JP2016094580A - フルオレンオリゴマー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フルオレン構造を有する式(2)のジカルボン酸成分とフルオレン構造を有するジアルコール成分と末端封止剤とから構成されるフルオレン構造を繰り返し単位とするエステルオリゴマー。
[Z3及びZ4は芳香族炭化水素環;Ra3、Ra4、Rb3、及びRb4はアルキル基等;p3及びp4は0〜4の整数;q3及びq4は0〜4の整数;R7及びR8はH又は脱離基]
【選択図】なし
Description
で表されるジカルボン酸化合物であり、ジアルコール成分が下記一般式(3)
で表されるジオール化合物である、フルオレンオリゴマー。
で表されるフルオレンオリゴマー。
下記一般式(2)
で表されるジカルボン酸化合物と一般式(3)
で表されるジオール化合物とを縮合重合する工程を含む、製造方法。
本発明のフルオレンオリゴマーは、ジカルボン酸成分、ジアルコール成分及び末端封止基からなるフルオレンオリゴマーであって、ジカルボン酸成分が下記一般式(2)
で表されるジカルボン酸化合物であり、ジアルコール成分が下記一般式(3)
で表されるジオール化合物である。
で表すこともできる。
R5−H、又は
R6−H
[R5及びR6は末端封止基を示す。]
で表すことができる。R5及びR6(即ち、末端封止基)としては、例えば、前記したアルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等を挙げることができる。加熱によるフルオレンオリゴマーの分解を防止する観点から、ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基が好ましい。
本発明のフルオレンオリゴマーは、前記一般式(2)で表されるジカルボン酸化合物と、前記一般式(3)で表されるジオール化合物とを縮合重合させることにより製造することができる。
塩化チオニル溶液等の縮合剤溶液を、前記ジカルボン酸化合物の溶液に氷冷下〜室温(好ましくは氷冷下)で滴下し、氷冷下〜室温(好ましくは、室温)で10〜60分程度攪拌する。その後、反応混合物にジアルコール化合物溶液を添加し、加熱下(例えば、50〜150℃で)1〜10時間(好ましくは2〜6時間)程度攪拌する。次いで、前記末端封止剤を添加し、さらに加熱下(例えば、50〜150℃で)30分〜2時間程度攪拌する。得られた反応混合物をアルコール溶媒に添加し、生じる沈殿をろ過することでフルオレンオリゴマーを得ることができる。これらの反応は、必要に応じて、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気下で行ってもよい。
塩化チオニル等の縮合剤及び前記ジカルボン酸化合物を含む混合溶液を加熱下(例えば、50〜150℃で)1〜6時間程度攪拌する。さらに必要に応じて溶媒を添加する。その後、前記ジアルコール化合物の溶液を混合溶液に添加し、30分〜3時間程度攪拌する。その後、前記末端封止剤を添加し、加熱下(例えば、50〜150℃で)30分〜2時間程度攪拌する。得られた反応混合物をアルコール溶媒に添加し、生じる沈殿をろ過することでフルオレンオリゴマーを得ることができる。これらの反応は、必要に応じて、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気下で行ってもよい。
前記ジカルボン酸化合物と過剰量の塩化チオニル等の縮合剤とを反応させ、ジカルボン酸化合物の酸ハライドを得て、減圧下加熱する等の方法により余剰の縮合剤を除く。その後、前記ジアルコール化合物の溶液を攪拌下、前記ジカルボン酸化合物の酸ハライド(特に、酸クロライド)の溶液を添加し、加熱下(例えば、50〜150℃で)30分〜3時間程度攪拌する。その後、前記末端封止剤を添加し、さらに加熱下(例えば、50〜150℃で)30分〜2時間程度攪拌する。得られた反応混合物をアルコール溶媒に添加し、生じる沈殿をろ過することでフルオレンオリゴマーを得ることができる。これらの反応は、必要に応じて、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気下で行ってもよい。
・FDBA: 9,9−ビス(4−カルボキシルフェニル)フルオレン、 大阪ガスケミカル株式会社製
・BPEF: 9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、 大阪ガスケミカル株式会社製
・ポリエステル: 光学用ポリエステル樹脂 OKP4HT、 大阪ガスケミカル株式会社製
・PC: ポリカーボネート ユーピロン H−4000、 三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製
・COP: シクロオレフィンポリマー アートン F4520、 JSR株式会社製
カラム :Shodex KF-804-L(2連) (昭和電工社製)
溶出液 :テトラヒドロフラン(安定剤不含) (和光社製)
温度 :40℃
標準試料 :ポリスチレン 分子量1200〜126700(GLサイエンス社製) n-プロピルベンゼン(分子量120)(ナカライテスク社製)
の条件により、(GLサイエンス社製)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
ノズル: 1.0mm×1.0mmΦ
試験荷重: 10kg
昇温速度: 5℃/min
の条件により測定し、グラフ(横軸:温度、縦軸:粘度)の傾きにより流動性を判断した。なお、以下の実施例におけるT5000の値は、当該条件において、粘度が5000Pa・sとなった温度である。
(複屈折)
大塚電子株式会社製リタデーション測定装置RETS−100を用いて、600nmの単色光で複屈折を測定した。測定に用いた試験片は、樹脂を160〜240℃でプレス成形し、厚み100〜400μmのフィルムを作製し、得られたフィルムを15×50mmの短冊状に切り出すことにより得た。ガラス転移温度(Tg)+10℃の温度で測定用試験片を25mm/分で3倍延伸し、延伸フィルムを得た。このフィルムの複屈折を、上記の装置を使用して測定した。
実施例1
塩化チオニル 24.6g(207 mol)及びピリジン 165mLの混合溶液に氷冷下、FDBA 40g(98 mmol)をピリジン 120mLに溶かした溶液を窒素雰囲気下、約10分かけて滴下し、室温にてさらに20分攪拌した。さらにBPEF 35.8g(81.7 mmol)をピリジン 105mLに溶かした溶液を、シリンジにて得られた反応混合物に添加し、80℃で4時間攪拌した。その後、ベンジルアルコール 16mLを投入し、さらに80℃で1時間攪拌した後、メタノール 4000mL中で再沈殿を行った。得られた沈殿をろ過し、メタノール 3000mLを用いて、再度攪拌することで洗浄した。再度沈殿をろ過することにより、フルオレンオリゴマー 55gを得た。得られたフルオレンオリゴマーの物性を測定したところ、Mwが2287、Mnが1397、Mw/Mnが1.64、Tgが167.7℃であった。
塩化チオニル 24.0g(201.7 mol)、FDBA 40g(98 mmol)及びピリジン 20mLの混合溶液を窒素雰囲気下、70℃、2時間攪拌した後、さらに反応混合物を2時間還流(約130℃)した。その後、反応混合物に260mLピリジンを加え、混合物を攪拌しているところにさらにBPEF 41.0g(93.5 mmol)及びピリジン 100mLの混合溶液をシリンジにて投入した。80℃で1時間撹拌後、反応混合物にベンジルアルコール 16mLを投入し、さらに80℃で1時間攪拌した後、メタノール 4000mL中で再沈殿を行った。得られた沈殿をろ過し、メタノール 3000mLを用いて、再度攪拌することで洗浄した。再度沈殿をろ過することにより、フルオレンオリゴマー 70gを得た。得られたフルオレンオリゴマーの物性を測定したところ、Mwが7276、Mnが4325、Mw/Mnが1.68、Tgが194.5℃であった。
塩化チオニル 57.73g、 FDBA 39g(95.6 mmol)及びDMF 2滴の混合溶液を窒素雰囲気下、2時間還流させながら撹拌し、完全に溶解させた。アスピレーターを用いて減圧しながら得られた混合溶液を150℃で3時間攪拌することで、余剰の塩化チオニルを除去し、FDBA−Clを得た。
試験例1
実施例1及び2で得られたフルオレンオリゴマーを、樹脂組成物全体に対して5重量%又は10重量%の割合で、ポリエステル、PC、及びCOPにそれぞれ添加し、得られた樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)、T5000を上述の方法により測定した。下記表2にこれらの測定結果を示した。
前記試験例1において得られた一部樹脂組成物を用いて、上述の方法により屈折率及び複屈折を測定した。その結果を下記表3に示した。
Claims (4)
- ジカルボン酸成分、ジアルコール成分及び末端封止基からなるフルオレンオリゴマーであって、ジカルボン酸成分が下記一般式(2)
で表されるジカルボン酸化合物であり、ジアルコール成分が下記一般式(3)
で表されるジオール化合物である、フルオレンオリゴマー。 - 前記フルオレンオリゴマーの重量平均分子量が2000〜30000である、請求項1に記載のフルオレンオリゴマー。
- 下記一般式(1)
で表されるフルオレンオリゴマー。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のフルオレンオリゴマーの製造方法であって、
下記一般式(2)
で表されるジカルボン酸化合物と一般式(3)
で表されるジオール化合物とを縮合重合する工程を含む、製造方法。
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