JP2016526073A - 撥塵表面コーティングのための超分岐状ポリアルコキシシロキサン添加剤 - Google Patents

撥塵表面コーティングのための超分岐状ポリアルコキシシロキサン添加剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、コーティング剤組成物中で、コーティング剤組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%の量での添加剤としての、(a)下記式: DB=(2Q4+Q3)/(2Q4+4/3Q3+2/3Q2)、(式中、n=0〜4に関するQnは、29Si NMRにより決定され、n=0〜4に関するQnはいずれの場合も、(4−n)倍のアルコキシ化Si原子の29Si NMRシグナル下の面積を表し、n=0〜4を用いた場合のQnの合計は、100%に正規化される)に従って算出される0.4以上の分岐度DBを有し、および、(b)非加水分解重縮合プロセスを用いて生産される、フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンの使用であって、コーティング剤組成物が、フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンとは異なる物理乾燥性(physically drying)、自己架橋反応性または共架橋反応性合成ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの合成ポリマー、および、少なくとも1つの合成ポリマーが共架橋反応性合成ポリマーである場合には、フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンと、また共架橋合成ポリマーとは異なる架橋剤を含有する、使用に関する。本発明は、また、固体形状の添加剤として上述のポリアルコキシシロキサンを含むコーティング剤組成物、コーティング基材のための方法、前記コーティング剤組成物からなる硬化コーティングに関する。

Description

本発明は、コーティング剤組成物における使用のための超分岐状ポリアルコキシロキサン添加剤、および上記添加剤を含有し、かつ自己洗浄特性を持つコーティングに関する。上記組成物は、特に屋外で使用されるコーティングに、例えばコイルコーティングまたは粉末コーティングを用いてコーティングされる屋根およびファサードのコーティングに有用である。
審美性および清潔な外観の観点から耐久性のあるコーティングをもたらす建築部門用のコーティング剤を提供することは、依然として大きな課題である。コーティングは特に、耐候性であり、埃および塵の堆積を防止すべきである。特に、高層ビルのファサードには多くの場合、コイルコーティングされた部品が設けられている。特に、高度の大気汚染が蔓延している地理的地域では、例えば多くの都市および工業地域では、塵および埃は、雨によって拘束されて、同じ場所でビルのファサードへ流れ落ちて、塵の筋を残す。
しかしながら、いわゆる自己洗浄表面を有する場合、塵の付着は、雨の場合には起こらない。それどころか、乾燥して付着している塵は、場合によっては次の降雨で、または水ですすぐことにより表面から剥がれ落ち、したがって除去される(「自己洗浄」)。ケイ酸塩ベースのコーティング剤組成物が、良好な撥塵性を有することは公知である。それにも関わらず、このことが最適ではなく、さらなる改善を要する。
同様に塵を撥ねるケイ酸塩ベースのコーティング剤組成物では、多くの場合、各種合成樹脂が使用される。
欧州特許出願公開第0771 835 A2号は、ポリアルコキシシロキサン、およびそれらを生産する加水分解的プロセス、および材料の汚れ耐性(soiling resistance)、耐酸性または耐候性を改善するための製品の使用について開示している。また、ポリアルコキシシランの加水分解溶液から生産することができる硬質材料コーティングについて記載している。しかしながら、加水分解的に得られるポリアルコキシシロキサンおよびそれを用いて生産可能なコーティング材料の貯蔵安定性は適当でない。同じことが、汚れ耐性の耐久性に当てはまる。
例えば、米国特許第7037966 B2号は、フッ素化ポリマー樹脂を含有する組成物に基づく撥塵コーティングに関する。これらの組成物は、有機ケイ酸塩および少なくとも1つの水スカベンジャーを含有し、改善された安定性を有する。水スカベンジャーとして、モレキュラーシーブ、セッコウ、ゼオライト、アルミナおよび/または合成粘土材料が使用される。上記組成物でコーティングされる物体は、良好な耐候性、良好な塵除去および良好な汚れ耐性を有するはずであり、光沢に対する有害な影響はみられない。これらの組成物は、屋根材料、壁材料および屋外用の他の建築材料に特に適している。水スカベンジャーの存在は必須である。前記ポリシロキサン添加剤は、高分岐を有さず、シラノール基を含有する。上記コーティング剤は幾らかの貯蔵安定性を有するが、とはいえ、このことは限られている。
米国特許第6486239 B2号では、PCM(プレコーティングした金属)の汚れ耐性外部パネルに使用されるポリエステルベースのコーティング剤組成物が記載されている。特に、撥塵PCMパネル用のポリエステル系のコーティング剤組成物は、例えば表面不浸透性、防汚性(anticontamination)作用、耐酸性および自己洗浄特性などの物理的特性の良好な組合せを示すはずである。使用されるポリアルコキシシロキサン添加剤は超分岐状ではなく、シラノール基を含有する。上記組成物の貯蔵安定性は、改善を要する。
各種ポリアルキル(セミ)メタレートだけでなく、国際公開第2004/058859 A1号はまた、ポリアルキルケイ酸塩とも称され、非加水分解的合成プロセスによって得られるポリ(アルコキシシロキサン)について記載している。国際公開第2004/058850 A1号では、ポリ(アルコキシシロキサン)は、いわゆるナノ複合体材料において使用されるか、または合成ポリマーの添加を伴わずにガラス上でのコーティングの生産用の溶液から直接使用される。添加剤として微量で、コーティング剤組成物中の主要結合剤としての合成ポリマーと一緒にそれらを使用することについては記載されていない。
ZEFFLE GH−701は、DAIKIN INDUSTRIES LTDからのパーフルオロ有機ケイ酸塩系の親水化添加剤であり、これは、コーティング剤に汚れ耐性を付与する。しかしながら、環境上の理由で、全フッ素置換添加剤の使用は、原則として不都合であり、可能であれば回避すべきである。したがって、同様に、本発明の目的はまた、良好な汚れ耐性を付与するフッ素を含まない添加剤を提供することであった。
雑誌「Progress in Organic Coatings」(1998年)、33巻(2号)、126〜130頁、表題「Organic−inorganic hybrid coatings for coil coating application based on polyesters and tetraethoxysilane」では、Fringsらは、金属基板用のポリエステルおよびテトラエトキシシランに基づく有機−無機ハイブリッドコーティング剤系について記載している。それらから生産される保護コーティングは、一方では可撓性を有するはずであり、次いで金属基板が成形される場合には、改善された硬度もまた有するはずである。
かかる系に関する分光学的および熱分析的研究もまた、Fringsらにより実施されており、「Progress in Organic Coatings」(1998年)、34巻(1〜4号)、248頁、表題「Hybrid organic−inorganic coatings,for coil coating applications,via the sol−gel process」で公開されている。特に、適切なモデル系では、ポリエステルの水酸基が、加水分解されたテトラエトキシシランの水酸基と反応することが確立された。このことから、これがガラス転移温度の上昇の原因であり、同様に、コーティング系のケイ酸塩含有量を増加させるとともに、ケーニッヒ硬度が増加するという効果を有すると結論付けられた。
さらに、雑誌「Journal of Coatings Technology」(2000年)、72巻(901号)、83〜89頁では、Fringsらは、ポリエステル、メラミン樹脂および種々の量のシリカに基づくハイブリッドコーティング剤に関する形態学的研究を提示した。特に、シリカの粒子サイズの影響に対して注目されていた。
欧州特許出願公開第0771 835 A2号明細書 米国特許第7037966 B2号明細書 米国特許第6486239 B2号明細書 国際公開第2004/058859 A1号 国際公開第2004/058850 A1号
Fringsら、「Organic−inorganic hybrid coatings for coil coating application based on polyesters and tetraethoxysilane」、雑誌「Progress in Organic Coatings」(1998年)、33巻(2号)、126〜130頁 Fringsら、「Hybrid organic−inorganic coatings,for coil coating applications,via the sol−gel process」、雑誌「Progress in Organic Coatings」(1998年)、34巻(1〜4号)、248頁 Fringsら、雑誌「Journal of Coatings Technology」(2000年)、72巻(901号)、83〜89頁
上記の最先端から公知の問題に関して、本発明の主な目的は、一方ではコーティング剤組成物に良好な貯蔵寿命を付与する添加剤を提供することであるが、特に、コーティング剤組成物を用いて生産されるコーティングに、自己洗浄特性の改善および汚れやすい傾向の減少を、同時に例えば優れたレベリングおよび光沢などの光学コーティング特性の改善を備えることである。さらには、添加剤は、フッ素を含むべきではない。
驚くべきことに、上述の問題は、コーティング剤組成物への、非加水分解的プロセスによって得られる超分岐状ポリアルコキシシランの添加により解決することができることを見出した。
したがって、本発明の主題は、コーティング剤組成物中で、コーティング剤組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%の量での添加剤としての
(a)下記式:
DB=(2Q+Q)/(2Q+4/3Q+2/3Q
(式中、n=0〜4に関するQは、29Si NMRにより決定され、n=0〜4に関するQはいずれの場合も、(4−n)倍のアルコキシ化Si原子の29Si NMRシグナル下の面積を表し、n=0〜4を用いた場合のQの合計は、100%に正規化される)
に従って算出される0.4以上の分岐度DBを有し、および
(b)非加水分解重縮合プロセスを用いて生産される
フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンの使用であって、コーティング剤組成物が、フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンとは異なる物理乾燥性(physically drying)、自己架橋反応性または共架橋反応性合成ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの合成ポリマー、および少なくとも1つの合成ポリマーが共架橋反応性合成ポリマーである場合には、フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンと、また共架橋合成ポリマーとは異なる架橋剤を含有する使用である。
本発明による使用におけるコーティング剤組成物の構成成分である上述の合成ポリマーおよび架橋剤は、本発明によるコーティング剤組成物の記載の文脈で言及される構成成分の合成ポリマー(B)または架橋剤(C)に相当する。したがって、本発明によるコーティング剤組成物の、またはコーティング剤組成物の記載で提示されるコーティング剤構成成分の好ましいまたは特殊な実施形態が、本発明による使用に適用される。
ポリアルコキシシロキサンの分岐度は、それが本発明の基礎として使用される場合には、Freyに従って、29Si NMRスペクトルから算出される(H.Freyら、Acta Polym.1997年、48巻、30頁、H.Freyら、Macromolecules 1998年、31巻、3790頁)。
例えばポリエトキシシロキサン(アルコキシ=エトキシ)に関して、左から右へのスペクトルにおける各シグナルは、ケイ素原子:4つのエトキシ基Q(δ=82.4ppm、TEOS=テトラエトキシシラン)、3つのエトキシ基Q(δ=−89.51ppm、末端単位)、2つのエトキシ基Q(δ=−96.86ppm、直鎖状単位)、1つのエトキシ基Q(δ=−104.7ppm、半樹状単位)およびエトキシなしの基Q(δ=−110.4ppm、樹状単位)へと割り当てることができる。個々のシグナルの面積の合計に対する個々のシグナル下の面積から、上述するようにポリエトキシシランの分岐度DBを算出することが可能である。
分岐度DB=(2Q+Q)/(2Q+4/3Q+2/3Q)という上記で規定される用語に基づいて、二重にアルコキシ化されたSi原子のみを本質的に含有する、即ち、ポリマー鎖の末端基が[SiO(OR)]単位であるポリマー鎖において[SiO(OR)]単位を主に含有するポリアルコキシシロキサンが、本明細書中では「未分岐状ポリアルコキシシロキサン」と理解される。残基「OR」はここでは、アルコキシ残基を表す。これらの化合物の構造は、鎖様ポリケイ酸の構造に由来する。
同様に、分岐度という上記で規定される用語に基づいて、「分岐状ポリアルコキシシロキサン」は本明細書中では、三重に結合された[SiO(OR)]分岐単位および四重に結合された[SiO]分岐単位をさらに有するものを意味すると理解される。これらの化合物の構造は同様に、相当するポリケイ酸の構造に由来し得る。
本発明の文脈では、「超分岐状ポリアルコキシシロキサン」は、0.4以上、好ましくは0.45以上、特に好ましくは0.5以上の架橋度を有するものであると理解される。したがって、それらは、非常に高比率の三重に結合され、単独で分岐している[SiO(OR)]分岐単位、および四重に結合され、二重に分岐している[SiO]分岐単位を有する。これらの超分岐状ポリアルコキシシロキサンでは、[SiO(OR)]分岐単位および/または[SiO]分岐単位は、好ましくは平均でポリマー鎖[SiO(OR)]のあらゆるk−th中間単位で存在し、ここでk=1〜10であり、特に好ましくはk=1〜7であり、非常に特に好ましくはk=1〜4である。これらの化合物の構造は、非晶質ポリケイ酸の構造に由来し得る。
本発明の文脈では、専ら超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、添加剤として使用される。
完全に線状のポリマー、即ち完全に「未分岐状ポリアルコキシシロキサン」は、0%の分岐度を有し、他方で、完全なデンドリマーは、100%の分岐度を有する。本発明の文脈では、40%未満、かつ0%を超える分岐度を有するものは、「分岐状ポリアルコキシシロキサン」であると、また40%以上(即ち、0.4以上)の分岐度を有するものは、「超分岐状ポリアルコキシシロキサン」と理解される。
本発明の文脈では、「添加剤」という用語は、コーティング剤組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%、特に好ましくは1重量%〜2重量%の微量でのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサンの使用を意味すると理解される。本発明による「添加剤」の使用目的は、特に、コーティング剤から生産されるコーティングの表面特性の変更に存する。したがって、それらは好ましくは、コーティング剤組成物の表面特性の変更用の添加剤、特に好ましくはコーティング剤組成物の表面エネルギーを増加もしくは減少させて、および/またはコーティングの表面硬度を増加させるための添加剤である。非常に特に好ましくは、それらは、例えば落書き防止(anti−graffiti)添加剤などの表面汚れを防止するか、または妨げるための添加剤である。添加剤のさらなる特性または使用目的は、本発明の詳細な説明および実施例に続く。
最先端では、ポリアルコキシシロキサンは通常、非化学量論量の水の存在下で、および例えば硫酸または塩酸などの酸、または例えばトリエタノールアミンなどの塩基性触媒の存在下で、例えば各種出発化合物、例えばテトラエトキシシロキサン(TEOS)もしくはテトラメトキシシロキサン(TMOS)またはそれらの混合物などのテトラアルコキシシランの加水分解縮合などの本質的に公知の方法により得られる。この方法が行われる場合、このようにして得られるポリアルコキシシロキサンは、わずかな量の遊離シラノール基(Si−OH)も含有しない。残存するシラノール基は、さらなる縮合反応の一部となることができ、ポリシロキサンの特性、特に、ポリアルコキシシロキサン自体またはそれらから生産されるコーティング剤組成物の貯蔵後のそれらの望ましい効果である貯蔵安定性に悪影響を及ぼし得る。
本発明によれば、本発明により使用される超分岐状ポリアルコキシシラン、または本発明により組成物で使用されるものは、一方では超分岐状生成物を生じ、他方ではシラノール基形成を全く伴わずに、またはシラノール基形成をほぼ伴わずに進行する非加水分解的方法を用いて生産される。以下で記載するような重縮合方法を使用して、ポリアルコキシシロキサンを生産する場合、これは、添加剤の貯蔵安定性に対して、またこの添加剤を含有する得られるコーティング剤組成物の貯蔵安定性に対して、驚くべきほどプラスの効果を有する。
得られる生成物の分岐度は、0.40以上、好ましくは0.45以上、特に好ましくは0.5以上である。
遊離シラノール基を含まないか、または遊離シラノール基をほとんど含まない生成物を得るためには、適切な非加水分解的方法が使用されなくてはならない。超分岐状ポリシロキサン重縮合体の生産に関する、このような非加水分解重縮合方法の例は、「One−Pot Synthesis of Hyperbranched Polyethoxy−siloxanes」、Macromolecules(2006年)、39巻(5号)、1701〜1708頁に、または例えば国際公開第2004/058859 A1号に記載されている。合成経路は、有機チタン触媒の存在下で、約70℃〜120℃の温度でのポリアルコキシシランと酸無水物との縮合反応に基づく。明確には、1.0〜1.3、好ましくは1.1〜1.25の酢酸無水物対テトラエトキシシランのモル比が使用される。このように、シラノール基を本質的に含まない安定かつ超分岐状ポリアルコキシシロキサンを得ることができる。かかる超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、本出願において添加剤として使用され得る。
本発明により使用されるべきポリアルコキシシロキサンに至る適切な重縮合反応を実施するために、単量体アルコキシシランもしくはそれらの混合物、オリゴマーアルコキシシロキサンもしくはそれらの混合物、または単量体アルコキシシランとオリゴマーアルコキシシロキサンとの混合物が、好ましくは使用され得る。
本発明により使用されるべきポリアルコキシシロキサンの生産に使用され得る特に適切な単量体アルコキシシランまたはオリゴマーアルコキシシロキサンは、下記一般式(I):
Figure 2016526073

(式中、R、R、R、RおよびRは互いに独立して、1個〜4個の炭素原子、好ましくは1個または2個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基であり、pは、0〜15、好ましくは0〜8、特に好ましくは0〜5の整数を表す)
により記載され得る。単量体アルコキシシラン単独の使用の場合には、p=0である。Pが0でない場合、即ちpが1以上である場合には、これらは、オリゴマーポリシロキサンである。本発明の好ましい実施形態では、p=0である。さらに好ましい実施形態では、pは、1〜15、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜5を表す。しかしながら、式(I)の各種化合物の混合物もまた、使用され得る。かかる混合物では、p=1を有する化合物、および1以上のpを有する化合物が存在し得る。
Lは、酸素または二価連結基、例えば1個〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を表す。Lは好ましくは、エチレンまたはプロピレン基を表す。
は独立して、1個〜5個の炭素原子、好ましくは1個または2個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、例えばポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリ(エチレンオキシ/プロピレンオキシ)基(ここで、エチレンオキシおよびプロピレンオキシ単位は、共重合体においてランダムに、またはブロックで配列される)などのポリアルキレンオキシ基、ポリシロキサン基、またはポリアルキレンオキシ−ポリシロキサン基、または例えばイソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基、アクリル基または(メタ)アクリル基などの官能基を表す。
Lは、好ましくは酸素であり、Rはそれとは独立して、好ましくは、1個〜5個の炭素原子、好ましくは1個または2個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
構造(I)の具体的な単量体アルコキシシランとしては、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸2−メトキシエチル、2−オルトケイ酸1−メトキシプロパノール、オルトケイ酸テトラブチル、オルトケイ酸n−プロピルもしくはポリアルキレンオキシドアルコキシシランまたは上述の化合物の混合物が挙げられる。
具体的なオリゴマーアルコキシシロキサンは、構造(I)のオリゴアルコキシシランであり、ここで、これらは、例えばオルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸2−メトキシエチル、2−オルトケイ酸1−メトキシプロパノール、オルトケイ酸テトラブチル、オルトケイ酸n−プロピルもしくはポリアルキレンオキシドアルコキシシランまたはそれらの混合物のオリゴマーである。
市販の単量体アルコキシシランの例は、テトラメトキシシラン(=TMOS、Colcoat Co.,Ltd.から入手可能なMETHYL SILICATE 39)、テトラエトキシシラン(=TEOS、Evonik Industriesから得ることが可能なDynasylan(登録商標)A)およびETHYL SILICATE 28(Colcoat Co.,Ltd.から入手可能)である。
残基Rへの官能基の導入は好ましくは、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基または(メタ)アクリル基から選択される基のうちの1つを有するシランの使用によって行われる。これに適したシランは、例えば3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ−プロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシランまたは3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。
市販の官能性アルコキシシロキサンの例は、例えば、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(Silquest A−1310(Momentive Performance Materials))、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan AMMO(Evonik))、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan DAMO(Evonik))、3−グリシジルプロピルトリエトキシシラン(Dynasylan GLYEO(Evonik))、グリシジルプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan GLYMO(Evonik))、ビニルトリメトキシシラン(Dynasylan VTMO(Evonik))、ビニルトリエトキシシラン(Dynasylan VTEO(Evonik))および3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan MEMO(Evonik))である。
ポリジメチルシロキサンまたはポリエチレングリコールのシラン誘導体は通常、ポリジメチルシロキサンアルコキシシランまたはポリアルキレンオキシドアルコキシシランと称される。典型的な例は、ポリ[オキシ(ジメチルシリレン)],α−(ブチルジメチルシリル)−ω−[[ジメチル[2−(トリエトキシシリル)エチル]シリル]オキシ]−またはポリ(オキシ−1,2−エタンジイル),α−メチル−ω−[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]−(Momentive Performance MaterialsからSilquest A−1230として入手可能)である。
市販のオリゴマーアルコキシシロキサンの例は、例えばケイ酸メチル51(p=5)(Colcoat Co.,Ltd.から)、Dynasylan 40(合資会社Evonik−Degussaから)またはETHYL SILICATE 40(p=4)、ETHYL SILICATE 45(p=8)もしくはETHYL SILICATE 48(p≧10)(全て、Colcoat Co.,Ltd.から市販されている)である。
本発明によれば、本発明により使用可能な超分岐状のフッ素を含まないポリアルコキシシロキサンはまた、上述の縮重合反応後に、特定のコーティング剤組成物とのそれらの適合性を最適化するためにさらに修飾されるものを含む。
縮重合反応後、超分岐状ポリアルコキシシロキサンのSi−アルコキシ基のアルコキシ基は、モノヒドロキシ官能性アルコールおよびモノヒドロキシ官能性ポリエーテルまたはモノヒドロキシ官能性ポリシロキサンもしくはモノヒドロキシポリエーテル修飾ポリシロキサンなどのモノヒドロキシ官能性ポリシロキサン化合物との縮合により、全体的にまたは部分的に反応させることができる。それにより、元のアルコキシ基が、相当するアルコールの形成により切断され、モノヒドロキシ官能性アルコール、モノヒドロキシ官能性ポリエーテルまたはモノヒドロキシ官能性ポリシロキサン、または例えばモノヒドロキシ官能性ポリアルキレンオキシ−ポリシロキサンなどのモノヒドロキシポリエーテル修飾ポリシロキサンで置き換えられる。この置換反応は、アルコキシ交換(trans−alkoxylation)として記載され得る。
モノヒドロキシ官能性アルコールとしては、例えばプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、イソプロパノール、イソブタノール、2−エチルヘキシルアルコールまたはイソノナノールなどの、直鎖状または分岐状であり、3個〜20個、好ましくは3個〜12個、特に好ましくは3個〜10個の炭素原子を有するものが好ましい。例えば、元はエトキシ基を含有する超分岐状ポリアルコキシシロキサンが得られる場合、例えばブタノールとの続く反応により、エトキシ基はブトキシ基で置き換えることができる。
モノヒドロキシ官能性ポリエーテルとしては、アルキル−、アルケニル−、アリール−またはアラルキル−ポリアルキレンオキシドを含み、アルキレンオキシドがエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチレンオキシドまたはそれらの混合物であり、ポリエーテルモノオールは好ましくは、120g/mol〜750g/molの数平均分子量を有するモノオールが適している。これらの例は、ポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルまたはポリプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
モノヒドロキシ官能性ポリシロキサンまたはモノヒドロキシポリエーテル修飾ポリシロキサンとしては、例えばモノヒドロキシ官能性ポリジメチルシロキサン、モノヒドロキシ官能性ポリエチレングリコールポリジメチルシロキサン、モノヒドロキシ官能性ポリプロピレングリコールポリジメチルシロキサンおよびモノヒドロキシ官能性ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールポリジメチルシロキサンなどの、いずれの場合も好ましくは280g/mol〜900g/molの数平均分子量を有する線状または分岐状であるものが好ましい。
アルコキシ置換反応(アルコキシ交換)は、超分岐状ポリアルコキシシロキサンへのアルコールまたはポリエーテルモノオールの添加により行うことができ、ここで、未修飾の超分岐状ポリアルコキシシロキサンが最初に生産されたのと同じ反応器への添加が可能である。切断されたアルコールは、プロセス中に留去され得る。
重縮合反応後または重縮合反応中に、超分岐状ポリアルコキシシロキサンのSi−アルコキシ基のアルコキシ基はまた、アルコキシシラン結合ポリシロキサンおよび/またはアルコキシシラン結合ポリアルキレンオキシポリシロキサンおよび/またはアルコキシシラン結合ポリエーテル、および/またはエポキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基および/または(メタ)アクリル基などの官能基を有するアルコキシシランとの縮合により、全体的にまたは部分的に反応され得る。ポリジメチルシロキサンアルコキシシランおよび/またはポリアルキレンオキシドアルコキシシランとの縮合が特に好ましい。
したがって、本発明の特定の実施形態では、本発明により使用されるべきポリアルコキシシランは、それらの合成中またはそれらの合成後に、例えば、本発明によるコーティング剤組成物を用いて生産されるコーティングに疎水特性を備えるために、加水分解性シラン基を有するポリジアルキルシロキサンと反応させる。加水分解性シラン基として、例えばメトキシシラン基またはエトキシシラン基などのアルコキシシラン基が特に適しているが、例えば、アセトキシシラン基も使用することができる。好ましいポリジアルキルシロキサンは、ポリジメチルシロキサンである。
本発明のさらなる特定の実施形態では、本発明により使用されるべきポリアルコキシシロキサンは、それらの合成中またはそれらの合成後に、例えば、本発明によるコーティング剤組成物を用いて生産されるコーティングに親水特性を備えるために、加水分解性シラン基を有するポリアルキレンオキシドと反応させる。親水特性は、特に加水分解性シラン基を有するポリエチレンオキシド(ポリエチレングリコール)によるポリシロキサンの修飾により得られる。しかしながら、加水分解性シラン基を有するエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドの混合ポリアルキレンオキシドもまた、修飾に使用することができる。純粋なポリエチレンオキシドが親水性である一方で、純粋なポリプロピレンオキシドまたは実にポリブチレンオキシドは、より疎水性であるか、またはさらには専ら疎水性である。しかしながら、純粋なポリエチレンオキシドの親水性を低減させるために、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドとのそれらの混合ポリマーを使用することができる。加水分解性シラン基としては、先の段落で言及したものが特に適している。
本発明で使用することができる超分岐状ポリアルコキシシロキサンは好ましくは、1000g/mol〜7000g/mol、特に好ましくは1200g/mol〜4000g/molの範囲の重量平均分子量を有する。重量平均分子量が1000g/mol未満である場合、または重量平均分子量が7000g/molよりも大きい場合、空気/コーティング剤界面での超分岐状ポリアルコキシシロキサンのセグリゲーションは通常減少し、その結果として、所望の効果が減少する。
上述の生産プロセスは、シラノール基を全く有さないか、またはシラノール基をほとんど有さないポリアルコキシシロキサン添加剤を提供するが、添加剤が、包装工程中に、または貯蔵中に大気中の水分と接触することは、絶対に排除されるわけではない。このことは次に、望ましくないシラノール基の形成を伴う幾つかのアルコキシ基の加水分解を招く。したがって、大気中の水分を吸収して、それにより本発明により使用可能なポリアルコキシシロキサンとの反応を効果的に防止する、例えば、1,1−ジメトキシプロパン、環状アセタール2−メチル−1,3−ジオキソラン、例えば2,2−ジメトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパンおよび2,2−ジメトキシブタンなどのケタール類、またはビニルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランまたはジメトキシジメチルシランなどのシラン類などの水スカベンジャーを使用することができる。使用する水スカベンジャーの量は、ポリアルコキシシロキサンに対して、好ましくは0.1重量%〜5重量%、特に好ましくは0.5重量%〜2.5重量%である。
ポリアルコキシシロキサン添加剤は好ましくは、不活性ガス雰囲気、特に好ましくは窒素下で包装される。
超分岐状ポリアルコキシシランは、固体形態で、好ましくは固体のカプセル封入添加剤、固体の凍結乾燥添加剤または固体のワックス含有もしくはワックス状物質含有添加剤として提供され得る。本発明の文脈では、「固体」という用語は、添加剤が室温、即ち23℃で、固体形態で存在することを意味する。
これは、例えば多孔質ケイ酸担体またはMembranaからのAccurel(登録商標)などの多孔質ポリオレフィンなどの多孔質担体材料上での吸収によって、またはポリマーまたはワックスまたはワックス状化合物と混合することにより、またはカプセル封入により行うことができる。
本発明のさらなる主題は、(i)上記に記載の少なくとも1つのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および(ii)少なくとも1つのポリマーを含む固体の凍結乾燥添加剤であり、ここで、これは、(iii)適切な溶媒中での(i)および(ii)の溶液の生産、および(iv)凍結乾燥による溶媒の除去により生産可能である。好ましくは、固体の凍結乾燥添加剤は、添加剤の総重量に対して少なくとも50重量%の(i)を含有する。固体の凍結乾燥添加剤を生産するために、ポリアルコキシシロキサン添加剤は、例えばポリスチレンなどのポリマーと、例えば適切な溶媒中に溶解させて、凍結乾燥させて(=フリーズドライさせて)、次いで任意選択で、固体粉末へミル粉砕させることができる。適切な溶媒は、ポリアルコキシシロキサン添加剤および同様にポリマーの両方が溶解して、溶解した化合物に対して本質的に不活性に挙動する溶媒である。
本発明のさらなる主題は、(i)上記に記載の少なくとも1つのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および(ii)少なくとも1つのワックスまたはワックス状物質を含み、(iii)ワックスまたはワックス状物質を融解させること、(iv)(i)の添加、続いて(v)冷却すること、および(vi)任意選択で、ペレット化すること(pelleting)または造粒(granulation)により生産可能である、ワックス含有またはワックス状物質含有添加剤である。固体のワックス含有またはワックス状物質含有添加剤は好ましくは、添加剤の総重量に対して少なくとも50重量%の(i)を含有する。ワックスまたはワックス状物質としては、例えば脂肪酸または脂肪酸のエステル、脂肪族アルコールまたはエトキシ化脂肪族アルコールが適している。
超分岐状ポリアルコキシシランは好ましくは、固体のカプセル封入形態で提供される。したがって、本発明のさらなる主題は、(i)上記に記載の少なくとも1つのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および(ii)フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンのカプセル封入に役立つ少なくとも1つのポリマーを含む固体のカプセル封入添加剤である。固体のカプセル封入添加剤は、例えば無極性溶媒中での(i)および(ii)の溶解、乳化剤を含有する極性溶媒への(i)および(ii)の溶液の添加、無極性溶媒の除去、および固体のカプセル封入添加剤の分離により得ることができる。固体のカプセル封入添加剤は好ましくは、添加剤の総重量に対して少なくとも50重量%を含有する。
超分岐状ポリアルコキシシランのカプセル封入形態を得るためには、これまでに記載されるようなエマルジョン方法を使用することができる。この方法は、2つの不溶性相である無極性相および極性相の混合に基づく。超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、マイクロカプセルを形成することが可能であり、かつコーティング剤組成物と適合性であるポリマーとちょうど同じように、無極性相中に溶解される。これに適したポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチル共重合体、またはポリエチレンイミンに基づく例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−アセトアルデヒド樹脂、尿素−プロピオンアルデヒド樹脂、尿素−ブチルアルデヒド樹脂および架橋ポリ尿素などの尿素樹脂、または例えばメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−アセトアルデヒド樹脂、メラミン−プロピオンアルデヒド樹脂およびメラミン−ブチルアルデヒド樹脂などのメラミン樹脂が挙げられ得る。
揮発性溶媒が無極性相として選択される場合、無極性相が混合物の連続的な撹拌に伴って徐々に消失すると、カプセル封入ポリマーが沈殿する。無極性相全体が蒸発したら、マイクロカプセルを濾過により取り出すことができる。この方法は、高価な設備を必要とせず、また多くのプロセス工程を伴わずに作動する安価な方法である。さらに、マイクロカプセルを形成するポリマー(カプセル封入ポリマー)は、エマルジョン形成に使用される無極性および極性液体と同様に、安価な化合物であり得る。
マイクロカプセルの生産に関して、超分岐状ポリアルコキシシランおよびマイクロカプセル形成ポリマーを秤量して、無極性溶媒中に溶解する。乳化剤は、極性溶媒中に溶解し、無極性溶媒中に溶解した超分岐状ポリシロキサンおよびマイクロカプセル形成ポリマーを、極性溶媒中の乳化剤の溶液に徐々に添加する。乳化剤としては、例えば、ポリアルキレンオキシド共重合体、脂肪族アルコール、アルコキシ化脂肪族アルコール、脂肪酸、アルコキシ化脂肪酸、ポリオールの脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、または本発明によるポリアルコキシシロキサンの定義に該当しないシリコーン界面活性剤が適している。上記プロセスでは、エマルジョンを撹拌して、減圧下で無極性相を除去して、形成されるマイクロカプセルを濾過により取り出した後、洗浄して、乾燥して、包装する。マイクロカプセルのシェルは、貯蔵中に加水分解から、したがって大気の湿度からポリアルコキシシロキサンを保護する。ポリアルコキシシロキサンを入れたマイクロカプセルは、高温、例えば最大60℃の温度でも安定である。ある特定の温度を超えると、高分子マイクロカプセルシェルは、融解または分断して、カプセル封入ポリアルコキシシロキサン添加剤が放出される。マイクロカプセルの、ポリアルコキシシロキサン添加剤による負荷は、マイクロカプセルの重量に対して、好ましくは少なくとも30重量%、特に好ましくは少なくとも40重量%、非常に特に好ましくは少なくとも50重量%である。
マイクロカプセルは、例えば粉末コーティング材料と混合されて、混合物へ貯蔵安定性の増加を付与することができる。
本発明のさらなる主題は、コーティング剤組成物に添加される本発明により使用されるべき超分岐状ポリアルコキシシロキサンを有したコーティング剤組成物、即ち(A)コーティング剤組成物に対して0.1重量%〜10重量%の下記式:DB=(2Q+Q)/(2Q+4/3Q+2/3Q)(式中、n=0〜4に関するQは、29Si NMRにより決定され、n=0〜4に関するQはいずれの場合も、(4−n)倍のアルコキシ化Si原子の29Si NMRシグナル下の面積を表し、n=0〜4を用いた場合のQの合計は、100%に正規化される)に従って算出される0.4以上の分岐度DBを有し、および非加水分解重縮合プロセスを用いて生産されるフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および(B)(A)とは異なる物理乾燥性、自己架橋反応性または共架橋反応性合成ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの合成ポリマー、および(C)(B)が共架橋反応性合成ポリマーである場合には、(A)および(B)とは異なる架橋剤を含有するコーティング剤組成物である。
コーティング剤組成物は好ましくは、コイルコーティング方法または粉末コーティング方法で使用可能であるものである。コーティング剤組成物は、液体または固体(粉末コーティング剤)であり得る。しかしながら、粉末コーティング剤粒子は、いわゆるスラリーの形態でも、即ち懸濁液の形態でも使用することができる。
超分岐状ポリアルコキシシロキサン添加剤だけでなく、本発明によるコーティング剤組成物は、コーティング剤の総重量に対して好ましくは10重量%よりも多い量で、主要結合剤として少なくとも1つの合成樹脂を含有する。合成樹脂(合成ポリマー)は、例えば、物理乾燥性、自己架橋反応性または共架橋反応性であってもよく、ここで後者の場合、主要結合剤に対して補完的な反応性基を有する少なくとも1つのさらなる架橋剤が存在する。しかしながら、合成樹脂として、自己架橋しているもの、および同様に共架橋しているもの、即ちそれ自体と類似した物質と、および同様に架橋剤と反応することができるものもまた使用することができる。
「物理乾燥性」合成樹脂は、それ自体または架橋剤とのさらなる反応なく、単にコーティング剤系からの溶媒の蒸発時に、コーティング剤フィルムを形成するものであると理解される。
好ましくは、例えばアクリレート基またはメタクリレート基などのエチレン不飽和基を含有する放射線硬化性樹脂もまた、本発明の意味で合成樹脂として使用することができる。これらは例えば、UV放射線または電子放射線により架橋され得る。かかる樹脂が、単なる放射線硬化性樹脂として使用される場合、自己架橋が起きる。しかしながら、例えば単量体または二量体反応性希釈剤と、放射線硬化性樹脂との併用により、反応性希釈剤との架橋、したがって共架橋がさらに起こり得る。したがって、かかる系では、反応性希釈剤は、規定の加工処理粘度を確立するための希釈剤としてだけでなく、架橋剤としても作用する。
ポリアルコキシシロキサン添加剤が添加され得るコーティング剤において使用可能である合成樹脂の例は、好ましくは、例えばフッ素化樹脂、アクリル樹脂、シリコーン修飾アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、放射線硬化性樹脂等などの公知の樹脂構成成分から選択される。
超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、混合により広い濃度範囲で合成樹脂含有コーティング組成物へ、簡素にかつ均質に組み込むことができる。それらから得られるコーティングは、本質的に欠陥を含まない。ポリアルコキシシロキサンはまた、結合剤との適合性の微調整を達成するために、またはコーティングの拡がり、光沢もしくは透明度を改善するために、上述の修飾形態で、即ちモノヒドロキシ官能性アルコールまたはモノヒドロキシ官能性ポリエーテルとの続く反応により使用され得る。単量体テトラエトキシシランと対比して、超分岐状ポリアルコキシシロキサン添加剤は、コーティングプロセス中に蒸発によって損失されない。
本発明によるコーティング組成物は、少なくとも1つの超分岐状ポリアルコキシシロキサンを含有する。ポリアルコキシシロキサン添加剤は、活性物質として、0.1重量%〜10重量%の量で、好ましくは0.5重量%〜5重量%の量で、非常に特に好ましくは1〜2重量%の量で、合成樹脂を含有する組成物に添加される。マイクロカプセルを使用する場合、その中に含有される超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、活性物質として理解される。
特に粉末コーティング剤組成物において使用する場合、固体形態での、特に固体担体材料上で吸収される形態での、または好適にはマイクロカプセル封入形態での超分岐状ポリアルコキシシロキサンの使用が望ましい。
本発明の好ましい実施形態では、コイルコーティング方法および粉末コーティング方法が使用されるのが好ましく、これに適した合成樹脂は、好ましくは100℃を上回る、特に好ましくは140℃を上回る、および非常に特に好ましくは180℃を上回る温度で硬化するものである。コーティング剤は例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびフッ素化ポリマーに基づいてコイルおよび粉末コーティング剤を含む。
本発明の文脈では、ヒドロキシ基に対して反応性である基を有する架橋剤と反応する、例えばポリヒドロキシ官能性ポリエステルなどの共架橋ポリヒドロキシ官能性結合剤が使用されることが好ましい。適切な架橋剤は、例えばブロックまたは非ブロックポリイソシアネート、および例えばメラミン樹脂またはβ−ヒドロキシアルキルアミド(Ems Chemie社の商標Primid(登録商標)の下で得ることができる)などのアミノプラスト樹脂、または放射線硬化性希釈剤である。しかしながら、ジシアンジアミド架橋剤またはアミンとともに硬化し得るエポキシ樹脂もまた、結合剤/架橋剤系として使用することができる。
ポリアルコキシシロキサン添加剤は、例えば顔料、湿潤剤および分散化剤、例えばレベリング剤などの界面活性剤、充填剤、レオロジー制御添加剤または接合剤などの通常のコーティング剤構成成分と一緒に使用することができる。
非加水分解的方法により生産されるポリアルコキシシロキサンは、移動して、コーティング剤の表面上で空気に向かってそれらを方向づける傾向が高い。大気中の水または雨との接触により、ケイ酸ネットワークが形成される。コーティング剤フィルムの上層におけるこの高度に架橋されたケイ素ネットワークが、混入している物質が表面へ浸透するのを防ぐ。コーティングフィルムの可撓性は、特にこれが多層コーティングの文脈で適用される場合に維持される。これは、特にコイルコーティングを用いた加工処理中に必須である。
高度に架橋されたポリアルコキシシロキサンネットワークが、有機樹脂の有機ネットワークと相互浸透されて存在し、したがって改善された撥塵特性を備えた無機−有機ハイブリッドコーティングを形成するためのケイ酸ネットワークを形成すると仮定される。本明細書中では、「ハイブリッドコーティング」という用語は、本発明による組成物の適用により得られ、合成樹脂組成物およびポリアルコキシシロキサン添加剤の混合物を含む無機−有機コーティング剤組成物を指す。
超分岐状ポリアルコキシシロキサンを含有するコーティング剤は、焼付けプロセス中に溶媒蒸発と同時に、ポリアルコキシシロキサンの、コーティング剤の表面への移動を示す。超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、表面上で分離されて、そこで、加水分解により架橋する層を形成する。ここで、アルコキシシリル基は加水分解されて、縮合反応および非縮合シラノール基の幾つかの形成によってケイ酸ネットワークを形成し、それにより後者は、表面の親水性を増加して、水接触角を減少させる。
したがって、ケイ酸ネットワークは、硬化コーティングの表面領域中に存在する。結果として、表面はより硬く、かつより親水性になり、水でより良好に湿っている状態が可能となり、これは、ハイブリッドコーティングに付着する塵が、より容易に水で洗い流され得る有益な効果を有する。
上述するように、本発明により使用されるポリアルコキシシロキサンはまた、コーティングの疎水性を制御するために修飾することができる。ポリシロキサンで修飾されたポリアルコキシシロキサンの使用によって、表面エネルギーが低減されて、コーティングの疎水性が増加し得る。表面は、より疎水性に設定することができ、その結果、この表面への付着は減少され、その結果として、撥塵性の洗浄しやすい表面を得ることができる。概して、表面エネルギーの低減によって、より湿りにくいか、水、油および塵を撥ねるか、または付着防止および落書き防止特性を示す、より疎水性の表面が得られる。
本発明によるコーティング剤組成物は好ましくは、落書き防止コーティング、剥離コーティング、自己洗浄ファサードコーティング、特に航空機用の氷結防止コーティング、自動車のボディワークまたは軽金属車輪リム用の撥塵コーティング、撥塵機械および設備コーティング、撥塵家具コーティング、または例えば汚れ止めコーティングなどの船舶コーティングに適している。
本発明によるコーティング剤組成物の並外れて良好な付着防止作用のおかげで、鉱油、植物油または油状調製物などの油状物質さえも撥ね、その結果、そこで一緒にコーティングされる容器は完全に空にすることができる。したがって、本発明により添加される添加剤を有するコーティング剤組成物は、ドラム缶、キャニスターまたは缶のコーティング用の内部コーティング材料として極めて適している。
本発明による分岐状ポリアルコキシシロキサンと各種塗料系との卓越した適合性のおかげで、これらは、透明なコーティングを生産するのに極めて適している。
また、本発明の主題は、金属、ガラス、セラミックおよびプラスチックの材料から選択される基板をコーティングする方法であり、ここで、本発明によるコーティング剤組成物が、基板上に塗布されて、物理乾燥性により、反応性自己架橋または反応性共架橋により架橋される。好ましくは、熱的架橋は、100℃を超える温度で行われる。本発明のさらなる主題は、このようにして得られる硬化コーティングである。本発明の特定の実施形態では、硬化コーティング上で、超分岐状ポリアルコキシシロキサンの少なくとも部分的加水分解的架橋は、ケイ酸ネットワークの形成によりコーティング表面上で起きる。
硬化コーティングは、一般的に熱硬化性であり、したがって例えば熱可塑性材料とは劇的に異なる。
本発明によるコーティング剤を使用して、表面の自己洗浄特性を顕著に改善することが可能である。さらなる利点は、例えばレベリング、光沢、透明度および可撓性などのかかるハイブリッドコーティングの他の特性が、悪影響を受けず、上述の特性はさらには、ある程度改善されることである。
本発明は、実施例に基づいて以下で説明される。
合成実施例
[実施例1]
超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、ビグリューカラム、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した1000mlの4つ口フラスコに、テトラエトキシシラン416.68g(2.0mol)、無水酢酸224.61g(2.2mol)およびテトラキス(トリメチルシロキシ)チタン1.72g(4.25mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーおよび29Si NMRによる生成物の特性決定により、
GPC:M2990g/mol、M893g/mol、P3.34
29Si NMR:Q:2%、Q:18%、Q:41%、Q:30%、Q:9%
DB=0.56
が得られた。
[実施例2]
メトキシポリエチレングリコール修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、ビグリューカラム、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した1000mlの4つ口フラスコに、テトラエトキシシラン416.68g(2.0mol)、無水酢酸224.61g(2.2mol)、およびテトラキス(トリメチルシロキシ)チタン1.72g(4.25mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。分子量が350g/mol(MPEG350)のメトキシポリエチレングリコール70.0g(0.2mol)を加え、133℃で蒸留液がもはや通過しなくなるまで、蒸留を実施した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M3136g/mol、M822g/mol、P3.81
29Si NMR:Q:2%、Q:18%、Q:41%、Q:30%、Q:9%
DB=0.56
が得られた。
[実施例3]
メトキシエトキシ修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、実施例1で生産した物質78.0gおよびメチルグリコール22.0g(0.289mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M3136g/mol、M896g/mol、P3.5
29Si NMR:Q:2%、Q:18%、Q:41%、Q:30%、Q:9%
DB=0.56
が得られた。
[実施例4]
フェノキシエトキシ修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、実施例1で生産した物質78.0gおよびモノフェニルグリコール22.0g(0.159mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M3820g/mol、M1051g/mol、P3.63
29Si NMR:Q:2%、Q:18%、Q:41%、Q:30%、Q:9%
DB=0.56
が得られた。
[実施例5]
超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、ビグリューカラム、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した500mlの4つ口フラスコに、Dynasylan(登録商標)40 345.3g、無水酢酸28.6g(0.28mol)およびチタン−4イソプロポキシド0.94g(3.2mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーおよび29Si NMRによる生成物の特性決定により、
GPC:M1540g/mol、M774g/mol、P1.98
29Si NMR:Q:1%、Q:20%、Q:44%、Q:28%、Q:7%
DB=0.52
が得られた。
[実施例6]
メトキシポリエチレングリコール修飾した超分岐状ポリエトキシシラン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、実施例5で生産した物質78.0gおよびMPEG350 22.0g(0.063mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M2170g/mol、M811g/mol、P2.67
29Si NMR:Q:1%、Q:20%、Q:44%、Q:28%、Q:7%
DB=0.52
が得られた。
[実施例7]
メトキシエトキシ修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、実施例5で生産した物質78.0gおよびメチルグリコール22.0g(0.289mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M1684g/mol、M718g/mol、P2.34
29Si NMR:Q:1%、Q:20%、Q:44%、Q:28%、Q:7%
DB=0.52
[実施例8]
イソノナノール修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、実施例5で生産した物質80.0gおよびイソノナノール20.0g(0.138mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M2140g/mol、M880g/mol、P2.43
29Si NMR:Q:1%、Q:20%、Q:44%、Q:28%、Q:7%
DB=0.52
が得られた。
[実施例9]
アリルグリコール修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、実施例5で生産した物質80.0gおよびアリルグリコール20.0g(0.196mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M2040g/mol、M788g/mol、P2.59
29Si NMR:Q:1%、Q:20%、Q:44%、Q:28%、Q:7%
DB=0.50
が得られた。
[実施例10]
ポリジメチルシロキサン/イソノナノール修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した500mlの4つ口フラスコに、Dynasil(登録商標)40 171.0g(0.347mol)、無水酢酸44.2g(0.43mol)および分子量が約2000g/molのα−n−ブチル−ω−トリメトキシシリル−エチル−ポリジメチルシロキサン(DE102008031901A1の実施例1aを参照されたい)99.5g(0.138mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、この物質80.0gおよびイソノナノール20.0g(0.138mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M6600g/mol、M1785g/mol、P3.7
29Si NMR:Q:1%、Q:13%、Q:40%、Q:38%、Q:8%
DB=0.58
が得られた。
[実施例11]
メトキシポリエチレンオキシド修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した500mlの4つ口フラスコに、Dynasylan(登録商標)40 162.0g(0.329mol)、Silquest A−1230 44.4g(0.082mol)、無水酢酸28g(0.274mol)およびチタン−4イソプロポキシド0.94g(2.1mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M1974g/mol、M736g/mol、P2.68
29Si NMR:Q:2%、Q:21%、Q:45%、Q:28%、Q:4%
DB=0.48
が得られた。
比較例1−テトラエトキシシラン
テトラエトキシシラン(=TEOS=Dynasylan(登録商標)A)
Dynasylan(登録商標)Aは、Degussa−Evonikという会社の市販製品であり、DBが0の架橋度を有する。
比較例2−ポリエトキシシロキサン
Dynasylan(登録商標)40
Dynasylan(登録商標)40は、Evonik−Degussaから市販されているTEOSオリゴマーである。
ゲル浸透クロマトグラフィーおよび29Si NMRによる生成物の特性決定により、
GPC:M624g/mol、M376g/mol、P1.66
Si29 NMR:Q:9%、Q:35%、Q:37%、Q:19%、Q:0%
DB=0.38
が得られた。
比較例3−メトキシポリエチレングリコール修飾したポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(70mm)ビグリューカラム、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した500mlの4つ口フラスコに、Dynasylan(登録商標)40 78.0g、MPEG350 22.0g(0.063mol)およびチタン−4イソプロポキシド0.25g(0.879mmol)を秤量して入れ、N雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により
GPC:M907g/mol、M482g/mol、P1.88
が得られた。
比較例4−メトキシエトキシ修飾したポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(70mm)ビグリューカラム、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、Dynasylan(登録商標)40 78.0g、メチルグリコール22.0g(0.289mol)およびチタン−4イソプロポキシド0.25g(0.879mmol)を秤量して入れ、N雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により
GPC:M762g/mol、M451g/mol、P1.68
が得られた。
[実施例12]
実施例2に由来する生成物の、ポリスチレンとの凍結乾燥物
窒素導入口および撹拌器を備えた容器中で、ポリスチレン(M=190000g/mol、Aldrich)20gをジオキサン(dioxan)300mlに溶解する。このポリスチレンを完全に溶解させた後、実施例2からの生成物80gを加える。この混合物をさらに10分間、撹拌する。次いで、この容器を液体窒素中でショック凍結(shock frozen)し、ジオキサンを完全に除去するため、凍結乾燥装置(Scanvac Coolsafe)に18時間、取り付ける。ポリスチレンと混合した実施例2からの添加剤を80wt%含有する、ほとんど白色の粉末が得られる。
[実施例13]
実施例1からの生成物の、PEMAとの油中油型マイクカプセル封入
カプセル封入ポリマーPEMA(ポリ(エチルメタクリレート)、Mw=50000、Polysciences Inc.)3.36g、および実施例1からの生成物6.53gをアセトニトリル(10ml)と塩化メチレン(40ml)との溶媒混合物中に溶解した。この溶液を、モノオレイン酸ソルビタン(Span80、Merck AG)0.1mLを乳化剤として含有するパラフィン油(J.T.Baker製)10mlの連続相に、撹拌(500rpm)しながら滴下して加える。全部の溶液を添加した後、撹拌を500rpmの速度で16時間、継続する。連続パラフィン油相からのマイクロカプセルを分離するために、マイクロカプセルが沈殿することができるよう撹拌を停止する。油をデカンテーションし、マイクロカプセルをペンタンにより数回、洗浄する。次に、このマイクロカプセルをろ別し、空気中で乾燥する。H NMRにより分析すると、実施例1からの生成物を約50±2wt.%含む、マイクロカプセルの含有物が得られた。
[実施例14]
実施例1からの生成物の、PEMAとの水中油型マイクカプセル封入
カプセル封入ポリマーPEMA(ポリ(エチルメタクリレート)、Mw=50000、Polysciences Inc.)12.96gを酢酸エチル100mlに溶解した。完全に溶解した後、実施例1からの生成物11.90gを加えた。分散相として、0.5wt.%の水性ポリ酢酸ビニル溶液1000mlを調製する(ポリ酢酸ビニル:Mw=9000〜10000g/mol、80%加水分解物、Aldrich)。このポリ酢酸ビニル含有分散相に、撹拌(500rpm)しながら、PEMAの溶液および実施例1からの生成物を滴下して加える。全部の溶液を添加した後、撹拌を500rpmの速度で一晩、継続する。連続水相からのマイクロカプセルを分離するために、マイクロカプセルが沈殿することができるよう、撹拌を停止する。この水層をデカンテーションし、マイクロカプセルを水により洗浄する。次に、このマイクロカプセルを水に懸濁し、凍結乾燥する。H NMRにより分析すると、実施例1からの生成物を約45wt.%含む、マイクロカプセルの含有物が得られた。
[実施例15]
ポリジメチルシロキサン修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した1000mlの4つ口フラスコに、Dynasilan(登録商標)40 442.0g、無水酢酸76.3g(0.75mol)、および分子量が約3000g/molのα−n−ブチル−ω−トリエトキシシリル−エチル−ポリジメチルシロキサン(DE102008031901A1に記載されているものと同じ方法で合成)81.6g(0.027mol)、およびチタン−4イソプロポキシド1.5g(5.1mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M3587g/mol、M964g/mol、P3.7
29Si NMR:Q:2%、Q:19%、Q:42%、Q:32%、Q:5%
DB=0.54
が得られた。
[実施例16]
ポリジメチルシロキサン修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、(100mm)デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した500mlの4つ口フラスコに、Dynasil(登録商標)40 218.0g、無水酢酸44.2g(0.43mol)、および分子量が約1200g/mlのα−n−ブチル−ω−トリエトキシシリル−エチル−ポリジメチルシロキサン(DE102008031901A1に記載されているものと同じ方法で合成)44.3g(0.037mol)、およびチタン−4イソプロポキシド0.76g(2.6mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M3635g/mol、M1175g/mol、P3.1
29Si NMR:Q:1%、Q:16%、Q:42%、Q:34%、Q:7%
DB=0.57
が得られた。
[実施例17]
ポリエチレングリコールブロックポリジメチルシロキサン修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
ポリエチレングリコールブロックポリジメチルシロキサンの合成:
モノアリルポリエチレングリコール(147g、Mn=480g/mol)およびKarstedt触媒(4g、キシレン中の0.2%溶液)を、撹拌器、温度計、滴下漏斗、還流コンデンサおよび窒素導入管を装備した4つ口フラスコに予め入れ、60℃まで加熱する。温度が70℃を超えないよう、モノSiH官能化ポリジメチルシロキサン(500g、Mn約2000g/mol)の計量添加を行う。モノSiH官能化ポリジメチルシロキサンの転化に続いて、ガス容量決定を行う。生成物の測定されたヒドロキシ数は、28.1mgKOH/gである。
ポリエチレングリコールブロックポリジメチルシロキサン修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサンの合成:
撹拌器、温度計、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した250mlの4つ口フラスコに、実施例5に従って生産した物質160.0gおよびポリエチレングリコールブロックポリジメチルシロキサン40.0g(0.016mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
ゲル浸透クロマトグラフィーによる生成物の特性決定により、
GPC:M3806g/mol、M956g/mol、P3.98
29Si NMR:Q:2%、Q:19%、Q:40%、Q:32%、Q:7%
DB=0.55
が得られた。
本発明による非加水分解法と(EP0771835A2)による加水分解法との比較
例H1(比較例)−ポリメトキシシロキサン−加水分解法
撹拌器、温度計および還流コンデンサを装備した500mlの4つ口フラスコに、テトラメトキシシラン228g(1.5mol)およびメタノール72g(2.25mol)を秤量し、窒素雰囲気下、5分間撹拌した。次に、水29.7g(1.65mol)と20%HCl 0.055gとの混合物を加え、加熱して還流した。安定した65℃の還流温度で4時間、反応させる。室温まで冷却して、還流コンデンサを、収集フラスコを有する蒸留ヘッドに交換した後、65℃〜150℃の温度での蒸留により、存在しているメタノールを除去した。窒素(純度>99.999%)に通すことにより、生成物中に残留している揮発性物質を、150℃の温度で2時間以内に除去した。
GPC:M1730g/mol、M780g/mol、P2.2
29Si NMR:Q:0.5%、Q:13.5%、Q:55%、Q:28%、Q:3%
DB=0.55
実施例NH2−ポリエトキシシロキサン−本発明による非加水分解法
撹拌器、温度計、ビグリューカラム、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した500mlの4つ口フラスコに、テトラエトキシシラン250.0g(1.2mol)、無水酢酸134.8g(1.32mol)、およびチタン−4イソプロポキシド0.96g(3.4mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
GPC:M2104g/mol、M731g/mol、P2.9
29Si NMR:Q:3%、Q:20%、Q:42%、Q:30%、Q:5%
DB=0.54
例H2(比較例)−ポリエトキシシロキサン−加水分解法
撹拌器、温度計および還流コンデンサを装備した500mlの4つ口フラスコに、テトラエトキシシラン270.8g(1.3mol)およびエタノール89.7g(1.95mol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下、5分間撹拌した。次に、水25.7g(1.43mol)と20%HCl 0.047gとの混合物を加え、加熱して還流する。安定した78℃の還流温度で4時間、反応させる。室温まで冷却し、還流コンデンサを、収集フラスコを有する蒸留ヘッドに交換した後、78℃〜150℃の温度で蒸留することにより、存在しているエタノールを除去した。窒素(純度>99.999%)に通すことにより、生成物中に残留している揮発性物質を、150℃の温度で2時間以内に除去した。
GPC:M1207g/mol、M549g/mol、P2.2
29Si NMR:Q:0%、Q:14%、Q:55%、Q:27%、Q:4%
DB=0.55
利用技術の実施例
熱硬化ポリエステル/メラミン樹脂系をベースとするコーティング剤
以下の表1に従って、溶媒をベースとする高光沢ポリエステル/メラミン焼付けエナメル(配合物1)および溶媒をベースとする無光沢ポリエステル/メラミン焼付けエナメル(配合物2)を生産した。
Figure 2016526073

aポリエステル結合剤、Solvesso150ND中65%
b湿潤剤および分散化剤、Byk 社製
c溶媒、ExxonMobil社製
d焼成ケイ酸、Degussa社製
e二酸化チタン、DuPont社製
fヘキサメトキシメチルメラミン、Cytec社製、100%
gブロック化スルホン酸誘導体、Evonik社製
h消泡剤、Byk 社製
iレベリング剤、Byk 社製
ミルベースを8000rpmおよび40℃で20分間、Dispermat CVにより分散した。ミルベースとガラス製ビーズとの重量比は、1:1であった。
ミルベースとレットダウンを混合し、5分間、均一にした。
さらに、配合物2を2%Syloid ED30(ケイ酸つや消し剤、Grace)によりつや消しを行った(5分間、930rpm)。
Solvesso150NDを用いて、2種の配合物の各々の粘度を、100〜120secs(DIN4カップを用いて測定)に調整した。
続いて、まず、スパチュラを用いることにより、次いで、歯付きディスク(toothed disk)を用いて1865rpmで3分間、溶解器により撹拌することによって、生産実施例からの添加剤1wt.%または2wt.%を配合物1および配合物2に配合した。重量百分率データは、100グラムの配合物1または配合物2に対する、添加剤のグラムでの量(いかなる担体物質または溶媒も含まない)に相当する。添加剤の量は、表の結果から得ることができる。
室温で一晩、保管した後、螺旋アプリケーターを用いて、プライマーでコーティングしたAlcanアルミニウム板上に、80μmのウエット膜厚(乾燥膜厚保19〜20μmに相当する)でこれらの試料を塗布する。このコーティングした板を到達板温(PMT)232℃のオーブン(オーブン温度:320℃)中で33秒間、焼き付けした。
試験法
1.水接触角の測定による、焼き付けした配合物の親水性の決定
接触角の測定は、室温で24時間の保管後、および水中、24時間、7日間または21日間の保管後に行った(測定機器:Kruss G2)。
2.焼き付けした配合物に関する汚れ試験
(a)カーボンブラック試験(「CB試験」)
カーボンブラック試験は、室温で保管した21日後、および水中での保管の21日後に行った。
このコーティングした板をSpecial Black4という顔料に5回、浸漬した。次に、45°の角度で水により湿らせ、100℃で1時間、保管した。次いで、この顔料を水および柔軟な布により洗い流し、そうしてしっかり付着していない(loose)顔料を除去することができる。残存残留物を評価する(1=残留物なし、10=多量の残留物)。
(b)カーボンブラックスラリー試験(「CBスラリー試験」)
カーボンブラックスラリー試験は、室温で保管した21日後、および水中での保管の21日後に行った。
ブラシを使用してエナメル表面にスラリーを塗布し、この板を100℃で1時間、保管した。次に、顔料を水および柔軟な布により洗い流し、そうしてしっかり付着していない顔料を除去することができる。残存残留物を評価する(1=残留物なし、10=多量の残留物)。カーボンブラックFW200スラリーは、以下に示す組成を有した:水57.6g、DISPERBYK(登録商標)−190(40%)(BYK−Chemie GmbH製)26.3g、BYK−024(Byk−Chemie GmbH製)1.0g、Acticide MBS(Thor Chemie製の殺生物剤)0.1g、および着色用カーボンブラックFW200(Evonik Industriesから入手可能)15.0g。上記の成分をDispermat CV(テフロン製ブレード、60分間、10000rpm(18m/秒)、40℃)によりミル粉砕した。ミルベースとガラス製ビーズ(Φ1mm)との重量比は、1:1であった。
3.焼き付けした配合物の光沢およびヘイズの決定
光沢およびヘイズの測定は、BYK−Gardner製のMicro−Haze−Gloss機器を用いて行った。20°の角度で光沢を測定した。
4.焼き付けした配合物の表面の評価
欠陥および外観に関して、表面を目視評価した(1=欠陥なし、5=欠陥、C=へこみ)。
5.焼き付けした配合物のレベリングの測定
レベリングは、BYK−Gardner製のWave−Scan−Dual機器を用いて、コーティングした板の上で測定した。長波(LW)および短波(SW)を決定した。
結果
表2は、上記の配合物1(エナメル1)から生産したコーティングに関する測定結果を一覧表示している。
Figure 2016526073

*ZEFFLE GH-701は、コーティング剤に汚れ耐性を付与する、ダイキン工業株式会社製のフルオロ−有機シリケートをベースとする親水化用添加剤である。
表2から明らかな通り、本発明による、超分岐状ポリアルコキシシロキサン添加剤の使用により、光沢の改善、光沢のかすみ(ヘイズ)の軽減、ならびに特に長波範囲において、およびフッ素含有レベリング剤またはポリアクリレートをベースとするレベリング剤の使用のない長波範囲において、顕著なレベリング特性の改善がもたらされる。水中で7日間保管した後の水接触角は、表面の顕著な親水化が起こることを示しており、この親水化は、コーティング表面上のケイ酸ネットワークの形成に起因している。
表3は、上記の配合物2(エナメル2)から生産したコーティングに関する測定結果を一覧表示している。
Figure 2016526073
表3における結果から、超分岐状ポリアルコキシシロキサンの添加により、コーティング剤組成物の自己洗浄特性が大きく改善されることが分かる。CB試験やはりまたCBスラリー試験の両方において、表面は水でのすすぎによる清浄が容易であった。自己洗浄特性は、配合物2(エナメル2)中のポリアクリレートタイプ(BYK350)のレベリング剤の存在下でさえも、悪影響を受けない。ポリアクリレートタイプのレベリング剤により、その低いガラス転移温度のために、表面が塵の付着をややより受けやすくなることが知られている。
粉末エナメル配合物の生産
Figure 2016526073

jCytec製ポリエステル樹脂
kEMS-Chemie製のヒドロキシアルキルアミド架橋剤
lKronos製二酸化チタン
mBYK-Chemie GmbH製レベリング剤
nCrylcoat2617-3は、高速ミキサーを用いて、ほぼマスターバッチの粒子サイズにまでミル粉砕した。
oCrylcoat2617-3および添加剤の混合物を溶融することにより、Crylcoat2617-3中に、添加剤を5wt.%マスターバッチとして配合した。これは、樹脂の秤量の際に考慮にいれた。冷却後、このマスターバッチ混合物をミル粉砕する。
表4中の構成物番号1〜5のすべての成分を一緒に秤量し、高速ミキサー中、1500rpmで2.5分間、事前混合した。構成物番号6および7の成分を加え、手作業により混合した。
次に、Coperion ZSK18型(軸速度は350rpm)の2軸押出成形器中、100℃で上記の混合物を押出しした。得られた押出成形物を冷却し、砕いて、Retsch ZM100遠心ミルにて、18000rpmでミル粉砕した。得られた粉末を100μmの振動ふるい(DIN4188)に通した。次いで、得られた粉末エナメル混合物に、Q PanelsアルミニウムA−36の板(152×76×0.5mm)上に、静電気により塗布(粉末スプレー用ピストル:80kV/1.0bar)し、こうしてコーティングした板を、ファン付きオーブン中、180℃で15分間、硬化させた。
試験法
BYK−Gardner Spectro−guide Sphere Gloss色調および光沢計を使用して、明度Lを測定した。
結果
粉末エナメル配合物によりエナメル加工した板の明度の値Lは、保管の1週間後または3週間後に試験した。これらの結果を表5に示す。
Figure 2016526073

#他の実施例と同様に、同じ量の活性物質を施用するため、実施例12からの添加剤とポリスチレンだけが、実施例2からの添加剤を80%含有しているので、より多い重量含有物である実施例12からの添加剤を使用した。
焼き付けした粉末エナメルコーティングに関する汚れ試験
カーボンブラックスラリーは、Carbon Special Black#4という顔料20gと脱イオン水65gとを混合することにより生産する。このスラリーをティースプーンにおよそ1杯分をコーティングした各板に散布した。この試験板を70℃のオーブン中で2時間、保管した。次に、流動している冷却脱イオン水中で、毛ブラシを用いて引っ掻くことなく優しくぬぐうことにより、この板をきれいにすすいだ。次に、この板を室温で乾燥し、明度の値Lを上記の通り決定した。
Figure 2016526073

#他の実施例と同様に、同じ量の活性物質を施用するため、実施例12からの添加剤とポリスチレンだけが、実施例2からの添加剤を80%含有しているので、より多い重量含有物である実施例12からの添加剤を使用した。
表6は、純粋な活性物質としての実施例2からの本発明による添加剤、またはポリスチレン中の80wt.%の活性物質を使用することにより、強力な撥塵作用の点で、優れた結果が得られることを示している。
フルオロポリマーをベースとするコーティング剤
以下の表7に従い、2種の異なるコーティング剤配合物である、配合物F1および配合物F2を生産した。
Figure 2016526073

p旭ガラス製の3F型フルオロカーボンをベースとする結合剤
qダイキン工業株式会社製の4F型フルオロカーボンをベースとする結合剤
rDuPont製二酸化チタン
sBYK-Chemie GmbH製の架橋剤および分散化剤
tSachtleben Chemie GmbH製硫酸バリウム
uBYK-Chemie GmbH製のシリコーンをベースとする表面添加剤
uBYK-Chemie GmbH製のシリコーンをベースとする消泡剤
wBayer AG製ヘキサメチレンジイソシアネート三量体(90%)
次に、フッ素含有結合剤をベースとする添加剤2wt.%を混合した(2000rpm、5分間)。この添加剤を含有する仕上げコーティング剤を、200μmのウエット膜厚で、ガラス板にそれぞれ塗布した。これらのガラス板を室温で3日間、保管した。次に、以下に記載した試験法を実施した。
フルオロポリマーをベースとする配合物の試験法
1.水接触角の測定による、フッ素含有配合物の親水性の決定
水に対する接触角の測定は、上記の室温での3日間の保管後、およびその後の水中、7日間の保管後に行った(測定機器::Kruss G2、Easy Drop)。
2.フッ素含有配合物に関する汚れ試験
(a)カーボンブラック鉱物油試験(「CB油試験」)
鉱物油(Kuwait Petroleum International Lubricants製のQ8 Puccini 32P)中のカーボンブラック粉末(Evonik Degussa製のタイプFW200)の1重量%スラリーを調製する。これを指によりコーティングした板に塗る。汚した板を室温で一晩、保管し、次いで、清浄性を試験するため、ドライペーパー(Svenska Cellulosa AB製のTork紙製ハンカチ)、または5%Pril(登録商標)溶液をしみ込ませたウエットペーパーにより清浄する。
(b)カーボンブラックハンドクリーム試験(「CBクリーム試験」)
ハンドクリーム(Herbacin Cosmetic GmbH製のWuta Kamilleハンドクリーム)中のカーボンブラック粉末(Evonik Degussa製のタイプFW200)の1重量%調製物を生産する。これを指によりコーティングした板に塗る。汚した板を室温で一晩、保管し、次いで、清浄性を試験するため、ドライペーパー(Svenska Cellulosa AB製のTork紙製ハンカチ)、または5%Pril(登録商標)溶液をしみ込ませたウエットペーパー(石鹸)により清浄する。
(c)カーボンブラックスラリー試験(「CBスラリー試験」)
Special Black6(Evonik)2.0g、水100g、および液体石鹸(Pril(登録商標))5滴を混合することによりカーボンブラックスラリーを調製する。このカーボンブラックスラリーをコーティングした板に小さなブラシを用いて塗布する。次に、この板を50℃で1時間、乾燥する。次いで、この板を流水中、および軟毛ブラシを使用して洗浄する。コーティング剤ができるだけ上手に除かれるまで、石鹸を使用したりより強くこすることをしないで、洗浄を継続する。
3.焼き付けした配合物の光沢およびヘイズの決定
光沢およびヘイズの測定は、BYK−Gardner製のMicro−Haze−Gloss機器を用いて行った。60°の角度で光沢を測定した。
結果
Figure 2016526073
Figure 2016526073
Figure 2016526073
Figure 2016526073
上の表から分かる通り、実施例1および3の添加剤は、疑似風化後(水中に保管)の清浄性および水接触角の点で、有利である。
溶媒をベースとする顔料添加エポキシ樹脂/アミン硬化剤系をベースとするコーティング用物質
コーティング剤の調製に関しては、以下の手順を使用する。まず、成分Aは、表12の順位1から3までに列挙されている物質を、歯付きディスクを有する溶解器により均一となるまで1分間あたり2000回転数で混合することにより調製する。関連量は、表3中の重量部で明記されている。次に、表12中の順位4の物質を加え、完全なゲルが形成するまで、1分間あたり3000回転数で混合する。この後に、表12の順位5から7までの物質を1分間あたり3000回転数で加え、さらに15分間、撹拌を継続する。この後に、表12の順位8から11までの物質を1分間あたり2000回転数で加え、さらに5分間、撹拌を継続する。15分間、表12の順位12から14までの物質を1分間あたり2000回転数で撹拌することにより、成分Bを調製する。
次の工程において、成分AとBとの混合物に、成分Aと成分Bの合計に対して2wt.%の添加剤を加え、1分間あたり2000回転数で5分間、撹拌を行う。
150μmのウエット膜厚でガラス板にこのコーティング剤組成物を塗布する。このガラス板を室温(23℃)で一晩、維持し、次いで40℃のオーブン中で3日間、乾燥する。
冷却後、このコーティングフィルムに下記の試験法を施す。
Figure 2016526073

1Dowanol PMは、Dow Chemical Company製のプロピレングリコールメチルエーテルである。
2Epikote1001X75は、Momentive製の、エポキシ樹脂の75wt.%キシレン溶液である。
3Bentone SD-2は、Elementis Specialties製の有機物修飾されているベントナイトクレイをベースとするレオロジー添加剤である。
4Disperbyk-142は、Byk-Chemie GmbH製の架橋剤および分散化剤である。
5Ti-Pure R902は、DuPont Titanium Technologies製の二酸化チタン顔料である。
6Blanc Fixe Nは、Solvay Chemicals製の合成硫酸バリウムである。
7Solvesso100は、ExxonMobili製の芳香族性溶媒である。
8Ancamide220-X-70は、Air Products製の硬化剤である。
9Ancamine K-54は、Air Products製のエポキシ促進剤である。
試験法
汚れ性(soilability)試験
上のフルオロポリマーをベースとする配合物の見出しの下に明記した通り、カーボンブラックハンドクリーム試験(「CBクリーム試験」)およびカーボンブラックスラリー試験(「CBスラリー試験」)を実施した。しかし、決定を2回、行わなかった。評価の範囲は、1〜5に及び、ここで値1は「残留物なし」を意味し、一方、値5は「多量の残留物」を意味する。
マーカー試験
「Magic Ink Red」タイプ(Magic Ink Company(日本)から入手することができる)の油性マーカーでエナメル表面に書き込みを行い、この表面に書き込みを行うことができるかについて目視で評価する。インクが表面に広がるか、または一緒に線が引けるかどうかを評価する。インクを乾燥した後、乾燥した布により、またはイソプロパノールをしみ込ませた紙により、インクを拭き取る試みを行う。評価範囲は1〜5に及び、この場合、値1は、「インクは一緒に線を描き、かつ紙製の布により残留物なく除去することができる」ことを意味し、値5は、「インクは基材上に非常によく広がり、実質的に除去することができない」ことを意味する。
水接触角の測定による、焼き付けした配合物の親水性/疎水性の決定
接触角の測定は、室温(23℃)で24時間の保管後に行った(測定機器:Kruss G2)。
結果
Figure 2016526073
表13中の結果は、実施例10のポリシロキサン/イソノナノール修飾したポリアルコキシシロキサンは、エナメル表面を疎水化し、エナメル表面にマーカー試験における「清浄容易」特性(容易な清浄特性)を付与することを示している。実施例11のポリエチレン修飾したポリアルコキシ−シロキサンは、エナメル表面を親水化し、CBスラリー試験において、このエナメルにカーボンブラックに対する汚れ耐性を付与する。使用分野において、通常、予期される汚れの性質に応じて、疎水的または親水的に修飾した添加剤を選択することができる。
加水分解により生産した添加剤の保管安定性と本発明による非加水分解により生産した添加剤の比較
以下の表14および表15は、生産法に起因する、加水分解および非加水分解により得られた添加剤の間の差異を確認する試験結果を示している。
Figure 2016526073
Figure 2016526073
GPC
分子量分布の決定および分子質量の決定は、表14における、値Mw、MnおよびMpおよび多分散性(Mw/Mn)を意味し、表15は、GPCにより行った。これは、溶離液としてトルエンを用い、PDMS標準を使用してゲル浸透クロマトグラフィーにより行った。カラム材料は、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーからなる。
粘度
表14および表15中の粘度は、20℃でHaake製のプレート−コーン型粘度計(Roto Visco 1、コーンC35/1°Tiギャップ0.050mm)を用いて、mPa.秒で決定し、この間に、粘度の依存性を、0と600秒−1との間の領域におけるせん断速で検討した。
保管安定性の評価
ゲル浸透クロマトグラフィーは、非加水分解経路により生産された、本発明による実施例NH2の生成物は、本発明による生成物が、例H2の直接比較生成物よりも高い分子量を有する場合でさえも、この比較生成物よりもすべての場合において、低い粘度を示すことを示している。このことは、本発明による分岐度のパラメータと同様に、生産方法もはやり、生成物特性に決定的な影響を及ぼし、こうして、本発明による生成物はやはり、加水分解法により得られる生成物とは構造的に異なることを裏付ける。
本発明により生産された生成物だけが、窒素下、50℃で12週間の保管期間にわたり、粘度および分子量に関して、非常に卓越した不変性を有している一方、加水分解により得られた生成物は、大きな変動を受けることも明らかである。
利用技術の結果(実施例15、16および17に対するもの)
熱的に硬化したポリエステル/メラミン樹脂系をベースとするコーティング剤
以下の表16に従い、溶媒をベースとするポリエステル/メラミン焼付けエナメルを出発配合物として生産した。
Figure 2016526073

aポリエステル結合剤、Evonik社製、Solvesso150ND中65%
b湿潤剤および分散化剤、Byk社製
c溶媒、ExxonMobil社製
d二酸化チタン、Kronos社製
fヘキサメトキシメチルメラミン、Cytec社製、100%
gブロック化スルホン酸誘導体、Evonik社製
h消泡剤、Byk社製
iレベリング剤、Byk社製
ミルベースを8000rpmおよび40℃で20分間、Dispermat CVにより分散させた。ミルベースとガラス製ビーズとの重量比は、1:1であった。
ミルベースとレットダウンを混合し、5分間、均一にした。
さらに、この配合物を2%Syloid ED30(ケイ酸つや消し剤、Grace)によりつや消しを行った(5分間、930rpm)。
Solvesso150NDを用いて、2種の配合物の各々の粘度を、100〜120secs(DIN4カップを用いて測定)に調整した。
続いて、まず、スパチュラを用いることにより、次いで、歯付きディスクを用いて1865rpmで3分間、溶解器により撹拌することにより、生産実施例からの添加剤1wt.%または2wt.%を配合物に配合した。重量百分率データは、100グラムの配合物に対する、添加剤のグラムでの量(いかなる担体物質または溶媒も含まない)に相当する。添加剤の量は、表の結果から得ることができる。
室温で一晩、保管した後、螺旋アプリケーターを用いて、プライマーでコーティングしたAlcanアルミニウム板上に、80μmのウエット膜厚(乾燥膜厚保19〜20μmに相当する)でこれらの試料を塗布する。このコーティングした板を到達板温(PMT)232℃のオーブン(オーブン温度:320℃)中で33秒間、焼き付けした。
試験法
硬化した配合物に関する汚れ試験
コーティング剤は、上記の通り生産した。コーティング剤の一部を室温で一晩、さらなる一部を50℃で7日間、さらなる一部を50℃で14日間、保管した。次に、これらのコーティング剤を塗布し、上記の通り硬化させた。下記の汚れ試験(「カーボンブラック試験」および「カーボンブラックスラリー試験」)は、施用および硬化および冷却(「中間測定」)の直後、または50℃での保管の2週間後だけ行った。
(a)カーボンブラック試験(「CB試験」)
このコーティングした板をSpecial Black4という顔料に5回、浸漬した。次いで、45°の角度で水により湿らせ、100℃で1時間、保管した。次に、この顔料を水および柔軟な布により洗い流し、そうしてしっかり付着していない顔料を除去することができる。残存残留物を評価する(1=残留物なし、10=多量の残留物)。
(b)カーボンブラックスラリー試験(「CBスラリー試験」)
ブラシを用いてスラリーをエナメル表面に塗布し、この板を100℃で1時間、保管した。次に、この顔料を水および柔軟な布により洗い流し、そうしてしっかり付着していない顔料を除去することができる。残存残留物を評価する(1=残留物なし、10=多量の残留物)。カーボンブラックFW200スラリーは、以下の組成を有した:水57.6g、DISPERBYK(登録商標)−190(40%)(Byk−Chemie GmbH製)26.3g、BYK−024(Byk−Chemie GmbH製)1.0g、Acticide MBS(Thor Chemie製の殺生物剤)0.1g、および着色用カーボンブラックFW200(Evonik Industriesから入手可能)15.0g。上記の成分をDispermat CV(テフロン製ブレード、60分間、10000rpm(18m/秒間)、40℃)によりミル粉砕した。ミルベースとガラス製ビーズ(Φ1mm)との重量比は、1:1であった。
結果
Figure 2016526073
Figure 2016526073
Figure 2016526073
Figure 2016526073
表16から表20における結果から、超分岐状ポリアルコキシシロキサン(実施例15および実施例16のポリジメチルシロキサン修飾した超分岐状ポリエトキシ−シロキサン、とりわけ実施例17のポリ−エチレングリコールブロック−ポリジメチルシロキサン修飾した超分岐状ポリアルコキシシロキサン)は、コーティング剤組成物の自己洗浄特性をかなり改善することが分かる。CB試験やはりまたCBスラリー試験の両方において、表面は水でのすすぎによる清浄が容易であった。自己洗浄特性は、ポリアクリレートタイプ(BYK350)のレベリング剤の存在下でさえも、悪影響を受けなかった。ポリアクリレートタイプのレベリング剤により、その低いガラス転移温度のために、表面が塵の付着をややより受けやすくなることが知られている。
非加水分解または加水分解で生産した添加剤を加えたコーティング剤組成物の利用技術の比較
以下の表21から表24は、加水分解で生産した添加剤とは反対に、非加水分解で生産した添加剤の使用により、顕著に優れた汚れ耐性を示すコーティングとなることを示している。
添加剤の一部を、その合成後に直接、コーティング剤中で使用し、さらなる一部をコーティング剤での使用前に、50℃で2カ月間、保管した。その他のデータは、表16から表20からの定義に対応している。
Figure 2016526073
Figure 2016526073
Figure 2016526073
Figure 2016526073
この利用技術の実験はまた、本発明による方法により生産された添加剤(実施例NH2)は、従来技術の添加剤(例H1およびH2)よりも優れていることも示している。本発明による添加剤は、高温(50℃)で数カ月間にわたっても保管安定性がある。このことは、本発明による添加剤が、高い汚れ耐性を示しているので、それから生産されるコーティングからはっきりと明白である。本発明による添加剤を使用して生産されるコーティングはまた、特に、コーティングされた基材を保管した後に、顕著な長期間の汚れ耐性も示す。総合的に、上の実験は、本発明による非加水分解で生産した添加剤は、それ自体、加水分解で生産される添加剤よりも保管安定性が高いことを示している。さらに、本発明による添加剤により生産されるコーティング剤は、より保管安定性が高く、このコーティング剤から生産されるコーティングされた基材は、優れた、かつより長期間の安定した汚れ耐性を示す。したがって、これらの結果は、本発明による非加水分解で生産された添加剤は、基本的に異なる特性だけしかこのように説明可能ではないので、加水分解で得られた添加剤とは構造的に区別されるべきであることも裏付ける。
驚くべきことに、上述の問題は、コーティング剤組成物への、非加水分解的プロセスによって得られる超分岐状ポリアルコキシシロキサンの添加により解決することができることを見出した。
例えばポリエトキシシロキサン(アルコキシ=エトキシ)に関して、左から右へのスペクトルにおける各シグナルは、ケイ素原子:4つのエトキシ基Q(δ=82.4ppm、TEOS=テトラエトキシシラン)、3つのエトキシ基Q(δ=−89.51ppm、末端単位)、2つのエトキシ基Q(δ=−96.86ppm、直鎖状単位)、1つのエトキシ基Q(δ=−104.7ppm、半樹状単位)およびエトキシなしの基Q(δ=−110.4ppm、樹状単位)へと割り当てることができる。個々のシグナルの面積の合計に対する個々のシグナル下の面積から、上述するようにポリエトキシシロキサンの分岐度DBを算出することが可能である。
最先端では、ポリアルコキシシロキサンは通常、非化学量論量の水の存在下で、および例えば硫酸または塩酸などの酸、または例えばトリエタノールアミンなどの塩基性触媒の存在下で、例えば各種出発化合物、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)もしくはテトラメトキシシラン(TMOS)またはそれらの混合物などのテトラアルコキシシランの加水分解縮合などの本質的に公知の方法により得られる。この方法が行われる場合、このようにして得られるポリアルコキシシロキサンは、わずかな量の遊離シラノール基(Si−OH)も含有しない。残存するシラノール基は、さらなる縮合反応の一部となることができ、ポリシロキサンの特性、特に、ポリアルコキシシロキサン自体またはそれらから生産されるコーティング剤組成物の貯蔵後のそれらの望ましい効果である貯蔵安定性に悪影響を及ぼし得る。
本発明によれば、本発明により使用される超分岐状ポリアルコキシシロキサン、または本発明により組成物で使用されるものは、一方では超分岐状生成物を生じ、他方ではシラノール基形成を全く伴わずに、またはシラノール基形成をほぼ伴わずに進行する非加水分解的方法を用いて生産される。以下で記載するような重縮合方法を使用して、ポリアルコキシシロキサンを生産する場合、これは、添加剤の貯蔵安定性に対して、またこの添加剤を含有する得られるコーティング剤組成物の貯蔵安定性に対して、驚くべきほどプラスの効果を有する。
市販の官能性アルコキシシランの例は、例えば、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(Silquest A−1310(Momentive Performance Materials))、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan AMMO(Evonik))、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan DAMO(Evonik))、3−グリシジルプロピルトリエトキシシラン(Dynasylan GLYEO(Evonik))、グリシジルプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan GLYMO(Evonik))、ビニルトリメトキシシラン(Dynasylan VTMO(Evonik))、ビニルトリエトキシシラン(Dynasylan VTEO(Evonik))および3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan MEMO(Evonik))である。
超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、固体形態で、好ましくは固体のカプセル封入添加剤、固体の凍結乾燥添加剤または固体のワックス含有もしくはワックス状物質含有添加剤として提供され得る。本発明の文脈では、「固体」という用語は、添加剤が室温、即ち23℃で、固体形態で存在することを意味する。
超分岐状ポリアルコキシシロキサンは好ましくは、固体のカプセル封入形態で提供される。したがって、本発明のさらなる主題は、(i)上記に記載の少なくとも1つのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および(ii)フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンのカプセル封入に役立つ少なくとも1つのポリマーを含む固体のカプセル封入添加剤である。固体のカプセル封入添加剤は、例えば無極性溶媒中での(i)および(ii)の溶解、乳化剤を含有する極性溶媒への(i)および(ii)の溶液の添加、無極性溶媒の除去、および固体のカプセル封入添加剤の分離により得ることができる。固体のカプセル封入添加剤は好ましくは、添加剤の総重量に対して少なくとも50重量%を含有する。
超分岐状ポリアルコキシシロキサンのカプセル封入形態を得るためには、これまでに記載されるようなエマルジョン方法を使用することができる。この方法は、2つの不溶性相である無極性相および極性相の混合に基づく。超分岐状ポリアルコキシシロキサンは、マイクロカプセルを形成することが可能であり、かつコーティング剤組成物と適合性であるポリマーとちょうど同じように、無極性相中に溶解される。これに適したポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、メタクリル酸メチル/メタクリル酸エチル共重合体、またはポリエチレンイミンに基づく例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−アセトアルデヒド樹脂、尿素−プロピオンアルデヒド樹脂、尿素−ブチルアルデヒド樹脂および架橋ポリ尿素などの尿素樹脂、または例えばメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−アセトアルデヒド樹脂、メラミン−プロピオンアルデヒド樹脂およびメラミン−ブチルアルデヒド樹脂などのメラミン樹脂が挙げられ得る。
マイクロカプセルの生産に関して、超分岐状ポリアルコキシシロキサンおよびマイクロカプセル形成ポリマーを秤量して、無極性溶媒中に溶解する。乳化剤は、極性溶媒中に溶解し、無極性溶媒中に溶解した超分岐状ポリシロキサンおよびマイクロカプセル形成ポリマーを、極性溶媒中の乳化剤の溶液に徐々に添加する。乳化剤としては、例えば、ポリアルキレンオキシド共重合体、脂肪族アルコール、アルコキシ化脂肪族アルコール、脂肪酸、アルコキシ化脂肪酸、ポリオールの脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、または本発明によるポリアルコキシシロキサンの定義に該当しないシリコーン界面活性剤が適している。上記プロセスでは、エマルジョンを撹拌して、減圧下で無極性相を除去して、形成されるマイクロカプセルを濾過により取り出した後、洗浄して、乾燥して、包装する。マイクロカプセルのシェルは、貯蔵中に加水分解から、したがって大気の湿度からポリアルコキシシロキサンを保護する。ポリアルコキシシロキサンを入れたマイクロカプセルは、高温、例えば最大60℃の温度でも安定である。ある特定の温度を超えると、高分子マイクロカプセルシェルは、融解または分断して、カプセル封入ポリアルコキシシロキサン添加剤が放出される。マイクロカプセルの、ポリアルコキシシロキサン添加剤による負荷は、マイクロカプセルの重量に対して、好ましくは少なくとも30重量%、特に好ましくは少なくとも40重量%、非常に特に好ましくは少なくとも50重量%である。
[実施例11]
メトキシポリエチレンオキシド修飾した超分岐状ポリエトキシシロキサン
撹拌器、温度計、デフレグメーター、および収集フラスコを有する蒸留ヘッドを装備した500mlの4つ口フラスコに、Dynasylan(登録商標)40 162.0g(0.329mol)、Silquest A−1230 44.4g(0.082mol)、無水酢酸28.0g(0.274mol)およびチタン−4イソプロポキシド0.94g(3.2mmol)を秤量して入れ、窒素雰囲気下で均一にし、蒸留液が通過するまで加熱した。蒸留液がもはや通過しなくなるまで、133℃の温度で蒸留を継続した。次に、回転式蒸発器上、120℃(5mbar)で1.5時間、蒸留を行った。
Figure 2016526073
Solvesso150NDを用いて、配合物の粘度を、100〜120secs(DIN4カップを用いて測定)に調整した。

Claims (18)

  1. コーティング剤組成物中で、コーティング剤組成物の総重量に対して0.1重量%〜10重量%の量での添加剤としての
    (a)下記式:
    DB=(2Q+Q)/(2Q+4/3Q+2/3Q
    (式中、n=0〜4に関するQは、29Si NMRにより決定され、n=0〜4に関するQはいずれの場合も、(4−n)倍のアルコキシ化Si原子の29Si NMRシグナル下の面積を表し、n=0〜4を用いた場合のQの合計は、100%に正規化される)
    に従って算出される0.4以上の分岐度DBを有し、および
    (b)非加水分解重縮合プロセスを用いて生産される
    フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンの使用であって、コーティング剤組成物が、フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンとは異なる物理乾燥性(physically drying)、自己架橋反応性または共架橋反応性合成ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの合成ポリマー、および
    少なくとも1つの合成ポリマーが共架橋反応性合成ポリマーである場合には、フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンと、また共架橋合成ポリマーとは異なる架橋剤を含有する、使用。
  2. フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンが、重量平均分子量1000g/mol〜7000g/molを有することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. 非加水分解重縮合方法が、一般式(I):
    Figure 2016526073

    (式中、
    、R、R、RおよびRは互いに独立して、1個〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基であり、
    pは、0〜15の整数を表し、
    Lは、酸素または二価連結基を表し、
    は独立して、1個〜5個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、ポリアルキレンオキシ基、またはポリシロキサン基、またはポリアルキレンオキシ−ポリシロキサン基、またはイソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基もしくは(メタ)アクリル基を表す)
    の単量体アルコキシシランおよび/またはオリゴマーアルコキシシロキサンを使用して行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
  4. フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンが、非加水分解重縮合反応の実施後に、モノヒドロキシ官能性アルコール、モノヒドロキシ官能性ポリエーテル、モノヒドロキシ官能性ポリシロキサンまたはモノヒドロキシポリエーテル修飾ポリシロキサンの群から選択される1つまたは複数の化合物とのアルコキシ交換(transalkoxylation)により反応されるものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. (A)コーティング剤組成物に対して0.1重量%〜10重量%の請求項1から4のいずれか一項または複数に記載のフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、
    (B)(A)とは異なる物理乾燥性、自己架橋反応性または共架橋反応性合成ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの合成ポリマー、および
    (C)(B)が共架橋反応性合成ポリマーである場合には、(A)および(B)とは異なる架橋剤
    を含むことを特徴とするコーティング剤組成物。
  6. (B)合成ポリマーが共架橋であり、ポリヒドロキシ官能性ポリエステル、ポリヒドロキシ官能性ポリウレタン樹脂、ポリヒドロキシ官能性アクリル樹脂、ポリヒドロキシ官能性フッ素化樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂および放射線硬化性樹脂の群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載のコーティング剤組成物。
  7. 架橋剤(C)として、遊離またはブロックポリイソシアネート、アミノプラスト樹脂、好ましくはメラミン樹脂、ヒドロキシアルキルアミド、放射線硬化性反応性希釈剤またはこれらの架橋剤の混合物を含有することを特徴とする、請求項6に記載のコーティング剤組成物。
  8. 粉末エナメルまたはコイルコーティングエナメルであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のコーティング剤組成物。
  9. (i)請求項1から4の一項または複数項に記載の少なくとも1つのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および
    (ii)フッ素を含まないポリアルコキシシロキサンのカプセル封入(encapsulation)に役立つ少なくとも1つのポリマー
    を含む固体のカプセル封入添加剤。
  10. 無極性溶媒への(i)および(ii)の溶解、
    乳化剤を含有する極性溶媒への(i)および(ii)の溶液の添加、
    無極性溶媒の除去、および
    固体のカプセル封入添加剤の分離
    により得ることができる、請求項9に記載の固体のカプセル封入添加剤。
  11. 添加剤の総重量に対して少なくとも50重量%の(i)が含有されることを特徴とする、請求項9または10に記載の固体のカプセル封入添加剤。
  12. (i)請求項1から4の一項または複数に記載の少なくとも1つのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および
    (ii)少なくとも1つのポリマー
    を含み、
    (iii)適切な溶媒中での(i)および(ii)の溶液の生産、および
    (iv)凍結乾燥による溶媒の除去
    により生産可能である固体の凍結乾燥添加剤。
  13. 添加剤の総重量に対して少なくとも50重量%の(i)が含有されることを特徴とする、請求項12に記載の固体の凍結乾燥添加剤。
  14. (i)請求項1から4の一項または複数項に記載の少なくとも1つのフッ素を含まないポリアルコキシシロキサン、および
    (ii)少なくとも1つのワックスまたはワックス状物質
    を含むことを特徴とし、
    (iii)ワックスまたはワックス状物質を融解させること、
    (iv)(i)の添加、および次いで
    (v)冷却すること、および
    (vi)任意選択で、ペレット化することまたは造粒
    により生産可能である固体のワックス含有またはワックス状物質含有添加剤。
  15. 添加剤の総重量に対して少なくとも50重量%の(i)が含有されることを特徴とする、請求項14に記載の固体のワックス含有またはワックス状物質含有添加剤。
  16. 金属、ガラス、セラミックおよびプラスチックの材料から選択される基板をコーティングする方法であって、請求項5から8のいずれか一項に記載のコーティング剤組成物が、基板上に塗布されて、物理乾燥により、反応性自己架橋または反応性共架橋により架橋され、および/または架橋が、100℃を超える温度で熱的に起きることを特徴とする、方法。
  17. 請求項16に記載の方法により得ることができることを特徴とする硬化コーティング。
  18. 請求項16に記載の方法の実施後に、超分岐状ポリアルコキシシロキサンの少なくとも部分的な加水分解的架橋が、ケイ酸ネットワークの形成により行われたことを特徴とする、請求項17に記載の硬化コーティング。
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