JP2016119257A - 固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法 - Google Patents

固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016119257A
JP2016119257A JP2014259293A JP2014259293A JP2016119257A JP 2016119257 A JP2016119257 A JP 2016119257A JP 2014259293 A JP2014259293 A JP 2014259293A JP 2014259293 A JP2014259293 A JP 2014259293A JP 2016119257 A JP2016119257 A JP 2016119257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
cation
general formula
solid
electrode layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014259293A
Other languages
English (en)
Inventor
純 川治
Jun Kawaji
純 川治
裕介 浅利
Yusuke ASARI
裕介 浅利
正 藤枝
Tadashi Fujieda
藤枝  正
博胤 滝沢
Hirotane Takizawa
博胤 滝沢
林 大和
Yamato Hayashi
大和 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2014259293A priority Critical patent/JP2016119257A/ja
Priority to US14/969,569 priority patent/US20160181657A1/en
Publication of JP2016119257A publication Critical patent/JP2016119257A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0561Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of inorganic materials only
    • H01M10/0562Solid materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/058Construction or manufacture
    • H01M10/0585Construction or manufacture of accumulators having only flat construction elements, i.e. flat positive electrodes, flat negative electrodes and flat separators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • H01M2300/0065Solid electrolytes
    • H01M2300/0068Solid electrolytes inorganic
    • H01M2300/0071Oxides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】リチウムイオンの拡散障壁が低く、リチウムイオン伝導性が良好なラムスデライト型結晶構造を有する固体電解質の提供。【解決手段】ラムスデライト型の結晶構造100を有し、式Li4x−2a−3b−c−2dSn4−x−c—dM(II)aM(III)bM(V)cM(VI)dO8[M(II)は二価のカチオン;M(III)は三価のカチオン;M(V)は五価のカチオン;M(VI)は六価のカチオン;0≦x≦1.33]で表され、前記式において、0<a+b+c+d、0≦a+b≦x、0≦c+d<0.9、且つ、3x−a−2b−c−2d≦2の関係を満たす固体電解質。前記固体電解質を正極層、負極層及び固体電解質層のうち一以上の層に含む全固体電池。原料となる混合粉末を調製する工程、混合粉末をマイクロ波加熱によって焼成する工程を含む固体電解質の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法に関する。
全固体電池は、無機系固体電解質によってキャリアを輸送する電池構成を採っている。一般に無機系固体電解質は不燃性ないし難燃性であるため、無機系固体電解質を利用した全固体電池は、電池反応に伴う発熱に対して耐性が高く、安全性に優れたものとなる。そのため、温度管理等を行う保安機構を簡略化して電池モジュール化することが可能であり、生産コストや部品コストの低コスト化に適した電池となっている。また、発熱に対する耐性が高いために、エネルギ密度を高密度化するのにも適した電池であるとされている。
全固体電池は、通常、活物質を含んでなる電極層と、固体電解質層とを有している。全固体電池の性能を向上させるにあたっては、キャリア伝導性の向上が重要であるため、電極層と固体電解質層との界面抵抗の低減や、活物質粒子や固体電解質粒子の粒界抵抗の低減や、キャリア伝導性に優れた固体電解質の開発等が望まれている。そこで、現在、硫化物系固体電解質や酸化物系固体電解質をはじめとする全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質の開発が進められている。
硫化物系固体電解質は、室温で高いリチウムイオン伝導性を示し、固体電解質を製造する製造工程上において界面抵抗の低減を図ることが可能であるため、有力な固体電解質材料であるとされている。しかしながら、硫化物系固体電解質は、大気中における安定性に劣り、水分と反応して有毒性ないし腐食性のガスを発生する難がある。これに対して、酸化物系固体電解質は、大気中における安定性は高いものの、リチウムイオン伝導性に劣るという現状がある。
従来、リチウムイオン伝導性を有する酸化物系材料としては、ラムスデライト(Ramsdellite)型の結晶構造を有するリチウム錫複合酸化物が知られている。例えば、特許文献1には、ラムスデライト型構造を有しLi2+2xMg1−xSn(0≦x≦1)で表されるリチウム電池用負極活物質について記載されている。また、非特許文献1には、ラムスデライト型のLi2+x(LiMg1−xSn)O(0≦x≦0.5)や、LiMg1−xFe2xSn3−x(0≦x≦1)について記載されている。
特開平10−270020号公報
J. Grins and A. R. West, J. Solid State Chem., 65, p.265-271(1986)
特許文献1に記載されているラムスデライト型の酸化物は、リチウム電池用負極活物質として製造されたものである。また、非特許文献1に記載されているラムスデライト型の結晶構造を有するリチウム錫複合酸化物は、温度573Kにおける伝導率が、最大でも5×10−4(Ω−1・cm−1)や2×10−5(Ω−1・cm−1)であり、拡散障壁が0.74eVと高い。そのため、ラムスデライト型の酸化物を、良好なリチウムイオン伝導性が要求される固体電解質の材料として適用するには至っていない。
そこで、本発明は、リチウムイオンの拡散障壁が低く、リチウムイオン伝導性が良好なラムスデライト型結晶構造を有する固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る固体電解質は、ラムスデライト型の結晶構造を有し、一般式Li4x−2a−3b−c−2dSn4−x−c―dM(II)M(III)M(V)M(VI)[式中、M(II)は二価のカチオン、M(III)は三価のカチオン、M(V)は五価のカチオン、M(VI)は六価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、前記一般式において、0<a+b+c+d、0≦a+b≦x、0≦c+d<0.9、且つ、3x−a−2b−c−2d≦2の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明に係る全固体電池は、前記の固体電解質が、正極活物質を含んでなる正極層、負極活物質を含んでなる負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層のうちで少なくとも一以上の層に含まれていることを特徴とする。
また、本発明に係る固体電解質の製造方法は、ラムスデライト型の結晶構造を有し、一般式Li4x−2a−3b−c−2dSn4−x−c―dM(II)M(III)M(V)M(VI)[式中、M(II)は二価のカチオン、M(III)は三価のカチオン、M(V)は五価のカチオン、M(VI)は六価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、前記一般式において、0<a+b+c+d、0≦a+b≦x、0≦c+d<0.9、且つ、3x−a−2b−c−2d≦2の関係を満たす固体電解質の製造方法であって、Li含有化合物及びSn含有化合物と、任意に含まれるM(II)、M(III)、M(V)及びM(VI)のいずれかを含有する化合物とを混合して混合粉末を調製する工程と、調製された前記混合粉末をマイクロ波加熱によって焼成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、リチウムイオンの拡散障壁が低く、リチウムイオン伝導性が良好なラムスデライト型結晶構造を有する固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法を提供することができる。
ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物の結晶構造を模式的に示す図である。 ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物における準安定状態の結晶構造を模式的に示す図である。 ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物におけるトンネル中のリチウムイオンの伝導性を解析した結果を示す図である。(a)は、ラムスデライト型結晶構造においてトンネル中のリチウムイオンが四面体配位をした状態を示す図、(b)は、ラムスデライト型結晶構造においてトンネル中のリチウムイオンが八面体配位をした状態を示す図、(c)は、四面体配位をした状態と八面体配位をした状態とについて、リチウムイオンの伝導性を比較した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る全固体電池の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る全固体電池の電極間構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る全固体電池の電極構成の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法について詳細に説明する。なお、各図において共通する構成については、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
はじめに、本発明の実施形態に係る固体電解質について説明する。
本実施形態に係る固体電解質は、ラムスデライト(Ramsdellite)型の結晶構造を有する酸化物系固体電解質であって、リチウムイオン伝導性を有するリチウム複合酸化物である。ラムスデライト型のリチウム複合酸化物は、後記するとおり、結晶構造中にリチウムイオンの伝導パスとなるトンネル構造を有しており、リチウムイオン伝導性を示すことができる。本実施形態に係る固体電解質は、特に、金属イオンとして錫イオンを含むリチウム錫複合酸化物(LiSn)を基礎とし、このようなリチウム錫複合酸化物に異種元素置換を施した化学組成を有している。
図1は、ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物の結晶構造を模式的に示す図である。
図1に示すように、ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物100は、6個の酸素イオン101と結合した錫イオン102が八面体(SnO)を形成し、この八面体同士が稜共有することによって2列の鎖状構造を形成し、さらに、この鎖状構造同士が両端の頂点を点共有することによって立体構造を形成している。このようなラムスデライト型結晶構造には、図1に示すように、b軸方向に沿って、一次元的なトンネル構造が形成され、その内部には、リチウムイオン103が存在することができる。なお、図1においては、不特定個数のリチウムイオン103がトンネル構造中において採り得る状態を模式的に示している。
トンネル構造中のリチウムイオン103は、ホッピング伝導によって伝導するとされている。ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物100は、このような一次元的なトンネル構造に存在するリチウムイオン103の伝導によって、比較的良好なリチウムイオン伝導性を示すことができる。特に、一般式Li4xSn4−xで表されるようにリチウムイオン103を過剰にしたリチウム錫複合酸化物100では、比較的広い電位窓とリチウムイオンの高い伝導率とを実現することが可能であり、具体的には、層状構造を示すLiSnO等の他の結晶型と比較して、1000倍程度の導電率を示すことができる。しかしながら、固体電解質の材料としては、未だ十分な導電率には至って無く、より優れたリチウムイオン伝導性を備えることが求められている。
図2は、ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物における準安定状態の結晶構造を模式的に示す図である。
図2に示すように、ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物100では、トンネル構造中にリチウムイオン103が結合した状態が安定に存在する。すなわち、準安定状態のリチウムイオン103が、トンネル構造中に存在することができる個数は限られている。また、八面体(SnO)中の錫サイトに置換し得るリチウムイオン103の割合は、ラムスデライト型の結晶構造が安定的に維持される範囲に制約されてしまう。具体的には、ラムスデライト型の結晶構造を安定的に維持することができる化学組成は、一般式Li4xSn4−xにおいて、xが、0≦x≦1.33の範囲に制限されることになる。そのため、一般式Li4xSn4−xで表されるようにリチウムイオン103を過剰にしたリチウム錫複合酸化物100では、リチウムイオン伝導性が頭打ちとなり、固体電解質の材料として好適に用い得る程度の十分なリチウムイオン伝導性は達成され難い。
そこで、本実施形態に係る固体電解質では、このようなリチウム錫複合酸化物(Li4xSn4−x)を基礎とし、ラムスデライト型の結晶構造を形成しているリチウムイオン103や錫イオン102を他の多価カチオンで異種元素置換することによって、電荷補償により結晶構造を安定的に維持しつつ、一次元的なトンネル構造を介したリチウムイオンの伝導の拡散障壁を低減させる構成とした。
具体的には、本実施形態に係る固体電解質は、一般式Li4x−2a−3b−c−2dSn4−x−c―dM(II)M(III)M(V)M(VI)[式中、M(II)は二価のカチオン、M(III)は三価のカチオン、M(V)は五価のカチオン、M(VI)は六価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表される。二価カチオン(M(II))や三価カチオン(M(III))は、主としてトンネル構造内のLiサイトへの置換に用いられるカチオンであり、五価カチオン(M(V))や六価カチオン(M(VI))は、主として八面体(SnO)を形成するSnサイトへの置換に用いられる。なお、前記一般式で表わされる固体電解質のより好ましい形態は、0<x≦1.33を満たすリチウム−錫置換体である。
ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物100に対する異種元素置換は、二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))及び六価カチオン(M(VI))からなる群より選択される少なくとも1種のカチオンによって行うことができる。すなわち、異種元素置換を二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))及び六価カチオン(M(VI))のいずれか一種で行ってよいし、これらのうちの複数種で行ってもよい。したがって、前記一般式において、二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))及び六価カチオン(M(VI))のモル比(置換率)をそれぞれ示している係数a、b、c及びdは、0<a+b+c+dの関係を満たし、いずれかが0を超える数である。
本実施形態に係る固体電解質は、特に、前記一般式において係数a、b、c及びdが3x−a−2b−c−2d≦2の関係を満たすように異種元素置換を施された化学組成を有している。以下、このような組成条件の意義について説明する。
リチウムイオンを過剰にしたラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物(Li4xSn4−x)の組成式は、リチウムイオンが充填されていない空サイトを加味すると、[Li3x4−3x][LiSn4−x]Oと表すことができる。ここで、□は、トンネル構造中において、リチウムイオンが準安定状態で存在することができるLiサイトのうち、リチウムイオンが充填されていない空サイトを示している。なお、前記組成式における[Li3x4−3x]は、トンネル構造中に存在する全Liサイトに相当している。
このような空サイト(□)を加味した組成式を前記一般式について拡張すると、例えば、異種元素置換を二価カチオン(M(II))のみによって行う場合、二価カチオン(M(II))の全部がトンネル構造内のLiサイトに置換するという仮定の下では、[Li3x−a4−3x+a][Lix−aSn4−xM(II)]Oと表すことができる。このとき、異種元素置換によってリチウムイオンの伝導が阻害されないようにするためには、リチウムイオン同士の反発を避ける観点から、リチウムイオンよりも空サイト(□)が多い状態が望ましいといえる。よって、リチウムイオンのモル比(3x−a)と空サイト(□)のモル比(4−3x+a)とが、3x−a≦4−3x+aの関係を満たす、すなわち、3x−a≦2であることが好ましい条件であると解される。同様にして、異種元素置換を三価カチオン(M(III))のみによって行う場合、[Li3x−2b4−3x+2b][Lix−bSn4−xM(III)]Oと表すことができ、3x−2b≦2であることが好ましい条件となる。
また、異種元素置換を五価カチオン(M(V))のみによって行う場合、五価カチオン(M(V))の全部がSnサイトに置換するという仮定の下では、[Li3x−c4−3x+c][LiSn4−x−cM(V)]Oと表すことができ、3x−c≦2であることが好ましい条件となる。同様にして、異種元素置換を六価カチオン(M(VI))のみによって置換を行う場合、[Li3x−2d4−3x+2d][LiSn4−x−dM(VI)]Oと表すことができ、3x−2d≦2であることが好ましい条件となる。したがって、異種元素置換を二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))及び六価カチオン(M(VI))によって行う場合では、[Li3x−a−2b−c−2d4−3x+a+2b+c+2d][Lix−a−bSn4−x−c―d]Oと表すことができ、3x−a−2b−c−2d≦2の関係が満たされることが好ましい条件であると導出される。
図3は、ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物におけるトンネル中のリチウムイオンの伝導性を解析した結果を示す図である。(a)は、ラムスデライト型結晶構造においてトンネル中のリチウムイオンが四面体配位をした状態を示す図、(b)は、ラムスデライト型結晶構造においてトンネル中のリチウムイオンが八面体配位をした状態を示す図、(c)は、四面体配位をした状態と八面体配位をした状態とについて、リチウムイオンの伝導性を比較した結果を示す図である。
ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物について、第一原理計算に基いて安定構造を模擬的に解析すると、3x−a−2b−c−2d≦2の関係が満たされる場合には、トンネル構造内に存在するリチウムイオン103が四面体配位をした状態(図3(a)参照)が安定であるのに対し、3x−a−2b−c−2d>2となる場合には、トンネル構造内に存在するリチウムイオン103が八面体配位をした状態(図3(b)参照)が安定であることが導かれる。また、それぞれの状態について、トンネル構造内のリチウムイオン103の伝導性を解析すると、図3(c)に示すように、リチウムイオン103のホッピングに伴う拡散障壁(活性化エネルギEa)(eV)は、リチウムイオンの移動距離(Å)が異なる略全ての場合について、リチウムイオンが八面体配位をした状態(○プロット)よりもリチウムイオンが四面体配位をした状態(●プロット)で低い値を採ることが推定される。
このように本実施形態に係る固体電解質では、前記一般式において係数a、b、c及びdが3x−a−2b−c−2d≦2の関係を満たすように異種元素置換を施すことによって、リチウムイオンが四面体配位した準安定相を形成させると共に、多価の異種元素による電荷の反発を生じさせてリチウムイオンの拡散障壁の低下を図り、良好なリチウムイオン伝導性が実現されるようにしている。
本実施形態に係る固体電解質は、前記一般式において係数a、b、c及びdが、さらに、0≦a+b≦x、0≦c+d<0.9の関係を満たすように異種元素置換を施された化学組成を有している。0≦a+b≦xとしているのは、二価カチオン(M(II))や三価カチオン(M(III))によるLiサイトの置換が過剰であると、トンネル構造が維持されなくなり、リチウムイオンの伝導性が損なわれる恐れがあるためである。また、トンネル構造中にも二価カチオン(M(II))や三価カチオン(M(III))が侵入し、リチウムイオンの伝導を阻害する恐れもあるためである。また、0≦c+d<0.9としているのは、五価カチオン(M(V))や六価カチオン(M(VI))によるSnサイトの置換が過剰であると、ラムスデライト型の結晶構造を安定的に保持することが難しくなるためである。なお、より好ましい形態は、前記の0≦a+b≦xの関係に加えて、0≦a+b≦1の関係を満たす化学組成である。
本実施形態に係る固体電解質は、異種元素置換が二価カチオン(M(II))のみによって行われる場合には、一般式Li4x−2aSn4−xM(II)[式中、M(II)は二価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、前記一般式において、0<a≦x、且つ、3x−a≦2の関係を満たすものとする。このように異種元素置換が二価カチオン(M(II))のみによって行われた固体電解質では、Liサイトが、比較的イオン半径が近い二価カチオン(M(II))によってのみ置換されるため、結晶構造が安定化し、機械的耐久性が向上する利点がある。
また、本実施形態に係る固体電解質は、異種元素置換が三価カチオン(M(III))のみによって行われる場合には、一般式Li4x−3bSn4−xM(III)[式中、M(III)は三価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、前記一般式において、0<b≦x、且つ、3x−2b≦2の関係を満たすものとする。このように異種元素置換が三価カチオン(M(II))のみによって行われた固体電解質では、Liサイトが、多価の三価カチオン(M(III))によってのみ置換されるため、より低い置換率であっても結晶構造が安定化し、機械的強度やサイクル耐久性が有効に向上する利点がある。また、低い置換率で結晶構造が安定化されるため、リチウムイオンの伝導性も置換によって阻害され難くなる。
また、本実施形態に係る固体電解質は、異種元素置換が五価カチオン(M(V))のみによって行われる場合には、一般式Li4x−cSn4−x−cM(V)[式中、M(V)は五価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、前記一般式において、0<c<0.9、且つ、3x−c≦2の関係を満たすものとする。このように異種元素置換が五価カチオン(M(V))のみによって行われた固体電解質では、Snサイトが、五価カチオン(M(V))によって置換されるため、リチウムイオンの伝導性を置換によって大きく阻害すること無く、リチウムイオンの伝導の拡散障壁を低減させることが可能である。
また、本実施形態に係る固体電解質は、異種元素置換が六価カチオン(M(VI))のみによって行われる場合には、一般式Li4x−2dSn4−x−dM(VI)[式中、M(VI)は六価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、前記一般式において、0<d<0.9、且つ、3x−2d≦2の関係を満たすものとする。このように異種元素置換が六価カチオン(M(VI))のみによって行われた固体電解質では、Snサイトが、六価カチオン(M(VI))によって置換されるため、より低い置換率であっても電荷補償がなされ、リチウムイオンの伝導性を置換によって大きく阻害すること無く、リチウムイオンの伝導の拡散障壁を低減させることが可能である。
異種元素置換に用いる二価カチオン(M(II))としては、具体的には、Be、Ca、Mg、Sr、Ba及びLaからなる群より選択される少なくとも一種以上の二価カチオンが好ましい。複数の二価カチオン(M(II))によって置換を行う場合は、それらのモル比の合計を係数aとして前記の組成条件を満たすことが要件となる。これらの中でも特に好ましい二価カチオン(M(II))は、Mgである。Mgは、リチウムイオンとイオン半径が近いため、結晶構造の安定性を確保しつつ、リチウムイオンの伝導の拡散障壁を低減させることができる。
異種元素置換に用いる三価カチオン(M(III))としては、具体的には、Sc、Y、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも一種以上の三価カチオンが好ましい。複数の三価カチオン(M(III))によって置換を行う場合は、それらのモル比の合計を係数bとして前記の組成条件を満たすことが要件となる。これらの中でも特に好ましい三価カチオン(M(III))は、Alである。Alは、結晶構造の安定性を確保しつつ結晶構造内に取り込まれ、リチウムイオンの伝導の拡散障壁を低減させることができる。また、Alは、比較的安価であるため、置換に伴う材料コストの増大を避けることができる。
異種元素置換に用いる五価カチオン(M(V))としては、具体的には、V、Nb、Ta、P、As、Sb及びBiからなる群より選択される少なくとも一種以上の五価カチオンが好ましい。複数の五価カチオン(M(V))によって置換を行う場合は、それらのモル比の合計を係数cとして前記の組成条件を満たすことが要件となる。これらの中でも特に好ましい五価カチオン(M(V))は、Nb又はTaである。NbやTaは、錫イオンとイオン半径が近く、また、電気化学的に安定で価数が変化し難いため、結晶構造の安定性を確保しつつ、リチウムイオンの伝導の拡散障壁を低減させることができる。
異種元素置換に用いる六価カチオン(M(VI))としては、具体的には、Mo及びWからなる群より選択される少なくとも一種以上の六価カチオンが好ましい。複数の六価カチオン(M(VI))によって置換を行う場合は、それらのモル比の合計を係数dとして前記の組成条件を満たすことが要件となる。MoやWは、電気化学的に安定で価数が変化し難いため、結晶構造の安定性を確保しつつ、リチウムイオンの伝導の拡散障壁を低減させることができる。
本実施形態に係る固体電解質は、このような異種元素置換が施されたラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物の粒子の集合からなる。固体電解質の粒子は、例えば、全固体電池に適用される場合には、粒子同士が凝集ないし焼結して成形された成形体の形態を採ることができる。固体電解質の成形体の形状としては、例えば、ペレット状、シート状等が挙げられ、ペレット状の成形体は、コイン型電池の固体電解質層、シート状の成形体は、ラミネート型電池、角型電池又は円筒型電池の固体電解質層として適用することが可能である。室温におけるリチウムイオンの導電率は、好ましくは5.0×10−4(Ω−1・cm−1)以上であり、より好ましくは1.0×10−3(Ω−1・cm−1)以上である。
また、本実施形態に係る固体電解質は、粒子同士が他の酸化物によって結着された成形体の形態としてもよい。他の酸化物としては、具体的には、固体電解質の粒子同士の焼結性を高める酸化物系焼結助材や、リチウムイオンの伝導性を有すると共に、前記固体電解質よりも低いガラス転移温度を有し、より低い温度で軟化流動して粒子同士を結着させるガラス系焼結助材を用いることができる。このような焼結助材で固体電解質の粒子を焼結ないし結着させると、固体電解質の粒子同士の間の抵抗が低減し、リチウムイオンの伝導性が良好な成形体を得ることができる。
酸化物系焼結助材としては、例えば、Al、B、MgO等を用いることができる。また、ガラス系焼結助材としては、例えば、ホウ酸リチウム(LiBO)、一般式Li1−y1−y[式中、0<y<1を満たす。]で表されるホウ酸リチウム−炭酸リチウム固溶体、バナジン酸リチウム(LiVO)、一般式Li1+pAlTi2−p(POで表されるNASICON型結晶性酸化物、一般式Li1+pAlTi2−p(POで表されるNASICON型非晶質酸化物、一般式Li1+qGeTi(POで表されるNASICON型結晶性酸化物、一般式Li1+qGeTi(POで表されるNASICON型非晶質酸化物等を用いることができる。ホウ酸リチウムやホウ酸リチウム−炭酸リチウム固溶体は、700℃程度の比較的低温で軟化流動し、固体電解質の粒子間に侵入してリチウムイオンの伝導性を向上させることができる点で有利である。また、バナジン酸リチウムは、水溶媒に対して可溶性であるため、固体電解質との混合後に低温で水溶媒を除去できる点で有利である。すなわち、これらの焼結助材によると、低温で固体電解質の粒子同士を結着させることができるため、ラムスデライト型の結晶構造の熱による損傷を避けることが可能になる。
次に、本実施形態に係る固体電解質の製造方法について説明する。
本実施形態に係る固体電解質の製造方法は、ラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物に異種元素置換を施した前記の固体電解質を製造する方法である。すなわち、一般式Li4x−2a−3b−c−2dSn4−x−c―dM(II)M(III)M(V)M(VI)で表され、Li及びSnと、任意に含まれる二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))及び六価カチオン(M(VI))とによって組成されるラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物を製造する方法に関する。次に示す製造方法は、主に、混合工程と、仮焼工程と、成形工程と、焼成工程とを含んでなる。
混合工程では、Li含有化合物及びSn含有化合物と、任意に含まれる二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))及び六価カチオン(M(VI))のいずれかを含有する化合物とを混合して混合粉末を調製する。すなわち、この工程では、Li含有化合物の粉末や、Sn含有化合物の粉末や、二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))又は六価カチオン(M(VI))のいずれかを含有する化合物の粉末を、異種元素置換が施された所望の固体電解質の化学組成となる比率で混合することで、固体電解質の材料となる混合粉末を調製する。なお、リチウム原子や錫原子は焼成を行う間に揮発して失われることがあるため、所望の固体電解質の化学組成に対してあらかじめ5%〜10%程度の過剰量で混合してよい。
混合粉末の調製は、乾式混合及び湿式混合のいずれによって行ってもよい。粉末の混合には、例えば、遊星型ボールミル、ジェットミル、アトライター、ビーズミル等の各種の方式を用いることができる。湿式混合における分散媒としては、例えば、エタノール等の低級アルコールが好適である。混合時間は、適宜の時間とすることができるが、例えば、30分以上10時間以下の範囲とすればよい。
Li含有化合物としては、例えば、炭酸リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、蓚酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、塩化リチウム等を用いることができる。これらの中でも好ましいLi含有化合物は、炭酸リチウム又は水酸化リチウムである。このような化合物であると、比較的低温で焼成を行うことが可能である。
Sn含有化合物としては、例えば、酸化錫(IV)、炭酸錫(IV)、硝酸錫(IV)、塩化錫(IV) 等を用いることができる。これらの中でも好ましいSn含有化合物は、酸化錫(IV)である。このような化合物はマイクロ波によって直接加熱することができるため、焼成される混合粉末に混合しておくことによって、固体電解質の焼成をマイクロ波加熱により実施することが可能となる。
二価カチオン(M(II))、三価カチオン(M(III))、五価カチオン(M(V))又は六価カチオン(M(VI))を含有するM元素含有化合物としては、例えば、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、蓚酸塩、水酸化物、酸化物等を用いることができる。これらの中でも好ましいM元素含有化合物は、炭酸塩又は水酸化物である。このような化合物であると、化合物成分のガス化により比較的低温で焼成を行うことが可能である。
仮焼工程では、調製された混合粉末を仮焼成する。すなわち、この工程では、混合粉末を、本焼成に先立って熱処理し、含まれている成分の一部をガス化させて脱離させつつ酸化させる。なお、この仮焼工程は、必須の工程ではなく、省略化してもよい。仮焼成における雰囲気条件は、大気雰囲気又は含酸素ガス雰囲気とすることが好ましい。仮焼成における加熱は、電気炉、マイクロ波加熱装置等の適宜の加熱手段を用いて行うことができるが、マイクロ波加熱装置を用いることが好ましい。マイクロ波加熱装置によると、急速な加熱が可能であると共に、照射を停止することで急速な冷却も可能である。そのため、急冷によってラムスデライト構造を形成させ易い利点がある。但し、必ずしもこの工程において、ラムスデライト構造を形成させることは要しない。仮焼成における加熱温度は、用いる原料の種類にもよるが、例えば、700℃以上とすればよい。
成形工程では、焼成される混合粉末を所望の成形体の形状に加圧成形する。仮焼成が行われている場合には、仮焼成された混合粉末を解砕、再混合した後に成形すればよい。なお、この成形工程は、必須の工程ではなく、成形が不要である場合には省略化してもよい。混合粉末の成形は、金型を用いて一軸方向の加圧を行う冷間一軸加圧成型若しくは熱間一軸加圧成型、冷間等方圧加圧成形(CIP)又は熱間等方圧加圧成形(HIP)等によって行うことができる。成形する混合粉末には、化学成分比率を調整するために、原料のLi含有化合物等を再添加してもよい。また、成形する混合粉末は、分級して粒度を揃えておいてもよい。混合粉末の粒度を揃えておくによって、製造される固体電解質の化学組成をより均質化させることが可能になる。
焼成工程では、混合粉末をマイクロ波加熱によって焼成する。仮焼成が行われている場合には、仮焼成された混合粉末を解砕、再混合した後に焼成すればよく、成形が行われている場合には、混合粉末の成形体を焼成すればよい。固体電解質をラムスデライト型の結晶構造にするためには、比較的高温の加熱処理と急速な冷却を行う冷却処理とが必要である。この焼成工程において、マイクロ波加熱装置による十分な加熱温度の熱処理と、マイクロ波の照射の停止による急冷とを施すことによって、ラムスデライト型の固体電解質を形成することができる。
焼成における加熱温度は、具体的には、1000℃以上1300℃以下とすることが好ましい。焼成の雰囲気条件は、好ましくは大気雰囲気又は含酸素ガス雰囲気である。焼成中には、固体電解質を組成する化学成分が揮発するおそれがあるため、焼成される混合粉末の周囲を、仮焼成された混合粉末で覆うようにして焼成を行ってもよい。
以上の工程を経て製造される固体電解質の性状は、従来知られている分析方法を用いて確認することができる。例えば、化学組成については、誘導結合プラズマ分光法(Inductively-Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry;ICP−AES)、光電子分光分析法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)、蛍光X線分析法(X-ray Fluorescence Spectrometry;XRF)等によって確認することが可能である。また、結晶構造については、X線解析(X-ray Diffractometry;XRD)、透過型電子顕微鏡−制限視野電子回折法(Transmission Electron Microscopy with Selected Area Electron Diffraction;TEM−SAED)等によって確認することが可能である。
次に、本実施形態に係る全固体電池について説明する。
本実施形態に係る全固体電池は、正極活物質を含んでなる正極層と、負極活物質を含んでなる負極層と、正極層と負極層との間に介在する固体電解質層とを有している。この全固体電池は、異種元素置換が施されたラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物である固体電解質が、正極層、負極層及び固体電解質層のうちの少なくとも一以上の層に含まれていることを特徴とするものである。
図4は、本発明の実施形態に係る全固体電池の一例を示す断面図である。
図4に示すように、全固体電池は、正極層10、固体電解質層11、負極層12、電池缶13、正極集電ダブ14、負極集電タブ15、内蓋16、内圧開放弁17、ガスケット18、正温度係数(Positive Temperature Coefficient;PTC)抵抗素子19、電池蓋20、軸心21とを有している。正極層10と固体電解質層11と負極層12とは、軸心21に捲回されており、正極層10は、正極集電タブ14を介して内蓋16と、負極層12は、負極集電タブ15を介して電池缶13と、それぞれ電気的に接続されている。正極層10と固体電解質層11と負極層12とが収容された電池缶13の上部の開口は、重ねられた内蓋16、内圧開放弁17、正温度係数抵抗素子19及び電池蓋20と、ガスケット18とによって気密に封止されている。
電池缶13、正極集電ダブ14、負極集電タブ15等は、耐食性が良好であり、リチウムイオンとの合金化による変質を生じ難い材質とすることが好ましい。具体的には、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等とすることが好ましい。なお、図4に示す全固体電池は円筒形とされているが、これに代えて、扁平長円形、扁平楕円形、角形、ラミネート形等としてもよい。
図5は、本発明の実施形態に係る全固体電池の電極間構成の一例を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、全固体電池は、電極間構成として、正極活物質10aを含んでなる正極層10、負極活物質12aを含んでなる負極層12、及び、正極層10と負極層12との間に介在する固体電解質層11とを有している。固体電解質層11は、固体電解質1の粒子の集合によって構成されている。また、正極層10は、正極活物質10aの粒子と共に、固体電解質1の粒子と導電材110の粒子とを含むように構成されている。また、負極層12は、負極活物質12aの粒子と共に、固体電解質1の粒子と導電材110の粒子とを含むように構成されている。
このように本実施形態に係る全固体電池では、異種元素置換が施されたラムスデライト型のリチウム錫複合酸化物である固体電解質1を正極層10や負極層12に含有させて、固体電解質層と正極層10との間、及び、負極層12との間を固体電解質1を介してそれぞれバルク状に接合させることも可能である。このような電池構成とすることによって、電極層(10,12)や固体電解質層11の各層内のみならず、電極層(10,12)と固体電解質層11との間の界面抵抗も低減することができる。なお、この全固体電池では、図5に示すように、正極層10及び負極層12の間には必ずしもセパレータを設ける必要はない。
図6は、本発明の実施形態に係る全固体電池の電極構成の一例を模式的に示す断面図である。
図6に示すように、全固体電池に備えられる各電極層(10,12)は、集電体22に接するように設けられる。このような構造を形成する方法としては、電解質層11の両面に正極層10と負極層12とをそれぞれ積層し、正極層10及び負極層12のそれぞれの外側に集電体22を圧着させる方法や、集電体22の表面上に正極層10、固体電解質層11及び負極層12を、この順に若しくはこれと反対順に積層していく方法等を用いることができる。また、グリーンシート法を用いることもできる。グリーンシート法は、活物質(10a,10b)や導電材110や固体電解質1の粒子をバインダ樹脂と混合してペースト状の電極合材とし、この電極合材を基板上に塗布して乾燥させた後、得られたシート状の電極合材を焼成して粒子の焼結とバインダ樹脂の除去とを行う製造方法である。このようなグリーンシート法によれば、シート状の電極合材を複数層積層した上で焼成して電極間構成を形成することも可能になる。
全固体電池に備えられる正極活物質10aとしては、従来知られているリチウムイオンの吸蔵及び放出を行うことが可能な一般的な正極活物質を用いることができる。このような正極活物質の具体例としては、例えば、LiMO(Mは、Ni、Co、Mn等の原子である。)や、LiMOのMをFe、Ti、Zr、Al、Mg、Cr、V等の原子で置換した化合物や、LiMのように表されるスピネル型正極活物質や、LiFePO等のオリビン型正極活物質や、LiMnO−LiMO等の層状固溶体系正極活物質や、LiMSiO等のケイ酸塩系正極活物質や、LiV(PO、LiV−V等のバナジウム系正極活物質等が挙げられる。
また、全固体電池に備えられる負極活物質12aとしては、従来知られているリチウムイオンの吸蔵及び放出を行うことが可能な一般的な負極活物質を用いることができる。このような負極活物質の具体例としては、例えば、黒鉛等の炭素材料や、TiSn、TiSi等の合金材料や、LiCoN等の窒化物や、LiTi12、LiTiO等の酸化物等が挙げられる。また、負極をリチウム金属として電池を構成することもできる。
また、全固体電池に備えられる導電材110としては、電池反応に対して化学的に安定であり、電子伝導性が良好な材料であれば適宜の材料を用いることができる。このような導電材の具体例としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックや、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン等の金属粉や、Sb等がドープされたSnOx、TiOx、TiNx等が挙げられる。また、集電体としては、各電極に応じて、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の箔、板状体等を用いることができる。
以上のような構成を有する本実施形態に係る全固体電池は、各電極層(10,12)又は固体電解質層11に用いられている固体電解質1が良好なリチウムイオン伝導性を有しているため、内部抵抗が低減された電池となる。そのため、リチウムイオン伝導性が良好であり、高レート特性に優れ、高出力化にも適した全固体電池を提供することができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
はじめに、異種元素置換が施されたリチウム錫複合酸化物として、実施例1〜実施例12に係る固体電解質及び比較例1〜比較例8に係る固体電解質を製造し、それらの結晶構造を確認した。
[比較例1]
比較例1としては、Li3.2Sn3.2で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=b=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=2.4である。
比較例1に係る固体電解質は、次の手順に従って製造した。はじめに、LiCOを3.938g、SnOを16.062g秤量し、めのう乳鉢を使用して、エタノールによる湿式混合を30分間にわたって行った。次いで、80℃でエタノールを乾燥除去して混合粉末を得た。そして、得られた混合粉末10gをアルミナ製坩堝に投入し、800℃で6時間にわたって仮焼成を行い仮焼成粉末を得た。得られた仮焼成粉末についてXRDによる結晶解析を行ったところ、主相がLiSnOとSnOとからなることが確認された。
続いて、得られた仮焼成粉末について、再度エタノールによる湿式混合を行い、80℃でエタノールを乾燥除去した。次いで、得られた混合粉末0.5gを内径10mmのペレット型に投入し、荷重250MPaで一軸加圧成型して、固体電解質の仮成形体を得た。その後、内径16mmの石英ガラス管の底部にアルミナ発泡体を取り付け、この石英ガラス管に得られた仮成形体を計5枚積層して充填した。なお、積層した仮成形体の周囲には、焼成時における化学成分の揮発を防止するために、原料の混合粉末を充填した。
続いて、仮成形体を充填した石英ガラス管を、断熱材で覆って、マイクロ波照射装置に設置し、マイクロ波加熱による焼成を行った。マイクロ波加熱では、仮成形体の表面温度を1200℃まで昇温させ、5分間にわたって保持した後、マイクロ波照射を停止して、大気雰囲気下において急冷させた。そして、焼成された仮成形体5枚のうち、中央側の3枚を比較例1に係る固体電解質として回収した。
比較例1に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li3.2Sn3.2の組成が確認された。
[実施例1]
実施例1としては、Li2.4Sn3.2Mg0.4で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.4、b=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=2.0である。
実施例1に係る固体電解質は、LiCOを3.938g、SnOを16.062g、MgCOを0.55g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例1に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.4Sn3.2Mg0.4の組成が確認された。
[実施例2]
実施例2としては、Li2.0Sn3.2Mg0.6で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.6、b=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=1.8である。
実施例2に係る固体電解質は、LiCOを1.21g、SnOを7.95g、MgCOを0.84g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例2に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.0Sn3.2Mg0.6の組成が確認された。
[実施例3]
実施例3としては、Li1.6Sn3.2Mg0.8で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.8、b=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=1.6である。
実施例3に係る固体電解質は、LiCOを0.97g、SnOを7.92g、MgCOを1.10g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例3に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にMgOの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li1.6Sn3.2Mg0.8の組成が確認された。
[比較例2]
比較例2としては、Li2.6Sn3.2Mg0.3で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.3、b=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=2.1である。
比較例2に係る固体電解質は、LiCOを1.59g、SnOを7.99g、MgCOを0.42g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
比較例2に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.6Sn3.2Mg0.3の組成が確認された。
[比較例3]
比較例3としては、Li1.4Sn3.2Mg0.9で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.9、b=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=1.5であるが、0≦a+b≦xを満たさないものである。
比較例3に係る固体電解質は、LiCOを0.84g、SnOを7.91g、MgCOを1.24g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
比較例3に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にMgOの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li1.4Sn3.2Mg0.9の組成が確認された。
[実施例4]
実施例4としては、Li2.6Sn3.2Al0.2で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、b=0.2、a=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=2.0である。
実施例4に係る固体電解質は、LiCOを1.63g、SnOを8.19g、Alを0.17g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例4に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやAlの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.6Sn3.2Al0.2の組成が確認された。
[実施例5]
実施例5としては、Li2.0Sn3.2Al0.4で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、b=0.4、a=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=1.6である。
実施例5に係る固体電解質は、LiCOを1.28g、SnOを8.36g、Alを0.35g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例5に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやAlの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.0Sn3.2Al0.4の組成が確認された。
[実施例6]
実施例6としては、Li0.8Sn3.2Al0.8で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、b=0.8、a=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=0.8である。
実施例6に係る固体電解質は、LiCOを0.53g、SnOを8.72g、Alを0.74g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例6に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやAlの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li0.8Sn3.2Al0.8の組成が確認された。
[比較例4]
比較例4としては、Li2.9Sn3.2Al0.1で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、b=0.1、a=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=2.2である。
比較例4に係る固体電解質は、LiCOを1.80g、SnOを8.11g、Alを0.09g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
比較例4に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやAlの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.9Sn3.2Al0.1の組成が確認された。
[比較例5]
比較例5としては、Li0.5Sn3.2Al0.9で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、b=0.9、a=c=d=0、3x−a−2b−c−2d=0.6であるが、0≦a+b≦xを満たさないものである。
比較例5に係る固体電解質は、LiCOを0.34g、SnOを8.82g、Alを0.83g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
比較例5に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやAlの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li0.5Sn3.2Al0.9の組成が確認された。
[実施例7]
実施例7としては、Li2.8Sn2.8Nb0.4で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、c=0.4、a=b=d=0、3x−a−2b−c−2d=2.0である。
実施例7に係る固体電解質は、LiCOを1.79g、SnOを7.29g、Nbを0.92g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例7に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.8Sn2.8Nb0.4の組成が確認された。
[実施例8]
実施例8としては、Li2.6Sn2.6Nb0.6で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、c=0.6、a=b=d=0、3x−a−2b−c−2d=1.8である。
実施例8に係る固体電解質は、LiCOを1.69g、SnOを6.90g、Nbを1.40g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例8に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.6Sn2.6Nb0.6の組成が確認された。
[実施例9]
実施例9としては、Li2.4Sn2.4Nb0.8で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、c=0.8、a=b=d=0、3x−a−2b−c−2d=1.6である。
実施例9に係る固体電解質は、LiCOを1.59g、SnOを6.50g、Nbを1.91g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例9に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやLiNbOの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.4Sn2.4Nb0.8の組成が確認された。
[比較例6]
比較例6としては、Li2.9Sn2.9Nb0.3で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、c=0.3、a=b=d=0、3x−a−2b−c−2d=2.1である。
比較例6に係る固体電解質は、LiCOを1.83g、SnOを7.48g、Nbを0.68g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
比較例6に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.9Sn2.9Nb0.3の組成が確認された。
[比較例7]
比較例7としては、Li2.3Sn2.3Nb0.9で表されるラムスデライト型の固体電解質を製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、c=0.9、a=b=d=0、3x−a−2b−c−2d=1.5であるが、0≦c+d<0.9を満たさないものである。
比較例7に係る固体電解質は、LiCOを1.54g、SnOを6.29g、Nbを2.17g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
比較例7に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやLiNbOの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.3Sn2.3Nb0.9の組成が確認された。
[実施例10]
実施例10としては、Li2.6Sn3.1Mg0.1Al0.1Nb0.1で表されるラムスデライト型の固体電解質を、マイクロ波加熱によって製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.1、b=0.1、c=0.1、d=0、3x−a−2b−c−2d=2.0である。
実施例10に係る固体電解質は、LiCOを1.62g、SnOを7.92g、MgCOを0.14g、Alを0.086g、Nbを0.23g秤量し、混合及び乾燥して混合粉末を得た点を除いて、比較例1と同様にして製造した。
実施例10に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.6Sn3.1Mg0.1Al0.1Nb0.1の組成が確認された。
[比較例8]
比較例8としては、Li2.6Sn3.1Mg0.1Al0.1Nb0.1で表される固体電解質を、電気炉による加熱によって製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.1、b=0.1、c=0.1、d=0、3x−a−2b−c−2d=2.0である。
比較例8に係る固体電解質は、得られた仮焼成粉末を電気炉による加熱で焼成した点を除いて、実施例10と同様にして製造した。なお、電気炉では、昇温速度1℃/分で仮焼成粉末を昇温させ、1200℃で12時間にわたって保持した後、冷却速度1℃/分で冷却させた。
比較例8に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造は確認されず、SnO、LiSnO、MgO、LiAlO、LiNbOの結晶が認められた。
[実施例11]
実施例11としては、Li2.6Sn3.1Mg0.1Al0.1Nb0.1で表されるラムスデライト型の固体電解質を、仮焼成を行うこと無く製造した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.1、b=0.1、c=0.1、d=0、3x−a−2b−c−2d=2.0である。
実施例11に係る固体電解質は、得られた混合粉末を仮焼成すること無く一軸加圧成型して固体電解質の仮成形体とした点を除いて、実施例10と同様にして製造した。
実施例11に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認されたが、一部にSnOやLiSnOの異相が認められた。また、ICP−AESによる化学組成成分の定量を行ったところ、Li2.6Sn3.1Mg0.1Al0.1Nb0.1の組成が確認された。
[実施例12]
実施例12としては、Li2.6Sn3.1Mg0.1Al0.1Nb0.1で表されるラムスデライト型の固体電解質を、焼結助材を併用して製造した。なお、焼結助材としては、LiBOを使用した。なお、この固体電解質は、x=0.8、a=0.1、b=0.1、c=0.1、d=0、3x−a−2b−c−2d=2.0である。
実施例12に係る固体電解質は、次の手順に従って製造した。はじめに、実施例10と同様にして得られた固体電解質を、めのう乳鉢を使用して解砕し、得られた固体電解質粉末0.49gに結晶性LiBOを0.01g添加し、エタノールによる湿式混合を30分間にわたって行った。次いで、80℃でエタノールを乾燥除去して混合粉末を得た。
続いて、得られた混合粉末を内径10mmのペレット型に投入し、荷重250MPaで一軸加圧成型して、固体電解質の仮成形体を得た。次いで、得られた仮成形体を実施例10の仮焼成粉末と共にアルミナ製坩堝に投入し、焼結助材の融点である700℃で1時間にわたって熱処理して、実施例12に係る固体電解質として回収した。
実施例12に係る固体電解質を粉末化してXRDによる結晶解析を行ったところ、ラムスデライト型の結晶構造が確認された。また、固体電解質の成形体の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)で確認したところ、固体電解質の粒子同士が、少ない空隙をもって緻密に結着した成形体が得られていることが確認された。
次に、製造した実施例1〜実施例12に係る固体電解質及び比較例1〜比較例8に係る固体電解質について、リチウムイオンの伝導性を評価した。
リチウムイオンの伝導性は、交流インピーダンス法によるイオン導電率の測定に基いて評価した。製造した各固体電解質の成形体には、両面にブロッキング電極として、Au製の電極を形成した。なお、Au製のブロッキング電極は、スパッタによって100nmの厚さで形成した。そして、アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内において、ブロッキング電極に集電体を取り付け、さらに電流電圧端子を接続して、交流インピーダンスの測定を行った。
交流インピーダンスは、恒温槽中において、雰囲気温度を25℃〜150℃の範囲で変化させて測定した。そして、複素インピーダンスの測定によるプロットを作成し、得られた円弧の半径を抵抗値として、電極面積と成形体厚さとに基いて算出した。また、得られた抵抗値によって、アレニウスプロットを作成し、直線の傾きから、リチウムイオンの伝導に伴う拡散障壁(活性化エネルギEa)を算出した。室温におけるリチウムイオンの導電率(Ω−1・cm−1)と活性化エネルギEa(eV)の結果を表1に示す。
Figure 2016119257
表1に示すように、3x−a−2b−c−2d≦2の関係が満たされている実施例1〜実施例12では、1×10−3(Ω−1・cm−1)を超える程度のリチウムイオンの導電率が実現されており、比較例1の6.7×10−7(Ω−1・cm−1)と比較して1000倍程度、リチウムイオンの伝導性が向上していることが確認される。また、実施例1〜実施例12では、活性化エネルギEaが0.30eV以下程度に抑えられており、第一原理計算に基づく試算(図3参照)と同等に拡散障壁が低減されている。これに対して、3x−a−2b−c−2d≦2の関係が満たされていない比較例1、比較例2、比較例4、比較例6では、LiサイトやSnサイトへの置換が不十分であるため、拡散障壁が適切に低減されてなく、リチウムイオンの伝導性に劣ることが分かる。また、比較例3、比較例5、比較例7では、LiサイトやSnサイトへの置換が過剰であるため、結晶構造の不安定化やリチウムイオンの伝導の阻害が生じて、リチウムイオンの伝導性が悪化していることが分かる。
また、化学成分組成が同一である実施例10、比較例8、実施例11及び実施例12を比較すると、電気炉による加熱を行った比較例8では、急冷によるラムスデライト型の結晶構造の形成が見られず、リチウムイオンの伝導性が大きく損なわれていることが確認できる。これに対して、マイクロ波加熱を行った実施例10、実施例11及び実施例12では、拡散障壁が低減され、リチウムイオンの伝導性も向上している。特に、仮焼成を経ている実施例10は、仮焼成を行っていない実施例11と比較して、やや拡散障壁が低減され、リチウムイオンの伝導性も向上している。これは、仮焼成を経て製造された固体電解質の方が、均一な結晶成長が実現することによって、異相の形成が抑制されたためであると考えられる。また、焼結助材を用いて焼成した実施例12は、実施例10と比較して、さらに拡散障壁が低減され、リチウムイオンの伝導性も向上していることが認められる。この結果から、焼結助材を併用することで、低温度での焼成によって固体電解質の成形体を製造することが可能であり、電極層と固体電解質層とのバルク接合における界面抵抗も十分に低減できることが分かる。
次に、製造した実施例10に係る固体電解質及び比較例1に係る固体電解質を用いて全固体電池(実施例に係る全固体電池及び比較例に係る全固体電池)をそれぞれ製造し、内部抵抗について評価した。
実施例に係る全固体電池は、固体電解質として、平均粒子径が0.8μmに分級されている前記の実施例10に係る固体電解質の粉末、正極活物質として、平均粒子径が12μmのLiCoO、導電材として、アセチレンブラック、及び、焼結助材として、ホウ酸リチウム(LiBO)を用いて製造した。
はじめに、正極活物質を60質量部、固体電解質を25質量部、導電材を10質量部、焼結助材を5質量部の割合で、乳鉢を用いて混合した。次いで、得られた混合粉末70質量部に対して、結着材としてのエチルセルロース溶液を30質量部添加し、さらに混合することでスラリー状の正極合材を得た。
続いて、製造した実施例10に係る固体電解質の成形体(厚さ8mmの固体電解質層)の片面に、得られたスラリー状の正極合材を塗布し、400℃で30分間、次いで、700で2時間にわたって熱処理を施して正極層を形成した。なお、形成された正極層の厚さは20μmであった。
続いて、得られた正極層の固体電解質層とは反対側の面に、Au製の集電体をスパッタによって膜厚200nmとなるように形成した。そして、固体電解質層の正極層とは反対側の面に、固体高分子電解質フィルム(PEO骨格、LiTFSI塩)を挟んでLi箔を取り付けて加熱により溶着させて全固体電池とした。
また、比較例に係る全固体電池は、固体電解質層と正極層とを比較例1に係る固体電解質を用いて形成した点を除いて、前記の実施例に係る全固体電池と同様にして製造した。
製造した実施例に係る全固体電池及び比較例に係る全固体電池の内部抵抗は、ポテンショスタット「1480」(ソーラートロン社製)を用いて計測した。具体的には、上限電圧を4.3Vとして0.05Cで全固体電池を定電流充電した後、充電深度(State Of Charge;SOC)が50%になるまで放電し、1時間休止した後に、交流インピーダンスをそれぞれ計測した。
その結果、実施例に係る全固体電池では、比較例に係る全固体電池と比較して、内部抵抗が半減していることが確認された。このように本発明の固体電解質を固体電解質層や電極層に用いることによって、全固体電池の内部抵抗を改善させることが可能であり、レート特性の向上に有効であることが認められる。
本発明に係る固体電解質は、全固体型リチウムイオン二次電池や、リチウム−空気電池等の電池材料として利用することができる。また、リチウムイオンをキャリアとするセンサの構成材料として利用することができる。
100 ラムスデライト型リチウム錫複合酸化物
101 酸素イオン
102 錫イオン
103 リチウムイオン
10 正極層
11 固体電解質層
12 負極層
13 電池缶
14 正極集電タブ
15 負極集電タブ
16 内蓋
17 内圧開放弁
18 ガスケット
19 正温度係数抵抗素子
20 電池蓋
21 軸心

Claims (17)

  1. ラムスデライト型の結晶構造を有し、
    一般式Li4x−2a−3b−c−2dSn4−x−c―dM(II)M(III)M(V)M(VI)[式中、M(II)は二価のカチオン、M(III)は三価のカチオン、M(V)は五価のカチオン、M(VI)は六価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、
    前記一般式において、0<a+b+c+d、0≦a+b≦x、0≦c+d<0.9、且つ、3x−a−2b−c−2d≦2の関係を満たすことを特徴とする固体電解質。
  2. 前記M(II)が、Be、Ca、Mg、Sr、Ba及びLaからなる群より選択される少なくとも一種以上の二価カチオンであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記M(III)が、Sc、Y、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも一種以上の三価カチオンであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  4. 前記M(V)が、V、Nb、Ta、P、As、Sb及びBiからなる群より選択される少なくとも一種以上の五価カチオンであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  5. 前記M(VI)が、Mo及びWからなる群より選択される少なくとも一種以上の六価カチオンであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  6. 請求項1に記載の固体電解質において、b=c=d=0であり、
    一般式Li4x−2aSn4−xM(II)[式中、M(II)は二価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、
    前記一般式において、0<a≦x、且つ、3x−a≦2の関係を満たすことを特徴とする固体電解質。
  7. 請求項1に記載の固体電解質において、a=c=d=0であり、
    一般式Li4x−3bSn4−xM(III)[式中、M(III)は三価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、
    前記一般式において、0<b≦x、且つ、3x−2b≦2の関係を満たすことを特徴とする固体電解質。
  8. 請求項1に記載の固体電解質において、a=b=d=0であり、
    一般式Li4x−cSn4−x−cM(V)[式中、M(V)は五価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、
    前記一般式において、0<c<0.9、且つ、3x−c≦2の関係を満たすことを特徴とする固体電解質。
  9. 請求項1に記載の固体電解質において、a=b=c=0であり、
    一般式Li4x−2dSn4−x−dM(VI)[式中、M(VI)は六価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、
    前記一般式において、0<d<0.9、且つ、3x−2d≦2の関係を満たすことを特徴とする固体電解質。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の固体電解質が、
    正極活物質を含んでなる正極層、負極活物質を含んでなる負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層のうちで少なくとも一以上の層に含まれていることを特徴とする全固体電池。
  11. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の固体電解質と、リチウムイオンの伝導性及び前記固体電解質よりも低いガラス転移温度を有する酸化物とを含み、前記固体電解質が前記酸化物によって結着されてなる成形体が、
    正極活物質を含んでなる正極層、負極活物質を含んでなる負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層のうちで少なくとも一以上の層に含まれていることを特徴とする全固体電池。
  12. 前記酸化物が、ホウ酸リチウム(LiBO)、一般式Li1−y1−y[式中、0<y<1を満たす。]で表されるホウ酸リチウム−炭酸リチウム固溶体、バナジン酸リチウム(LiVO)、一般式Li1+pAlTi2−p(POで表されるNASICON型結晶性酸化物、前記一般式で表されるNASICON型非晶質酸化物、一般式Li1+qGeTi(POで表されるNASICON型結晶性酸化物、及び、前記一般式で表されるNASICON型非晶質酸化物からなる群より選択される少なくとも一種以上の酸化物であることを特徴とする請求項11に記載の全固体電池。
  13. ラムスデライト型の結晶構造を有し、
    一般式Li4x−2a−3b−c−2dSn4−x−c―dM(II)M(III)M(V)M(VI)[式中、M(II)は二価のカチオン、M(III)は三価のカチオン、M(V)は五価のカチオン、M(VI)は六価のカチオンであり、0≦x≦1.33を満たす。]で表され、
    前記一般式において、0<a+b+c+d、0≦a+b≦x、0≦c+d<0.9、且つ、3x−a−2b−c−2d≦2の関係を満たす固体電解質の製造方法であって、
    Li含有化合物及びSn含有化合物と、任意に含まれるM(II)、M(III)、M(V)及びM(VI)のいずれかを含有する化合物とを混合して混合粉末を調製する工程と、
    調製された前記混合粉末をマイクロ波加熱によって焼成する工程とを含むことを特徴とする固体電解質の製造方法。
  14. 調製された前記混合粉末を加圧成形する工程をさらに含み、
    加圧成形された前記混合粉末をマイクロ波加熱によって焼成することを特徴とする請求項13に記載の固体電解質の製造方法。
  15. 調製された前記混合粉末を仮焼成する工程をさらに含み、
    仮焼成された前記混合粉末を解砕して加圧成形した後、マイクロ波加熱によって焼成することを特徴とする請求項14に記載の固体電解質の製造方法。
  16. 前記Li含有化合物が、炭酸リチウムであることを特徴とする請求項13に記載の固体電解質の製造方法。
  17. 前記Sn含有化合物が、酸化錫であることを特徴とする請求項13に記載の固体電解質の製造方法。
JP2014259293A 2014-12-22 2014-12-22 固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法 Pending JP2016119257A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014259293A JP2016119257A (ja) 2014-12-22 2014-12-22 固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法
US14/969,569 US20160181657A1 (en) 2014-12-22 2015-12-15 Solid electrolyte, all-solid-state battery including the same, and method for making solid electrolyte

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014259293A JP2016119257A (ja) 2014-12-22 2014-12-22 固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016119257A true JP2016119257A (ja) 2016-06-30

Family

ID=56130507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014259293A Pending JP2016119257A (ja) 2014-12-22 2014-12-22 固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20160181657A1 (ja)
JP (1) JP2016119257A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018062080A1 (ja) * 2016-09-29 2019-07-11 Tdk株式会社 全固体リチウムイオン二次電池
WO2021251408A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251407A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251405A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、これらの製造方法および全固体電池
WO2021251411A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 リチウムイオン伝導性固体電解質および全固体電池
WO2021251410A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251409A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251406A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2023074144A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 正極材料および電池

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015136604A1 (ja) * 2014-03-10 2015-09-17 株式会社日立製作所 二次電池用正極活物質およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
WO2017112804A1 (en) * 2015-12-21 2017-06-29 Johnson Ip Holding, Llc Solid-state batteries, separators, electrodes, and methods of fabrication
US10218044B2 (en) 2016-01-22 2019-02-26 Johnson Ip Holding, Llc Johnson lithium oxygen electrochemical engine
DE102016212050A1 (de) * 2016-07-01 2018-01-04 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Komposit-Kathodenschichtaufbau für Festkörperbatterien auf Lithiumbasis und ein Verfahren zu seiner Herstellung
US10707531B1 (en) 2016-09-27 2020-07-07 New Dominion Enterprises Inc. All-inorganic solvents for electrolytes
DE102016015191B3 (de) 2016-12-21 2018-06-14 Forschungszentrum Jülich GmbH Lithium- lonen- Festkörperakkumulator sowie Verfahren zur Herstellung desselben
KR20200131296A (ko) * 2018-04-20 2020-11-23 후지필름 가부시키가이샤 고체 전해질 조성물, 전고체 이차 전지용 시트, 전고체 이차 전지용 전극 시트와 전고체 이차 전지, 및 전고체 이차 전지용 시트와 전고체 이차 전지의 제조 방법
US11325096B2 (en) 2018-07-24 2022-05-10 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Microwave synthesis of lithium thiophosphate composite materials
US10818969B2 (en) * 2018-09-27 2020-10-27 University Of Maryland, College Park Borate compounds as Li super-ionic conductor, solid electrolyte, and coating layer for Li metal battery and Li-ion battery
US11108035B2 (en) * 2019-01-08 2021-08-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Solid-state positive electrode, method of manufacture thereof, and battery including the electrode
JP7453747B2 (ja) * 2019-03-28 2024-03-21 太陽誘電株式会社 全固体電池およびその製造方法
US11728510B2 (en) 2019-05-24 2023-08-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Solid conductor, preparation method thereof, solid electrolyte including the solid conductor, and electrochemical device including the solid conductor
US11575152B2 (en) 2020-06-29 2023-02-07 Samsung Electronics Co., Ltd. Oxide, preparation method thereof, solid electrolyte including the oxide, and electrochemical device including the oxide
DE102020209708A1 (de) * 2020-07-31 2022-02-03 Schott Ag Sinterhilfsmittelmischung, Festkörperionenleiter und Verfahren zum Herstellen von Festkörperionenleitern
EP4001213A1 (en) 2020-11-13 2022-05-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Oxide, method of preparing the same, solid electrolyte including the oxide, and electrochemical device including the oxide

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10270020A (ja) * 1997-03-19 1998-10-09 Japan Storage Battery Co Ltd リチウム電池用負極活物質およびリチウム電池
WO2014132320A1 (ja) * 2013-02-26 2014-09-04 株式会社 日立製作所 全固体イオン二次電池
WO2014141456A1 (ja) * 2013-03-15 2014-09-18 株式会社 日立製作所 固体電解質及びそれを用いた全固体型イオン二次電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10270020A (ja) * 1997-03-19 1998-10-09 Japan Storage Battery Co Ltd リチウム電池用負極活物質およびリチウム電池
WO2014132320A1 (ja) * 2013-02-26 2014-09-04 株式会社 日立製作所 全固体イオン二次電池
WO2014141456A1 (ja) * 2013-03-15 2014-09-18 株式会社 日立製作所 固体電解質及びそれを用いた全固体型イオン二次電池

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J. GRINS ET AL.: "Ionic Conductivity and Crystal Chemistry of Ramsdellite Type Compounds, Li2+x(LixMg1-xSn3)O8, 0≦x≦", JOURNAL OF SOLID STATE CHEMISTRY, vol. Vol.65, JPN6017044740, 1986, pages 265 - 271, XP024192027, DOI: doi:10.1016/0022-4596(86)90062-9 *

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018062080A1 (ja) * 2016-09-29 2019-07-11 Tdk株式会社 全固体リチウムイオン二次電池
JP7031596B2 (ja) 2016-09-29 2022-03-08 Tdk株式会社 全固体リチウムイオン二次電池
WO2021251411A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 リチウムイオン伝導性固体電解質および全固体電池
JP7260659B2 (ja) 2020-06-10 2023-04-18 株式会社レゾナック 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251407A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251410A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251409A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251406A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251408A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
WO2021251405A1 (ja) * 2020-06-10 2021-12-16 昭和電工株式会社 固体電解質材料、固体電解質、これらの製造方法および全固体電池
JP7260660B2 (ja) 2020-06-10 2023-04-18 株式会社レゾナック 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
JP7260658B2 (ja) 2020-06-10 2023-04-18 株式会社レゾナック 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
JP7260657B2 (ja) 2020-06-10 2023-04-18 株式会社レゾナック 固体電解質材料、固体電解質、固体電解質の製造方法および全固体電池
JP7260656B2 (ja) 2020-06-10 2023-04-18 株式会社レゾナック 固体電解質材料、固体電解質、これらの製造方法および全固体電池
JP7284824B2 (ja) 2020-06-10 2023-05-31 株式会社レゾナック リチウムイオン伝導性固体電解質および全固体電池
WO2023074144A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 正極材料および電池

Also Published As

Publication number Publication date
US20160181657A1 (en) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016119257A (ja) 固体電解質、それを用いた全固体電池及び固体電解質の製造方法
JP6165546B2 (ja) 固体電解質および全固体リチウムイオン二次電池
JP5854045B2 (ja) 全固体型リチウム二次電池及びその製造方法
JP5919673B2 (ja) 固体電解質及びその製造方法
WO2018139657A1 (ja) 電極積層体及び全固体リチウム電池
JP5283188B2 (ja) 全固体二次電池およびその製造方法
WO2012043566A1 (ja) 電池用焼結体、電池用焼結体の製造方法、及び全固体リチウム電池
Yu et al. High-temperature chemical stability of Li1. 4Al0. 4Ti1. 6 (PO4) 3 solid electrolyte with various cathode materials for solid-state batteries
JP2024050822A (ja) 硫化物固体電解質の製造方法、硫化物固体電解質、全固体電池、及び硫化物固体電解質の製造に用いる原料化合物の選択方法
US20170033398A1 (en) Electrode assembly, all-solid state secondary battery, and method for producing electrode assembly
JP2015013775A (ja) イオン伝導性固体、その製造方法及び固体電池
CN115699213A (zh) 锂离子传导性固体电解质和全固体电池
JP7115626B2 (ja) 固体電解質の前駆体組成物、二次電池の製造方法
WO2021251405A1 (ja) 固体電解質材料、固体電解質、これらの製造方法および全固体電池
CN115699211A (zh) 固体电解质材料、固体电解质、固体电解质的制造方法和全固体电池
WO2021090782A1 (ja) 全固体二次電池
WO2021214946A1 (ja) リチウムイオン二次電池及びその製造方法
JP2014049199A (ja) 電池用焼結体の製造方法
KR102656984B1 (ko) 전고체 이차 전지
JP7478414B2 (ja) 非晶質複合金属酸化物、ガーネット型リチウム複合金属酸化物、焼結体、固体電解質層、電気化学デバイス用電極、電気化学デバイス
WO2020129975A1 (ja) 活物質材料および全固体電池
JP2018125121A (ja) 固体電解質及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
KR20230013093A (ko) 고체 전해질 재료, 고체 전해질, 고체 전해질의 제조 방법 및 전고체 전지
CN115699214A (zh) 固体电解质材料、固体电解质、固体电解质的制造方法和全固体电池
JP2024073592A (ja) 硫化物固体電解質の製造方法、硫化物固体電解質、全固体電池、及び硫化物固体電解質の製造に用いる原料化合物の選択方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180529