以下、本発明の一実施形態に係る光走査装置及び画像形成装置について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向が左右方向(+Xが右、−Xが左)、Y方向が前後方向(+Yが前、−Yが後)、Z方向が上下方向(+Zが上、−Zが下)に各々相当する。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る光走査装置23を備えた画像形成装置1を概略的に示す図である。画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンターであって、略直方体のハウジングからなる本体ハウジング10を含む。なお、画像形成装置1は、フルカラーの複写機や複合機であってもよい。
本体ハウジング10は、シートに対して画像形成処理を行う複数の処理部を内部に収容する。本実施形態では、処理部として、画像形成部2Y、2C、2M、2Bk、光走査装置23、中間転写部28及び定着部30を含む。本体ハウジング10の上面には排紙トレイ11が備えられている。排紙トレイ11に対向して、シート排出口12が開口されている。本体ハウジング10の側壁には、手差し給紙トレイ13が開閉自在に取り付けられている。本体ハウジング10の下部には、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット14が、着脱自在に装着されている。
画像形成部2Y、2C、2M、2Bkは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の現像剤像(トナー像)を、コンピューター等の外部機器から伝送された画像データに基づき形成するもので、水平なY方向(前後方向)に所定の間隔でタンデムに配置されている。各画像形成部2Y、2C、2M、2Bkは、静電潜像及び現像剤像(トナー像)を担持するX方向(左右方向)に延びる円筒体からなる感光体ドラム21(像担持体)、感光体ドラム21の周面(ドラム周面)を帯電させる帯電器22、前記静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像部24、この現像部24に各色のトナーを供給するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各トナーコンテナ25Y、25C、25M、25Bk、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる一次転写ローラー26、及び感光体ドラム21のドラム周面の残留トナーを除去するクリーニング装置27を含む。
なお、以下の説明において、各画像形成部2Y、2C、2M、2Bkに備えられる感光体ドラム21を特に説明する場合には、画像形成部2Yに備えられる感光体ドラムを「第1感光体ドラム21Y」と称し、画像形成部2Cに備えられる感光体ドラムを「第2感光体ドラム21C」と称し、画像形成部2Mに備えられる感光体ドラムを「第3感光体ドラム21M」と称し、画像形成部2Bkに備えられる感光体ドラムを「第4感光体ドラム21Bk」と称する。また、画像形成部2Y、2C、2M、2Bkは、同一の構成を有するため、画像形成部2と総称することもある。
光走査装置23は、画像形成装置1に付設され、各色の感光体ドラム21のドラム周面上に静電潜像を形成する。本実施形態の光走査装置23は、各色用に準備された複数の光源を有する入射光学系と、これら光源から発せられた光ビームを偏向する光偏向部と、光偏向部により偏向された光ビームを各色の感光体ドラム21のドラム周面に結像及び走査させる結像光学系とを含む。この光走査装置23については、後記で詳述する。
中間転写部28は、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる。中間転写部28は、各感光体ドラム21のドラム周面に接触しつつ周回する中間転写ベルト281(転写体)と、中間転写ベルト281が架け渡される駆動ローラー282及び従動ローラー283とを含む。中間転写ベルト281は、X方向(左右方向)に幅を有してY方向(前後方向)に延びる無端状のベルトであり、一次転写ローラー26によって各感光体ドラム21のドラム周面に押し付けられている。各色の感光体ドラム21上のトナー像は中間転写ベルト281上に重ね合わせて一次転写される。これにより、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト281上に形成される。
駆動ローラー282に対向して、中間転写ベルト281を挟んで二次転写ニップ部Tを形成する二次転写ローラー29が配置されている。中間転写ベルト281上のフルカラートナー像は、前記二次転写ニップ部Tにおいてシート上に二次転写される。シート上に転写されずに中間転写ベルト281の周面に残留したトナーは、従動ローラー283に対向して配置されたベルトクリーニング装置284によって回収される。
定着部30は、熱源が内蔵された定着ローラー31と、定着ローラー31と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラー32とを含む。定着部30は、二次転写ニップ部Tにおいてトナー像が転写されたシートを、定着ニップ部Nにおいて加熱及び加圧することにより、トナーをシートに溶着させる定着処理を施す。定着処理が施されたシートは、シート排出口12から排紙トレイ11に向けて排出される。
本体ハウジング10の内部には、シートを搬送するためのシート搬送路が設けられている。シート搬送路は、本体ハウジング10の下部付近から上部付近まで、二次転写ニップ部T及び定着部30を経由して、Z方向(上下方向)に延びるメイン搬送路P1を含む。メイン搬送路P1の下流端は、シート排出口12に接続されている。両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路P2が、メイン搬送路P1の最下流端から上流端付近まで延設されている。また、手差しトレイ13からメイン搬送路P1に至る手差しシート用搬送路P3が、給紙カセット14の上方に配置されている。
給紙カセット14は、シートの束を収容するシート収容部を備える。給紙カセット14には、シート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すピックアップローラー151と、そのシートをメイン搬送路P1の上流端に送り出す給紙ローラー対152とが備えられている。手差しトレイ13に載置されたシートも、手差しシート用搬送路P3を通して、メイン搬送路P1の上流端に送り出される。メイン搬送路P1の二次転写ニップ部Tよりも上流側には、所定のタイミングでシートを二次転写ニップ部Tに送り出すレジストローラー対153が配置されている。
シートに片面印刷(画像形成)処理が行われる場合、給紙カセット14又は手差しトレイ13からシートがメイン搬送路P1に送り出され、該シートに二次転写ニップ部Tにおいてトナー像の転写処理が、定着部30において転写されたトナーをシートに定着させる定着処理が、各々施される。その後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。一方、シートに両面印刷処理が行われる場合、シートの片面に対して転写処理及び定着処理が施された後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に一部が排紙される。その後、該シートはスイッチバック搬送され、反転搬送路P2を経て、メイン搬送路P1の上流端付近に戻される。しかる後、シートの裏面に対して転写処理及び定着処理が施され、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。
[光走査装置の詳細構成]
次に、光走査装置23の構成について、図1に加えて図2乃至図5を参照して詳細に説明する。図2は、光走査装置23の副走査断面の構成を示す光路図である。図3は、光走査装置23の内部構成を模式的に示す斜視図である。図4は、光走査装置23による感光体ドラム21の露光態様を説明するための模式的な斜視図である。図5は、光走査装置23に備えられる光源51を示す斜視図である。
光走査装置23は、イエロー画像描画用のレーザー光ビームであるイエロー光ビームLY、シアン画像描画用のレーザー光ビームであるシアン光ビームLC、マゼンタ画像描画用のレーザー光ビームであるマゼンタ光ビームLM、及び、ブラック画像描画用のレーザー光ビームであるブラック光ビームLBkにて各々、イエロー用の第1感光体ドラム21Y、シアン用の第2感光体ドラム21C、マゼンタ用の第3感光体ドラム21M及びブラック用の第4感光体ドラム21Bkのドラム周面211を、主走査方向D1に走査し、当該ドラム周面211に静電潜像を形成する。なお、光走査装置23による感光体ドラム21に対する走査の主走査方向D1は、感光体ドラム21が延びる軸方向となるX方向(左右方向)と一致する方向である。
光走査装置23は、各色の光ビームの光路に各々配置される入射光学系50、4色で共用される1つの光偏向部60、及び結像光学系70と、これらを収容する光学ハウジング40と、濃度検出部80とを含んで構成される。
入射光学系50は、光学ハウジング40内に収容され、各色の光ビームを後述の光偏向部60を構成するポリゴンミラー62(偏向体)の偏向面621に入射させるための光学系である。入射光学系50は、光源51と、コリメータレンズ52と、シリンドリカルレンズ53とを含む。
光源51は、ポリゴンミラー62の偏向面621に照射する複数の光ビームを出射するマルチビーム方式の光源である。図5に示すように、光源51は、円柱状のプラグ部材511の先端面511Aに、光ビームを出射するレーザーダイオード(LD)からなる4個の発光部LD1、LD2、LD3、LD4が所定の配列方向D3に一定の主走査ピッチP1及び副走査ピッチP2を有して配列されてなる、モノリシックマルチレーザーダイオードである。本実施形態では、4個の発光部を備えたモノリシックマルチレーザーダイオードを例に説明するが、同一チップ上に発光部が2個以上配置されているモノリシックマルチレーザーダイオードであればよい。
図3を参照して、コリメータレンズ52は、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4から出射されて拡散する光ビームを平行光に変換するレンズである。シリンドリカルレンズ53は、コリメータレンズ52による平行光を主走査方向D1に長い線状光に変換してポリゴンミラー62の偏向面621に結像させるレンズである。
図2乃至図4を参照して、光偏向部60は、光学ハウジング40内に収容され、コリメータレンズ52により結像された光ビームを反射して偏向走査するもので、ポリゴンモーター61とポリゴンミラー62とを備える。ポリゴンモーター61は、モーター本体611と回転軸612とを含む。ポリゴンモーター61において回転軸612は、モーター本体611から突出してZ方向(上下方向)に延びる軸部である。ポリゴンモーター61は、モーター本体611に駆動電流が入力されると、回転軸612が軸心回りに回転するように構成されている。
ポリゴンミラー62は、正六角形の各辺に沿って6つの偏向面621が形成された多面鏡である。ポリゴンミラー62において、偏向面621には、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4から出射され、コリメータレンズ52及びシリンドリカルレンズ53を通過した各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4が照射される。ポリゴンミラー62は、回転軸612に回転一体に設けられ、回転軸612の回転に連動して当該回転軸612回りに矢印R2方向に回転しつつ、偏向面621に照射される各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4を反射して偏向走査させる。このポリゴンミラー62により偏向走査された各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4にて、感光体ドラム21のドラム周面211を主走査方向D1に走査することができる。
結像光学系70は、光学ハウジング40内に収容され、ポリゴンミラー62により偏向走査された各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4を、感光体ドラム21のドラム周面211に結像及び走査させる。図2に示すように、結像光学系70は、第1走査レンズ71と、第2走査レンズ72Y、72C、72M、72Bkと、イエロー光ビームLYを反射させるイエロー用反射ミラー73Y1、73Y2と、シアン光ビームLCを反射させるシアン用反射ミラー73C1、73C2と、マゼンタ光ビームLMを反射させるマゼンタ用反射ミラー73M1、73M2、73M3と、ブラック光ビームLBkを反射させるブラック用反射ミラー73Bkと、を含む。
第1走査レンズ71は、入射光ビームの角度と像高とが比例関係となる歪曲収差(fθ特性)を有するレンズであって、主走査方向D1に沿って延びる長尺のレンズである。第1走査レンズ71は、光学ハウジング40内において、ポリゴンミラー62の偏向面621に対向するように配置されている。第1走査レンズ71は、ポリゴンミラー62の偏向面621によって反射された各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4を集光する。
第2走査レンズ72Y、72C、72M、72Bkはそれぞれ、第1走査レンズ71と同様に、歪曲収差(fθ特性)を有するレンズであって、主走査方向D1に沿って延びる長尺のレンズである。第2走査レンズ72Yは、第1走査レンズ71を通過したイエロー光ビームLYを集光し、第1感光体ドラム21Yのドラム周面211上に結像させる。第2走査レンズ72Cは、第1走査レンズ71を通過したシアン光ビームLCを集光し、第2感光体ドラム21Cのドラム周面211上に結像させる。第2走査レンズ72Mは、第1走査レンズ71を通過したマゼンタ光ビームLMを集光し、第3感光体ドラム21Mのドラム周面211上に結像させる。第2走査レンズ72Bkは、第1走査レンズ71を通過したブラック光ビームLBkを集光し、第4感光体ドラム21Bkのドラム周面211上に結像させる。なお、第2走査レンズ72Y、72C、72M、72Bkは、同一の構成を有するため、第2走査レンズ72と総称することもあり、図3ではその総称の第2走査レンズ72を示している。
イエロー用反射ミラー73Y1、73Y2は、第1走査レンズ71を通過したイエロー光ビームLYの結像光路上において、イエロー光ビームLYを反射させる。シアン用反射ミラー73C1、73C2は、第1走査レンズ71を通過したシアン光ビームLCの結像光路上において、シアン光ビームLCを反射させる。マゼンタ用反射ミラー73M1、73M2、73M3は、第1走査レンズ71を通過したマゼンタ光ビームLMの結像光路上において、マゼンタ光ビームLMを反射させる。ブラック用反射ミラー73Bkは、第1走査レンズ71を通過したブラック光ビームLBkの結像光路上において、ブラック光ビームLBkを反射させる。なお、イエロー用反射ミラー73Y1、73Y2と、シアン用反射ミラー73C1、73C2と、マゼンタ用反射ミラー73M1、73M2、73M3と、ブラック用反射ミラー73Bkとは、同一の構成を有するため、反射ミラー73と総称することもあり、図3ではその総称の反射ミラー73を示している。
図2を参照して、ポリゴンミラー62の偏向面621によって反射されたイエロー光ビームLYは、第1走査レンズ71にて集光された後、イエロー用反射ミラー73Y1にて反射されて第2走査レンズ72Yを通過し、その後イエロー用反射ミラー73Y2にて反射されて第1感光体ドラム21Yのドラム周面211上に結像される。ポリゴンミラー62の偏向面621によって反射されたシアン光ビームLCは、第1走査レンズ71にて集光された後、シアン用反射ミラー73C1にて反射されて第2走査レンズ72Cを通過し、その後シアン用反射ミラー73C2にて反射されて第2感光体ドラム21Cのドラム周面211上に結像される。ポリゴンミラー62の偏向面621によって反射されたマゼンタ光ビームLMは、第1走査レンズ71にて集光された後、マゼンタ用反射ミラー73M1、73M2にて反射されて第2走査レンズ72Mを通過し、その後マゼンタ用反射ミラー73M3にて反射されて第3感光体ドラム21Mのドラム周面211上に結像される。ポリゴンミラー62の偏向面621によって反射されたブラック光ビームLBkは、第1走査レンズ71及び第2走査レンズ72Bkにて集光された後、ブラック用反射ミラー73Bkにて反射されて第4感光体ドラム21Bkのドラム周面211上に結像される。
また、本実施形態の光走査装置23は、図3に示すように、第1集光レンズ74A及び第2集光レンズ74Bと、第1BD(Beam Detect)センサ75A及び第2BD(Beam Detect)センサ75Bと、を備える。
第1集光レンズ74A及び第2集光レンズ74Bは、ポリゴンミラー62による感光体ドラム21のドラム周面211に対する有効走査領域の範囲外の光路上に設置され、ポリゴンミラー62の偏向面621によって反射された各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4を、第1BDセンサ75A及び第2BDセンサ75Bに結像させるレンズである。
第1BDセンサ75A及び第2BDセンサ75Bは、感光体ドラム21のドラム周面211に対して、基準発光部となる発光部LD1による光ビームLB−1の照射を開始させるタイミングである書き出しタイミングの同期を取るために、光ビームLB−1を検出する。基準発光部である発光部LD1以外の残余発光部となる発光部LD2、LD3、LD4については、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングが、主走査ピッチP1に応じて設定されている。この発光開始タイミングの詳細については、後述する。各発光部LD1、LD2、LD3、LD4から出射される各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4による、感光体ドラム21のドラム周面211に対する主走査方向D1に沿った走査によって描画される主走査ラインSLについて、第1BDセンサ75Aは走査開始側に配置され、第2BDセンサ75Bは走査終了側に配置されている。第1BDセンサ75A及び第2BDセンサ75Bは、フォトダイオード等からなり、光ビームLB−1を検知していないときはハイレベルの信号を出力し、光ビームLB−1がその受光面を通過している間はローレベルの信号を出力する。
図4に示すように、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4から4本の各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4が、ポリゴンミラー62の偏向面621に向けて出射される。ポリゴンミラー62は、ポリゴンモーター61によって回転軸612回りに矢印R2の方向に高速回転する。あるタイミングでは、4本の各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4は、ポリゴンミラー62の1つの偏向面621に照射され、当該偏向面621で感光体ドラム21のドラム周面211へ向かう方向に屈折反射される。ポリゴンミラー62の回転に伴い、4本の各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4は、感光体ドラム21のドラム周面211を主走査方向D1に沿って走査する。これにより、感光体ドラム21のドラム周面211には、4本の主走査ラインSLが描画される。各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4は、コンピューター等の外部機器から伝送された画像データに応じて変調されているので、画像データに応じた静電潜像が感光体ドラム21のドラム周面211に形成されることになる。
ここで、光源51において、4個の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4は、前述のように、主走査ピッチP1及び副走査ピッチP2を有して所定の配列方向D3に沿って配列されている。このため、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4が同一の発光開始タイミングで発光された場合、各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4の感光体ドラム21のドラム周面211上におけるビームスポットの位置は、主走査ピッチP1に応じて主走査方向D1に異なる位置となり、且つ、副走査ピッチP2に応じて副走査方向D2に異なる位置となる。すなわち、4本の各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4は副走査方向D2に、光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4の順番で並べられた状態で、主走査方向D1に沿った4本の主走査ラインSLを描画する。従って、各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4に応じた4本の主走査ラインSLの副走査方向D2のビームピッチ、つまり、描画する画像の解像度(dpi)は、4個の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の副走査ピッチP2に依存することになる。なお、副走査方向D2は、主走査方向D1に直交する方向であり、感光体ドラム21の回転方向R1に沿った方向となる。
各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4に応じた4本の主走査ラインSLの副走査方向D2のビームピッチは、光源51を回転させることにより調整することができる。詳しくは、プラグ部材511の先端面511Aに対する法線のうち中央を通る法線Sを回転軸として、矢印R3の方向に光源51を回転させることにより、4個の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の副走査ピッチP2を見かけ上変更することができる。すなわち、法線Sの軸回りに時計方向に光源51を回転させると、4本の主走査ラインSLの副走査方向D2のビームピッチが大きくなり、逆に、反時計方向に光源51を回転させると、4本の主走査ラインSLの副走査方向D2のビームピッチが小さくなる。従って、画像の設定解像度に応じたビームピッチは、光源51の回転調整によって得ることができる。
また、光走査装置23は、図1に示すように、中間転写ベルト281上に形成された特定パターンのトナー像(以下、「パッチ画像」という)のトナー濃度を検出するための濃度検出部80を備えている。濃度検出部80は、フォトダイオード等のセンサにより構成されており、中間転写ベルト281上に形成されたパッチ画像に光を照射し、その反射光を受光し、受光した反射光の光量等により、パッチ画像のトナー濃度を測定する。本実施形態では、中間転写ベルト281の幅方向(X方向、すなわち主走査方向D1)両端部の各々に対向するように、濃度検出部80がそれぞれ配置されている。
[画像形成装置の電気的構成について]
次に、画像形成装置1の電気的構成について、図6を参照して説明する。図6は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部90と、操作部93と、I/F(インターフェイス)94と、画像メモリ95とを備える。
制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。操作部93は、タッチパネル、テンキー、スタートキー及び設定キー等を備え、画像形成装置1に対するユーザーの操作や各種の設定を受け付ける。画像メモリ95は、外部機器から与えられる画像データを一時的に記憶する。I/F94は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路であり、例えば、画像形成装置1と外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成するとともに、ネットワーク側からの通信信号を画像形成装置1が処理可能な形式のデータに変換する。外部機器から送信される印刷指示信号はI/F94を介して制御部90に与えられ、また画像データはI/F94を介して画像メモリ95に記憶される。
制御部90は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより画像形成装置1の各部を制御し、当該画像形成装置1による画像形成動作を制御する。本実施形態では、制御部90は、光走査制御部91と、画像形成制御部92とを備えている。画像形成制御部92は、主として感光体ドラム21を含む画像形成部2、中間転写部28及び定着部30の動作を制御する。画像形成制御部92の制御には、感光体ドラム21の軸回りの回転動作、帯電器22のオンオフ動作、現像部24での現像バイアスの印加動作、一次転写ローラー26及び二次転写ローラー29での転写バイアスの印加動作、中間転写部28における中間転写ベルト281の回転動作、定着部30での定着処理動作の制御が含まれる。
光走査制御部91は、光走査装置23の光走査動作を制御する制御部として機能する。光走査制御部91は、記憶部911と、LD駆動制御部912と、ポリゴンミラー駆動制御部913と、モード切替制御部914と、発光タイミング補正制御部915とを含む。
記憶部911は、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4のうちの一の発光部を基準発光部とし、当該基準発光部以外の残余発光部の前記基準発光部に対する、主走査ピッチP1に応じて設定された発光開始タイミングを記憶する。本実施形態では、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4のうち、配列方向D3の一方端に配置された発光部LD1が基準発光部として設定され、当該発光部LD1以外の発光部LD2、LD3、LD4が残余発光部として設定されている。記憶部911は、基準発光部である発光部LD1に対する、主走査ピッチP1に応じて設定された発光部LD2、LD3、LD4の各々の発光開始タイミングを記憶する。
光走査装置23には、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4を駆動するドライバーであるLD駆動部51Aが備えられている。LD駆動制御部912は、記憶部911に記憶された、発光部LD1に対する発光部LD2、LD3、LD4の各々の発光開始タイミングを参照し、画像メモリ95の画像データに基づく発光制御信号をLD駆動部51Aに与える。LD駆動制御部912により発光制御信号が与えられたLD駆動部51Aは、当該発光制御信号に従って、発光部LD1を発光させて光ビームLB−1を出射させるとともに、各発光部LD2、LD3、LD4を前記発光開始タイミングに基づき発光させて各光ビームLB−2、LB−3、LB−4を出射させる。
また、光走査装置23には、ポリゴンミラー駆動部62Aが備えられている。ポリゴンミラー駆動制御部913は、ポリゴンミラー62を回転動作させるための回転制御信号をポリゴンミラー駆動部62Aに与える。ポリゴンミラー駆動制御部913により回転制御信号が与えられたポリゴンミラー駆動部62Aは、当該回転制御信号に従って、ポリゴンミラー62のポリゴンモーター61による回転動作を制御する。
<光走査装置の光走査動作について>
ここで、光走査装置23の光走査動作について、図7を参照して説明する。図7は、光走査装置23による光走査動作を説明するための図である。図7(A)は、画像メモリ95の画像データを構成する各画素に対する各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の発光動作を説明するための図である。図7(B)は、LD駆動制御部912がLD駆動部51Aに与える発光制御信号の波形図である。また、図7(C)は、発光部LD2、LD3、LD4において設計位置に対して主走査方向D1に位置ずれが発生した状態での、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の発光動作を説明するための図である。
図7(A)では、画素GPa、画素GPb、画素GPc及び画素GPdによって構成される画像データに対応した静電潜像を、感光体ドラム21のドラム周面211に形成させるときの、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の発光動作が示されている。図7(A)に示す例において、画素GPbは、画素GPaに対して主走査方向D1及び副走査方向D2に1画素分下流側にずれた位置に配置され、画素GPcは、画素GPaに対して主走査方向D1にのみ2画素分下流側にずれた位置に配置され、画素GPdは、画素GPaに対して主走査方向D1に3画素分下流側に副走査方向D2に1画素分下流側にずれた位置に配置されている。なお、画像の解像度が例えば600(dpi)である場合、1画素のサイズは約42μmとなる。
本実施形態では、発光部LD1から出射される光ビームLB−1によって、画素GPaにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP11と、画素GPcにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP12とが走査される。また、発光部LD2から出射される光ビームLB−2によって、画素GPaにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP21と、画素GPcにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP22とが走査される。また、発光部LD3から出射される光ビームLB−3によって、画素GPbにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP31と、画素GPdにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP32とが走査される。また、発光部LD4から出射される光ビームLB−4によって、画素GPbにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP41と、画素GPdにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP42とが走査される。
すなわち、本実施形態では、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4によって感光体ドラム21のドラム周面211に描画される各主走査ラインSL1、SL2、SL3、SL4における、副走査方向D2のビームピッチが1/2画素分に相当するように、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の副走査ピッチP2が設定されている。
更に、感光体ドラム21のドラム周面211に対する、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4のビームスポットの位置が、光ビームLB−2が光ビームLB−1と主走査方向D1に同じ位置であり、光ビームLB−3及びLB−4が光ビームLB−1に対して主走査方向D1に1画素分下流側にずれた位置となるように、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングが主走査ピッチP1に応じて設定されている。これらの各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングが、記憶部911に記憶されている。
各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングについて、図7(B)を参照して、より具体的に説明すると、次の通りである。まず、発光部LD1の発光動作を実行させるときに用いられる発光制御信号は、画素GPaにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP11を走査するために、タイミングt11から発光を継続する発光動作期間T11が設定され、画素GPcにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP12を走査するために、タイミングt12から発光を継続する発光動作期間T12が設定されたものである。
上記のような発光部LD1の発光制御信号に対し、発光部LD2の発光動作を実行させるときに用いられる発光制御信号は、画素GPaにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP21を走査するために、タイミングt21から発光を継続する発光動作期間T21が設定され、画素GPcにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP22を走査するために、タイミングt22から発光を継続する発光動作期間T22が設定されたものである。ここで、発光部LD2のタイミングt21及びタイミングt22は、画素GPa及び画素GPcに対する発光部LD2の発光開始タイミングである。発光部LD2の発光開始タイミングとなるタイミングt21及びタイミングt22は、発光部LD2の光ビームLB−2が発光部LD1の光ビームLB−1と共同して画素GPa及び画素GPcを走査するように、発光部LD1のタイミングt11及びタイミングt12に対し、主走査ピッチP1に応じて遅延したタイミングとされる。
発光部LD3の発光動作を実行させるときに用いられる発光制御信号は、画素GPbにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP31を走査するために、タイミングt31から発光を継続する発光動作期間T31が設定され、画素GPdにおける副走査方向D2の上流側領域部分GP32を走査するために、タイミングt32から発光を継続する発光動作期間T32が設定されたものである。ここで、発光部LD3のタイミングt31及びタイミングt32は、画素GPb及び画素GPdに対する発光部LD3の発光開始タイミングである。発光部LD3の発光開始タイミングとなるタイミングt31及びタイミングt32は、発光部LD3の光ビームLB−3が、画素GPa及び画素GPcに対して主走査方向D1に1画素分下流側に配置された画素GPb及び画素GPdを走査するように、発光部LD1のタイミングt11及びタイミングt12に対し、主走査ピッチP1に応じて遅延したタイミングとされる。
発光部LD4の発光動作を実行させるときに用いられる発光制御信号は、画素GPbにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP41を走査するために、タイミングt41から発光を継続する発光動作期間T41が設定され、画素GPdにおける副走査方向D2の下流側領域部分GP42を走査するために、タイミングt42から発光を継続する発光動作期間T42が設定されたものである。ここで、発光部LD4のタイミングt41及びタイミングt42は、画素GPb及び画素GPdに対する発光部LD4の発光開始タイミングである。発光部LD4の発光開始タイミングとなるタイミングt41及びタイミングt42は、発光部LD4の光ビームLB−4が、画素GPa及び画素GPcに対して主走査方向D1に1画素分下流側に配置された画素GPb及び画素GPdを走査するように、発光部LD1のタイミングt11及びタイミングt12に対し、主走査ピッチP1に応じて遅延したタイミングとされる。
ところで、画像形成装置1の連続運転等により、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の発光動作が連続して行われると、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の発光による発熱等によって光学ハウジング40内の温度が上昇し、この温度上昇に伴って光学ハウジング40が熱変形する場合がある。このように、光学ハウジング40が熱変形すると、図7(C)に示すように、基準発光部である発光部LD1に対する、発光部LD2、LD3、LD4の配置位置(図中の実線で示す位置)が、設計位置(図中の破線で示す位置)に対して主走査方向D1にずれてしまう場合がある。なお、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の主走査方向D1への位置ずれ量は、発光部LD1からの主走査方向D1への離間距離に応じて、発光部LD2、発光部LD3、発光部LD4の順番に大きくなる。
発光部LD2、LD3、LD4において設計位置に対して主走査方向D1に位置ずれが発生した状態で、LD駆動制御部912が、記憶部911に記憶された、発光部LD1に対する発光部LD2、LD3、LD4の各々の発光開始タイミングを参照し、画像メモリ95の画像データに基づく発光制御信号をLD駆動部51Aに与えると、感光体ドラム21のドラム周面211に形成される静電潜像の画素に位置ずれが生じてしまう。
そこで、本実施形態の光走査装置23において、光走査制御部91は、記憶部911に記憶された、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングを、補正するための補正モードを実行可能とされている。具体的には、光走査制御部91は、モード切替制御部914と、発光タイミング補正制御部915とを含む。
モード切替制御部914は、通常モードと補正モードとを切替える制御を実行する。通常モードは、画像メモリ95の画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム21のドラム周面211に形成させるためのモードである。モード切替制御部914によって通常モードとされると、LD駆動制御部912は、記憶部911に記憶された、発光部LD1に対する発光部LD2、LD3、LD4の各々の発光開始タイミングを参照し、画像メモリ95の画像データに基づく発光制御信号をLD駆動部51Aに与える。LD駆動制御部912により発光制御信号が与えられたLD駆動部51Aは、前述したように、当該発光制御信号に従って、発光部LD1を発光させて光ビームLB−1を出射させるとともに、各発光部LD2、LD3、LD4を前記発光開始タイミングに基づき発光させて各光ビームLB−2、LB−3、LB−4を出射させる。
一方、補正モードは、記憶部911に記憶された、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングを補正するためのモードである。モード切替制御部914によって補正モードとされると、発光タイミング補正制御部915は、パッチ画像を中間転写ベルト281上に形成すべく、当該パッチ画像に対応した静電潜像を感光体ドラム21のドラム周面211に形成させる制御を実行する。本実施形態では、発光タイミング補正制御部915は、中間転写ベルト281の幅方向(X方向、すなわち主走査方向D1)両端部の各々にパッチ画像が形成されるように、感光体ドラム21のドラム周面211に静電潜像を形成させる制御を実行する。なお、中間転写ベルト281に形成されたパッチ画像のトナー濃度が、濃度検出部80によって測定される。
<光走査装置の補正モードにおける制御動作について>
光走査装置23の補正モードにおける制御動作について、図8を参照して説明する。図8は、光走査装置23の補正モードにおける制御動作を示すフローチャートである。光走査装置23において、ユーザーの補正モードを実行する指示信号が操作部93を介して入力されると、補正モードの実行が開始される。まず、ステップs1では、モード切替制御部914は、通常モードから補正モードへと切り替える制御を実行する。
次に、ステップs2では、発光タイミング補正制御部915は、基準発光部である発光部LD1と、残余発光部である各発光部LD2、LD3、LD4のうちの1つの第1残余発光部との2つの発光部の各々から出射される各光ビームの、感光体ドラム21のドラム周面211におけるビームスポットの位置を、同じ位置とする第1制御を実行する。
前記第1残余発光部は、各発光部LD2、LD3、LD4のうちの、いずれの発光部であってもよいが、本実施形態では、基準発光部である発光部LD1が配置される配列方向D3の一方端とは反対の他方端に配置された発光部LD4を、前記第1残余発光部とする。光源51において、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の主走査方向D1への位置ずれが発生していた場合、その位置ずれ量は、前述の如く、発光部LD1から主走査方向D1に最も離間した発光部LD4が最大となる。このため、補正すべき発光開始タイミングの変化量も、残余発光部の中で位置ずれ量が最も大きな発光部LD4が最大となる。従って、残余発光部の中で発光部LD1から主走査方向D1に最も離間した発光部LD4を第1残余発光部とすることによって、この発光部LD4における位置ずれ量に応じた発光開始タイミングの変化量の算出精度が高くなり、発光部LD4における発光開始タイミングの変化量に基づく各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングの補正精度が向上する。
また、ステップs2における発光タイミング補正制御部915の制御動作について、具体的に説明すると、発光タイミング補正制御部915は、画像形成制御部92を制御して感光体ドラム21の回転速度を調整する(通常モード時の回転速度に対して3/4の回転速度に調整する)ことにより、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の、感光体ドラム21のドラム周面211におけるビームスポットの位置を、同じ位置とする第1制御を実行する。すなわち、第1制御では、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の多重露光による走査となるように、感光体ドラム21の回転速度が調整される。更に、発光タイミング補正制御部915は、画像形成制御部92を制御して、感光体ドラム21の回転速度に応じて中間転写ベルト281の回転速度をも調整する。
次に、ステップs3では、発光タイミング補正制御部915は、LD駆動制御部912にLD駆動部51Aを制御させて、第2制御を実行する。具体的には、発光タイミング補正制御部915は、発光部LD1から光ビームLB−1を出射させるとともに、記憶部911に記憶された発光部LD4に対応した発光開始タイミングを基準に、複数の異なる開始タイミングで発光部LD4から光ビームLB−4を出射させ、前記各開始タイミングに応じて感光体ドラム21におけるドラム周面211のそれぞれ異なる領域に静電潜像を形成させる。これにより、感光体ドラム21におけるドラム周面211の各領域に形成された静電潜像に対応したパッチ画像が、前記各開始タイミングに応じて中間転写ベルト281上のそれぞれ異なる領域部分に形成される。
ステップs3において発光タイミング補正制御部915が実行する第2制御について、図9乃至図11を参照して詳細に説明すると、次の通りである。図9乃至図11は、補正モードにおいて実行される第2制御を説明するための図である。図9は、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4に位置ずれが生じていない場合における図である。図10は、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4に位置ずれが生じている場合における図である。図11は、パッチ画像が形成された中間転写ベルト281の状態を示す図である。
ステップs3において発光タイミング補正制御部915が実行する第2制御は、図11に示すように、中間転写ベルト281の主走査方向D1の両端部の各領域A1、A2内における複数領域部分の各々に、発光部LD4の各開始タイミングに応じてパッチ画像を形成させる制御である。
図11に示す例では、移動方向H1に移動される中間転写ベルト281の主走査方向一端部の領域A1内において、移動方向H1の上流から下流に向かって並んだ状態で、第1領域部分A11、第2領域部分A12、第3領域部分A13、第4領域部分A14、及び第5領域部分A15がそれぞれ設定されている。第1領域部分A11には、複数の画素GP1aからなる画素群GP1Gaによって構成される第1パッチ画像G11が形成される。第2領域部分A12には、複数の画素GP1bからなる画素群GP1Gbによって構成される第2パッチ画像G12が形成される。第3領域部分A13には、複数の画素GP1からなる画素群GP1Gによって構成される第3パッチ画像G13が形成される。第4領域部分A14には、複数の画素GP1cからなる画素群GP1Gcによって構成される第4パッチ画像G14が形成される。第5領域部分A15には、複数の画素GP1dからなる画素群GP1Gdによって構成される第5パッチ画像G15が形成される。
一方、移動方向H1に移動される中間転写ベルト281の主走査方向他端部の領域A2内において、移動方向H1の上流から下流に向かって並んだ状態で、第6領域部分A21、第7領域部分A22、第8領域部分A23、第9領域部分A24、及び第10領域部分A25がそれぞれ設定されている。第6領域部分A21には、複数の画素GP2aからなる画素群GP2Gaによって構成される第6パッチ画像G21が形成される。第7領域部分A22には、複数の画素GP2bからなる画素群GP2Gbによって構成される第7パッチ画像G22が形成される。第8領域部分A23には、複数の画素GP2からなる画素群GP2Gによって構成される第8パッチ画像G23が形成される。第9領域部分A24には、複数の画素GP2cからなる画素群GP2Gcによって構成される第9パッチ画像G24が形成される。第10領域部分A25には、複数の画素GP2dからなる画素群GP2Gdによって構成される第10パッチ画像G25が形成される。
図9(A)及び図10(A)を参照して、第1領域部分A11に形成される第1パッチ画像G11を構成する画素群GP1Gaの各画素GP1aは、タイミングt11で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt11に対して遅延したタイミングt41aで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。また、第6領域部分A21に形成される第6パッチ画像G21を構成する画素群GP2Gaの各画素GP2aは、タイミングt12で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt12に対して遅延したタイミングt42aで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。ここで、発光部LD4による発光の開始タイミングであるタイミングt41a及びタイミングt42aは、記憶部911に記憶された発光部LD1に対する発光部LD4の発光開始タイミングよりも早いタイミングであって、ビームスポットの位置が主走査方向上流側に1/2画素分ずれることを想定したタイミングである。
図9(B)及び図10(B)を参照して、第2領域部分A12に形成される第2パッチ画像G12を構成する画素群GP1Gbの各画素GP1bは、タイミングt11で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt11に対して遅延したタイミングt41bで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。また、第7領域部分A22に形成される第7パッチ画像G22を構成する画素群GP2Gbの各画素GP2bは、タイミングt12で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt12に対して遅延したタイミングt42bで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。ここで、発光部LD4による発光の開始タイミングであるタイミングt41b及びタイミングt42bは、記憶部911に記憶された発光部LD1に対する発光部LD4の発光開始タイミングよりも早いタイミングであって、ビームスポットの位置が主走査方向上流側に1/4画素分ずれることを想定したタイミングである。
図9(C)及び図10(C)を参照して、第3領域部分A13に形成される第3パッチ画像G13を構成する画素群GP1Gの各画素GP1は、タイミングt11で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt11に対して遅延したタイミングt41で発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。また、第8領域部分A23に形成される第8パッチ画像G23を構成する画素群GP2Gの各画素GP2は、タイミングt12で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt12に対して遅延したタイミングt42で発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。ここで、発光部LD4による発光の開始タイミングであるタイミングt41及びタイミングt42は、記憶部911に記憶された発光部LD1に対する発光部LD4の発光開始タイミングと同一のタイミングである。
図9(D)及び図10(D)を参照して、第4領域部分A14に形成される第4パッチ画像G14を構成する画素群GP1Gcの各画素GP1cは、タイミングt11で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt11に対して遅延したタイミングt41cで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。また、第9領域部分A24に形成される第9パッチ画像G24を構成する画素群GP2Gcの各画素GP2cは、タイミングt12で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt12に対して遅延したタイミングt42cで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。ここで、発光部LD4による発光の開始タイミングであるタイミングt41c及びタイミングt42cは、記憶部911に記憶された発光部LD1に対する発光部LD4の発光開始タイミングよりも遅いタイミングであって、ビームスポットの位置が主走査方向下流側に1/4画素分ずれることを想定したタイミングである。
図9(E)及び図10(E)を参照して、第5領域部分A15に形成される第5パッチ画像G15を構成する画素群GP1Gdの各画素GP1dは、タイミングt11で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt11に対して遅延したタイミングt41dで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。また、第10領域部分A25に形成される第10パッチ画像G25を構成する画素群GP2Gdの各画素GP2dは、タイミングt12で発光部LD1から出射された光ビームLB−1と、タイミングt12に対して遅延したタイミングt42dで発光部LD4から出射された光ビームLB−4との多重露光による走査によって、感光体ドラム21のドラム周面211に形成された静電潜像に対応したものである。ここで、発光部LD4による発光の開始タイミングであるタイミングt41d及びタイミングt42dは、記憶部911に記憶された発光部LD1に対する発光部LD4の発光開始タイミングよりも遅いタイミングであって、ビームスポットの位置が主走査方向下流側に1/2画素分ずれることを想定したタイミングである。
発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の多重露光による走査の場合、光ビームLB−1により描画される主走査ラインSL1と、光ビームLB−4により描画される主走査ラインSL4とは、重なったものとなる。そして、発光部LD4による発光の開始タイミングに応じて、主走査ラインSL1、SL4上における、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の重なり長さが変化する。この各光ビームLB−1、LB−4の重なり長さが長いほど、中間転写ベルト281上に形成されたパッチ画像のトナー濃度が高くなる。
光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4に位置ずれが生じていない場合、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の重なり長さは、発光部LD4による発光の開始タイミングが記憶部911に記憶された発光部LD4の発光開始タイミングとされたときに、最も長くなる(図9(C)参照)。従って、このときにパッチ画像のトナー濃度が最も高濃度となる。そして、発光部LD4による発光の開始タイミングの、前記発光開始タイミングに対するずれ量が大きくなるほど、各光ビームLB−1、LB−4の重なり長さが短くなる(図9(A),(B),(D),(E)参照)。従って、発光部LD4による発光の開始タイミングの、前記発光開始タイミングに対するずれ量が大きくなるほど、パッチ画像のトナー濃度が低くなる。
一方、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4に位置ずれが生じている場合、図10に示すように、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の重なり長さが最も長くなるときの、発光部LD4による発光の開始タイミングは、発光部LD4の設計位置(図中の破線で示す位置)に対する位置ずれ量に応じて、記憶部911に記憶された発光部LD4の発光開始タイミングからずれたタイミングとなる。図10に示す例では、発光部LD4による発光の開始タイミングが、前記発光開始タイミングよりも早いタイミングであって、ビームスポットの位置が主走査方向上流側に1/4画素分ずれることを想定したタイミングであるときに、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の重なり長さが最も長くなる(図10(B)参照)。従って、このときにパッチ画像のトナー濃度が最も高濃度となる。
次に、ステップs4では、濃度検出部80は、中間転写ベルト281の主走査方向D1の両端部の各領域A1、A2内における第1乃至第10領域部分A11乃至A25の各々に形成された、第1乃至第10パッチ画像G11乃至G25のトナー濃度をそれぞれ検出する。
次に、ステップs5では、発光タイミング補正制御部915は、中間転写ベルト281の主走査方向D1の両端部の各領域A1、A2に対応して、パッチ画像のトナー濃度が最も高濃度となる発光部LD4の開始タイミングを認識する。以下では、中間転写ベルト281の主走査方向一端部の領域A1に対応する、パッチ画像のトナー濃度が最も高濃度となる発光部LD4の開始タイミングを「発光部LD4の第1補正候補開始タイミング」と称する。また、中間転写ベルト281の主走査方向他端部の領域A2に対応する、パッチ画像のトナー濃度が最も高濃度となる発光部LD4の開始タイミングを「発光部LD4の第2補正候補開始タイミング」と称する。図11に示す例では、中間転写ベルト281の主走査方向一端部の領域A1内においては、第3領域部分A13に形成された第3パッチ画像G13のトナー濃度が最も高濃度となり、この第3パッチ画像G13の形成時における発光部LD4の開始タイミングが第1補正候補開始タイミングとなる。また、中間転写ベルト281の主走査方向他端部の領域A2内においては、第7領域部分A22に形成された第7パッチ画像G22のトナー濃度が最も高濃度となり、この第7パッチ画像G22の形成時における発光部LD4の開始タイミングが第2補正候補開始タイミングとなる。
光源51から出射される光ビームによって感光体ドラム21のドラム周面211を主走査方向D1に走査する際に、感光体ドラム21は主走査方向D1に延びるドラム回転軸回りに回転している。このため、光ビームによって主走査方向D1に走査していたとしても、感光体ドラム21のドラム回転軸の軸方向両端部で副走査位置が異なってしまう。この結果、中間転写ベルト281の主走査方向両端部の各領域A1、A2に対応した、発光部LD4における第1補正候補開始タイミングと第2補正候補開始タイミングとが異値となる場合がある。そこで、ステップs5に続くステップs6では、発光タイミング補正制御部915は、発光部LD4における第1補正候補開始タイミングと第2補正候補開始タイミングとが、それぞれ異なるタイミングであるか否かを判断する。発光部LD4において、第1補正候補開始タイミングと第2補正候補開始タイミングとが異ならない、すなわち同一であると判断した場合にはステップs7に進む。一方、発光部LD4において、第1補正候補開始タイミングと第2補正候補開始タイミングとが異なると判断した場合にはステップs8に進む。
ステップs7では、発光タイミング補正制御部915は、発光部LD4において同値となる第1補正候補開始タイミング及び第2補正候補開始タイミングに基づいて、主走査ピッチP1に応じて発光部LD2及び発光部LD3の各々の補正候補開始タイミングを算出する。このようにして算出された発光部LD2及び発光部LD3の各々の補正候補開始タイミングは、発光部LD2及び発光部LD3の各々の設計位置に対する位置ずれ量に応じて、記憶部911に記憶された発光部LD2及び発光部LD3の各々の発光開始タイミングからずれたタイミングとなる。ステップs7において、発光部LD2及び発光部LD3の各々の補正候補開始タイミングが算出されると、ステップs10に進む。
ステップs8では、発光タイミング補正制御部915は、発光部LD4において異値となる第1補正候補開始タイミング及び第2補正候補開始タイミングの各々に基づいて、発光部LD2の第1及び第2補正候補開始タイミングと、発光部LD3の第1及び第2補正候補開始タイミングと、をそれぞれ算出する。発光部LD2及び発光部LD3の各々の第1補正候補開始タイミングは、発光部LD4の第1補正候補開始タイミングに基づいて、主走査ピッチP1に応じて算出されたものであり、中間転写ベルト281の主走査方向一端部の領域A1に対応したものとなる。また、発光部LD2及び発光部LD3の各々の第2補正候補開始タイミングは、発光部LD4の第2補正候補開始タイミングに基づいて、主走査ピッチP1に応じて算出されたものであり、中間転写ベルト281の主走査方向他端部の領域A2に対応したものとなる。
中間転写ベルト281の主走査方向両端部の各領域A1、A2に対応した、発光部LD4における第1補正候補開始タイミングと第2補正候補開始タイミングとが異値である場合、各発光部LD2、LD3、LD4による発光の開始タイミングを、感光体ドラム21のドラム周面211における主走査方向D1の走査位置毎に、変化させる必要がある。そこで、ステップs8に続くステップs9では、各発光部LD2、LD3、LD4の感光体ドラム21に対する、主走査方向D1の走査位置毎の補正候補開始タイミングを、各発光部LD2、LD3、LD4における第1及び第2補正候補開始タイミングに基づいて、部分等倍補正処理により算出する。
例えば、各発光部LD2、LD3、LD4における第1補正候補開始タイミングが、記憶部911に記憶された各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングと同値であり、各発光部LD2、LD3、LD4における第2補正候補開始タイミングが、前記発光開始タイミングよりも早いタイミングであって、ビームスポットの位置が主走査方向上流側に1/4画素分ずれることを想定したタイミングである場合、以下の通りの部分等倍補正処理が行われる。
感光体ドラム21のドラム周面211が主走査方向D1に例えば4つの領域に分割される。4つの領域のうち、中間転写ベルト281の主走査方向一端部の領域A1に対応する、ドラム周面211の主走査方向一端部の第1領域に対しては、各発光部LD2、LD3、LD4の補正候補開始タイミングが第1補正候補開始タイミングと同値に設定される。また、ドラム周面211において前記第1領域の下流側に隣接する第2領域に対しては、各発光部LD2、LD3、LD4の補正候補開始タイミングが、ビームスポットの位置が主走査方向上流側に1/12画素分(1/4画素の1/3倍に相当する)ずれることを想定したタイミングに設定される。また、ドラム周面211において前記第2領域の下流側に隣接する第3領域に対しては、各発光部LD2、LD3、LD4の補正候補開始タイミングが、ビームスポットの位置が主走査方向上流側に1/6画素分(1/4画素の2/3倍に相当する)ずれることを想定したタイミングに設定される。そして、中間転写ベルト281の主走査方向他端部の領域A2に対応する、ドラム周面211の主走査方向他端部の第4領域に対しては、各発光部LD2、LD3、LD4の補正候補開始タイミングが第2補正候補開始タイミングと同値に設定される。
上記のようにして算出された各発光部LD2、LD3、LD4の補正候補開始タイミングは、各発光部LD2、LD3、LD4の設計位置に対する位置ずれ量に応じて、記憶部911に記憶された各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングからずれたタイミングとなる。ステップs9において、各発光部LD2、LD3、LD4の補正候補開始タイミングが算出されると、ステップs10に進む。
ステップs10では、発光タイミング補正制御部915は、前述の如くに算出された各発光部LD2、LD3、LD4の補正候補開始タイミングを、補正後の新たな発光開始タイミングとして認識し、その新たな発光開始タイミングを記憶部911に記憶させる。本実施形態では、ステップs5からステップs10に至るまでの制御動作が、補正モードにおいて発光タイミング補正制御部915が実行する第3制御となる。
以上のように、本実施形態の光走査装置23では、記憶部911に記憶された発光開始タイミングを補正するための補正モードにおいて、光走査制御部91の発光タイミング補正制御部915は、発光部LD1(基準発光部)及び発光部LD4(第1残余発光部)の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4のビームスポットの位置を同じ位置とする第1制御、複数の異なる開始タイミングで発光部LD4から光ビームLB−4を出射させて中間転写ベルト281上にパッチ画像を形成させる第2制御、前記パッチ画像のトナー濃度が最も高濃度となる発光部LD4の開始タイミングに基づき各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングを補正する第3制御を実行する。これによって、発光部LD1に対して各発光部LD2、LD3、LD4に位置ずれが生じた場合に、当該各発光部LD2、LD3、LD4の発光部LD1に対する発光開始タイミングを、高精度に補正することができる。
また、本実施形態の画像形成装置1は、発光部LD1に対して各発光部LD2、LD3、LD4に位置ずれが生じた場合に、当該各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングを高精度に補正することが可能な光走査装置23を備えている。このため、各発光部LD2、LD3、LD4に位置ずれが生じた場合には、高精度に補正された新たな発光開始タイミングで各発光部LD2、LD3、LD4から出射された各光ビームにより、画像データを構成する各画素を走査することができる。この結果、感光体ドラム21のドラム周面211に形成される静電潜像の画素に位置ずれが生じることを、可及的に抑止することができる。従って、中間転写ベルト281に転写されるトナー像においても画素ずれの発生が抑止され、そのトナー像に基づき画像形成装置1にて形成される画像における画素ずれの発生も抑止される。よって、高品質の画像を形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形実施形態を採ることができる。
(1)上記の実施形態では、補正モードにおいて、発光タイミング補正制御部915が、感光体ドラム21の回転速度を調整することにより、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の、感光体ドラム21のドラム周面211におけるビームスポットの位置を、同じ位置とする第1制御を実行する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。補正モードにおいて、発光タイミング補正制御部915は、ポリゴンミラー駆動制御部913にポリゴンミラー駆動部62Aを制御させて、ポリゴンミラー62の回転速度を調整することにより第1制御を実行するよう、構成されていてもよい。ポリゴンミラー62の回転速度の調整により、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の、感光体ドラム21のドラム周面211におけるビームスポットの位置を、同じ位置とすることができる。
(2)上記の実施形態では、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4が、主走査ピッチP1及び副走査ピッチP2を有して所定の配列方向D3に沿って配列される構成について説明した。この構成では、各発光部LD1、LD2、LD3、LD4が同一の発光開始タイミングで発光された場合、各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4の感光体ドラム21のドラム周面211上におけるビームスポットの位置は、主走査ピッチP1に応じて主走査方向D1に異なる位置となり、且つ、副走査ピッチP2に応じて副走査方向D2に異なる位置となる。このため、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングを補正するに際し、発光タイミング補正制御部915は、発光部LD1及び発光部LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−4の、感光体ドラム21のドラム周面211におけるビームスポットの位置を、同じ位置とする第1制御を実行する必要がある。
これに対し、光源51の各発光部LD1、LD2、LD3、LD4の各々から出射される各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4での走査方式が多重露光走査方式に、予め設定されていてもよい。多重露光走査方式の光走査装置23は、各光ビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4の感光体ドラム21のドラム周面211上におけるビームスポットの位置が同じ位置となるように、構成されている。このような多重露光走査方式の場合には、補正モードにおいて、発光タイミング補正制御部915は、各光ビームLB−1、LB−4の、感光体ドラム21のドラム周面211におけるビームスポットの位置を、同じ位置とする第1制御の実行を省略する。このため、補正モードにおいて、発光部LD1に対する各発光部LD2、LD3、LD4の発光開始タイミングを補正する補正制御動作に要する時間を短縮することができる。