JP2020013039A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃度むら補正及び光量キャリブレーションを精度良く行う。【解決手段】画像形成装置は、感光体ドラム21、トナー像が転写される転写ベルト281、ビームで感光体ドラム21の周面を主走査方向に走査する光走査装置23と、転写ベルト281の周面に対向配置され、トナー濃度を検出する濃度センサー16とを含む。制御部70は、濃度むら補正のため、前記ビームの光量を、感光体ドラム21の周面に定めた基準位置では不変とする一方で、他の位置では前記基準位置に対して相対的に変更するシェーディング補正部73と、前記ビームによる主走査方向の走査位置と、濃度センサー16による濃度検出位置DPとの相対的な位置関係を、転写ベルト281に担持されたトナー像を用いて導出する位置検出制御部76とを備える。シェーディング補正部73は、濃度検出位置DPに相当する走査位置を前記基準位置として、前記濃度むら補正を実行する。【選択図】図13

Description

本発明は、トナー像の形成のために被走査面上を走査する光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
レーザープリンターや複写機等の画像形成装置は、感光体ドラムの周面(被走査面)を走査用のビームで走査して潜像を形成する光走査装置を備える。前記潜像がトナーで現像されることにより、前記感光体ドラムの周面にトナー像が形成される。このトナー像には、種々の要因によって主走査方向において濃度むらが発生することがある。前記濃度むらを打ち消すには、前記ビームの光量を補正する手段が取られる。具体的には、主走査方向の各位置と、前記ビームの補正光量とを関連付けたプロファイルデータが用いられ、主走査方向の各位置の走査時に前記補正光量に基づきビーム光量が加減される。この際、前記周面のある位置が基準位置とされ、この基準位置の濃度に主走査方向の各位置の濃度が揃うように補正光量が設定される。
また、画像形成装置においては、狙いとする濃度でトナー像が得られるようにキャリブレーションする必要がある。このキャリブレーションは、狙いのトナー濃度が得られるビームの光量(レーザーダイオードの駆動電流)を求め、設定値との乖離があればこれを是正する処理である(例えば特許文献1)。キャリブレーションに際しては、感光体ドラムや中間転写ベルトなどのトナー担持体の周面に濃度検出用のトナーパッチが形成され、前記周面に対向して配置された濃度センサーにより前記トナーパッチのトナー濃度が検出される。検出されたトナー濃度と狙いのトナー濃度との乖離に応じて、走査範囲全体においてビームの光量が増減される。
特開2013−238672号公報
上記の濃度むら補正及びキャリブレーションは、共に光走査装置が発するビームの光量を変更する処理となる。このため、濃度むら補正において光量が不変となる前記基準位置において、キャリブレーションのための濃度検出を行うことが望ましいと言える。一般に、濃度むら補正に用いられる前記プロファイルデータは、実際にトナーチャートを印刷メディアに印刷させ、これをスキャナ等で光学的に読み取ることで濃度むらを測定して作成される。従って、露光位置と濃度むらとの位置関係は把握可能である。一方、キャリブレーションでは、画像形成装置内に配置された濃度センサーで前記トナーパッチを読み取る。被走査面の露光位置は、ビーム書き始め位置からの経過時間に依存して識別される。しかし、濃度センサーによる物理的な濃度検出位置は、時間的には識別することができない。このため、濃度むら補正の前記基準位置に対して濃度センサーによる濃度検出位置を位置合わせすることは困難であり、濃度むら補正及びキャリブレーションが精度良く行えないという問題があった。
本発明の目的は、濃度むら補正及びキャリブレーションを精度良く行うことのできる画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、トナー像を担持する周面を有するトナー像担持体と、前記トナー像の形成のため、ビームで所定の被走査面上を主走査方向に走査する光走査装置と、前記トナー像担持体の周面の所定位置に対向して配置され、前記周面に担持されたトナー像の濃度を検出する濃度センサーと、前記トナー像の主走査方向における濃度むら補正のため、前記光走査装置の前記ビームの光量を、前記被走査面上に定めた基準位置では不変とする一方で、前記被走査面の主走査方向の他の位置では前記基準位置に対して相対的に変更する濃度補正機構と、前記ビームによる主走査方向の走査位置と、前記濃度センサーによる濃度検出位置との相対的な位置関係を、前記周面に担持されたトナー像を用いて導出する位置検出機構と、を備え、前記濃度補正機構は、前記濃度検出位置に相当する走査位置を前記基準位置として、前記濃度むら補正を実行する。
この画像形成装置によれば、位置検出機構により、ビームによる主走査方向の走査位置と、前記濃度センサーによる濃度検出位置との相対的な位置関係が求められる。このため、キャリブレーションに適用可能な濃度センサーの濃度検出位置と、濃度むら補正のための前記基準位置との位置合わせを的確に行わせ、濃度むら補正及びキャリブレーションを精度良く行わせることが可能となる。また、位置検出機構は、トナー像担持体の周面に形成されたトナー像から前記位置関係を求める。従って、前記濃度センサーを用いて前記位置関係が導出可能であり、新たにセンサー等を設置したり、複雑な演算を行ったりする必要が無い。
上記の画像形成装置において、前記トナー像担持体上に、前記濃度むらを測定するためのチャートを前記トナー像で形成すると共に、前記チャートを印刷メディアに印刷させるチャート形成機構をさらに備え、前記チャート形成機構は、主走査方向に延びる前記チャートに加え、当該チャート上における前記濃度検出位置に相当する位置を識別させる基準パッチをトナー像で形成し、前記チャート及び前記基準パッチを同一の印刷メディアに印刷させることが望ましい。
この画像形成装置によれば、基準パッチの位置を参照して、濃度センサーによる濃度検出位置をチャート上において識別させることができる。従って、前記濃度検出位置と、濃度むら補正のための前記基準位置との位置合わせを容易化することができる。
この場合、前記濃度補正機構は、前記チャートの濃度測定により得られた濃度むら特性より作成された、主走査方向の各位置と補正光量とを関連付けたプロファイルに基づき前記濃度むら補正を行うものであって、前記濃度むら補正では、前記チャートにおける前記基準パッチの対応位置を基準ブロックとし、前記チャートにおける前記基準ブロック以外の他のブロックのトナー濃度が前記基準ブロックのトナー濃度に揃うように、前記プロファイルが設定されることが望ましい。
この画像形成装置によれば、濃度センサーによる濃度検出位置に、濃度むら補正のプロファイルの基準位置との位置合わせを容易に行えるようになる。
上記の画像形成装置において、前記光走査装置は、主走査方向に並ぶ複数のビームを発生可能なマルチビーム光源を備えることが望ましい。
マルチビーム光源では、複数のビームが主走査方向に並ぶため、本来的に前記濃度検出位置と前記基準位置との位置合わせの困難性は高くなる。上記の画像形成装置によれば、マルチビーム光源を使用する場合でも、両者の位置合わせを的確に行わせることが可能となる。
本発明によれば、濃度むら補正及びキャリブレーションを精度良く行うことのできる画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る光走査装置の内部構成を模式的に示す斜視図である。 図3は、マルチビーム方式による感光体ドラムの露光態様を説明するための模式的な斜視図である。 図4は、光源部のマルチビーム発光部を示す斜視図である。 図5は、前記画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。 図6(A)は、主走査方向における濃度むらの一例を示すグラフ、図6(B)は、前記濃度むらを補正するための光量補正プロファイルの一例を示すグラフである。 図7は、光量キャリブレーションの例を説明するための図である。 図8は、光量キャリブレーションの際に行われる、濃度センサーによるトナーパッチの濃度計測動作を示す模式図である。 図9(A)及び(B)は、濃度センサーの測定スポット径と、パッチとの関係を説明するための模式図である。 図10(A)〜(C)は、光量補正プロファイルを得るための濃度むら測定の手順を示す図である。 図11は、走査位置と濃度センサーによる濃度検出位置との相対的な位置関係を、トナー像を用いて導出する例を示す図である。 図12は、本実施形態に係る濃度むら測定用チャートを示す図である。 図13は、本実施形態に係る濃度むら補正の実行例を説明するためのグラフである。
[画像形成装置の全体説明]
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す概略断面図である。画像形成装置1は、カラープリンターであって、略直方体のハウジングからなる本体ハウジング10を含む。なお、本発明は、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリ、各種機能を備えた複合機にも適用可能である。
本体ハウジング10は、シートに対して画像形成処理を行う複数の処理ユニットを内部に収容する。本実施形態では、処理ユニットとして、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bk、光走査装置23、中間転写ユニット28及び定着ユニット29を含む。本体ハウジング10の上面には排紙トレイ11が備えられている。排紙トレイ11に対向して、シート排出口12が開口している。本体ハウジング10の側壁には、手差し給紙トレイ13が開閉自在に取り付けられている。本体ハウジング10の下部には、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット14が、着脱自在に装着されている。
画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー像を、コンピューター等の外部機器から伝送された画像情報に基づき形成するもので、水平方向に所定の間隔でタンデムに配置されている。各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkは、静電潜像及びトナー像を担持する周面を有する感光体ドラム21、感光体ドラム21の周面を帯電させる帯電器22、前記静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像器24、この現像器24に各色のトナーを供給するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各トナーコンテナ25Y、25C、25M、25Bk、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる一次転写ローラー26、及び感光体ドラム21の周面の残留トナーを除去するクリーニング装置27を含む。
光走査装置23は、各色の感光体ドラム21の周面を被走査面としてビームで主走査方向に走査し、前記周面上にトナー像の形成のための静電潜像を形成する。本実施形態の光走査装置23は、1つの筐体内に各色用に準備された複数の光源と、これら光源から発せられたビームを各色の感光体ドラム21の周面に結像及び走査させる走査光学系とを含む。各色の走査光学系は互いに独立した光学系ではなく、一部の光学系が共用されている。この光走査装置23の構成については、後記で詳述する。
中間転写ユニット28は、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる。中間転写ユニット28は、各感光体ドラム21の周面に接触しつつ周回する転写ベルト281(トナー像担持体)と、転写ベルト281が架け渡される駆動ローラー282および従動ローラー283とを含む。転写ベルト281は、一次転写ローラー26によって各感光体ドラム21の周面に押し付けられている。各色の感光体ドラム21上のトナー像は転写ベルト281上の同一箇所に重ね合わせて一次転写される。これにより、フルカラーのトナー像が転写ベルト281上に形成される。
駆動ローラー282に対向して、転写ベルト281を挟んで二次転写ニップ部Tを形成する二次転写ローラー154が配置されている。転写ベルト281上のフルカラートナー像は、前記二次転写ニップ部Tにおいてシート上に二次転写される。シート上に転写されずに転写ベルト281の周面に残留したトナーは、従動ローラー283に対向して配置されたベルトクリーニング装置284によって回収される。
定着ユニット29は、熱源が内蔵された定着ローラー291と、定着ローラー291と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラー292とを含む。定着ユニット29は、二次転写ニップ部Tにおいてトナー像が転写されたシートを、定着ニップ部Nにおいて加熱及び加圧することで、トナーをシートに溶着させる定着処理を施す。定着処理が施されたシートは、シート排出口12から排紙トレイ11に向けて排出される。
本体ハウジング10の内部には、シートを搬送するためのシート搬送路が設けられている。シート搬送路は、本体ハウジング10の下部付近から上部付近まで、二次転写ニップ部T及び定着ユニット29を経由して、上下方向に延びるメイン搬送路P1を含む。メイン搬送路P1の下流端は、シート排出口12に接続されている。両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路P2が、メイン搬送路P1の最下流端から上流端付近まで延設されている。また、手差しトレイ13からメイン搬送路P1に至る手差しシート用搬送路P3が、給紙カセット14の上方に配置されている。
給紙カセット14は、シートの束を収容するシート収容部を備える。給紙カセット14の右上付近には、シート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すピックアップローラー151と、そのシートをメイン搬送路P1の上流端に送り出す給紙ローラー対152とが備えられている。手差しトレイ13に載置されたシートも、手差しシート用搬送路P3を通して、メイン搬送路P1の上流端に送り出される。メイン搬送路P1の二次転写ニップ部Tよりも上流側には、所定のタイミングでシートを転写ニップ部に送り出すレジストローラー対153が配置されている。
本体ハウジング10内には、濃度センサー16が配置されている。本実施形態では濃度センサー16は、二次転写ニップ部Tよりもやや周回方向上流の位置(所定位置)において、転写ベルト281の外周面(トナー像が担持される面)に対向して配置されている。濃度センサー16は、転写ベルト281に形成されたトナー像の濃度を光学的に検出し、電気信号に変換するものであって、転写ベルト281の外周面に検査光を照射する発光部と、ベルト外周面からの反射光を受光する受光部とを含む。濃度センサー16の出力情報は、狙いとするトナー濃度を得るための光量キャリブレーション動作や、各色のトナー像の位置合わせのためのパッチ位置検出動作、さらには、濃度センサー16による濃度検出位置の導出動作にも用いられる。この点については後記で詳述する。
以上説明した画像形成装置1において、シートに片面印刷(画像形成)処理が行われる場合、給紙カセット14又は手差しトレイ13からシートがメイン搬送路P1に送り出され、該シートに二次転写ニップ部Tにおいてトナー像の転写処理が、定着ユニット29において転写されたトナーをシートに定着させる定着処理が、各々施される。その後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。一方、シートに両面印刷処理が行われる場合、シートの片面に対して転写処理及び定着処理が施された後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に一部が排紙される。その後、該シートはスイッチバック搬送され、反転搬送路P2を経て、メイン搬送路P1の上流端付近に戻される。しかる後、シートの他面に対して転写処理及び定着処理が施され、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。
[光走査装置の構成]
図2は、光走査装置23の内部構成を模式的に示す斜視図である。図2では、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkのうちの1つの感光体ドラム21に対する光学系を模式的に示している。光走査装置23は、ハウジング23Hと、該ハウジング23H内に収容されるレーザー光源ユニット30(マルチビーム光源)と、レーザー光源ユニット30が発するビームで被走査面上を主走査方向に走査させる走査光学系とを含む。本実施形態では走査光学系は、前記ビームを偏向して被走査面を走査させるポリゴンユニット40、前記偏向されたビームを感光体ドラム21の周面に結像させる結像光学系、及び第1、第2BD(Beam Detect)センサー6A、6Bを含む。結像光学系は、コリメータレンズ51、シリンドリカルレンズ52、第1走査レンズ53、第2走査レンズ54、ミラー55及び第1、第2集光レンズ56A、56Bを含む。
レーザー光源ユニット30は、主走査方向に並ぶ複数のビームを発生可能なマルチビーム光源であり、マルチビーム発光部31と、該マルチビーム発光部31に給電するためのリード部32とを含む。図3は、マルチビーム方式による感光体ドラム21の露光態様を説明するための模式的な斜視図、図4は、マルチビーム発光部31を示す斜視図である。
マルチビーム発光部31は、円柱状のプラグ部材を備え、その先端面Fに一定間隔で1列に配列された4個のレーザーダイオード(LD)を備えた発光部である。すなわち、マルチビーム発光部31は、第1発光部LD1、第2発光部LD2、第3発光部LD3及び第4発光部LD4が配置されてなる、モノリシックマルチレーザーダイオードである。第1〜第4発光部LD1〜LD4は、主走査方向及び副走査方向のそれぞれに対して傾斜角度を有するライン上に配列されている。図3に示すように、第1、第2、第3、第4発光部LD1、LD2、LD3、LD4は、それぞれビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4を発する。
コリメータレンズ51は、レーザー光源ユニット30から発せられ拡散するビームLB−1〜LB−4を平行光に変換するレンズである。シリンドリカルレンズ52は、前記平行光のビームLB−1〜LB−4を主走査方向に長い線状光に変換してポリゴンユニット40(ポリゴンミラー41)に結像させるレンズである。
ポリゴンユニット40は、ポリゴンミラー41及びポリゴンモーター42を含む。ポリゴンミラー41は、シリンドリカルレンズ52により結像されたビームLB−1〜LB−4が入射される複数のミラー面Mを有する。ポリゴンミラー41は、ビームLB−1〜LB−4を偏向すると共に、これらビームLB−1〜LB−4で感光体ドラム21の周面を走査させる。ポリゴンミラー41は、矢印Rの方向に所定速度で回転し、感光体ドラム21の長手方向(主走査方向)をビームLB−1〜LB−4が走査するように、ビームLB−1〜LB−4を偏向する。ポリゴンモーター42は、ポリゴンミラー41を所定速度で回転させる回転力を発生する。ポリゴンモーター42の回転軸43にポリゴンミラー41が連結され、ポリゴンミラー41は回転軸43の軸回りに回転する。
第1走査レンズ53及び第2走査レンズ54は、fθ特性を有するレンズである。これら走査レンズ53、54は、ポリゴンミラー41から感光体ドラム21の周面に向かう光軸上で互いに対向して配置されている。第1、第2走査レンズ53、54は、ポリゴンミラー41によって反射されたビームLB−1〜LB−4を集光し、感光体ドラム21の周面に結像させる。
ミラー55は、第1走査レンズ53及び第2走査レンズ54から出射したビームLB−1〜LB−4を、ハウジング23Hに設けられた図略の開口部に向けて反射させ、感光体ドラム21に照射させる。第1集光レンズ56A及び第2集光レンズ56Bは、ポリゴンミラー41による感光体ドラム21の周面の有効走査領域の範囲外の光路上に設置され、それぞれビームLB−1〜LB−4を第1BDセンサー6A及び第2BDセンサー6Bに結像させるレンズである。
第1BDセンサー6A及び第2BDセンサー6Bは、一の走査ラインSLについて感光体ドラム21の周面にビームの照射を開始させる書き始めタイミングの同期を取るために、前記ビームを検出する。第1BDセンサー6Aは、走査ラインSLの走査開始側に、第2BDセンサー6Bは、走査ラインSLの走査終了側にそれぞれ配置されている。第1、第2BDセンサー6A、6Bは、フォトダイオード等からなり、レーザービームを検知していないときはハイレベルの信号を出力し、レーザービームがその受光面を通過している間はローレベルの信号を出力する。
図3を参照して、マルチビーム発光部31のLD1〜LD4から4本のビームLB−1〜LB−4が、ポリゴンミラー41のミラー面Mに向けて出射される。ポリゴンミラー41は、ポリゴンモーター42によって回転軸43の軸回りに矢印Rの方向に高速回転する。あるタイミングでは、4本のビームLB−1〜LB−4は、複数のミラー面Mのうちの一つのミラー面Mに照射され、当該ミラー面Mで感光体ドラム21の周面方向に反射(偏向)される。ポリゴンミラー41の回転に伴い、4本のビームLB−1〜LB−4は、感光体ドラム21の周面を主走査方向D2に沿って走査する。これにより、感光体ドラム21の周面には、4本の走査ラインSLが描画される。ビームLB−1〜LB−4は、画像データに応じて変調されているので、画像データに応じた静電潜像が感光体ドラム21の周面に形成されることになる。
ここで、4本のビームLB−1〜LB−4は、副走査方向D1(図3では感光体ドラム21の回転方向)にビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4の順番で並べられた状態で、主走査方向D2に4本の走査ラインSLを描画する。つまり、LB−1が副走査方向D1の最も上流側で、LB−4が最も下流側である。すなわち、LB−1がLB−4よりも時間的に先行して、主走査方向D2の走査を行う。これは、図4に示す通り、4個の発光部LD1〜LD4が一定間隔をおいて直線状に配列されているからである。従って、ビームLB−1〜LB−4の副走査方向のビームピッチ、つまり描画する画像の解像度(dpi)は、4個の発光部LD1〜LD4の配列ピッチに依存することになる。なお、4本のビームLB−1〜LB−4のいずれを時間的に先行させて主走査方向D2の走査を行わせるかは、発光部LD1〜LD4の物理的な配列ではなく、発光部LD1〜LD4にいずれの発光信号を与えるかによって決定しても良い。
上記ビームピッチは、マルチビーム発光部31を図略のホルダー部材の芯回りに回転させることで調整することができる。詳しくは、マルチビーム発光部31の先端面Fの中心Oを通る法線Aを回転軸として、図中の矢印の方向にマルチビーム発光部31を回転させることで、第1〜第4発光部LD1〜LD4の配列ピッチを見かけ上変更することができる。すなわち、法線Aの軸回りに時計方向にマルチビーム発光部31を回転させると、副走査方向のビームピッチが小さくなり、逆に、反時計方向に回転させると、副走査方向のビームピッチが大きくなる。従って、画像の設定解像度に応じたビームピッチは、マルチビーム発光部31の回転調整によって得ることができる。
[画像形成装置の電気的構成]
図5は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部70と、操作部77とを備える。制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。操作部77は、タッチパネル、テンキー、スタートキー及び設定キー等を備え、画像形成装置1に対するユーザーの操作や各種の設定を受け付ける。
制御部70は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより画像形成装置1の各部を制御し、当該画像形成装置1による画像形成動作を制御する。制御部70は、光走査制御部71、画像形成制御部72、シェーディング補正部73(濃度補正機構)、キャリブレーション制御部74、チャート印刷制御部75(チャート形成機構)及び位置検出制御部76(位置検出機構)を含む。
画像形成制御部72は、主として画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bk、中間転写ユニット28及び定着ユニット29の動作を制御し、シートへの画像形成動作を制御する。光走査制御部71は、光走査装置23による感光体ドラム21の周面に対する光走査動作を制御する制御部として機能する。
光走査制御部71は、機能的に、記憶部711、LD駆動制御部712及びポリゴンミラー駆動制御部713を含む。記憶部711は、走査光学系に関する各種の設定情報や、ポリゴンミラー41のミラー面Mごとに測定された等倍度情報などの計測情報などが記憶される。さらに、記憶部711には、予め測定された濃度むらに関する情報も記憶される。具体的には、感光体ドラム21の周面に濃度むら測定用のチャートをトナー像で形成すると共に該チャートを印刷させ、そのチャートに基づいて取得した主走査方向の濃度むら特性に基づく光量補正データ(プロファイルデータの一例)を記憶する。この光量補正データは、マルチビーム発光部31の各LDが発するビームの光量を、濃度むらを解消するように補正するためのデータであり、主走査方向の各位置と補正光量とを関連付けたプロファイルを備えたデータである。
光走査装置23には、発光部LD1〜LD4を駆動するドライバーであるLDドライバー33が備えられている。LD駆動制御部712は、LDドライバー33を制御して、発光部LD1〜LD4をそれぞれ、形成すべき画像(潜像)データに応じて、必要なタイミングにおいて必要な光量で発光させ、ビームLB−1〜LB−4を出射させる。ポリゴンミラー駆動制御部713は、ポリゴンミラー41を回転させるための回転制御信号をポリゴンモーター42に与える。ポリゴンモーター42は、当該回転制御信号に従い、ポリゴンミラー41を回転駆動する。
シェーディング補正部73は、感光体ドラム21の周面に担持されるトナー像の主走査方向における濃度むら補正のため、光走査装置23が発するビームの光量を補正する。キャリブレーション制御部74は、狙いとするトナー濃度が得られるよう、濃度センサー16の検出結果を参照して、前記ビームの光量を主走査範囲の全体的に補正(オフセット)する。チャート印刷制御部75は、前記濃度むらを測定するためのチャートを、感光体ドラム21の周面にトナー像で形成すると共に、前記チャートを印刷用紙などの印刷メディアに印刷させる処理を行う。位置検出制御部76は、前記ビームによる主走査方向の走査位置と、濃度センサー16による濃度検出位置との相対的な位置関係を、感光体ドラム21の記周面に担持されたトナー像を用いて導出する処理を行う。
[光量補正に関する詳細]
続いて、制御部70の各機能部のうち、濃度むら補正及び光量キャリブレーションのためのビーム光量補正に関する構成について、図6〜図12を参照して説明を加える。
<濃度むら補正>
シェーディング補正部73が行う濃度むら補正は、当該濃度むらのため、トナー濃度が相対的に低くなる主走査位置については光量を増量し、トナー濃度が相対的に高くなる主走査位置については光量を減少させる補正である。このような光量補正を行うに際し、シェーディング補正部73は、感光体ドラム21の周面(被走査面)上に定めた基準位置ではビーム光量を不変とする一方で、前記周面の主走査方向の他の位置では前記基準位置に対して相対的にビーム光量を変更する。
図6(A)は、光走査装置23のビームで被走査面を同一設定光量で走査させ、これを現像して得たトナー像の、主走査方向における濃度むらの一例を示すグラフである。ここでは、像高=0mmの主走査位置のトナー濃度=1としたときの、他の主走査位置における濃度比を示している。レーザー光源ユニット30のLDの駆動電流を一定にして走査した場合でも、感光体ドラム21の露光むらや、光走査装置23の走査光学系の組み付け誤差や光学部品の特性むらなどによって、図6(A)に示すような濃度むらは不可避的に生じる。
図6(B)は、前記濃度むらを補正するための光量補正プロファイルの一例を示すグラフである。このグラフでも、像高=0mmの主走査位置の光量=1としたときの、他の主走査位置における光量比を示している。トナー濃度と露光パワーとが比例の関係にあるとすると、図6(B)に示すように、図6(A)の濃度比の特性とミラーの特性を有する光量補正プロファイルを設定することで、前記濃度むらを打ち消す補正を行うことができる。図6(B)のグラフは、像高=0mmの主走査位置を上述の基準位置として定めた場合の光量補正プロファイルということができる。このプロファイルを用いる場合、シェーディング補正部73は、像高=0mmの基準位置ではビーム光量を不変とする一方で、像高=0mm以外の主走査位置では、図6(B)の光量比に従って、ビーム光量を増量若しくは減量する。
<光量キャリブレーション>
図7は、光量キャリブレーションの例を説明するための図である。この光量キャリブレーションは、狙いのトナー濃度が得られるビームの光量、具体的にはレーザーダイオードLD(図4に示す第1〜第4発光部LD1〜LD4)の駆動電流を求め、予め定めた駆動電流と光量との関係を示す設定値との乖離があればこれを是正する処理である。すなわち、図7のケース(1)に示すように、予め設定されたLD駆動電流Itで狙いのトナー濃度Nが得られている場合は、LD駆動電流をオフセットする必要はない。
一方、ケース(2)は、LD駆動電流ItをLDに与えても、トナー濃度Nよりも小さいトナー濃度N−Δnしか得られていない例である。この場合、キャリブレーション制御部74は、+Δnの濃度をLD駆動電流Δiで得ることができるとすると、全走査範囲においてLD駆動電流Itを、It+Δiにオフセットする。逆に、ケース(3)は、LD駆動電流ItをLDに与えると、トナー濃度Nよりも大きいトナー濃度N+Δnが得られてしまう例である。この場合、キャリブレーション制御部74は、全走査範囲においてLD駆動電流Itを、It−Δiにオフセットする。換言すると、キャリブレーション制御部74は、狙いのトナー濃度Nが得られるLD駆動電流を求め、これが現状でトナー濃度N用に設定されているLD駆動電流It(光量)を補正する。
上記のキャリブレーションに際しては、転写ベルト281の周面に濃度検出用のトナーパッチが形成され、前記周面に対向して配置された濃度センサー16により前記トナーパッチのトナー濃度が検出される。もちろん、濃度センサー16を感光体ドラム21の周面に対向させて配置し、当該周面にトナーパッチを形成しても良い。
図8は、光量キャリブレーションの際に行われる、濃度センサー16によるトナーパッチの濃度計測動作を示す模式図である。キャリブレーション制御部74は、転写ベルト281の周面の所定位置に、例えば濃度の異なるトナーパッチd1、d2、d3、d4、d5を、副走査方向に所定ピッチを置いて形成する。濃度センサー16は、これらのトナーパッチd1〜d5が形成される前記周面の位置に対向して配置されている。既述の通り濃度センサー16は、発光部及び受光部を備える光学センサーである。前記発光部は、トナーパッチd1〜d5が印画された前記周面に向けて検査光を発する。前記受光部は、前記検査光のトナーパッチd1〜d5からの反射光を受光し、受光量(トナー濃度)に応じた電気信号を出力する。
図8中の点DPは、前記検査光が照射される前記周面上のスポット位置、つまり濃度検出位置DPを示している。トナーパッチd1〜d5は、主走査方向に所定幅を具備するが、実際にトナー濃度が検出されるのは、主走査方向において濃度検出位置DPに対応する領域のトナー濃度である。キャリブレーション制御部74は、これら狙いの濃度のトナーパッチd1〜d5が、各々について設定されたLD駆動電流Itで得られているか否かを判定し、乖離が有る場合にはLD駆動電流It(光量)を補正する。
<濃度むら補正と光量キャリブレーションとの関係>
図6(B)に示した通り、濃度むら補正は、被走査面の特定の主走査位置を基準位置(図6(B)では像高=0mmの主走査位置)とし、この基準位置ではビームの光量を不変とする一方で、被走査面の主走査方向の他の位置では前記基準位置に対してビームの光量を相対的に変更する補正となる。一方、光量キャリブレーションは、主走査範囲の全般に亘ってビーム光量をオフセットする補正である。
各々が上記のような補正であることから、光量キャリブレーションは、濃度むら補正の実行によってもビーム光量(トナー濃度)が変わらない前記基準位置において行うことが望ましいと言える。すなわち、前記基準位置以外では、濃度むら補正によって狙いのトナー濃度Nが変化することになるので、正確なキャリブレーションが行えなくなるが、前記基準位置ではそのような不具合は生じない。
このため、濃度むら補正の基準位置において、光量キャリブレーションのためのトナー濃度検出を行えば良い。実機では、濃度センサー16の配置位置が決まっているので、光量キャリブレーションの位置を濃度むら補正の基準位置とすれば、上記の要請を満たすことができる。つまり、図8に示した濃度検出位置DPに、前記基準位置を合わせ込めば良い。例えば、濃度検出位置DPが主走査方向の像高=−120mmの位置であるとする。この場合、シェーディング補正部73は、この濃度検出位置DPに相当する像高=−120mmの主走査位置を、光量を不変とする基準位置に設定して、濃度むら補正を実行する。すなわち、図6(B)のグラフでは、像高=−120mmの光量比は「1.10」である。これを、像高=−120mmの光量比=1.00とし、他の主走査位置の光量を像高=−120mmのトナー濃度に一致するように変更して、濃度むら補正が実行される。
<濃度検出位置のサイズ>
濃度検出位置DPは、実際には、濃度センサー16が発する検査光スポットの照射位置である。検査光スポットは、あるスポット径を持つ。このスポット径は、トナーパッチd1〜d5の濃度が検知可能な径に設定される。
一方、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkの各々が形成するトナー像間の位置合わせを行うために、転写ベルト281の周面にレジストパッチ形成される場合がある。このレジストパッチは、トナーパッチd1〜d5と同様なパッチであって、濃度センサー16が援用できるように、トナーパッチd1〜d5が形成される位置に印画される。つまり、前記レジストパッチの検出用の濃度センサーを本体ハウジング10の内部に別途配置するのではなく、キャリブレーション用の濃度センサー16を利用して、各色トナー像の色ずれを抑止する処理も行う。この場合、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkで各々前記レジストパッチを形成し、これを転写ベルト281へ転写すると共に濃度センサー16で各レジストパッチの位置検知を行う。レジストパッチ間で位置ずれが存在する場合は色ずれの原因となるので、前記位置ずれが解消されるよう、各光走査装置23のビームによる走査タイミングが補正される。
このように、一つの濃度センサー16にて、トナーパッチd1〜d5の濃度と、前記レジストパッチの位置検出を行う場合、前記検査光のスポット径が問題となる。図9(A)及び(B)は、濃度センサー16の測定スポット径16Sと、パッチとの関係を説明するための模式図である。図9(A)は、前記レジストパッチのような位置検出パッチdaを検査光16Aで検出している状況を模式的に示している。ここでは、検査光16Aは位置検出パッチdaのエッジを検出するために照射される。この場合、位置検出パッチdaの領域内と領域外とでコントラストの高い出力を濃度センサー16から得ること肝要となるので、測定スポット径16Sは小さい方が望ましい。
一方、図9(B)は、上記のトナーパッチd1〜d5のような濃度検出パッチdbを検査光16Aで検出している状況を模式的に示している。ここでは、検査光16Aは、まさに濃度検出パッチdbの濃度を検出するために照射される。この場合、濃度検出パッチdbの微小部分の濃度ではなく、広い範囲で濃度を評価することが望ましいので、測定スポット径16Sは大きい方が望ましい。このように、位置検出と濃度検出とでは、測定スポット径16Sにおいて相反する要請がある。両者の要請を満たす測定スポット径16Sは、一般に概ね数ミリ程度の小さなスポット径である。
<濃度むら特性の取得>
続いて、濃度むら補正のための光量補正プロファイルを得る前提となる、図6(A)に示したような濃度むら特性の取得例について説明する。図10(A)〜(C)は、濃度むら測定の手順を示す図である。濃度むら補正に際し、チャート印刷制御部75は、図10(A)に示すように、検査シート8(印刷メディア)に濃度むら測定用のチャート81をトナー像で形成するよう、画像形成ユニット2Y〜2Bkを制御する。チャート81は、主走査方向のほぼ全幅に亘って一定幅で延びる帯状の画像である。また、チャート81の潜像を形成するに際し、光走査装置23が発するビーム光量は、主走査方向に一定に設定される。
図10(B)は、検査シート8のチャート81が印画された面を、スキャナ78で光学的に読み取っている状態を示している。このスキャン処理により、チャート81の主走査方向における各位置のトナー濃度を知見することができる。従って、スキャナ78の出力値に基づいて、図10(C)に示すような、主走査方向の各位置と、トナー濃度(濃度比)とを関連付けた、濃度むら特性を取得することができる。
ここで、濃度むら補正と光量キャリブレーションとの関係で説明したような、濃度検出位置DPと濃度むら補正の基準位置との位置合わせの達成には、困難性が伴う。前記濃度むら特性は、実際に検査シート8へ印刷させたチャート81をスキャナ78で読み取るので、光走査装置23のビームによる露光位置と、濃度むらの測定位置との位置合わせは可能である。
一方、光量キャリブレーションでは、濃度センサー16が、転写ベルト281上のトナーパッチd1〜d5を濃度検出位置DPにおいて測定する(図8)。このため、感光体ドラム21の周面に対する濃度検出位置DPの相対位置が、転写ベルト281が介在することから判別し難い状態にある。そもそも、光走査装置23のビームによる露光位置(主走査位置)は、BDセンサー6A、6Bからの走査時間で管理されるが、濃度センサー16の配置位置、つまり濃度検出位置DPの配置位置は走査時間で知見できず、ビームが実際に露光した位置と濃度検出位置DPとの対照を行うことができない。従って、チャート81上において、前記基準位置となる濃度検出位置DPを特定することは困難となる。
上述の通り、濃度検出位置DPに相当する測定スポット径16Sは、数ミリ程度の小さなものである。例えば±150mmもの主走査幅の範囲で、前記数ミリの濃度検出位置DPを正確に特定しないと、濃度むら補正と光量キャリブレーションとを精度良く行うことができないことになる。従って、チャート81上で濃度検出位置DPを特定できないことは、精度良い光量補正を阻害することに繋がる。
これに加え、本実施形態では、複数のLD1〜LD4が主走査方向に並んだマルチビーム発光部31が適用されている(図4)。例えば、4つのLD1〜LD4が主走査方向に0.1mmピッチで並んでいる場合、LD1とLD4との離間距離は0.3mmとなる。光走査装置23の走査光学系における主走査方向の倍率が8倍であるとするならば、LD1のビームとLD4のビームとは、被走査面において主走査方向に2.4mmだけ離間する。通常の濃度むら補正では、制御回路の簡素化のため、主走査方向の各位置において、LD1〜LD4のビーム光量を、図6(B)に示したような一つのプロファイルデータに基づき、同一タイミングで光量の補正を行う(LD1〜LD4のビームを、個別には光量補正しない)。
例えば、前記プロファイルデータが、像高=50mmの主走査位置において「+2%の光量増加」を示しているとする。そして、走査時にLD1が発するビームが像高=50mmの主走査位置を通過するタイミングで、LD1〜LD4について「+2%の光量増加」の光量補正を一斉に行ったとする。この場合、LD1のビームについては、前記プロファイルデータ通りの光量補正を行うことができる。しかし、LD4のビームについては、像高=50mmの位置から2.4mmだけシフトした主走査位置にも拘わらず、像高=50mmでの上記「+2%の光量増加」の光量補正を行ってしまう。このことは、濃度むら補正誤差の発生要因となる。それゆえ、マルチビーム露光方式では、チャート81上における濃度検出位置DP、つまり、露光位置(主走査位置)と濃度検出位置DPとの関係をより正確に求めることが、精度良い光量補正のために肝要となる。
<濃度検出位置の特定手法>
本実施形態では、ビームによる主走査位置と濃度検出位置DPとの相対的な位置関係を、転写ベルト281の周面に担持されたトナー像を用いて導出する。図11は、位置検出制御部76による、前記相対的な位置関係の導出例を示す図である。位置導出に際して位置検出制御部76は、画像形成ユニット2Y〜Bkを各々制御して、各色のトナーにて転写ベルト281の周面に水平パッチ82及び斜めパッチ83からなるトナー像を形成させる。水平パッチ82は、主走査方向に沿って延びる帯状のパッチである。斜めパッチ83は、水平パッチ82に対して副走査方向に所定間隔を置いて形成され、主走査方向に対して傾きを持つ帯状のパッチである。位置検出制御部76は、水平パッチ82及び斜めパッチ83を濃度センサー16で検出させ、その検出結果に基づき前記位置関係を求める。
図11では、上記のパッチ82、83に対して異なる相対位置で対向する状態の濃度センサー16a、16bを示している。これら濃度センサー16a、16bの濃度検出位置を副走査方向に線分化したラインを、検査ラインDL1、DL2で各々図示している。検査ラインDL1、DL2は、主走査方向においてパッチ82、83の異なる位置を通過(検出)することになる。また、図11には、検査ラインDL1に沿って濃度検出を行う濃度センサー16aの第1出力(DL1)と、検査ラインDL2に沿って濃度検出を行う濃度センサー16bの第2出力(DL2)とが付記されている。ここでは、パッチ82、83(高濃度部)を検出した場合に、濃度センサー16a、16bがHigh信号を出力する例を示している。
転写ベルト281が図中の矢印方向へ周回移動させた場合、水平パッチ82の始点及び終点を検出するタイミングは、第1出力(DL1)及び第2出力(DL2)共、それぞれ時刻t1、t2となる。濃度センサー16a、16bの主走査方向の位置が異なっていても、主走査方向に沿って延びる水平パッチ82の検出においては、検出タイミングに差は出ない。
一方、主走査方向に対して傾きを持つ斜めパッチ83の検出においては、第1出力(DL1)と第2出力(DL2)とで差が出る。すなわち、斜めパッチ83の副走査方向の下流側位置で対向する濃度センサー16aの方が、斜めパッチ83の検出タイミングが早くなる。従って、第1出力(DL1)では、斜めパッチ83の始点及び終点が各々時刻t3、t4で出力されるのに対し、第2出力(DL2)では、斜めパッチ83の始点及び終点が時刻t3、t4よりも各々遅い時刻t5、t6で出力される。
水平パッチ82と斜めパッチ83とは、企図する条件で作像されるので、両者の位置関係は既知である。よって、t1とt3との間隔(若しくはt2とt4との間隔)を求めることで、濃度センサー16aの検査ラインDL1(濃度検出位置)の主走査位置を導出することができる。また、t1とt5との間隔(若しくはt2とt6との間隔)を求めることで、濃度センサー16bの検査ラインDL2(濃度検出位置)の主走査位置を導出することができる。このようにして位置検出制御部76は、ビームによる主走査位置と濃度センサー16a、16bによる濃度検出位置DPとの相対的な位置関係を導出する。
<濃度むら測定用チャートの作成及びその利用>
上記の通り濃度検出位置DPと主走査位置との位置関係が特定されたなら、チャート印刷制御部75は、その濃度検出位置DPが識別できるように、濃度むら測定用のチャート81を備えた検査シート8を作成する。図12は、本実施形態に係る濃度むら測定用のチャート81を含む検査シート8の作成例を示す図である。チャート印刷制御部75は、先に図10に基づいて説明した、主走査方向に延びる帯状のチャート81に加え、当該チャート81上における濃度検出位置DPに相当する位置を識別させる基準パッチ84をトナー像で形成し、これらチャート81及び基準パッチ84を同一の検査シート8に印刷させる。
図12では、チャート81が、主走査方向に並ぶ10のブロック(A)〜(J)に区分されている例を示している。これらブロック(A)〜(J)は、ビームの光量を変更できる単位ブロックを示しており、実際はさらに細分化されたブロックとなる。チャート印刷制御部75は、基準パッチ84を、位置検出制御部76が導出した濃度検出位置DPに対応する主走査位置に形成する。図12の例では、基準パッチ84は、ブロック(A)〜(J)のうち、ブロック(B)に対応する位置に形成されている。ここでは、ブロック(B)がチャート81における基準ブロックとなる。
基準ブロックとは、先に図6に基づき説明した、濃度むら補正においてビーム光量を不変とする「基準位置」と扱われるブロックを意味する。つまり、図12の例では、基準ブロック(B)のトナー濃度に、他のブロック(A)、(C)〜(J)のトナー濃度が揃うように、ビームの光量が調整される。ここで、基準ブロック(B)の主走査位置は、濃度検出位置DPを示す基準パッチ84に対応する位置、つまり、光量キャリブレーションのための濃度検出が行われる位置である。従って、図12の検査シート8を用いることで、光量キャリブレーションを濃度むら補正の基準位置において行わせることが可能となる。
図13は、本実施形態に係る濃度むら補正の実行例を説明するためのグラフである。シェーディング補正部73は、濃度検出位置DPに相当する主走査位置を前記基準位置として、濃度むら補正を実行する。図13中のグラフは、検査シート8をスキャナ78で読み取らせることによりチャート81の濃度むら特性を取得し、その濃度むらを補正するための光量補正プロファイルを示す。図13のプロファイルは、図6(B)と同じプロファイルであって、主走査方向の各位置と補正光量とを関連付けたプロファイルである。
図13の例では、濃度検出位置DPの主走査位置、つまり図12の基準ブロック(B)の主走査位置が、像高=−130mmの主走査位置にあるケースを示している。このケースでは、シェーディング補正部73は、濃度むら補正に際し、像高=−130mmの主走査位置の光量比を基準とする「1.00」に設定し、当該主走査位置のトナー濃度に他の主走査位置のトナー濃度が揃うように、前記他の主走査位置の光量を補正する。その結果、光量キャリブレーションが行われる主走査位置の光量を、濃度むら補正では変動しないようにすることができる。
[作用効果]
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置1によれば、位置検出制御部76により、ビームが感光体ドラム21の周面を露光する主走査位置と、濃度センサー16による転写ベルト281上の濃度検出位置DPとの相対的な位置関係が求められる。このため、光量キャリブレーションに際して濃度センサー16がトナーパッチd1〜d5(図8)を検出する濃度検出位置DPと、濃度むら補正の際にビーム光量が不変とされる基準位置との位置合わせを的確に行わせることができる。従って、濃度むら補正及びキャリブレーションの双方を精度良く行わせることが可能となる。また、位置検出制御部76は、図11に示したように、転写ベルト281(トナー像担持体)の周面に形成されたトナー像から前記位置関係を求める。従って、既存の濃度センサー16を用いて前記位置関係が導出可能であり、新たにセンサー等を設置したり、複雑な演算を行ったりする必要が無い。
また、図12に示したように、検査シート8上において、基準パッチ84の位置を参照して、濃度センサー16による濃度検出位置DPをチャート81上において識別させることができる。従って、濃度検出位置DPと、濃度むら補正のための前記基準位置との位置合わせを容易化することができる。
1 画像形成装置
16 濃度センサー
21 感光体ドラム(被走査面)
23 光走査装置
28 中間転写ユニット
281 転写ベルト(トナー像担持体)
30 レーザー光源ユニット(マルチビーム光源)
70 制御部
73 シェーディング補正部(濃度補正機構)
74 キャリブレーション制御部
75 チャート印刷制御部(チャート形成機構)
76 位置検出制御部(位置検出機構)
8 検査シート(印刷メディア)
81 チャート
84 基準パッチ
DP 濃度検出位置

Claims (4)

  1. トナー像を担持する周面を有するトナー像担持体と、
    前記トナー像の形成のため、ビームで所定の被走査面上を主走査方向に走査する光走査装置と、
    前記トナー像担持体の周面の所定位置に対向して配置され、前記周面に担持されたトナー像の濃度を検出する濃度センサーと、
    前記トナー像の主走査方向における濃度むら補正のため、前記光走査装置の前記ビームの光量を、前記被走査面上に定めた基準位置では不変とする一方で、前記被走査面の主走査方向の他の位置では前記基準位置に対して相対的に変更する濃度補正機構と、
    前記ビームによる主走査方向の走査位置と、前記濃度センサーによる濃度検出位置との相対的な位置関係を、前記周面に担持されたトナー像を用いて導出する位置検出機構と、を備え、
    前記濃度補正機構は、前記濃度検出位置に相当する走査位置を前記基準位置として、前記濃度むら補正を実行する、画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記トナー像担持体上に、前記濃度むらを測定するためのチャートを前記トナー像で形成すると共に、前記チャートを印刷メディアに印刷させるチャート形成機構をさらに備え、
    前記チャート形成機構は、
    主走査方向に延びる前記チャートに加え、当該チャート上における前記濃度検出位置に相当する位置を識別させる基準パッチをトナー像で形成し、
    前記チャート及び前記基準パッチを同一の印刷メディアに印刷させる、画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記濃度補正機構は、前記チャートの濃度測定により得られた濃度むら特性より作成された、主走査方向の各位置と補正光量とを関連付けたプロファイルに基づき前記濃度むら補正を行うものであって、
    前記濃度むら補正では、前記チャートにおける前記基準パッチの対応位置を基準ブロックとし、前記チャートにおける前記基準ブロック以外の他のブロックのトナー濃度が前記基準ブロックのトナー濃度に揃うように、前記プロファイルが設定される、画像形成装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記光走査装置は、主走査方向に並ぶ複数のビームを発生可能なマルチビーム光源を備える、画像形成装置。
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