JP7224810B2 - 固体燃料粉砕装置及びこれを備えた発電プラント並びに固体燃料粉砕の制御方法 - Google Patents
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Description
これに対して、ガス供給部によって、支持アームとローラカバーとの間の空間にガスを供給することとした。これにより、支持アームとローラカバーとの間の固体燃料の粉砕粒の濃度が他の部位(例えば回転テーブル上部の領域)よりも大きくなる部分や、ガス流れに淀みが生じる領域があり、固体燃料の粉砕粒の堆積しやすい雰囲気になることを抑制することができる。また、供給したガスが堆積し始めた固体燃料の粉砕粒の一部を吹き飛ばすことにより、固体燃料の粉砕粒の堆積が進むことを抑制することができる。
ガス供給部から供給されるガスとしては、例えば空気が用いられる。
ガス供給部から供給されるガスの供給圧力は、例えば、2kPa以上10kPa(ゲージ圧)以下とされる。この供給流量は、固体燃料粉砕装置のパージエア(搬送用一次空気)の流量の0.1%以下とされているので、常にガス供給が可能であり、補機動力を新たに増加するレベルには無い。
固体燃料としては、例えば石炭燃料だけでなくバイオマス燃料も用いることができる。バイオマス燃料は、石炭燃料に比べて堆積しやすいので特に好適である。
ノズルを取り外した際には、ローラカバーに形成された取付穴を塞ぐ蓋部を取り付けることが好ましい。
図1に示すように、本実施形態に係る発電プラント1は、固体燃料粉砕装置100と、蒸気を生成するボイラ200と、ボイラ200で生成された蒸気を用いて発電する発電部(図示せず)とを備えている。
なお、本実施形態では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの「上」とは鉛直上側の部分を示している。また同様に「下」とは鉛直下側の部分を示している。
ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる筒状に形成されるとともに、回転テーブル12とローラ13と分級機16と、燃料供給部17とを収容する筐体である。
ハウジング11の天井部42の中央部には、燃料供給部17が取り付けられている。この燃料供給部17は、バンカ21から導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
回転テーブル12は、平面視円形の部材であり、燃料供給部17の下端部が対向するように配置されている。回転テーブル12の上面は、例えば、中心部が低く、外側に向けて高くなるような傾斜形状をなし、外周部が上方に曲折した形状をなしていてもよい。燃料供給部17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭燃料やバイオマス燃料)を上方から下方の回転テーブル12に向けて供給し、回転テーブル12は供給された固体燃料をローラ13との間で粉砕するもので、粉砕テーブルとも呼ばれる。
図1では、ローラ13が代表して1つのみ示されているが、回転テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数のローラ13が対向して配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つのローラ13が周方向に均等な間隔で配置される。この場合、3つのローラ13が回転テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、回転テーブル12の回転中心軸からの距離が等距離となる。
分級機16によって分級された微粉燃料は、出口19から供給流路(粉砕後燃料排出部)100bへ排出され、一次空気とともに搬送される。供給流路100bへ流出した微粉燃料は、ボイラ200のバーナ部220へ供給される。
なお、熱ガス送風機30aが送風する一次空気に、ガス再循環通風機を介して電気集塵機など環境装置を通過したボイラ200から排出された燃焼ガスの一部を導き、混合気とすることで、一次空気流路100aから流入する一次空気の酸素濃度を調整してもよい。
次に、ミル10に設けたローラカバー52のシールエア(ガス)供給構造について説明する。
図2に示すように、本実施形態のローラカバー52は、ハウジング11に対して例えば周方向に均等に3つ設けられている。各ローラカバー52は、ハウジング11に対して外周方向に膨出するように取り付けられている。図1に示したように、各ローラカバー52は、各ローラ13の各支持アーム47に対応した位置に設けられている。
図2に示すように、各ローラカバー52には、熱電対等の温度計測部53が設けられていて、各支持アーム47と各ローラカバー52との間の空間もしくはこの空間に接する構造部位の温度を計測する。温度計測部53の出力は、制御部50へと送られる。
各ノズル54の基端部54aには、流量調整弁56を介して、可撓性を有するフレキシブル配管58が接続されている。各流量調整弁56は、制御部50(図1参照)によって開度が制御される。具体的には、各流量調整弁56の下流に設けたシールエア用圧力計57(図4参照)の出力値を制御部50で得て、各シールエア用圧力計57の圧力が均等となるように制御部50が各流量調整弁56の開度を調整する。これにより、各ノズル54から略同じ流量のシールエア(本実施形態では空気)が供給されるようになっている。各流量調整弁56が、制御部50によって流量調整をしない場合は、手動弁としてもよい。この場合、シールエア用圧力計57の指示値を確認しながら、各ノズル54のシールエア用圧力計57の指示値が同じになるよう、各流量調整弁(手動弁)56の開度を手動で調整する。
粉砕する固体燃料としてバイオマス燃料を使用する際には、各ローラカバー52に対してノズル54を各々取り付ける。具体的には、ローラカバー52のミル外側から一側壁部52aから他側壁部52bへ向けてノズル54を挿入し貫通させる。このときに、ノズル側フランジ64に形成した矢印68(図3参照)の向きを確認しながら、ノズル54の吹出方向が下向きとなって適正な向きになるようの長手軸線回りの角度を調整しながらノズル54を挿入し貫通させる。また、図4に示すように、他側壁部52bに形成されたノズル用開口部52b1からノズル54の位置を目視で確認しながらノズル54を貫通するように挿入させる。ノズル54の挿入が完了すると、ミル外側からノズル側フランジ64と蓋部72を取り付け、ミル10内部の粉砕物が漏洩しないように封止する。
また、制御部50は、温度計測部53の温度が所定値を下回った場合には、流量調整弁56の開度を、開度増大前の初期値に戻す。
また、制御部50は、ミル差圧が所定値を下回った場合には、流量調整弁56の開度を、開度増大前の初期値に戻す。
回転テーブル12とローラ13との間でバイオマス燃料を粉砕することによって、粉砕粒がミル10の内部に広がり、粉砕粒の安息角以上の傾斜を有していない部位に粉砕粒が堆積しやすくなる。特に、支持アーム47とローラカバー52との間には安息角以上の傾斜が有していない部位が存在する部分や、ガス流れに淀みが生じる領域があり、あるいは、支持アーム47とローラカバー52との間が狭く粉砕粒がブリッジを形成して堆積の起点となるおそれがある。
これに対して、ノズル54によって、支持アーム47とローラカバー52との間にシールエアを供給することとした。これにより、支持アーム47とローラカバー52との間の粉砕粒の濃度が他の部位(例えば、回転テーブル12の上部で、分級機16よりも下部の領域で、ミル10の内部では粉砕粒の濃度が高い状態にあるとされる領域)よりも十分に小さくなり、粉砕粒の堆積を抑制することができる。
10 ミル(粉砕部)
11 ハウジング
12 回転テーブル
13 ローラ(粉砕ローラ)
14 駆動部
16 分級機
16a ブレード
17 燃料供給部
18 モータ
19 出口
20 給炭機(燃料供給機)
21 バンカ
22 搬送部(燃料供給機)
23 モータ(燃料供給機)
24 ダウンスパウト部
30 送風部
30a 熱ガス送風機
30b 冷ガス送風機
30c 熱ガスダンパ(第1送風部)
30d 冷ガスダンパ(第2送風部)
40 状態検出部(差圧取得部)
41 底面部
42 天井部
45 ジャーナルヘッド
47 支持アーム
48 支持軸
49 押圧装置
50 制御部
52 ローラカバー
52a 一側壁部
52b 他側壁部
52b1 ノズル用開口部
53 温度計測部
54 ノズル(ガス供給部)
54a 基端部
54b 先端部
56 流量調整弁
57 シールエア用圧力計
58 フレキシブル配管
60 元弁
62 供給配管
64 ノズル側フランジ
65 ローラカバー側フランジ
66 ボルト
68 矢印(表示部)
70 吹出口
70a 壁部側吹出口(吹出口)
70b 中央側吹出口(吹出口)
72 蓋部
74 フック(保管部)
76 保管箱(保管部)
100 固体燃料粉砕装置
100a 一次空気流路(一次ガス供給部)
100b 供給流路(粉砕後燃料排出部)
200 ボイラ
210 火炉
220 バーナ部(燃焼装置)
Claims (17)
- 回転テーブルと、
前記回転テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、
前記粉砕ローラを支持する支持アームと、
前記支持アームの外周側に設けられたローラカバーと、
前記支持アームと前記ローラカバーとの間の空間にガスを供給するガス供給部と、
を備えている固体燃料粉砕装置。 - 前記ガス供給部は、吹出口を備えるノズルとされている請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記ノズルは、前記ローラカバーの一側壁部から該一側壁部に対向する他側壁部を貫通して取り付けられている請求項2に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記吹出口は、前記ノズルの長手方向に所定間隔を空けて複数設けられ、
前記一側壁部および/または前記他側壁部に最も近い前記吹出口は、他の前記吹出口よりも開口面積が大きい請求項3に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記ノズルは、前記ローラカバーに対して着脱可能とされている請求項2から4のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記ローラカバーに、前記ローラカバーから取り外した前記ノズルを保管するフックが設けられている請求項5に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記ノズルは、前記吹出口から吹き出されるガスの吹出方向を示した表示部を備えている請求項2から6のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記ノズルは、複数の前記ローラカバーに対してそれぞれ設けられている請求項2から7のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- それぞれの前記ノズルは、対応する前記ローラカバーに対して、同じ方向から挿入される請求項8に記載の固体燃料粉砕装置。
- それぞれの前記ノズルは、流量調整弁を備えている請求項8又は9に記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記流量調整弁を制御する制御部と、
前記ローラカバーと前記支持アームとの間の空間の温度を計測する温度計測部と、
を備え、
前記制御部は、前記温度計測部の温度が所定値を超えた場合に、前記流量調整弁の開度を増大させる請求項10に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記回転テーブル及び前記粉砕ローラを収容するハウジングと、
前記流量調整弁を制御する制御部と、
前記ハウジングの内部へ搬送用一次ガスを供給する一次ガス供給部と、
粉砕後の固体燃料が排出される粉砕後燃料排出部と、
前記一次ガス供給部と前記粉砕後燃料排出部との差圧を得る差圧取得部と、
を備え、
前記制御部は、前記差圧取得部で得られた差圧が所定値以上の場合に、前記流量調整弁の開度を増大させる請求項10に記載の固体燃料粉砕装置。 - 各前記ノズルは、フレキシブル配管を介して、共通の供給配管に接続されている請求項8から12のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
- 前記供給配管には、元弁が設けられている請求項13に記載の固体燃料粉砕装置。
- 請求項1から8のいずれかに記載された固体燃料粉砕装置と、
前記固体燃料粉砕装置にて粉砕された固体燃料を燃焼して蒸気を生成するボイラと、
前記ボイラによって生成された蒸気を用いて発電する発電部と、
を備えている発電プラント。 - 回転テーブルと、
前記回転テーブルとの間で固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、
前記粉砕ローラを支持する支持アームと、
前記支持アームの外周側に設けられたローラカバーと、
を備えた固体燃料粉砕装置の制御方法であって、
前記支持アームと前記ローラカバーとの間の空間にガスを供給する固体燃料粉砕装置の制御方法。 - 前記支持アームと前記ローラカバーとの間の空間に供給されるガスの流量を調整することによって、前記ローラカバーと前記支持アームとの間の空間における粉砕粒の濃度を、前記回転テーブル上部の領域よりも小さくする請求項16に記載の固体燃料粉砕装置の制御方法。
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