JP2014224219A - 表面調整剤 - Google Patents

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    • C08L33/26Homopolymers or copolymers of acrylamide or methacrylamide

Abstract

【課題】被膜表面に親水性を付与と防汚性を付与できる表面調整剤を提供する。【解決手段】ジメチル(メタ)アクリルアミド類、ジエチル(メタ)アクリルアミド類であるアクリルアミドモノマー80.00〜99.99量重部、化学式(I)の片末端(メタ)アクリル変性のシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマー0.01〜20.00重量部、並びに、水酸基含有(メタ)アクリレート類、水酸基含有(メタ)アクリルアミド類、ブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類である官能基含有モノマーを最大で10重量部のうち、少なくともアクリルアミドモノマーとシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーとが共重合され重量平均分子量を1500〜50000とする共重合物を含有し、被膜表面に親水性を付与する。【選択図】なし

Description

本発明は、被膜を形成するコーティング剤に少量配合することにより、そのコーティング剤で形成された被膜表面に親水性や防汚性を付与する表面調整剤に関するものである。
近年、高付加価値化に伴い、水性・油性塗料、焼き付け塗料、インキ等の様々なコーティング剤で形成された被膜表面を親水化して、それの防汚性を向上させる要望がある。
一般に、被膜に親水性を付与する手法としては、被膜を形成するコーティング剤に含まれる樹脂自体やそれを形成する架橋性成分自体を親水性にすることで、形成された被膜表面を親水性にする場合が多い(例えば下記特許文献1〜5参照)。しかし、この場合、親水性の樹脂を選択したり樹脂や架橋性成分を官能基化したりして樹脂全体が親水性となることから、被膜の用途に応じ使用できる樹脂や架橋性成分が制限される。また、コーティング剤へ親水性を付与する結果、被膜全体が親水性となるので、被膜内部への水分の浸入が生じ易くなり、被膜そのものの耐久性に懸念が生じる。このように既存のコーティング剤を改良してそれへ親水性を付与する場合には、被膜を形成する樹脂や架橋性成分からの改善が必要であり、コーティング剤ごとに樹脂等の大幅な見直しが必要となる。
被膜に親水性を付与する別な手法としては、既存のコーティング剤によって形成されたコーティング膜に、上述した親水性のコーティング剤を上塗りして被膜を形成することで親水性を付与する場合もある。しかし、この場合、被膜は、既存のコーティング剤によって形成されたコーティング膜から分離した状態(積層状態)の親水性被膜であるため、層間剥離による被膜脱離により耐候性が得られ難い。しかも、被膜は、徐々に剥離していくために、被膜表面形状が変化し、光沢低下等の外観不良を生じる。また、近年、焼き付け塗料を親水化したいという要望が多く、その用途としては屋外設置用物置や屋根用のプレコートメタル等が挙げられる。これらの被膜へは、長期的な耐候性が求められる。
一方、樹脂や架橋性成分を代えることなく被膜に親水性を付与する手法としては、既存のコーティング剤に親水性表面調整剤を添加する場合がある。この場合、少量の親水性表面調整剤を添加することで、形成された被膜の耐久性や硬度といった被膜に求められる物性を変えずに被膜表面を親水化できる。親水性表面調整剤として、多くは加水分解により親水性を発現するエチルシリケートで代表されるシリケート類が用いられる場合が多い。シリケート類が被膜表面での加水分解に概ね2〜3ヶ月間の時間を必要とすることから、被膜形成直後に被膜は未加水分解のシリケート類により疎水性表面となるため親油性の汚れが付着し易い状況下にある。シリケート類の加水分解により親水性発現後に長期的な親水性発現が可能であるが、長期的な親水性は、かえって徐々に被膜内部へ水分を侵入させ、被膜そのものの耐久性を低下させる恐れがある。さらに、シリケート類のような親水性表面調整剤を含有するコーティング剤の問題点として、親水性表面調整剤自身のゲル化、樹脂との架橋によるコーティング剤の増粘といった経時安定性の観点から不具合が生じやすいことも挙げられる。親水性表面調整剤自体が、空気中の水分による加水分解を生じて高極性化し、シリケート類の疎水性による表面配向性を失い、親水化性能を低下させてしまうこともある。
被膜形成初期から親水性を発現させる親水性表面調整剤として、親水性セグメントであるポリアルキレンオキサイドを含有したものがある。このような親水性表面調整剤を含むコーティング剤は、常温で被膜を形成するのに比較的適しているが、焼き付け塗料のように高温焼き付けで被膜を形成する場合、ポリアルキレンオキサイドの耐熱性の低さから熱分解又は加水分解と考えられる親水性発現性能低下傾向が認められる。また、この親水性表面調整剤がコーティング剤中の泡を安定化させ易いため、コーティング剤の塗工時に巻き込まれた微細な泡が焼付け時に泡抜け痕(ワキ)を発生させることがある。
また、下記特許文献6に、シロキシ基含有アクリレート類のようなシリコーンマクロモノマーと不飽和ポリエーテル成分とアクリルアミド類とがラジカル重合した親水性有機官能性シリコーンポリマーを有している親水性表面調整剤が、記載されている。この親水性表面調整剤は、ポリマー中、ポリエーテル成分を30%以上含有する必要がある。この親水性表面調整剤を含有するコーティング剤が高温焼付け工程においてポリエーテル成分の熱分解を生じ易く、飛散した分解物が焼付け炉等の設備を汚染してしまう。また、このコーティング剤で形成した被膜は、疎水性であるシリコーン部と親水性であるポリエーテル部を有することで高極性両親媒骨格となり、コーティング剤中の気泡を安定化させ易く、ワキを発生させ易い。
コーティング剤に、これら表面調整剤とさらに消泡剤とを添加しても、コーティング剤で形成した被膜にワキの問題が生じる場合がある。ワキの発生は被膜の外観を大きく損ねるだけではなく、欠陥個所からの被膜破壊や、基材の保護効果を損ねる。このように、従来の親水性表面調整剤を含有するコーティング剤によれば、形成した被膜に初期から親水性を発現できたとしても、ワキの完全な防止が非常に困難となってしまう。
特開平5−179145号公報 特開平7−196977号公報 特開平9−31401号公報 特開2002−80789号公報 特開平4−370176号公報 特表2008−542462号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、被膜を形成する塗料等のコーティング剤に少量配合することにより、ワキを防止して平滑に形成された被膜表面に親水性を付与し、その結果として防汚性を付与できる表面調整剤、コーティング剤、及びそれを塗布され硬化させて形成された被膜を提供する。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された表面調整剤は、ジメチル(メタ)アクリルアミド類及びジエチル(メタ)アクリルアミド類から選ばれる少なくとも一種のアクリルアミドモノマー80.00〜99.99重量部、下記化学式(I)
Figure 2014224219
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは炭素数1〜12のアルキル基、mは2〜150の数を示す。)で表わされる片末端(メタ)アクリル変性のシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマー0.01〜20.00重量部、並びに、水酸基含有(メタ)アクリレート類、水酸基含有(メタ)アクリルアミド類、及びブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも何れかの官能基含有モノマーを最大で10重量部のうち、少なくとも前記アクリルアミドモノマーと前記シロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーとが共重合され重量平均分子量を1500〜50000とする共重合物を含有しており、被膜表面に親水性を付与することを特徴とする。
請求項2に記載のコーティング剤は、請求項1に記載の表面調整剤と、被膜形成成分とを含有することを特徴とする。
請求項3に記載の被膜は、請求項2に記載のコーティング剤で、基材上に塗布され硬化されて形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の被膜は、請求項3に記載されているものであって、前記親水性によって前記被膜表面で防汚性を有することを特徴とする。
本発明の表面調整剤によれば、コーティング剤へ少量添加するだけで、加水分解等の反応を必要とせずに、被膜形成直後から親水性を被膜表面に付与でき、水接触角を小さくし雨水等の水による洗浄性を向上させて、防汚性を発現させることができる。
また、この表面調整剤を含有する本発明のコーティング剤は、貯蔵時の表面調整剤の性能変化、及び/又は表面調整剤に起因したコーティング剤の粘度変化がなく、貯蔵安定性に優れている。さらに、コーティング剤に配合された消泡剤による脱泡・破泡が促進され、ワキ防止が達成されて、平滑な被膜を形成することができる。
このコーティング剤で形成された被膜は、表面に親水性が付与されており、平滑であり、さらに上塗り特性に優れ、また焼き付け処理時にハジキやブツの発生が無く耐熱性に優れている。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の表面調整剤は、N,N−ジメチルアクリルアミドやN,N−ジメチルメタクリルアミドのようなジメチル(メタ)アクリルアミド類及びN,N−ジエチルアクリルアミドやN,N−ジエチルメタクリルアミドのようなジエチル(メタ)アクリルアミド類から選ばれる少なくとも一種のアクリルアミドモノマー80.00〜99.99量部と、シロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマー0.01〜20.00重量部との共重合物を含有するものである。表面調整剤は、硬化させて被膜を形成するために被膜形成組成物である各種コーティング剤に添加して含有されるのに用いられるものである。アクリルアミドモノマーが80重量部未満の場合、得られた表面調整剤は、被膜に十分な親水性を発現させることができない。また、表面調整剤を含有するコーティング剤中に配合される他成分との相溶性が極端に悪くなり、それの塗装の際にハジキが生じたり、塗装膜表面に凹みが生じたりするうえ、形成された被膜への上塗りのレベリング性を悪化させ、十分な上塗り付着性も得られなくなる。アクリルアミドモノマーが90〜99重量部及びシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーが1〜10重量部であることが好ましい。
上述したアクリルアミドモノマーとシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーとの共重合物中に、水酸基含有(メタ)アクリレート類、水酸基含有(メタ)アクリルアミド類、及びブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも何れかの官能基含有モノマーが共重合されていてもよい。この官能基含有モノマーは、(メタ)アクリルアミドモノマー及びシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーの総重量に対して10重量部以下であると好ましい。これにより、コーティング膜表面で塗料中の樹脂と反応するため雨水による表面調整剤の溶け出しがさらに生じ難くなり、防汚性に有利に働くことができる。10重量部以上では本来の性能を害する恐れがある。これらの官能基含有モノマーは、総重量が規定の配合量以下であれば単独で用いてもよく、併用して用いてもよい。
この共重合物の重量平均分子量は、1500〜50000の範囲内のものである。その重量平均分子量が1500未満の場合は、共重合物含有のコーティング剤塗工時に泡の問題が生じ易くなる。一方、その重量平均分子量が50000を超える場合は、被膜表面への配向性が低下し、十分な親水性が得られなくなる。共重合物の重量平均分子量が、2500〜20000であることが好ましい。
シロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーとして、下記化学式(I)で表される片末端(メタ)アクリル変性のシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーが用いられる。
Figure 2014224219
(式(I)中、Rは水素原子、又はメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは炭素数1〜12のアルキル基、mは2〜150の正数を示す。)
化学式(I)で表されるシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーは、例えば、サイラプレーンFM−0711、サイラプレーンFM−0721、サイラプレーンFM−0725(以上、チッソ株式会社の製品名;サイラプレーンはチッソ株式会社の登録商標)、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−2475(以上、信越化学工業株式会社の製品名)が挙げられる。
アクリルアミドモノマーは、ジメチル(メタ)アクリルアミド類及びジエチル(メタ)アクリルアミド類として、例えばN,N−ジメチルアクリルアミドであるDMAA、N,N−ジエチルアクリルアミドであるDEAA(興人フィルム&ケミカルズ株式会社の製品名)が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレート類は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートにε-カプロラクトンを付加したモノマー(例えばプラクセルFMシリーズ)等が、挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリルアミド類は、例えばN−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。
ブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類は、ブロック剤でブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートモノマーであって、例えば2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートにブロック剤として、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、カプロラクタム、MEK−オキシム、ジメチルピラゾール、マロン酸ジエチル、等を反応させたものが挙げられる。
上述したアクリルアミドモノマーとシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーとの共重合物中に、アルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類及びビニル基含有化合物類から選ばれる少なくとも一種の不飽和モノマーが共重合されていてもよい。但し、その不飽和モノマーの共重合量は、得られた共重合物が親水性付与性能を害しない程度とすべきであり、前記アクリルアミドモノマーとシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーの総重量に対し30重量%以下であると好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート類は、例えば、アルキルアクリレート、又はアルキルメタクリレートであって、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が、挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類は、ジメチル(メタ)アクリルアミド類やジエチル(メタ)アクリルアミド類以外のもので、例えばジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ダイアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸有機塩、(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸無機塩等が、挙げられる。
ビニル基含有化合物類は、例えばn−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルのような炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルビニルエーエルモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルのようなビニルエステルモノマーが挙げられる。
この共重合物は、ラジカル重合方法で得ることができる。ラジカル重合方法では、ジメチル(メタ)アクリルアミド及びジエチル(メタ)アクリルアミドから選ばれた少なくとも一種のアクリルアミドモノマーの所定量と、所定のシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーと、必要に応じて、所定量の水酸基含有(メタ)アクリレート類、水酸基含有(メタ)アクリルアミド類、及びブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも何れかの官能基含有モノマーと、さらに必要に応じて、所定量のアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類及びビニル基含有化合物類から選ばれる少なくとも一種の不飽和モノマーとを、適宜溶媒中、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤の存在下でランダム共重合させて得ることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えばtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイトを用いることができ、連鎖移動剤としては、例えばドデシルメルカプタンを用いることができる。また、溶媒としては、例えばシクロヘキサノン等の不活性溶媒を用いることができる。尚、共重合物は、ラジカル重合で得られてもよく、アニオン重合のようなイオン重合で得られてもよい。共重合物は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよく、交互共重合体であってもよい。
得られた共重合物を含有する表面調整剤は、共重合物のみからなっていてもよく、共重合物を不活性溶媒で溶解又は懸濁させて用いてもよい。不活性溶媒は、この共重合物を溶解又は懸濁させることができるものである。具体的にはキシレン、トルエン、シクロヘキサンのような炭化水素溶媒;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンのようなケトン溶媒;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなエーテル溶媒;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートのようなエステル溶媒;n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、3−メチル−3−メトキシブタノールのようなアルコール溶媒が、挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、複数種混合して用いてもよい。
コーティング剤は、表面調整剤と、被膜形成成分とを含有するものである。この表面調整剤を配合してコーティング剤を調製する場合、表面調整剤未含有で被膜形成成分含有の公知のコーティング剤を予め作製した後、表面調整剤を配合し、混練することにより、所望のコーティング剤が得られる。それらを同時に又は任意の順で混合してもよい。コーティング剤は、コーティング剤全量に対する固形分換算値で0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%の共重合物となるよう表面調整剤が配合されることが好ましい。コーティング剤に、被膜形成成分や不活性溶媒以外の第三成分が配合されていてもよい。その第三成分は、特に限定されないが、例えば顔料・染料のような着色剤、樹脂、希釈溶媒、触媒、界面活性剤が挙げられる。また、必要に応じて、増感剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、粘度調整剤が、この配合されてもよい。
コーティング剤中に配合される被膜形成成分である樹脂は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミン樹脂が挙げられる。この樹脂は、例えば、加熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型、酸化硬化型、光カチオン硬化型、過酸化物硬化型、及び酸/エポキシ硬化型のように、触媒存在下、又は触媒非存在下で化学反応を伴って硬化するものであってもよく、ガラス転移点が高い樹脂で、化学反応が伴わず、溶媒が揮発するだけで被膜となるものであってもよい。
また、希釈溶媒は、一般的に用いられる水又は有機溶媒であれば、特に限定されないが、有機溶媒として例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキサンのような炭化水素溶媒;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンのようなケトン溶媒;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなエーテル溶媒;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートのようなエステル溶媒;n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、3−メチル−3−メトキシブタノールのようなアルコール溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
この表面調整剤が含有されたコーティング剤を基材の表面に塗布し、得られた塗装膜を乾燥又は硬化して、表面が親水化した被膜を形成することができる。この被膜は、表面が親水化していることにより水と馴染み易くなって、塵埃が付着しても雨水等の水で洗浄され易くなるという防汚性を有する。
基材は、特に限定されないが、プラスチック、ゴム、紙、木材、ガラス、金属、石材、セメント材、モルタル材、セラミックスの素材で形成されたもので、家電製品や自動車の外装材、日用品、建材が挙げられる。
また、コーティング剤の塗布方法は、例えば、スピンコート、スリットコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート、ドクターブレード、ロールコート、フローコートが挙げられる。
このように本発明の表面調整剤が含有されたコーティング剤を基材表面に塗布し硬化して形成した被膜は、ワキ防止が達成され平滑であって、被膜形成直後から表面に親水性が付与されており、それによって雨水等の水による洗浄性が向上して防汚性を発現できる。すなわち、表面調整剤は、親水性を付与するための加水分解等の反応を必要とせず、被膜形成直後から親水性表面を付与できる。このように表面調整剤を含むコーティング剤で形成された被膜によれば、表面張力の低い疎水性樹脂のような被膜形成成分を用いても、形成された被膜表面を親水化でき、表面張力の高いコーティング剤を上塗りした際の濡れ広がり性を改善でき、その効果から上塗り被膜の平滑性を向上させることができる。また、被膜表面を親水化することで、結果として親水性表面は基材に対する水接触角が低くなり、雨水等の水による洗浄性が向上することで高い防汚性を発現できる。この防汚性も、被膜形成直後から発現する。
この表面調整剤は、常温では前掲の特許文献6に記載された親水性有機官能性シリコーンコポリマーと同様に高極性両親媒骨格であることから被膜形成成分との相溶性に優れているが、気泡を安定化し難い状態になっている。その理由の詳細は必ずしも明らかでないが、以下のように推察される。この表面調整剤は、アクリルアミドを主成分とする共重合物を含有している。共重合物は、疎水性のポリシロキサンセグメントと親水性/疎水性のアクリルアミドに由来するセグメントとを有している。アクリルアミドはその構造内に疎水部と親水部を有しているから、ジメチル及び/またはジエチル(メタ)アクリルアミド由来のセグメントを有する共重合物は、水溶液中で感温性ポリマーとなる。これはある程度の比率までモノマーを共重合した場合でも同様に観察される。感温温度前後にてアクリルアミドを主成分とするポリマーは親水性/疎水性が相転換する。この特性により、ワキの発生する焼付け工程時に、この表面調整剤は親水性から疎水性へと変化し、安定化された気泡がこの表面調整剤の相転換により不安定になり、消泡剤による脱泡・破泡が促進され、ワキ防止が達成される。焼付け後、常温に戻ると疎水性が再び親水性となり、形成された被膜は親水性を有している。
この表面調整剤を含むコーティング剤を基材上に塗布して被膜を形成したとき、表面調整剤は高い界面への配向性も有しており、表面張力の均一化効果からレベリング性も発現し、塗工ムラやユズ肌等の被膜表面の不具合が僅少である。しかも、この被膜はそれに上塗りする際にも塗装ムラが生じず、被膜と上塗り層との付着性を低下させることなく、しっかりと密着しており、被膜と上塗り層のいずれも剥がれ落ちないので、美的外観が良好である。また、プレコートメタル用コーティング剤を塗装した場合のように、高温で焼き付け処理をした場合でも耐熱性に優れるため、塗装膜表面にハジキやブツを生じず、平滑性に優れ、硬化させて形成した被膜への上塗り付着性の阻害がなく、耐久性に優れる。
以下、本発明の表面調整剤を調製した例を実施例1〜9に示し、本発明を適用外の表面調整剤を調製した例を比較調例1〜7に示す。
<実施例1>
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、シクロヘキサノンを100重量部加えて、窒素ガス雰囲気下で110℃に昇温した。シクロヘキサノンの温度を110℃に維持し、下記表1に示す滴下溶液(a−1)を滴下ロートにより2時間で等速滴下して、モノマー溶液を調製した。滴下終了後、モノマー溶液を、115℃まで昇温させ、2時間反応させて共重合物を合成して表面調整剤を得た。異なる分子量の分子を分離できるゲル浸透クロマトグラフィー(カラムは東ソー株式会社製で製品名TSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M、溶出溶媒はTHF(テトラヒドロフラン))を用いて、得られた表面調整剤を分子量ごとに溶出し、分子量分布を求めた。予め分子量既知のポリスチレン標準物質から校正曲線を得ておき、表面調整剤の分子量分布と比較して、表面調整剤の重量平均分子量を求めた。その結果、この表面調整剤の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で3500であった。
<実施例2>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−2)に変更し、滴下温度を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8000であった。
<実施例3>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−3)に変更し、滴下温度を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で15000であった。
<実施例4>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−4)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で3500であった。
<実施例5>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−5)に変更し、滴下温度を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8000であった。
<実施例6>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−6)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で4500あった。
<実施例7>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−7)に変更し、滴下温度を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8000であった。
<実施例8>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−8)に変更し、滴下温度を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で2000であった。
<実施例9>
実施例1中の滴下溶液を下記表1の(а−9)に変更し、滴下温度を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、実施例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で3500であった。
Figure 2014224219
<比較例1>
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、シクロヘキサノンを100重量部加えて、窒素ガス雰囲気下で110℃に昇温した。シクロヘキサノンの温度を110℃に維持し、下記表2に示す滴下溶液(b−1)を滴下ロートにより2時間で等速滴下して、モノマー溶液を調製した。滴下終了後、モノマー溶液を、115℃まで昇温させ、2時間反応させて共重合物を合成して表面調整剤を得た。異なる分子量の分子を分離できるゲル浸透クロマトグラフィー(カラムは東ソー株式会社製で製品名TSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M、溶出溶媒はTHF)を用いて、得られた表面調整剤を分子量ごとに溶出し、分子量分布を求めた。予め分子量既知のポリスチレン標準物質から校正曲線を得ておき、表面調整剤の分子量分布と比較して、表面調整剤の重量平均分子量を求めた。その結果、この表面調整剤の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で3500であった。比較例1では、モノマー溶液にアクリルアミドモノマーが添加されていなかった。
<比較例2>
比較例1中の滴下溶液を下記表2の(b−2)に変更し、比較例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、比較例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で10000であった。比較例2では、モノマー溶液中のアクリルアミドモノマーが80重量部未満であり、シロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーが20重量部を超えていた。
<比較例3>
比較例1中の滴下溶液を下記表2の(b−3)に変更し、滴下温度を90℃に変更したこと以外は、比較例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、比較例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で70000であった。比較例3では、得られた表面調整剤の重量平均分子量が50000を超えていた。
<比較例4>
比較例1中の滴下溶液を下記表2の(b−4)に変更し、比較例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、比較例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で4000であった。比較例4では、モノマー溶液中にアクリルアミドモノマーが添加されていなかった。
<比較例5>
比較例1中の滴下溶液を下記表2の(b−5)に変更し、比較例1と同様の方法で共重合物を合成して表面調整剤を得た。得られた表面調整剤の重量平均分子量を、比較例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で4000であった。比較例4では、モノマー溶液中にシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーが添加されていなかった。
<比較例6>
表面調整剤としてエチルシリケート48(コルコート社製)を用いた。
Figure 2014224219
<実施例10、比較例8>
予め作製した準備塗料に、実施例1〜9及び比較例1〜6で得られた表面調整剤を配合して、コーティング剤として試験塗料を得た。この試験塗料を基材に塗布して得られた硬化被膜の特性、及び試験塗料の経時安定性等の評価を行った。
(準備塗料の調製)
ベッコライト M−6154−40(ポリエステルポリオール樹脂、不揮発分:50%、水酸基価50;大日本インキ化学工業株式会社製)324重量部とCR−93(酸化チタン 石原産業株式会社製)270重量部とのミルベースにガラスビーズを加え、ペイントシェーカーにより6時間攪拌した。更に、このミルベース594重量部に、ベッコライト M−6154−40(大日本インキ化学工業株式会社製)135重量部、スーパーベッカミンL−117−60(ブチル化メラミン樹脂、NV60%、大日本インキ化学工業株式会社製)22重量部、スーパーベッカミンL−105−60(メチル化メラミン樹脂 NV60% 大日本インキ化学工業株式会社製)45重量部及びシンナー(ソルベッソ150/シクロヘキサノン=50/50)204重量部からなるレッドダウンを配合した後、ガラスビーズを濾別して準備塗料を得た。
(試験塗料の調整及び被膜作成)
得られた準備塗料に、消泡剤(フローレンAC−300、共栄社化学株式会社製)0.5%と、固形分として実施例1〜9及び比較例1〜6で得られた表面調整剤1.5%とを添加し、ラボディスパーにて2000rpm×2分間撹拌して、焼き付け型ポリエステル塗料である試験塗料を得た。得られた試験塗料を直ちに基材上に♯42バーコーターにて塗装し、直ちに245℃×60秒(PMT:225℃)にて焼き付け、硬化させて硬化被膜を形成した。
尚、比較のため、比較例6の表面調整剤を用いて得た試験塗料から調製された硬化被膜を、1%硫酸水溶液に24時間浸し、加水分解を促進させて得た硬化被膜を比較例7として、親水性比較用の硬化被膜とした。
(硬化被膜上に発生したワキの評価)
硬化被膜10cm当たりに発生しているワキ数を目視で数え、下記評価基準で評価した結果を、下記表3に記載した。
ワキ発生の評価基準
ワキの発生なし:◎
概ね3カ所以下:○
概ね7カ所以下:○〜△
10カ所以上 :△
全面にワキ発生:×
(硬化被膜面のレべリング性の評価)
硬化後の塗装面の肌状態を目視にて観察し、下記評価基準で評価した結果を、下記表3に記載した。
レベリング性の評価基準
良好;○
バーコーターの塗装筋が僅かに残る:○〜△
バーコーターの塗装筋が顕著に残る:△
ハジキが発生:×
(硬化被膜の水接触角測定)
硬化した直後の硬化被膜面に0.02μLの水滴を滴下し、接触角測定計(協和界面科学株式会社製)を用いて初期の水接触角を測定した。その結果を下記表3に記載した。尚、比較例7の硬化被膜を親水性比較用として水接触角を測定した
(硬化被膜の実曝評価)
表面に硬化被膜を形成した塗装板を45°に折り曲げ垂直に立て、屋外南面に向けて2ヶ月間の曝露を行い、目視にて汚染の度合いを下記評価基準で評価した。その結果を下記表3に併記した。
汚染の評価基準
汚染が殆どなく良好:○
やや汚染がある:△
汚染が激しい:×
Figure 2014224219
表3から明らかなように、実施例1〜9の硬化被膜は、比較例1〜6の硬化被膜に比較して、ワキ発生量が少なく且つレベリング性も良好であって、被膜表面が平滑である。また、実施例1〜9の硬化被膜の水接触角及び実曝試験での汚れも、親水性比較用の比較例7の硬化被膜と同程度であって、良好な親水性と防汚性とを呈している。
(試験塗料の経時安定性評価)
調製した試験塗料の初期、40℃×1ヶ月及び2ヶ月間貯蔵後の粘度(B型粘度計)を測定し、その結果を下記表4に記載した。また、初期及び40℃×1ヶ月間保管後のそれぞれについて、前述した被膜作成方法にて硬化被膜を作製し、前述した水接触角の測定方法で水接触角評価を行い、その結果を下記表4に併記した。尚、下記表4には、表3に示した水接触角を初期の水接触角として併記した。
Figure 2014224219
表4から明らかなように、実施例1〜9の試験塗料を用いた硬化被膜は、その経時安定性が良好であり、増粘やゲル化することもない。また、40℃×1ヶ月間保管した試験塗料の硬化被膜でも、その水接触角が初期の水接触角と略同様であって、良好な親水性を呈している。一方、比較例1〜7の硬化被膜は、水接触角が高く、又はワキを生じており、表面特性が不十分であった。
本発明の表面調整剤は、プラスチック、ゴム、紙、木材、ガラス、金属、石材、セメント材、モルタル材、セラミックスの素材で形成された家電製品や自動車の外装材、日用品、建材の表面に塗布される塗料等のコーティング剤中に配合することができる。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された表面調整剤は、N,N−ジメチルアクリルアミドであるジメチル(メタ)アクリルアミド類と、N,N−ジエチルアクリルアミドであるジエチル(メタ)アクリルアミド類から選ばれる少なくとも一種のアクリルアミドモノマー80.00〜99.99重量部、下記化学式(I)
Figure 2014224219
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは炭素数1〜12のアルキル基、mは2〜150の数を示す。)で表わされる片末端(メタ)アクリル変性のシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマー0.01〜20.00重量部、並びに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、又は水酸基を有する(メタ)アクリレートにε-カプロラクトンを付加したモノマーである水酸基含有(メタ)アクリレート類N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、又はN−ヒドロキシメチルアクリルアミドである水酸基含有(メタ)アクリルアミド類と、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、カプロラクタム、メチルエチルケトン−オキシム、ジメチルピラゾール、及びマロン酸ジエチルから選ばれるブロック剤を反応させたもので前記ブロック剤でブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートモノマーであるブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも何れかの官能基含有モノマーを最大で10重量部のうち、
少なくとも前記アクリルアミドモノマーと前記シロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーとが共重合され重量平均分子量を1500〜50000とする共重合物を含有しており、被膜表面に親水性を付与することを特徴とする。

Claims (4)

  1. ジメチル(メタ)アクリルアミド類及びジエチル(メタ)アクリルアミド類から選ばれる少なくとも一種のアクリルアミドモノマー80.00〜99.99重量部、下記化学式(I)
    Figure 2014224219
    (式(I)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、Rは炭素数1〜12のアルキル基、mは2〜150の数を示す。)で表わされる片末端(メタ)アクリル変性のシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマー0.01〜20.00重量部、並びに、水酸基含有(メタ)アクリレート類、水酸基含有(メタ)アクリルアミド類、及びブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも何れかの官能基含有モノマーを最大で10重量部のうち、
    少なくとも前記アクリルアミドモノマーと前記シロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーとが共重合され重量平均分子量を1500〜50000とする共重合物を含有しており、被膜表面に親水性を付与することを特徴とする表面調整剤。
  2. 請求項1に記載の表面調整剤と、被膜形成成分とを含有することを特徴とするコーティング剤。
  3. 請求項2に記載のコーティング剤で、基材上に塗布され硬化されて形成されたことを特徴とする被膜。
  4. 前記親水性によって前記被膜表面で防汚性を有することを特徴とする請求項3に記載の被膜。
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