JP2016099616A - 切削方法、切削方法を含む偏光板の製造方法、および偏光板 - Google Patents

切削方法、切削方法を含む偏光板の製造方法、および偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】剥がれを生じることなくその端面が精度良く切削された偏光板を提供する。
【解決手段】シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム(COPフィルム)、第一の接着剤層、およびポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムをこの順に積層してなる偏光板(偏光板積重体W)の端面を切削する切削方法であって、COPフィルムは、その接着剤層側の表面が有機溶剤で処理されており、偏光板(偏光板積重体W)の端面におけるCOPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃(端面加工用カッター100、回転体10)を接触させる切削工程を行うことにより、端面を切削する。
【選択図】図3

Description

本発明は、偏光板の端面を切削する切削方法、当該切削方法を含む偏光板の製造方法、および偏光板に関する。
近年、偏光板は、LCD(Liquid Crystal Display)や赤外線センサに、或いはその他の各種用途に、広く用いられている。偏光板は、ポリビニルアルコールフィルムおよびTAC(Tri Acetyl Cellulose)フィルム等の樹脂フィルムを積層することによって構成されている。
上記偏光板を各種用途に用いる場合、例えば、LCDに実装する場合においては、LCDの大きさに合せて所定の形状および寸法に加工する必要があり、特に、偏光板の端面を加工する必要がある。また、偏光板の端面に切削跡が形成されている場合には、偏光板の外観が損なわれ、寸法精度が低下することとなる。従って、偏光板の端面を精度良く切削することは非常に重要である。
上記加工を行うために、円盤状の回転板の円周部分に切削刃が設けられた切削装置が通常用いられている。上記切削装置では、加工効率が考慮されており、複数枚重ねられた偏光板の端面を同時に加工することが可能である。偏光板の端面を精度良く切削する切削方法としては、例えば、特許文献1に記載された端面切削装置を用いた切削方法が知られている。
ところで、近年、少なくともシクロオレフィン系樹脂からなるフィルム(以下、COPフィルムと称する場合がある)と、接着剤層と、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムとをこの順に積層してなる偏光板が広く用いられている。しかしながら、COPフィルムと偏光フィルムとの密着力は不充分であった。そこで、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムを、接着剤層を介して(接着剤を用いて)上記偏光フィルムに貼り合わせる前に、その接着剤層側の表面を有機溶剤で処理することで、接着剤層との接着力(親和性)を向上させる方法が、特許文献2に記載されている。
特開2007−223021号公報(2007年9月6日公開) 特開2012−177890号公報(2012年9月13日公開)
接着剤層側の表面を有機溶剤で処理することで、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムとの間の接着力は向上する。ところが、上記COPフィルムと上記偏光フィルムとを有する偏光板の耐衝撃性は依然として不充分であり、従来の切削方法では、上記COPフィルムと上記偏光フィルムとの間で剥がれが生じるという問題点が発生している。
上記問題点を解決するために切削方法を鋭意検討した結果、従来、偏光板の端面における偏光フィルム側からシクロオレフィン系樹脂からなるフィルム側に向かう方向に沿って切削刃を接触させることによって偏光板の端面の切削加工を行っていることが、上記COPフィルムと上記偏光フィルムとの間で剥がれが生じる原因であることを突き止めた。即ち、偏光板の端面に対して切削刃を接触させる方向が、剥がれが生じるかどうかに関する重要な因子であることを突き止めた。
本発明は上記課題を考慮してなされたものであり、その主たる目的は、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムとの間の剥がれを生じることなく、偏光板の端面を切削する切削方法、当該切削方法を含む偏光板の製造方法、および、当該製造方法によって製造された、剥がれを生じることなくその端面が精度良く切削された偏光板を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、偏光板の端面におけるシクロオレフィン系樹脂からなるフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃を接触させることにより、剥がれを生じることなくその端面が精度良く切削された偏光板を得ることができることを見出して、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するために、本発明に係る切削方法は、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、第一の接着剤層、およびポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムをこの順に積層してなる偏光板の端面を切削する切削方法であって、上記シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムは、その接着剤層側の表面が有機溶剤で処理されており、偏光板の端面における、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃を接触させる切削工程を行うことにより、上記端面を切削することを特徴としている。
本発明に係る切削方法は、上記切削工程を行う前に、複数枚の偏光板をその積層方向が互いに同じになるように重ね合せて偏光板積重体を形成する積重工程を行うことがより好ましい。
また、本発明に係る切削方法は、上記偏光板が、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムにおける非接着剤層側の表面に、第一の粘接着剤層、および第一の保護フィルムがこの順にさらに積層されている偏光板であることがより好ましい。
また、本発明に係る切削方法は、上記偏光板が、偏光フィルムにおける非接着剤層側の表面に、第二の接着剤層、および第二の保護フィルムがこの順にさらに積層されている偏光板であることがより好ましい。
また、本発明に係る切削方法は、上記偏光板が、第一保護フィルムにおける非粘接着剤層側の表面に、第二の粘着剤層、およびセパレートフィルムがこの順にさらに積層されている偏光板であることがより好ましい。
また、本発明に係る切削方法は、上記切削工程が、回転軸に対して垂直な設置面に設置された複数の切削部を備える回転体を回転させ、上記切削部の各々の頂面に形成された切削刃を偏光板の端面に接触させることによって当該端面を切削する工程であることがより好ましい。
また、本発明に係る切削方法は、上記切削工程では、切削している端面の長手方向に沿って、偏光板に対して回転体を回転させながら相対移動させることがより好ましい。
本発明に係る偏光板の製造方法は、上記切削方法を含むことを特徴としている。また、本発明に係る偏光板は、上記製造方法で製造されたことを特徴としている。
本発明に係る切削方法、切削方法を含む偏光板の製造方法、および偏光板によれば、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムとの間の剥がれを生じることなく、その端面が精度良く切削された偏光板を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る切削方法によって切削加工する切削装置の一部である端面加工用カッターを示す、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。 上記端面加工用カッターにおける切削部の取り付け部分を示す斜視図である。 上記端面加工用カッターを備えた切削装置を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態について、詳細に説明する。尚、本明細書において、「A〜B」とは、「A以上、B以下」であることを示している。
本発明に係る切削方法は、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、第一の接着剤層、およびポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムをこの順に積層してなる偏光板の端面を切削する切削方法であって、上記シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムは、その接着剤層側の表面が有機溶剤で処理されており、偏光板の端面における、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃を接触させる切削工程を行うことにより、上記端面を切削する方法である。また、本発明に係る製造方法は、上記切削方法を含む方法である。
本発明に係る切削方法によって切削される偏光板は、少なくともシクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、第一の接着剤層、およびポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムをこの順に積層してなり、より好ましくは上記シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムにおける非接着剤層側の表面に、第一の粘接着剤層、および第一の保護フィルムがこの順にさらに積層されており、さらに好ましくは上記偏光フィルムにおける非接着剤層側の表面に、第二の接着剤層、および第二の保護フィルムがこの順にさらに積層されており、最も好ましくは上記第一の保護フィルムにおける非粘接着剤層側の表面に、第二の粘着剤層、およびセパレートフィルムがこの順にさらに積層されている構成である。先ず、偏光板を構成する各構成に関して、以下に順に説明する。
[シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム]
本発明においてシクロオレフィン系樹脂からなるフィルム(以下、COPフィルムと称する場合がある)は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムを保護する保護層として機能する。
シクロオレフィン系樹脂とは、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のシクロオレフィン(環状オレフィン)からなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、熱可塑性シクロオレフィン系樹脂とも称される。シクロオレフィン系樹脂は、上記シクロオレフィンの開環重合体であってもよく、2種類以上の上記シクロオレフィンを用いた開環共重合体であってもよく、上記シクロオレフィンの開環重合体や2種類以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であってもよく、さらには、シクロオレフィンと、鎖状オレフィンやビニル基等の重合性二重結合を有する芳香族化合物等との共重合体(付加重合体)であってもよい。また、シクロオレフィン系樹脂には、極性基が導入されていてもよい。
シクロオレフィンと、鎖状オレフィンおよび/またはビニル基等の重合性二重結合を有する芳香族化合物との共重合体(シクロオレフィン系樹脂)を用いて上記COPフィルムを構成する場合における上記鎖状オレフィンとしては、例えば、エチレンやプロピレン等が挙げられる。また、上記重合性二重結合を有する芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレン等が挙げられる。当該共重合体におけるシクロオレフィンからなるモノマーのユニットの割合は、50モル%以下であることが好ましく、15〜50モル%程度であることがより好ましい。特に、シクロオレフィン系樹脂が、シクロオレフィンと鎖状オレフィンと重合性二重結合を有する芳香族化合物との三元共重合体である場合には、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットの割合は、上述したように比較的少ない量(50モル%以下)とすることができる。係る三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットの割合は、通常、5〜80モル%の範囲であり、重合性二重結合を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットの割合は、通常、5〜80モル%の範囲である(但し、シクロオレフィン、鎖状オレフィンおよび重合性二重結合を有する芳香族化合物の合計量は100モル%である)。
また、シクロオレフィン系樹脂として、市販品を適宜用いることもできる。当該市販品としては、例えば、ドイツのTOPAS ADVANCED POLYMERS GmbHにて生産され、日本ではポリプラスチック株式会社から販売されている“TOPAS”、JSR株式会社から販売されている“アートン”、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノア”(ZEONOR)および“ゼオネックス”(ZEONEX)、三井化学株式会社から販売されている“アペル”(以上、何れも商品名)等が挙げられる。
上記シクロオレフィン系樹脂を製膜してフィルムにするには、例えば、溶剤キャスト法や溶融押出法等の公知の方法を適宜用いればよい。或いは、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムとして、例えば、積水化学工業株式会社から販売されている“エスシーナ”および“SCA40”、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノアフィルム”、JSR株式会社から販売されている“アートンフィルム”(以上、何れも商品名)等の、予め製膜されたシクロオレフィン系樹脂製フィルムの市販品を用いてもよい。
シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムは、一軸延伸または二軸延伸されていてもよい。一軸延伸または二軸延伸されている場合における延伸倍率は、通常、1.1〜5倍の範囲であり、1.1〜3倍の範囲であることがより好ましい。延伸することによってCOPフィルムに位相差を付与することができるので、当該COPフィルムを位相差フィルムとすることができる。この場合において、COPフィルムの面内位相差値は、適用される偏光板の種類に応じて適宜設定すればよいが、通常、30nm以上とすることが好ましい。面内位相差値の上限値は、特に限定されないが、例えば300nm程度であれば充分である。
COPフィルムは、より薄い方が好ましいものの、薄過ぎると強度が低下して加工性に劣る傾向にあり、一方、厚過ぎると透明性が低下したり、偏光板の重量が重くなったりする傾向にある。従って、COPフィルムの厚さは、通常、5〜200μmの範囲であることが好ましく、10〜150μmの範囲であることがより好ましく、20〜100μmの範囲であることがさらに好ましい。
上記シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムは、後述する接着剤層を介して(接着剤を用いて)偏光フィルムに貼り合わされる。上記COPフィルムは、接着性を向上させるために、その接着剤層側の表面が有機溶剤で処理されることにより、表面処理が施されている。以下、表面処理に関して説明する。
〔COPフィルムの表面処理〕
COPフィルムは、接着剤層を介して(接着剤を用いて)偏光フィルムに貼り合わされる前に、接着剤層との接着力(親和性)を向上させるために、その接着剤層側の表面が有機溶剤で処理される。具体的には、実質的に溶質を含まない有機溶剤と接触させて表面処理する。本明細書においては、COPフィルムに有機溶剤を接触させる表面処理を「溶剤処理」と称することがある。
尚、本明細書において「実質的に溶質を含まない」とは、接触させる有機溶剤に含まれる固形分が0.1%以下であり、かつ、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムの表面に有機溶剤が接触し、乾燥または揮発した後、シクロオレフィン系樹脂とは異なる成分を有する層が、そのフィルム表面に形成されないことを意味する。但し、有機溶剤に含まれる固形分に関しては、当該有機溶剤を繰り返し使用することによって、有機溶剤に溶解する、シクロオレフィン系樹脂、および/または、当該シクロオレフィン系樹脂に含まれている添加剤を除く。また、有機溶剤を繰り返し使用する場合には、接触(塗布)した有機溶剤が乾燥または揮発した後に、COPフィルム表面に、シクロオレフィン系樹脂、および/または、当該シクロオレフィン系樹脂に含まれている添加剤が残っていてもよい。
溶剤処理に用いる有機溶剤は、COPフィルムと接触したときに当該COPフィルムを構成するシクロオレフィン系樹脂に変化を与える有機溶剤(以下、「良溶媒」と称する場合がある)を含有する。さらに、溶剤処理に用いる有機溶剤は、COPフィルムと接触したときに当該COPフィルムを構成するシクロオレフィン系樹脂に実質的な変化を与えない有機溶剤(以下、「貧溶媒」と称する場合がある)を含有していてもよい。本発明において、「シクロオレフィン系樹脂に変化を与える」とは、有機溶剤と接触する前のシクロオレフィン系樹脂からなるフィルムと比較して、有機溶剤と接触した後の当該COPフィルムの形状や外観(例えば表面の平滑性等)を異なる状態にすることを指す。従って、表面処理(溶剤処理)とは、有機溶剤を接触させることによってCOPフィルムの形状や外観(例えば表面の平滑性等)を処理前のCOPフィルムと異なる状態にする処理のことを指す。
ここで、或る有機溶剤が、上記良溶媒に該当するか貧溶媒に該当するかは、以下に示す試験によって決定される。
先ず、COPフィルムを適当に裁断し、約1.0gを取ってグラム単位で小数点以下3桁まで精確に秤量して、その質量をFgとする。また、有機溶剤約99.0gを取ってグラム単位で小数点以下3桁まで精確に秤量して、その質量をSgとする。次に、この有機溶剤に秤量した上記COPフィルムを完全に浸漬して、23℃で24時間放置する。そして、24時間放置した後、浸漬したCOPフィルムの形状や外観に変化が無いかどうかを観察する。また、COPフィルムを浸漬していた有機溶剤の上澄み液約10.0gを取ってグラム単位で小数点以下3桁まで精確に秤量して、その質量をLgとする。次いで、秤量した上記上澄み液から有機溶剤を蒸発乾固し、残った固形分を秤量して、その質量をRgとする。
これら質量から、COPフィルムの溶解量を求める。COPフィルムが有機溶剤に完全に溶解していれば約1.0重量%「=F(=約1.0g)/{F+S(=約100.0g)}×100」の溶液となるので、乾燥して残った固形分は約0.1g「=L(=約10.0g)×F(=約1.0g)/{F+S(=約100.0g)}」となる。そこで、下記式
溶解度(重量%)=〔R/{L×F/(F+S)}〕×100
から、COPフィルムの溶解度(重量%)を算出する。
その結果、有機溶剤に24時間浸漬した後のCOPフィルムの形状や外観に変化が無く、かつ、上記溶解度が1重量%未満であれば、COPフィルムを構成するシクロオレフィン系樹脂に実質的な変化を与えないので、その有機溶剤は貧溶媒に該当すると判断する。これ以外の場合、つまり、COPフィルムの形状や外観に変化が生じるか、または、上記溶解度が1重量%以上であれば、その有機溶剤は良溶媒に該当すると判断する(COPフィルムの形状や外観に変化が生じ、かつ、溶解度が1重量%以上である場合も含む)。尚、上記試験において、溶解はしないものの、COPフィルムの形状や外観に変化が生じる状態としては、COPフィルムが膨潤して原形を留めなくなる状態と、COPフィルムが白化する状態とがあった。
後述する実施例で用いた延伸シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム〔商品名“ゼオノアフィルム”、日本ゼオン株式会社製〕を試料として、複数の有機溶剤に関して行った上記試験のうち、代表的な結果を下記表1にまとめた。尚、表1中の「溶解度」の欄に「−」と記載されている有機溶剤は、当該有機溶剤に24時間浸漬した後のCOPフィルムの形状や外観を観察しただけで、COPフィルムの溶解度を算出しなかったことを示している。「溶解度」の欄に「−」と記載されている有機溶剤は、COPフィルムの形状や外観を観察した結果から、COPフィルムの溶解度が略「0」(1重量%未満)であると推定される。
Figure 2016099616
上記結果および本発明者のこれまでの経験から、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびエチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類は、COPフィルムの溶解度が100重量%近くになっているため、良好な良溶媒に分類される。また、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランのような脂肪族エーテル類、並びに、ペンタン、ヘキサンおよびヘプタン等の脂肪族炭化水素類は、COPフィルムの溶解度が1重量%以上の場合と1重量%未満の場合とがあるものの、何方もCOPフィルムの形状や外観を変化させるので、良溶媒に分類される。
一方、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類、イソプロピルアルコールおよびブチルアルコール等の脂肪族アルコール類、並びに、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピルおよび酢酸ブチルのような脂肪族エステル類は、COPフィルムの溶解度が1重量%未満であり、COPフィルムの形状や外観を変化させないので、貧溶媒に分類される。
上述した有機溶剤のうち、COPフィルムを溶解し、良溶媒に分類される脂環式炭化水素類は、当該脂環式炭化水素類を単独で用いても、シクロオレフィン系樹脂の表面を過度に浸食せずに、偏光フィルムとの接着性をより向上させるのに有効であることが見出された。それゆえ、溶剤処理に用いる有機溶剤は、脂環式炭化水素類を含む有機溶剤であることがより好ましい。脂環式炭化水素類としては、例えば、下記化学式(I)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2016099616
(式中、mは2〜6の整数を示し、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)
溶剤処理に用いる有機溶剤が脂環式炭化水素類を含んでいる場合においても、当該有機溶剤は、脂環式炭化水素類と貧溶媒との混合物であることがより好ましい。脂環式炭化水素類に混合される貧溶媒としては、有機酸のアルキルエステル、具体的には上述した脂肪族エステル類が好ましく、酢酸エステル類がより好ましい。
溶剤処理を行う場合には、COPフィルムの表面が過度に浸食されないように、COPフィルムと有機溶剤とを接触させることが重要である。COPフィルムの表面が過度に浸食されないようにするための指標として、本発明においては、表面処理(溶剤処理)後のCOPフィルムのヘイズ値を採用する。COPフィルムの表面の浸食が進めば、偏光フィルムとの接着性はより向上するものの、COPフィルムの光学性能は損なわれることになる。それゆえ、本発明においては、処理後のCOPフィルムのヘイズ値が0.5%を超えないように、より好ましくは0.3%を超えないように、さらに好ましくは0.2%を超えないように、当該COPフィルムを溶剤処理する。上記ヘイズ値は、JIS K 7136:2000「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に規定されており、「(拡散透過率/全光線透過率)×100」で定義される数値(%)である。
また、溶剤処理によってCOPフィルムの表面の浸食が進むと、COPフィルムの位相差がキャンセルされ、面内位相差値が低下する傾向にある。そこで、シクロオレフィン系樹脂が延伸されてCOPフィルムに面内位相差値が付与されている場合には、溶剤処理によるCOPフィルムの面内位相差値の変化量を、COPフィルムの表面が過度に浸食されないようにするための指標とすることもできる。具体的には、溶剤処理前のCOPフィルムが例えば30nm以上の面内位相差値を有する場合においては、溶剤処理後の面内位相差値が、溶剤処理前の面内位相差値よりも3nmを超えて下回らないように、換言すれば、溶剤処理前の面内位相差値に対する溶剤処理後の面内位相差値の低下量(溶剤処理前の面内位相差値−溶剤処理後の面内位相差値)が3nm以下となるように、より好ましくは2.5nm以下となるように、さらに好ましくは2nm以下となるように、COPフィルムの溶剤処理を行うことが好ましい。上記低下量が3nmよりも大きい場合には、得られる偏光板を液晶表示装置に適用したときに、表示特性に悪影響を及ぼすおそれが生じる。溶剤処理の有機溶剤として脂環式炭化水素類を単独で用いた場合には、面内位相差値の低下量がやや大きくなる傾向にある。それゆえ、有機溶剤は、脂環式炭化水素類と貧溶媒との混合物であることがより好ましい。
COPフィルムの面内位相差値Reは、当該COPフィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をny、厚さをdとすると、以下式
Re=(nx−ny)×d
で定義される値であり、市販の各種位相差計を用いて測定することができる。
有機溶剤における良溶媒と貧溶媒との混合比率は、溶剤処理後のCOPフィルムのヘイズ値や面内位相差値の低下量等を考慮して、適宜設定すればよい。
[ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム]
本発明においてポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム(以下、単に偏光フィルムと称する場合がある)は、偏光性能を有していればよく、その構成は特に限定されないが、例えば、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂に、二色性色素を吸着配向させることによって構成されていることが好ましい。偏光子層である偏光フィルムの厚さは、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましく、7μm以下であることが最も好ましい。尚、偏光フィルムの厚さの下限値は、特に限定されないが、例えば2μmとすることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものが好適である。上記ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルと当該酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル、不飽和スルホン酸、アンモニウム基を有するアクリルアミド等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80モル%以上であることが好ましく、90〜99.5モル%の範囲であることがより好ましく、94〜99モル%の範囲であることがさらに好ましい。ケン化度が80モル%未満であると、偏光フィルムを用いて得られる偏光板の耐水性および耐湿熱性が低下するおそれがある。ケン化度が99.5モル%を超えると、二色性色素を吸着配向させるときの染色速度が遅くなり、生産性が低下すると共に、充分な偏光性能を有する偏光フィルムが得られないことがある。
上記ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH3)がケン化によって水酸基に変化した割合を、ユニット比(モル%)で表したものであり、次式
ケン化度(モル%)={(水酸基の数)/(水酸基の数+酢酸基の数)}×100
で定義される。尚、ケン化度は、JIS K 6726:1994「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、従って、結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
ポリビニルアルコール系樹脂は、その一部が変性されている変性ポリビニルアルコール系樹脂であってもよく、変性方法としては、具体的には、例えば、エチレン或いはプロピレン等によるオレフィン変性;アクリル酸、メタクリル酸或いはクロトン酸等による不飽和カルボン酸変性;不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミド等による変性;が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の変性の割合は、30モル%未満であることが好ましく、10モル%未満であることがより好ましい。30モル%を超える変性を行った場合には、二色性色素が吸着配向し難くなる傾向にあり、充分な偏光性能を有する偏光フィルムが得られないことがある。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、100〜10000程度であることが好ましく、1500〜8000の範囲であることがより好ましく、2000〜5000の範囲であることがさらに好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726:1994「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠して求めることができる。平均重合度が100未満であると、好ましい偏光性能を有する偏光フィルムを得ることが困難になる傾向があり、平均重合度が10000を超えると、溶媒への溶解性が悪化し、偏光フィルムの形成が困難になる傾向がある。
ポリビニルアルコール系樹脂として、市販品を適宜用いることもできる。当該市販品としては、例えば、株式会社クラレから販売されている“PVA124”および“PVA117”(何れもケン化度:98〜99モル%)、“PVA624”(ケン化度:95〜96モル%)、“PVA617”(ケン化度:94.5〜95.5モル%);日本合成化学工業株式会社から販売されている“N−300”および“NH−18”(何れもケン化度:98〜99モル%)、“AH−22”(ケン化度:97.5〜98.5モル%)、“AH−26”(ケン化度:97〜98.8モル%);日本酢ビ・ポバール株式会社から販売されている“JC−33”(ケン化度:99モル%以上)、“JF−17”、“JF−17L”および“JF−20”(何れもケン化度:98〜99モル%)、“JM−26”(ケン化度:95.5〜97.5モル%)、“JM−33”(ケン化度:93.5〜95.5モル%)、“JP−45”(ケン化度:86.5〜89.5モル%);(以上、何れも商品名)等が挙げられる。
一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂は、当該ポリビニルアルコール系樹脂を単体で一軸延伸することによって作製してもよく、ポリビニルアルコール系樹脂の溶液を基材に塗工して乾燥させた後、ポリビニルアルコール系樹脂を基材と共に一軸延伸し、基材を除去することによって作製してもよい。ポリビニルアルコール系樹脂を基材と共に一軸延伸した場合には、厚さが7μm以下の偏光フィルムを容易に作製することができる。上記基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ノルボルネンフィルム、ポリエステルフィルム、およびポリスチレンフィルム等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂に吸着配向される二色性色素は、ヨウ素または二色性有機染料であることが好適である。二色性有機染料としては、具体的には、例えば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラック等が挙げられる。二色性色素は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
[接着剤層]
本発明において第一の接着剤層は、上記COPフィルムと上記偏光フィルムとを貼り合わせる機能を有する。本発明において第二の接着剤層は、上記偏光フィルムと後述する第二の保護フィルムとを貼り合わせる機能を有する。上記第一の接着剤層および第二の接着剤層は、それぞれ第一の接着剤組成物および第二の接着剤組成物から形成される。これら接着剤組成物は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。以下の説明において、単に「接着剤組成物」と称する場合には、特に断りの無い限り、第一の接着剤組成物および第二の接着剤組成物に共通する内容である。
上記接着剤組成物は、特に限定されないが、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物や、接着剤成分を水に溶解させた接着剤や、接着剤成分を水に分散させた接着剤等の水系の接着剤組成物が挙げられる。ここで、「活性エネルギー線硬化性化合物」とは、活性エネルギー線の照射によって硬化し得る化合物を指す。活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物は、貼り合わせ後の乾燥工程が不要である。それゆえ、本発明に係る偏光板においては、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物を用いることがより好ましい。
上記活性エネルギー線硬化性化合物は、カチオン重合性の化合物であってもよく、ラジカル重合性の化合物であってもよい。カチオン重合性の化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有するエポキシ化合物、分子内に少なくとも1個のオキセタン環を有するオキセタン化合物等が挙げられる。ラジカル重合性の化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物等が挙げられる。尚、「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、メタクリロイルオキシ基またはアクリロイルオキシ基の何方でもよいことを意味する。(メタ)アクリレート等の「(メタ)」も同じ意味である。
上記活性エネルギー線硬化性化合物は、エポキシ化合物を少なくとも含んでいることがより好ましい。これにより、上記接着剤組成物は、上記COPフィルムと上記偏光フィルムとの間、或いは、上記偏光フィルムと第二の保護フィルムとの間で、良好な接着性を示す。
接着剤成分を水に溶解させた接着剤や、接着剤成分を水に分散させた接着剤等の水系の接着剤組成物としては、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂やウレタン樹脂を用いた接着剤組成物が挙げられる。
水系の接着剤組成物の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合において、そのポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂や完全ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の他、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコール等の、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。接着剤成分として上記ポリビニルアルコール系樹脂を用いた場合には、接着剤組成物は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液として調製されることが多い。接着剤組成物に占めるポリビニルアルコール系樹脂の割合は、水100重量部に対して、通常、1〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部の範囲がより好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする接着剤組成物には、必要に応じて架橋剤を含有させてもよい。架橋剤は、ポリビニルアルコール系樹脂に対して反応性を有する官能基を有する化合物であればよく、従来からポリビニルアルコール系接着剤において用いられている化合物を特に制限なく使用することができる。架橋剤となり得る化合物としては、例えば、イソシアナト基(−NCO)を分子内に少なくとも2個有するイソシアネート化合物;エポキシ基(橋架けの−O−)を分子内に少なくとも2個有するエポキシ化合物;モノ−またはジ−アルデヒド類;有機チタン化合物;マグネシウム、カルシウム、鉄、ニッケル、亜鉛およびアルミニウム等の、二価または三価金属の無機塩;グリオキシル酸の金属塩;メチロールメラミン;等が挙げられる。
偏光板における接着剤層の厚さは、上記COPフィルムおよび上記偏光フィルム、或いは、上記偏光フィルムおよび第二の保護フィルムを接着することができるのであれば、より薄い方が好ましいものの、薄過ぎると接着が不充分になるおそれがあり、一方、厚過ぎると偏光板の外観不良を生じるおそれがある。従って、偏光板における第一の接着剤層の厚さは、通常、0.01〜5μm程度であり、3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。偏光板における第二の接着剤層の厚さは、通常、0.01〜5μm程度であり、3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。尚、接着剤層の厚さの下限値は、特に限定されないが、例えば0.01μmであることが好ましい。
[保護フィルム]
本発明において保護フィルムは、透明樹脂からなるフィルムであり、第一の保護フィルムは上述したCOPフィルム上に貼合され、第二の保護フィルムは上述した偏光フィルム上に貼合される。これら保護フィルムは、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。以下の説明において、単に「保護フィルム」と称する場合には、特に断りの無い限り、第一の保護フィルムおよび第二の保護フィルムに共通する内容である。
本発明における上記保護フィルムとしては、当分野において保護フィルムの形成材料として広く用いられている透明樹脂で適宜構成された樹脂フィルムを、特に制限無く用いることができる。上記透明樹脂としては、例えば、酢酸セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これら透明樹脂のなかでも、酢酸セルロース系樹脂およびシクロオレフィン系樹脂がより好適に用いられる。
上記酢酸セルロース系樹脂からなる樹脂フィルムは、セルロースの部分または完全酢酸エステル化物からなるフィルムであって、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム等が挙げられる。酢酸セルロース系樹脂としては、市販品を適宜用いることができる。当該市販品としては、例えば、富士フィルム株式会社から販売されている“フジタックTD80”、“フジタックTD80UF”および“フジタックTD80UZ”、コニカミノルタオプト株式会社から販売されている“KC2UA”、“KC8UX2M”および“KC8UY”(以上、何れも商品名)等が挙げられる。
上記シクロオレフィン系樹脂とは、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のシクロオレフィン(環状オレフィン)からなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、熱可塑性シクロオレフィン系樹脂とも称される。シクロオレフィン系樹脂は、上記シクロオレフィンの開環重合体であってもよく、2種類以上の上記シクロオレフィンを用いた開環共重合体であってもよく、上記シクロオレフィンの開環重合体や2種類以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であってもよく、さらには、シクロオレフィンと、鎖状オレフィンやビニル基等の重合性二重結合を有する芳香族化合物等との共重合体(付加重合体)であってもよい。また、シクロオレフィン系樹脂には、極性基が導入されていてもよい。
シクロオレフィンと、鎖状オレフィンおよび/またはビニル基等の重合性二重結合を有する芳香族化合物との共重合体(透明樹脂)を用いて保護フィルムを構成する場合における上記鎖状オレフィンとしては、例えば、エチレンやプロピレン等が挙げられる。また、上記重合性二重結合を有する芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレン等が挙げられる。当該共重合体におけるシクロオレフィンからなるモノマーのユニットの割合は、50モル%以下であることが好ましく、15〜50モル%程度であることがより好ましい。特に、シクロオレフィン系樹脂が、シクロオレフィンと鎖状オレフィンと重合性二重結合を有する芳香族化合物との三元共重合体である場合には、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットの割合は、上述したように比較的少ない量(50モル%以下)とすることができる。係る三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットの割合は、通常、5〜80モル%の範囲であり、重合性二重結合を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットの割合は、通常、5〜80モル%の範囲である(但し、シクロオレフィン、鎖状オレフィンおよび重合性二重結合を有する芳香族化合物の合計量は100モル%である)。
また、シクロオレフィン系樹脂として、市販品を適宜用いることもできる。当該市販品としては、例えば、ドイツのTOPAS ADVANCED POLYMERS GmbHにて生産され、日本ではポリプラスチック株式会社から販売されている“TOPAS”、JSR株式会社から販売されている“アートン”、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノア”(ZEONOR)および“ゼオネックス”(ZEONEX)、三井化学株式会社から販売されている“アペル”(以上、何れも商品名)等が挙げられる。
上記シクロオレフィン系樹脂を製膜して保護フィルムにするには、例えば、溶剤キャスト法や溶融押出法等の公知の方法を適宜用いればよい。或いは、シクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムとして、例えば、積水化学工業株式会社から販売されている“エスシーナ”および“SCA40”、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノアフィルム”、JSR株式会社から販売されている“アートンフィルム”(以上、何れも商品名)等の、予め製膜されたシクロオレフィン系樹脂製フィルムの市販品を用いてもよい。
シクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムは、一軸延伸または二軸延伸されていてもよい。一軸延伸または二軸延伸されている場合における延伸倍率は、通常、1.1〜5倍の範囲であり、1.1〜3倍の範囲であることがより好ましい。
本発明における保護フィルムは、単層で構成されていてもよく、多層で構成されていてもよい。多層で構成されている保護フィルムは、例えば、保護フィルム製造時の射出成形のときに、複数の透明樹脂を同時に射出することによって形成することができる。従って、保護フィルムにおける層と層との間には、接着剤層や粘着剤層は存在しない。層を形成する樹脂は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
第一の保護フィルムには、当該保護フィルムにおける、後述する第一の粘接着剤層に貼合される面と反対側の表面に、液晶性化合物や、液晶性化合物の高分子量化合物等からなるコート層が形成されていてもよい。第二の保護フィルムには、当該保護フィルムにおける、上述した偏光フィルムに貼り合わされる面と反対側の表面に、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、保護フィルムは、それ自体が各種機能性を備えていてもよい。機能性を有する保護フィルムとしては、例えば、一方向以上に延伸され、位相差が発現した位相差フィルムや、光源からの出射光を透過偏光と反射偏光または散乱偏光とに分離し、反射偏光または散乱偏光のバックライトからの再帰光を利用して出射効率を向上することができる輝度向上フィルム等が挙げられる。
保護フィルムは、より薄い方が好ましいものの、薄過ぎると強度が低下して加工性に劣る傾向にあり、一方、厚過ぎると透明性が低下したり、偏光板の重量が重くなったりする傾向にある。従って、保護フィルムの厚さは、通常、5〜100μmの範囲であることが好ましく、10〜80μmの範囲であることがより好ましく、10〜50μmの範囲であることがさらに好ましい。
本発明における偏光板のより好ましい構成の例として、第一の保護フィルムが、当該第一の保護フィルムにおける、後述する第一の粘接着剤層に貼合される側の表面がメタクリル系樹脂層となっている位相差フィルムであり、第二の保護フィルムがオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムである構成が挙げられる。また、第一および第二の保護フィルムを、特開2010−217870号公報に記載されている構成にすることもできる。第一および第二の保護フィルムを当該公報に記載されている構成にすることにより、偏光板は、二枚の位相差フィルムが積層されていても、局所的な色ムラが生じ難く、また、IPSモード液晶セルに適用した場合に、視野角特性に優れる。
[セパレートフィルム]
本発明におけるセパレートフィルムは、剥離フィルムとも称され、第二の粘着剤層を保護する機能を備えており、偏光板の使用時に、第二の粘着剤層が露出するように当該偏光板から剥離される。本発明における上記セパレートフィルムとしては、当分野においてセパレートフィルムの形成材料として広く用いられている樹脂で適宜構成された樹脂フィルムを、特に制限無く用いることができる。上記樹脂としては、上述した第一および第二の保護フィルムと同様の樹脂、例えば、酢酸セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これら樹脂のなかでも、酢酸セルロース系樹脂およびシクロオレフィン系樹脂がより好適に用いられる。また、セパレートフィルムとして、市販品を適宜用いることもできる。
セパレートフィルムは、より薄い方が好ましいものの、薄過ぎると強度が低下して加工性に劣る傾向にあり、一方、厚過ぎると偏光板の重量が重くなる傾向にある。従って、セパレートフィルムの厚さは、通常、5〜100μmの範囲であることが好ましく、10〜80μmの範囲であることがより好ましく、10〜50μmの範囲であることがさらに好ましい。
[粘着剤層]
本発明において第一の粘接着剤層は、上述したCOPフィルムと上記第一の保護フィルムとを着脱自在に貼り合わせる機能を有する粘着剤層或いは接着剤層である。本発明において第二の粘着剤層は、上記第一保護フィルムと上記セパレートフィルムとを着脱自在に貼り合わせる機能を有する粘着剤層である。上記第一の粘接着剤層および第二の粘着剤層は、それぞれ第一の粘接着剤組成物(以下、単に粘着剤組成物と記す場合がある)および第二の粘着剤組成物から形成される。これら粘着剤組成物は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。以下の説明において、単に「粘着剤組成物」と称する場合には、特に断りの無い限り、第一の粘接着剤組成物および第二の粘着剤組成物に共通する内容である。
第一の粘接着剤層が接着剤層である場合において、当該接着剤層を形成する接着剤組成物としては、上述した第一の接着剤組成物(COPフィルムと偏光フィルムとを貼り合わせるための接着剤組成物)と同じ組成物を用いることができる。
上記粘着剤組成物に含まれる粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル等をベースポリマーとした粘着剤が挙げられる。これら粘着剤のなかでも、アクリル系ポリマー等をベースポリマーとした粘着剤が、光学的な透明性や接着性に優れ、適度な濡れ性や凝集力を保持し、さらに耐候性や耐熱性等を有し、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれ等の剥離に係る問題を生じないのでより好ましい。ベースポリマーであるアクリル系ポリマーとしては、メチル基やエチル基、ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等からなる官能基含有アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が100,000以上のアクリル系共重合体が有用である。
上記粘着剤組成物には、粘着剤としての上記ベースポリマーの他に、通常、ベースポリマーを架橋させる架橋剤が配合されている。上記架橋剤は、ベースポリマーを架橋させることができる化合物であればよく、特に限定されない。また、本発明における偏光板を液晶セルに貼り合わせる場合には、上記粘着剤組成物にシランカップリング剤が配合されていてもよい。
粘着剤層は、例えば、上記ベースポリマーを含む粘着剤組成物をトルエンや酢酸エチル等の有機溶剤に溶解または分散させて、粘着剤組成物全体に対して10〜40重量%の溶液(または分散液)を調製し、適当なプロテクトフィルム上に当該溶液(または分散液)を塗工し、乾燥させて粘着剤層を形成した後、この粘着剤層を上述したCOPフィルム上または上記第一の保護フィルム上に移着することにより、形成することができる。尚、粘着剤層の形成方法は、特に限定されない。
粘着剤層の厚さは、その粘着力等に応じて決定すればよいが、通常は1〜50μmの範囲である。
粘着剤層には、必要に応じて、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉等の無機粉末等からなる充填剤、或いは、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が配合されていてもよい。上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
[偏光板の製造方法]
次に、本発明に係る切削方法によって切削される偏光板の製造方法を説明する。以下の説明においては、セパレートフィルム、第二の粘着剤層、第一の保護フィルム、第一の粘接着剤層、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、第一の接着剤層、偏光フィルム、第二の接着剤層、および第二の保護フィルムをこの順に積層してなる偏光板を製造する方法を例に挙げて説明する。
上記偏光板は、下記 (i)〜(vi)の工程を行うことにより製造することができる。
(i) シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムの表面に、実質的に溶質を含まない有機溶剤を接触させて表面処理(溶剤処理)する表面処理工程、
(ii)表面処理工程後、上記有機溶剤を除去してCOPフィルムを乾燥させる乾燥工程、
(iii) 乾燥工程後のCOPフィルムを、その処理面が貼合面となるように、第一の接着剤層を介して偏光フィルムに貼り合わせる第一貼合工程、
(iv)上記COPフィルムにおける非接着剤層側の表面に、第一の粘接着剤層を介して第一の保護フィルムを貼り合わせる第二貼合工程、
(v) 上記偏光フィルムにおける非接着剤層側の表面に、第二の接着剤層を介して第二の保護フィルムを貼り合わせる第三貼合工程、
(vi) 上記第一の保護フィルムにおける非粘接着剤層側の表面に、第二の粘着剤層を介してセパレートフィルムを貼り合わせる第四貼合工程。
従って、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、第一の接着剤層、および偏光フィルムをこの順に積層してなる偏光板は、上記 (i)〜(iii) の工程を行うことにより製造することができる。また、COPフィルムにおける非接着剤層側の表面に、第一の粘接着剤層、および第一の保護フィルムがこの順にさらに積層してなる偏光板は、上記 (i)〜(iv) の工程を行うことにより製造することができる。また、偏光フィルムにおける非接着剤層側の表面に、第二の接着剤層、および第二の保護フィルムがこの順にさらに積層してなる偏光板は、上記(v) の工程をさらに行うことにより製造することができる。また、第一保護フィルムにおける非粘接着剤層側の表面に、第二の粘着剤層、およびセパレートフィルムがこの順にさらに積層してなる偏光板は、上記(vi)の工程をさらに行うことにより製造することができる。
上記表面処理工程(i) においては、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムの表面に、上述した有機溶剤を接触させて表面処理(溶剤処理)する。表面処理の具体的な方法としては、有機溶剤を上記COPフィルムの表面に塗布する方法が好ましい。塗布方法としては、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコート法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法等の、公知の方法を採用することができる。ここで、流延法とは、被塗布物であるCOPフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、または両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に有機溶剤を流下して拡布させる方法である。表面処理する面は、COPフィルムの片面であってもよく、両面であってもよいが、少なくとも偏光フィルムに貼り合わされる面には、当該表面処理を施す。
上記乾燥工程(ii)においては、COPフィルムの表面処理に用いた上記有機溶剤を除去して、COPフィルムを乾燥させる。乾燥は、自然乾燥でもよく、熱をかけて乾燥させてもよい。熱をかけて乾燥させる場合は、COPフィルムの変形を防ぐ観点から、COPフィルムのガラス転移点以下の温度で乾燥させることが好ましい。乾燥工程(ii)は、表面処理工程(i) と並行して行うこともできる。本発明における偏光板の製造方法では、乾燥工程(ii)と表面処理工程(i) とを並行して行うこと、即ち、COPフィルムを有機溶剤で表面処理するときに、並行して、当該有機溶剤を除去してCOPフィルムを乾燥させる操作を行うことが好ましい。具体的には、COPフィルムにおける塗布面に、風を当てながら有機溶剤を塗布する方法等を採用することができる。
上記第一貼合工程(iii) においては、乾燥工程後のCOPフィルムを、その処理面が貼合面となるように、第一の接着剤層を介して偏光フィルムに貼り合わせる。貼合方法は、通常、一般的に知られている方法を採用することができる。具体的には、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコート法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法等の、公知の方法を用いて、COPフィルムおよび/または偏光フィルムの接着面に第一の接着剤組成物を塗布した後、両フィルムを重ねて貼り合わせる方法を採用することができる。そして、第一の接着剤組成物を塗布した後、COPフィルムと偏光フィルムとをニップロール等に挟んで圧力を掛けて貼り合わせる。また、COPフィルムおよび偏光フィルム間に第一の接着剤組成物を滴下した後、一対のロール等で両フィルムを加圧して第一の接着剤組成物を均一に押し広げる方法を採用して、両フィルムを貼り合わせることもできる。この場合に用いるロールの材質は、金属やゴム等が好ましい。また、各ロールは、互いに同じ材質であってもよく、互いに異なる材質であってもよい。
第一の接着剤組成物を介してCOPフィルムと偏光フィルムとを貼り合わせた後、第一の接着剤組成物が水系の接着剤組成物を含んでいる場合には、乾燥させることにより、当該第一の接着剤組成物を硬化させて第一の接着剤層とする。上記乾燥は、例えば、貼合物に熱風を吹き付けることにより行うことができる。熱風の温度は、通常、40〜100℃の範囲内、好ましくは60〜100℃の範囲内である。また、乾燥時間は、通常、20〜1,200秒間である。
第一の接着剤組成物を介してCOPフィルムと偏光フィルムとを貼り合わせた後、第一の接着剤組成物が活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物を含んでいる場合には、活性エネルギー線を照射することにより、当該第一の接着剤組成物を硬化させて第一の接着剤層とする。上記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、X線、可視光線等が挙げられるが、通常、紫外線がより好ましい。活性エネルギー線は、活性エネルギー線硬化性化合物を硬化させて第一の接着剤層とするのに必要な強度および量で照射すればよい。
硬化後に得られる第一の接着剤層の厚さは、通常、0.01〜5μm程度である。尚、第一の接着剤組成物が水系の接着剤組成物を含んでいる場合には、第一の接着剤層の厚さを1μm以下とすることができる。一方、第一の接着剤組成物が活性エネルギー線硬化性化合物を含有する硬化性樹脂組成物を含んでいる場合には、第一の接着剤層の厚さを2μm以下とすることがより好ましい。
上記第二貼合工程(iv)においては、COPフィルムにおける非接着剤層側の表面に、第一の粘接着剤層を介して第一の保護フィルムを貼り合わせる。貼合方法は、通常、一般的に知られている方法を採用することができる。具体的には、例えば、上記第一貼合工程(iii) における方法と同様の方法を採用することができる。
第一の粘接着剤組成物を介してCOPフィルムと第一の保護フィルムとを貼り合わせた後、第一の粘接着剤組成物に粘着剤として含まれているベースポリマーを、架橋剤で架橋させて第一の粘接着剤層とする。架橋方法は、通常、一般的に知られている方法を採用することができる。
上記第三貼合工程(v) においては、偏光フィルムにおける非接着剤層側の表面に、第二の接着剤層を介して第二の保護フィルムを貼り合わせる。貼合方法は、上記第一貼合工程(iii) における方法と同様の方法を採用することができる。上記第三貼合工程(v) は、上記第一貼合工程(iii) と並行して行われることがより好ましい。
上記第四貼合工程(vi) においては、第一の保護フィルムにおける非粘接着剤層側の表面に、第二の粘着剤層を介してセパレートフィルムを貼り合わせる。貼合方法は、上記第二貼合工程(iv)における方法と同様の方法を採用することができる。
本発明における偏光板は、少なくとも上記 (i)〜(iii) の工程を行うことにより、より好ましくは上記 (i)〜(iv) の工程を行うことにより、特に好ましくは上記(v) の工程をさらに行うことにより、最も好ましくは上記(vi)の工程をさらに行うことにより、即ち、上記 (i)〜(vi)の工程を行うことにより、製造することができる。
また、本発明における偏光板は、第二の保護フィルムにおける非接着剤層側の表面に、必要に応じて、第三の粘着剤層および表面保護フィルムをこの順にさらに貼り合わせてもよい。第三の粘着剤層は、第一および第二の粘着剤組成物と同様の粘着剤組成物から形成される。第三の粘着剤層を形成する第三の粘着剤組成物は、第一および第二の粘着剤組成物と同じであってもよく、異なっていてもよい。表面保護フィルムは、セパレートフィルムと同様の樹脂から形成される。表面保護フィルムを形成する樹脂は、セパレートフィルムを形成する樹脂と同じであってもよく、異なっていてもよい。
[切削装置]
次に、上記構成の偏光板を本発明に係る切削方法によって切削加工する切削装置の構成の一例を、図1,2を参照しながら説明する。尚、切削装置の構成は、本発明に係る切削方法を実施することができる構成であればよく、従って、下記構成に限定されない。
<端面加工用カッター>
先ず、切削装置が備える端面加工用カッターの構成について説明する。図1に示すように、端面加工用カッターは、回転体10を備えている。回転体10は、支持台10aに固定されており、回転軸Aを軸(回転中心)として一方向に回転する。回転体10は、回転軸Aに対して垂直な設置面Sを有している。尚、図1には回転体10が円盤形状である場合を示しているが、回転体10の形状は当該形状に限定されるものではない。
上記端面加工用カッターの回転体10の直径は、例えば250mmにすればよいが、特に限定されるものではない。回転体10を構成する材料や切削加工する偏光板(後述する偏光板積重体W)の厚さにもよるが、回転体10の直径は、150mm以上、600mm以下の範囲に設定することができる。尚、回転体10の回転数は、当該回転体10の直径や、偏光板を構成する各層の硬さ、切削条件等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
設置面Sには切削部1aが設置されており、切削部1aは切削刃Bを有している。切削部1b〜1fも同様に切削刃Bを有し、設置面Sに設置されている。切削部1aは、設置面Sから突出しており、矩形形状の頂面を有している。また、設置面Sに対して垂直方向から切削部1aを見たとき、切削部1aは矩形形状を有している。切削部1aでは、切削刃Bは頂面の短辺の位置に形成されている。但し、切削刃Bは頂面の長辺の位置に形成されていてもよい。また、切削部1aの頂面は上記形状に限定されない。頂面は、正方形形状、その他の多角形形状(例えば、三角形形状)、或いは円弧形状であってもよい。
切削刃Bは、切削部1aの頂面の少なくとも一つの短辺に形成されていればよく、例えば、上記頂面の二つの短辺に形成されていてもよい。切削刃Bは切削部1aの刃の部分であり、この部分で偏光板の端面の切削加工が行われる。切削刃Bは偏光板の端面と接触する必要があるため、設置面Sから離間した位置に設けられている。切削刃Bと設置面Sとの距離は、偏光板のサイズ等により適宜変更される。
ここで、上記頂面における短辺とは、切削部1a〜1fが矩形形状である場合における、長辺と接する短辺(幅)の何れかを意味する。また、切削刃Bの端部とは、切削部1a〜1fが矩形形状である場合における、切削刃Bのうち長辺と接する部分を意味する。
切削部1a〜1fは、互いに等間隔に回転体10上に設けられており、連続する3枚(1a〜1cおよび1d〜1f)をそれぞれ一組として、回転軸Aからの距離が順次短くなるように配置されている。即ち、切削部1aに対して回転体10の回転方向の逆側に位置する切削部1bは、切削部1aよりも回転軸Aからの距離が短い。また、切削部1bに対して回転体10の回転方向の逆側に位置する切削部1cは、切削部1bよりも回転軸Aからの距離が短い。このように第一の切削部群である3枚の切削部1a〜1cが配置され、さらに、回転軸Aの位置を対称中心として、切削部1a〜1cに対して180度回転した(点対称の)位置に、第二の切削部群であるもう一組の切削部1d〜1fが配置されている。また、切削部1a〜1c(および切削部1d〜1f)はその順に、設置面Sからの突出量(突出高さ)が大きくなっている。この形状により、切削部1a(および切削部1d)は、回転軸Aからの距離が最も長くかつ設置面Sからの突出量が最も小さく、切削部1c(および切削部1f)は、回転軸Aからの距離が最も短くかつ設置面Sからの突出量が最も大きくなる。
そして、設置面Sに対して垂直方向から切削刃Bを見た場合、切削刃Bにおける回転軸A側の端部と回転軸Aとを通る直線を基準線としたとき、切削部1a〜1cおよび切削部1d〜1fの各切削刃Bの向きは、回転体10の回転方向(図1(b)中の矢印方向)に30度傾斜している(図1(b)中の傾斜角θ1=30度)。換言すると、切削部1a〜1cおよび切削部1d〜1fの各長辺の向きは、回転体10の回転方向から内側に30度傾いている。上記傾斜角θ1は、30度に限定されるものではなく、本発明に係る切削方法を行うことができればよく、例えば、20度以上、35度以下の範囲であればよく、より好ましくは25度以上、30度以下の範囲であればよい。傾斜角θ1が上記範囲内であれば、偏光板に対して、切削刃Bを緩やかな角度にて接触させることができる。従って、偏光板の端面の切削加工のときに、端面の欠けや損傷の発生、つまりクラックの発生を抑制することができる。
尚、切削部1a,1b,1d,1eの各切削刃Bは、荒削り用の切削刃であり、多結晶ダイヤモンドからなる。一方、切削部1c,1fの各切削刃Bは、仕上げ用の切削刃であり、単結晶ダイヤモンドからなる。但し、切削刃Bの材質は好ましい形態として選定され、当該材質に限定されるものではない。
図2に示すように、切削部1aは、台座20を介して回転体10に取り付けられている。台座20は、円柱形状の胴部21の側面部に、切削部1aが収まる幅の溝部22を有し、上端に鍔部23を備えている。そして、切削部1aの取り付け時においては、切削部1aを台座20の溝部22に嵌め込み、取付ボルト24により固定する。
また、回転体10の設置面Sには、胴部21の断面形状と同形の取付孔11が設けられ、さらに、取付孔11を二分するように取付溝12が設けられている。そして、切削部1aの取り付け時においては、切削部1aを取り付けた台座20の胴部21を回転体10の取付孔11に嵌め込む。すると、台座20は鍔部23によって取付孔11の周縁部に係止される。但し、胴部21を取付孔11に嵌め込んだ状態であっても、台座20は回転可能であるので、切削部1a(切削刃B)の方向を任意に調整することができる。そして、切削部1aの方向(切削刃Bの向き)を決定した後、締付ボルト13により、取付溝12が閉じる方向に締め付けを行うことによって、台座20が回転体10に固定され、切削部1aの取り付けが完了する。切削部1b〜1fも同様にして回転体10に取り付けられる。
このようにして取り付けられた切削部1aおよび切削部1d、切削部1bおよび切削部1e、並びに、切削部1cおよび切削部1fは、互いに同じ形状であり、回転体10の垂直な設置面Sにおける回転軸Aの位置を対称中心として、点対称となっている。これにより、回転体10の回転時における端面加工用カッターのバランスが保持されることとなる。このように回転体10の回転時における端面加工用カッターのバランスが保持されていれば、切削刃の枚数は6枚に限定されるものではなく、4枚、8枚、10枚または12枚等に変更してもよい。上記構成の端面加工用カッターを備えた切削装置は、本発明に係る切削方法によって偏光板を切削加工することができる。
尚、端面加工用カッターは、上記構成に限定されるものではなく、例えば、切削刃の突出量や回転軸からの距離は各切削刃に関して互いに同一であってもよい。また、切削刃の傾斜角は切削刃毎に異なっていてもよい。
<切削装置>
図3に示すように、切削装置は、偏光板における互いに背向する二つの端面を同時に切削加工することができるように、上記構成の端面加工用カッター100を二つ備えている。従って、偏光板の端面におけるCOPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃が接触する向きとなるように、二つの端面加工用カッター100のうちの一方の回転体10は、図1(b)中の矢印方向に回転するようになっており、他方の回転体10は、その切削部(切削刃)等の各種部材が上記一方の回転体10の切削部(切削刃)等の各種部材と面対称となるように設けられ、上記一方の回転体10とは逆方向に回転するようになっている。
二つの端面加工用カッター100の間には、複数枚の偏光板をその積層方向(COPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向)が互いに同じになるように四辺を揃えて重ね合せて固定した偏光板積重体Wを支持する支持装置30が配置されている。一対の上記端面加工用カッター100は、支持装置30を介して互いに向かい合って配置されており、偏光板積重体Wの大きさ(幅)に合わせて端面を切削加工することができるように、回転軸方向(支持装置30に近づく方向および遠ざかる方向)に移動可能となっている。また、端面加工用カッター100の回転体10は、偏光板積重体Wがその中心点(回転軸Aの位置)を通過することができるように、位置(高さ)が調節されている。これにより、回転体10の中心点を含む水平方向の中心部付近にて、偏光板積重体Wの端面の切削加工を行うことができる。そして、回転体10の中心部付近にて切削加工を行うため、回転軸Aからの距離に関わらずに切削部1a〜1fによって切削される端面のピッチのサイズはほぼ均一となる。つまり、ピッチ同士のサイズの相違が小さくなる。このため、偏光板積重体Wにおける個々の偏光板において、切削加工後の端面の品質に、差が生じ難くなる。
上記支持装置30は、平板形状の基盤(移動装置)31と、この基盤31上に立設された門形のフレーム32とを備えている。基盤31は、一対の端面加工用カッター100の間を通過するように移動可能となっている。また、基盤31上には、偏光板積重体Wを載置して回動するテーブル33が設けられており、フレーム32における当該テーブル33と対向する位置には、上下動および回動可能なシリンダ34が垂設されている。従って、支持装置30は、一対のジグ35を介してテーブル33およびシリンダ34で偏光板積重体Wを上下方向から挟んで保持すると共に、当該偏光板積重体Wを切削加工に合せて回動させるようになっている。さらに、切削装置には、端面加工用カッター100、回転体10、支持装置30、テーブル33およびシリンダ34等の駆動を行う駆動装置や、制御を行う制御部等の各種の付属構成が設けられている。尚、これら付属構成の図示は省略している。
<切削方法>
上記構成の切削装置を用いて偏光板積重体Wの端面の切削加工を行う方法、即ち、本発明に係る切削方法の一例を、図3を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、複数枚の偏光板を重ね合せてなる偏光板積重体Wの端面の切削加工を行う方法を例に挙げるが、端面の切削加工は、一枚の偏光板に対して行ってもよい。
本発明に係る切削方法における切削工程は、回転軸に対して垂直な設置面に設置された複数の切削部を備える回転体を回転させ、上記切削部の各々の頂面に形成された切削刃を偏光板の端面に接触させることによって当該端面を切削する工程である。
先ず、偏光板積重体Wの端面におけるCOPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃が接触する向きとなるように、当該偏光板積重体Wを、一対のジグ35を介してテーブル33およびシリンダ34で上下方向から挟んで保持することにより、支持装置30に支持する。そして、支持した偏光板積重体Wを、その端面が端面加工用カッター100側に向くようにテーブル33を駆動させることによって回動させる。また、一対の端面加工用カッター100を、偏光板積重体Wの大きさ(幅)に合わせて移動させる。
次に、端面加工用カッター100の回転体10を一定速度で回転駆動させると共に、偏光板積重体Wが回転体10に近付く方向に基盤31を一定速度で移動させることによって、当該偏光板積重体Wを移動させて切削加工を開始する。即ち、切削工程では、切削している端面の長手方向に沿って、偏光板積重体Wに対して回転体10を回転させながら相対移動させる。
切削加工時には、先ず、回転体10の最も外側に位置する切削部1a,1dが偏光板積重体Wに接触してその端面を切削する。次いで、基盤31の移動に伴い、切削部1a,1dよりも内側に設けられた切削部1b,1eが偏光板積重体Wに接触してその端面を切削する。このとき、切削部1b,1eは切削部1a,1dよりも突出量が大きいので、切削部1a,1dによって切削された端面を、さらに切削することができる。つまり、荒削り用の切削刃である切削部1a,1b,1d,1eによって偏光板積重体Wの端面を徐々に切削する。最後に、仕上げ用の切削刃である切削部1c,1fが偏光板積重体Wに接触してその端面を切削し、鏡面仕上げをする。
切削加工条件は、偏光板積重体W(偏光板)の大きさや、偏光板を構成する各層の硬さ、切削刃Bの材質や枚数等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、下記条件が好適である。具体的には、回転体10にn組の切削部群(図1では二組(第一および第二)の切削部群)が形成されており、回転体10が一回転すると偏光板積重体Wの端面に切削部群がn回接触する場合を想定すると、偏光板積重体Wの端面と切削部群との接触回数は、端面の長手方向の長さ100mmあたり、500回以上、1000回以下の範囲が好ましく、600回以上、800回以下の範囲がより好ましい。上記接触回数が1000回を超えると、偏光板積重体Wの端面と切削部群(切削刃)との間で摩擦熱が発生して、偏光板積重体Wの端面に焼き付けが生じるおそれがある。上記接触回数が500回未満であると、偏光板積重体Wの端面が精度良く切削されない(良好な仕上げ状態とならない)おそれがある。
従って、偏光板積重体Wと回転体10の回転軸Aとの間の相対移動速度、および、回転体10の回転速度は、上記接触回数を満足することができるように、適宜設定すればよい。具体的には、上記相対移動速度は、通常、200〜2000mm/分の範囲であればよく、500〜2000mm/分の範囲がより好ましい。上記相対移動速度が2000mm/分を超えると、偏光板積重体Wの端面が精度良く切削されない(良好な仕上げ状態とならない)おそれや、偏光板積重体Wの端面にクラックや剥がれ等の不都合が生じるおそれがある。上記相対移動速度が200mm/分未満であると、偏光板積重体Wの端面と切削部群(切削刃)との間で摩擦熱が発生して、偏光板積重体Wの端面に焼き付けが生じるおそれがある。また、上記回転速度は、通常、2000〜8000rpmの範囲であればよく、2500〜6000rpmの範囲がより好ましい。上記回転速度が8000rpmを超えると、偏光板積重体Wの端面が精度良く切削されない(良好な仕上げ状態とならない)おそれや、偏光板積重体Wの端面にクラックや剥がれ等の不都合が生じるおそれがある。上記回転速度が2000rpm未満であると、偏光板積重体Wの端面と切削部群(切削刃)との間で摩擦熱が発生して、偏光板積重体Wの端面に焼き付けが生じるおそれがある。
また、一つの荒削り用の切削刃によって切削される1回の切削深さ(端面の奥行方向に向かう深さ)は、0.2〜0.5mmの範囲が好ましく、0.2〜0.3mmの範囲がより好ましい。上記切削深さが0.5mmを超えると、切削加工時にCOPフィルムと偏光フィルムとの間の剥がれを効果的に抑制することができなくなるおそれがある。上記切削深さが0.2mm未満であると、偏光板積重体Wの端面が精度良く切削されない(良好な仕上げ状態とならない)おそれがある。
さらに、切削部群における荒削り用の切削刃によって切削される総切削深さ(端面の奥行方向に向かう深さ)、つまり、偏光板積重体Wにおける削り取られる端面の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲が好ましく、0.5〜1.2mmの範囲がより好ましい。上記総切削深さが1.5mmを超えると、切削刃の磨耗等による劣化が著しくなると共に、偏光板積重体Wの端面に掛かる衝撃が大きくなるため、偏光板積重体Wの端面にクラックや剥がれ等の不都合が生じるおそれがある。上記総切削深さが0.2mm未満であると、寸法精度が悪くなると共に、偏光板積重体Wの端面が精度良く切削されない(良好な仕上げ状態とならない)おそれがある。
また、一つの仕上げ用の切削刃によって切削される切削深さ(端面の奥行方向に向かう深さ)は、0.01〜0.15mmの範囲が好ましく、0.01〜0.1mmの範囲がより好ましい。上記切削深さが0.15mmを超えると、偏光板積重体Wの端面に掛かる衝撃が大きくなるため、偏光板積重体Wの端面にクラックや剥がれ等の不都合が生じるおそれがある。尚、一般的に、0.01mm未満の精度で切削加工を行うことは難しい。
このようにして偏光板積重体Wにおける互いに背向する二つの端面を同時に切削加工した後、テーブル33を駆動させることによって偏光板積重体Wを90度回動させて、未加工の端面を端面加工用カッター100側に向け、上述した切削加工と同様にして、残りの二つの端面を同時に切削加工する。
これにより、偏光板積重体Wにおける四つの端面の全ての切削加工が終了し、四つの端面が切削加工された複数枚の偏光板が製造される。即ち、上記切削方法を含む製造方法によって偏光板が製造される。尚、偏光板積重体Wの端面に付着した切削屑は、いわゆる粘着ロールや粘着テープを用いることにより、飛散させることなく除去することができる。
以上のように、本発明に係る切削方法は、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、第一の接着剤層、およびポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムをこの順に積層してなる偏光板の端面を切削する切削方法であって、上記COPフィルムは、その接着剤層側の表面が有機溶剤で処理されており、偏光板の端面におけるCOPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃を接触させる切削工程を行うことにより、上記端面を切削する方法である。
また、本発明に係る製造方法は、上記切削方法を含む方法である。従って、本発明に係る切削方法を採用して端面の切削加工を行う切削工程を含んでいる偏光板の製造方法は、本発明の範疇に含まれる。当該製造方法における切削工程以外の工程、例えば、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムと第一の接着剤層とを積層する工程、第一の接着剤層と偏光フィルムとを積層する工程、等は、従来の工程を採用することができる。
さらに、本発明に係る偏光板は、上記製造方法で製造されている。従って、本発明に係る切削方法を採用して端面の切削加工を行う切削工程を含んでいる製造方法によって製造された偏光板は、本発明の範疇に含まれる。
これにより、COPフィルムと偏光フィルムとの間の剥がれを生じることなく、その端面が精度良く切削された偏光板を提供することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。尚、実施例および比較例において、使用量ないし含有量を表す「部」および「%」は、特に断りの無い限り、重量基準である。
〔実施例1〕
<偏光フィルムの作製>
平均重合度約2,400、およびケン化度99.9モル%以上であるポリビニルアルコールからなる、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に1分間浸漬した。次に、当該ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で1分間浸漬して染色した。その後、染色したポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で5分間浸漬して、ホウ酸処理を行った。また、ポリビニルアルコールフィルムの延伸を、主に、上記染色およびホウ酸処理の工程で行った。全体の延伸倍率は、5.3倍であった。次いで、ホウ酸処理後のポリビニルアルコールフィルムを、8℃の純水で洗浄した後、65℃で1分間乾燥した。これにより、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している、厚さ約30μmの偏光フィルムを作製した。
<接着剤組成物の調製>
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール〔商品名:“ゴーセファイマー Z−200”、日本合成化学工業株式会社製、4%水溶液の粘度=12.4mPa・sec、ケン化度=99.1モル%〕を純水に溶解し、濃度が10%の水溶液を調製した。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール水溶液と、架橋剤であるグリオキシル酸ナトリウムとを、前者:後者の固形分重量比が1:0.1となるように混合し、さらに、水100部に対してアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールが2.5部となるように、混合物を純水で希釈して、接着剤組成物(第一および第二の接着剤組成物)を調製した。
<シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムの作製>
延伸シクロオレフィン系樹脂からなる厚さ25μmのCOPフィルム〔商品名:“ゼオノアフィルム”、日本ゼオン株式会社製、面内位相差値=90nm、厚さ方向の位相差値=79nm〕の片面に、塗工機〔第一理化株式会社製のバーコーター〕を用いて、トルエン:メチルエチルケトン=3:7(体積比)で混合してなる有機溶剤を塗工した。この塗工は、塗工面に送風機で風を当てながら行った。そして、COPフィルムにおける、上記有機溶剤で処理された処理面に、コロナ処理を施した。これにより、接着剤層側の表面が表面処理されたCOPフィルムを作製した。
<保護フィルムの作製>
厚さ40μmの(メタ)アクリル系樹脂フィルム(樹脂組成物全体に対してアクリル系ゴム粒子を30%添加した(メタ)アクリル系樹脂フィルム)の片面に、コロナ処理を施した。これにより、第一の保護フィルムを作製した。
厚さ40μmの酢酸セルロース系樹脂フィルム〔商品名:“KC4UEW”、コニカミノルタオプト株式会社製〕の片面に、コロナ処理を施した。これにより、第二の保護フィルムを作製した。
<偏光板の作製>
上記偏光フィルムの両面に、上記接着剤組成物を23℃の雰囲気下で塗布した。そして、一方の接着剤組成物塗布面に、上記COPフィルムを、表面処理された側の表面が貼合面となるようにして貼り合わせると共に、他方の接着剤組成物塗布面に、第二の保護フィルムを、コロナ処理された側の表面が貼合面となるようにして貼り合わせた。上記貼り合わせは、貼付装置〔フジプラ株式会社製の“LPA3301”〕を用いて行った。次いで、接着剤組成物を80℃で5分間乾燥して、第一および第二の接着剤層を形成した。これにより、COPフィルム、第一の接着剤層、偏光フィルム、第二の接着剤層、および第二の保護フィルムをこの順に積層してなる積層体を得た。
次に、上記積層体のCOPフィルムにおける非接着剤層側の表面に、コロナ処理を施した。そして、この表面に、第一の粘接着剤層として、厚さ15μmのアクリル系粘着剤シートを貼り合わせた。次いで、アクリル系粘着剤シートの上に、上記第一の保護フィルムを貼り合わせた。これにより、第一の保護フィルム、第一の粘接着剤層、COPフィルム、第一の接着剤層、偏光フィルム、第二の接着剤層、および第二の保護フィルムをこの順に積層してなる複合積層体を得た。
さらに、上記複合積層体における第一の保護フィルムの上に、第二の粘着剤層として、厚さ25μmのアクリル系粘着剤層を設け、その粘着剤層の上に、離型処理が施されたセパレートフィルム(延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)を貼り合わせた。
また、上記複合積層体における第二の保護フィルムの上に、第三の粘着剤層としてのアクリル系粘着剤層を有する表面保護フィルム(延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)を貼り合わせた。これにより、セパレートフィルム、第二の粘着剤層、第一の保護フィルム、第一の粘接着剤層、COPフィルム、第一の接着剤層、偏光フィルム、第二の接着剤層、第二の保護フィルム、第三の粘着剤層、および表面保護フィルムをこの順に積層してなる大判の偏光板を得た。
その後、上記大判の偏光板を200mm×150mmのサイズの長方形状(直方体)に裁断して、端面を切削する前の偏光板を100枚以上作製した。尚、上記裁断においては、偏光フィルムの延伸方向が200mmのサイズとなるように(延伸方向と直交する方向が150mmのサイズとなるように)した。
<積重工程>
端面を切削する前の上記偏光板100枚を、その積層方向(COPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向)が互いに同じになるように、四辺を揃えて重ね合せて固定し、偏光板積重体を形成した。
<切削工程>
第一の切削部群および第二の切削部群がそれぞれ五つの切削部を有している二つのカッターが、互いに向かい合って設けられていることを除いて、図1〜3に示す切削装置と同様の切削装置を用いて切削工程を行った。以下、図1〜3を援用しながら本実施例に用いた切削装置の構成を説明する。
第一および第二の切削部群において、五つの切削部は、回転体10の回転方向における、より下流側に位置する切削部ほど、切削刃Bの突出量が大きくなるように配置されている。また、五つの切削部は、回転体10の回転方向における、より下流側に位置する切削部ほど、回転軸Aから切削刃Bまでの距離が短くなるように配置されている。第一の切削部群および第二の切削部群を構成する各切削部は、回転軸Aの周りに、互いに等間隔に離間して配置されている。そして、回転軸Aを介して対向する位置に、切削刃Bの突出量および回転軸Aから切削刃Bまでの距離が互いに等しい二つの切削部が配置されるように、第一の切削部群および第二の切削部群を構成する各切削部は配置されている。
偏光板積重体Wを上記構成の切削装置に、切削装置の切削刃がセパレートフィルム側(COPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向)から進入するようにして固定した。そして、四つの端面の全てに関して下記切削加工(切削工程)を行った。四つの端面の加工条件は全て同じとした。
即ち、二つの端面加工用カッター100の回転体10をそれらの回転軸Aを中心に回転させつつ、回転体10の位置を固定した状態で偏光板積重体Wを水平移動させることによって、偏光板積重体Wの端面の長さ方向に対して平行に、偏光板積重体Wに対して回転体10を相対移動させ、各切削部の切削刃Bを、偏光板積重体Wの端面におけるCOPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って、互いに背向する二つの端面に接触させてこれら端面を同時に削り取る切削加工(切削工程)を行った。
具体的には、図3を援用して説明すると、偏光板積重体Wを左方向に移動させ、奥側の端面加工用カッター100の回転体10の回転方向を、偏光板積重体W側から見て時計回りとし、手前側の端面加工用カッター100の回転体10の回転方向を、偏光板積重体W側から見て反時計回りとした。上記相対移動は、偏光板積重体Wの端面の一端から他端まで行った。この1回の相対移動により、偏光板積重体Wの端面に対して、切削刃Bの突出量が互いに異なる五つの切削部によって五段階の切削加工が行われることになる(各段階の切削加工を1回目、2回目、…と称する)。
次いで、回転テーブル33により偏光板積重体Wを90度回転させた後、残りの二つの端面に関しても同時に、上述した切削加工と同様の切削加工を行った。これにより、四つの端面を切削加工した偏光板積重体W(100枚の偏光板)を製造した。
尚、切削装置の上述した構成以外の構成、および切削加工の各種条件は以下の通りである。
・切削刃Bの形状:直線状、
・傾斜角θ1:30度、
・回転体10の回転速度:4800rpm、
・偏光板積重体Wと回転体10との間の相対移動速度:400mm/分、
・荒削り時の1回の切削深さ(1〜4回目の切削加工の各切削深さ):0.24mm、
・仕上げ時の切削深さ(5回目の切削加工の切削深さ):0.04mm、
・総切削深さ:1.00mm。
<剥がれ量の測定>
上記切削加工を行った偏光板積重体Wに関して、COPフィルムと偏光フィルムとの間の剥がれの有無および剥がれ量を、顕微鏡で観察しながら測定した。その結果、剥がれは確認されなかった(剥がれ量は0μm)。
<テープ剥離試験>
上記切削加工を行った偏光板のセパレートフィルムを剥がして、当該偏光板の第二の粘着剤層をガラスに貼り合わせた後、表面保護フィルムを剥がした。この偏光板の第三の粘着剤層のコーナー部(隅部)に、テープ(積水化学工業株式会社製のビニクロステープ No.750(茶)50mm×50m)を貼り付けた後、一気にテープを剥がすテープ剥離試験を行った。そして、当該テープ剥離試験を1枚の偏光板について4コーナー(四隅)で行い、15枚の偏光板で実施した。つまり、合計60コーナーに対してテープ剥離試験を行い、剥がれが発生したコーナー数を計測した。その結果、剥がれたコーナー数は0(0/60)であった。
従って、上記剥がれ量の測定およびテープ剥離試験から、本発明に係る切削方法を行うことにより、何れの切削加工中においても、各偏光板の端面においてCOPフィルムと偏光フィルムとの間の剥がれは認められず、また、良好な仕上げ状態で、各偏光板の端面をまとめて切削加工することができることが分かった。結果を表2にまとめた。
〔比較例1〕
偏光板積重体Wを、切削装置の切削刃が表面保護フィルム側(偏光フィルム側からCOPフィルム側に向かう方向)から進入するようにして固定したこと以外は、実施例1の切削加工と同様の切削加工を行い、四つの端面を切削加工した偏光板積重体W(100枚の偏光板)を製造した。そして、剥がれ量の測定およびテープ剥離試験を行った。その結果、剥がれは確認され、剥がれ量は131μmであった。また、剥がれたコーナー数は1(1/60)であった。結果を表2にまとめた。
〔比較例2〕
延伸シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムに表面処理(溶剤処理)を行わなかったこと以外は、実施例1の作製方法と同様の作製方法を行い、偏光板を作製した。次いで、実施例1の積重工程および切削加工と同様の積重工程および切削加工を行い、四つの端面を切削加工した偏光板積重体W(100枚の偏光板)を製造した。そして、剥がれ量の測定およびテープ剥離試験を行った。その結果、剥がれは確認され、剥がれ量は244μmであった。また、剥がれたコーナー数は48(48/60)であった。結果を表2にまとめた。
〔比較例3〕
偏光板積重体Wを、切削装置の切削刃が表面保護フィルム側(偏光フィルム側からCOPフィルム側に向かう方向)から進入するようにして固定したこと以外は、比較例2の切削加工と同様の切削加工を行い、四つの端面を切削加工した偏光板積重体W(100枚の偏光板)を製造した。そして、剥がれ量の測定およびテープ剥離試験を行った。その結果、剥がれは確認され、剥がれ量は189μmであった。また、剥がれたコーナー数は1(1/60)であった。結果を表2にまとめた。
Figure 2016099616
表2に示した結果から、偏光板に対してCOPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に切削刃を進入させる切削方法(実施例1)、即ち、本発明に係る切削方法では、剥がれが全く生じないことが分かる。つまり、本発明に係る切削方法を行うことにより、良好な仕上げ状態で、各偏光板の端面をまとめて切削加工することができることが分かる。
これに対して、偏光板に対して偏光フィルム側からCOPフィルム側に向かう方向に切削刃を進入させる切削方法(比較例1)では、剥がれが生じることが分かる。また、COPフィルムに表面処理(溶剤処理)を行っていない比較例2,3の偏光板では、剥がれが生じると共に剥がれ量が大きくなることが分かる。特に、COPフィルムに表面処理(溶剤処理)を行っていない比較例2の偏光板では、偏光板に対してCOPフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に切削刃を進入させる切削方法を行っても、多くのコーナーで剥がれが発生することが分かる。
本発明に係る切削方法、切削方法を含む偏光板の製造方法、および偏光板は、各種表示装置に用いられる偏光板の製造分野において広範に利用することができる。

Claims (9)

  1. シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム、第一の接着剤層、およびポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムをこの順に積層してなる偏光板の端面を切削する切削方法であって、
    上記シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムは、その接着剤層側の表面が有機溶剤で処理されており、
    偏光板の端面における、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルム側から偏光フィルム側に向かう方向に沿って切削刃を接触させる切削工程を行うことにより、上記端面を切削することを特徴とする切削方法。
  2. 上記切削工程を行う前に、複数枚の偏光板をその積層方向が互いに同じになるように重ね合せて偏光板積重体を形成する積重工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載の切削方法。
  3. 上記偏光板が、シクロオレフィン系樹脂からなるフィルムにおける非接着剤層側の表面に、第一の粘接着剤層、および第一の保護フィルムがこの順にさらに積層されている偏光板であることを特徴とする、請求項1または2に記載の切削方法。
  4. 上記偏光板が、偏光フィルムにおける非接着剤層側の表面に、第二の接着剤層、および第二の保護フィルムがこの順にさらに積層されている偏光板であることを特徴とする、請求項3に記載の切削方法。
  5. 上記偏光板が、第一保護フィルムにおける非粘接着剤層側の表面に、第二の粘着剤層、およびセパレートフィルムがこの順にさらに積層されている偏光板であることを特徴とする、請求項4に記載の切削方法。
  6. 上記切削工程が、回転軸に対して垂直な設置面に設置された複数の切削部を備える回転体を回転させ、上記切削部の各々の頂面に形成された切削刃を偏光板の端面に接触させることによって当該端面を切削する工程であることを特徴とする、請求項1から5の何れか1項に記載の切削方法。
  7. 上記切削工程では、切削している端面の長手方向に沿って、偏光板に対して回転体を回転させながら相対移動させることを特徴とする、請求項6に記載の切削方法。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の切削方法を含む偏光板の製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法で製造された偏光板。
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