JP2017023050A - 糖質を低減した麺類及びその製造方法 - Google Patents

糖質を低減した麺類及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017023050A
JP2017023050A JP2015145101A JP2015145101A JP2017023050A JP 2017023050 A JP2017023050 A JP 2017023050A JP 2015145101 A JP2015145101 A JP 2015145101A JP 2015145101 A JP2015145101 A JP 2015145101A JP 2017023050 A JP2017023050 A JP 2017023050A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noodles
starch
mass
noodle
indigestible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015145101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6630078B2 (ja
Inventor
悟 八木橋
Satoru Yagihashi
悟 八木橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPN Corp
Original Assignee
Nippon Flour Mills Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Flour Mills Co Ltd filed Critical Nippon Flour Mills Co Ltd
Priority to JP2015145101A priority Critical patent/JP6630078B2/ja
Publication of JP2017023050A publication Critical patent/JP2017023050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6630078B2 publication Critical patent/JP6630078B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Abstract

【課題】50質量%以上の糖質を低減しつつ、通常の麺に期待される外観や食感を維持し、良好な作業性を有する麺類を提供することを課題とする。【解決手段】上記課題は難消化性小麦澱粉を30〜50質量%、難消化性デキストリンを2〜15質量%及びバイタルグルテンを5〜23質量%を含む製麺用粉体組成物を使用することで解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、糖質を低減した麺類及びその製造方法に関する。詳細には、難消化性小麦澱粉、難消化性デキストリン及びバイタルグルテンを含有する製麺用粉体組成物、この製麺用粉体組成物を製麺して得られる麺類、及びこの麺類を調理して得られる調理麺に関するものである。
近年、肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加が大きな社会問題となっているが、その大きな原因の一つとして食習慣の変化に伴った脂質や糖質の過剰摂取が上げられる。この対策の一つとして、食品の低糖質化が考えられ、多くの試みが講じられているが、総じて期待される品質に及ばないのが実情である。それ故、外観、食感などに優れた低糖質食品が求められており、麺類についても同様である。
中華麺、うどん、スパゲッティーなどの麺類は、小麦粉及び必要に応じて副原料を加え、定法の製麺工程を得て製造される。調理麺の場合は、麺線の太さに応じた歩留で茹で上げられた茹で麺とした後に、調理工程及び/又は冷凍処理を経て製造される。麺類は、その大半の原料が小麦粉であり、小麦粉には主要構成成分として澱粉質が含まれているため、それが糖質含量を押し上げる原因となっている。
従来、この様な麺類を低糖質化する有効な手段として、小麦粉(つまり澱粉質)を、水、タンパク質、食物繊維等に置換することが提案されている。
澱粉質を水で置換する方法として、例えば引用文献1には粗蛋白含量が通常の強力粉よりも高い小麦粉を使用し、高い茹で歩留まりで茹でることを特徴とする茹で麺類の製造方法が開示されている。引用文献2には小麦グルテン、加工澱粉及び小麦澱粉を含む製麺原料により製麺した麺を高歩留まりで茹で上げることを特徴とする中華麺類の製造方法が開示されている。これらの方法は1食あたりのカロリーをそれぞれ約30%、約30〜50%(茹で歩留に依存)軽減することが可能である。
また澱粉質を食物繊維質に置換する方法として、特許文献3では穀粉と、レジスタントスターチを含むレジスタントスターチ含有澱粉とを含有することを特徴とする麺類が提案されている。これにより、食物繊維の摂取を高めると共に、1食あたりのカロリーを20〜30%低減できる。特許文献3において、実施例のレジスタントスターチの配合割合から求められる糖質低減率は高々21質量%である。特許文献4には微細セルロース及び難消化性デキストリンからなる微細セルロース複合体を主原料の1つとして用いて製麺して得られる食物繊維強化麺類が提案されている。これにより、食物繊維の摂取を高めることができる。小麦粉の該複合体への最大置換割合が30質量%であることから、糖質低減率は高々30%である。特許文献6には難消化性架橋澱粉を、または難消化性架橋澱粉とヒドロキシプロピル化澱粉及び/又はアセチル化澱粉を併用して麺に使用し、難消化性成分を含有させた麺類が開示されている。これにより、食物繊維を強化した麺類が得られる。特許文献6には難消化性リン酸架橋澱粉の配合量が麺原料の30質量%以上になると、製麺性と麺の食感が悪化することも開示されており、含有量の上限が示唆されている。特許文献7には難消化性リン酸架橋小麦澱粉を配合したパスタが開示されている。特許文献7においては得られたパスタについて官能評価及び作業性評価は行われていない。
さらに澱粉質をタンパク質に置換する方法として、特許文献8には水抽出低変性大豆蛋白質組成物が高配合された嗜好性の高い麺類および麺皮類が開示されている。また特許文献9には蛋白価90〜100のタンパク質(大豆タンパク質や小麦タンパク質など)を1食分あたり25〜30質量%含む栄養バランスに富む麺食品が開示されている。これにより、熱量を約30%低減することができる。
上記のような麺の低糖質化を目的として澱粉質を水、食物繊維、タンパク質で置換する方法においては、置換の程度がすすむにつれ麺の質(食感及び外観)や作業性が損なわれることが良く知られており、茹で麺や調理麺とした場合には更に食感が悪化する懸念がある。特に低糖質化の手段として難消化性澱粉を配合する場合、ザラつきやボソつきが出るなど食感が著しく損なわれること、また難消化性デキストリンや結晶セルロースを配合する場合、生地の作業性が著しく損なわれることから、それぞれ配合量に限界があり、十分な低糖質化を具現化し、かつ良好な食感や作業性を実現した先行技術はない。
特開2010-193851 特開2011-67134 特開平10−313804 特開2000−316507 特開平10−243777 特開2006-129790 WO2005/016010 WO2008/072656 特開平01−247051
50質量%以上の糖質を低減しつつ、通常の麺類に期待される外観や食感を維持し、良好な作業性を有する麺類を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題を解決する為鋭意研究を重ねた結果、麺類に高い含有量で難消化性澱粉を使用した場合におこる食感の低下(主にボソボソとした食感)を、加工澱粉やα化澱粉の様な従来の食感改良剤ではなく、難消化性デキストリンを添加することにより糖質含量を増加させることなく改善するできること、さらにバイタルグルテンの添加により、小麦粉の使用量の低下や難消化性デキストリンの添加による生地の作業性の低下や麺本来の食感への影響を補完できることを見いだした。具体的には難消化性小麦澱粉、難消化性デキストリン及びバイタルグルテンを所定の量含む製麺用粉体組成物を使用することで、50質量%以上の糖質を低減しつつ、通常の麺に期待される外観や食感を維持し、良好な作業性を有する麺類を提供することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]難消化性小麦澱粉を30〜50質量%、難消化性デキストリンを2〜15質量%及びバイタルグルテンを5〜23質量%を含む製麺用粉体組成物。
[2]前記[1]に記載の製麺用粉体組成物を製麺用粉原料として用いて製麺することを特徴とする製麺方法。
[3]前記[2]に記載の方法により得られる麺類。
[4]前記[3]に記載の麺類を調理して得られる調理麺。
本発明によれば、50質量%以上の糖質を低減しつつ、通常の麺に期待される外観や食感を維持し、良好な作業性を有する麺類を提供することができる。
本願発明の製麺用粉体組成物は、難消化性小麦澱粉を30〜50質量%、難消化性デキストリンを2〜15質量%及びバイタルグルテンを5〜23質量%を含む。
難消化性澱粉はヒトの胃及び小腸では消化されにくく、大腸に届く澱粉、および、澱粉分解物の総称である。難消化性澱粉は以下に示すようにRS1〜RS4に分類されている。
RS1:雑穀のように、澱粉が物理的に硬い組織に囲まれていることで消化酵素が澱粉まで届かないタイプ(物理的に閉じ込められた澱粉)
RS2:十分に加熱されていない未糊化の澱粉やアミロースの極めて多い澱粉など、澱粉の粒子自体が消化されにくいタイプ(抵抗性澱粉粒)
RS3:澱粉を一度糊化(α化)した後、澱粉が再結晶して安定な構造(β化)をとるようになったタイプ(老化澱粉)
RS4:澱粉を高程度に化学修飾することで消化酵素が作用しにくくなったタイプ(加工澱粉)
本発明に用いる「難消化性小麦澱粉」は、小麦澱粉を物理的及び/又は化学的に加工して得られる上記RS3及び/又はRS4に分類される難消化性澱粉であって、消化酵素により消化されない難消化性成分(食物繊維)の含量が少なくとも70質量%以上含まれるものをいう。
RS3に分類される難消化性小麦澱粉としては、例えば湿熱処理、パーボイル加工、プルラナーゼ処理により得られるものが挙げられる。またRS4に分類される難消化性小麦澱粉としては、化学修飾により、エステル化やエーテル化による架橋を施したものなどが挙げられる。
好ましくは小麦澱粉をリン酸架橋して得られる難消化性小麦澱粉であり、これは上記RS4に区分される難消化性澱粉であって、小麦澱粉を高度にリン酸架橋処理して消化酵素が極めて作用し難くなっているものをいう。
リン酸架橋処理された澱粉は、難消化性澱粉と易消化性である品質改良用加工澱粉に大別される。難消化性澱粉を評価するパラメーターには膨潤度、架橋度及び食物繊維含量(プロスキー法による)が使われる。架橋度が高くても食物繊維含量が極めて低いリン酸架橋澱粉もあるため、本願発明においては難消化性澱粉であるか否かは実質的に食物繊維含量で評価し、食物繊維含量が70質量%以上であるものを難消化性澱粉に分類する。なお、RS3及びRS4の難消化性澱粉の食物繊維含量は、プロスキー法、プロスキー変法、衛新第13号の酵素−HPLC法の何れによっても測定可能である。
食品工業的に利用されている澱粉には、馬鈴薯やタピオカの様な根菜系、小麦や米、コーンの様な穀物系、サゴの様な樹幹系がある。小麦澱粉以外の澱粉から調製された難消化性澱粉を、糖質を50質量%超低減するように主原料として製麺用粉原料に用いると、吸水が悪い、つながりが悪いなどの原因で生地が得られない。また、生地が得られても弾力やコシといった食感が著しく劣る麺となる。
「難消化性小麦澱粉」は公知の方法で製造することができるが、市販されているものを使用することもできる。原料とする小麦には特に限定がない。市販されているものの好適な例としてファイバージムRW(松谷化学社製)が挙げられ、この食物繊維含量は75質量%以上である。
本発明において、「難消化性小麦澱粉」は製麺用粉体組成物全量に対して30〜50質量%の範囲で添加する。より好ましくは35〜45質量%である。「難消化性小麦澱粉」の含量が50質量%を超えると、ボソボソ感が強くなる。「難消化性小麦澱粉」の含量が30質量%未満では、糖質を50質量%超低減させることが困難になる。
本発明に用いる難消化性デキストリンは、コーンスターチなどの澱粉を酸存在下で焙焼して得られるデキストリンをアミラーゼ等の消化酵素で加水分解し、その内の難消化性成分を回収して得られる水溶性の食物繊維をいう。難消化性デキストリンは公知の方法で製造することができるが、市販されているものを使用することもできる。市販されているものの好適な例としてファイバーソル2、ファイバーソル2H、ファイバーソル2AG(何れも松谷化学社製)が挙げられ、食物繊維含量は何れも85質量%以上である。
なお、難消化性デキストリン等の低分子水溶性食物繊維は、プロスキー法及びプロスキー変法で測定することができないので、通例、衛新第13号「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載されている酵素−HPLC法で測定される(参考文献:日本食物繊維学会 http://jdf.umin.ne.jp/kakusyu/teigen-2.pdf、特開2006−149369)。
本発明において、難消化性デキストリンは製麺用粉体組成物全量に対して2〜15質量%の範囲で添加する。好ましくは3〜10質量%、より好ましくは5〜8.5質量%添加する。難消化性デキストリンの含量が15質量%を超えると、吸水が悪くなり生地が得られない。また難消化性デキストリンの含量が2質量%未満では、得られる麺の弾力が損なわれる。
本発明において、バイタルグルテンとは生のグルテンの活性を損なわないように乾燥し粉末状にしたグルテンであり、活性グルテンともいう。
本発明において、バイタルグルテンは製麺用粉体組成物全量に対して5〜23質量%の範囲で添加する。好ましくは10〜20質量%添加する。バイタルグルテンの含量が23質量%を超えると、ゴム感が強くなる。バイタルグルテンの含量が5質量%未満では、弾力が得られない。
本発明に使用する小麦粉の原料小麦としては通常製麺用として用いられる小麦粉の原料小麦とされるものであれば特に限定されず、例えば1CWを使用することができる。また同一の品種を原料とする場合であっても異なる品種を原料とするものが配合された場合であっても、いずれも使用することができる。
本発明において、小麦粉は糖質を50質量%以上低減させるという観点から、製麺用粉体組成物全量に対して0〜50質量%の範囲で添加することが好ましい。より好ましくは0〜25質量%添加する。
本発明の製麺用粉体組成物は、食感を改良する目的でさらに加工澱粉を含有することが出来る。加工澱粉は澱粉を物理的、酵素的又は化学的に加工を加えたものであり、化学的に加工を加えた加工澱粉の代表的なものとしてエステル化加工澱粉とエーテル化加工澱粉を挙げることが出来る。例えばアセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、澱粉リン酸エステルナトリウム等のエステル化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、澱粉グルコール酸ナトリウム等のエーテル化澱粉を挙げることが出来る。粘弾性を付与することができるという観点から、エーテル化加工澱粉を使用することが好ましく、ヒドロキシプロピル澱粉を使用することがより好ましい。
本発明において、加工澱粉は製麺用粉体組成物全量に対して30質量%未満の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で添加することができる。加工澱粉の添加量が30質量%を超えると、糖質50質量%低減が困難になる。
その他、製造する麺の種類に応じて、通常使用される原料を食感や作業性を損なわない程度に製麺用粉体組成物に配合しても良い。例えば、穀粉(米、大麦、ライ麦等)、澱粉(根菜系、穀物系、樹幹系の食用澱粉)、酵素製剤(トランスグルタミナーゼ等)、卵(全卵、卵白、卵黄及びそれらの粉末)、ガム質(キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸等)、蛋白質(穀物系蛋白、豆類蛋白等)、糖類(単糖、二糖、オリゴ糖等)、塩類(食塩、かんすい等)、含水エタノールなどが上げられる。ただし、総糖質が50質量%以上にならないように配合量を調節する必要がある。
本発明の麺類の製造方法は、製麺用粉原料として本発明の製麺用粉体組成物を使用する以外は、常法の製麺方法を用いることができる。
例えば製麺用粉原料を十分に混合し、その製麺用粉原料100重量部に対して塩類等を溶解させた練水を35重量部添加して予備混合する。真空度93kPaで高速で3分間、低速で10分間混合した後、ロール機で整形及び複合を行って適当な厚さの麺帯を得、ビニール袋に包んで室温で30分間以上熟成させた後、適当な切刃で生麺線を得る。更に、生麺線を茹で処理して茹で麺を得る。
本発明の製麺用粉体組成物により得られる麺類としては、うどん、冷麦、そうめん、ラーメン、日本そば、パスタ、ビーフンなどの麺線や、餃子、春巻の皮などの麺皮が挙げられる。
以下本発明を具体的に説明する為に実施例を示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[製造例 中華麺(評価基準)の製造]
小麦粉91重量部、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉4.5重量部及びバイタルグルテン4.5重量部からなる麺用小麦粉組成物をミキサーに投入し、次いでかんすい1.7重量部、鶏卵5.0重量部及び65容量%含水アルコール1.0重量部を30.3質量部の水に溶解させた水溶液38重量部を加え、減圧下(−700mmHg)で13分間混合してそぼろ状の中華麺生地を得た(この配合で得られる生麺及び茹で麺を評価基準とし、各評価項目の5点とした)。
得られた中華麺生地を常法に従って整形、複合及び圧延を行って麺帯を得た。麺帯をビニール袋で包み、30分間室温で熟成させた後、圧延して厚さ1.5mmの麺帯とし、切り刃♯18角刃で切り出して生麺を得た。この際、10名の専門パネラーにより下記項目に従って麺帯の状態を観ることで作業性を評価した。
得られた生麺線を十分量の沸騰水中で茹で歩留が150質量%になるように茹で上げた。茹で上げた麺を直ちに湯切りし、醤油ベースのスープに投入し、10名の専門パネラーにより以下に示す表1の項目に従って食感の評価を行った。
Figure 2017023050
試験1 食物繊維質配合した低糖質麺の製造
表2記載の食物繊維質を配合した製麺用粉体組成物を使用した以外は製造例に従って、評価基準の生麺に対して糖質を50質量%超低減した生麺を得た。なお、水溶液は製造例同様の重量部のかんすい、鶏卵及びアルコールを含み、残余を水としたものである。
得られた生麺線を十分量の沸騰水中で茹で歩留が140%になるように茹で上げ、評価基準の茹で麺に対して糖質を50質量%超低減した茹で麺を得た。
生麺の糖質含量率の理論値は下記式1で求め、茹で麺の糖質含量率の理論値は生麺の糖質含量率を歩留で除して求めた。糖質低減率の理論値は、下記式2で求めた。なお、本発明届において糖質含量率及び糖質低減率の理論値とは、各原料の規格書又は栄養成分表に基づいて算出した。鶏卵に関しては、5訂日本食品標準成分表に従った。また、炭水化物の内訳を糖質と繊維質に分けて表示されていない場合には、炭水化物は糖質とみなした。
式1:(「各原料の糖質含有率」×「各原料の配合重量部」)/「生地合計重量部」×100
式2:(「評価基準の糖質含量率」−「各比較例又は実施例の糖質含量率」)/「評価基準の糖質含量率」×100
評価基準の製造例の中華麺を5点とし、前記同様に作業性及び食感の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2017023050
注:難消化性小麦澱粉はファイバージムRW(松谷化学社製)、難消化性タピオカ澱粉はパインスターチRT(松谷化学社製)、難消化性トウモロコシ澱粉はアミロジェルHB450(三和澱粉社製)、結晶セルロースはセオラスFD101(旭化成社製)、難消化性デキストリンはファイバーソル2(松谷化学社製)、小麦粉はニップン北海道(日本製粉社製)、ヒドロキシプロピル澱粉は松谷ゆり(松谷化学社製)である。
Figure 2017023050
比較例1では吸水が悪く、生地が得られなかった。比較例2では吸水は良いが、つながりが不十分な生地で、製麺困難であった。作業性は比較例3、4及び5で許容範囲又は良好であった。しかしながら比較例3ではボソつきと粉っぽさがあり不適であった。比較例4ではザラつき、ボソつき、粉っぽさがあり不適であった。難消化性小麦澱粉を使用した比較例5では、食感につき他の食物繊維質を使用したものと比較して良好な結果を示したが、幾分ボソつきと粉っぽさがあり、改良の余地があった。
試験2 難消化性澱粉と難消化性デキストリンとを配合した低糖質麺の製造
表4記載の難消化性澱粉と難消化性デキストリンとを配合した製麺用粉体組成物を使用した以外は製造例に従って、評価基準生麺に対して糖質を50質量%超低減した生麺を得た。なお、水溶液は製造例同様の重量部のかんすい、鶏卵及びアルコールが含まれ、残余を水とした。得られた生麺線を十分量の沸騰水中で茹で歩留が140%になるように茹で上げ、評価基準茹で麺に対して糖質を50質量%超低減した茹で麺を得た。なお、生麺及び茹で麺の糖質含量は前記同様に式1と式2から求めた。
評価基準の中華麺を5点とし、前記同様に作業性及び食感の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017023050
Figure 2017023050
作業性は比較例6、7、実施例1のいずれについても良好であった。実施例1は評価基準に劣らない良好な食感を示したが、比較例6では粉っぽさがやや目立ち、弾力感が少なく不適であった。比較例7はボソつきがあり不適であった。
試験3 更なる低糖質化の検討
表6記載の配合の製麺用粉体組成物を使用した以外は製造例に従って、評価基準生麺に対して糖質を50質量%超低減した生麺を得た。水溶液は製造例同様の重量部のかんすい、鶏卵及びアルコールを含み、残余を水とした。得られた生麺線を十分量の沸騰水中で茹で歩留が140%になるように茹で上げ、評価基準茹で麺に対して糖質を50質量%超低減した茹で麺を得た。なお、生麺及び茹で麺の糖質含量は前記同様に式1と式2から求めた。
評価基準の製造例の中華麺を5点とし、前記同様に作業性及び食感の評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 2017023050
Figure 2017023050
実施例2、3は作業性及び食感ともに良好であった。製麺用粉体組成物に小麦粉を含まない実施例5は、作業性及び食感ともに良好であった。実施例4ではややザラつきとゴム感があるが、許容範囲であった。バイタルグルテンの配合量が23質量%よりも高い比較例8の食感はややザラつきがあり、強いゴム感があり、不適であった。難消化性小麦澱粉の配合量が50質量%よりも高い比較例9は粉っぽく、ボソつきが強く、不適であった。
試験4 茹で中華麺及び茹で低糖質麺の成分分析
製造した茹で麺の糖質含量を実測し、表2、4および6に記載した理論値との乖離がないか検証した。評価基準及び実施例3の茹で麺の成分分析を行った。成分分析は(一財)食品分析センターに外注した。食物繊維含量は衛新第13号の酵素−HPLC法により求めた。その結果を表8に示す。
低糖質麺における理論値の糖質低減率は62.1%であったが、茹で麺で実測した糖質低減率は58.1%であった。茹で麺で実測した評価基準の糖質含量が理論値との間に誤差が生じた原因は、炭水化物の内訳が示されていない原料(例えば小麦粉)の炭水化物を糖質とみなしたこと、茹で処理時に澱粉等の麺線からの溶出、原料の規格書又は成分表の許容され得る誤差範囲などに由来すると考えられる。その誤差を勘案した上で、本発明の難消化性小麦澱粉及び難消化性デキストリンを含む製麺用粉原料を用いることで、製麺作業性及び食感に優れた糖質を50質量%超低減した麺類を製造することができる。
Figure 2017023050
各測定値は、茹で麺100g当りの換算値である。

Claims (4)

  1. 難消化性小麦澱粉を30〜50質量%、
    難消化性デキストリンを2〜15質量%、及び
    バイタルグルテンを5〜23質量%、
    を含む製麺用粉体組成物。
  2. 請求項1に記載の製麺用粉体組成物を製麺用粉原料として用いて製麺することを特徴とする製麺方法。
  3. 請求項2に記載の方法により得られる麺類。
  4. 請求項3に記載の麺類を調理して得られる調理麺。
JP2015145101A 2015-07-22 2015-07-22 糖質を低減した麺類及びその製造方法 Active JP6630078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015145101A JP6630078B2 (ja) 2015-07-22 2015-07-22 糖質を低減した麺類及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015145101A JP6630078B2 (ja) 2015-07-22 2015-07-22 糖質を低減した麺類及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017023050A true JP2017023050A (ja) 2017-02-02
JP6630078B2 JP6630078B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=57944636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015145101A Active JP6630078B2 (ja) 2015-07-22 2015-07-22 糖質を低減した麺類及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6630078B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018216706A1 (ja) 2017-05-23 2018-11-29 日清フーズ株式会社 低糖質麺用ミックス
WO2019049860A1 (ja) * 2017-09-07 2019-03-14 日清フーズ株式会社 麺類及びその製造方法
WO2019059145A1 (ja) * 2017-09-22 2019-03-28 不二製油グループ本社株式会社 低糖質麺類及びその製造方法
JP2019106970A (ja) * 2017-12-20 2019-07-04 日東富士製粉株式会社 糖質制限麺
JP2019110864A (ja) * 2017-12-26 2019-07-11 奥野製薬工業株式会社 低糖質生麺類およびその製造方法
JP2019162071A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 日本製粉株式会社 製麺用粉体組成物
JP2020039265A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 日本製粉株式会社 製麺用粉体組成物
JP2020146001A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 日本製粉株式会社 低糖質乾パスタ
JPWO2020130062A1 (ja) * 2018-12-19 2021-11-04 日清フーズ株式会社 低糖質小麦粉ミックス
JPWO2022004126A1 (ja) * 2020-06-30 2022-01-06

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01196272A (ja) * 1988-01-29 1989-08-08 Nippon Inpetsukusu:Kk 食物繊維強化低カロリー麺の製造方法
JPH10313804A (ja) * 1997-05-16 1998-12-02 Nippon Shokuhin Kako Co Ltd 麺 類
JP2000316507A (ja) * 1999-05-17 2000-11-21 Matsutani Chem Ind Ltd 食物繊維強化麺類
JP2006129790A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Nippon Starch Chemical Co Ltd 食物繊維強化麺類および食物繊維強化麺類の製造方法
JP2006254901A (ja) * 2005-02-21 2006-09-28 Matsutani Chem Ind Ltd 水溶性食物繊維含有組成物及びその製造方法
JP2007520205A (ja) * 2003-07-15 2007-07-26 エムジーピー イングレディエンツ, インコーポレイテッド 高蛋白質、低炭水化物のベーカリー製品および他の食品
JP2011041487A (ja) * 2009-08-19 2011-03-03 Api Co Ltd 食物繊維含有食品及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01196272A (ja) * 1988-01-29 1989-08-08 Nippon Inpetsukusu:Kk 食物繊維強化低カロリー麺の製造方法
JPH10313804A (ja) * 1997-05-16 1998-12-02 Nippon Shokuhin Kako Co Ltd 麺 類
JP2000316507A (ja) * 1999-05-17 2000-11-21 Matsutani Chem Ind Ltd 食物繊維強化麺類
JP2007520205A (ja) * 2003-07-15 2007-07-26 エムジーピー イングレディエンツ, インコーポレイテッド 高蛋白質、低炭水化物のベーカリー製品および他の食品
JP2006129790A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Nippon Starch Chemical Co Ltd 食物繊維強化麺類および食物繊維強化麺類の製造方法
JP2006254901A (ja) * 2005-02-21 2006-09-28 Matsutani Chem Ind Ltd 水溶性食物繊維含有組成物及びその製造方法
JP2011041487A (ja) * 2009-08-19 2011-03-03 Api Co Ltd 食物繊維含有食品及びその製造方法

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018216706A1 (ja) 2017-05-23 2018-11-29 日清フーズ株式会社 低糖質麺用ミックス
EP3632219A4 (en) * 2017-05-23 2021-03-03 Nisshin Foods Inc. LOW CARBON NOODLE MIX
JPWO2018216706A1 (ja) * 2017-05-23 2020-03-26 日清フーズ株式会社 低糖質麺用ミックス
WO2019049860A1 (ja) * 2017-09-07 2019-03-14 日清フーズ株式会社 麺類及びその製造方法
JP7038724B2 (ja) 2017-09-07 2022-03-18 株式会社日清製粉ウェルナ 麺類及びその製造方法
JPWO2019049860A1 (ja) * 2017-09-07 2020-10-15 日清フーズ株式会社 麺類及びその製造方法
JPWO2019059145A1 (ja) * 2017-09-22 2020-10-15 不二製油株式会社 低糖質麺類及びその製造方法
CN110944523A (zh) * 2017-09-22 2020-03-31 不二制油集团控股株式会社 低糖质面类及其制造方法
KR20200054957A (ko) 2017-09-22 2020-05-20 후지세유 그룹 혼샤 가부시키가이샤 저당질 면류 및 그 제조 방법
CN110944523B (zh) * 2017-09-22 2023-10-31 不二制油集团控股株式会社 低糖质面类及其制造方法
JP7244800B2 (ja) 2017-09-22 2023-03-23 不二製油株式会社 低糖質麺類及びその製造方法
WO2019059145A1 (ja) * 2017-09-22 2019-03-28 不二製油グループ本社株式会社 低糖質麺類及びその製造方法
TWI767051B (zh) * 2017-09-22 2022-06-11 日商不二製油集團控股股份有限公司 低糖質麵類及其製造方法
JP2019106970A (ja) * 2017-12-20 2019-07-04 日東富士製粉株式会社 糖質制限麺
JP7210136B2 (ja) 2017-12-20 2023-01-23 日東富士製粉株式会社 糖質制限麺
JP2019110864A (ja) * 2017-12-26 2019-07-11 奥野製薬工業株式会社 低糖質生麺類およびその製造方法
JP2019162071A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 日本製粉株式会社 製麺用粉体組成物
JP7164312B2 (ja) 2018-03-20 2022-11-01 株式会社ニップン 製麺用粉体組成物
JP2020039265A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 日本製粉株式会社 製麺用粉体組成物
JP7169133B2 (ja) 2018-09-07 2022-11-10 株式会社ニップン 製麺用粉体組成物
JPWO2020130062A1 (ja) * 2018-12-19 2021-11-04 日清フーズ株式会社 低糖質小麦粉ミックス
JP7379378B2 (ja) 2018-12-19 2023-11-14 株式会社日清製粉ウェルナ 低糖質小麦粉ミックス
JP2020146001A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 日本製粉株式会社 低糖質乾パスタ
JP7432302B2 (ja) 2019-03-15 2024-02-16 株式会社ニップン 低糖質乾パスタ
JP7150374B2 (ja) 2020-06-30 2022-10-11 ベースフード株式会社 麺および麺の製造方法
JPWO2022004126A1 (ja) * 2020-06-30 2022-01-06

Also Published As

Publication number Publication date
JP6630078B2 (ja) 2020-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6630078B2 (ja) 糖質を低減した麺類及びその製造方法
JP4555400B1 (ja) 乾燥こんにゃく及びその製造方法ならびにその乾燥こんにゃくを用いた加工食品
JP2016002000A (ja) 低糖質麺及びその調製に使用するミックス粉
JP7157663B2 (ja) 麺生地及び麺類用穀粉組成物
WO2019163965A1 (ja) 飲食品利用に適した食物繊維高含有澱粉
JP7132139B2 (ja) 麺類およびその製造方法
JPWO2018216706A1 (ja) 低糖質麺用ミックス
JP7164312B2 (ja) 製麺用粉体組成物
JP6116150B2 (ja) レトルト耐性麺
JPH10262589A (ja) 低カロリー麺類の製造方法
JP2017012114A (ja) 麺類の製造方法
JP4856676B2 (ja) 加熱造粒小麦粉の粉砕物を含有する即席麺用穀粉組成物
JP6703864B2 (ja) 難消化性澱粉含有そば及びその製造方法
JP7038724B2 (ja) 麺類及びその製造方法
JP7325586B2 (ja) 調理済み冷凍麺類の製造方法
JP7169133B2 (ja) 製麺用粉体組成物
JP2019050769A (ja) 麺類の製造方法
JP6975653B2 (ja) 麺類およびその製造方法
JP2019106970A (ja) 糖質制限麺
JP7132072B2 (ja) 麺類用ミックス及びそれを用いた麺類の製造方法
JP6730903B2 (ja) 麺類およびその製造方法
JP6757741B2 (ja) 米粉麺類の製造方法及び麺類用ミックス粉
JP2018064489A (ja) 麺類用素材、その製造方法及びこれを含有する麺類
JP2002281921A (ja) 低蛋白澱粉食品
WO2023080068A1 (ja) 水戻し用の即席麺類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190306

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6630078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250