JP2017004472A - 通帳シール発行装置及び通帳シール発行方法 - Google Patents

通帳シール発行装置及び通帳シール発行方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の紙の通帳のよさを生かしながら、さらに通帳の使い勝手を向上させる。
【解決手段】通帳シール発行装置120は、現金自動取引装置100に内蔵又は接続され、顧客の口座の未記帳の取引データを受信する手段と、未記帳の取引データがある場合に、顧客から通帳シールの発行指示を受け付ける発行指示受付手段と、発行指示があった場合に通帳のフォーマットに合わせて通帳シールを印刷する印刷機構と、を備えている。顧客は、通帳を持参していなくとも通帳シールを持ち帰って自分の通帳に貼ることができる。通帳は、銀行通帳に限らず、顧客が用意した「マイ通帳」であってもよい。その場合、マイ通帳に合わせた任意の頁サイズの通帳シールを発行することができる。また、貼り忘れを防止するため、通帳シールの台紙にくじを予め印刷しておくこともできる。また、顧客の自宅のプリンタから通帳シールを印刷することもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、通帳貼付用のシールを発行する装置及び通帳貼付用のシールの発行方法に関する。
従来から、顧客がオリジナルの通帳を作ることができるアイデアが提案されている。例えば、特許文献1には、顧客の好みの絵柄等を通帳の表紙に貼着することができるようにするため、昇華転写にて画像の形成された受像層を表面に有する転写用シートの受像層を通帳表面に熱転写させることを特徴とする顧客オリジナル通帳が提案されている。また、特許文献2には、剥離シート付粘着透明フィルムを無地表紙の預貯金通帳のおもて表紙、又はおもて表紙と裏表紙両面に粘着することにより、顧客が自由なデザイン、表現をすることができる通帳が提案されている。
実開平05−012168号公報 特開平09−086076号公報
ところで、最近ではインターネットバンキングの普及により、従来の紙の通帳に代わって、パソコンやスマートフォンなどで取引の明細を閲覧できるWeb通帳が利用されることが多くなった。そのため、以前より紙の通帳を利用する機会が減っていると考えられる。しかし、紙の通帳には、従来からの慣れ親しみがあり、ハンドリングもしやすく、また大事なものは紙で残したいという欲求も強いため、依然として需要は高い。
しかしながら、現在の紙の通帳は、利用者にとっては、通帳を持ち歩くタイミングと銀行に行くタイミングが合わずなかなか記帳ができないといった問題がある。また、現在の通帳のサイズではすぐに一杯になってしまうので、取引がおおい顧客ほど通帳の繰り越しが頻繁に発生し、通帳がどんどん溜まってしまう、という問題もある。また、銀行にとっては、通帳の繰り越し発行にコストがかかるという問題もある。
したがって、本発明では、上記のような課題にかんがみ、従来の紙の通帳のよさを生かしながら、さらに通帳の使い勝手を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
(1)本発明の一つの態様では、通帳に貼るための通帳シールを発行する通帳シール発行装置であって、現金自動取引装置に接続され、顧客の口座における未記帳の取引データをホストコンピュータから受信する手段と、前記顧客から前記通帳シールの発行指示を受け付ける発行指示受付手段と、前記未記帳の取引データが有る場合であって、前記通帳シールの発行指示を受け付た場合に、前記未記帳の取引データを、前記通帳のフォーマットに合わせて前記通帳シールを印刷する印刷機構と、を備えることを特徴とする通帳シール発行装置。
(2)また、(1)の通帳シール発行装置において、前記発行指示受付手段は、前記未記帳の取引データが前記通帳の1頁以上溜まったときに、前記通帳シールを発行するか否かを前記顧客に確認させる手段を備えるようにしてもよい。
(3)また、(2)の通帳シール発行装置において、前記未記帳の取引データが1頁未満のときにも、前記通帳シールを発行するか否かを顧客に確認させる手段を備えるようにしてもよい。
(4)また、(1)〜(3)のいずれかの通帳シール発行装置において、前記通帳は、定型サイズの銀行通帳又は前記顧客が用意した任意のサイズのマイ通帳であり、前記顧客に前記通帳シールを貼る通帳を選択させる手段を備えるようにしてもよい。
(5)また、(4)の通帳シール発行装置において、前記マイ通帳のサイズを前記顧客に設定させる手段を備え、前記印刷機構は、前記設定されたサイズに合わせてロール式のシールをカットして、前記マイ通帳の通帳シールを発行する機構を備えるようにしてもよい。
(6)また、(1)〜(5)のいずれかの通帳シール発行装置において、前記通帳シールは、前記顧客が前記通帳へ前記通帳シールを貼り忘れることを防止するために、前記通帳シールの台紙にくじを予め印刷しておくようにしてもよい。
(7)また、(1)〜(6)のいずれかの通帳シール発行装置において、前記通帳シール発行装置は、前記現金自動取引装置に内蔵されるようにしてもよい。
(8)また、本発明の別の態様では、通帳に貼るための通帳シールを発行する通帳シール発行方法であって、銀行のインターネットバンキング・システム、及び/又はその他の金融機関のインターネット取引システムが、顧客の未記帳の取引データを前記通帳のフォーマットに合わせて顧客端末に送信するステップと、前記フォーマットされた未記帳の取引データを前記顧客端末に接続されたラベル紙を印刷可能なプリンタが印刷するステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、従来の紙の通帳のよさを生かしながら、さらに通帳の使い勝手を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る通帳シール発行装置をATMに組み込んだ場合の機能構成を示す図である。 通帳シール発行装置を組み込んだATMに表示される画面例を示す図である。 銀行通帳に貼る場合の通帳シールを示す図である。 通帳シール発行装置を組み込んだATMに表示される通帳シール設定画面の例を示す図である。 マイ通帳に貼る場合の通帳シールを示す図である。 通帳シール発行装置を組み込んだATMにおける通帳シール発行の処理フローを示す図である。 貼り忘れ防止用の通帳シールの一例を示す図である。 顧客の端末とプリンタを使った通帳シール発行方法の概念を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。また、機能構成の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向、又は処理の流れ方向を表す。
(通帳シール発行装置の機能構成)
本発明の通帳シール発行装置は、現金自動取引装置(以下、ATM)に組み込まれるか又はATMに接続されるオプションの装置として提供される。以下では通帳シール発行装置がATMに組み込まれた場合について説明するが、オプション装置として提供される場合でも機能的に差はない。
図1は、本発明の実施形態に係る通帳シール発行装置をATMに組み込んだ場合の機能構成を示す図である。本実施形態のATM100は、図示するように、装置全体を制御する制御部101を中心に、銀行のホストコンピュータ・システムに接続するための通信部102、顧客とのユーザインターフェース部として、タッチパネルなどの表示/操作部103、音声ガイダンスを発する音声出力部104の他、取引処理部110として、キャッシュカードを読み取るカード読取部111、銀行通帳を印字する通帳印字部112、紙幣の入出金を処理する紙幣入出金部113、硬貨の入出金を処理する硬貨入出金部114、残高などを印字したレシートを発行するレシート発行部115など一般的なATMの構成に加え、本発明が対象とする通帳シールを発行する通帳シール発行装置120(通帳シール発行部)を備えている。
ATMの一般的な構成の部分については説明を省略するが、通帳シール発行装置120は、「通帳シール」を発行する印刷装置であり、ATMに内蔵させるか、又はATMに隣接して設置される。通帳シール発行装置を別の装置とすると、現在のATMに追加できるというメリットがある。また、コンビニなどのATMは現在のところ通帳の記帳はできないが、この通帳シ−ル発行装置を接続すれば、コンビニのATMでも通帳の記帳と同様のことができる。
通帳シールとは、台紙から剥離可能なシート(ラベル紙)であり、通帳に記帳する取引データをシート表面に印刷し、それを通帳に貼ることができるシートである。顧客は、その場で通帳を持参していなくとも取引データを印刷した通帳シールを受取り、自宅などで自分の通帳に貼ることができる。言わば、お薬手帳に薬局から発行された薬剤一覧のシールを張り付けるイメージである。
通帳シールには、定型サイズの銀行通帳に貼るためのシール(これを「銀行通帳シール」と呼ぶ)と、顧客が用意するオリジナルな通帳(「マイ通帳」と呼ぶ)に貼るためのシール(これを「マイ通帳シール」と呼ぶことにする)とがある。銀行通帳シールは、マイ通帳シールを兼ねることもできる。
マイ通帳は、ATMに挿入して記帳することを前提としないので、表紙と台紙などを自由に選択することができる。バインダー式にすれば頁の追加もできる。また、通帳記帳の記録を一冊にまとめることも可能である。将来、銀行通帳がマイ通帳に移行していけば、ATMが読み取り、書き込みをするための特殊な通帳を発行する必要がなくなり、コストダウンが期待できる。
銀行通帳シールは、銀行で現在一般的に使われているNCR2000号と呼ばれる共通規格の通帳の印字領域のサイズに合わせて作られたシールであり、通帳に貼った後にATM内部で剥がれてマシントラブルを起こさないように設計された専用のシールとする。一方、マイ通帳は、ATMに挿入されることを前提としないため、一般的なノートや冊子などであってもよく、マイ通帳シールも市販のシール(ラベル紙)であってもよい。ATMがマイ通帳シールの発行をサポートするのはオプションとしてもよい。銀行通帳は、ATMでも銀行の窓口でも記帳でき便利であるが、印刷される行が1頁あたり12行と決まっており、すぐに一杯になってしまうという問題がある。一方、マイ通帳は、銀行の窓口やATMでは記帳できないが、サイズやデザインを自由に選択できたり、シールを貼る位置も自由に選択できたりし、オリジナルな通帳が作れるというメリットがある。また、既に述べたように、「増やせる写真アルバム」のように、頁を後から追加できるというようなメリットもある。
現在の銀行通帳の印刷機構は、ドットインパクト方式が主流であるが、マイ通帳に印刷する通帳シールの印刷機構は、別の印刷機構、例えば、熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式などであってもよい。ただし、印刷後に経年変化が少ないものが望ましい。また通帳シールは、固定サイズのシールを一枚ずつ印刷する方式(単票式)であってもよいし、ロールの巻かれた紙を印刷後にカットするロール式であってもよい。ロール式の場合は、切断機構が必要なためコストアップの要因になるが、1枚あたりの行数を可変にできるというメリットがある。
なお、上記のATMの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。
図2は、本発明の実施形態に係るATMの表示画面例を示す図である。一般的なATMには図示するような、顧客に希望取引を選択させるためのメインメニュー画面200が表示されるが、本実施形態のATM100には、通帳シール特有の機能のためのボタン、例えば、「通帳シールボタン」201が追加されている。このボタンがメニュー画面に表示されていることにより、顧客は、利用しようとする装置が、通帳シールをサポートしたATMであることが判る。
顧客が、ATM100のメインメニュー画面200から通帳シールボタン201を押下すると、キャッシュカードの挿入を促され、読み込まれたキャッシュカードが認証されると、ATM100は、顧客の口座の取引データをホストコンピュータから受信し、通帳に未記帳の取引データが有る場合は、図示するような通帳シール発行画面202が表示される。未記帳の取引データが無い場合は、その旨のメッセージが表示される。通帳シール発行画面202は、通帳シールボタン201を押さずとも、引き出し、振り込み、残高照会などの操作後に自動的に表示されるようにしてもよい。
顧客は、通帳シールを印刷する場合は、「発行」ボタンを押して、印刷したシールを後で自分の通帳に貼ることができる。この様子を図3に示す。顧客が、今回はシールの印刷をせず、次の機会に廻したい場合は「保留」ボタンを押す。この場合は、次回のATM操作時に同様の画面が表示されることになる。また、顧客がこのような通帳シール発行が不要な場合(記帳が不要な場合)は、「削除」ボタンを押して未記帳の取引データを消去できるようにしてもよい。この場合は、本来の通帳に記帳されるデータも消去されるが、消去された期間を示す情報は記憶される。ただし、誤操作を防ぐため、消去ボタンを押したときは、必ず顧客に確認させることが望ましい。また、「設定」ボタンを押すと、図3で示すような通帳シールに関する各種の設定を行うことができる。このようにすることで、顧客は、ATM操作時に通帳を持参していなくとも、印刷した通帳シールを持ち帰り、自分の通帳に貼ることができる。自分の通帳がマイ通帳であれば、管理しやすいように貼り方を自由に工夫もできる。
図示しないが、通帳シール発行装置120は、制御部101の制御のもと、顧客の口座における未記帳の取引データをホストコンピュータ・システムから受信する手段を有しており、未記帳のデータがどれくらい溜まっているかをATMに表示し、通帳シールを発行するか否かの発行指示を顧客から受け付ける発行指示受付手段を有する。図2の通帳シール発行画面202は、この発行指示受付手段の例であり、未記帳の取引データが1頁丁度溜まっていることを示しているが、それ以上のデータが溜まっている場合も同様に表示される。例えば、1頁半分のデータ(銀行通帳で18行分)が溜まっているときは、「1.5ページ分の取引データが未記帳です。」と表示される。ただし、通帳シールをロール式でなく、固定サイズで1枚ごとに印刷する機構の場合は、残りの半頁分のデータは、印刷を保留するか、強制的に半頁分を印刷させるかを選択できるようにしてもよい。後者を選択した場合は、2枚目のシールは下半分がブランクになるが、次に通帳に記帳する場合は、同じ頁からでなく、次の頁から印字するようにする。シールの上から印字することは印字面に高低ができ好ましくないからである。同様に、銀行通帳の頁の途中まで記帳済みで、残りの部分に通帳シールをカットして貼ることも好ましくない。このため、銀行通帳シールの印刷データは、銀行通帳の1頁に合わせてフォーマットされる。
図4は、本発明の実施形態に係るATMに表示される通帳シール設定画面の例を示す図である。通帳シール設定画面203は、通帳シールの設定を行うための画面であり、図2の通帳シール発行画面202の設定ボタンを押下したときに表示される。通帳シール設定画面203には、通帳シールに関する様々な設定機能を含めることができるが、この例では、通帳シールを銀行通帳用に印刷するか、マイ通帳用に印刷するかを設定するようにしている。通帳シールを銀行通帳用に設定した場合は、1頁が12行固定で、通帳サイズ(幅14cm、横8.7cm)の印刷領域に収まるように印刷される。マイ通帳用に設定した場合は、1頁のサイズや1頁の行数を設定することができる。ただし通常は、1行中の文字数は変更できないものとするが、印刷機構を銀行通帳用とは別にマイ通帳用に設ける場合はこの限りではない(この場合は行の幅も可変にできる)。もちろん、特にシールに区別を設けず、銀行通帳用のシールをマイ通帳に貼るようにしてもよい。
なお、シールの印刷機構がロール式でなく固定サイズのシールを1枚ずつ印刷する機構の場合は、印刷する行数がシール1枚あたりの行数の整数倍でないと空白行が印字されたシールが出力されることになる。このようなときでも通帳がマイ通帳であれば、図5に示すようにシールを重ねて貼ることができるので、マイ通帳の頁を有効に使用できる。図5の例は、前回印刷した最後のシール301が2行分しかなかったので、残りの空白行の上に、今回印刷したシール302を重ねて貼ったものである。このようにすることで、シールを月別にマイ通帳の1頁にまとめることなどができる。
なお、銀行通帳の場合は、シールを重ね貼りすることやシールを自分で切って貼ることは、ATM内でマシントラブルの発生確率を高めるので、好ましくない。そのため、シールの印刷機構がロール式でない場合は、シールは1頁のデータが溜まったときに限り印刷するように制限してもよい。このように銀行通帳よりマイ通帳のほうが制限は少なく使い勝手がいいので、現在、紙の通帳しか使っていない顧客がマイ通帳に移行することも十分考えられ、将来は、銀行の通帳がマイ通帳に一本化される可能性も生まれる。
図6は、ATMにおける通帳シール発行の処理フローを示す図である。この図は、上記で説明した通帳シール発行装置(通帳シール発行部)の処理をフローチャートにまとめたものである。このフローチャートにおいては、通帳シールは固定サイズとし、印刷機構は、1頁1枚ずつ印刷する場合について説明する。なお、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序は入れ替えてもよい。
図示するように、通帳シール発行装置又は通帳シール発行部(以下、単に装置と呼ぶ)は、ステップS10において、顧客が通帳シールボタン201を押下した後、キャッシュカードをATMに挿入してカードの認証が正常に終わると、ステップS11において、未記帳の取引データ(以下、単にデータ)が通帳1頁以上あるか否かをチェックする。データが1頁未満であればステップS17に移るが、データが1頁以上ある場合は、ステップS12において、通帳シール(以下、単にシール)を発行するか否かを顧客に確認するためのメッセージをATMの画面に表示する。
顧客からシールの発行指示がなかった場合は何もしないが、発行指示があった場合(ステップS13:Y)は、シールを1頁印刷する(ステップS14)。このとき、ホストコンピュータ・システムに未記帳データのどこまで印刷指示を受け付けたか、及びそのうちの1頁分の印刷が完了したことを通知する。すなわち、通帳シールの発行を受付けた未記帳データのうち、どこまでの記帳が完了したかを通知する。そしてステップS15において、全てのデータが印刷されたか否かをチェックする。なお、ロール式シールの場合は、マシントラブルがない限り、ステップS15は常にYとなり、ここで処理が完了するが、固定サイズのシールの場合は、ステップS16に移る。
ステップS16においては、再度、1頁以上のデータが残っているかをチェックする。1頁以上のデータが残っている場合、すなわち、もともと2頁以上のデータが未記帳であった場合は、ステップS14でシールをさらに1頁印刷し、1頁のデータがなくなるまで(ステップS16:Nとなるまで)、シールの印刷を繰り返す。最後に1頁未満のデータが残った場合は、ステップS17に移る。
そしてステップS17では、1頁未満のデータが残っている旨のメッセージをATMの表示画面に表示する。顧客に1頁に満たないデータを印刷したシールを発行するか否かを確認するためである。顧客がそのシールの発行を指示した場合は(ステップS18:Y)、残りのデータをシールに印刷する(ステップS19)。このとき、ホストコンピュータ・システムにも最後の1頁未満の印刷が完了したこと、すなわち、顧客の指示により1頁未満の未記帳データを最後まで記帳したことを通知する。従来の銀行記帳では、通帳を挿入した時点又は通帳を繰り越した時点で未記帳データの全てが印刷されるので、どこまで記帳したかの管理は不要であるが、本発明の通帳シール発行装置では、未記帳データについて1頁単位でシールに印刷するか否かを選択でき、また1頁に満たない未記帳データはシールに印刷をしない場合もあるため、未記帳データがどこまで残ったかをホストコンピュータ・システムに通知し、管理する。ただし、通帳シールがロール式であり、1頁が可変サイズの場合は、上記のステップS16〜S19の処理は不要となる。
なお、1頁未満の未記帳データをシールに印刷したとき、最後のシールにはブランク行が残ることになる。マイ通帳用シールの場合は、ブランク行があっても問題はないが、銀行通帳用のシールの場合は、次回の記帳時に、そのシールの上に印刷しないように、印字位置を次の頁から印刷するように制御することが望ましい。ただし、シール上に印刷しても問題のない印刷機構の場合はこの限りではない。
(付加機能)
以上説明したように、ATMから通帳シールを発行することで、銀行通帳を持参していなくても、その場で「記帳」を済ませることができる。しかし、発行されたシールを通帳に貼るのは、手作業となるため、顧客が貼る手間を惜しんだり、シールを通帳に貼り忘れたりすることが考えられる。そのため、通帳シールの貼り忘れを防止する手段を備えることが望ましい。例えば、通帳シールの台紙にくじを予め印刷しておけば、顧客がシールを貼ることに楽しみができるので貼り忘れを防止することがきる。図7は、このような、「貼り忘れ防止用」の通帳シールの一例を示す図である。この貼り忘れ防止用通帳シール303を台紙から剥がすと、くじが現れるようになっている。くじが当たった場合は、その当選番号が記載された台紙を銀行の窓口に持参するか、インターネットバンキングから申請すると賞品がもらえるようになっている。
また、貼り忘れ防止用の他の手段としては、次回の記帳時又は通帳シールの発行時に、前回通帳シールを発行したことをリマインドするようなメッセージをATMに表示してもよい。例えば、“〇月〇日に発行しました通帳シールの貼付はお済でしょうか”のようなメッセージを表示する。また、銀行通帳の場合には、通帳シールに印刷した行に相当する行数(頁数)だけ、次回の記帳時に改行(改頁)するようにしてもよい。このことにより銀行通帳に空白行(空白頁)でき、その箇所に通帳シールを貼り忘れていたことに顧客は容易に気付くことができる。
(別の実施形態)
図8は、本発明の別の実施形態を示すイメージ図である。今までの実施形態の説明では、ATM内又はATMに接続された通帳シール発行装置120が、通帳シールを発行することとしたが、顧客がATMに出向かなくとも、インターネットバンキングを使って、自宅のパソコンなどから通帳シールを印刷して通帳に貼ることで、「記帳」することもできる。ここでいう記帳とは、Web通帳を単に印刷することとは異なり、既に説明したように、通帳に貼るためのシールを顧客が選択した通帳のフォーマットに合わせて、銀行のインターネットバンキング・システムが発行することを意味する。すなわち、本発明を通帳シール発行方法と捉えることができる。通帳は、銀行通帳であってもよいが、マイ通帳のほうがより便利である。
図示するように、顧客は、自宅のパソコン、スマートフォン、タブレット端末などの顧客端末から銀行のインターネットバンキング・システムにログインし、Web通帳の閲覧画面を開き、そこから顧客端末に接続されたプリンタで通帳シールを印刷することができる。プリンタは、ラベル紙を印刷可能なものであれば市販のものでよく、特別な印刷機構を備える必要もない。マイ通帳に貼るシールの場合は、現在市販されているラベルで十分である。また、インターネットバンキングの「Web通帳閲覧部」において、様々なフォーマットで取引データを印刷することがサポートされるとより望ましい。シールを銀行通帳に貼る場合は、銀行通帳サイズに合わせてラベル紙をカットする必要があるが、本発明の方法が普及すれば、銀行通帳のサイズに合わせたラベル紙が市販される可能性も高い。
また、本発明の通帳シール発行方法は、銀行に限らず、クレジットカード会社などその他の金融機関にも適用が可能である。また、金融機関以外が提供する電子マネーの使用履歴などに適用してもよい。例えば、クレジットカード会社では、カードの利用明細を紙でなく、ホームページから閲覧したりダウンロードしたりできるWeb明細を利用すれば料金を割り引くなどのサ−ビスを既に行っている。したがって、クレジットカード会社のこのようなインターネット取引システムの「Web明細閲覧部」において、様々なフォーマットでWeb明細を顧客の端末に送信することをサポートすれば、顧客側で任意のラベル紙にWeb明細を印刷して、銀行の通帳と一緒にマイ通帳にまとめて管理することが可能となる。Web明細をダウンロードしてもその管理が面倒であり、紙の方が使い勝手がよいからである。また、紙でないと不安だという高齢者などにも受け入れやすい。また、印刷するのは顧客が用意するラベル紙であるので、クレジットカード会社は、銀行などと特にフォーマットを合わせる必要はない。このようにすることで、銀行以外の金融機関も新たなサービスを提供したり新た顧客を獲得したりすることも可能となる。
(実施形態の効果)
以上説明した本発明の実施形態によれば、第1に、従来の紙の通帳のよさを生かしながら、さらに通帳の使い勝手を向上させるための通帳シール発行装置を提供することができる。この通帳シール発行装置は、ATMに内蔵しても、ATMに接続されるオプションの装置としてもよい。したがって、従来のように銀行に行くタイミングと通帳を持参するタイミングが合わず、なかなか記帳できないといった問題を解決することができる。
第2に、未記帳の取引データが通帳の1頁以上溜まったときに、通帳シールを発行するか否かを顧客に確認させる手段を備えるので、通帳の頁単位で通帳シールを発行することができる。そのため、未記帳の取引データが、行単位でなく1頁溜まるごとにシールを発行することができるので通帳に貼る手間を少なくすることができる。
第3に、未記帳の取引データが1頁未満のときにも、通帳シールを発行するか否かを顧客に確認させる手段を備えるので、最後の頁が1頁に満たない行数であっても、最新の取引データまで印刷された通帳シールを発行することができる。銀行通帳の場合は、ATM内でマシントラブルを避けるため頁単位で通帳シールを発行することが望ましいが、マイ通帳の場合は、レイアウトが自由なので、かつATMに挿入することもないので、1頁未満のシールでも支障なく通帳に貼ることができる。
第4に、顧客は、通帳シールを貼る通帳を、定型サイズの銀行通帳とするか顧客が用意する任意のサイズのマイ通帳とするかを選択することができる。銀行通帳を選択すれば、現在の預金通帳がそのまま使える。マイ通帳を選択すれば、顧客オリジナルな通帳を作成することができる。顧客がマイ通帳を選択してくれれば、銀行通帳を発行する数が減るので銀行にとってもコストダウンができる。
第5に、マイ通帳のサイズを顧客に設定させる手段を備え、印刷機構は、この設定されたサイズに合わせてロール式のシールをカットして、通帳シールを発行する機構を備えるので、マイ通帳に合わせた任意のページサイズで通帳シールを発行することができる。
第6に、くじが通帳シールの台紙に印刷されていれば、シールを剥がす楽しみができるので、顧客が通帳に貼る手間を惜しんだり貼ること自体を忘れてしまったりすることを防止することができる。
第7に、通帳シール発行装置をATMに内蔵させれば省スペースになる。なお、通帳シール発行装置を独立させた場合は、既存のATMに追加で設置でき、特に、通帳の記帳ができないコンビニなどのATMであっても通帳シールを発行することが可能となる。
第8に、本発明の通帳シール発行方法を、銀行の既存のインターネットバンキングの仕組みやクレジットカード会社、電子マネーカードなどのWeb明細の仕組みに適用すれば、顧客が通帳シールを自宅のプリンタで印刷することが可能なので、マイ通帳だけを使用する場合は、通帳シール発行装置を新たにATMに設置しなくとも同様の効果が得られる。また、顧客は、マイ通帳に通帳シールを貼れば、銀行の通帳の取引データやカードの利用明細などを1冊の通帳にまとめることもできる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100 現金自動取引装置(ATM)
101 制御部
102 通信部
103 表示/操作部(タッチパネル)
104 音声出力部
111 カード読取部
112 通帳印字部
113 紙幣入出金部
114 硬貨入出金部
115 レシート発行部
120 通帳シール発行装置(通帳シール発行部)
200 ATMメインメニュー画面
201 通帳シールボタン
202 通帳シール発行画面
203 通帳シール設定画面
300,301,302 通帳シール
303 貼り忘れ防止用通帳シール

Claims (8)

  1. 通帳に貼るための通帳シールを発行する通帳シール発行装置であって、
    現金自動取引装置に接続され、顧客の口座における未記帳の取引データをホストコンピュータから受信する手段と、
    前記顧客から前記通帳シールの発行指示を受け付ける発行指示受付手段と、
    前記未記帳の取引データが有る場合であって、前記通帳シールの発行指示を受け付た場合に、前記未記帳の取引データを、前記通帳のフォーマットに合わせて前記通帳シールを印刷する印刷機構と、
    を備えることを特徴とする通帳シール発行装置。
  2. 前記発行指示受付手段は、前記未記帳の取引データが前記通帳の1頁以上溜まったときに、前記通帳シールを発行するか否かを前記顧客に確認させる手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の通帳シール発行装置。
  3. 前記未記帳の取引データが1頁未満のときにも、前記通帳シールを発行するか否かを顧客に確認させる手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の通帳シール発行装置。
  4. 前記通帳は、定型サイズの銀行通帳又は前記顧客が用意した任意のサイズのマイ通帳であり、前記顧客に前記通帳シールを貼る通帳を選択させる手段を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の通帳シール発行装置。
  5. 前記マイ通帳のサイズを前記顧客に設定させる手段を備え、前記印刷機構は、前記設定されたサイズに合わせてロール式のシールをカットして、前記マイ通帳の通帳シールを発行する機構を備えることを特徴とする請求項4に記載の通帳シール発行装置。
  6. 前記通帳シールは、前記顧客が前記通帳へ前記通帳シールを貼り忘れることを防止するために、前記通帳シールの台紙にくじを予め印刷しておくことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の通帳シール発行装置。
  7. 前記通帳シール発行装置は、前記現金自動取引装置に内蔵されることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の通帳シール発行装置。
  8. 通帳に貼るための通帳シールを発行する通帳シール発行方法であって、
    銀行のインターネットバンキング・システム及び/又はその他の金融機関のインターネット取引システムが、顧客の未記帳の取引データを前記通帳のフォーマットに合わせて顧客端末に送信するステップと、
    前記フォーマットされた未記帳の取引データを前記顧客端末に接続されたラベル紙を印刷可能なプリンタが印刷するステップと、
    を有することを特徴とする通帳シール発行方法。
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