JP6632393B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

ディジタル複写機、複合機、レーザプリンタなど、二次元画像の画像形成における歪みや濃度むらを補正する画像形成装置に関する。
レーザプリンタや複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、レーザ光を走査する光走査装置を用いて、感光体上に潜像形成を行う方式が一般に知られている。レーザ走査方式の光走査装置では、コリメータレンズを用いて平行光にされたレーザ光を、回転多面鏡によって偏向し、偏向されたレーザ光を長尺のfθレンズを用いて感光体上に結像させる。また、1つのパッケージ内に複数の発光素子を有するマルチビーム光源を有し、複数のレーザ光を同時に走査するマルチビーム走査方式がある。
一方、濃度むらやバンディングのない良好な画像を形成するためには、各レーザ光の走査ライン間のピッチは感光体上で等間隔であることが望ましい。しかし、以下の複数の要因によって、走査ライン間のピッチの変動が発生する。例えば、走査ライン間のピッチの変動は、感光体の表面速度の速度変動や、回転多面鏡の回転速度変動等によって生じる。また、走査ライン間のピッチの変動は、回転多面鏡の回転軸に対する回転多面鏡のミラー面の角度のばらつきや、マルチビームレーザチップに配列された発光点の間隔のばらつきによっても生じる。このような要因により発生する濃度むらやバンディングに対して、光走査装置の露光量を制御することでバンディングを補正する技術が提案されている。例えば特許文献1では、感光体近傍に副走査方向のビーム位置検出手段を設け、検出されたビーム位置から得られた走査ピッチ情報に基づき、光走査装置の露光量を調整してバンディングを目立たなくする構成が記載されている。
特開2012−098622号公報
画像形成装置を形成する部品の寸法ばらつきなどの要因によって、光走査装置から出射された光ビームには、理想的なピントの位置から焦点深度方向に位置ずれが発生する。焦点深度方向に位置ずれが発生すると、バンディングの量が変化する。図17(a)に回転多面鏡のミラー面の傾きに応じた光路の様子を示す。例えば、図17(a)に示すように、感光体が所定の距離である距離Lfから±αずれた場合、副走査方向に±Δdの位置ずれが発生する。ジャストピント補正位置の面倒れ量は、図17(c)に示すように、レンズ1001によって補正されるが、距離Lfから±αずれた位置では図17(b)、図17(d)のようになる。このように、焦点深度方向に位置ずれが発生すると、副走査方向の位置ずれとなり、バンディングの量が変化する。
従来例では、部品の寸法ばらつき等の要因によって、焦点深度方向の位置ずれが発生した場合に、補正量に誤差を持つため補正残差が発生する。光線の位置を検出する位置検出手段を有する構成としても、位置検出手段の組み付け誤差等により、位置検出手段の焦点深度方向の位置と感光体の焦点深度方向の位置に差が生じた場合には、検出誤差が発生しバンディングを解消しきれないという課題がある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、画像形成装置側のばらつきや光走査装置の組み付け誤差により、光走査装置から照射された光ビームの感光体上でのピントずれが発生した場合でも、濃度むらを低減させることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)複数の発光素子を有する光源と、第1の方向に回転し、前記光源から出射された光ビームにより潜像が形成される感光体と、前記光源から出射された光ビームをミラー面により偏向し、前記感光体に照射された光ビームのスポットを前記第1の方向に直交する第2の方向に移動させ走査線を形成する偏向手段と、を備える画像形成装置であって、前記複数の発光素子の前記第1の方向の位置ずれに関する情報と、前記第2の方向に応じた前記偏向手段のミラー面の面倒れに関する情報と、を記憶した記憶手段と、前記偏向手段と前記感光体との間の所定の距離からのずれ量に応じて、前記記憶手段に記憶された前記面倒れに関する情報を補正する補正手段と、前記記憶手段に記憶された前記位置ずれに関する情報と、前記補正手段により補正された前記面倒れに関する情報と、に基づいて、位置ずれ量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された位置ずれ量に応じて、前記感光体上の走査線の間隔が所定の間隔となるような座標変換を行うことにより、入力画像の画素の位置を変換する変換手段と、前記座標変換後の入力画像の画素の位置に基づいて、入力画像の画素の画素値に畳み込み演算を行い、出力画像の画素の画素値を求めるフィルタ処理手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、画像形成装置側のばらつきや光走査装置の組み付け誤差により、光走査装置から照射された光ビームの感光体上でのピントずれが発生した場合でも、濃度むらを低減させることができる。
実施例1、2の画像形成装置全体を示す図、実施例1の感光ドラムと光走査装置周辺の構成を示す図 実施例1、2の画像形成装置のブロック図 実施例1、2の走査ラインの位置ずれを示す図 実施例1、2のメモリに情報を記憶する工程を説明するブロック図 実施例1、2の1走査期間のタイムチャート 実施例1、2の画像形成処理を示すフローチャート 実施例1、2の補正処理を示すフローチャート 実施例1、2の画素の位置ずれを分類ごとに示す図 実施例1、2の副走査方向の画素位置の座標変換を示す図 実施例1、2の副走査方向の画素位置の座標変換を示す図 実施例1、2の副走査方向の画素位置の座標変換を示す図 実施例1、2のフィルタ処理に用いる畳み込み関数を示す図、補正値と係数を説明する図 実施例1、2の位置ずれの分類ごとのフィルタ処理を示す図 実施例1、2のフィルタ処理を示すフローチャート 実施例1のテストチャートを示す図 実施例2の振幅ゲインと面倒れ量の関係、振幅ゲインと焦点距離情報の関係を示す図 従来例の回転多面鏡のミラー面と面倒れ量の関係を示す図
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。なお、レーザ光が走査される方向であって感光ドラムの回転軸方向を第2の方向である主走査方向、主走査方向に略直交する方向であって感光ドラムの回転方向を第1の方向である副走査方向とする。
<焦点深度方向の位置ずれに起因するバンディングの量の変化>
上述した焦点深度方向の位置ずれとバンディングの関係について詳しく説明する。画像形成装置を形成する部品の寸法ばらつきなどの要因によって、光走査装置から出射された光ビームには、理想的なピントの位置から焦点深度方向に位置ずれが発生する。焦点深度方向に位置ずれが発生すると、バンディングの量が変化する。焦点深度方向の位置ずれとバンディングの関係を以降で説明する。図17(a)に回転多面鏡のミラー面の傾きに応じた光路の様子を示す。図17(a)は、例えば、後述する図1(b)の感光ドラム102の回転軸方向から見た図である。回転多面鏡のミラー面が理想の角度となっている状態を基準とし、理想の状態の回転多面鏡のミラー面1002aから反射された光ビームの光路を、図17(a)中、光路Bで示す。理想の角度から傾いた、面倒れを起こしている回転多面鏡のミラー面1002bによって反射された光ビームは、光路Bに対して、光路Aで示される位置の異なる光路によって感光体に照射される。一般に、回転多面鏡のミラー面の面倒れによる光路のずれに対しては、光学的に光路の位置を合わせる面倒れ補正のための光学補正系のレンズ1001を設ける。レンズ1001を設けたことにより、理想的な焦点位置(ジャストピント補正位置ともいう)において面倒れによる位置ずれを補正することが可能となる。
図17(a)の例では、感光体の位置が理想的な状態の回転多面鏡のミラー面1002aを基準として距離Lfの位置にあるときに、レンズ1001によって光路Aが補正され位置ずれが解消される。レンズ1001は、面倒れが発生した回転多面鏡のミラー面1002bから反射された光ビームの光路Aを補正し、理想的な焦点位置である距離Lfにおいて、面倒れによる位置ずれを補正する。しかし、感光体の位置が回転多面鏡のミラー面に対して距離Lfの位置からずれた場合、レンズ1001ではこの位置ずれを解消することができない。ここで回転多面鏡のミラー面から感光体上までの距離を、距離xとする。
例えば、図に示すように、感光体が距離Lfから+αずれた場合、感光体上までの距離は、X=Lf+αとなる。このとき、面倒れが発生している回転多面鏡のミラー面1002bから反射された光ビームの光路Aは、距離X=Lf+αでは、副走査方向(図中y方向)に+Δdの位置ずれが発生する。また、例えば、感光体が距離Lfから−αずれた場合、感光体上までの距離は、X=Lf−αとなる。このとき、面倒れが発生している回転多面鏡のミラー面1002bから反射された光ビームの光路Aは、距離X=Lf−αでは、副走査方向に−Δdの位置ずれが発生する。
図17(b)から図17(d)は、横軸に回転多面鏡のミラー面を、縦軸に、回転多面鏡のミラー面の面倒れ量を示すグラフであり、以降、このグラフを面倒れプロファイルという。図17(b)は、理想的な焦点位置である距離Lfから+x方向に距離αだけピントがずれたときの面倒れプロファイルを示す。図17(c)は、ジャストピント補正位置である距離Lfの面倒れプロファイルを示し、レンズ1001によって位置ずれが解消されたプロファイルを示す。図17(d)は、ジャストピント補正位置である距離Lfから−x方向に距離αだけピントがずれたときの面倒れプロファイルを示す。図17(b)と図17(d)とでは、面倒れ量の正負が反転する。
また、副走査方向の位置ずれ量Δdは、ピントのずれ量、即ち、αが大きくなるにつれて増大する。そのため、回転多面鏡のミラー面の面倒れ量は、回転多面鏡のミラー面の角度と距離xの関係により一意に決まる。このように、焦点深度方向(x方向)に位置ずれ(α)が発生すると、副走査方向の位置ずれ(Δd)となり、バンディングの量が変化する。
<画像形成装置全体の構成>
図1(a)は、複数色のトナーを用いて画像形成を行うデジタルフルカラープリンタ(カラー画像形成装置)の概略断面図である。図1(a)を用いて実施の形態の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bk(破線部)が備えられている。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表しており、以下、特定の色について説明する場合を除き、添え字Y、M、C、Bkを省略する。
画像形成部101には感光体である感光ドラム102が備えられている。感光ドラム102の周りには、帯電装置103、光走査装置104、現像装置105がそれぞれ設けられている。また、感光ドラム102の周りには、クリーニング装置106が配置されている。感光ドラム102の下方には無端ベルト状の中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ108と従動ローラ109、110とに張架され、画像形成中は図中の矢印B方向(時計回り方向)に回転する。また、中間転写ベルト107(中間転写体)を介して、感光ドラム102に対向する位置には、一次転写装置111が設けられている。また、本実施の形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト107上のトナー像を記録媒体である用紙Sに転写するための二次転写装置112、用紙S上のトナー像を定着するための定着装置113を備える。
画像形成装置100の帯電工程から現像工程までの画像形成プロセスを説明する。各画像形成部101における画像形成プロセスは同一であるため、画像形成部101Yを例にして画像形成プロセスを説明し、画像形成部101M、101C、101Bkにおける画像形成プロセスについては説明を省略する。画像形成部101Yの帯電装置103Yにより、図中矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動される感光ドラム102Yを帯電する。帯電された感光ドラム102Yは、光走査装置104Yから出射される一点鎖線で示すレーザ光によって露光される。これにより、回転する感光ドラム102Y上(感光体上)に静電潜像が形成される。感光ドラム102Y上に形成された静電潜像は、現像装置105Yによってイエローのトナー像として現像される。画像形成部101M、101C、101Bkでも、同様の工程が行われる。
転写工程以降の画像形成プロセスについて説明する。転写電圧が印加された一次転写装置111は、画像形成部101の感光ドラム102上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を、中間転写ベルト107に転写する。これにより、中間転写ベルト107上で各色のトナー像が重ね合わされる。即ち、中間転写ベルト107に4色のトナー像が転写される(一次転写)。中間転写ベルト107上に転写された4色のトナー像は、二次転写装置112により、手差し給送カセット114又は給紙カセット115から二次転写部に搬送されてきた用紙S上に転写される(二次転写)。そして、用紙S上の未定着のトナー像は定着装置113で加熱定着され、用紙S上にフルカラー画像が得られる。画像が形成された用紙Sは排紙部116に排紙される。
<感光ドラムと光走査装置>
図1(b)に、感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成を示す。光走査装置104は、マルチビームレーザ光源(以下、レーザ光源)201と、コリメータレンズ202と、シリンドリカルレンズ203と、回転多面鏡204とを備える。レーザ光源201は、複数の発光素子によりレーザ光(光ビーム)を発生するマルチビームレーザ光源である。コリメータレンズ202は、レーザ光を平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向へ集光する。なお、本実施の形態ではレーザ光源201は複数のビームを配列したマルチビーム光源を例にして記載するが、単一の光源を用いた場合も同様に動作させるものとする。レーザ光源201は、マルチビームレーザ駆動回路(以下、単にレーザ駆動回路)304によって駆動される。回転多面鏡204は、回転動作するモータ部とモータ軸に取り付けられた反射ミラーからなる。以下、回転多面鏡204の反射ミラーの面を、ミラー面という。回転多面鏡204は、回転多面鏡駆動部(以下、ミラー駆動部)305によって駆動される。光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射するfθレンズ205、206を備える。また、光走査装置104は、種々の情報が格納された記憶手段であるメモリ302を有する。
更に、光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光を検知し、レーザ光を検知したことに応じて水平同期信号(以下、BD信号)を出力する信号生成手段であるBeam Detector207(以下、BD207)を備える。光走査装置104から出射したレーザ光は、感光ドラム102上を走査する。レーザ光が感光ドラム102の回転軸に対して平行に走査されるように、光走査装置104と感光ドラム102の位置決めがなされている。光走査装置104は、回転多面鏡204のミラー面が感光ドラム102上を1回走査する度に、マルチビームレーザの光ビームのスポットを主走査方向に走査させ、レーザ素子数分の走査ラインを同時に形成する。本実施の形態では、回転多面鏡204のミラー面数は5面であり、レーザ光源201は8つのレーザ素子を有する構成を例にして説明する。即ち、本実施の形態では、1回の走査で8ライン分の画像形成を行うため、回転多面鏡204は1回転あたり5回走査して、全部で40ライン分の画像形成を行う。
感光ドラム102は、回転軸にロータリーエンコーダ301を備えており、ロータリーエンコーダ301を用いて感光ドラム102の回転速度の検出が行われる。ロータリーエンコーダ301は、感光ドラム102が1回転する度に1000発のパルスを発生し、内蔵のタイマを用いて発生したパルスの時間間隔を測定した結果に基づく感光ドラム102の回転速度の情報(回転速度データ)をCPU303に出力する。なお、感光ドラム102の回転速度が検出できる構成であれば、前述したロータリーエンコーダ以外の公知の速度検出技術を用いてもよい。エンコーダ以外の方法としては、例えば、レーザドップラー等で感光ドラム102の表面速度を検出する等の方式がある。
<CPUのブロック図>
次に、図2を用いて、光走査装置104の制御を行うCPU303について説明する。図2は、後述する画像の歪みや濃度むらを補正する補正処理を実行するCPU303の機能をブロック図として示した図である。CPU303は、フィルタ処理部501と、誤差拡散処理部502と、PWM信号生成部503とを有する。フィルタ処理部501は、入力された画像データに畳み込み演算を行うことでフィルタ処理を行う。誤差拡散処理部502は、フィルタ処理後の画像データに誤差拡散処理を行う。PWM信号生成部503は、誤差拡散処理後の画像データにPWM変換を行い、光走査装置104のレーザ駆動回路304にPWM信号を出力する。
また、CPU303は、フィルタ係数設定部504と、フィルタ関数出力部505と、補正値設定部506とを有する。フィルタ関数出力部505は、畳み込み演算に用いられる関数のデータ(例えば、テーブルのデータ)をフィルタ係数設定部504に出力するもので、畳み込み演算に用いられる関数には、例えば線形補間やバイキュービック補間がある。補正値設定部506は、光走査装置104のメモリ302から読み込んだ、レーザ光源201の素子の位置ずれ量及び回転多面鏡204のミラー面の面倒れ量の情報と、面特定部507から入力された面同期信号とに基づいて、走査ラインの位置ずれ量を算出する。なお、後述する実施例1では、補正値設定部506は、後述するテストチャートの中から選択された画像に対応する振幅ゲインGbにより、回転多面鏡204のミラー面の面倒れ量を補正する。また、後述する実施例2では、メモリ302に記憶されている焦点距離情報Δxに基づき振幅ゲインGbを算出し、算出した振幅ゲインGbにより、回転多面鏡204のミラー面の面倒れ量を補正する。補正値設定部506は、走査ラインの位置ずれ量に基づいて補正値を算出し、算出した補正値をフィルタ係数設定部504に出力する。フィルタ係数設定部504は、フィルタ関数出力部505から入力された畳み込み関数の情報と、補正値設定部506から入力された走査ラインの補正値とに基づいて、フィルタ処理部501によるフィルタ処理に用いられるフィルタ係数を算出する。フィルタ係数設定部504は、算出したフィルタ係数をフィルタ処理部501に設定する。
更に、CPU303は、面特定部507を有する。面特定部507は、光走査装置104のホームポジションセンサ(以下、HPセンサとする)307から入力されたHP信号と、BD207から入力されたBD信号とに基づいて、回転多面鏡204のミラー面を特定する。面特定部507は、特定したミラー面の情報を面同期信号として補正値設定部506に出力する。
図1(b)に示すように、CPU303には、画像データを生成する不図示の画像コントローラから画像データが入力される。また、後述する実施例1では、CPU303には、後述する振幅ゲインGbも入力される。CPU303は、ロータリーエンコーダ301、BD207、メモリ302、レーザ駆動回路304、ミラー駆動部305と接続されている。CPU303は、BD207から入力されたBD信号に基づいて走査ラインの書き出し位置を検知し、BD信号の時間間隔をカウントすることで回転多面鏡204の回転速度を検知する。更に、CPU303は、回転多面鏡204が所定の速度となるように、ミラー駆動部305に加速減速を指示するための加速減速信号を出力する。ミラー駆動部305は、CPU303から入力された加速減速信号に応じて、回転多面鏡204のモータ部に駆動電流を供給し、モータ306を駆動する。
図2に示すように、回転多面鏡204にはHPセンサ307が搭載されており、HPセンサ307は回転多面鏡204が回転動作中に所定角度になったタイミングで、CPU303に対してHP信号を出力する。CPU303の面特定部507は、HPセンサ307からのHP信号を検知したタイミングで、回転多面鏡204の5つのミラー面のうち、どのミラー面でレーザ光を走査しているか、即ち走査中のミラー面を特定する。面特定部507は、一度、ミラー面が特定されると、それ以降はBD207から出力されるBD信号に基づいてミラー面を特定し続ける。回転多面鏡204の任意のミラー面がレーザ光を1回走査する度に、BD207はBD信号1パルスを出力するため、CPU303はBD信号をカウントすることで回転多面鏡204のミラー面を特定し続けることが可能となる。
メモリ302には、回転多面鏡204のミラー面ごとの位置情報と、マルチビームレーザの位置情報が各々格納されており、CPU303によって各情報が読み出される。CPU303は、メモリ302から読み出した情報に基づいて、各走査ラインの位置の算出を行い、算出された各走査ラインの位置と入力された画像データから、各走査ラインの位置を補正する情報を加味した画像データを算出する。CPU303は、各走査ラインの位置が補正された情報が加味された画像データに基づいて、レーザ駆動回路304に発光光量データを出力する。なお、本実施の形態では、レーザ駆動回路304は、CPU303から入力された発光光量データに基づき、PWM(パルス幅変調)制御により画素ごとの点灯時間を制御することで光量制御を行う。なお、光量制御を行う際には、必ずしもPWM制御を用いる必要はなく、画素ごとにピーク光量を制御するAM(振幅変調)制御により光量制御を行ってもよい。
<走査位置情報>
次に、図3、表1を用いて、メモリ302に格納された走査位置情報について説明する。図3は、各走査ラインの理想位置からの位置ずれの様子を示す。8つの発光点を有するマルチビームレーザの各レーザが走査する走査ラインを、LD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、LD7、LD8とする。ここで、各走査ラインの理想的な間隔は、解像度によって決定される。例えば解像度1200dpiの画像形成装置の場合、各走査ラインの理想的な間隔は、21.16μmとなる。LD1を基準位置とした場合、走査ラインLD1からの走査ラインLD2〜LD8の理想距離D2〜D8は式(1)で算出される。
Dn=(n−1)×21.16μm (n=2〜8)・・・式(1)
例えば、走査ラインLD1から走査ラインLD4までの理想距離D4は、63.48μm(=(4−1)×21.16μm)となる。
ここで、マルチビームレーザの素子間隔の誤差やレンズの倍率ばらつきによって、走査ラインの間隔は誤差を持つ。理想距離D2〜D8によって決まる理想位置に対する走査ラインLD2〜LD8の位置ずれ量を、X1〜X7とする。回転多面鏡204のA面目について、例えば、走査ラインLD2の位置ずれ量X1は、走査ラインLD2の理想位置(以下、ライン2、他の走査ラインについても同様とする)と実際の走査ラインとの差とする。また、例えば、走査ラインLD4の位置ずれ量X3は、ライン4と実際の走査ラインとの差とする。
回転多面鏡204は、回転多面鏡204の各ミラー面の製造ばらつきにより、回転軸に対するミラー面の角度が完全に平行にはならず、ミラー面ごとに角度のばらつきを有する。また各ミラー面におけるレーザ光の走査では、主走査方向の位置に応じてずれ量が異なる。本実施の形態では、主走査方向の画像領域を所定数のブロック、例えば5つのブロックに分割して、メモリ302にミラー面ごとに5つのブロックの各々に対応した面倒れ量を格納する。このように、ブロック単位で位置情報をメモリ302に格納しておくことで、画素ごとに位置情報を保持しておく場合に比べて、容量の削減が可能となる。
回転多面鏡204の各ミラー面における理想位置に対する面倒れ量は、回転多面鏡204のミラー面数が5面、主走査方向におけるブロック数が5つの場合、Y1A〜Y5Eで表わされる。ここで、A〜Eは回転多面鏡204の5つの面を表し、1〜5は主走査方向の5つのブロックを表している。例えば、回転多面鏡204のA面目のLD1の走査ライン(ライン1)の1〜5ブロック目の理想位置からの面倒れ量を、Y1A、Y2A、Y3A、Y4A、Y5Aと表す。同様に、回転多面鏡204のB面目のLD1の走査ライン(ライン9)の1〜5ブロック目の理想位置からのずれ量を、Y1B、Y2B、Y3B、Y4B、Y5Bと表す。
本実施の形態では、上述した面倒れ量Y1A〜Y5Eと、振幅ゲインGbを積算した量とに基づいて、位置ずれ量を算出する。本実施の形態では、光走査装置104単品で測定した面倒れ量(Y1A〜Y5E)に、画像形成装置100側から振幅ゲインGbを入力することが可能である構成とし、バンディングを補正するための補正量を調整する。また、振幅ゲインGbは、図17(a)で説明した光走査装置104の光路Aの理想の光路Bからの位置ずれ量(上述した±Δdであり面倒れ量でもある)によって決まる値である。振幅ゲインGbの決定方法は、後述する実施例において説明する。
回転多面鏡204のm面目のミラー面、マルチビームのn番目のレーザ光の主走査方向におけるbブロック目の位置ずれ量と面倒れ量の総和の位置ずれ量(以下、単に位置ずれ量という)をZnbmとする。そうすると、位置ずれ量Znbmは、各走査ラインの副走査方向の位置ずれ量X1〜X7と、各ミラー面の面倒れ量YA〜YEと、振幅ゲインGbを用いて式(2)で表わされる。
Znbm=Ybm×Gb+X(n−1)…式(2)
(n=1〜8、b=1〜5、m=A〜E)(ただし、X(0)=0とする)
例えば、回転多面鏡204のA面目の走査ラインLD4の3ブロック目についての位置ずれ量Z43Aは、式(2)からZ43A=Y3A×G3+X3と求められる。また、回転多面鏡204のB面目の走査ラインLD1の5ブロック目についての位置ずれ量Z15Bは、式(2)からZ15B=Y5B×G5と求められる。式(2)の右辺の第一項の「Ybm×Gb」は、回転多面鏡204のミラー面の面倒れ量を、振幅ゲインGbを用いて補正した面倒れ量である。
式(2)の演算で位置ずれ量Znbmを算出する場合、位置ずれ量Znbmの算出に用いられるデータは、回転多面鏡204のミラー面の数とマルチビームレーザの素子数、主走査方向のブロック数に対応したデータ数を有していればよい。ここで、表1にメモリ302に格納される位置ずれデータのアドレスマップを示す。
Figure 0006632393
表1に示すように、メモリ302のアドレス1からアドレス7までには、走査ラインLD2から走査ラインLD8までの位置ずれ量(位置情報と記す)X1〜X7の情報が格納されている。また、メモリ302のアドレス8からアドレス12までには、回転多面鏡204のミラー面のA面目のブロック1からブロック5までの位置ずれ量Y1A〜Y5Aの情報が格納されている。また、メモリ302のアドレス13からアドレス17までには、回転多面鏡204のミラー面のB面目のブロック1からブロック5までの位置ずれ量Y1B〜Y5Bの情報が格納されている。また、メモリ302のアドレス18からアドレス22までには、回転多面鏡204のミラー面のC面目のブロック1からブロック5までの位置ずれ量Y1C〜Y5Cの情報が格納されている。また、メモリ302のアドレス23からアドレス27までには、回転多面鏡204のミラー面のD面目のブロック1からブロック5までの位置ずれ量Y1D〜Y5Dの情報が格納されている。更に、メモリ302のアドレス28からアドレス32までには、回転多面鏡204のミラー面のE面目のブロック1からブロック5までの位置ずれ量Y1E〜Y5Eの情報が格納されている。
(メモリ格納動作)
メモリ302に格納される位置ずれ量の情報は、例えば工場等での光走査装置104の調整工程で測定されたデータを格納するものとする。また、画像形成装置内部にレーザ光源201から出射されたレーザ光により走査される走査ラインの位置を検知する手段を備え、メモリ302に格納されている情報をリアルタイムに更新する構成としてもよい。走査光の副走査方向の位置検出手段としては、公知の技術を用いてよい。例えば、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したCMOSセンサやPSD(Position Sensitive Detector)によって位置検出を行う方法でもよい。また、光走査装置内部や感光ドラム近傍に配置したPD(photo diode)面上に三角スリットを配置してPDの出力パルス幅から位置検出を行う方法でもよい。
図4は、一例として、工場等で光走査装置104のメモリ302に情報を格納する際のブロック図を示す。なお、図2と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。光走査装置104の調整工程において、光走査装置104が画像形成装置に搭載されたときの感光ドラムの位置に相当する位置に、測定工具400を配置する。測定工具400は、測定部410と演算部402を備えており、演算部402は、図2のCPU303の面特定部507から面同期信号が入力されるように構成されている。なお、図4のCPU303には、面特定部507のみ描画している。まず、光走査装置104から測定部410にレーザ光を照射させる。測定部410は、三角スリット411とPD412を有しており、図中、一点鎖線矢印で示す光走査装置104から走査された光ビームが三角スリット411上を走査する。測定部410は、三角スリット411を介してPD412に入力された光ビームの情報に基づき、走査ラインの副走査方向の位置を測定する。測定部410は、測定した回転多面鏡204のミラー面ごとの走査ラインの、主走査方向に依存する副走査方向の位置の情報(以下、面ごとデータという)を、演算部402に出力する。
一方、面特定部507には、光走査装置104のHPセンサ307からHP信号が入力され、BD207からBD信号が入力されている。これにより、面特定部507は、回転多面鏡204のミラー面を特定し、特定したミラー面の情報を、面同期信号として演算部402に出力する。演算部402は、面特定部507から入力された回転多面鏡204のミラー面の情報に応じた光走査装置104のメモリ302上のアドレスに、測定部410により測定した走査ラインの、主走査方向に依存する副走査方向の位置の情報を書き込む。このように、レーザ光源201の8つの素子のばらつきにより生じる走査ラインの位置ずれ量の情報(X1〜X7)がメモリ302に格納される。また、回転多面鏡204のミラー面の面倒れにより生じる走査ラインのブロックごとの位置ずれ量の情報(Y1A〜Y5E)も、メモリ302に格納される。
<位置ずれ量算出方法>
図5は、本実施の形態の副走査方向におけるn番目のレーザ光の1走査期間内の制御タイミングを示す。(1)は1画素あたりの画素周期に対応したCLK信号を示しており、(2)はCPU303に対するBD207からのBD信号の入力タイミングを示している。(3)、(5)は、CPU303に対する、フィルタ演算前の画像データDATAN(N=1,2,・・・)の入力タイミングを示している。(4)は各画素に対応した位置ずれ量CnN(N=1,2,・・・)が算出されるタイミングを示している。(6)は、フィルタ演算処理が施された画像データDATAN’(N=1,2,・・・)がレーザ駆動回路304に出力されるタイミングを示している。なお、DATAN、DATAN’の末尾のNは、主走査方向の1走査ライン中の画素の番号を表している。
BD207から出力されるBD信号を基準としたときに、BD信号が出力されたタイミングから、レーザ光が感光ドラム102の主走査方向における画像領域の先端に到達するタイミングまでの時間をT1とする。また、BD信号が出力されたタイミングから、レーザ光が感光ドラム102の主走査方向における画像領域の終端に到達するタイミングまでの時間をT2とする。画像形成装置は、CPU303によりBD信号を検知した後、所定時間T1が経過するまで待機した後、画像形成を開始し、BD信号を検知してから所定時間T2が経過した後に、1走査ラインの画像形成を終了する。CPU303は、走査ごとに、所定時間T1が経過してから所定時間T2が経過するまでの間、即ち、画像領域で、走査ラインの位置ずれ量を算出し、フィルタ処理部501によるフィルタ処理後の画像データをレーザ駆動回路304に送信し、画像形成を行う。ここで、(1)のCLK信号の1周期分の時間で、注目画素に対する位置ずれ量を算出する。また、(1)のCLK信号の1周期分の時間で、注目画素に対するフィルタ処理がフィルタ処理部501によって行われる。そして、フィルタ演算前の画像データが入力されて1クロック後に、フィルタ演算後の画像データがレーザ駆動回路304に出力される(図5破線枠部)。ΔTは、BD207から出力されるBD信号の時間間隔であり、1走査あたりの時間である。
本実施の形態では、図5の(4)に示す各画素の位置ずれ量(CnN)は、主走査方向に分割された5つのブロック(b=1〜5)の位置ずれ量を用いて算出される。各画素の位置ずれ量は、各ブロックの位置ずれ量を線形補間し、各画素の位置ずれ量に振り分けた値を用いてもよい。このように、主走査方向の1つの画素に1つの位置ずれ量が対応するようにしてもよいし、複数の画素に1つの位置ずれ量が対応するようにしてもよい。以上の動作により、CPU303は時間T1から時間T2の間で、位置ずれ量の算出、フィルタ処理及びレーザ駆動回路304への画像データの送信を行って、1走査分の画像形成を行う。
(N画素目の位置ずれ量の算出)
図6は、CPU303が実行する、主走査方向のN番目の画素(N画素目ともいう)の位置ずれ量を算出しながら画像形成を行う処理を示すフローチャートである。CPU303は、画像形成時に走査ラインごとに位置ずれ量の算出を行い、画像形成を行う。ステップ(以下、Sとする)7001でCPU303は、副走査方向の位置n=1とする。S7002でCPU303は、BD207からBD信号が入力されたか否かを判断する。S7002でCPU303は、BD信号が入力されたと判断した場合は、BD信号の周期である時間間隔を計測している不図示のタイマを停止し、タイマ値を読み出し、内部レジスタに保存する。そして、CPU303は、次のBD信号を受信するまでの時間間隔を計測するため、不図示のタイマをリセットしてスタートさせ、処理をS7003に進める。なお、CPU303が不図示のタイマを2つ以上有している場合には、BD信号を受信する度に異なるタイマを交互に使用して、時間測定を行うようにしてもよい。また、ここでは、計測されたBD信号の時間間隔をCPU303の内部レジスタに保存しているが、例えばCPU303の不図示のRAMメモリに保存するようにしてもよい。S7002でCPU303は、BD信号が入力されていないと判断した場合は、BD信号が入力されるのを待つために、処理をS7002に戻す。
S7003でCPU303は、タイマを参照することにより、BD信号を検知してから時間T1が経過したか否かを判断する。S7003でCPU303は、時間T1が経過したと判断した場合は、主走査方向における画像領域に入ったと判断し、処理をS7004に進める。S7003でCPU303は、時間T1が経過していないと判断した場合は、まだ主走査方向における非画像領域であると判断し、処理をS7003に戻す。S7004でCPU303は、変数N=1と設定する。ここで変数Nは、主走査方向における画像書き出し先頭の画素からの画素番号に対応した変数である。S7005でCPU303は、主走査方向におけるN画素目の位置ずれ量(CnN)を算出し(図5(4))、位置ずれ量に基づいて画像データに対してフィルタ処理を行う(図5(5)、(6))。S7006でCPU303は、N=14000であるか否かを判断し、N=14000であると判断した場合は、処理をS7008に進める。S7006でCPU303は、N=14000ではないと判断した場合、処理をS7007に進める。S7007でCPU303は、Nに1を加算し(N=N+1)、主走査方向における次の画素についての演算を行うために、処理をS7005に戻す。ここで、例えば、A4サイズの記録紙(主走査方向の長さを297mmとする)に1200dpiの解像度で画像形成を行う場合、画素数は約14000となる。このため、主走査方向において、画素番号NをN=1〜14000まで変化させて各画素の位置ずれ量を算出することで、1走査分の位置ずれ量の演算を行うものとする。なお、解像度が変更されると、S7006の閾値も解像度に応じた値となる。
S7008でCPU303は、副走査方向の位置nに1を加算し(n=n+1)、処理をS7009に進める。S7009でCPU303は、副走査方向の位置nに基づいて1ページ分の処理が終了したか否かを判断し、終了したと判断した場合は処理を終了し、終了していないと判断した場合は、処理をS7002に戻す。
(位置ずれ量の算出)
S7005でCPU303が算出する位置ずれ量CnNの計算式について詳しく説明する。n番目の走査ラインの主走査方向の画素番号Nに対する位置ずれ量CnNは、次のようにして求められる。即ち、感光ドラム102や回転多面鏡204の回転速度の変動による位置ずれ量Aと走査ラインごとの主走査方向に依存する位置ずれ量Bを加算して、位置ずれ量の総和を算出することにより求められる。感光ドラム102の回転速度をVd、回転多面鏡204の回転速度をVp、1走査時間をΔT(図5参照)とすると、感光ドラム102の回転速度Vdと回転多面鏡204の回転速度Vpの速度差から生じる位置ずれ量Aは以下の式(3)から算出される。
A=(Vd−Vp)×ΔT・・・式(3)
ここで、ΔTはBD信号の出力タイミングの間隔に対応した時間であり、位置ずれ量Aは、感光ドラム102の回転速度Vdと回転多面鏡204の回転速度Vpとの差によって、1走査期間の間に移動する走査ラインの位置ずれ量を示す。ここで、上述したように、回転多面鏡204の回転速度Vpは、印字速度Vprに基づき求められる。そして、印字速度Vprは、1走査時間ΔTと、マルチビーム数(本実施の形態では8ビーム)の関係から、式(4)、式(5)によって決まる。
Vp=ビーム数×21.16÷ΔT・・・式(4)
ΔT=1÷(回転多面鏡204のミラー面数×回転多面鏡204の1秒間あたりの回転数)・・・式(5)
一方、位置ずれ量Bは、上述した式(2)から算出された値を用いる。
B=Znbm・・・式(6)
CPU303は、式(3)から算出した位置ずれ量Aと式(6)から算出した位置ずれ量Bとを加算し、位置ずれ量の総和(合計値=A+B)を算出する。CPU303は、S7005で算出した合計の位置ずれ量をCPU303の内部レジスタに保持する。ここで、レジスタに保持された位置ずれ量(=A+B)は、後述するフィルタ処理時に読み出されて演算に用いられる。
なお、本実施の形態では、複数の走査ラインの画像データと位置ずれ量に基づいて、フィルタ演算を行う。例えば、フィルタ演算の範囲をL=3とした場合、注目ラインから上下3画素の画像データを参照し、注目ラインと上下3画素の範囲における各走査ラインの位置ずれ量を算出し、フィルタ演算を行うものとする。
ここで、注目ラインに対応した走査ラインの位置ずれ量は、画像形成直前の期間において算出される。また、注目ラインより前に走査された走査ラインに対しては、前に走査された走査ラインについて算出された位置ずれ量の算出結果を用いるものとする。注目ラインより後のタイミングで走査される走査ラインについては、後で走査される走査ラインに対応する回転多面鏡204のミラー面の情報とマルチビームの位置情報に基づいて位置ずれ量Bが求められる。また、回転多面鏡204の回転速度Vp、感光ドラム102の回転速度Vdについては、次のようにして求めるものとする。即ち、前にレーザ光を走査したタイミングで検出された値と、注目ライン(現在の走査ライン)が走査したタイミングで検出された値に基づいて、次に走査される走査ラインにおける回転速度Vp、Vdを各々予測して求めるものとする。
(入力画像の画素の副走査方向の位置の補正)
本実施の形態では、CPU303は、レーザ光による走査ラインの副走査方向の位置ずれ量に基づいて、画像データに対して補正を行い、補正した画像データをレーザ駆動回路304に出力する。以下、図7のフローチャートについて説明する。図7は、副走査方向の位置ずれに起因して発生する濃度むらやバンディングを補正するための補正処理を説明するフローチャートである。S3602でCPU303は、メモリ302に格納された副走査方向の位置ずれ量、面倒れ量を読み出す。具体的には、CPU303は、表1で説明したLD2〜LD8の位置情報X1〜X7と、回転多面鏡204のA〜E面目の各部ブロックに応じた位置情報Y1A〜Y5Eをメモリ302から読み出す。なお、後述する実施例2の場合、CPU303は、メモリ302から焦点距離情報Δx1〜Δx5も読み出す。本実施の形態では、副走査方向の位置ずれ量に基づいて、入力された画像データの副走査方向の画素位置に対して補正を行った後、フィルタ処理を行うことによって画素データ、即ち濃度を出力する。
(走査ラインの位置ずれの状態)
走査ラインの位置ずれの状態は略4つに分類できる。まず、位置ずれの状態には、(a)感光ドラム102上の走査ラインの位置(以下、走査位置)が理想の走査位置に対して進み方向にシフトする場合、(b)感光ドラム102上の走査位置が理想の走査位置に対して戻り方向にシフトする場合がある。また、位置ずれの状態には、(c)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して密になる場合、逆に、(d)感光ドラム102上の走査位置の間隔が理想の走査位置の間隔に対して疎になる場合がある。これらの副走査方向の位置ずれの状態の具体例を図8に示す。図中、破線は走査位置を示し、図中(1)〜(5)は走査の順番を示す。本実施の形態では8ビームを同時に走査するが、副走査方向に順に並ぶ1ビームずつに順番を振ったものとして説明する。図8の左側の列が理想の走査位置、右側の列が感光ドラム102上の走査位置を示す。走査番号(1)〜(5)に対して、S1〜S5は理想の走査位置からの位置ずれ量を示す。位置ずれ量の単位は、理想のビーム間隔(1200dpiで21.16μm)を1としたときを基準に表し、副走査方向における光ビームの進み方向(以下、単に進み方向という)を正の値としている。また、副走査方向における光ビームの戻り方向(以下、単に戻り方向という)を負の値としている。更に、画像の様子を説明するために副走査方向に並ぶ1画素を走査線上に丸で示す。丸の色は濃度を表す。
図8(a)は、感光ドラム102上の走査位置が、理想の走査位置から進み方向に一律に0.2ずつシフトしている例を示している。以降、図8(a)のような位置ずれ量を、+0.2のシフト量という。図8(b)は、感光ドラム102上の走査位置が、理想の走査位置から戻り方向に一律に0.2ずつシフトしている例を示している。以降、図8(b)のような位置ずれ量を、−0.2ラインのシフト量という。図8(a)、図8(b)は、走査位置が一律にシフトしているため、感光ドラム102上の走査位置の間隔はいずれも1となっている。
図8(c)は、感光ドラム102上の所定の走査位置では、位置ずれ量が0である。しかし、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が前に戻るほど進み方向への位置ずれ量が大きくなり、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が後に進むほど戻り方向への位置ずれ量が大きくなる。例えば、走査番号(3)ではS3=+0であるが、走査番号(2)ではS2=+0.2、走査番号(1)ではS1=+0.4となり、走査番号(4)ではS4=−0.2、走査番号(5)ではS5=−0.4となる。図8(c)では、走査位置の間隔が1よりも小さい0.8となっている。以降、図8(c)のような位置ずれの状態を、(1−0.2)ラインの間隔で密、という。
図8(d)は、感光ドラム102上の所定の走査位置では、位置ずれ量が0である。しかし、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が前に戻るほど戻り方向への位置ずれ量が大きくなり、位置ずれ量0の走査位置から走査位置が後に進むほど進み方向への位置ずれ量が大きくなる。例えば、走査番号(3)ではS3=+0であるが、走査番号(2)ではS2=−0.2、走査番号(1)ではS1=−0.4となり、走査番号(4)ではS4=+0.2、走査番号(5)ではS5=+0.4となる。図8(d)では、走査位置の間隔が1よりも大きい1.2となっている。以降、図8(d)のような位置ずれの状態を、(1+0.2)ラインの間隔で疎、という。
図8(c)のような密の状態では、位置ずれが生じているだけでなく、走査位置の間隔が密になることによって感光ドラム102上で画素が密集し、所定面積あたりの画素値が増えることで濃度が濃くなる。逆に図8(d)のような疎の状態では、位置ずれが生じているだけでなく、走査位置の間隔が疎になることによって感光ドラム102上で画素が疎となって、所定面積あたりの画素値が減って濃度が薄くなる。電子写真プロセスにおいては、潜像電位の深さと現像特性の関係により濃淡差が更に強調されることがある。また、図8(c)、図8(d)のような疎密が交互に発生すれば周期的な濃淡がモアレとなり、空間周波数によっては同じ量でも視覚的に検知されやすくなる。
図7のフローチャートの説明に戻る。S3603でCPU303は、補正値設定部506により入力画像の各画素に対する補正用属性情報を生成する。本実施の形態では、入力画像の副走査方向の画素位置を予め座標変換してから、補間することにより、位置ずれの補正と共に、入力画像の濃度を保存しながら局所的な濃淡の補正も同時に行うことを可能にする。ここで、補正用属性情報とは、具体的には、後述する補正値CnNのことである。なお、nは副走査方向における走査ライン(又は画素)の番号を示し、Nは主走査方向における画素の番号を示す。補正値CnNとは、副走査方向のn番目の走査ラインにおける主走査方向のN番目の画素の補正値を意味する。以降の説明では、各走査ラインの主走査方向のN番目の画素について説明することとし、補正値CnNを、単にCとしたりCnとしたりする。
(座標変換)
本実施の形態の座標変換の方法を、図9〜図11を用いて説明する。図9〜図11のグラフは、横軸を画素番号n、縦軸を副走査方向の画素位置(走査位置でもある)y(座標変換後はy’)としており、単位はラインとしている。また、図9、図11は、それぞれ図8(a)〜図8(d)に対応している。図9、図11の左側のグラフは座標変換を行う前を、右側のグラフはy軸の座標変換を行った後を、それぞれ示している。グラフにプロットした四角のドットは感光ドラム102上の走査位置、丸のドットは理想の走査位置を表す。
(進み方向及び戻り方向にシフトしている場合)
図9(a)左のグラフから順に説明する。座標変換を行う前のグラフでは、丸でプロットした理想の走査位置は、例えば画素番号2に対して副走査方向の画素位置yが2となっており、画素番号nとy座標が等しく、傾き1の直線(一点鎖線で示す)である。一点鎖線の直線は、以下の式(7)で表される。
y=n・・・式(7)
丸でプロットした理想の走査位置に対して、四角でプロットした走査位置は、図8(a)で説明したように、進み方向(y軸+方向)にS(=0.2)ラインだけシフトしている。このため、四角でプロットした走査位置は、傾きは1のまま、オフセットした次の式(8)で表される直線(実線で示す)となる。
y=n+S・・・式(8)
本実施の形態では、実際の走査位置が理想の走査位置に変換されるように座標変換を行うため、図9(a)に示す例の場合、以下の式を用いて座標変換を行えばよい。なお、式(9)のCが補正量となる。
y’=y+C・・・式(9)
したがって、補正量Cはシフト量Sと以下の式(10)で表される。
C=−S・・・式(10)
座標変換の式(9)と補正量Cを求める式(10)により、式(7)、式(8)はそれぞれ以下の式(11)、式(12)のように変換される。
y’=y+C=n+(−S)=n−S・・・式(11)
y’=y+C=(n+S)+C=(n+S)+(−S)=n・・・式(12)
図9(b)について、シフト量をS=−0.2とすれば、式(7)から式(12)が同様に成立して、図9(a)と同様に説明できる。なお、図9(a)、図9(b)に示すように、走査ライン間に疎密が発生しておらず進み方向又は戻り方向にシフトしている走査ラインの場合には、変換前後で直線が一定の傾きとなっている。
(疎密が発生している場合)
ここで、走査位置の疎密が発生する図11、及びシフトと疎密、図9、図11の組み合わせのケースにも適用できる座標変換について説明する。図10(a)は画素番号と走査位置の関係を示し、横軸は画素番号n、縦軸yは副走査方向の走査位置で、四角ドットは感光ドラム102上の走査位置をプロットしたものである。図10(a)では、画素番号n≦2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが密、画素番号n≧2の範囲では感光ドラム102上の走査ラインが疎の場合について説明する。
図10(a)に示すように、画素番号n≦2では密、画素番号n≧2では疎、となっている場合、画素番号n≦2での直線の傾きと、画素番号n≧2での直線の傾きは異なり、画素番号n=2において屈曲した形状となっている。図10(a)では、四角ドットを通る走査位置の変化を表す関数をft(n)とし、実線で表す。走査位置を表す関数ft(n)は、次の式(13)で表される。
y=ft(n)・・・式(13)
次に、副走査方向の走査位置であるy軸の座標変換を行った後の関数をft’(n)で表すと、座標変換後の走査位置を表す関数ft’(n)は、次の式(14)で表される。
y’=ft’(n)・・・式(14)
本実施の形態では、座標変換後の走査位置が均等になるように、y軸を伸縮したり、シフトしたりして、座標変換を行う。このため、座標変換後の走査位置を表す関数ft’(n)は、以下の式(15)で表される条件を満たす。
ft’(n)=n・・・式(15)
式(15)は、例えば、画素番号2に対して、座標変換後の副走査方向の画素位置y’(=ft’(2))が2となることを意味する。
図10(a)、図10(b)間を結ぶ破線は左から右へ、y軸の元の座標位置から座標変換後のy’軸の座標位置との対応を示し、座標変換前後でy軸の下半分(n≦2に対応)が伸長、上半分(n≧2に対応)は縮小している様子を示す。図10(a)から図10(b)の座標変換によって、入力された画像データの各画素の座標変換後の座標を求める手順を図10(c)、図10(d)で説明する。図10(c)、図10(d)は、図10(a)、図10(b)と同様に、横軸は画素番号n、縦軸y(又はy’)は副走査方向の走査位置を示し、図10(c)は座標変換前、図10(d)は座標変換後を示す。入力された画像データの画素番号nと座標位置yの関係を以下に示す。まず、図10(c)に示す破線は、座標変換前の理想の走査位置を表す関数fs(n)であり、以下の式(16)で表される。
y=fs(n)・・・式(16)
また、本実施の形態において、入力された画像データの副走査方向の画素の間隔は均等なので、関数fs(n)は以下の式(17)で表される。
fs(n)=n・・・式(17)
入力された画像データの注目する画素番号nsに座標変換を行った後のy’座標の走査位置を、次の3つのステップにより求める。まず、1つめのステップでは、入力された画像データの画素番号nsに対応する理想の走査位置のy座標をysとすると、ysは、以下の式(18)により求めることができる。
ys=fs(ns)・・・式(18)
感光ドラム102上(実線)で座標変換を行う前の走査位置が等しい画素番号ntを求める(図10(c)の(1))。ここで、感光ドラム102上の走査位置は関数y=ft(n)で表され、ys=ft(nt)という関係が成り立つ。関数ft(n)の逆関数をft−1(y)とすると、画素番号ntは、以下の式(19)で表される。
nt=ft−1(ys)・・・式(19)
2つめのステップでは、感光ドラム102上の走査位置の画素番号ntに対応する座標変換後のy’座標(ytとする)を、座標変換後の関数ft’(n)を用いて次の式(20)により求める(図10(d)の(2))。
yt=ft’(nt)・・・式(20)
画素番号nsは任意に選んでも成立するので、画素番号nsから座標変換後のy’座標の位置ytを求める式が、入力された画像データの画素番号nから演算上のy’座標を求める関数fs’(n)に相当する。したがって、式(18)〜式(20)から、以下のように式(21)で表される一般式が導かれる。なお、座標変換後の破線で示す理想の走査位置を示す関数は、y’=fs’(n)で表される(図10(d)の(3))。
yt=fs’(ns)=ft’(nt)=ft’(ft−1(ys))
=ft’(ft−1(fs(ns)))
nsをnに一般化して、
fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))・・・式(21)
また、入力された画像データの画素間隔、及び座標変換後の走査位置の間隔を均等で、距離1とした式(17)、式(15)を式(21)に代入する。そうすると、式(21)は、画素番号nから走査位置を導く関数ft(n)の逆関数ft−1(n)を用いて、式(22)のように表される。
fs’(n)=ft−1(n)・・・式(22)
図9(a)、図9(b)に示した走査位置が進み方向、戻り方向に一律にシフトした式(8)と、入力された画像データの座標変換後の位置を求める式(11)も逆関数の関係にあり、式(22)の成立を確認できる。また、図11(a)、図11(b)に示すような走査位置に疎密が発生する場合に適用すると、座標変換前の走査位置を表す関数yは、(n0、y0)を通過する傾きkの直線とする場合、以下の式(23)で表せる。
fs(n)=y=k×(n−n0)+y0・・・式(23)
入力された画像データのy軸の座標変換後の画素位置を求めるために、式(21)、式(22)から、逆関数((1/k)×(y−y0)+n0)を求めて、逆関数に画素番号nを代入すればよいので、以下の式(24)が導かれる。
y’=(1/k)×(n−y0)+n0・・・式(24)
図11(a)に示す走査ラインの間隔が密な状態、図11(b)に示す走査ラインの間隔が疎な場合、いずれも座標変換後の感光ドラム102上の走査ラインの位置は、式(24)で表すことができる。また、副走査方向の画素番号nの補正値Cnは、Cn=fs’(n)−fs(n)から求められる。
具体的には、図11(a)では、n0=y0=3、k=0.8であり、
fs’(n)=(1/0.8)×(n−3)+3・・・式(25)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.00となり、補正値C3は0.00(=3.00−3.00)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=5.50となり、補正値C5は+0.50(=+5.50−5.00)となる。走査位置が密である場合の補正値C1〜C5の値を図13(c)に示す。
また、図11(b)では、n0=y0=3、k=1.2であり、
fs’(n)=(1/1.2)×(n−3)+3・・・式(26)
となる。例えば、画素番号3では、fs’(3)=3.000となり、補正値C3は0.000(=3.000−3.000)となる。また、画素番号5では、fs’(5)=4.667となり、補正値C5は−0.333(=4.667−5.000)となる。走査位置が疎である場合の補正値C1〜C5の値を図13(d)に示す。
また、走査ラインに疎密やシフトが混在していても、式(21)又は式(22)を用いることにより、座標変換後の理想の走査位置を求めることができる。補正値設定部506は、位置ずれ量に基づき理想の走査位置を座標変換して補正値CnNを求めて、補正値CnNの情報をフィルタ係数設定部504に出力する。
(フィルタ処理)
本実施の形態では、補正データを生成するためにフィルタ処理を実行する。ただし、本実施の形態では、フィルタ処理部501は、次のようなフィルタ関数による畳み込み演算でフィルタ処理を行う。即ち、フィルタ処理部501は、入力された画像データの画素の副走査方向の走査位置の補正による画素の副走査方向の画素位置と、座標変換によって走査ラインの間隔が均等に変換された画素の副走査位置との位置関係に基づいて、フィルタ処理を行う。なお、フィルタ処理前の画素を入力画素、フィルタ処理後の画素を出力画素ともいう。また、フィルタ処理前の画素は、上述した座標変換が行われた画素である。
本実施の形態の畳み込み関数は、図12(a)に示す線形補間、図12(b)、図12(c)に示すバイキュービック補間から選択できる。フィルタ関数出力部505は、フィルタ処理に用いられる畳み込み関数の情報を、例えばテーブルの情報としてフィルタ係数設定部504に出力する。図12は、縦軸yが副走査方向の位置を示し、単位を画素で示していて、横軸kは係数の大きさを示す。なお、縦軸yの単位を画素としているが、副走査方向を示しているため、ラインを単位としてもよい。
図12(a)の式は以下で表される。
Figure 0006632393
図12(b)、図12(c)の式は以下の2つの式で表される。
Figure 0006632393
本実施の形態では、a=−1、図12(b)はw=1、図12(c)はw=1.5としているが、各画像形成装置の電子写真的な特性に応じて、a、wを調整してもよい。フィルタ係数設定部504は、フィルタ関数出力部505から得たフィルタ関数の情報と、補正値設定部506から出力された補正値Cの情報と、に基づいて、フィルタ処理に用いられる係数(後述するk)をフィルタ処理部501に出力する。
ここで、図12(d)を用いて説明する。図12(d)は横軸にフィルタ処理に用いられる係数k、縦軸に副走査方向の位置yを示す。フィルタ処理部501は、補正値設定部506から補正値CnNを入力されると、フィルタ関数出力部505から入力されたフィルタ関数を用いて、補正値CnNに対応する係数knを求める。なお、図12(d)中の白丸は座標変換前の係数を示す。また、図12(d)では、補正値C1Nに対して係数k1が、補正値C2Nに対して係数k2が、それぞれフィルタ処理に用いられる係数knとして設定されたことを示す(黒丸)。本実施の形態では、入力された画像データの粗密の状態によらず、同じ畳み込み関数を適用し、理想の走査位置によってサンプリングすることで、入力された画像データの所定面積あたりの濃度が保存されるようにしている。
(フィルタ処理の具体例)
本実施の形態の座標変換を行った後の座標位置に基づいて、式(27)の線形補間によるフィルタ関数で畳み込み演算を用いたフィルタ処理を行う具体例を、図13を用いて説明する。なお、畳み込み演算を用いたフィルタ処理は、フィルタ処理部501により実行される。図13は、図8に対応している。図13の左側の列は、上述した座標変換後の入力画素を示している。また、図13の右側の列は、上述した座標変換後の感光ドラム102上の走査位置を示している。即ち、図13の右側の列の走査位置が、均等な間隔で、且つ、距離1となるように座標変換されている。
より詳細には、座標変換後の入力画素の副走査方向の走査位置は、図9、図11の右側に示す座標変換後のグラフの一点鎖線で示す直線(y’=fs’(n))で表される。座標変換後の感光ドラム102上の走査位置は、図9、図11の右側に示す座標変換後のグラフの実線で示す直線(y’=ft’(n))で表される。例えば、図9(a)では、シフト量が+0.2(=S)であるため、座標変換後は、fs’(n)=y−0.2=n−0.2で表される。
また、図13では、画素値、即ち濃度値の大きさを丸の濃淡で示している。また、括弧内の数字は走査ラインの番号であり、図8に記載した画素番号と同じである。図13の中央のグラフは、横軸に濃度、縦軸に副走査方向の位置を示している。畳み込み演算は、入力画素の各座標位置を中心としたフィルタ関数(図12(a))に画素値を乗算した波形W(画素(1)〜(5)に対するW1〜W5)を展開し、重ね合わせて加算したものである。
図13(a)から順に説明する。白丸で示す画素(1)、(5)は濃度0、即ち画素値0である。このため、フィルタ関数に画素値を乗じたWは、それぞれW1=0、W5=0である。黒丸で示す画素(2)、(3)、(4)の濃度は等しく、W2、W3、W4の波形の最大値は等しくなり、入力画素の画素位置を中心にフィルタ関数を展開した波形となる。畳み込み演算の結果は、全ての波形の総和(ΣWn、n=1〜5)である。
出力画素の画素値は、走査位置を座標変換した後の感光ドラム102上の走査位置でサンプルする。このため、例えば感光ドラム102上の走査位置に対応する画素値(1)は、波形W2と点P0で交わるので、濃度D1と演算される。また、画素値(2)は、波形W2と点P2で、波形W3と点P1でそれぞれ交わるので、濃度D1+D2と演算される。以下、同様に画素値(3)〜(5)を求める。なお、画素値(5)は、どの波形とも交わらないので、画素値を0とする。また、図13(b)〜図13(d)の(1)〜(5)の画素値を演算した結果を、各右側の列の画素の濃淡で示している。
入力画素の位置ずれは、図13の縦軸の各画素に対応して示している。図13の縦軸に示す位置ずれ量は、上述した入力画像の画素の副走査方向の走査位置の座標変換に従い、逆関数で求めた位置ずれ量の情報である。例えば、図13(a)の場合、図9(a)で説明したように、走査ラインの位置ずれ量Sの補正量Cは、−0.2である。また、例えば、図13(c)は式(25)、図13(d)の場合は式(26)をそれぞれ用いて算出した補正量Cである。
図13(a)は、副走査方向の進み方向に走査ラインの走査位置がずれているが、画素値は逆の遅れ方向に重心がずれることとなるので、画素値の重心の位置が補正されている様子を示している。図13(b)は、副走査方向の戻り方向に走査ラインの走査位置がずれているが、画素値は逆の進み方向に重心がずれることとなるので、画素値の重心の位置が補正されている様子を示している。図13(c)は、走査位置の間隔が密な場合で、座標変換後の畳み込み演算によって濃度の分布が拡がり、濃度の局所的な集中をキャンセルして局所的な濃度変化を補正している様子を示している。また、図13(d)は、逆に走査位置の間隔が疎な場合で、座標変換後の畳み込み演算によって濃度の分布が縮まり、濃度の分散をキャンセルして局所的な濃度変化を補正している様子を示している。特に、図13(d)の(3)の画素値は、100%より濃い(100+α)%の濃度となっている。
(フィルタ処理)
図7の説明に戻る。図7のS3604でCPU303は、S3603で生成した補正用属性情報に基づき、フィルタ処理部501によりフィルタ処理を行う。詳細には、CPU303は、上述した入力画像への畳み込み演算と再サンプリングを行う。ここで、CPU303が実行するS3604の処理を示した図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。CPU303は、フィルタ処理部501により畳み込み演算によるフィルタ処理をスタートすると、S3703以降の処理を実行する。
S3703でCPU303は、畳み込み関数の拡がりをLとしたとき、注目する出力画像のラインyn(位置yn)の副走査位置の前後±L、即ち幅2Lの範囲((yn−L)〜(yn+L)の範囲)に含まれる入力画像のラインを抽出する。ここで、Lは畳み込み関数の+L〜−Lの範囲外は畳み込み関数の値が0になる最小の値と定義する。例えば、図12(a)の線形補間では、L=1、図12(b)のバイキュービック補間はL=2、図12(c)のバイキュービック補間はL=3である。式(22)を用い、対応する入力画像の範囲ymin〜ymaxのymin、ymaxは以下の条件を満たす。
ft−1(ymin)=yn−L、ft−1(ymax)=yn+L・・・式(30)
式(30)を変形することにより、ymin、ymaxは、以下の式(31)から求められる。
ymin=ft(yn−L)、ymax=ft(yn+L)・・・式(31)
したがって、注目する出力画像のラインynに対して抽出される入力画像のラインは、ymin〜ymaxの範囲の全ての整数のラインとなる。
注目する出力画像のラインynと畳み込み演算の対象になる入力画像のラインをymとしたとき、距離dnmは、以下の式(32)で表される。
dnm=yn−ft−1(ym)・・・式(32)
したがって、S3704でCPU303は、フィルタ係数設定部504により、畳み込み関数g(y)として係数knmを、以下の式(33)で求める。
knm=g(dnm)・・・式(33)
S3707でCPU303は、S3703で抽出した入力画像の副走査方向の位置nと、注目する主走査方向の位置Nの画素データを取得する。ここで、画素データを入力画素データPinとする。S3708でCPU303は、フィルタ処理部501により畳み込み演算を行い、処理を終了する。より詳細には、フィルタ処理部501は、S3704で求めた対応する係数knmと、S3707で取得した入力画素データPinを積和演算して、注目画素の値Poutを求める。なお、入力画素データPinは、フィルタ処理前の注目画素の濃度、注目画素の値Poutは、出力画素データであり、フィルタ処理後の注目画素の濃度である。
Figure 0006632393
ここで、式(34)は、図13に対応しており、図13の左側の丸の濃さ(濃度)は、入力画素データPinに対応し、図13(a)のD1やD2は、knm×Pinに対応し、図13の右側の丸の濃さ(濃度)は、Poutに対応している。
このように、本実施の形態では、マルチビームの位置のばらつきや回転多面鏡204のミラー面の面倒れなどによる照射位置のずれによる画像の歪みや濃度むらを、次のようにして補正する。まず、入力画像の副走査方向の位置ずれのプロファイルに基づき入力画像の画素位置を座標変換する。その後、フィルタ処理、及びサンプリングすることで、各入力画素の濃度を保存しながら、位置ずれ、及びバンディングなどの局所的な濃度の偏りをキャンセルすることができ、良好な画像を得ることができる。本実施の形態では、主走査方向において異なる回転多面鏡204の面倒れを考慮して、副走査方向の位置ずれ量を算出することができる。
<チャート出力>
実施例1では、テストチャートをユーザやサービスマンが用いて目視判定し、ユーザインターフェースから、上述した振幅ゲインGbを入力する構成である。本実施例では、式(2)で説明したバンディング補正量を調整する(補正する)振幅ゲインGbを求める方法について詳細を説明する。
図15(d)にテストチャートを示す。A4サイズの用紙Sの紙面上に、振幅ゲインGbを求めるための画像(以下、パッチ)が形成されている。パッチは、用紙S上に、縦(副走査方向)、横(主走査方向)各々5つ、合計25が配列されている。ここで、主走査方向に並んだパッチは、振幅ゲインGbが同一の画像である。副走査方向に並んだパッチは、それぞれ異なる振幅ゲインGbを用いてフィルタ処理された画像データに対応する画像である。
図15(a)は、横軸に回転多面鏡204のミラー面AからE、言い換えれば、回転多面鏡204の回転の位相を示し、縦軸に回転多面鏡204のミラー面の面倒れ量(Am)を示したグラフである。図15(a)に示すように、面倒れ量0から最大値までを基本プロファイルの振幅Amとしている。基本プロファイルは、各光走査装置に固有のプロファイルであり、振幅Amは上述した面倒れ量Ybmである。本実施例では、基本プロファイルの振幅Am(=Ybm)は、上述したように、工場出荷時等に予め光走査装置104のメモリ302に格納されている。図15(b)に、メモリ302の一部を示す。メモリ302には、回転多面鏡204のミラー面A〜Eの基本プロファイルの振幅Am(=Ybm)が、各ミラー面に主走査方向に分割されたブロックごとに格納されている。
用紙Sに形成されるパッチの画像では、メモリ302に格納された基本プロファイルの振幅Amに、振幅ゲインGbを乗じて得られたプロファイルに基づいてフィルタ処理を行う。画像は一般的に用いられているスクリーン画像を用いるものとする。なお、面倒れによるバンディングが視認しやすい画像を用いてもよい。
テストチャート上のパッチは、主走査方向に5つに分割された補正ブロック(上述したb=1〜5)と対応した位置に印字される。ここで、5つの補正ブロックは、回転多面鏡204の一つのミラー面の5つのブロックに対応している。副走査方向のパッチは、振幅ゲインGbを0としたパッチを中心として、ピント公差の上限値に対応した振幅ゲインGbを含み、段階的に振幅ゲインGbを変化させている。ここで、ピント公差の上限値を±Xgとし、0からXgまでの中間の値を±Ygとする。図15(c)の(A)は、振幅ゲインGbを+Xgとしたときのプロファイル(Am×(+Xg))を示し、(B)は、振幅ゲインGbを0としたときのプロファイル(Am×0)を、それぞれ示す。図15(c)の(C)は、振幅ゲインGbを−Xgとしたときのプロファイル(Am×(−Xg))を示す。各プロファイルでは、横軸を回転多面鏡204のミラー面、縦軸を面倒れ量としている。
用紙Sの副走査方向には、+Xg、+Yg、0、−Yg、−Xgの5つの振幅ゲインGbを用いて算出した位置ずれ量に基づいて、フィルタ処理を行い形成したパッチが並ぶこととなる。画像形成装置100が備える不図示の操作部には、前述したチャートの印刷実行を指示する実行ボタンがあり、ユーザやサービスマンは任意のタイミングで実行ボタンを押下することにより、チャート印刷が可能である。
テストチャートが印刷された後、ユーザやサービスマンは、テストチャートを目視したり、又は機械的にバンディング量を解析することが可能な解析装置を用いたりして、副走査方向の5つのパッチの中からバンディング量が最も少ないパッチを選択する。言い換えれば、ユーザやサービスマンによって、バンディング量が最も少ない振幅ゲインGbが選択される。ここで、ユーザやサービスマンにより、主走査方向の5つのブロックごとに振幅ゲインGbが求められるものとする。例えば、ブロック1について振幅ゲインGbを−Ygとして補正し形成したパッチが、バンディング量が最も少なかった場合、ブロック1の振幅ゲインG1には「−Yg」が選択される。また、例えば、ブロック3については振幅ゲインGbを+Xgとして補正し形成したパッチが、バンディング量が最も少なかった場合、ブロック3の振幅ゲインG3には「+Xg」が選択される。このように、ユーザ又はサービスマンは、前述した主走査方向に分けた5つブロックに応じて、不図示の操作部から最もバンディング量が軽減されたパッチの振幅ゲインGb(b=1〜5)の値を入力する。このように、テストチャートを用いて振幅ゲインGbが選択された後は、選択された振幅ゲインGbを用いて、式(2)から位置ずれ量を求め、求めた位置ずれ量に基づき、フィルタ処理等を行って、画像データを補正する。このように、本実施例では、テストチャートを用いて選択した振幅ゲインGbを用いてゲイン調整を行い、画像形成装置100本体に固有の主走査方向のピントずれに応じたバンディング補正を行う。
以上、本実施例によれば、画像形成装置側のばらつきや光走査装置の組み付け誤差により、光走査装置から照射された光ビームの感光体上でのピントずれが発生した場合でも、濃度むらを低減させることができる。
<焦点距離情報に基づく最適ゲインGbの算出>
実施例2では、予め測定した焦点距離情報Δxb(b=1〜5)をメモリ302に格納し、焦点距離情報Δxbに基づいてバンディング補正量を調整する振幅ゲインGbを算出する方法について説明する。なお、焦点距離情報Δxbは、図17(a)で説明したαに相当する。実施例1と構成が異なる部分について詳細に説明し、同じ構成には同じ符号を用いて説明する。また、本実施例では、図1(b)において、CPU303へは画像データが入力され、振幅ゲインGbは入力されず、その他の感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成は、実施例1と同様である。
画像形成装置100の光走査装置104の取りつけ座面から感光ドラム102の表面までの距離情報は、画像形成装置100の組み立て調整工程において測定され、焦点距離情報Δxbとしてメモリ302に保持される。なお、焦点距離情報Δxbは、主走査方向に分割されたブロック1〜ブロック5に対応して、個別にデータを有する。
表2に焦点距離情報Δxbが格納されたアドレスマップを示す。実施例1の表1と同様に、レーザの位置情報と面情報も格納するものとする。アドレス1からアドレス32までは表1と同様であり、説明を省略する。メモリ302のアドレス33からアドレス37までは、主走査方向の5つのブロックに対応して、焦点距離情報Δx1からΔx5が格納されている。
Figure 0006632393
CPU303は、メモリ302から焦点距離情報Δxbを読み出し、後述する振幅ゲインGbの算出を行う。
焦点距離情報Δxb(以下、焦点距離誤差という)と振幅ゲインGbの関係を図16(C)に示す。図16(C)は、横軸に焦点距離誤差Δxb、縦軸に振幅ゲインGbを示すグラフである。上述したように、ピントずれ量でもある焦点距離誤差Δxb(α)に応じて、振幅ゲインGbが変化する。具体的には、焦点距離誤差Δxbが大きくなると、振幅ゲインGbも大きくなる。また、図16(A)、図16(B)は、横軸に回転多面鏡204のミラー面、縦軸に面倒れ量を示すグラフである。図16(A)、図16(B)に示すように、振幅ゲインGbに応じて面倒れ量が変化する。具体的には、振幅ゲインGbが大きくなると、面倒れ量も大きくなる。以上のことから、ピントずれ量である焦点距離誤差Δxbが大きくなると面倒れ量も大きくなる。ここで、ピントずれ量と面倒れ量は、光走査装置の光学的特性によって一意に決まる。図16(C)に示す焦点距離誤差Δxbと振幅ゲインGbの関数は、説明を簡略化するため、焦点距離誤差Δxbと振幅ゲインGbの関係を簡易的に示したものであり、例えば、一次関数で表される。なお、光学的な設計条件によっては、非線形な特性を持つものもある。前述した関数は、光学設計時に決まる設計値より求めるものとする。
本実施例における焦点距離誤差Δxbと振幅ゲインGbの関数は、傾きRの一次関数で表される。次の式(35)では、傾きRを用いて振幅ゲインGbを求める。
Gb=Δxb×R・・・式(35)
(b=1〜5)
このように、焦点距離誤差(ピントずれ量)が大きいと面倒れ量も大きくなるため、式(35)から面倒れ量が大きいと振幅ゲインGbも大きくなることがわかる。図16(A)に示すように、面倒れ量が小さいと振幅ゲインも小さく、図16(B)に示すように、面倒れ量が大きいと振幅ゲインも大きくなる。以降の振幅ゲインGbを用いた位置ずれ量の算出、及び、位置ずれ量を用いたフィルタ演算処理等は、実施例1と同様に動作するものとし、説明を省略する。
以上の動作によって、本実施例ではテストチャートを用いることなく、画像形成装置100の本体内部で振幅ゲインGbを算出し、面倒れ量を算出することが可能となる。画像形成装置100の焦点距離情報(ピント位置ずれ)Δxbをメモリ302に保持することで、各々の画像形成装置のばらつきに対応することが可能となる。このため、メンテナンス等により光走査装置が交換された際も、特別な作業を行うことなく、最適となるバンディング補正量で補正することが可能となる。
以上、本実施例によれば、画像形成装置側のばらつきや光走査装置の組み付け誤差により、光走査装置から照射された光ビームの感光体上でのピントずれが発生した場合でも、濃度むらを低減させることができる。
102 感光ドラム
201 レーザ光源
204 回転多面鏡
302 メモリ
303 CPU

Claims (10)

  1. 複数の発光素子を有する光源と、第1の方向に回転し、前記光源から出射された光ビームにより潜像が形成される感光体と、前記光源から出射された光ビームをミラー面により偏向し、前記感光体に照射された光ビームのスポットを前記第1の方向に直交する第2の方向に移動させ走査線を形成する偏向手段と、を備える画像形成装置であって、
    前記複数の発光素子の前記第1の方向の位置ずれに関する情報と、前記第2の方向に応じた前記偏向手段のミラー面の面倒れに関する情報と、を記憶した記憶手段と、
    前記偏向手段と前記感光体との間の所定の距離からのずれ量に応じて、前記記憶手段に記憶された前記面倒れに関する情報を補正する補正手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記位置ずれに関する情報と、前記補正手段により補正された前記面倒れに関する情報と、に基づいて、位置ずれ量を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された位置ずれ量に応じて、前記感光体上の走査線の間隔が所定の間隔となるような座標変換を行うことにより、入力画像の画素の位置を変換する変換手段と、
    前記座標変換後の入力画像の画素の位置に基づいて、入力画像の画素の画素値に畳み込み演算を行い、出力画像の画素の画素値を求めるフィルタ処理手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記記憶手段は、前記第2の方向において前記偏向手段の前記ミラー面を所定数のブロックに分割し、分割したブロックごとの前記面倒れに関する情報を記憶していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記所定の距離からのずれ量に応じて前記記憶手段に記憶された前記面倒れに関する情報を補正するためのゲインを設定する設定手段と、
    を備え、
    前記設定手段は、前記画像形成手段により記録媒体の前記第1の方向に前記ゲインを異ならせた複数の画像を形成させ、前記ブロックごとに前記複数の画像の中から選択された画像に対応するゲインを設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記記憶手段は、前記所定の距離からのずれ量に関する情報を前記ブロックごとに予め記憶しており、
    前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の距離からのずれ量に関する情報に基づき、前記面倒れに関する情報を補正するためのゲインを算出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs(n)とし、
    前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft(n)とし、
    前記座標変換後の前記入力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をfs’(n)とし、
    前記座標変換後の前記出力画像の前記第1の方向におけるn番目の画素の位置を示す関数をft’(n)としたとき、
    前記変換手段は、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、関数ft(n)の逆関数ft−1(n)を用いて、
    fs’(n)=ft’(ft−1(fs(n)))
    から求めることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 関数fs(n)がfs(n)=nを満たし、且つ、関数ft’(n)がft’(n)=nを満たすとき、
    前記変換手段は、前記座標変換後の前記入力画像の画素の位置を、
    fs’(n)=ft−1(n)
    から求めることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記フィルタ処理手段は、線形補間又はバイキュービック補間を用いて前記畳み込み演算を行うことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記画素値は濃度値であり、
    前記フィルタ処理手段は、前記畳み込み演算を行う前と行った後とで、所定面積あたりの濃度値が保存されることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記フィルタ処理手段は、前記畳み込み演算に用いる畳み込み関数の0でない範囲の前記第1の方向における幅を2Lとしたとき、前記出力画像の所定の画素の位置ynを中心とした前記2Lの幅の範囲に対応する前記入力画像の画素の範囲yminからymaxについて、
    ymin=ft(yn−L)、
    ymax=ft(yn+L)
    と定義することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。
  10. 前記所定の間隔は、前記画像形成装置による画像形成の解像度に応じて決定されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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