までの理想距離D4は、63.48μm(=(4−1)×21.16μm)となる。
Zmn=Ym+X(n−1) (m=1〜5、n=1〜8)・・・式(2)
(ただし、X(0)=0とする)
例えば、回転多面鏡204の1面目の走査ラインLD4についての位置ずれ量Z14は、式(2)からZ14=Y1+X3と求められる。また、回転多面鏡204の2面目の走査ラインLD1についての位置ずれ量Z21は、式(2)からZ21=Y2と求められる。
メモリ302に格納される位置ずれ量の情報は、例えば工場等での光走査装置104の調整工程で測定されたデータを格納するものとする。また、画像形成装置内部にレーザ光源201から出射されたレーザ光により走査される走査ラインの位置を検知する手段を備え、メモリ302に格納されている情報をリアルタイムに更新する構成としてもよい。走査光の副走査方向の位置検出手段としては、公知の技術を用いてよい。例えば、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したCMOSセンサやPSD(Position Sensitive Detector)によって位置検出を行う方法でもよい。また、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したPD(photo diode)面上に三角スリットを配置してPDの出力パルス幅から位置検出を行う方法でもよい。
CPU303は、不図示の操作部や外部機器から印刷ジョブを受信すると、一連の電子写真プロセスによるページ処理のための準備として、以降の処理に用いられる不図示のタイマやカウンタ等をリセットする初期動作を行う。そして、CPU303は、ページ処理のための準備が終了し、ページ処理をスタートできると判断した場合には、図5のフローチャートに示す制御シーケンスを実行する。
図5のS607で実行される面倒れ補正処理について詳細に説明する前に、本実施例の特徴であるディザに応じた面倒れ量の算出について、以下に説明する。本実施例では、後述する図7のS3602で、CPU303は、メモリ302に格納された副走査方向の位置ずれ量(面倒れ量ともいう)を読み出し、図5のS603〜S605で選択したディザに従って修正する。前述したように、面倒れに対する補正量が同じでも、選択したディザにより、モアレ強度が異なる。そのため、面倒れ補正処理を行った場合に、選択したディザに関係なくモアレ強度を同じにするためには、メモリ302から読み出した面倒れ量(位置ずれ量)を選択したディザに応じて修正する必要がある。本実施例では、選択されたディザにおける面倒れ量に対する補正量の比例関係(比率)を求め、求めた比率をメモリ302から読み出した面倒れ量に乗ずることにより、面倒れ量を修正し、修正後の面倒れ量に基づいて、面倒れ補正処理を行う。
ZW=(Zmnの最大値)−(Zmnの最小値)(m=1〜5、n=1〜8)・・・式(3)
Zmn’=(ZWa/ZW)×Zmn・・・式(4)
Zmn’=(Zwb/ZW)×Zmn・・・式(5)
Zmn’=(Zwc/ZW)×Zmn・・・式(6)
Cmn=−Zmn’・・・式(7)
続いて、図5のS607で実行される面倒れ補正処理について詳細に説明する。本実施例では、CPU303は、レーザ光による走査ラインの副走査方向の位置ずれ量に基づいて、画像データに対して補正を行い、補正した画像データをレーザ駆動回路304に出力する。以下、図7のフローチャートについて説明する。図7は、副走査方向の位置ずれに起因して発生する濃度むらやバンディングを補正するための補正処理を説明するフローチャートである。S3602でCPU303は、メモリ302に格納された副走査方向の位置ずれ量を読み出す。具体的には、CPU303は、表1で説明したLD2〜LD8の位置情報X1〜X7と、回転多面鏡204の1〜5面目の位置情報Y1〜Y5をメモリ302から読み出す。CPU303は、読み出した補正量と位相量とに基づいて、回転多面鏡204の面倒れの位置情報Y1〜Y5を調整する。本実施例では、副走査方向の位置ずれ量(X1〜X7、調整後のY1〜Y5)に、上述した選択されたディザに応じた修正を行う。そして、修正された画像データの副走査方向の画素位置に対して補正を行った後、フィルタ処理を行うことによって画素データ、即ち濃度を出力する。
走査ラインの位置ずれの状態は略4つに分類できる。まず、位置ずれの状態には、(a)感光ドラム102上の走査ラインの位置(以下、走査位置)が理想の走査位置に対して進み方向にシフトする場合、(b)感光ドラム102上の走査位置が理想の走査位置に対して戻り方向にシフトする場合がある。また、位置ずれの状態には、(c)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して密になる場合、逆に、(d)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して疎になる場合がある。これらの副走査方向の位置ずれの状態の具体例を図8に示す。図中、破線は走査位置を示し、図中(1)〜(5)は走査の順番を示す。本実施例では8ビームを同時に走査するが、副走査方向に順に並ぶ1ビームずつに順番を振ったものとして説明する。図8の左側の列が理想の走査位置、右側の列が感光ドラム102上の走査位置を示す。走査番号(1)〜(5)に対して、S1〜S5は理想の走査位置からの位置ずれ量を示す。位置ずれ量の単位は、理想のビーム間隔(1200dpiで21.16μm)を1としたときを基準に表し、副走査方向における光ビームの進み方向(以下、単に進み方向という)を正の値としている。また、副走査方向における光ビームの戻り方向(以下、単に戻り方向という)を負の値としている。更に、画像の様子を説明するために副走査方向に並ぶ1画素を走査線上に丸で示す。丸の色は濃度を表す。
本実施例の座標変換の方法を、図9〜図11を用いて説明する。図9〜図11のグラフは、横軸を画素番号n、縦軸を副走査方向の画素位置(走査位置でもある)y(座標変換後はy’)としており、単位はラインとしている。また、図9、図11は、それぞれ図8(a)〜図8(d)に対応している。図9、図11の左側のグラフは座標変換を行う前を、右側のグラフはy軸の座標変換を行った後を、それぞれ示している。グラフにプロットした四角のドットは感光ドラム102上の走査位置、丸のドットは理想の走査位置を表す。
図9(a)左のグラフから順に説明する。座標変換を行う前のグラフでは、丸でプロットした理想の走査位置は、例えば画素番号2に対して副走査方向の画素位置yが2となっており、画素番号nとy座標が等しく、傾き1の直線(一点鎖線で示す)である。一点鎖線の直線は、以下の式(8)で表される。
y=n・・・式(8)
y=n+S・・・式(9)
y’=y+C・・・式(10)
従って、補正量Cはシフト量Sと以下の式(11)で表される。
C=−S・・・式(11)
尚、式(11)の補正量C、シフト量Sは、前述した式(7)で示したCmn=−Zmn’における補正量Cmn、修正後の位置ずれ量Zmn’と同じである。
y’=y+C=n+(−S)=n−S・・・式(12)
y’=y+C=(n+S)+C=(n+S)+(−S)=n・・・式(13)
図9(b)について、シフト量をS=−0.2とすれば、式(8)から式(13)が同様に成立して、図9(a)と同様に説明できる。尚、図9(a)、図9(b)に示すように、走査ライン間に疎密が発生しておらず進み方向又は戻り方向にシフトしている走査ラインの場合には、変換前後で直線が一定の傾きとなっている。
ここで、走査位置の疎密が発生する図11、及びシフトと疎密、図9、図11の組み合わせのケースにも適用できる座標変換について説明する。図10(a)は画素番号と走査位置の関係を示し、横軸は画素番号n、縦軸yは副走査方向の走査位置で、四角ドットは感光ドラム102上の走査位置をプロットしたものである。図10(a)では、画素番号n≦2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが密、画素番号n≧2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが疎の場合について説明する。
y=ft(n)・・・式(14)
次に、副走査方向の走査位置であるy軸の座標変換を行った後の関数をft’(n)で表すと、座標変換後の走査位置を表す関数ft’(n)は、次の式(15)で表される。
y’=ft’(n)・・・式(15)
ft’(n)=n・・・式(16)
式(16)は、例えば、画素番号2に対して、座標変換後の副走査方向の画素位置y’(=ft’(2))が2となることを意味する。
y=fs(n)・・・式(17)
また、本実施例において、入力された画像データの副走査方向の画素の間隔は均等なので、関数fs(n)は以下の式(18)で表される。
fs(n)=n・・・式(18)
入力された画像データの注目する画素番号nsに座標変換を行った後のy’座標の走査位置を、次の3つのステップにより求める。まず、1つめのステップでは、入力された画像データの画素番号nsに対応する理想の走査位置のy座標をysとすると、ysは、以下の式(19)により求めることができる。
ys=fs(ns)・・・式(19)
感光ドラム102上(実線)で座標変換を行う前の走査位置が等しい画素番号ntを求める(図10(c)の(1))。ここで、感光ドラム102上の走査位置は関数y=ft(n)で表され、ys=ft(nt)という関係が成り立つ。関数ft(n)の逆関数をft−1(y)とすると、画素番号ntは、以下の式(20)で表される。
nt=ft−1(ys)・・・式(20)
yt=ft’(nt)・・・式(21)
画素番号nsは任意に選んでも成立するので、画素番号nsから座標変換後のy’座標の位置ytを求める式が、入力された画像データの画素番号nから演算上のy’座標を求める関数fs’(n)に相当する。従って、式(19)〜式(21)から、以下のように式(22)で表される一般式が導かれる。尚、座標変換後の破線で示す理想の走査位置を示す関数は、y’=fs’(n)で表される(図10(d)の(3))。
yt=fs’(ns)=ft’(nt)=ft’(ft−1(ys))
=ft’(ft−1(fs(ns)))
nsをnに一般化して、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))・・・式(22)
fs’(n)=ft−1(n)・・・式(23)
fs(n)=y=k×(n−n0)+y0・・・式(24)
入力された画像データのy軸の座標変換後の画素位置を求めるために、式(22)、式(23)から、逆関数((1/k)×(y−y0)+n0)を求めて、逆関数に画素番号nを代入すればよいので、以下の式(25)が導かれる。
y’=(1/k)×(n−y0)+n0・・・式(25)
図11(a)に示す走査ラインの間隔が密な状態、図11(b)に示す走査ラインの間隔が疎な場合、いずれも座標変換後の感光ドラム102上の走査ラインの位置は、式(25)で表すことができる。また、画素番号nの補正値Cnは、Cn=fs’(n)−fs(n)から求められる。
fs’(n)=(1/0.8)×(n−3)+3・・・式(26)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.00となり、補正値C3は0.00(=3.00−3.00)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=5.50となり、補正値C5は+0.50(=+5.50−5.00)となる。走査位置が密である場合の補正値C1〜C5の値を図13(c)に示す。
fs’(n)=(1/1.2)×(n−3)+3・・・式(27)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.000となり、補正値C3は0.000(=3.000−3.000)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=4.667となり、補正値C5は−0.333(=4.667−5.000)となる。走査位置が疎である場合の補正値C1〜C5の値を図13(d)に示す。
本実施例では、補正データを生成するためにフィルタ処理を実行する。ただし、本実施例では、フィルタ処理部501は、次のようなフィルタ関数による畳み込み演算でフィルタ処理を行う。即ち、フィルタ処理部501は、入力された画像データの画素の副走査方向の走査位置の補正による画素の副走査方向の位置と、座標変換によって走査ラインの間隔が均等に変換された画素の副走査方向の位置との位置関係に基づいて、フィルタ処理を行う。尚、フィルタ処理前の画素を入力画素、フィルタ処理後の画素を出力画素ともいう。また、フィルタ処理前の画素は、上述した座標変換が行われた画素である。
図12(b)、図12(c)の式は以下の2つの式で表される。
本実施例では、a=−1、図12(b)はw=1、図12(c)はw=1.5としているが、各画像形成装置の電子写真的な特性に応じて、a、wを調整してもよい。フィルタ係数設定部504は、フィルタ関数出力部505から得たフィルタ関数の情報と、補正値設定部506から出力された補正値Cの情報と、に基づいて、フィルタ処理に用いられる係数(後述するk)をフィルタ処理部501に出力する。
本実施例の座標変換を行った後の座標位置に基づいて、式(28)の線形補間によるフィルタ関数で畳み込み演算を用いたフィルタ処理を行う具体例を、図13を用いて説明する。尚、畳み込み演算を用いたフィルタ処理は、フィルタ処理部501により実行される。図13は、図8に対応している。図13の左側の列は、上述した座標変換後の入力画素を示している。この入力画素は、図5のS606でディザ処理が施された画像データの画素であり、濃度値がハーフトーンとなっている画素も含まれている。また、図13の右側の列は、上述した座標変換後の感光ドラム102上の走査位置を示している。即ち、図13の右側の列の走査位置が、均等な間隔で、且つ、距離1となるように座標変換されている。
図7の説明に戻る。図7のS3604でCPU303は、S3603で生成した補正用属性情報に基づき、フィルタ処理部501によりフィルタ処理を行う。詳細には、CPU303は、上述した入力画像への畳み込み演算と再サンプリングを行う。ここで、CPU303が実行するS3604の処理を示した図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。
ft−1(ymin)=yn−L、ft−1(ymax)=yn+L・・・式(31)
式(31)を変形することにより、ymin、ymaxは、以下の式(32)から求められる。
ymin=ft(yn−L)、ymax=ft(yn+L)・・・式(32)
従って、注目する出力画像のラインynに対して抽出される入力画像のラインは、ymin〜ymaxの範囲の全ての整数のラインとなる。
dnm=yn−ft−1(ym)・・・式(33)
従って、S3704でCPU303は、フィルタ係数設定部504により、畳み込み関数g(y)として係数knmを、以下の式(34)で求める。
knm=g(dnm)・・・式(34)
ここで、式(35)は、図13に対応しており、図13の左側の丸の濃さ(濃度)は、入力画素データPinmに対応し、図13(a)のD1やD2は、knm×Pinmに対応し、図13の右側の丸の濃さ(濃度)は、Poutnに対応している。
前述した図5において、CPU303は、S606でのディザ処理を終了すると、S607で面倒れ補正処理を行うために、図7に示す制御シーケンスを実行する。図7は、面倒れ補正処理を行う制御シーケンスであり、CPU303は、S3602では、副走査方向の位置ずれ量、即ち回転多面鏡204のミラーm面目、マルチビームのn番目のレーザ光による走査ライン(LDn)の位置ずれ量Zmnを読み出す。続いて、CPU303は、前述した図5のS603〜S605において、選択されたディザに対応した面倒れの補正テーブルを選択する。補正テーブルには、面倒れ量毎に、画像の濃度と、面倒れ量に対する補正量とを対応付けた情報が格納されている。CPU303は、ディザA、ディザB、ディザCそれぞれに対応した補正テーブルを記憶した記憶部を有している。
以上説明したように、本実施例によれば、面倒れ補正を画像パターンによらず適切に行うことができる。
201 レーザ光源
204 回転多面鏡
303 CPU
Claims (16)
- 光ビームを出射する光源と、
回転駆動され、前記光源から出射された光ビームにより潜像が形成される感光体と、
回転軸を中心に回転し、前記光源から出射された光ビームが前記感光体上を走査するように前記光ビームを偏向する複数のミラー面を有する回転多面鏡と、
入力された画像データにディザ処理を行う処理手段と、
前記回転多面鏡の複数のミラー面それぞれの前記回転多面鏡の回転軸に対する傾きによる前記複数のミラー面ごとの前記感光体の回転方向における前記光ビームの走査位置に基づく補正量を用いて前記処理手段によりディザ処理が行われた画像データを補正する補正手段と、
を備え、
前記光源は、前記補正手段によって補正された画像データに基づいて前記潜像を形成するための光ビームを出射し、
前記補正手段は、
1ラインに含まれる注目画素の画素データを補正するフィルタであって、前記感光体の回転方向において前記注目画素を含むラインに対する前後のラインに含まれる画素の位置を補正するための前記補正量であるフィルタ係数によって前記注目画素の画素データを補正するフィルタを備え、前記ディザ処理の種類に応じて前記フィルタ係数を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ディザには、ラインスクリーンと、ドットスクリーンと、誤差拡散と、が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ディザ処理の種類に応じた前記フィルタ係数は、前記感光体の回転方向における前記複数のミラー面によって偏向された光ビームの走査線の理想の走査線の位置に対するずれ量と、前記感光体の回転方向における、各ミラー面によって反射された光ビームによって形成される各走査線の理想の走査線からの振幅量と、前記振幅量を前記処理手段によりディザ処理が行われた画像データの前記ずれ量としたときの、前記ずれ量を補正するフィルタ係数と、に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 情報を記憶する記憶手段を有し、
前記記憶手段は、前記感光体の回転方向における前記複数のミラー面によって偏向された光ビームの走査線の理想の走査線の位置に対するずれ量に関する情報と、前記ディザ処理の種類毎に前記処理手段によりディザ処理が行われた画像データの、理想の走査線の位置に対するずれ量を補正するフィルタ係数に関する情報と、を記憶していることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記ディザ処理の種類に応じた前記フィルタ係数は、前記感光体の回転方向における前記複数のミラー面によって偏向された光ビームの走査線の理想の走査線の位置に対するずれ量と、前記感光体の回転方向における、各ミラー面によって反射された光ビームによって形成される各走査線の理想の走査線からの振幅量と、前記振幅量を前記処理手段によりディザ処理が行われた画像データの画像濃度に応じた前記ずれ量としたときの、前記ずれ量を補正するフィルタ係数と、に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 情報を記憶する記憶手段を有し、
前記記憶手段は、前記感光体の回転方向における前記複数のミラー面によって偏向された光ビームの走査線の理想の走査線の位置に対するずれ量に関する情報と、前記ディザ処理の種類及び前記処理手段によりディザ処理が行われた画像データの画像濃度毎に、理想の走査線の位置に対するずれ量を補正するフィルタ係数に関する情報と、を記憶していることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記画像濃度は、前記ディザ処理を行う前の前記画像データの濃度であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記振幅量は、前記感光体の回転方向における、各ミラー面によって反射された光ビームによって形成される各走査線の理想の走査線の位置に対するずれ量の最大値と最小値との差であることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記補正手段は、前記ディザ処理の種類に応じた前記フィルタ係数に基づいて、前記感光体上の走査線の間隔が所定の間隔となるような座標変換を行うことにより、入力画像の画素の位置を変換し、前記座標変換後の入力画像の画素の位置に基づいて、入力画像の画素の画素値に畳み込み演算を行い、出力画像の画素の画素値を求めるフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項4又は請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記補正手段は、
前記入力画像の前記感光体の回転方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs(n)とし、
前記出力画像の前記感光体の回転方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft(n)とし、
前記座標変換後の前記入力画像の前記感光体の回転方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs’(n)とし、
前記座標変換後の前記出力画像の前記感光体の回転方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft’(n)としたとき、
前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、関数ft(n)の逆関数ft−1(n)を用いて、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))
から求めることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 関数fs(n)がfs(n)=nを満たし、且つ、関数ft’(n)がft’(n)=nを満たすとき、
前記補正手段は、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、
fs’(n)=ft−1(n)
から求めることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。 - 前記補正手段は、線形補間又はバイキュービック補間を用いて前記畳み込み演算を行うことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画素値は濃度値であり、前記畳み込み演算を行う前と行った後とで、所定面積あたりの濃度値が保存されることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記補正手段は、前記畳み込み演算に用いる畳み込み関数の0でない範囲の前記感光体の回転方向における幅を2Lとしたとき、前記出力画像の所定の画素の位置ynを中心とした前記2Lの幅の範囲に対応する前記入力画像の画素の範囲yminからymaxについて、
ymin=ft(yn−L)、
ymax=ft(yn+L)
と定義することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記記憶手段に記憶される前記情報には、前記回転多面鏡の回転軸に対する前記ミラー面毎の角度のばらつきの情報が含まれていることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記所定の間隔は、前記画像形成装置による画像形成の解像度に応じて決定されることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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