JP2016102621A - 固体燃料粉砕装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、内部で粉塵爆発の様相を呈する急速燃焼が発生した場合に、急速燃焼を検出して粉砕機を停止させることが開示されている。具体的には、粉砕機の内部に熱空気を供給する熱空気ダクト内の圧力から粉砕機の筐体内の上内部の圧力を減算して圧力差を検出し、この圧力差が負圧になった場合に粉砕機を停止させることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された粉砕機は、粉砕機の筐体内の上内部の圧力を検出する圧力検出器に故障が発生した場合に、誤って粉砕機を停止させてしまう可能性がある。
本発明の一態様に係る固体燃料粉砕装置は、固体燃料を粉砕する固体燃料粉砕装置であって、駆動部からの駆動力により回転する回転テーブルと、燃料供給部から前記回転テーブルに供給された前記固体燃料を粉砕するローラと、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、前記回転テーブルと前記ローラと前記分級部とを収容するハウジングと、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次空気を前記ハウジングの内部に送風する送風部と、基準圧力に対する前記ハウジングの内部圧力を検出する内部圧力検出部と、前記送風部が前記ハウジングの内部に送風する前記一次空気の流量を検出する一次空気流量検出部と、前記内部圧力検出部が検出する前記内部圧力が所定圧力以上となり、かつ前記流量検出部が検出する前記一次空気の流量が所定流量以下となった場合に、前記固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する制御部とを備える。
本態様の固体燃料粉砕装置は、ハウジング内部で発生した急速燃焼により、ハウジングの内部圧力が上昇して基準圧力に対して所定圧力以上となり、かつ一次空気の流量が減少して所定流量以下となる場合に、固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する。
ここで、ハウジングの内部圧力を検出する箇所は、ハウジングの内部の任意の位置とすることができる。例えば、分級部の内部を検出箇所としてもよいし、分級部の外部を検出箇所としてもよい。
このようにすることで、大気圧を基準とするゲージ圧力または真空を基準とする絶対圧力を検出する内部圧力検出部を用いて急速燃焼の発生を検出し、固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御することができる。
本構成によれば、内部圧力検出部と流量検出部のいずれか一方あるいは双方が故障する場合等、内部圧力検出部と流量検出部とによって急速燃焼の発生を適切に検出できない場合であっても、温度検出部によって急速燃焼の発生を適切に検出することができる。
本構成によれば、送風部による一次空気の送風を停止して固体燃料を燃焼させる一次空気を欠乏させることにより、固体燃料粉砕装置を停止状態とすることができる。
本構成によれば、燃料供給部による回転テーブルへの固体燃料の供給を停止して固体燃料を欠乏させることにより、固体燃料粉砕装置を停止状態とすることができる。
このようにすることで、急速燃焼の発生による高温かつ高圧力の気流がバーナ部へ伝搬することを防止し、微粉燃料と一次空気とがハウジングの内部に確実に封止されるようにすることができる。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、石炭等の固体燃料を粉砕し、微粉燃料を生成してボイラ200へ供給する装置である。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、ミル10と、給炭機20(燃料供給部)と、送風部30と、開閉弁40と、圧力検出部50と、流量検出部60と、温度検出部70と、窒素ガス供給部80と、制御部90とを備えている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる円筒状に形成されるとともに、回転テーブル12とローラ13と分級部16と、燃料供給部17とを収容する筐体である。
回転テーブル12の外側の複数箇所には、一次空気流路100aから流入する一次空気をハウジング11内の回転テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口(図示略)が設けられている。吹出口の上方にはベーン(図示略)が設置されており、吹出口から吹き出した一次空気に旋回力を与える。ベーンにより旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって回転テーブル12上で粉砕された固体燃料をハウジング11の上方の分級部16へ導く。なお、一次空気に混合した固体燃料の粉砕物のうち、粒径の大きいものは分級部16まで到達することなく落下して回転テーブル12に再び戻される。
分級部16は、ローラ13により粉砕された固体燃料を所定粒径(例えば、75μm)より小さい微粉燃料に分級する装置である。分級部16は、略円筒形状のハウジング11の円筒軸を中心に回転する複数の分級羽根を備えている。分級部16の分級羽根は、モータ18により駆動力を与えられ、ハウジング11の円筒軸を中心に回転する。
分級部16によって分級された微粉燃料は、出口19から供給流路41へ排出される。供給流路41へ流出した微粉燃料は、開閉弁40を通過してボイラ200のバーナ部220へ供給される。
送風部30は、熱ガス送風機30aと、冷ガス送風機30bと、熱ガスダンパ30cと、冷ガスダンパ30dとを備えている。
圧力検出部50は、検出したボイラ200の火炉210の内部圧力とハウジング11の内部圧力との差圧を制御部90へ出力する。
流量検出部60は、検出した一次空気流路100aを通過する一次空気の流量を制御部90へ出力する。
なお、以上では窒素ガス供給部80が窒素ガスを一次空気流路100aに供給するものとしたが、一次空気流路100aを経由せずに直接的に固体燃料粉砕装置100のハウジング11の内部へ供給するようにしてもよい。
また、制御部90は、開閉指示を開閉弁40に伝達することにより、開閉弁40を開状態または閉状態のいずれかとなるように制御することができる。
また、制御部90は、開度指示を窒素ガス供給部80に伝達することにより、調整弁82の開度を制御することができる。
ボイラ200は、火炉210とバーナ部220とを備えている。
エコノマイザ(図示略)において加熱された水は、蒸発器(図示略)および過熱器(図示略)によって更に加熱されて蒸気となり、蒸気タービン(図示略)に送られる。
図2に示すフローチャートにおける各処理は、制御部90が記憶部(図示略)に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。以下、図2に示すフローチャートにおける各処理について説明する。
ステップS202において、制御部90は、ハウジング11に流入する一次空気の流量の検出信号を流量検出部60から受信して、一次空気の流量を検出する。
ステップS203において、制御部90は、ミル10の出口19の温度の検出信号を温度検出部70か受信して、ミル10の出口19の温度を検出する。
図3に実線で示す閾値は、図3に破線で示す値よりもハウジング11の内部圧力が高くなっている。したがって、ある固体燃料供給量[t/h]に対して図3に実線で示す閾値よりもハウジング11の内部圧力が高くなる場合は、ハウジング11の内部で急速燃焼が発生していることを示す。
図4に実線で示す閾値は、図4に破線で示す値よりも一次空気の流量が低くなっている。したがって、ある固体燃料供給量[t/h]に対して図4に実線で示す閾値よりも一次空気の流量が少なくなる場合は、ハウジング11の内部で急速燃焼が発生し、一次空気をハウジング11に十分に供給できない状態になっていることを示す。
また、制御部90は、ハウジング11の内部に窒素ガス(イナートガス)が供給されるように調整弁82を制御して開状態とする。
また、制御部90は、開閉弁40が閉状態となるように制御する。
また、制御部90は、回転テーブル12の回転を停止させるよう駆動部14を制御する。
以上のように、制御部90は、固体燃料粉砕装置100の各部を停止状態へ移行させることにより、固体燃料粉砕装置100全体を停止状態へ移行させる。なお、停止状態へ移行させる移行処理は、各種の警報を行うものであってもよい。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100によれば、回転テーブル12とローラ13と分級部16とを収容するハウジング11内で急速燃焼が発生した場合、急速燃焼によってハウジング11の内部圧力が上昇するとともに、それによってハウジング11内部へ送風される一次空気の流量が減少する。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、ハウジング11内部で発生した急速燃焼により、ハウジング11の内部圧力が上昇して基準圧力(火炉210の内部圧力)に対して所定圧力以上となり、かつ一次空気の流量が減少して所定流量以下となる場合に、固体燃料粉砕装置100が停止状態となるよう制御する。
本実施形態によれば、圧力検出部50と流量検出部60のいずれか一方あるいは双方が故障する場合等、圧力検出部50と流量検出部60とによって急速燃焼の発生を適切に検出できない場合であっても、温度検出部70によって急速燃焼の発生を適切に検出することができる。
本実施形態によれば、送風部30による一次空気の送風を停止して固体燃料を燃焼させる一次空気を欠乏させることにより、固体燃料粉砕装置100を停止状態とすることができる。
本実施形態によれば、燃料供給部17による回転テーブル12への固体燃料の供給を停止して固体燃料を欠乏させることにより、固体燃料粉砕装置100を停止状態とすることができる。
このようにすることで、急速燃焼の発生による高温かつ高圧力の気流がバーナ部220へ伝搬することを防止し、微粉燃料と一次空気とがハウジング11の内部に確実に封止されるようにすることができる。
以上の説明において、圧力検出部50は、ボイラ200の火炉210の内部圧力を基準圧力とするものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、基準圧力として、大気圧力または真空圧力を用いるようにしてもよい。
このようにすることで、大気圧を基準とするゲージ圧力または真空を基準とする絶対圧力を検出する圧力検出部50を用いて急速燃焼の発生を検出し、固体燃料粉砕装置100が停止状態となるよう制御することができる。
11 ハウジング
12 回転テーブル
13 ローラ
14 駆動部
16 分級部
17 燃料供給部
20 給炭機
30 送風部
30a 熱ガス送風機
30b 冷ガス送風機
30c 熱ガスダンパ
30d 冷ガスダンパ
40 開閉弁
50 圧力検出部(内部圧力検出部)
60 流量検出部
61 オリフィス
70 温度検出部
82 調整弁
90 制御部
100 固体燃料粉砕装置
100a 一次空気流路
200 ボイラ
220 バーナ部
Claims (8)
- 固体燃料を粉砕する固体燃料粉砕装置であって、
駆動部からの駆動力により回転する回転テーブルと、
燃料供給部から前記回転テーブルに供給された前記固体燃料を粉砕するローラと、
前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、
前記回転テーブルと前記ローラと前記分級部とを収容するハウジングと、
前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次空気を前記ハウジングの内部に送風する送風部と、
基準圧力に対する前記ハウジングの内部圧力を検出する内部圧力検出部と、
前記送風部が前記ハウジングの内部に送風する前記一次空気の流量を検出する流量検出部と、
前記内部圧力検出部が検出する前記内部圧力が所定圧力以上となり、かつ前記流量検出部が検出する前記一次空気の流量が所定流量以下となる場合に、前記固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する制御部とを備える固体燃料粉砕装置。 - 前記分級部により分級された前記微粉燃料は該微粉燃料を燃焼させるバーナ部へ供給され、
前記内部圧力検出部は、前記バーナ部を有するボイラの火炉の内部圧力を前記基準圧力とし、該基準圧力に対する前記ハウジングの内部圧力を検出する請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記内部圧力検出部は、大気圧力または真空圧力を基準圧力とし、該基準圧力に対する前記ハウジングの内部圧力を検出する請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記ハウジングから前記微粉燃料が排出される出口の温度を検出する温度検出部を備え、
前記制御部は、前記温度検出部が検出する前記出口の温度が所定温度以上である場合に、前記固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記制御部は、前記送風部による前記一次空気の送風を停止することにより前記固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記燃料供給部を備え、
前記制御部は、前記燃料供給部による前記回転テーブルへの前記固体燃料の供給を停止することにより前記固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記出口から排出される前記微粉燃料をバーナ部へ供給する供給流路と、
該供給流路に設けられる開閉弁とを備え、
前記制御部は、前記開閉弁を閉状態とすることにより前記固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する請求項5または請求項6に記載の固体燃料粉砕装置。 - 駆動部からの駆動力により回転する回転テーブルと、燃料供給部から前記回転テーブルに供給された前記固体燃料を粉砕するローラと、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級する分級部と、前記回転テーブルと前記ローラと前記分級部とを収容するハウジングと、前記ローラにより粉砕された前記固体燃料を前記分級部へ供給するための一次空気を前記ハウジングの内部に送風する送風部とを備える固体燃料粉砕装置の制御方法であって、
基準圧力に対する前記ハウジングの内部圧力を検出する内部圧力検出工程と、
前記送風部が前記ハウジングの内部に送風する前記一次空気の流量を検出する流量検出工程と、
前記内部圧力検出工程で検出される前記内部圧力が所定圧力以上となり、かつ前記流量検出工程で検出される前記一次空気の流量が所定流量以下となる場合に、前記固体燃料粉砕装置が停止状態となるよう制御する制御工程とを備える固体燃料粉砕装置の制御方法。
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