JP2016113540A - エポキシ樹脂組成物、樹脂シート、半硬化エポキシ樹脂組成物、硬化エポキシ樹脂組成物及び金属基板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、樹脂シート、半硬化エポキシ樹脂組成物、硬化エポキシ樹脂組成物及び金属基板 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂シートの柔軟化と、硬化後の高熱伝導性とが両立可能なエポキシ樹脂組成物の提供。【解決手段】エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー並びにそのオリゴマーを含むエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤と、無機フィラーと、を含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記オリゴマーの重量平均分子量が1000〜15000の範囲であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記エポキシ樹脂のチャートの全ピーク面積に占める前記オリゴマー由来のピーク面積の割合(オリゴマー由来のピーク面積/全ピーク面積)が、0.30〜0.80の範囲であるエポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、樹脂シート、半硬化エポキシ樹脂組成物、硬化エポキシ樹脂組成物及び金属基板に関する。
近年、電子機器、電気機器等の小型化に伴って発熱量が増大したため、その熱をいかに放散させるかが重要な課題となっている。これらの機器に用いられている絶縁材料としては、絶縁性、耐熱性等の観点から、熱硬化性樹脂硬化物が広く使われている。しかし、一般的に熱硬化性樹脂硬化物の熱伝導率は低く、熱放散を妨げている大きな要因となっているため、高熱伝導性を有する熱硬化性樹脂硬化物の開発が望まれている。
高熱伝導性を有する熱硬化性樹脂硬化物として、分子構造中にメソゲンを有するエポキシ樹脂組成物の硬化物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、高熱伝導性を有し、軟化点(融点)の低い熱硬化性樹脂として、特定の構造を有するエポキシ樹脂が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
複数の樹脂からなる樹脂混合物としては、分子構造中に特定のメソゲン基を有するエポキシ化合物を混合することで、樹脂硬化物を製造する際の硬化温度範囲が化合物単体の場合よりも広くなり、高熱伝導性を有する樹脂硬化物の製造が容易となることが報告されている(例えば、特許文献3及び4参照)。更には、液晶性ポリマーと熱硬化性樹脂とが相分離した状態で存在している絶縁組成物が提案されており、液晶性ポリマーが高熱伝導性に、熱硬化性樹脂が銅等の金属との密着性に関与しているとされている(例えば、特許文献5参照)。
特許第4118691号公報 特開2007−332196号公報 特開2008−239679号公報 特開2008−266594号公報 特開2010−18679号公報
しかしながら、分子中にメソゲン構造を有するエポキシ化合物は、一般的に結晶性が高いため、その樹脂シートは脆く柔軟性にかける。その結果、シートを巻き取れず、大規模生産に支障がでる場合がある。また、シートが脆いため品質にも問題が生じる場合がある。
本発明は、上記課題に鑑み、樹脂シートの柔軟化と、硬化後の高熱伝導性とが両立可能なエポキシ樹脂組成物並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いる樹脂シート、半硬化エポキシ樹脂組成物、硬化エポキシ樹脂組成物及び金属基板を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー並びにそのオリゴマーを含むエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤と、無機フィラーと、を含有し、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記オリゴマーの重量平均分子量が1000〜15000の範囲であり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記エポキシ樹脂のチャートの全ピーク面積に占める前記オリゴマー由来のピーク面積の割合(オリゴマー由来のピーク面積/全ピーク面積)が、0.30〜0.80の範囲であるエポキシ樹脂組成物。
<2> 前記エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマーが、下記一般式(I)で表されるエポキシ化合物を含む<1>に記載のエポキシ樹脂組成物。
[一般式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
<3> 前記フェノール性水酸基を有する化合物が、2価のフェノール化合物のノボラック化物であるフェノール樹脂を含む<1>又は<2>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<4> 前記フェノール樹脂が、下記一般式(II−1)及び(II−2)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を有する化合物を含む<3>に記載のエポキシ樹脂組成物。
[一般式(II−1)及び(II−2)中、R21及びR24はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。R22、R23、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。m21及びm22はそれぞれ独立に0〜2の整数を示す。n21及びn22はそれぞれ独立に1〜7の整数を示す。]
<5> 前記フェノール樹脂が、下記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物を含む<3>に記載のエポキシ樹脂組成物。
[一般式(III−1)〜(III−4)中、m31〜m34及びn31〜n34はそれぞれ独立に、正の整数を示す。Ar31〜Ar34はそれぞれ独立に、下記一般式(III−a)で表される基及び下記一般式(III−b)で表される基のいずれかを示す。]
[一般式(III−a)及び(III−b)中、R31及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又は水酸基を示す。R32及びR33はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。]
<6> 前記硬化剤に占めるフェノール化合物の含有率が、5質量%〜80質量%である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<7> 前記無機フィラーが、α−アルミナを含むアルミナフィラーを含む<1>〜<6>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<8> 前記アルミナフィラーの含有率が、全固形分の全体積中の60体積%〜90体積%である<7>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<9> 前記ピーク面積の割合が、0.40〜0.80の範囲である<1>〜<8>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<10> <1>〜<9>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物のシート状成形体である樹脂シート。
<11> <1>〜<9>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の半硬化体である半硬化エポキシ樹脂組成物。
<12> <1>〜<9>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化体である硬化エポキシ樹脂組成物。
<13> 金属板と、
前記金属板の少なくとも一方の面上に設けられる<1>〜<9>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、<10>に記載の樹脂シート若しくは<11>に記載の半硬化エポキシ樹脂組成物の硬化体又は<12>に記載の硬化エポキシ樹脂組成物を含む硬化エポキシ樹脂組成物層と、
を有する金属基板。
本発明によれば、樹脂シートの柔軟化と、硬化後の高熱伝導性とが両立可能なエポキシ樹脂組成物並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いる樹脂シート、半硬化エポキシ樹脂組成物、硬化エポキシ樹脂組成物及び金属基板を提供できる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定におけるエポキシ樹脂のチャートを示す図である。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。更に、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、本明細書において「樹脂組成物層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー並びにそのオリゴマーを含むエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤と、無機フィラーと、を含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記オリゴマーの重量平均分子量が1000〜15000の範囲であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記エポキシ樹脂のチャートの全ピーク面積に占める前記オリゴマー由来のピーク面積の割合(オリゴマー由来のピーク面積/全ピーク面積)が、0.30〜0.80の範囲であるエポキシ樹脂組成物である。
本発明のエポキシ樹脂組成物をかかる構成とすることで、本発明のエポキシ樹脂組成物のシート状成形体である本発明の樹脂シートは高い柔軟性と、硬化後に優れた高熱伝導性を示す。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
〔エポキシ樹脂〕
本発明のエポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂は、エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー並びにそのオリゴマー(以下、エポキシオリゴマーと称することがある)を含む。本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー並びにそのオリゴマー以外のその他のエポキシモノマー及びそのオリゴマーを含有してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物がその他のエポキシモノマー及びそのオリゴマーを含有する場合、前記エポキシ樹脂に占めるその他のエポキシモノマー及びそのオリゴマーの合計量の割合は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
(エポキシモノマー)
本発明で用いられるエポキシモノマーは、エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシ化合物であれば特に限定されるものではない。本発明で用いられるエポキシモノマーとしては、例えば、下記一般式(I)及び下記一般式(II)(特開2011−98952号公報に記載)で表されるエポキシ化合物が挙げられる。これらの中でも、硬化剤として後述の特定フェノール樹脂とを組み合わせることで、エポキシ樹脂組成物の硬化物が高い熱伝導性を示すことから、下記一般式(I)で表されるエポキシ化合物が好ましい。
本発明で用いられるエポキシモノマーはエステル結合を有するエポキシ化合物であるところ、当該エポキシ化合物1分子中には、エステル結合が少なくとも1つ含まれていればよい。
上記一般式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
〜Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が挙げられる。
〜Rとしては、水素原子が好ましい。
ここで、メソゲン構造とは、分子間相互作用の働きにより結晶性又は液晶性を発現し易くするような分子構造のことを指す。具体的には、ビフェニル構造、フェニルベンゾエート構造、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、シクロヘキシルベンゼン構造、それらの誘導体等が代表として挙げられる。一般式(I)で表されるエポキシ化合物も、分子構造中にメソゲン基を有するエポキシ化合物の1種である。
(エポキシオリゴマー)
本発明で用いられるエポキシオリゴマーは、エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシ化合物のオリゴマーであれば特に限定されるものではない。
本発明で用いられるエポキシオリゴマーとしては、例えば、上記一般式(I)で表されるエポキシ化合物と、フェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤が反応して生成するオリゴマーが挙げられる。エポキシオリゴマーを調製する際に用いられるフェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤の具体例としては、後述の硬化剤の欄で挙げられる化合物を挙げることができる。
本発明において、エポキシオリゴマーとは、エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー由来の構造単位を含み、重量平均分子量が1000〜15000の化合物をいう。
前記エポキシオリゴマーは、一例として、一般式(I)で表されるエポキシ化合物を加熱融解させるか又は溶剤に溶解させ、必要に応じて硬化促進剤を添加し、フェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤を加えて、窒素雰囲気下で加熱撹拌することで得られる。
前記加熱撹拌温度及び撹拌時間は、エポキシ化合物及び硬化剤の種類に応じて適宜選択される。
本発明で用いられるエポキシオリゴマーについては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における重量平均分子量が、1000〜15000の範囲とされる。本発明で用いられるエポキシオリゴマーの重量平均分子量は、1000〜8000の範囲が好ましく、1000〜5000の範囲がより好ましい。
また、本発明で用いられるエポキシ樹脂については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定におけるエポキシ樹脂のチャートの全ピーク面積に占めるエポキシオリゴマー由来のピーク面積の割合(エポキシオリゴマー由来のピーク面積/全ピーク面積)が、0.30〜0.80の範囲とされる。エポキシオリゴマー由来のピーク面積の割合は、0.40〜0.80の範囲が好ましい。
エポキシオリゴマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定における、エポキシモノマーよりも高分子領域にあるピークから算出する。エポキシオリゴマー由来のピーク面積の割合は、全ピーク面積に対するエポキシオリゴマー由来のピーク面積の割合として算出する。なお、エポキシオリゴマーを含むエポキシ樹脂に、別途、エポキシモノマーを加えた場合も、エポキシオリゴマー由来のピーク面積の割合は、添加されたエポキシモノマーを含む全ピーク面積に対するエポキシオリゴマー由来のピーク面積の割合として算出する。
図1に、後述の実施例で用いられたエポキシ樹脂1についてのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で得られるチャートの一例を示す。図1中、符号2を付されたピークは、エポキシ化合物(エポキシモノマー)由来のピークであり、符号1を付されたピークは、エポキシオリゴマー由来のピークである。
上記GPC測定は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、得られたエポキシ樹脂をTHF中に浸漬し、半日放置する。その後、THF可溶分を0.45μmメンブランフィルターにて濾過し、濾液について、GPCの測定を行う。測定の際、溶離液には液体クロマトグラフィ用THFを用い、検出器には示差屈折率計を用いる。分子量は、標準ポリスチレンで換算して算出する。
〔硬化剤〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、フェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤を含有する。本発明において、フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール化合物及びフェノール樹脂が挙げられる。なお、本発明において、フェノール化合物とは、フェノール樹脂の原料(モノマー)となりうる、分子中に少なくとも一つのフェノール性水酸基を有する化合物をいう。
本発明で用いられる硬化剤に占めるフェノール性水酸基を有する化合物の割合は、30質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましく、80質量%〜100質量%が更に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、フェノール性水酸基を有する化合物として2価のフェノール化合物のノボラック化物であるフェノール樹脂(以下、「特定フェノール樹脂」と称する場合がある)を含むことが好ましい。
本発明で用いられるフェノール性水酸基を有する化合物に占める特定フェノール樹脂の割合は、10質量%〜100質量%が好ましく、30質量%〜100質量%がより好ましく、70質量%〜100質量%が更に好ましい。
2価のフェノール化合物としては、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,2−ナフタレンジオール、1,3−ナフタレンジオール等が挙げられる。2価のフェノール化合物のノボラック化物であるフェノール樹脂としては、これら2価のフェノール化合物をメチレン鎖で連結したフェノール樹脂であることが好ましい。2価のフェノール化合物を用いることで、エポキシ樹脂組成物の熱伝導性が向上し、更に耐熱性が向上する。
特定フェノール樹脂は、下記一般式(II−1)及び(II−2)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を有する化合物を含むことがより好ましい。
本発明で用いられる硬化剤に占める下記一般式(II−1)及び(II−2)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を有する化合物の割合は、30質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましく、70質量%〜100質量%が更に好ましい。
上記一般式(II−1)及び(II−2)において、R21及びR24はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。R21又はR24で表されるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、更に置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基等を挙げることができる。
21及びR24はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示すが、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は炭素数7〜13のアラルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
m21及びm22はそれぞれ独立に、0〜2の整数を表す。m21が2の場合、2つのR21は同一であっても異なっていてもよく、m22が2の場合、2つのR24は同一であっても異なっていてもよい。本発明において、m21及びm22はそれぞれ独立に、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
また、n21及びn22はそれぞれ独立に、1〜7の整数を表し、一般式(II−1)で表される構造単位又は一般式(II−2)で表される構造単位の含有数をそれぞれ示す。
上記一般式(II−1)及び(II−2)においてR22、R23、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R22、R23、R25又はR26で表されるアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、置換基を更に有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基等を挙げることができる。
本発明におけるR22、R23、R25及びR26としては、保存安定性と熱伝導性の観点から、水素原子、アルキル基、又はアリール基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
更に、耐熱性の観点から、R22及びR23の少なくとも一方、又はR25及びR26の少なくとも一方はアリール基であることもまた好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましい。
なお、上記アリール基は芳香族基にヘテロ原子を含んでいてもよく、ヘテロ原子と炭素の合計数が6〜12となるヘテロアリール基であることが好ましい。
前記特定フェノール樹脂は、一般式(II−1)で表される構造単位又は一般式(II−2)で表される構造単位を有する化合物を1種単独で含むものであってもよいし、2種以上を含むものであってもよい。前記特定フェノール樹脂は熱伝導性の観点から、一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物を少なくとも含むことが好ましく、一般式(II−1)で表され、レゾルシノールに由来する構造単位を有する化合物を少なくとも含むことがより好ましい。
上記一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物が、レゾルシノールに由来する構造単位を有する場合、更にレゾルシノール以外のフェノール化合物に由来する構造単位の少なくとも1種を更に含んでいてもよい。上記一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物におけるレゾルシノール以外のフェノール化合物に由来する構造単位としては、フェノール、クレゾール、カテコール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等に由来する構造単位を挙げることができる。上記一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物は、これらのフェノール化合物に由来する構造単位を1種単独でも、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
また、上記一般式(II−2)で表わされ、カテコールに由来する構造単位を有する化合物においても、カテコール以外のフェノール化合物に由来する構造単位の少なくとも1種を含んでいてもよい。上記一般式(II−2)で表される構造単位を有する化合物におけるカテコール以外のフェノール化合物に由来する構造単位としては、フェノール、クレゾール、カテコール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等に由来する構造単位を挙げることができる。上記一般式(II−2)で表される構造単位を有する化合物は、これらのフェノール化合物に由来する構造単位を1種単独でも、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
ここで、フェノール化合物に由来する構造単位とは、フェノール化合物の芳香環部分から1個又は2個の水素原子を取り除いて構成される1価又は2価の基を意味する。なお、水素原子が取り除かれる位置は特に限定されない。
一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物において、レゾルシノール以外のフェノール化合物に由来する構造単位としては、熱伝導性、接着性及び保存安定性の観点から、フェノール、クレゾール、カテコール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン及び1,3,5−トリヒドロキシベンゼンから選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位であることが好ましく、カテコール及びヒドロキノンから選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位であることがより好ましい。
また、一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物がレゾルシノールに由来する構造単位を含む場合、レゾルシノールに由来する構造単位の含有比率については特に制限はない。弾性率の観点から、一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物の全質量に対するレゾルシノールに由来する構造単位の含有比率は、55質量%以上であることが好ましく、Tgと線膨張率の観点から、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、熱伝導性の観点から、90質量%以上であることが特に好ましい。
上記一般式(II−1)及び(II−2)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を有する化合物の分子量は特に制限されない。流動性の観点から、数平均分子量(Mn)として2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、350〜1500であることが更に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)としては2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、400〜1500であることが更に好ましい。
これらMn及びMwは、GPCを用いた通常の方法により測定される。
上記一般式(II−1)及び(II−2)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を有する化合物の水酸基当量は特に制限されない。耐熱性に関与する架橋密度の観点から、水酸基当量は平均値で50g/eq〜150g/eqであることが好ましく、50g/eq〜120g/eqであることがより好ましく、55g/eq〜120g/eqであることが更に好ましい。
更に、特定フェノール樹脂は、下記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物を含むことも好ましい。
本発明で用いられる硬化剤に占める下記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物の割合は、30質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましく、70質量%〜100質量%が更に好ましい。
一般式(III−1)〜(III−4)中、m31〜m34及びn31〜n34はそれぞれ独立に、正の整数を示す。Ar31〜Ar34はそれぞれ独立に、下記一般式(III−a)で表される基及び下記一般式(III−b)で表される基のいずれかを示す。
一般式(III−a)及び(III−b)中、R31及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又は水酸基を示す。R32及びR33はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。
上記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物は、2価のフェノール化合物をノボラック化する後述の製造方法によって、副生成的に生成可能なものである。
上記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造は、フェノール樹脂の主鎖構造として含まれていてもよく、また、フェノール樹脂の側鎖の一部として含まれていてもよい。更に、一般式(III−1)〜(III−4)のいずれか1つで表される構造を構成するそれぞれの構造単位は、ランダムに含まれていてもよいし、規則的に含まれていてもよいし、ブロック状に含まれていてもよい。
また、上記一般式(III−1)〜(III−4)において、水酸基の置換位置は芳香環上であれば特に制限されない。
上記一般式(III−1)〜(III−4)のそれぞれについて、複数存在するAr31〜Ar34はすべて同一の原子団であってもよいし、2種以上の原子団を含んでいてもよい。なお、Ar31〜Ar34はそれぞれ独立に上記一般式(III−a)で表される基及び上記一般式(III−b)で表される基のいずれかを表す。
上記一般式(III−a)及び(III−b)におけるR31及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又は水酸基であり、熱伝導性の観点から水酸基であることが好ましい。また、R31及びR34の置換位置は特に制限されない。
また、上記一般式(III−a)におけるR32及びR33はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R32及びR33における炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。また、上記一般式(III−a)におけるR32及びR33の置換位置は特に制限されない。
上記一般式(III−1)〜(III−4)におけるAr31〜Ar34はそれぞれ独立に、本発明の効果、特に優れた熱伝導性を達成する観点から、ジヒドロキシベンゼンに由来する基(すなわち、上記一般式(III−a)においてR31が水酸基であって、R32及びR33が水素原子である基)、及びジヒドロキシナフタレンに由来する基(すなわち、上記一般式(III−b)においてR34が水酸基である基)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ここで「ジヒドロキシベンゼンに由来する基」とは、ジヒドロキシベンゼンの芳香環部分から2つの水素原子を取り除いて構成される2価の基を意味し、水素原子が取り除かれる位置は特に制限されない。また、「ジヒドロキシナフタレンに由来する基」についても同様の意味である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の生産性及び流動性の観点からは、Ar31〜Ar34はそれぞれ独立に、ジヒドロキシベンゼンに由来する基であることが好ましく、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)に由来する基及び1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)に由来する基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。更に、熱伝導性を特に高める観点から、Ar31〜Ar34は、レゾルシノールに由来する基を少なくとも含むことが好ましい。
また、熱伝導性を特に高める観点から、含有数がn31〜n34で表される構造単位は、レゾルシノールに由来する構造単位を少なくとも含んでいることが好ましい。
上記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物がレゾルシノールに由来する構造単位を含む場合、レゾルシノールに由来する構造単位の含有率は、一般式(III−1)〜(III−4)のうちの少なくとも1つで表される構造を有する化合物の総質量中において55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
上記一般式(III−1)〜(III−4)におけるm31〜m34及びn31〜n34についてはそれぞれ、流動性の観点から、m/n=20/1〜1/5であることが好ましく、20/1〜5/1であることがより好ましく、20/1〜10/1であることが更に好ましい。また、(m+n)は流動性の観点から20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、10以下であることが更に好ましい。なお、(m+n)の下限値は特に制限されない。ここでnがn31の場合、mはm31であり、nがn32の場合、mはm32であり、nがn33の場合、mはm33であり、nがn34の場合、mはm34である。
一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物であるフェノール樹脂は、特にAr31〜Ar34が置換又は非置換のジヒドロキシベンゼンに由来する基及び置換又は非置換のジヒドロキシナフタレンに由来する基の少なくともいずれか1種である場合、これらを単純にノボラック化したフェノール樹脂等と比較して、その合成が容易であり、軟化点の低いフェノール樹脂が得られる傾向にある。したがって、このようなフェノール樹脂を硬化剤として含むエポキシ樹脂組成物の製造及び取り扱いも容易になるという利点がある。
なお、上記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物については、例えば、電界脱離イオン化質量分析法(FD−MS)によって、そのフラグメント成分として前記構造が含まれていることを特定することができる。
上記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物の分子量は特に制限されない。流動性の観点から、数平均分子量(Mn)として2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、350〜1500であることが更に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)としては2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、400〜1500であることが更に好ましい。
これらMn及びMwは、GPCを用いた通常の方法により測定される。
上記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物の水酸基当量は特に制限されない。耐熱性に関与する架橋密度の観点から、水酸基当量は平均値で50g/eq〜150g/eqであることが好ましく、50g/eq〜120g/eqであることがより好ましく、55g/eq〜120g/eqであることが更に好ましい。
前記硬化剤は、フェノール化合物を含有していてもよい。前記硬化剤に占めるフェノール化合物の含有率は、熱伝導性、耐熱性、及び成形性の観点から、5質量%〜80質量%であることが好ましく、15質量%〜60質量%であることがより好ましく、20質量%〜50質量%であることが更に好ましい。
フェノール化合物の含有率が80質量%以下であることで、硬化反応の際に架橋に寄与しないフェノール化合物が少なくなり、架橋する高分子量体が多くなるため、より高密度な高次構造が形成され、熱伝導性が向上する。また、フェノール化合物の含有率が5質量%以上であることで、成形の際に樹脂が流動し易いため、フィラーと樹脂との密着性がより向上し、より優れた熱伝導性と耐熱性が達成できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の硬化剤の含有量は特に制限されない。硬化剤におけるフェノール性水酸基の活性水素の当量数(フェノール性水酸基の当量数)とエポキシ樹脂に含有されるエポキシ基の当量数との比(フェノール性水酸基の当量数/エポキシ基の当量数)が0.5〜2となることが好ましく、0.8〜1.2となることがより好ましい。
〔無機フィラー〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、無機フィラーを含有する。無機フィラーとしては、α−アルミナを含むアルミナフィラーが好ましい。フィラーとしてアルミナフィラーを用いることで、熱伝導性、成形性、接着性、機械的強度、及び電気絶縁性に優れ、α−アルミナを含むことで、更に熱伝導性、機械的強度、及び電気絶縁性に優れる。
前記アルミナフィラーは、必要に応じてα−アルミナ以外のアルミナを更に含んでいてもよい。α−アルミナ以外のアルミナとしては、γ−アルミナ、θ−アルミナ、δ−アルミナ等が挙げられる。熱伝導性の観点から、前記アルミナフィラーは、α−アルミナのみで構成されていることが好ましい。なお、アルミナフィラーの形状は丸み状であることが好ましい。アルミナフィラーの形状は走査型電子顕微鏡(SEM)によって確認することができる。
アルミナフィラーにおけるα−アルミナの存在は、X線回折スペクトルによって確認することができる。具体的には、特許第3759208号公報の記載に準じて、α−アルミナに特有のピークを指標としてα−アルミナの存在を確認することができる。
アルミナフィラーにおけるα−アルミナの含有率は、熱伝導性及び流動性の観点からアルミナフィラーの総体積の80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましく、100体積%であることが更に好ましい。α−アルミナの含有率が大きいアルミナフィラーを使用した場合は、一般式(I)で表されるエポキシ化合物に起因する高次構造形成力が大きく、より優れた熱伝導性が得られる傾向にある。なお、アルミナフィラーにおけるα−アルミナの含有率は、X線回折スペクトルによって確認することができる。
前記アルミナフィラーの含有率は特に制限されない。アルミナフィラーの含有率は、エポキシ樹脂組成物の全固形分の全体積中の60体積%〜90体積%であることが好ましい。エポキシ樹脂組成物におけるアルミナフィラーの含有率が60体積%以上であると熱伝導性により優れる。アルミナフィラーの含有率が90体積%以下であると成形性及び接着性がより向上する。アルミナフィラーの含有率は、熱伝導性を高める観点からエポキシ樹脂組成物の全固形分の全体積中の65体積%〜85体積%であることがより好ましく、70体積%〜85体積%であることが更に好ましい。
なお、本明細書におけるアルミナフィラーの含有率(体積%)は、次式により求めた値とする。
アルミナフィラーの含有率(体積%)={(Dw/Dd)/((Aw/Ad)+(Bw/Bd)+(Cw/Cd)+(Dw/Dd)+(Ew/Ed))}×100
ここで、各変数は以下の通りである。
Aw:エポキシ樹脂の質量組成比(質量%)
Bw:硬化剤の質量組成比(質量%)
Cw:硬化促進剤(任意成分)の質量組成比(質量%)
Dw:アルミナフィラーの質量組成比(質量%)
Ew:その他の任意成分(有機溶剤を除く)の質量組成比(質量%)
Ad:エポキシ樹脂の比重
Bd:硬化剤の比重
Cd:硬化促進剤(任意成分)の比重
Dd:アルミナフィラーの比重
Ed:その他の任意成分(有機溶剤を除く)の比重
前記アルミナフィラーは、横軸に粒子径を、縦軸に頻度をとった粒度分布曲線を描いた場合に単一のピークを有していてもよく、複数のピークを有していてもよい。粒度分布曲線が複数のピークを有するアルミナフィラーを用いることで、アルミナフィラーの充填性がより向上し、硬化エポキシ樹脂組成物としての熱伝導性がより向上する。
前記アルミナフィラーが粒度分布曲線を描いたときに単一のピークを有する場合、アルミナフィラーの重量累積粒度分布の小粒径側からの重量累積50%に対応する粒子径である平均粒子径(D50)は、熱伝導性の観点から、0.1μm〜100μmであることが好ましく、0.1μm〜50μmであることがより好ましい。また、粒度分布曲線が複数のピークを有するアルミナフィラーは、例えば、異なる平均粒子径(D50)を有する2種以上のフィラーを組み合わせて構成できる。
アルミナフィラーの平均粒子径(D50)は、レーザー回折法を用いて測定され、重量累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合に、重量累積が50%となる粒子径に対応する。レーザー回折法を用いた粒度分布測定は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製、LS230)を用いて行なうことができる。
前記アルミナフィラーの組み合わせについて、異なる平均粒子径を持つ2種類のフィラー群を組み合せる場合を例示すると、平均粒子径(D50)が10μm〜100μmであるアルミナフィラー(A)、及び平均粒子径(D50)がフィラー(A)の1/2以下であり0.1μm以上10μm未満であるアルミナフィラー(B)との混合フィラーを挙げることができる。前記混合フィラーはアルミナフィラーの総体積を基準(100体積%)として、アルミナフィラー(A)が60体積%〜90体積%、及びアルミナフィラー(B)が10体積%〜40体積%(ただし、アルミナフィラー(A)及び(B)の総体積%は100体積%である)の割合であると好適である。
また、異なる平均粒子径を持つ3種類のフィラー群を組み合わせる場合を例示すると、平均粒子径(D50)が10μm〜100μmであるアルミナフィラー(A’)、平均粒子径(D50)がアルミナフィラー(A’)の1/2以下であり1μm以上10μm未満であるアルミナフィラー(B’)、平均粒子径(D50)がアルミナフィラー(B’)の1/2以下であり0.1μm以上1μm未満であるアルミナフィラー(C’)との混合フィラーを挙げることができる。前記混合フィラーはアルミナフィラーの総体積を基準(100体積%)として、アルミナフィラー(A’)が30体積%〜89体積%、アルミナフィラー(B’)が10体積%〜40体積%、及びアルミナフィラー(C’)が1体積%〜30体積%(ただし、フィラー(A’)、(B’)、及び(C’)の総体積%は100体積%である)の割合であると好適である。
前記アルミナフィラー(A)及び(A’)の平均粒子径(D50)は、エポキシ樹脂組成物を後述の樹脂シートに適用する場合には、目標とする樹脂シートにおけるエポキシ樹脂組成物層の厚みに応じて適宜選択されることが好ましい。
他の制限が特にない場合には、前記フィラー(A)及び(A’)の平均粒子径は、熱伝導性の観点からは大きいほど好ましい。一方、エポキシ樹脂組成物層の厚みは、熱抵抗の観点からは必要な絶縁性が確保される範囲でなるべく薄くすることが好ましい。よって、前記フィラー(A)及び(A’)の平均粒子径は10μm〜100μmであることが好ましく、フィラー充填性、熱抵抗、熱伝導性の観点から10μm〜80μmであることがより好ましく、10μm〜50μmであることが更に好ましく、10μm〜30μmであることが特に好ましく、10μm〜20μmであることが極めて好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて平均粒子径(D50)が1nm以上100nm未満(0.001μm以上0.1μm未満)であるアルミナフィラーを更に含んでいてもよい。
マイクロ粒子サイズ(平均粒子径が1μm以上)のフィラーを高充填すると、フィラー表面とエポキシ樹脂との相互作用によりエポキシ樹脂組成物の粘度が著しく上昇し、これによって空気を巻き込んで気泡を内包し易くなる場合がある。また、フィラー同士が嵌合する頻度が高くなり、流動性が著しく低下する場合がある。これらの課題に対する解決策として、ナノ粒子サイズ(平均粒子径が100nm未満)のフィラーをエポキシ樹脂組成物に少量添加する方法が挙げられ、このことは特開2009−13227号公報にも示されている。
本発明のエポキシ樹脂組成物が、平均粒子径(D50)が1nm以上100nm未満(0.001μm以上0.1μm未満)であるアルミナフィラーを含む場合、該アルミナフィラーの含有率は特に制限はない。該アルミナフィラーの含有率は、エポキシ樹脂組成物の全固形分の全体積中の0.01体積%〜1体積%であることが好ましく、0.01体積%〜0.5体積%であることがより好ましい。平均粒子径(D50)が1nm〜100nm(0.001μm〜0.1μm)であるアルミナフィラーがエポキシ樹脂組成物の全固形分の全体積中の0.01体積%〜1体積%で含有されることで、マイクロ粒子サイズのアルミナフィラー間の潤滑性をより高め、かつエポキシ樹脂組成物の熱伝導性をより高める効果が期待できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じてアルミナフィラー以外の無機フィラーを更に含んでいてもよい。アルミナフィラー以外の無機フィラーとしては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、シリカ、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素等を挙げることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物がアルミナフィラー以外の無機フィラーを含む場合、その含有率は、アルミナフィラーに対して50体積%以下であることが好ましく、30体積%以下であることがより好ましい。
(硬化促進剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて硬化促進剤を更に含んでいてもよい。硬化促進剤を更に含むことでエポキシ樹脂組成物を更に十分に硬化させることができる。硬化促進剤の種類及び含有率は特に限定されず、反応速度、反応温度、保管性等の観点から、適切な種類及び含有率を選択することができる。硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
中でも、耐熱性の観点から、有機ホスフィン化合物、及び有機ホスフィン化合物と有機ボロン化合物との錯体からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
有機ホスフィン化合物としては、具体的には、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキルアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等が挙げられる。
また、有機ホスフィン化合物と有機ボロン化合物との錯体としては、具体的には、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムn−ブチルトリフェニルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
硬化促進剤は1種単独でも2種以上を併用して用いてもよい。後述の半硬化エポキシ樹脂組成物及び硬化エポキシ樹脂組成物を効率よく作製する手法として、エポキシモノマーとフェノール樹脂との反応開始温度及び反応速度が異なる2種類の硬化促進剤を混合して用いる方法が挙げられる。
硬化促進剤の2種以上を併用して用いる場合、混合割合は本発明の半硬化エポキシ樹脂組成物に求める特性(例えば、どの程度の柔軟性を必要とするか)によって特に制限されることなく決めることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合、エポキシ樹脂組成物中の硬化促進剤の含有率は特に制限されない。成形性の観点から、硬化促進剤の含有率はエポキシ樹脂と硬化剤の合計質量の0.5質量%〜1.5質量%であることが好ましく、0.5質量%〜1質量%であることがより好ましく、0.75質量%〜1質量%であることが更に好ましい。
(シランカップリング剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、シランカップリング剤の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。シランカップリング剤を添加する効果としては、無機フィラーの表面とその周りを取り囲むエポキシ樹脂の間で共有結合を形成する役割(バインダ剤に相当)を果たし、熱をより効率よく伝達する効果、及び水分の浸入を妨げることによって絶縁信頼性の向上する効果を挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物がシランカップリング剤を含む場合、シランカップリング剤の種類としては特に限定されず、市販のものから適宜選択することができる。一般式(I)で表されるエポキシ化合物及び硬化剤との相溶性、並びにエポキシ樹脂の硬化体とアルミナフィラーとの界面での熱伝導欠損を低減することを考慮すると、本発明においては、末端にエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤を用いることが好適である。
シランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するシランカップリング剤;などが挙げられる。また、SC−6000KS2に代表されるシランカップリング剤オリゴマー(日立化成テクノサービス株式会社製)を更に挙げることもできる。これらシランカップリング剤は1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記成分に加え、必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、分散剤等が挙げられる。分散剤としては、味の素ファインテック株式会社製アジスパーシリーズ、楠本化成株式会社製HIPLAADシリーズ、株式会社花王製ホモゲノールシリーズ等が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その他の成分として有機溶剤の少なくとも1種を更に含んでいてもよい。有機溶剤を含むことで、本発明のエポキシ樹脂組成物を種々の成形プロセスに適合させることが容易になる。有機溶剤としては通常用いられる有機溶剤から適宜選択することができる。具体的には、アルコール溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、アミド溶剤、芳香族炭化水素溶剤、エステル溶剤、ニトリル溶剤、スルホキシド溶剤等を挙げることができる。有機溶剤として具体的には、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶剤;γ−ブチロラクトン等のエステル溶剤;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド溶剤;などを用いることができる。これらは1種単独でも、2種以上を併用した混合溶剤として用いてもよい。
<樹脂シート>
本発明の樹脂シートは、本発明のエポキシ樹脂組成物のシート状成形体であり、必要に応じて離型フィルムをさらに含んで構成される。
樹脂シートは、PETフィルム等の離型フィルム上に、本発明のエポキシ樹脂組成物にメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の有機溶剤を添加して調製されるワニス状のエポキシ樹脂組成物(以下、「樹脂ワニス」ともいう)を、塗布後、乾燥することで製造することができる。
樹脂ワニスの塗布は公知の方法により実施することができる。具体的には、コンマコート法、ダイコート法、リップコート法、グラビアコート法等の方法が挙げられる。所定の厚みにエポキシ樹脂組成物層を形成するための塗布方法としては、ギャップ間に被塗工物を通過させるコンマコート法、ノズルから流量を調節した樹脂ワニスを塗布するダイコート法等を適用する。例えば、乾燥前のエポキシ樹脂組成物層の厚みが50μm〜500μmである場合は、コンマコート法を用いることが好ましい。
乾燥方法は、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる有機溶剤の少なくとも一部を除去できれば特に制限されず、通常用いられる乾燥方法から適宜選択することができる。
樹脂シートの密度は特に制限されないが、通常、3.0g/cm〜3.4g/cmとなる。樹脂シートの柔軟性と熱伝導率の両立を考慮すると、3.0g/cm〜3.3g/cmが好ましく、3.1g/cm〜3.3g/cmがより好ましい。
樹脂シートの密度は、例えば無機フィラーの配合量で調整することができる。
本発明の樹脂シートの厚みは、目的に応じて適宜選択することができる。例えばエポキシ樹脂組成物層の厚みとして50μm〜250μmとすることができ、熱伝導率、電気絶縁性及びシート可とう性の観点から、60μm〜200μmであることが好ましい。
<半硬化エポキシ樹脂組成物>
本発明の半硬化エポキシ樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂組成物に由来するものであり、本発明のエポキシ樹脂組成物を半硬化処理してなる。本発明の半硬化エポキシ樹脂組成物は、例えば、これをシート状に成形した場合に、半硬化処理していないエポキシ樹脂組成物からなる樹脂シートに比べて取り扱い性が向上する。
ここで、本発明の半硬化エポキシ樹脂組成物とは、半硬化エポキシ樹脂組成物の粘度が常温(25〜30℃)では10Pa・s〜10Pa・sであることに対して、100℃では10Pa・s〜10Pa・sに低下する特徴を有するものである。また、後述の本発明の硬化エポキシ樹脂組成物は加温によって溶融することはない。なお、上記粘度は動的粘弾性測定(DMA)(例えば、TAインスツルメンツ社製ARES−2KSTD)によって測定される。なお、測定条件は、周波数1Hz、荷重40g、昇温速度3℃/分であり、せん断試験により行う。
前記半硬化処理としては、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を100℃〜200℃で1分間〜30分間加熱する方法を挙げることができる。
<硬化エポキシ樹脂組成物>
本発明の硬化エポキシ樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂組成物に由来するものであり、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化処理してなる。本発明の硬化エポキシ樹脂組成物は熱伝導性に優れ、これは例えば、エポキシ樹脂組成物に含まれるエステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー並びにそのオリゴマーを含むエポキシ樹脂が、無機フィラーを中心に高次構造を形成しているためと考えることができる。また、本発明の硬化エポキシ樹脂組成物は耐熱性に優れる。
本発明の硬化エポキシ樹脂組成物は、未硬化状態の本発明のエポキシ樹脂組成物又は本発明の半硬化エポキシ樹脂組成物を硬化処理することで製造することができる。前記硬化処理の方法は、エポキシ樹脂組成物の構成、硬化エポキシ樹脂組成物の目的等に応じて適宜選択することができるが、加熱及び加圧処理であることが好ましい。
例えば、未硬化状態の本発明のエポキシ樹脂組成物又は本発明の半硬化エポキシ樹脂組成物を100℃〜250℃で1時間〜10時間、好ましくは130℃〜230℃で1時間〜8時間加熱することで硬化エポキシ樹脂組成物が得られる。
<金属基板>
本発明の金属基板は、金属板と、前記金属板の少なくとも一方の面上に設けられる本発明のエポキシ樹脂組成物、本発明の樹脂シート若しくは本発明の半硬化エポキシ樹脂組成物の硬化体又は本発明の硬化エポキシ樹脂組成物を含む硬化エポキシ樹脂組成物層と、を有する。
生産性を高める観点から、金属基板を大きなサイズで作製して電子部品を実装した後に、使用するサイズに切断することが好ましい。そのため、金属基板に用いる金属板は切断加工性に優れることが望ましい。
金属板としてアルミニウムを用いる場合、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金を材質として選定でき、その化学組成と熱処理条件により多種類のものが入手可能であるが、切削しやすい等の加工性が高く、かつ強度に優れた種類を選定することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<硬化剤1の合成方法>
撹拌機、冷却器及び温度計を備えた3Lのセパラブルフラスコに、レゾルシノール627g、カテコール33g、37%ホルムアルデヒド316.2g、シュウ酸15g及び水300gを入れ、オイルバスで加温しながら100℃に昇温した。104℃前後で還流し、還流温度で4時間反応を続けた。その後、水を留去しながらフラスコ内の温度を170℃に昇温した。170℃を保持しながら8時間反応を続けた。反応後、減圧下20分間濃縮を行い、系内の水等を除去して目的の硬化剤1であるフェノール樹脂を得た。
得られた硬化剤1についてFD−MSにより構造を確認したところ、一般式(II−1)及び(II−2)で表される構造の存在が確認できた。
〈実施例1〉
エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマーである4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル 4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート(エポキシ当量:212g/eq以下、「エポキシ樹脂A」ともいう)を195℃に加熱融解し、そこへ硬化剤としてレゾルシノール(水酸基当量:55g/eq)をエポキシ当量数:水酸基当量数が10:2になるように加え、窒素雰囲気下、195℃で3時間加熱することでエポキシオリゴマーを含むエポキシ樹脂1を得た。
続いて、エポキシ樹脂1の7.82部と、シランカップリング剤として、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン0.095部(信越化学工業株式会社製、KBM−573)と、硬化剤として上記硬化剤1の3.51部と、溶剤として、メチルエチルケトン14.95部と、アルミナボール120部(粒子径3mm)を混合し、40〜60時間ビッグロータで撹拌した。
さらに、無機フィラーとして、酸化アルミニウム90.2部(樹脂組成物全体積の74体積%に相当)(住友化学株式会社製、α−アルミナ:体積平均粒子径18μmアルミナ(AA−18)59.29部、体積平均粒子径3μmアルミナ(AA−3)21.68部、及び体積平均粒子径0.4μmアルミナ(AA−04)9.03部の混合物)と、硬化促進剤として、トリフェニルホスフィン0.039部を混合し、40時間ボールミル粉砕を行い、ワニス状のエポキシ樹脂組成物1を得た。
得られたエポキシ樹脂組成物1を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業株式会社製、75E−0010CTR−4、以下PETフィルムと略す)の離型面上に、厚みが約300μmになるようにアプリケーターで塗布し、常温で10〜15分放置した後に、100℃のボックス型オーブンで30分乾燥させて樹脂シート1を得た。
続いて、樹脂シート1の空気に触れていた上面をPETフィルムで覆い、真空熱プレス(上部熱板:150℃、下部熱板:80℃、真空度:1kPa以下、圧力:1MPa、処理時間1分)により加熱処理を行い、200μmの厚みを有する半硬化エポキシ樹脂組成物1を得た。
得られた半硬化エポキシ樹脂組成物1の両面からPETフィルムを剥がし、両面を105μm厚の銅箔(古河電気工業株式会社製、GTS箔)で挟み、真空熱プレス処理(上部下部熱板温度:150℃、真空度:1kPa以下、圧力:4MPa、処理時間7分)を行って、銅箔と半硬化エポキシ樹脂組成物層とを含む樹脂付金属箔を得た。
得られた樹脂付金属箔を、ボックス型オーブンで140℃/2時間、165℃/2時間
、190℃/2時間のステップキュアにより、両面に金属箔を有する硬化樹脂組成物を得
た。
続いて、両面に金属箔を有する硬化樹脂組成物から、銅のみを過硫酸ナトリウム溶液を用いてエッチング除去し、硬化エポキシ樹脂組成物1を得た。
[評価]
上記で得られたエポキシ樹脂1、樹脂シート1及び硬化エポキシ樹脂組成物1について、以下のように評価した。評価結果を表1に示す。
(柔軟性)
上記で得られた樹脂シート1を、直径4cmのマンドレルで屈曲試験したところ、亀裂が入ることなく、巻きつけられた。
(重量平均分子量)
上記で得られたエポキシ樹脂1に含まれるエポキシオリゴマーの重量平均分子量(Mw)を次のようにして測定した。まず、エポキシ樹脂1をTHF中に浸漬し、半日放置した。その後、THF可溶分を0.45μmメンブランフィルターにて濾過し、濾液について、GPC装置を用いて下記の測定条件にて重量平均分子量(Mw)を測定した。その結果、エポキシオリゴマーの重量平均分子量は、1800だった。また、そのエポキシオリゴマーのピーク面積の割合は0.43だった。
なお、エポキシオリゴマー由来のピーク面積の割合は、原料であるエポキシ化合物よりも高分子領域にあるピーク面積(図1に示すエポキシオリゴマーに係るピークの面積)の、全面積値(図1に示すエポキシオリゴマーに係るピークの面積とエポキシ化合物に係るピークの面積との合計)に対する割合として算出した。
〔測定条件〕
カラム:東ソー株式会社製、G4000HHR+G3000HHR+G2000HXR
カラム温度:40℃
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
試料濃度:5 g/l(THF可溶分)
注入量:20 μl
検出器:示差屈折率計(RI)
分子量較正標準物質:標準ポリスチレン
データ処理装置:東ソー株式会社製、GPC−8020
(熱伝導率)
上記で得られた硬化エポキシ樹脂組成物1の熱拡散率を、熱拡散率測定装置(NETZCH社製LFA447)を用いて、レーザーフラッシュ法により測定した。得られた熱拡散率に、別途測定した硬化エポキシ樹脂組成物1の比重及び比熱の値を掛け算して、熱伝導率を求めたところ、7.9W/mKだった。
なお、上記のワニス状のエポキシ樹脂組成物1及び樹脂シート1については、エポキシ樹脂と硬化剤の反応が、合成直後のエポキシ樹脂の段階からほとんど進行しないことをGPC測定で確認した。
〈実施例2〉
実施例1におけるエポキシ樹脂1の調製の際の硬化剤に上記硬化剤1を用いたこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂2を調製した。エポキシ樹脂2を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂シート2及び硬化エポキシ樹脂組成物2を得た。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1にまとめて示す。
〈実施例3〉
実施例1におけるエポキシ樹脂1の調製において、当量比をエポキシ当量数:水酸基当量数を10:3に変えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂3を調製した。エポキシ樹脂3を8.13部、硬化剤として硬化剤1を3.06部用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂シート3及び硬化エポキシ樹脂組成物3を得た。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1にまとめて示す。
<比較例1>
実施例1におけるエポキシ樹脂1の調製において、当量比をエポキシ当量数:水酸基当量数を10:1に変えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂4を調製した。エポキシ樹脂4を7.61部、硬化剤として硬化剤1を3.91部用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂シート4及び硬化エポキシ樹脂組成物4を得た。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1にまとめて示す。
<比較例2>
実施例2におけるエポキシ樹脂2の調製において、当量比をエポキシ当量数:水酸基当量数を10:0.5に変えた以外は実施例2と同様にしてエポキシ樹脂5を調製した。エポキシ樹脂5を7.50部、硬化剤として硬化剤1を4.12部用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂シート5及び硬化エポキシ樹脂組成物5を得た。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1にまとめて示す。
樹脂シートの柔軟性の評価基準は以下の通りである。
A:亀裂無く巻き取れる
B:亀裂はあるが巻き取れる
C:巻き取れない
表1から、実施例1〜3の樹脂シートは柔軟性に優れるのに対し、比較例1及び2の樹脂シートは柔軟性に劣る。また、実施例1〜3の硬化エポキシ樹脂組成物の熱伝導率は比較例1及び2と同等かそれ以上である。
なお、GPC面積割合が0.8以上又は重量平均分子量が15000以上のエポキシオリゴマーは、反応制御の観点から、樹脂シートへの適用は困難であった。
1 エポキシオリゴマー由来のピーク
2 エポキシ化合物(エポキシモノマー)由来のピーク

Claims (13)

  1. エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマー並びにそのオリゴマーを含むエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基を有する化合物を含む硬化剤と、無機フィラーと、を含有し、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記オリゴマーの重量平均分子量が1000〜15000の範囲であり、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における前記エポキシ樹脂のチャートの全ピーク面積に占める前記オリゴマー由来のピーク面積の割合(オリゴマー由来のピーク面積/全ピーク面積)が、0.30〜0.80の範囲であるエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エステル結合及びメソゲン構造を有するエポキシモノマーが、下記一般式(I)で表されるエポキシ化合物を含む請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。

    [一般式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
  3. 前記フェノール性水酸基を有する化合物が、2価のフェノール化合物のノボラック化物であるフェノール樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記フェノール樹脂が、下記一般式(II−1)及び(II−2)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を有する化合物を含む請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。

    [一般式(II−1)及び(II−2)中、R21及びR24はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。R22、R23、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。m21及びm22はそれぞれ独立に0〜2の整数を示す。n21及びn22はそれぞれ独立に1〜7の整数を示す。]
  5. 前記フェノール樹脂が、下記一般式(III−1)〜(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造を有する化合物を含む請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。




    [一般式(III−1)〜(III−4)中、m31〜m34及びn31〜n34はそれぞれ独立に、正の整数を示す。Ar31〜Ar34はそれぞれ独立に、下記一般式(III−a)で表される基及び下記一般式(III−b)で表される基のいずれかを示す。]

    [一般式(III−a)及び(III−b)中、R31及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又は水酸基を示す。R32及びR33はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。]
  6. 前記硬化剤に占めるフェノール化合物の含有率が、5質量%〜80質量%である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記無機フィラーが、α−アルミナを含むアルミナフィラーを含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記アルミナフィラーの含有率が、全固形分の全体積中の60体積%〜90体積%である請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 前記ピーク面積の割合が、0.40〜0.80の範囲である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物のシート状成形体である樹脂シート。
  11. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の半硬化体である半硬化エポキシ樹脂組成物。
  12. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化体である硬化エポキシ樹脂組成物。
  13. 金属板と、
    前記金属板の少なくとも一方の面上に設けられる請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、請求項10に記載の樹脂シート若しくは請求項11に記載の半硬化エポキシ樹脂組成物の硬化体又は請求項12に記載の硬化エポキシ樹脂組成物を含む硬化エポキシ樹脂組成物層と、
    を有する金属基板。
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