JP6632393B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
上述した焦点深度方向の位置ずれとバンディングの関係について詳しく説明する。画像形成装置を形成する部品の寸法ばらつきなどの要因によって、光走査装置から出射された光ビームには、理想的なピントの位置から焦点深度方向に位置ずれが発生する。焦点深度方向に位置ずれが発生すると、バンディングの量が変化する。焦点深度方向の位置ずれとバンディングの関係を以降で説明する。図17(a)に回転多面鏡のミラー面の傾きに応じた光路の様子を示す。図17(a)は、例えば、後述する図1(b)の感光ドラム102の回転軸方向から見た図である。回転多面鏡のミラー面が理想の角度となっている状態を基準とし、理想の状態の回転多面鏡のミラー面1002aから反射された光ビームの光路を、図17(a)中、光路Bで示す。理想の角度から傾いた、面倒れを起こしている回転多面鏡のミラー面1002bによって反射された光ビームは、光路Bに対して、光路Aで示される位置の異なる光路によって感光体に照射される。一般に、回転多面鏡のミラー面の面倒れによる光路のずれに対しては、光学的に光路の位置を合わせる面倒れ補正のための光学補正系のレンズ1001を設ける。レンズ1001を設けたことにより、理想的な焦点位置(ジャストピント補正位置ともいう)において面倒れによる位置ずれを補正することが可能となる。
図1(a)は、複数色のトナーを用いて画像形成を行うデジタルフルカラープリンタ(カラー画像形成装置)の概略断面図である。図1(a)を用いて実施の形態の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bk(破線部)が備えられている。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表しており、以下、特定の色について説明する場合を除き、添え字Y、M、C、Bkを省略する。
図1(b)に、感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成を示す。光走査装置104は、マルチビームレーザ光源(以下、レーザ光源)201と、コリメータレンズ202と、シリンドリカルレンズ203と、回転多面鏡204とを備える。レーザ光源201は、複数の発光素子によりレーザ光(光ビーム)を発生するマルチビームレーザ光源である。コリメータレンズ202は、レーザ光を平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向へ集光する。なお、本実施の形態ではレーザ光源201は複数のビームを配列したマルチビーム光源を例にして記載するが、単一の光源を用いた場合も同様に動作させるものとする。レーザ光源201は、マルチビームレーザ駆動回路(以下、単にレーザ駆動回路)304によって駆動される。回転多面鏡204は、回転動作するモータ部とモータ軸に取り付けられた反射ミラーからなる。以下、回転多面鏡204の反射ミラーの面を、ミラー面という。回転多面鏡204は、回転多面鏡駆動部(以下、ミラー駆動部)305によって駆動される。光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射するfθレンズ205、206を備える。また、光走査装置104は、種々の情報が格納された記憶手段であるメモリ302を有する。
次に、図2を用いて、光走査装置104の制御を行うCPU303について説明する。図2は、後述する画像の歪みや濃度むらを補正する補正処理を実行するCPU303の機能をブロック図として示した図である。CPU303は、フィルタ処理部501と、誤差拡散処理部502と、PWM信号生成部503とを有する。フィルタ処理部501は、入力された画像データに畳み込み演算を行うことでフィルタ処理を行う。誤差拡散処理部502は、フィルタ処理後の画像データに誤差拡散処理を行う。PWM信号生成部503は、誤差拡散処理後の画像データにPWM変換を行い、光走査装置104のレーザ駆動回路304にPWM信号を出力する。
次に、図3、表1を用いて、メモリ302に格納された走査位置情報について説明する。図3は、各走査ラインの理想位置からの位置ずれの様子を示す。8つの発光点を有するマルチビームレーザの各レーザが走査する走査ラインを、LD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、LD7、LD8とする。ここで、各走査ラインの理想的な間隔は、解像度によって決定される。例えば解像度1200dpiの画像形成装置の場合、各走査ラインの理想的な間隔は、21.16μmとなる。LD1を基準位置とした場合、走査ラインLD1からの走査ラインLD2〜LD8の理想距離D2〜D8は式(1)で算出される。
Dn=(n−1)×21.16μm (n=2〜8)・・・式(1)
例えば、走査ラインLD1から走査ラインLD4までの理想距離D4は、63.48μm(=(4−1)×21.16μm)となる。
Znbm=Ybm×Gb+X(n−1)…式(2)
(n=1〜8、b=1〜5、m=A〜E)(ただし、X(0)=0とする)
例えば、回転多面鏡204のA面目の走査ラインLD4の3ブロック目についての位置ずれ量Z43Aは、式(2)からZ43A=Y3A×G3+X3と求められる。また、回転多面鏡204のB面目の走査ラインLD1の5ブロック目についての位置ずれ量Z15Bは、式(2)からZ15B=Y5B×G5と求められる。式(2)の右辺の第一項の「Ybm×Gb」は、回転多面鏡204のミラー面の面倒れ量を、振幅ゲインGbを用いて補正した面倒れ量である。
メモリ302に格納される位置ずれ量の情報は、例えば工場等での光走査装置104の調整工程で測定されたデータを格納するものとする。また、画像形成装置内部にレーザ光源201から出射されたレーザ光により走査される走査ラインの位置を検知する手段を備え、メモリ302に格納されている情報をリアルタイムに更新する構成としてもよい。走査光の副走査方向の位置検出手段としては、公知の技術を用いてよい。例えば、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したCMOSセンサやPSD(Position Sensitive Detector)によって位置検出を行う方法でもよい。また、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したPD(photo diode)面上に三角スリットを配置してPDの出力パルス幅から位置検出を行う方法でもよい。
図5は、本実施の形態の副走査方向におけるn番目のレーザ光の1走査期間内の制御タイミングを示す。(1)は1画素あたりの画素周期に対応したCLK信号を示しており、(2)はCPU303に対するBD207からのBD信号の入力タイミングを示している。(3)、(5)は、CPU303に対する、フィルタ演算前の画像データDATAN(N=1,2,・・・)の入力タイミングを示している。(4)は各画素に対応した位置ずれ量CnN(N=1,2,・・・)が算出されるタイミングを示している。(6)は、フィルタ演算処理が施された画像データDATAN’(N=1,2,・・・)がレーザ駆動回路304に出力されるタイミングを示している。なお、DATAN、DATAN’の末尾のNは、主走査方向の1走査ライン中の画素の番号を表している。
図6は、CPU303が実行する、主走査方向のN番目の画素(N画素目ともいう)の位置ずれ量を算出しながら画像形成を行う処理を示すフローチャートである。CPU303は、画像形成時に走査ラインごとに位置ずれ量の算出を行い、画像形成を行う。ステップ(以下、Sとする)7001でCPU303は、副走査方向の位置n=1とする。S7002でCPU303は、BD207からBD信号が入力されたか否かを判断する。S7002でCPU303は、BD信号が入力されたと判断した場合は、BD信号の周期である時間間隔を計測している不図示のタイマを停止し、タイマ値を読み出し、内部レジスタに保存する。そして、CPU303は、次のBD信号を受信するまでの時間間隔を計測するため、不図示のタイマをリセットしてスタートさせ、処理をS7003に進める。なお、CPU303が不図示のタイマを2つ以上有している場合には、BD信号を受信する度に異なるタイマを交互に使用して、時間測定を行うようにしてもよい。また、ここでは、計測されたBD信号の時間間隔をCPU303の内部レジスタに保存しているが、例えばCPU303の不図示のRAMメモリに保存するようにしてもよい。S7002でCPU303は、BD信号が入力されていないと判断した場合は、BD信号が入力されるのを待つために、処理をS7002に戻す。
S7005でCPU303が算出する位置ずれ量CnNの計算式について詳しく説明する。n番目の走査ラインの主走査方向の画素番号Nに対する位置ずれ量CnNは、次のようにして求められる。即ち、感光ドラム102や回転多面鏡204の回転速度の変動による位置ずれ量Aと走査ラインごとの主走査方向に依存する位置ずれ量Bを加算して、位置ずれ量の総和を算出することにより求められる。感光ドラム102の回転速度をVd、回転多面鏡204の回転速度をVp、1走査時間をΔT(図5参照)とすると、感光ドラム102の回転速度Vdと回転多面鏡204の回転速度Vpの速度差から生じる位置ずれ量Aは以下の式(3)から算出される。
A=(Vd−Vp)×ΔT・・・式(3)
Vp=ビーム数×21.16÷ΔT・・・式(4)
ΔT=1÷(回転多面鏡204のミラー面数×回転多面鏡204の1秒間あたりの回転数)・・・式(5)
B=Znbm・・・式(6)
CPU303は、式(3)から算出した位置ずれ量Aと式(6)から算出した位置ずれ量Bとを加算し、位置ずれ量の総和(合計値=A+B)を算出する。CPU303は、S7005で算出した合計の位置ずれ量をCPU303の内部レジスタに保持する。ここで、レジスタに保持された位置ずれ量(=A+B)は、後述するフィルタ処理時に読み出されて演算に用いられる。
本実施の形態では、CPU303は、レーザ光による走査ラインの副走査方向の位置ずれ量に基づいて、画像データに対して補正を行い、補正した画像データをレーザ駆動回路304に出力する。以下、図7のフローチャートについて説明する。図7は、副走査方向の位置ずれに起因して発生する濃度むらやバンディングを補正するための補正処理を説明するフローチャートである。S3602でCPU303は、メモリ302に格納された副走査方向の位置ずれ量、面倒れ量を読み出す。具体的には、CPU303は、表1で説明したLD2〜LD8の位置情報X1〜X7と、回転多面鏡204のA〜E面目の各部ブロックに応じた位置情報Y1A〜Y5Eをメモリ302から読み出す。なお、後述する実施例2の場合、CPU303は、メモリ302から焦点距離情報Δx1〜Δx5も読み出す。本実施の形態では、副走査方向の位置ずれ量に基づいて、入力された画像データの副走査方向の画素位置に対して補正を行った後、フィルタ処理を行うことによって画素データ、即ち濃度を出力する。
走査ラインの位置ずれの状態は略4つに分類できる。まず、位置ずれの状態には、(a)感光ドラム102上の走査ラインの位置(以下、走査位置)が理想の走査位置に対して進み方向にシフトする場合、(b)感光ドラム102上の走査位置が理想の走査位置に対して戻り方向にシフトする場合がある。また、位置ずれの状態には、(c)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して密になる場合、逆に、(d)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して疎になる場合がある。これらの副走査方向の位置ずれの状態の具体例を図8に示す。図中、破線は走査位置を示し、図中(1)〜(5)は走査の順番を示す。本実施の形態では8ビームを同時に走査するが、副走査方向に順に並ぶ1ビームずつに順番を振ったものとして説明する。図8の左側の列が理想の走査位置、右側の列が感光ドラム102上の走査位置を示す。走査番号(1)〜(5)に対して、S1〜S5は理想の走査位置からの位置ずれ量を示す。位置ずれ量の単位は、理想のビーム間隔(1200dpiで21.16μm)を1としたときを基準に表し、副走査方向における光ビームの進み方向(以下、単に進み方向という)を正の値としている。また、副走査方向における光ビームの戻り方向(以下、単に戻り方向という)を負の値としている。更に、画像の様子を説明するために副走査方向に並ぶ1画素を走査線上に丸で示す。丸の色は濃度を表す。
本実施の形態の座標変換の方法を、図9〜図11を用いて説明する。図9〜図11のグラフは、横軸を画素番号n、縦軸を副走査方向の画素位置(走査位置でもある)y(座標変換後はy’)としており、単位はラインとしている。また、図9、図11は、それぞれ図8(a)〜図8(d)に対応している。図9、図11の左側のグラフは座標変換を行う前を、右側のグラフはy軸の座標変換を行った後を、それぞれ示している。グラフにプロットした四角のドットは感光ドラム102上の走査位置、丸のドットは理想の走査位置を表す。
図9(a)左のグラフから順に説明する。座標変換を行う前のグラフでは、丸でプロットした理想の走査位置は、例えば画素番号2に対して副走査方向の画素位置yが2となっており、画素番号nとy座標が等しく、傾き1の直線(一点鎖線で示す)である。一点鎖線の直線は、以下の式(7)で表される。
y=n・・・式(7)
y=n+S・・・式(8)
y’=y+C・・・式(9)
したがって、補正量Cはシフト量Sと以下の式(10)で表される。
C=−S・・・式(10)
y’=y+C=n+(−S)=n−S・・・式(11)
y’=y+C=(n+S)+C=(n+S)+(−S)=n・・・式(12)
図9(b)について、シフト量をS=−0.2とすれば、式(7)から式(12)が同様に成立して、図9(a)と同様に説明できる。なお、図9(a)、図9(b)に示すように、走査ライン間に疎密が発生しておらず進み方向又は戻り方向にシフトしている走査ラインの場合には、変換前後で直線が一定の傾きとなっている。
ここで、走査位置の疎密が発生する図11、及びシフトと疎密、図9、図11の組み合わせのケースにも適用できる座標変換について説明する。図10(a)は画素番号と走査位置の関係を示し、横軸は画素番号n、縦軸yは副走査方向の走査位置で、四角ドットは感光ドラム102上の走査位置をプロットしたものである。図10(a)では、画素番号n≦2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが密、画素番号n≧2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが疎の場合について説明する。
y=ft(n)・・・式(13)
次に、副走査方向の走査位置であるy軸の座標変換を行った後の関数をft’(n)で表すと、座標変換後の走査位置を表す関数ft’(n)は、次の式(14)で表される。
y’=ft’(n)・・・式(14)
ft’(n)=n・・・式(15)
式(15)は、例えば、画素番号2に対して、座標変換後の副走査方向の画素位置y’(=ft’(2))が2となることを意味する。
y=fs(n)・・・式(16)
また、本実施の形態において、入力された画像データの副走査方向の画素の間隔は均等なので、関数fs(n)は以下の式(17)で表される。
fs(n)=n・・・式(17)
入力された画像データの注目する画素番号nsに座標変換を行った後のy’座標の走査位置を、次の3つのステップにより求める。まず、1つめのステップでは、入力された画像データの画素番号nsに対応する理想の走査位置のy座標をysとすると、ysは、以下の式(18)により求めることができる。
ys=fs(ns)・・・式(18)
感光ドラム102上(実線)で座標変換を行う前の走査位置が等しい画素番号ntを求める(図10(c)の(1))。ここで、感光ドラム102上の走査位置は関数y=ft(n)で表され、ys=ft(nt)という関係が成り立つ。関数ft(n)の逆関数をft−1(y)とすると、画素番号ntは、以下の式(19)で表される。
nt=ft−1(ys)・・・式(19)
yt=ft’(nt)・・・式(20)
画素番号nsは任意に選んでも成立するので、画素番号nsから座標変換後のy’座標の位置ytを求める式が、入力された画像データの画素番号nから演算上のy’座標を求める関数fs’(n)に相当する。したがって、式(18)〜式(20)から、以下のように式(21)で表される一般式が導かれる。なお、座標変換後の破線で示す理想の走査位置を示す関数は、y’=fs’(n)で表される(図10(d)の(3))。
yt=fs’(ns)=ft’(nt)=ft’(ft−1(ys))
=ft’(ft−1(fs(ns)))
nsをnに一般化して、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))・・・式(21)
fs’(n)=ft−1(n)・・・式(22)
fs(n)=y=k×(n−n0)+y0・・・式(23)
入力された画像データのy軸の座標変換後の画素位置を求めるために、式(21)、式(22)から、逆関数((1/k)×(y−y0)+n0)を求めて、逆関数に画素番号nを代入すればよいので、以下の式(24)が導かれる。
y’=(1/k)×(n−y0)+n0・・・式(24)
図11(a)に示す走査ラインの間隔が密な状態、図11(b)に示す走査ラインの間隔が疎な場合、いずれも座標変換後の感光ドラム102上の走査ラインの位置は、式(24)で表すことができる。また、副走査方向の画素番号nの補正値Cnは、Cn=fs’(n)−fs(n)から求められる。
fs’(n)=(1/0.8)×(n−3)+3・・・式(25)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.00となり、補正値C3は0.00(=3.00−3.00)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=5.50となり、補正値C5は+0.50(=+5.50−5.00)となる。走査位置が密である場合の補正値C1〜C5の値を図13(c)に示す。
fs’(n)=(1/1.2)×(n−3)+3・・・式(26)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.000となり、補正値C3は0.000(=3.000−3.000)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=4.667となり、補正値C5は−0.333(=4.667−5.000)となる。走査位置が疎である場合の補正値C1〜C5の値を図13(d)に示す。
本実施の形態では、補正データを生成するためにフィルタ処理を実行する。ただし、本実施の形態では、フィルタ処理部501は、次のようなフィルタ関数による畳み込み演算でフィルタ処理を行う。即ち、フィルタ処理部501は、入力された画像データの画素の副走査方向の走査位置の補正による画素の副走査方向の画素位置と、座標変換によって走査ラインの間隔が均等に変換された画素の副走査位置との位置関係に基づいて、フィルタ処理を行う。なお、フィルタ処理前の画素を入力画素、フィルタ処理後の画素を出力画素ともいう。また、フィルタ処理前の画素は、上述した座標変換が行われた画素である。
図12(b)、図12(c)の式は以下の2つの式で表される。
本実施の形態では、a=−1、図12(b)はw=1、図12(c)はw=1.5としているが、各画像形成装置の電子写真的な特性に応じて、a、wを調整してもよい。フィルタ係数設定部504は、フィルタ関数出力部505から得たフィルタ関数の情報と、補正値設定部506から出力された補正値Cの情報と、に基づいて、フィルタ処理に用いられる係数(後述するk)をフィルタ処理部501に出力する。
本実施の形態の座標変換を行った後の座標位置に基づいて、式(27)の線形補間によるフィルタ関数で畳み込み演算を用いたフィルタ処理を行う具体例を、図13を用いて説明する。なお、畳み込み演算を用いたフィルタ処理は、フィルタ処理部501により実行される。図13は、図8に対応している。図13の左側の列は、上述した座標変換後の入力画素を示している。また、図13の右側の列は、上述した座標変換後の感光ドラム102上の走査位置を示している。即ち、図13の右側の列の走査位置が、均等な間隔で、且つ、距離1となるように座標変換されている。
図7の説明に戻る。図7のS3604でCPU303は、S3603で生成した補正用属性情報に基づき、フィルタ処理部501によりフィルタ処理を行う。詳細には、CPU303は、上述した入力画像への畳み込み演算と再サンプリングを行う。ここで、CPU303が実行するS3604の処理を示した図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。CPU303は、フィルタ処理部501により畳み込み演算によるフィルタ処理をスタートすると、S3703以降の処理を実行する。
ft−1(ymin)=yn−L、ft−1(ymax)=yn+L・・・式(30)
式(30)を変形することにより、ymin、ymaxは、以下の式(31)から求められる。
ymin=ft(yn−L)、ymax=ft(yn+L)・・・式(31)
したがって、注目する出力画像のラインynに対して抽出される入力画像のラインは、ymin〜ymaxの範囲の全ての整数のラインとなる。
dnm=yn−ft−1(ym)・・・式(32)
したがって、S3704でCPU303は、フィルタ係数設定部504により、畳み込み関数g(y)として係数knmを、以下の式(33)で求める。
knm=g(dnm)・・・式(33)
ここで、式(34)は、図13に対応しており、図13の左側の丸の濃さ(濃度)は、入力画素データPinmに対応し、図13(a)のD1やD2は、knm×Pinmに対応し、図13の右側の丸の濃さ(濃度)は、Poutnに対応している。
実施例1では、テストチャートをユーザやサービスマンが用いて目視判定し、ユーザインターフェースから、上述した振幅ゲインGbを入力する構成である。本実施例では、式(2)で説明したバンディング補正量を調整する(補正する)振幅ゲインGbを求める方法について詳細を説明する。
実施例2では、予め測定した焦点距離情報Δxb(b=1〜5)をメモリ302に格納し、焦点距離情報Δxbに基づいてバンディング補正量を調整する振幅ゲインGbを算出する方法について説明する。なお、焦点距離情報Δxbは、図17(a)で説明したαに相当する。実施例1と構成が異なる部分について詳細に説明し、同じ構成には同じ符号を用いて説明する。また、本実施例では、図1(b)において、CPU303へは画像データが入力され、振幅ゲインGbは入力されず、その他の感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成は、実施例1と同様である。
Gb=Δxb×R・・・式(35)
(b=1〜5)
このように、焦点距離誤差(ピントずれ量)が大きいと面倒れ量も大きくなるため、式(35)から面倒れ量が大きいと振幅ゲインGbも大きくなることがわかる。図16(A)に示すように、面倒れ量が小さいと振幅ゲインも小さく、図16(B)に示すように、面倒れ量が大きいと振幅ゲインも大きくなる。以降の振幅ゲインGbを用いた位置ずれ量の算出、及び、位置ずれ量を用いたフィルタ演算処理等は、実施例1と同様に動作するものとし、説明を省略する。
201 レーザ光源
204 回転多面鏡
302 メモリ
303 CPU
Claims (10)
- 複数の発光素子を有する光源と、第1の方向に回転し、前記光源から出射された光ビームにより潜像が形成される感光体と、前記光源から出射された光ビームをミラー面により偏向し、前記感光体に照射された光ビームのスポットを前記第1の方向に直交する第2の方向に移動させ走査線を形成する偏向手段と、を備える画像形成装置であって、
前記複数の発光素子の前記第1の方向の位置ずれに関する情報と、前記第2の方向に応じた前記偏向手段のミラー面の面倒れに関する情報と、を記憶した記憶手段と、
前記偏向手段と前記感光体との間の所定の距離からのずれ量に応じて、前記記憶手段に記憶された前記面倒れに関する情報を補正する補正手段と、
前記記憶手段に記憶された前記位置ずれに関する情報と、前記補正手段により補正された前記面倒れに関する情報と、に基づいて、位置ずれ量を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された位置ずれ量に応じて、前記感光体上の走査線の間隔が所定の間隔となるような座標変換を行うことにより、入力画像の画素の位置を変換する変換手段と、
前記座標変換後の入力画像の画素の位置に基づいて、入力画像の画素の画素値に畳み込み演算を行い、出力画像の画素の画素値を求めるフィルタ処理手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記記憶手段は、前記第2の方向において前記偏向手段の前記ミラー面を所定数のブロックに分割し、分割したブロックごとの前記面倒れに関する情報を記憶していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記所定の距離からのずれ量に応じて前記記憶手段に記憶された前記面倒れに関する情報を補正するためのゲインを設定する設定手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記画像形成手段により記録媒体の前記第1の方向に前記ゲインを異ならせた複数の画像を形成させ、前記ブロックごとに前記複数の画像の中から選択された画像に対応するゲインを設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記記憶手段は、前記所定の距離からのずれ量に関する情報を前記ブロックごとに予め記憶しており、
前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の距離からのずれ量に関する情報に基づき、前記面倒れに関する情報を補正するためのゲインを算出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs(n)とし、
前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft(n)とし、
前記座標変換後の前記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs’(n)とし、
前記座標変換後の前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft’(n)としたとき、
前記変換手段は、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、関数ft(n)の逆関数ft−1(n)を用いて、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))
から求めることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 関数fs(n)がfs(n)=nを満たし、且つ、関数ft’(n)がft’(n)=nを満たすとき、
前記変換手段は、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、
fs’(n)=ft−1(n)
から求めることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記フィルタ処理手段は、線形補間又はバイキュービック補間を用いて前記畳み込み演算を行うことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画素値は濃度値であり、
前記フィルタ処理手段は、前記畳み込み演算を行う前と行った後とで、所定面積あたりの濃度値が保存されることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記フィルタ処理手段は、前記畳み込み演算に用いる畳み込み関数の0でない範囲の前記第1の方向における幅を2Lとしたとき、前記出力画像の所定の画素の位置ynを中心とした前記2Lの幅の範囲に対応する前記入力画像の画素の範囲yminからymaxについて、
ymin=ft(yn−L)、
ymax=ft(yn+L)
と定義することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記所定の間隔は、前記画像形成装置による画像形成の解像度に応じて決定されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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