JP2000140662A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JP2000140662A
JP2000140662A JP31229098A JP31229098A JP2000140662A JP 2000140662 A JP2000140662 A JP 2000140662A JP 31229098 A JP31229098 A JP 31229098A JP 31229098 A JP31229098 A JP 31229098A JP 2000140662 A JP2000140662 A JP 2000140662A
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pulverizing
roller
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jet
roller mill
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JP31229098A
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English (en)
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Kazunori Sato
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Nobuyasu Meguri
信康 廻
Hiroyuki Kako
宏行 加来
Hideo Mitsui
秀雄 三井
Tadashi Hasegawa
忠 長谷川
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体原料を微粉砕するローラミルに係わり、
回転テーブル上の原料粉層に対し気流を吹きつけて自励
振動を抑制すること。 【解決手段】 粉砕ローラ1と、粉砕ローラが転動する
粉砕レース32を円周側に刻設した回転テーブル2と、
を備えた粉砕部での粉層に対して、ノズル10から気体
噴流を吹き付けるローラミルであって、気体噴流の向き
が回転テーブルの回転中心に向くようにノズルから噴射
するとともに、回転テーブル2の回転軸を通る鉛直面内
における気体噴流の噴流中心軸の回転テーブル面に対す
る傾斜角度θjを 45゜<θj<70゜の範囲から選
定すること。気体噴流の中心軸と粉砕レースの交点を、
粉砕ローラの噛み込み側先端からの鉛直線と粉砕レース
との交点と、一致させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭などの固体燃
料や固体原料を微粉砕するローラミルに係わり、特に回
転テーブル上の原料粉層に対し気流を吹きつけて、自励
振動を抑制する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭焚きボイラでは、低公害燃焼(低N
Ox、低灰中未燃分)や広域負荷運用が行われ、それに
ともない微粉炭機(ミル)も高い性能や信頼性が要求さ
れている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプとし
て、最近では、回転テーブルと複数個のタイヤ型ローラ
で粉砕を行う堅型のローラミルが広く用いられており、
特に日本国内や先進諸国では、代表機種としての地位を
固めている。
【0004】ここでは、図33のように、ローラミルの
一般的な構成を述べる。この種のミルは、円筒型をした
ハウジング6の下部にあって電動機(モータ)で駆動さ
れ減速機を介して低速回転する略円台状の回転テーブル
2と、その回転テーブル2の外周部の上面において円周
方向へ等分する位置へ油圧あるいはスプリング等で圧加
されて回転する複数個の粉砕ローラ1を備えている。原
料供給管(センターシュート)4から供給された粉砕原
料4は回転テーブル2上に落下し、回転テーブル2上に
おいて遠心力によりうず巻状の軌跡を描いて回転テーブ
ル2の外周へ移動し、回転テーブル2の粉砕レースと粉
砕ローラ1の間にかみ込まれて粉砕される。
【0005】ハウジング6の下部には、ダクトを通して
熱風(1次空気)9が導かれており、この熱風(1次空
気)9が回転テーブル2とハウジング6の間にあるエア
スロートのスロートベーン8の間を通して吹き上ってい
る。粉砕後の微粉体は、エアスロートから吹き上る熱風
(1次空気)9によって、ハウジング6内を上昇しなが
ら乾燥される。ハウジング6の上へ輸送された粉粒体
は、粗いものから重力により落下し(1次分級)、粉砕
部で再粉砕される。この1次分級部を貫通したやや細か
な粉粒体は、ハウジング6の上部に設けた固定式分級機
(サイクロンセパレータ)あるいは回転式分級機(ロー
タリーセパレータ)7で再度分級される。
【0006】所定の粒径より小さな微粉は、気流により
搬送され、ボイラでは微粉炭バーナへと送られる。分級
機を貫通しなかった所定粒径以上の粗粉は、回転テーブ
ル2の上へ重力により落下し、ミル内へ供給されたばか
りの原料といっしょに再度粉砕される。このようにし
て、ミル内では粉砕が繰り返され、製品微粉が生成され
ていく。
【0007】ローラミルを低負荷で運用する場合や、負
荷減少あるいは停止操作をする際に問題となるのはミル
の振動である。この振動現象は、炭層とローラのすべり
に起因する一種の摩擦振動であり、振動のタイプとして
は自励振動である。普通の石炭では、一定負荷運用の場
合ならば、低負荷領域(ミル内において石炭ホールドア
ップの少ない条件)にこの振動が激しくなることが多い
が、石炭種によってはかなりの高負荷時にも発生するこ
とがある。
【0008】ローラミルの粉砕部における状態が自励振
動を起こす条件に近いとき、粉砕レースの下の圧縮粉層
の粒度は細かくまた薄い。このような状態になると、粉
砕ローラ1のかみ込み部にもり上るようにたまる原料の
粉層が生じる。このもり上り粉層は空隙率が高いために
脆弱であり、粉砕ローラが滑ったりするために、粉砕ロ
ーラの軌道がなかなか安定しない。
【0009】このような微粉を取り除くための方法とし
て、空気噴流を吹きつける方法(エアブロー法)があ
り、多くの先行技術が提案されている。空気噴流を吹つ
ける方法は、ローラミルの異常振動の防止のみならず、
ミル停止時における残炭パージにも生かされる。
【0010】このエアブローに関する先行技術の主要な
ものとして、特公昭58ー57976号公報、実開昭6
0−79548号公報(本願の図31に図示する構
造)、特開昭62−49953号公報(本願の図32に
図示する構造)、特開昭63−171650号公報、実
開昭63−149242号公報、実開平05ー6053
2号公報、実開平05−95651号公報、特開平06
−246179号公報、等が挙げられる。
【0011】ローラミルの自励振動は、低負荷一定の運
用条件下のみならず、ミルの停止過程に発生しやすい。
まず、減負荷過程で自励振動が発生する。次いで、給炭
機停止後に自励振動が生じる。この給炭機停止後に生じ
る自励振動の後には、レース上の粉層が少なくなるの
で、強制振動が発生する。この強制振動は、振幅レベル
が急増するような自己増幅的な性質は無いものの、振幅
レベルはやはり高い、という点に問題がある。上記した
ローラミルの停止過程における振動は、いずれもエアブ
ロー法により軽減可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図31及び図32の図
示構造に示すような従来技術によれば、粉砕ローラのか
み込み部に生じる粉層の挙動を把握していないために、
エアブロー用の空気噴流の噴出方向及び噴流の衝突位置
が適切ではなく、振動の抑制に対し、必ずしも効果が生
せず、エアブロー用に多くの空気を消費していた。ま
た、粉砕性能が犠牲になって低下したり、あるいは粉砕
ローラの転動状態が不安定になる、という問題もあつ
た。
【0013】また、多くの先行技術では、粉層に吹きつ
けられる空気噴流のエネルギ−が有効に使われていなか
った。噴射される空気噴流の一部は、粉層を崩したり除
去したりするものの、残りの多くの空気流は、粉層上を
放射状に流下する。また、空気噴流と粉層の衝突点が粉
層の表面であるため、ローラのかみ込み点からは離れて
おり、空気噴流衝突の影響が、ローラの挙動に即座に反
映されにくい、という問題があった。
【0014】本発明の目的は、このような課題を踏えた
上で、少ない空気量で効果的に粉砕ローラの自励振動を
確実に防止し、また粉砕性能やローラの転動に悪影響を
与えることの無い最適なエアブロー法を提供することに
ある。
【0015】更に、本発明の目的は、上記した問題点を
解決し、新規で新しく、またより有効なローラミル用の
エアブロー装置及び方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0017】粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転動する
粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、を備え
て、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部での粉層
に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるローラミル
であって、前記気体噴流の向きが前記回転テーブルの回
転中心に向くように前記粉砕レースに対して傾けて前記
ノズルから噴射するとともに、前記回転テーブルの回転
軸を通る鉛直面内における前記気体噴流の噴流中心軸の
回転テーブル面に対する傾斜角度θjを 45゜<θj<70゜ の範囲から選定するローラミル。
【0018】また、粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転
動する粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、
を備えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部で
の粉層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるロー
ラミルであって、前記気体噴流の前記粉砕レース上での
衝突点、すなわち前記気体噴流の中心軸と前記粉砕レー
スの交点を、前記粉砕ローラの噛み込み側先端からの鉛
直線と粉砕レースとの交点と、一致させるローラミル。
【0019】また、粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転
動する粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、
を備えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部で
の粉層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるロー
ラミルであって、前記ノズルの先端と前記粉砕レース間
の距離(スタンドオフ距離)を、10mm以上110m
m未満の範囲に設定するローラミル。
【0020】また、粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転
動する粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、
を備えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部で
の粉層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるロー
ラミルであって、粉砕ローラの粉砕原料かみ込み側に生
じる粉層内に前記ノズルの先端を埋設し、前記粉層内で
気体流を噴射するようにしたローラミル。
【0021】また、粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転
動する粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、
を備えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部で
の粉層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるロー
ラミルであって、前記ノズルの先端と前記粉砕レース間
の距離(スタンドオフ距離)を、前記粉砕ローラの直径
の0.5%以上5.5%未満の範囲に設定するローラミ
ル。
【0022】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1の実施形
態に係る気流噴射装置を備えるローラミルの全体構造
を、縦方向断面図として描いたものである。本発明の第
1の実施形態の特徴は、この気流噴射装置にあるので、
まずはじめに、気流噴射装置の構成を具体的に説明す
る。
【0023】図2は、当該気流噴射装置を、粉砕ローラ
1のかみ込み側正面から見た構造図である。また、図3
は、粉砕ローラ1の側方向から見た気流噴射装置を示
す。図4は、この気流噴射装置を、粉砕ローラ1の上方
から見た図である。
【0024】図1〜図4の構造図に示すように、ブロー
用空気28は、マニホールド29を通じてハウジング6
内に導かれ、粉砕ローラ1のかみ込み側正面に至り、マ
ニホールド29に4個配列するように設置した空気ノズ
ル10から空気噴流11となって噴出する。この空気噴
流11は、外側(ミルハウジング側)から、粉砕レース
32上の原料粉層5に衝突し、粉砕ローラ1のかみ込み
側にもり上る原料粉層を吹き飛ばす。
【0025】図2に示すように、マニホールド29に
は、4個のノズルスタブ30が溶接止めされており、こ
のノズルスタブ30に空気ノズル10が設けられてい
る。この空気ノズル10は、外周に設けたプロテクト・
スリーブ33により、石炭粒子の衝突による摩耗から保
護されている。空気ノズル10の中心軸と、粉砕レース
32(平面とみなす)とのなす角度すなわち衝突角度θ
jは、結論的に云えば、本発明の第1の実施形態では6
0゜になっている。いろいろな実験の結果、後述するよ
うに、この衝突角度θjは、 45゜<θj<70゜ ……(1) より望ましくは 35゜<θj<65゜ ……(2) の条件範囲から選ぶのが好適である。この結果から、本
実施形態では、式(2)をもとに、θj=60゜と決定
した。また各空気ノズル10の出口と、粉砕レース32
間の最短距離、すなわちノズル−衝突面間の衝突距離X
sは、4個の空気ノズル1において、全て同一としてい
る。そして、この図2では、図1で描いた原料粉層5を
省略している。
【0026】次に、図3及び図4より分かるように、空
気ノズル10あるいは空気噴流11の中心軸の延長線
は、粉砕ローラ1のかみ込み側先端から、粉砕レース3
2上に鉛直に降ろした線の延長線つまりローラのかみ込
み鉛直線36は、粉砕レース32上のある点で一致す
る。即ち、噴流衝突(中心)点34はかみ込み点12に
一致するので、空気噴流を、粉砕ローラの先端の真下を
目がけて衝突させることになる。この噴流衝突点34
は、粉砕ローラ1の下に隠れる位置に相当する+下流側
としても、あるいは逆に粉砕ローラ1から遠ざかる−上
流側(前方にある粉砕ローラの微粉排出側に近づく)と
しても、粉砕抑制効果としては必ずしも十分ではない。
これらの特性については後述する。
【0027】図5は、空気ノズル10の構造を軸方向を
通る断面図として描いたものである。ブロー用空気28
は、空気供給流路34を通じて供給され、径が収縮する
しぼり部35を経て減圧加速され、出口におけるストレ
ート形状の噴出孔36から噴出して空気噴流11とな
る。本発明に係るこの空気ノズル10では、できるだけ
圧力損失を小さくするため、両振りつぼり角度θcを適
正化した。このしぼり角度θcは、以下の範囲、すなわ
ち 10゜<θc<30゜ ……(3) より望ましくは 17゜<θc<23゜ ……(4) であれば、圧力損失を低く抑えることができる。本実施
形態では、式(4)からθc=20゜と決定した。
【0028】また、同様に圧力損失を小さくし、また噴
流の貫通力を大きくするため、ストレート形状の噴出孔
36における長さLと孔径Dによる細長比L/Dは、 0.7<L/D<1.4 ……(5) の範囲から選定すればよい。本発明の実施形態では、L
/D=1.0とした。この形状であれば、空気流は、噴
出孔36内においてはく離や再付着の繰り返しといった
不安定な挙動を起こさない。また、圧力損失も十分に小
さく、噴出孔36の出口における乱れは小さい。したが
って、このようにして作り出された空気噴流11は、下
流まで十分に貫通するので、エアブロー用に適してい
る。
【0029】空気ノズル10の本体を、粒子衝突の摩耗
から保護するため、外周をプロテクトスリーブ33で囲
んでいる。また、プロテクトスリーブ33の先端は、空
気ノズル10の先端よりも先へ延ばすような形状として
いる。この場合、プロテクトスリーブ33の出口端と空
気噴流11の間には巻き込み流39が生じて、空気ノズ
ル10の先端面に粒子が衝突し摩耗するおそれがある。
そこで、空気ノズル10の先端面にはダイヤモンド被膜
38をコーティングする。このようにすることで、空気
ノズル10の健全性が確保される。
【0030】ここで、図1に戻り、ローラミルの全体構
成について説明する。基本的には、図33において従来
技術として説明したローラミルの構成とほぼ同一であ
る。粉砕原料4は、原料供給管(センターシュート)5
を通じて、ローラミルの上方から落下されるようにして
供給される。この粉砕原料4は、回転テーブル2上に落
下し、遠心力により外周側に運ばれ、粉砕ローラ1と、
回転テーブル2の外周側にはめ込まれている粉砕リング
31の上面すなわち粉砕レース32との間で圧縮される
ようにして粉砕される。
【0031】粉砕レース32上の原料粉層3に対して
は、前述したように、空気噴流11が吹つけられる。粉
砕ローラ1のシャフトは、背後からローラブラケットに
よって支えられる。ローラブラケット25の上部には、
ピボット26が設けられており、このピボット26を支
点として、粉砕ローラ1が振り子運動をするようになっ
ている。また、このピボット26は粉砕荷重の伝達点で
あり、粉砕荷重は、加圧フレーム27を通じて、上方か
ら押しつけられるようにして与えられる。
【0032】このようにして粉砕されて生成した微粒体
は、スロートベーン8を通じて導かれる熱風(一次空
気)9によりミル内を上方へ吹き上げられ、ハウジング
6内の上方にある回転分級機(ロータリーセパレータ)
7で粗粒が分離された後に、微粉炭となってミルから排
出され、ボイラの微粉炭バーナへと送られる。回転分級
機(ロータリーセパレータ)7で分級された粗粉は、粉
砕部において粉砕ローラにより再度粉砕される。このよ
うにして粉砕が繰り返され、粗い石炭粒子も微粉炭とな
り、微粉炭バーナへと輸送される。
【0033】図6は、本発明の第1の実施形態における
エアブローを行ったことによる粉砕部の挙動を、粉砕ロ
ーラ1の背後(ハウジング側)からの視図として模式的
に描いたものである。空気ノズル10から噴出した空気
噴流11は、粉砕ローラ1のかみ込み点12に向けて吹
きつけられ、粉砕ローラ1のかみ込み側に盛り上がって
いたエアブロー前の原料粉層5aは、押し崩されるよう
に除去される(5b)。
【0034】微粉が主体であるエアブロー前の原料粉層
5aの一部は、図7に示すように、回転テーブル2の中
央側へ押しやられる。一方、残りの微粉層は、ミルハウ
ジングの内部へ舞い上り、一次空気により吹き上げられ
る。このようにして、粉砕ローラ1が自励振動を起こす
きっかけとなるエアブロー前の原料粉層5aは除去され
るので、粉砕ローラ1は、エアブロー後の原料粉層5b
を安定に踏みつけるようにして転動することになる。
【0035】エアブローの噴流を、どのような角度でま
たどの位置を目がけて衝突させるかがきわめて重要であ
る。エアブローが、効率的な噴射条件からはずれると、
自励振動が抑まらないばかりか、粉砕特性に悪影響を及
ぼすこともあり得る。
【0036】図8は、噴流衝突角度θjに対する振動加
速度の低減割合α/α*を示すものである。この試験
は、自励振動を起こしているときにエアブローを実施
し、エアブロー前・後の特性を比較するものである(以
下図9〜図11の内容も同様)。加速度α*はエアブロ
ー前の自励振動時における振動加速度であり、そのレベ
ルは高い。一方、振動加速度αはエアブローした後の加
速度であり、効果的であれば自励振動が消滅するので、
振動加速度のレベルとしては小さくなる。縦軸における
加速度の低減割合α/α*は、小さなほど防振効果が大
きい、ということになる。
【0037】衝突角度θjが小さく0゜に近い場合に
は、振動加速度の低減効果はさほど強くはない。θjの
増大とともに振動抑制効果が大きくなって、α/α*
0.2程度となり、自励振動は消滅する。θj>70゜
になると、再び振動抑制効果が小さくなる。以上より、
45゜<θj<70゜の条件が、振動を抑制する上で好
適であると判断される。
【0038】本実施形態に係る方法でエアブローを行え
ば、粒層の一部が粉砕ローラに押しつけられるようにな
るので、粉砕トルクが上昇する傾向がある。これによっ
て粉砕動力が増大するため、粉砕ローラによる粉砕の威
力も向上する。しかしながら、粉砕トルクTの過度の上
昇は、減速機や電動機などの駆動系に対して大きな負担
を与えることになるため好ましくはない。したがって、
粉砕トルクの上昇は、できるだけ低く抑えることのでき
る条件を選定することにした。
【0039】図9は、噴流の衝突角度θに対する粉砕ト
ルクの変化割合T/T*の変化をまとめたものである。
縦軸の粉砕トルクは、エアブロー直後の粉砕トルクT
を、エアブロー前の粉砕トルクT*で割ることにより無
次元化したものである。したがって、T/T*の値が小
さな方が、エアブローによる粉砕トルクの変動が小さ
く、好適な条件である、ということになる。噴流の衝突
角度θjの上昇とともにT/T*はゆっくりと減少し、
θ=40゜〜80゜の領域でほぼ最低となり(ただしこ
の条件でもT/T*>1であり、粉砕トルクはエアブロ
ーにより上昇している)、θ>80゜になるとT/T*
は上昇する。
【0040】したがって、40゜<θ<80゜の衝突角
度において、粉砕トルクの変動を低く抑えることができ
る、ということになる。以上のことから、図8及び図9
の結果から、エアブローにとって有効な衝突角度θj
は、45゜以上70゜未満にあると判断される。
【0041】空気噴流を、どの位置を「的」にして衝突
させるかも大変に重要であり、振動加速度の低減効果や
粉砕トルクの状態に強く関与する。図10は、空気噴流
の衝突位置を、粉砕ローラ1のかみ込み点に(図6参
照)を境に、上流側(粉砕ローラ1とは反対方向)及び
下流側(粉砕ローラ1に押しつぶされる方向)に粉砕レ
ース32上で変化させて、振動加速度の変化割合を調べ
た結果である。噴流の衝突点がかみ込み点12より上流
になると、α/α*は上昇し、振動抑制の効果は乏しく
なる。
【0042】一方、噴流の衝突点が、粉砕ローラ1の真
下のB点に近づくと、これもまたα/α*が増大し防振
効果が小さくなる。結果的に、噴流の衝突点は、粉砕ロ
ーラ1のかみ込み点12とする方法において、最もα/
α*を小さくできること、すなわち振動抑制効果を最大
にできることが分かる。
【0043】図11は、図10に示す結果と同様に、噴
流衝突点の位置を変化させることにより、粉砕トルクT
の変化割合を調べたものである。粉砕トルクの変化割合
T/T*は、噴流衝突点が、粉砕ローラ1のかみ込み点
12に上流側から近づくほどゆるやかに減少する。一
方、T/T*は、かみ込み点12から粉砕ローラ1の真
下(B点)に近づくにつれて、勢いよく上昇する傾向が
みられる。これは、噴流の衝突点が粉砕ローラ1に近過
ぎると、気流により崩れた粉層が粉砕ローラ1に無理に
押し付けられるようになり、これを粉砕ローラ1が踏み
つけ乗り超えようとすることで、粉砕トルクが上昇する
ものと考えられる。
【0044】結果的に、噴流の衝突点を、座標軸上の
「0」即ち、かみ込み点12にすることで、粉砕トルク
の上昇を最小限に抑えることができる、と認められる。
以上から、振動加速度αの減少効果の拡大、ないし粉砕
トルクTの増加の抑制という観点から、噴流の衝突点を
粉砕ローラ1のかみ込み点とするようなエアブローの条
件が最適である、ということになる。
【0045】次に、本発明の第1の実施形態によって生
まれた効果を検証した試験結果について述べる。図12
は、給炭負荷に対する振幅の変化をまとめ、本実施形態
に係るエアブローを実施した例と従来技術(エアブロー
無しの場合)を比較したものである。横軸の給炭量Qc
は、定格給炭量Qc*で割ることにより、無次元化して
表した。一方、縦軸の振幅δocは、空回転時すなわち粉
砕ローラと粉砕レースがメタルタッチするときの振幅δ
oc*で割ることにより無次元化した。
【0046】従来技術では、低負荷域において自励振動
が発生し、振幅が急増しているのに対し、本実施形態に
係るエアブローを実施した場合には、振幅が著しく低く
抑えられていることが分かる。本発明の実施形態の場
合、実質的に自励振動は発生していない。この結果は、
ローラミルの幅広い運用域を対象としたものであるか
ら、本実施形態を適用すれば全負荷域において、給炭量
に変動の無い定常運用であれば、ローラミルを静粛に運
用できることが確認できたことになる。
【0047】図13は、負荷が減少する非定常過程にお
ける振動特性を、無対策時(エアプロー無し)と本発明
の実施形態とで比較したものである。無対策時における
振幅δoc1を「1」として、無次元化した。すなわち、
無対策時の振幅は、δoc/δoc1=1となる。これに対
して、本発明の実施形態に係るエアブローの場合、自励
振動が発生しないため振幅レベルは低く、δoc/δoc1
=0.21である。したがって、本発明によれば、給炭
負荷を減少させる非定常時においても、大きな振動抑制
効果が生まれることになる。
【0048】図14は、給炭機(コールフィーダー)を
停止してからミルが停止するまでの間に発生する振動の
レベルを比較したものである。エアブローを行わないと
きの振幅δoc2を「1」として無次元化した。したがっ
て、無対策時の振幅はδoc/δoc2=1となる。一方、
本実施形態に係るエアブローを行えば、振幅はδoc/δ
oc2=0.23であり、著しく振動を抑制できることが
分かる。この場合でも、自励振動の発達には至らなかっ
た。以上から、本発明のエアブロー法は、ローラミルの
停止過程においても顕著な防振効果があるものと認めら
れる。
【0049】図15は、給炭量に対する微粉粒度の変化
をまとめて、本発明の実施形態と従来技術とを比較した
ものである。図12と同様に横軸の給炭量Qcは、定格
給炭量Qc*で割ることにより無次元化して表した。一
方、微粉粒度qは、定格給炭負荷運用時(Qc=Q
*)の微粉粒度q*で割ることにより、相対粒度q/q
*として表している。一般的な傾向として、給炭量の増
加とともに粒度は粗くなる傾向がある。そして、本実施
形態に係るエアブローを実施したことによる微粉粒度
は、エアブローを行わないときの粒度とほぼ同等である
ことが分かる。以上より、本実施形態に係るエアーブロ
ーを実施しても、ローラミルの微粉生成能力にはほとん
ど影響を及ぼすことなく、自励振動を際立って抑制でき
ることが確認されたことになる。
【0050】以上の説明では、本発明の実施形態とし
て、粉砕ローラのかみ込み側の正面位置に設けたマニホ
ールドに、図1〜図4に示したように、空気を噴出する
ノズルを4個並べて設ける構造を示した。本発明はノズ
ルの数を変化させることにより、寸法や粉砕容量の異な
るローラミルへも適用することができる。
【0051】小型の小容量ローラミルでは、ノズルを1
個とすればよい。この場合、噴流の衝突点を、粉砕ロー
ラのかみ込み先端から鉛直下方へ、粉砕レース上へおろ
した位置とする。大型の大容量ローラミルでは、ノズル
を例えば7個とすることが考えられる。マニホールド上
に配列したノズルのうち、中央に位置するノズルでは、
その噴流の衝突点を、粉砕ローラのかみ込み先端から鉛
直下方へ、粉砕レース上へ降ろした位置とする。
【0052】次に、本発明の第2の実施形態について図
面を用いて以下説明する。図16は、本発明の第2の実
施形態に係るエアブロー装置を備えるローラミルの全体
構造を縦方向断面図として描いたものである。本実施形
態の特徴は、このエアブロー装置にあるので、まずはじ
めに、エアブロー装置の構成を具体的に説明する。
【0053】図17は、当該エアブロー装置を、粉砕ロ
ーラ1のかみ込み側正面から見た構造図である。粉砕ロ
ーラ1のかみ込み側に生じる粉層に吹きつけるための圧
縮空気11は、ミルの外部からマニホールド23に4個
配列したノズル10から噴出する。ノズル10の先端
は、粉砕レース26に近接しており、ノズル10から噴
出する空気流は周囲の粉層を吹き飛ばしながら、粉砕レ
ース26に吹きつけられるような状態となる。4本のノ
ズル10は、粉砕ローラ1の幅範囲内にほぼおさまるよ
うに、粉砕ローラ1の幅方向に対して等間隔で並んでい
る。各ノズル10間の隙間は、少なくとも70mm以上
とする。これは大きな原炭粒子でも、ノズルの間をすり
抜けられるようにするためである。一方、ノズル10の
出口と粉砕レース間のスタンドオフ距離Xsは、 10mm≦Xs≦110mm ……(6) もしくは、より望ましくは、 30mm≦Xs≦70mm ……(7) の範囲内で選定するようにする。上記(6),(7)の
条件は、大型のローラミルに適用できる条件であるの
で、中〜小型のローラミルに対しても適用できる一般的
な条件として、 粉砕ローラ直径の0.5%≦Xs≦粉砕ローラ直径の5.5% ……(8) あるいは、より望ましくは、 粉砕ローラ直径の1.5%≦Xs≦粉砕ローラ直径の3.5% ……(9) の範囲内で選定するようにする。上記式(6)〜式
(9)の条件を満足するようにノズル10を設置する
と、ノズル10の出口端は、空気流を噴射しない場合に
は、粉砕ローラ1のかみ込み部にたまる粉層中に埋もれ
ることになる。要するに、本実施形態においては、空気
流の吹き始めは、粉砕ローラ1のかみ込み側が流動層の
ような状態になる。
【0054】図18は、本発明の第2の実施形態につい
ての他の構成例であるが、マニホールド23に対し2本
のノズル10を設けた例である。ノズル10の本数を少
なくするのは、小型のローラミルの場合や、同一のエア
ブロー流量としてノズル10の開口径を大きくする場合
である。
【0055】図19は、ノズル10の構造を縦方向断面
図として描いたものである。圧縮空気11は、圧縮空気
供給流路13を通じて導かれ、しぼり部14で減圧加速
されて、スロート状の噴出孔15を経て、円錐形拡大出
口16からノズル10の外へ空気噴流12として噴射さ
れる。本ノズル10では、流動層内への噴出となる場合
もあり得るので、できるだけ圧力損失を少すくするため
に、しぼり部14のしぼり勾配をゆるやかにしている。
円錐形拡大出口16は、空気噴流12の貫通力を増幅す
ると同時に、空気噴流12に強い乱れを発生させて、粉
体を飛び散らせる威力を高めようとするためのものであ
る。
【0056】ここで図16に戻り、ローラミルの全体構
成について説明する。基本的には、図33において、従
来技術として説明したローラミルの構成とほぼ同一であ
る。粉砕原料4は、原料供給間(センターシュート)5
を通じて、ローラミルの上方から落下されるようにして
供給される。この粉砕原料4は、回転テーブル2の上に
落下し、遠心力により外周側に運ばれ、粉砕ローラ1と
回転テーブル2の外周側に運ばれ、粉砕ローラ1と回転
テーブル2の外周側にはめ込まれている粉砕リング25
の上面すなわち粉砕レース26との間で圧縮されるよう
にして粉砕される。
【0057】粉砕レース26上の原料粉層3に対して
は、前述したように、粉層の内部から空気噴流が吹き出
すようになる。粉砕ローラ1のシャフトは、背後からロ
ーラブラケット27によって支えられる。ローラブラケ
ット27の上部には、ピボット28が設けており、この
ピボット28を支点として、粉砕ローラが振り子運動を
するようになっている。また、このピボット28は粉砕
荷重28の伝達点であり、粉砕荷重30は、加圧フレー
ム29を通じて、上方から押しつけられるようにして与
えられる。
【0058】このようにして粉砕されて生成した粉粒体
は、スロートベーン9を通じて導かれる熱風(一次空
気)8によりミル内を上方へと吹き上げられ、ハウジン
グ6内の上方にある回転分級機(ロータリーセパレー
タ)7で粗粒から分離された後に、微粉炭となってミル
から排出され、ボイラの微粉炭バーナへと送られる。回
転分級機(ロータリーセパレータ)7で分級された粗粉
は、粉砕部において粉砕ローラ1により再粉砕される。
このようにして粉砕が繰り返され、粗い石炭粒しも微粉
炭となり、微粉炭バーナへと輸送される。
【0059】本発明の第2の実施形態では、全空気流量
を一定としてエアブローを行う。つまり、エアブロー側
に使う空気流量だけ回転テーブル2の外周のスロートか
ら吹き込む空気流量を減らすようにする。また、エアブ
ロー用の空気流量が全一次空気流量の6%以下におさえ
るようにしてエアブローを実施する。
【0060】まず、本実施形態の基礎となった実験結果
について述べる。図20は、粉層内にノズルを埋めて、
空気流を噴射する方法を模式的に描いたものである。管
体ノズル19に比べて十分に大きな容器17の中に粉層
18を入れ、その中に管体ノズルを深さxまで入れた状
態で、圧縮空気11を管体ノズルに供給する。深さxの
最大限度は、管体ノズルの先端が、容器17の底面20
に達したときである。
【0061】圧縮空気11を吹き始める瞬間は、当然の
ことながら圧力損失が大きく、粉層18は一時的に流動
層のような状態になるが、続いて図21のように、管体
ノズルの先端から吹き出して容器17の底面20に衝突
し放射状にひろがった上で、上方へ吹き上げる空気噴流
21の作用により、多くの粉体が容器17より吹き出
す。
【0062】図22は、使用する空気量を同じにする場
合において、ノズルの層内挿入距離に対する容器外へ吹
き飛んだ粉体量の関係を示すものである。横軸における
ノズルの層内挿入距離xは、ノズルを容器底面まで近づ
けた挿入距離x*で割ることにより無次元化して表し
た。一方、縦軸におけるブローされた粉体量Δmは、ブ
ローされた粉体量の最大値Δm*で割ることにより無次
元化されている。
【0063】ノズルが層内に深く入るほど、ブローされ
る粉体量が多くなることが分かる。ただし、ノズルが容
器底面に近づくほどブローされる粉体量も上限値へ漸近
するわけであるが、増加の傾向は「頭打ち気味」にな
る。このような「頭打ち気味」の特性が生じるときに
は、ノズルにおける圧力損失も急増するので、粉層をブ
ローする効果をできるだけ発揮し、一方で圧力損失がで
きるだけ少ないという特性が両立する条件を選び、ノズ
ルの位置決めとすれば良い。
【0064】図23は、本実施形態に係るエアブロー装
置を備えるローラミルの粉砕部の状態を模式的に描いた
ものである。ノズル10は、粉砕ローラ1の鉛直線24
上にあり、その出口が粉砕レース26に近接するように
設置されている。空気を吹いていない状態なので、ノズ
ル10は原料粉層3の中に埋もれている。
【0065】図24は、ノズル10から空気噴流21を
噴射したときの様相を模式的に描いたものである。粗粒
27はあまり吹き飛ぶことは無く、ほぼ連続的に粉砕ロ
ーラ1にかみ込まれて粉砕される。一方、微粉28の多
くは、エアブローの作用により吹き飛び、空気噴流21
に同伴して、ミルの上方へと吹き上げられる。このよう
な作用により、粉砕ローラ1の自励振動発生のきっかけ
になる微粉28の多くが除去されるので、自励振動時に
空気を噴射すると自励振動が消滅する。あるいは、連続
的にエアブローを行っていれば、自励振動は発生しな
い。
【0066】図25は、ミルの減負荷過程(図28の
)において発生する自励振動に対して、本実施形態に
係る空気流の噴射(エアブロー)を適用し、自励振動の
抑制効果を調べた結果である。無対策時(エアブロー無
し)において発生する自励振動の振幅を「1」として無
次元化して表した。本実施形態に係るエアブローを行っ
た場合には、振幅のレベルは1/3以下にまで大幅に低
下することが分かる。この水準であれば、自励振動まで
は増幅しておらず、実質的に自励振動は防止できたとい
うことになる。
【0067】図26は、給炭機停止後(図28の)に
おいて、本実施形態を適用した場合の自励振動抑制効果
を調べた結果である。図25と同様に、無対策の場合の
振動レベルを「1」とすると、本実施形態を実施した場
合は、振幅がおよそ1/3になるまで防振効果が効いて
いることが分かる。給炭機停止後に生じる自励振動は、
最も発生頻度が高くまた発生したときの振幅のレベルも
高いが、本実施形態を適用することで、自励振動の発生
をほぼ封止することができたといえる。
【0068】ミルがほぼ空になる時点(ミルが停止する
直前)では、回転テーブル上にわずかに残った粉層が原
因となって振動が発生する。この振動は自己増幅的な性
質が無いので「悪質」ではないものの、振幅が大きいた
め、できるだけ振動を軽減したい。
【0069】図27は、ミル停止直前の強制振動に対
し、本実施形態を適用した結果である。無対策の場合の
振動レベルを「1」として比較すると、本実施形態を実
施した場合には振動のレベルを約半分まで軽減できるこ
とがわかる。また、ミル停止操作時にこのような空気流
噴射を行うと、回転テーブル上の残炭が無くなるので、
回転テーブル上の自然発火の防止に対しても、本実施形
態の実施は効果がある。
【0070】本発明の第2の実施形態では、エアブロー
によるローラかみ込み部における分級つまりクッション
作用になる微粉の除去(分級促進)、スロートからの空
気流量減少による重力分級部からの戻り炭の増量による
くり返し粉砕の効率化(粉砕促進)、という多重の作用
によりミル出口微粉粒度が細かくなり、結果的に粉砕性
能が高まる。
【0071】全空気流量の中でエアブロー用の割合が6
%を超えると、ローラのかみ込み部で粗い粒子までも飛
散し始め(分級能力低下)、また重力分級部からの戻り
炭が増え過ぎるようになる。したがって、エアブロー用
に回す空気流量は、全空気量の6%以下になるように設
定するのが望ましい。
【0072】以上の説明では、図16〜図18に示すよ
うに、粉砕ローラ及び粉砕レースの粉砕面の断面形状が
略円弧となるローラミルを対象に、本発明の実施形態を
述べてきた。
【0073】しかしながら、本発明は、図29に示すよ
うに、断面形状が略台形のローラ23及びフラットな形
状のテーブル粉砕面29を有する別のタイプのローラミ
ルへもほぼそのまま適用することができる。一個のロー
ラ23当たり、ローラ23の幅方向に3個配列したノズ
ル27の出口端を、テーブル粉砕面に近づけるようにし
て設置する。ノズル27の出口端とテーブル粉層間の距
離は50mmである。図29では粉層を省略した。各ノ
ズル27は、ケーシング25の外部から導いて、ローラ
23のかめ込み部において、マニホールド26に設けら
れている。また、図30には、ノズルからの気流の噴出
方向が回転テーブルの回転中心に向っている本発明の他
の構成例を示す。、以上説明したように、本発明の実施
形態は、次に示すような構成と、機能乃至作用を奏する
ものを含むものである。
【0074】エアブロー用の空気噴流を、粉砕ローラの
外側(ミルハウジング側)から回転テーブルの中心軸に
向けて吹きつけ、その噴流の傾斜角度θjを、粉砕レー
スに対して、 45゜<θj<70゜ に、さらに望ましくは 55゜<θj<65゜ の範囲から選定する。要するに、空気噴流の傾斜角度θ
jを60゜前後の条件とする。この傾斜角度θjは、回
転テーブルの回転軸に通る鉛直面内において、図2に示
す回転テーブル面をθj=0゜とするときの傾きを表わ
すものである。
【0075】空気噴流の衝突点、すなわち噴流中心軸と
粉砕レースの交点を、粉砕ローラの噛み込み側先端から
降ろした鉛直軸と粉砕レースとの交点に一致させる。
【0076】このような構成は、粉砕ローラの自励振動
の発生を防ぎ、粉砕ローラの安定な転動を確保し、また
エアブロー時における過大なトルクを発生させないため
の気体噴流の噴射条件に係わるものである。
【0077】各ローラのかみ込み側前には、マニホール
ドを設け、このマニホールドには少なくともひとつ以上
のノズルを設けるが、ノズル先端と上記噴流衝突点間の
距離Xsを、各ノズルにおいて同一とする。この構成
は、粉砕ローラのかみ込み部の粉層に対する噴流衝突の
威力を、全噴流においてできるだけ等しくするためであ
る。
【0078】次に、ノズルの構造についてであるが、ノ
ズルの上流側供給流路と気体が噴出する噴出孔とを連接
する径収縮部すなわちしぼり部における両振りしぼり角
度θcを、 10゜<θc<30゜ の範囲内で設定するか、もしくは、 17゜<θc<23゜ の範囲内で決定する。この構造は、ノズルにおける圧力
損失をできるだけ小さくするためである。
【0079】ノズルの噴出孔ストレート部の長さをL
j、また噴出孔径をDjとする場合、この細長比を、 0.7<Lj/Dj<1.4 の範囲から選定する。これは、慣通力の大きな気体噴流
をつくり出すためである。Lj/Djが小さ過ぎると、
噴出孔出口で噴流が剥離するため、出口近傍で乱れて慣
通力が衰えてしまう。一方、Lj/Djが長過ぎると、
圧力損失が増大する。これらを考慮して、上記Lj/D
jに関する式を満足する構造が決定される。
【0080】粉砕部は粒子が高濃度で飛行する環境であ
り、長時間の使用に耐える必要がある。ノズルが摩耗変
形し、この変形が噴出口まで及ぶと、正常な気体噴流を
噴出できなくなる。そこでノズルの外周には、摩耗防止
用のプロテクト・スリーブを設ける。このプロテクト・
スリーブは消耗品であり、定期定検時に交換し、ノズル
本体は長時間使用できるようになる。
【0081】ローラミルが自励振動を起こし易くなって
いる時、粉砕部すなわち回転テーブル上の炭層では、粉
砕ローラのかみ込み側に多くの微粉がたまるような状態
になっている。このような微粉層の盛り上りが粉砕ロー
ラの自励振動発生のきっかけになる。微粉層は、充てん
率も低いため崩壊し易く、粉砕ローラが安定にかみ込ま
ないからである。したがって、この微粉の堆積部を標的
にするようにエアブローを行うことかが肝要である。
【0082】本発明の第1の実施形態に係るエアブロー
では、ノズルから噴出した噴流が、この微粉の盛り上り
層に衝突する。したがって、微粉の盛り上り層は崩され
る。上述したように本実施形態に係る噴流の噴出方向及
び噴流の衝突位置の設定であれば、微粉の盛り上り層は
短時間のうちに最も効率良く押し流されるようにして崩
れる。
【0083】また、本実施形態に係る噴流衝突の条件設
定であれば、微粉層がかなり激しく乱されるので、微粉
層がいわば掘り起こされるような状態となり、細かな粒
子群が選択的に飛散するようになる。これは一種の分級
作用であり、本発明に係る空気噴流の作用によれば、エ
アブローを行わない場合あるいは従来のエアブロー法に
比べて、粉砕ローラのかみ込み部における粉層は粗くな
る。このような作用により、自励振動発生のきっかけに
なる微粉の盛り上り層は、空気噴流の作用により速やか
に崩壊する。
【0084】そして、本発明における噴流の噴射条件で
エアブローを行えば、除去された粉層が回転テーブルの
中心側へうまく流出するため、粉砕動力の異常増加(炭
層の流れが不適切であると、炭層が粉砕ローラのかみ込
み部に押しつけられるようになり、回転テーブル駆動用
のモータ電流が急増することもある)や、粉砕ローラの
転動不安定といった問題も無くなる。
【0085】また、本発明の第2の実施形態によれば、
粉砕ローラのかみ込み側に、空気粉粒を噴出するノズル
を設けるが、ノズルの出口端を粉砕レースに近接させ
る。この近接距離すなわちレース面とノズル出口端の距
離を、30mm以上80mm未満の範囲から選定するよ
うにする。望ましくは、50mm程度が最適である。
【0086】このような条件でノズルを設置すると、ミ
ルの負荷範囲にかかわらず、すなわち最低負荷で運用さ
れている場合でも、また定格負荷の場合でも、ノズルは
回転テーブル上の炭層中に埋もれることになる。したが
って、空気噴流が吹き出すときには、流動層のような状
態となる。
【0087】これまで提示されている多くの先行技術で
は、ノズルを粉砕レース面からある程度離して設けてお
り、ノズルが炭層に接触しないように図られていた。し
たがって、本発明の実施形態は、これまでの構成例を基
本的に変更するものである。
【0088】炭層の中の微粉は、粗粉の間を抜けて沈下
するので、回転テーブル上では微粉がレース上にたまり
やすい。本実施形態を用いれば、空気流がレース上にお
けるこのような微粉を効率良く除去する。粉砕ローラの
すべりや振動は、このようなかみ込み直前にある微粉が
きっかけになっていたので、この微粉を除去することに
より、粉砕ローラの転動は迅速に安定化する。
【0089】一方、本発明のように、流動層のようにな
る状態で気流を噴射する場合には、粉層の表面へ空気噴
流を吹きつける場合に比べて、同一の空気流量で多くの
粉層を除去することができる。したがって、ミルの負荷
状態にかかわらず、自励振動を消滅させることができ
る。
【0090】また、粉砕ローラが自励振動している際に
は、ローラのかみ込み部、特に粉層の底の部分(レース
面上に近い位置)において、粉層が周期的に変動し自励
系(フィードバックループ)となっているが、本発明に
よれば、このような自励系も断ち切ることが可能であ
り、発達した自励振動時でも、本発明による空気流噴射
によって振動はすぐに沈静化する。
【0091】本発明の問題として、ノズルが粉層中に埋
もれた状態から空気噴射を開始するので、その時には圧
力損失が高いことが挙げられる。エアブローをすること
で、ローラのかみ込み部からは「余分」な微粉が吹き飛
ばされる。ここで、「余分」という意味は、ローラのか
み込み部において微粉がたまるとクッションとなって粉
砕を防げるからである。したがって、本発明におけるエ
アブローは、分級の役割も担っていることになる。
【0092】また、エアブローに使用した分量だけ、回
転テーブルの外側のスロートから吹き出す一次空気流量
を減らすと、粉砕部における一次(重力)分級部からの
戻りが増えて粉砕が進むようになる。以上のような多重
な分級の効果が生じるため、結果的にミル出口における
微粉の粒度が細かくなる。全一次空気流量の6%以内を
エアブロー用の分割する、という条件が上記した効果の
生じる限界である。
【0093】
【発明の効果】本発明の第1の実施形態によれば、ロー
ラミルにおいて次のような効果を奏することができる。
【0094】(1)少量のエアブロー用空気で、自励振
動を確実に軽減することができる。
【0095】(2)本発明になるエアブロー法によれ
ば、粉砕ローラにおけるかみ込みが促進される。したが
って、ミル出口における微粉粒度の低下はあり得ない。
【0096】(3)エアブロー時あるいはエアブロー直
後でも、粉砕ローラの転動軌道が安定に保たれる。した
がって、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モー
タ)等の軸駆動系に悪影響を与えない。
【0097】次は示す効果は、エアブローにより振動が
抑制されて、静粛な運用が可能になることによって生じ
る一般的な効果である。
【0098】(4)低負荷あるいは高負荷の定常運用時
において、及びミル停止過程のどのような運用条件下に
おいても、自励振動を起こすことなく、ミルを安定に操
業できるようになる。
【0099】(5)分級機の回転数や荷重油圧の減少と
いった粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃さ
れる。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出
口の微粉粒度が細かくなり、またエアスロートからの落
下炭量が減少する。
【0100】(6)振動を起こし易い石炭でも静粛な運
用が可能になるし、燃料比の高い比較的難燃性の石炭に
ついては微粉粒度なので、使用石炭種の幅が拡大する。
【0101】(7)上記効果(2)とも関連し、燃焼特
性が向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や
灰中未燃分が減少する。したがって、脱硝装置における
アンモニア使用量を減らすことができる。
【0102】(8)自励振動を防止できることで、ミル
自体や周辺機の信頼性が向上する。
【0103】(9)ミル内の粉砕部にたまる残炭を効果
的にパージできるので、ミル内石炭の自然発火や爆発と
いったトラブルを確実に防ぐことができる。
【0104】また、本発明の第2の実施形態によれば、
ローラミルの運用上生じる効果は、以下のようにまとめ
られる。
【0105】(1)エアブローの開始と同時に、きわめ
て応答良く振動が消滅する。また、少量のエアブロー用
空気で、自励振動を確実に軽減することができる。粉層
の上方から吹きつける方法に比べて、振動が消滅するま
での時間は約2/3に、また空気流量はおよそ3/4ま
で減らすことができる。
【0106】(2)ノズルの配列が、ローラかみ込み部
の粉層を攪拌するので、粉層の流動状態が良好になっ
て、エアブローの効果が強く作用して、自励振動が消滅
し易くなる。
【0107】(3)エアブロー時あるいはエアブロー直
後でも、粉砕ローラの転動軌道が安定に保たれる。した
がって、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モー
タ)等の軸駆動系に悪影響を与えない。
【0108】次に示す効果は、エアブローにより振動が
抑制されて、静粛な運用が可能になることによって生じ
る一般的な効果である。
【0109】(4)低負荷あるいは高負荷の定常運用時
において、及びミル停止過程のどのような運用条件下に
おいても、自励振動を起こすことなく、ミルを安定に操
業できるようになる。
【0110】(5)分級機回転数や荷重油圧の減少とい
った粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃され
る。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出口
における製品微粉炭の粒度が細かくなり、また、エアス
ロートからの落下炭量が減少する。
【0111】(6)振動を起こし易い石炭でも静粛な運
用が可能になるし、燃料比の高い比較的難燃性の石炭に
ついては微粉粒度にすることが可能なので、使用石炭種
の幅が拡大する。
【0112】(7)上記効果(2)とも関連し、燃焼特
性が向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や
灰中未燃分が減少する。したがって、脱硝装置における
アンモニア使用量を減らすことができる。
【0113】(8)自励振動を防止できることで、ミル
自体や周辺機の信頼性が向上する。
【0114】(9)ミル内の粉砕部にたまる残炭を効果
的に除去できるので、ミル停止後においてミル内石炭の
自然発火や爆発といったトラブルを確実に防ぐことがで
きる。
【0115】(10)トータル空気流量を一定とし、一
次空気の一部をエアブロー用にまわすことでミル出口に
おける微粉粒度を細かくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る気流噴射装置を
搭載するローラミルの全体構成を示した図である。
【図2】第1の実施形態に係る気流噴射装置の構造と設
置条件を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る気流噴射装置の構造と設
置条件を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る気流噴射装置の構造と設
置条件を示す図である。
【図5】気流噴射ノズルを示す詳細図である。
【図6】粉砕ローラのかみ込み部における粉層の状態を
模式的に描いた図である。
【図7】粉砕ローラのかみ込み部における粉層に対して
気流噴射(エアブロー)したときの粉層の挙動を模式的
に描いた図である。
【図8】最適な気流噴射条件(噴流衝突角度と加速度の
関係)を見い出すに至った実験結果を説明する図であ
る。
【図9】最適な気流噴射条件(噴流衝突角度と粉砕トル
クの関係)を見い出すに至った実験結果を説明する図で
ある。
【図10】最適な気流噴射条件(噴流衝突点と加速度の
関係)を見い出すに至った実験結果を説明する図であ
る。
【図11】最適な気流噴射条件(噴流衝突点と粉砕トル
クの関係)を見い出すに至った実験結果を説明する図で
ある。
【図12】本発明の第1の実施形態と従来技術との効果
上の比較結果を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態と従来技術との効果
上の比較結果を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施形態と従来技術との効果
上の比較結果を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る気流噴射(エ
アブロー)を実施したことによる粉砕特性を示す図であ
る。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る気流噴射装置
を搭載するローラミルの全体構成を示した図である。
【図17】第2の実施形態に係るエアブロー装置の構造
を示す図である。
【図18】図17に示す実施形態に対してノズルの本数
を変化させた構成例を示す図である。
【図19】第2の実施形態であり、エアブローするノズ
ル部の構造を示す図である。
【図20】ノズルを粉層に埋設した図である。
【図21】図20における動作態様ないし現象を模式的
に描いた図である。
【図22】第2の実施形態における実験結果であり、噴
流で除かれた粉体量の変化を示す図である。
【図23】本発明の第2の実施形態を実施することによ
る粉層の挙動を模式的に描いた図である。
【図24】第2の実施形態を実施することによって生じ
るローラかみ込み部における挙動を模式的に描いた図で
ある。
【図25】第2の実施形態の試験結果であり、その効果
を実証する図である。
【図26】第2の実施形態の試験結果であり、その効果
を実証する図である。
【図27】第2の実施形態の試験結果であり、その効果
を実証する図である。
【図28】ローラミルの減負荷過程、停止過程で生じる
振動発生のパターンを模式的に描いた図である。
【図29】本発明を適用する他のローラミルの構造を描
いた図である。
【図30】本発明に係る他の実施形態を示す図である。
【図31】従来技術における気流噴射を示す図である。
【図32】従来技術における粉砕部の構造を示す図であ
る。
【図33】従来技術における気流噴射装置を搭載するロ
ーラミルの全体構成を示した図である。
【符号の説明】
1 粉砕ローラ(図1〜図4) 2 回転テーブル(図1〜図4) 3 原料粉層(図1〜図4) 4 粉砕原料(図1〜図4) 5 原料供給管(図1〜図4) 6 ハウジング(図1〜図4) 7 回転分級機(図1〜図4) 8 スロートベーン(図1〜図4) 9 熱風(1次空気)(図1〜図4) 10 空気ノズル(図1〜図4) 11 空気噴流(図1〜図4) 25 ローラブラケット(図1〜図4) 26 ピボット(図1〜図4) 27 加圧フレーム(図1〜図4) 28 ブロー用空気(図1〜図4) 30 ノズルスタブ(図1〜図4) 31 粉砕リング(図1〜図4) 32 粉砕レース(図1〜図4) 33 プロテクト・スリーブ(図1〜図4) 34 噴流衝突点(図1〜図4) 36 ローラのかみ込み鉛直線(図1〜図4)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廻 信康 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 加来 宏行 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4D063 EE03 EE12 EE21 GA06 GA08 GC19 GC32 GD15 GD24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転動す
    る粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、を備
    えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部での粉
    層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるローラミ
    ルであって、 前記気体噴流の向きが前記回転テーブルの回転中心に向
    くように前記粉砕レースに対して傾けて前記ノズルから
    噴射するとともに、 前記回転テーブルの回転軸を通る鉛直面内における前記
    気体噴流の噴流中心軸の回転テーブル面に対する傾斜角
    度θjを 45゜<θj<70゜ の範囲から選定することを特徴とするローラミル。
  2. 【請求項2】 粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転動す
    る粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、を備
    えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部での粉
    層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるローラミ
    ルであって、 前記気体噴流の前記粉砕レース上での衝突点、すなわち
    前記気体噴流の中心軸と前記粉砕レースの交点を、前記
    粉砕ローラの噛み込み側先端からの鉛直線と粉砕レース
    との交点と、一致させることを特徴とするローラミル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のローラミルに
    おいて、 前記気体噴流を噴出するノズルをマニホールドに少なく
    とも一つ設け、前記ノズルと前記気体噴流の衝突点間の
    距離を、全ノズルにおいて同一にすることを特徴とする
    ローラミル。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のローラミルに
    おいて、 前記ノズル内に、上流側気体供給流路と、前記上流側気
    体供給流路と気体を噴出する噴出孔とを連接する径収縮
    部と、を設け、前記径収縮部における両振りしぼり角度
    θcを、 10゜<θc<30゜ の範囲から選定することを特徴とするローラミル。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のローラミルに
    おいて、 前記ノズル内に、上流側気体供給流路と、気体を噴出す
    る噴出孔と、前記上流側気体供給流路と前記噴出孔を連
    接する径収縮部と、を設け、前記噴出孔の噴流に沿う長
    さをLjとし、前記噴出孔径をDjとする場合、 0.7<Lj/Dj<1.4 の範囲から選定することを特徴とるするローラミル。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のローラミルに
    おいて、 前記ノズルの外周部に、摩耗防止用の管体であるプロテ
    クト・スリーブを設けるとともに、前記プロテクト・ス
    リーブの出口端部を前記ノズルの噴出孔出口端よりも気
    体の噴出方向へ延設することを特徴とするローラミル。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載のローラミルに
    おいて、 前記ノズルの出口端面部に硬質被膜をコーティングする
    ことを特徴とするローラミル。
  8. 【請求項8】 粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転動す
    る粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、を備
    えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部での粉
    層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるローラミ
    ルであって、 前記ノズルの先端と前記粉砕レース間の距離(スタンド
    オフ距離)を、10mm以上110mm未満の範囲に設
    定することを特徴とするローラミル。
  9. 【請求項9】 粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転動す
    る粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、を備
    えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部での粉
    層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるローラミ
    ルであって、 粉砕ローラの粉砕原料かみ込み側に生じる粉層内に前記
    ノズルの先端を埋設し、前記粉層内で気体流を噴射する
    ようにしたことを特徴とするローラミル。
  10. 【請求項10】 粉砕ローラと、前記粉砕ローラが転動
    する粉砕レースを円周側に刻設した回転テーブルと、を
    備えて、固体燃料又は固体原料を微粉砕する粉砕部での
    粉層に対して、ノズルから気体噴流を吹き付けるローラ
    ミルであって、 前記ノズルの先端と前記粉砕レース間の距離(スタンド
    オフ距離)を、前記粉砕ローラの直径の0.5%以上
    5.5%未満の範囲に設定することを特徴とするローラ
    ミル。
  11. 【請求項11】 請求項8、9又は10に記載のローラ
    ミルにおいて、 前記粉砕ローラの幅方向に複数個のノズルを並設すると
    ともに、ノズル同士の隙間を距離を、少なくとも70m
    mとすることを特徴とするローラミル。
  12. 【請求項12】 請求項8、9又は10に記載のローラ
    ミルにおいて、 粉砕後の粉粒体を吹き上げるための一次気体流量と前記
    ノズルからの噴流気体流量の総量は一定とし、前記ノズ
    ルからの噴流気体流量分だけ前記一次気体流量を減少さ
    せるように調整することを特徴とするローラミル。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のローラミルにおい
    て、 前記ノズルからの噴流気体流量を前記総量の6%以下と
    することを特徴とするローラミル。
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