JP6444819B2 - フルオレンオリゴマー及びそれからなる樹脂用添加剤 - Google Patents

フルオレンオリゴマー及びそれからなる樹脂用添加剤 Download PDF

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Description

本発明は、フルオレンオリゴマー及びそれからなる樹脂用添加剤に関する。
現在、樹脂組成物は様々な用途で用いられており、その用途によって、各種特性が求められる。この際、基本となる高分子化合物の特性は限られているため、基本となる高分子化合物に様々な添加剤を加えることで、求められる特性を付与する方法等が用いられている。
例えば、一般的な樹脂組成物では、成形時の簡便性から、樹脂の流動性を向上させることが求められる。例えば、特許文献1では、フルオレン骨格の9位に芳香族環が結合したフルオレン化合物を樹脂に添加することによって、樹脂組成物の流動性等を改善することが報告されている。
しかしながら、樹脂組成物には様々な特性が求められており、例えば、光学材料、光学用成形体(光学フィルム、光学レンズ等)等の光学用途においては、流動性を改善することのみならず、光弾性定数を低減することも要求されることから、既存の樹脂組成物では要求特性を満たしているとは言えない。
特開2013−231115号公報
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、具体的には、樹脂の流動性を改善し、樹脂の光弾性定数を低減することができる新規の化合物(樹脂用添加剤)を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のフルオレン骨格を有するジオール成分と、特定の芳香族骨格を有するジハライド成分とからなるフルオレンオリゴマー(ポリカーボネート系オリゴマー)は、上記課題を解決し、樹脂の流動性を改善し、樹脂の光弾性定数を低減することができることを見出した。このフルオレンオリゴマーは、ホスゲン等の毒性化合物を使用せずに合成することも可能である。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.ジオール成分(A)及びジハライド成分(B)を重合成分とするフルオレンオリゴマーであって、
前記ジオール成分(A)は、一般式(A1):
[式中、Z及びZは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;Ra1、Ra2、Rb1及びRb2は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基;p1及びp2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;q1及びq2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
で示されるジオール化合物であり、且つ、
前記ジハライド成分(B)は、一般式(B1):
−A−Z−A−X
[式中、Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;X及びXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子である。]
で示されるジハライド化合物である、フルオレンオリゴマー。
項2.前記ジオール成分(A)の含有量が30〜70モル%であり、前記ジハライド成分(B)の含有量が30〜70モル%である、項1に記載のフルオレンオリゴマー。
項3.前記ジオール成分(A)及び前記ジハライド成分(B)からなる、項1又は2に記載のフルオレンオリゴマー。
項4.一般式(1):
[式中、Z〜Zは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基;A〜Aは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;Ra1、Ra2、Rb1及びRb2は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基;p1及びp2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;q1及びq2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
で示される繰り返し単位を有する、フルオレンオリゴマー。
項5.重量平均分子量が3000〜20000である、項1〜4のいずれかに記載のフルオレンオリゴマー。
項6.数平均分子量が2000〜20000である、項1〜5のいずれかに記載のフルオレンオリゴマー。
項7.二酸化炭素ガス雰囲気で、有機溶媒に、ジオール化合物、ジハライド化合物、及びアルカリ金属炭酸塩を、前記ジオール化合物及び前記ジハライド化合物の合計濃度が0.7mol/L以上となり、前記アルカリ金属炭酸塩の使用量が前記ジオール化合物1モルに対して2.5モル以上となるように投入し、混合する工程
を備え、
前記ジオール化合物は、一般式(A1):
[式中、Z及びZは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;Ra1、Ra2、Rb1及びRb2は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基;p1及びp2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;q1及びq2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
で示されるジオール化合物であり、且つ、
前記ジハライド化合物は、一般式(B1):
−A−Z−A−X
[式中、Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;X及びXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子である。]
で示されるジハライド化合物である、フルオレンオリゴマーの製造方法。
項8.反応温度が65〜110℃である、項7に記載の製造方法。
項9.項1〜6のいずれかに記載のフルオレンオリゴマーからなる樹脂用添加剤。
項10.樹脂流動性改善剤及び/又は樹脂用複屈折低減剤である、項9に記載の樹脂用添加剤。
項11.樹脂と、項9又は10に記載の樹脂用添加剤を含有する、樹脂組成物。
項12.前記樹脂用添加剤の含有量が、前記樹脂100重量部に対して1〜20重量部である、項11に記載の樹脂組成物。
本発明のフルオレンオリゴマーは、特定のフルオレン骨格を有するジオール成分と、特定の芳香族骨格を有するジハライド成分とを含有する(特に、特定のフルオレン骨格を有するジオール成分と、特定の芳香族骨格を有するジハライド成分とからなる)ポリカーボネート系オリゴマーである。本発明のフルオレンオリゴマーは、このような構造を有していることから、樹脂の流動性を改善しつつ、光弾性定数を低減することができる。
このような本発明のフルオレンオリゴマーは、上記のジオール成分とジハライド成分とを、炭酸ガス及び安価なアルカリ金属炭酸塩を用いて反応させることにより得ることができるため、ホスゲン等のような毒性化合物を使用せずに合成することができる。
実施例2−1のFr. 4の1H-NMRスペクトルである。 実施例2−1のFr. 4の13C-NMRスペクトルである。 分取前の実施例2−2のサンプル(実施例1−4のフルオレンオリゴマー)の1H-NMRスペクトルである。 分取前の実施例2−2のサンプル(実施例1−4のフルオレンオリゴマー)の13C-NMRスペクトルである。
1.フルオレンオリゴマー
本発明のフルオレンオリゴマーは、オール成分(A)及びジハライド成分(B)を重合成分とするフルオレンオリゴマーであって、
前記ジオール成分(A)は、一般式(A1):
[式中、Z及びZは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;Ra1、Ra2、Rb1及びRb2は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基;p1及びp2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;q1及びq2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
で示されるジオール化合物であり、且つ、
前記ジハライド成分(B)は、一般式(B1):
−A−Z−A−X
[式中、Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;X及びXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子である。]
で示されるジハライド化合物である。
(1)ジオール成分(A)
本発明において、ジオール成分(A)は、上記一般式(A1)で示される化合物である。
一般式(A1)において、Z及びZで示される芳香族炭化水素環としては、特に制限されるわけではないが、例えば、ベンゼン環の他、縮合多環式芳香族炭化水素環、環集合炭化水素環等も採用することができる。縮合多環式芳香族炭化水素環としては、例えば、縮合二環式炭化水素環(インデン環、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、特にC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式炭化水素環(アントラセン環、フェナントレン環等のC12−30縮合三環式炭化水素環)等の縮合二〜四環式炭化水素環等が挙げられる。環集合炭化水素環としては、例えば、ビフェニル環、テルフェニル環、ビナフチル環等のビ又はテルC6−10アレーン環等が挙げられる。なかでも、転化率よくフルオレンオリゴマーを合成することができるとともに、樹脂の流動性をより改善し、光弾性定数をより低減することができる観点から、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環等が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。なお、Z及びZは同一でも異なっていてもよいが、同一であるほうが、本発明のフルオレンオリゴマーを合成しやすい。
一般式(A1)において、A〜Aで示されるアルキレン基としては、C1−8アルキレン基が好ましく、C2−6アルキレン基がより好ましい。具体的には、エチレン基、1,2−プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。なお、A及びAは同一でも異なっていてもよいが、同一であるほうが、本発明のフルオレンオリゴマーを合成しやすい。
なお、前記一般式(A1)において、−O−A−OH基及び−O−A−OH基の置換位置は、特に限定されず、環Z及びZの適当な置換位置に置換していればよい。例えば、−O−A−OH基及び−O−A−OH基は、Z及びZがベンゼン環である場合、ベンゼン環の2〜6位に置換していればよく、4位に置換しているのが好ましい。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示される炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、C1−8アルキル基が好ましく、C1−4アルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。このアルキル基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このアルキル基の置換基としては、例えば、後述の炭化水素基(シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、C5−10シクロアルキル基が好ましく、C5−8シクロアルキル基がより好ましく、C5−6シクロアルキル基がさらに好ましい。具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。このシクロアルキル基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このシクロアルキル基の置換基としては、例えば、前記又は後述の炭化水素基(アルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
アリール基としては、C6−10アリール基が好ましい。具体的には、フェニル基、アルキルフェニル基(アルキル:前記したもの;トリル基(o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基等)、ジメチルフェニル基(キシリル基等))、ナフチル基等が挙げられる。このアリール基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このアリール基の置換基としては、例えば、前記又は後述の炭化水素基(アルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、C7−14アラルキル基が好ましい。具体的には、前述したアリール基を有するアルキル基が挙げられる。より具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。このアラルキル基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このアラルキル基の置換基としては、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるアルコキシ基としては、C1−8アルコキシ基が好ましく、C1−6アルコキシ基がより好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。このアルコキシ基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このアルコキシ基の置換基としては、例えば、前記又は後述の炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等)、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等を挙げることができる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるシクロアルコキシ基としては、C5−10シクロアルコキシ基が好ましい。具体的には、シクロヘキシルオキシ基等が例示できる。このシクロアルコキシ基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このシクロアルコキシ基の置換基としては、例えば、前記又は後述の炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等を挙げることができる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるアリールオキシ基としては、前述したアリール基を有するC6−10アリールオキシ基が好ましい。具体的には、フェノキシ基等が挙げられる。このアリールオキシ基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このアリールオキシ基の置換基としては、例えば、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるアラルキルオキシ基としては、前述したアリール基と前述したアルキルオキシ基を有するC7−14アラルキルオキシ基が好ましい。具体的には、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられる。このアラルキルオキシ基は、さらに1〜3個の置換基で置換されていてもよい。このアラルキルオキシ基の置換基としては、例えば、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるアシル基としては、C1−6アシル基が好ましい。具体的には、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。このアシル基は、1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよい。このアシル基の置換基としては、例えば、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるアルコキシカルボニル基としては、前述したアルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基が挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるアリールオキシカルボニル基としては、前述したアリールオキシ基を有するアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2で示されるアミノ基としては、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等の1〜3個の置換基を有し得る。アミノ基としては、具体的には、アミノ基の他、ジメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基等が挙げられる。
これらのなかでも、Ra1、Ra2、Rb1及びRb2としては、後述するジハライド成分(B)との重合効率、流動性改善効果、光弾性低減効果等を考慮して相性のよい置換基を採用することが好ましい。
なお、p1が複数(2〜4の整数)である場合、複数のRa1は同一でもよいし、異なっていてもよい。同様に、p2が複数(2〜4の整数)である場合、複数のRa2は同一でもよいし、異なっていてもよい。
また、異なるベンゼン環に置換したRa1とRa2とは同一でもよいし、異なっていてもよい。また、Ra1及びRa2の結合位置(置換位置)は、特に限定されず、例えば、フルオレン環の2位、7位等の少なくとも1つが挙げられる。
一般式(A1)において、Ra1及びRa2の置換数であるp1及びp2は同一でも異なっていてもよいが、それぞれ0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
また、q1が複数(2〜4の整数)である場合、複数のRb1は同一でもよいし、異なっていてもよい。同様に、q2が複数(2〜4の整数)である場合、複数のRb2は同一でもよいし、異なっていてもよい。
また、異なる芳香族炭化水素環に置換したRb1とRb2とは同一でもよいし、異なっていてもよい。また、Rb1及びRb2の結合位置(置換位置)は、特に限定されない。
一般式(A1)において、Rb1及びRb2の置換数であるq1及びq2は同一でも異なっていてもよいが、それぞれ0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
このような条件を満たす一般式(A1)で示される化合物としては、特に制限されないが、転化率よくフルオレンオリゴマーを合成することができるとともに、樹脂の流動性をより改善し、光弾性定数をより低減することができる観点から、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン等が挙げられる。
9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレンとしては、例えば、
等の9,9−ビス(ヒドロキシ(C2−4アルコキシ)フェニル)フルオレン等が挙げられる。
また、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレンとしては、例えば、
等の9,9−ビス(ヒドロキシ(C2−4アルコキシ)ナフチル)フルオレン等が挙げられる。
一般式(A1)で示される化合物としては、これらのうち、特に、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレンが好ましく、9,9−ビス(ヒドロキシ(C2−4アルコキシ)フェニル)フルオレンがより好ましく、
等がさらに好ましい。つまり、ジオール成分(A)としては、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン由来の構成単位が好ましく、9,9−ビス(ヒドロキシ(C2−4アルコキシ)フェニル)フルオレン由来の構成単位がより好ましく、
由来の構成単位がさらに好ましい。
(2)ジハライド成分(B)
本発明において、ジハライド成分(B)は、上記一般式(B1)で示される化合物である。
一般式(B1)において、Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基であり、上記した芳香族炭化水素環由来の2価の基が好ましい。具体的には、上記したベンゼン環由来の2価の基の他、縮合多環式芳香族炭化水素環由来の2価の基、環集合炭化水素環由来の2価の基等も採用することができる。縮合多環式芳香族炭化水素環としては、例えば、縮合二環式炭化水素環(インデン環、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、特にC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式炭化水素環(アントラセン環、フェナントレン環等のC12−30縮合三環式炭化水素環)等の縮合二〜四環式炭化水素環等が挙げられる。環集合炭化水素環としては、例えば、ビフェニル環、テルフェニル環、ビナフチル環等のビ又はテルC6−10アレーン環等が挙げられる。なかでも、Zとしては、転化率よくフルオレンオリゴマーを合成することができるとともに、樹脂の流動性をより改善し、光弾性定数をより低減することができる観点から、ベンゼン環由来の2価の基、環集合炭化水素環由来の2価の基等が好ましく、ベンゼン環由来の2価の基がより好ましい。このような芳香族炭化水素環由来の2価の基としては、具体的には、
等が挙げられ、転化率よくフルオレンオリゴマーを合成することができるとともに、樹脂の流動性をより改善し、光弾性定数をより低減することができる観点から、
が好ましく、
がより好ましい。
一般式(B1)において、A〜Aで示されるアルキレン基としては、C1−8アルキレン基が好ましく、C2−6アルキレン基がより好ましい。具体的には、エチレン基、1,2−プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。なお、A及びAは同一でも異なっていてもよいが、同一であるほうが、本発明のフルオレンオリゴマーを合成しやすい。
一般式(B1)において、A〜Aで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。なお、X及びXは同一でも異なっていてもよいが、同一であるほうが、本発明のフルオレンオリゴマーを合成しやすい。
このような条件を満たす一般式(B1)で示される化合物としては、特に制限されないが、例えば、
等が挙げられ、転化率よくフルオレンオリゴマーを合成することができるとともに、樹脂の流動性をより改善し、光弾性定数をより低減することができる観点から、
等が好ましく、
等がより好ましい。
つまり、ジハライド成分(B)としては、
由来の構成単位が好ましく、
由来の構成単位がより好ましい。
なお、本発明では、上記のような芳香族骨格のジハライド成分(B)を使用するが、脂肪族骨格のジハライド成分(アルキルジハライド等)を使用した場合は、本発明のフルオレンオリゴマーをほとんど得ることができず、ジオール成分(A)がほとんど未反応のまま残存してしまう。
(3)フルオレンオリゴマー
本発明のフルオレンオリゴマーは、前記ジオール成分(A)と前記ジハライド成分(B)とを重合成分とする(又はジオール成分(A)とジハライド成分(B)とが共重合した)ポリカーボネート系オリゴマーであり、種々の特性(特に、流動性向上、光弾性低減等)において優れている。具体的には、本発明のフルオレンオリゴマーは、特定のジオール成分(由来の構成単位)と特定のジハライド成分(由来の構成単位)とを組み合わせて有することにより、適度な分子量及びガラス転移温度を有するとともに、樹脂に添加した際に樹脂の流動性を向上させ、樹脂の光弾性定数を低減することができる。
このような本発明のフルオレンオリゴマーは、前記ジオール成分(A)と前記ジハライド成分(B)とを重合成分とする(特に前記ジオール成分(A)と前記ジハライド成分(B)とからなる)ものであれば特に制限はないが、フルオレンオリゴマー全体(又は前記ジオール成分(A)と前記ジハライド成分(B)の総量)を100モル%として、前記ジオール成分(A)を30〜70モル%(特に40〜60モル%)、前記ジハライド成分(B)を30〜70モル%(特に40〜60モル%)含むことが好ましい。
このような条件を満たす本発明のフルオレンオリゴマーは、一般式(1):
[式中、Z〜Z、A〜A、Ra1、Ra2、Rb1、Rb2、p1、p2、q1及びq2は前記に同じである。]
で示される繰り返し単位を有するフルオレンオリゴマーとも表記することができる。この本発明のフルオレンオリゴマーの平均重合度は、樹脂用添加剤として用いた際の樹脂との相溶性、流動性及び光弾性の観点から、1〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましい。なお、流動性向上及び光弾性低減の観点からは平均重合度をより小さくすることが好ましいが、樹脂との相溶性向上の観点からは平均重合度をより大きくすることが好ましく、これらのバランスを取ることが特に好ましい。
このような条件を満たす本発明のフルオレンオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、同様に、樹脂用添加剤として用いた際の樹脂との相溶性、流動性及び光弾性の観点から、3000〜20000が好ましく、3500〜15000がより好ましく、4000〜10000がさらに好ましい。
このような条件を満たす本発明のフルオレンオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、同様に、樹脂用添加剤として用いた際の樹脂との相溶性、流動性及び光弾性の観点から、2000〜20000が好ましく、2200〜15000がより好ましく、2500〜10000がさらに好ましい。
このような条件を満たす本発明のフルオレンオリゴマーのMw/Mnは、同様に、樹脂用添加剤として用いた際の樹脂との相溶性、流動性及び光弾性の観点から、1.65〜2.00が好ましく、1.67〜1.90がより好ましく、1.70〜1.80がさらに好ましい。
なお、上記の平均重合度、重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリスチレン換算によるGPC測定で測定する。
このような条件を満たす本発明のフルオレンオリゴマーのガラス転移温度は、例えば、60〜150℃が好ましく、70〜120℃がより好ましく、75〜100℃がさらに好ましい。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計により測定する。
2.フルオレンオリゴマーの製造方法
本発明のフルオレンオリゴマーは、二酸化炭素ガス雰囲気で、有機溶媒に、ジオール化合物(前記ジオール成分(A))、ジハライド化合物(前記ジハライド成分(B))、及びアルカリ金属炭酸塩を、前記ジオール化合物及び前記ジハライド化合物の合計濃度が0.7〜2mol/Lとなり、前記アルカリ金属炭酸塩の添加量が前記ジオール化合物1モルに対して2.5モル以上となるように投入し、65〜110℃で混合する工程を備える製造方法により合成することができる。
なお、ジオール化合物、ジハライド化合物等の使用量(使用割合)は、上記説明した範囲と同様の範囲から選択できる。つまり、ジオール化合物及びジハライド化合物の合計量を100モル%として、ジオール化合物を30〜70モル%(特に40〜60モル%)、ジハライド化合物を30〜70モル%(特に40〜60モル%)使用することが好ましい。
アルカリ金属炭酸塩としては、本工程における反応が進行すれば特に制限されないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等が挙げられ、本工程でより効率的に縮合反応を進行させる観点から、炭酸カリウムが好ましい。
アルカリ金属炭酸塩の使用量は、本工程で効率的に縮合反応を進行させるため、上記ジオール化合物1モルに対して、2.5モル以上、好ましくは2.7〜5モル、より好ましくは2.8〜4.5モルである。アルカリ金属炭酸塩の使用量が少ない場合は、縮合反応が十分に進行せず、本発明のフルオレンオリゴマーが得られない。
本工程において使用される有機溶媒としては、特に制限されないが、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等の非プロトン性極性溶媒等を使用することができる。
有機溶媒の使用量は特に制限はなく、過剰量とすることもできるが、本工程で効率的に縮合反応を進行させるため、前記ジオール化合物及び前記ジハライド化合物の合計濃度が0.7mol/L以上、好ましくは0.8〜2mol/L、より好ましくは0.9〜1.5mol/Lとなるように使用する。有機溶媒中の前記ジオール化合物及び前記ジハライド化合物の合計濃度が少ない場合は、縮合反応が十分に進行せず、本発明のフルオレンオリゴマーが得られない。
本工程は、必要に応じて、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤等)等の添加剤の存在下で行ってもよい。この際、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤等)等の添加剤の種類は、ポリカーボネート系オリゴマーを合成する際に通常使用される添加剤を用いることができ、また、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤等)等の添加剤の量は、ポリカーボネート系オリゴマーを合成する際の通常の使用量とすることができる。
本工程では、二酸化炭素ガス雰囲気下で行われる。具体的には、密閉反応容器内で、二酸化炭素圧が1〜10MPa、好ましくは2〜8MPa、より好ましくは3〜6MPaとなるように二酸化炭素ガスを吹き込み、前記二酸化炭素圧を維持してもよいし、開放反応容器内で、初期二酸化炭素圧が1〜10MPa、好ましくは2〜8MPa、より好ましくは3〜6MPaとなるように二酸化炭素ガスを吹き込んでもよい(この場合、二酸化炭素圧は維持されずに徐々に低下する)。特に、本発明のフルオレンオリゴマーの分子量をより大きくするとともに、収率をより向上させる観点から、密閉容器内で二酸化炭素圧を維持することが好ましい。
本工程における反応温度は、本工程で効率的に縮合反応を進行させ、分子量をより十分大きくし、本発明のフルオレンオリゴマーを得やすくするため、65〜110℃が好ましく、70〜100℃がより好ましく、75〜90℃がさらに好ましい。反応時間は、本発明のフルオレンオリゴマーを得ることができる程度であれば特に制限されない。
得られた本発明のフルオレンオリゴマーは、必要に応じて水に注いで余剰のアルカリ金属炭酸塩を除去するとともに、必要に応じて析出した不要物をろ取し、必要に応じて水洗及び乾燥させることで精製することができる。また、必要に応じて、メタノール等のアルコール溶媒を用いて、沈殿として得ることができる。
このようにして、本発明のフルオレンオリゴマーが得られる。本発明においては、上記のように反応条件を制御することにより、効率よく縮合反応を起こすとともに、成長末端がオリゴマー鎖に囲まれて、オリゴマー程度で反応が停止すると考えられるため、本発明のフルオレンオリゴマーを効率的に得ることができる。
3.樹脂用添加剤及び樹脂組成物
上記説明した本発明のフルオレンオリゴマーは、樹脂に添加する(樹脂用添加剤として使用する)ことで、樹脂の流動性を向上させることができる。このため、本発明のフルオレンオリゴマーは、樹脂流動性改善剤として機能させることができる。
また、上記説明した本発明のフルオレンオリゴマーは、樹脂に添加する(樹脂用添加剤として使用する)ことで、樹脂の光弾性定数を低減させることができる。このため、本発明のフルオレンオリゴマーは、樹脂光弾性低減剤(樹脂複屈折調整剤)として機能させることができる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と、前記樹脂用添加剤(本発明のフルオレンオリゴマー)とを含む。
本発明の樹脂組成物に使用される樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂をいずれも用いることができる。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂等の樹脂を使用することができる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。なかでも、本発明のフルオレンオリゴマーとの相溶性の観点から、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ビスフェノール系ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、例えば、フルオレン系ポリエステル樹脂等が挙げられる。ポリシクロオレフィン樹脂としては、例えば、ノルボルネン系シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。これらは市販品を用いてもよく、例えば、光学用ポリエステル樹脂 OKP4HT(大阪ガスケミカル(株)製)、ユーピロン H−4000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)、アートン F4520(JSR(株)製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物における前記樹脂用添加剤(本発明のフルオレンオリゴマー)の含有量は、所望の効果(樹脂の流動性改善、樹脂の光弾性定数低減等)が得られる範囲であれば特に制限されないが、例えば、樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、2〜15重量部がより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を妨げない限り、前記樹脂用添加剤(本発明のフルオレンオリゴマー)以外の公知の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、各種添加剤[例えば、充填剤又は補強剤、着色剤(染顔料)、導電剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、離型剤、帯電防止剤、分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、表面改質剤、低応力化剤(シリコーンオイル、シリコーンゴム、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリングプラスチック粉末等)、耐熱性改良剤(硫黄化合物やポリシラン等)、炭素材等]が挙げられる。これらの添加剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、優れた流動性と共に、光弾性定数が低減されている。このため、本発明の樹脂組成物は、光学用途に適している。例えば、本発明の樹脂組成物を、光学材料又は光学用成形体(光学フィルム、光学レンズ等)として使用することができる。光学用成形体は、例えば、射出成形法、プレス成形、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法(特に、溶融キャスト後にプレスを行う溶融プレス法)等を利用して製造することができる。光学フィルムを得る場合、得られた光学用成形体を延伸してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、本実施例で用いた試薬は、以下の試薬を精製せずに使用した。
BPEF:9, 9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製)
α, α’−ジクロロ−p−キシレン:東京化成工業(株)製
4, 4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル:東京化成工業(株)製
炭酸カリウム:ナカライテスク(株)製。
[実施例1:フルオレンオリゴマー]
ガラス転移温度
フルオレンオリゴマーのガラス転移温度は、
測定範囲:室温〜200℃
昇温速度:10℃/分
冷却速度:5℃/分
の条件で、示差走査熱量計(DSC;(株)リガク製、Rigaku Thermo Plusシリーズ、DSC8230)を用いて測定した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びPDI(Mw/Mn)
フルオレンオリゴマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びPDI(Mw/Mn)は、
検出器:示差屈折検出器(RI)、UV検出器254 nm
移動相:テトラヒドロフラン(THF)100 %
流速:1 mL/分
カラム:KF-804L 2本(排除限界Mw 400000)
試料:フルオレンオリゴマーの1重量%THF溶液
ポリスチレン換算
の条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;ジーエルサイエンス(株)製、高速液体クロマトグラフ・GPC解析ソフト)により測定した。
IRスペクトル
フルオレンオリゴマーのIRスペクトルは、フーリエ赤外分光装置Magna-IR760(Nicolet社製)を用いて測定した。
実施例1−1
ガラス管にBPEF(26.31 g, 60.0 mmol)、α, α’−ジクロロ−p−キシレン(10.50 g, 60.0 mmol)及びNMP(N−メチル−2−ピロリドン;120 mL)を入れ、室温で撹拌し均一な溶液とした。密閉容器(オートクレーブ)にこのガラス容器を入れ、激しく撹拌しながら、ミルで粉砕した炭酸カリウム(33.17 g, 240 mmol, BPEFに対して4当量)を分割投入した。二酸化炭素圧が5 MPaになるようにCO2ガスを導入し、この二酸化炭素圧を維持しながら80℃で24時間反応させた。室温まで冷却後、サンプルを取出し、水に注いで炭酸カリウムを除いた。次に、析出した不溶物をろ取し、水洗後風乾した。得られた粗生成物をTHF(テトラヒドロフラン;300 mL)に溶解させ、メタノール(2 L)に滴下し、析出した不溶物をろ取、乾燥させることで、白色粉末を得た(収量35.64 g, 収率94.5 %)。
得られた白色粉末のDSC測定によりガラス転移温度を測定したところ、94.5℃であった。また、GPC測定を行ったところ、得られた白色粉末は、重量平均分子量(Mw):8890、数平均分子量(Mn):5090、PDI(Mw/Mn):1.75、平均重合度:8のオリゴマーであった。さらに、IRスペクトル(ATR法)を測定したところ、1740 cm-1付近にブロードなカーボネート結合のC=O由来の吸収が観測された。これらの結果から、BPEF、α, α’−ジクロロ−p−キシレン、及び二酸化炭素が反応して、フルオレンオリゴマー(ポリカーボネート系オリゴマー)が生成していることが示された。
実施例1−2
二酸化炭素の初期圧を5 MPaとし、二酸化炭素圧を維持しない(管理しない)こと以外は実施例1−1と同様に処理を行い、白色粉末を55.9 %の収率で得た。
GPC測定を行ったところ、得られた白色粉末は、重量平均分子量(Mw):6570、数平均分子量(Mn):3780、PDI(Mw/Mn):1.74、平均重合度:6のオリゴマーであった。さらに、IRスペクトル(ATR法)を測定したところ、1740 cm-1付近にブロードなカーボネート結合のC=O由来の吸収が観測された。これらの結果から、原料であるBPEFが一部残存しているものの、BPEF、α, α’−ジクロロ−p−キシレン、及び二酸化炭素が反応して、フルオレンオリゴマー(ポリカーボネート系オリゴマー)が生成していることが示された。
実施例1−3
二酸化炭素圧が1 MPaとなるように維持したこと以外は実施例1−1と同様に処理を行い、白色粉末を98.6 %の収率で得た。
GPC測定を行ったところ、得られた白色粉末は、重量平均分子量(Mw):6480、数平均分子量(Mn):3560、PDI(Mw/Mn):1.82、平均重合度:6のオリゴマーであった。さらに、IRスペクトル(ATR法)を測定したところ、1740 cm-1付近にブロードなカーボネート結合のC=O由来の吸収が観測された。これらの結果から、BPEF、α, α’−ジクロロ−p−キシレン、及び二酸化炭素が反応して、フルオレンオリゴマー(ポリカーボネート系オリゴマー)が生成していることが示された。
実施例1−4
α, α’−ジクロロ−p−キシレンの代わりに4, 4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルを用いること以外は実施例1−1と同様に処理を行い、薄黄色粉末を86.7 %の収率(収量36.66 g)で得た。
得られた薄黄色粉末のDSC測定によりガラス転移温度を測定したところ、79.2℃であった。また、GPC測定を行ったところ、得られた薄黄色粉末は、重量平均分子量(Mw):4870、数平均分子量(Mn):2730、PDI(Mw/Mn):1.79、平均重合度:4のオリゴマーであった。さらに、IRスペクトル(ATR法)を測定したところ、1740 cm-1付近にブロードなカーボネート結合のC=O由来の吸収が観測された。これらの結果から、BPEF、4, 4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、及び二酸化炭素が反応して、フルオレンオリゴマー(ポリカーボネート系オリゴマー)が生成していることが示された。
比較例1−1
炭酸カリウムの使用量を、33.17 g(240 mmol, BPEFに対して4当量)ではなく、16.58 g(120 mmol, BPEFに対して2当量)としたこと以外は実施例1−1と同様に処理を行った。
GPC測定を行ったところ、重量平均分子量(Mw):820、数平均分子量(Mn):690、PDI(Mw/Mn):1.19という結果が得られ、IRスペクトルでは1740 cm-1付近にカーボネート結合のC=O由来の吸収は観測できず、ほとんどが原料であるBPEFがそのまま残存しており、ほとんど縮合反応していないことが示された。
比較例1−2
NMPの使用量を120 mL(BPEF及びα, α’−ジクロロ−p−キシレンの合計濃度1 mol/L)ではなく240 mL(BPEF及びα, α’−ジクロロ−p−キシレンの合計濃度0.5 mol/L)としたこと以外は実施例1−1と同様に処理を行った。
GPC測定を行ったところ、重量平均分子量(Mw):900、数平均分子量(Mn):740、PDI(Mw/Mn):1.22という結果が得られ、IRスペクトルでは1740 cm-1付近にカーボネート結合のC=O由来の吸収は観測できず、ほとんどが原料であるBPEFがそのまま残存しており、ほとんど縮合反応していないことが示された。
比較例1−3
α, α’−ジクロロ−p−キシレンの代わりに1, 4−ジクロロブタンを用い、二酸化炭素の初期圧を5 MPaとし、二酸化炭素圧を維持しない(管理しない)こと以外は実施例1−1と同様に処理を行った。
GPC測定を行ったところ、重量平均分子量(Mw):1110、数平均分子量(Mn):1060、PDI(Mw/Mn):1.05という結果が得られ、IRスペクトルでは1740 cm-1付近にカーボネート結合のC=O由来の吸収は観測できず、ほとんどが原料であるBPEFがそのまま残存しており、ほとんど縮合反応していないことが示された。
以上の結果を表1に示す。
[実施例2:フルオレンオリゴマーの分取]
重量平均分子量(Mw)
分取したフルオレンオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、
検出器:示差屈折検出器(RI)、UV検出器254 nm
移動相:テトラヒドロフラン(THF)100 %
流速:1 mL/分
カラム:KF-804L 2本(排除限界Mw 400000)
試料:フルオレンオリゴマーの1重量%THF溶液
ポリスチレン換算
の条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;ジーエルサイエンス(株)製、高速液体クロマトグラフ・GPC解析ソフト)により測定した。
実施例2−1
実施例1−1で得たフルオレンオリゴマー(1 g)をTHF(40 mL)に溶解させ、2.5重量%のTHF溶液を得た。
このTHF溶液をサンプルとして用いて、以下の分取条件:
サンプル注入量:5 mL(1回で処理できるフルオレンオリゴマーの量は125 g)
移動相(THF)流量:4 mL/分
検出:UV(254 nm)
で、サンプル注入後8分後から分取を開始し、1分ごとに分画し、10フラクションに分割し、サンプル注入から40分で1ターンとした。それぞれのフラクションに含まれる成分の分子量をGPCで測定した。結果を表2に示す。
実施例2−2
実施例1−4で得たフルオレンオリゴマー(1 g)をTHF(40 mL)に溶解させ、2.5重量%のTHF溶液を得た。
このTHF溶液をサンプルとして用いて、以下の分取条件:
サンプル注入量:5 mL(1回で処理できるフルオレンオリゴマーの量は125 g)
移動相(THF)流量:4 mL/分
検出:UV(254 nm)
で、サンプル注入後8分後から分取を開始し、1分ごとに分画し、10フラクションに分割し、サンプル注入から40分で1ターンとした。それぞれのフラクションに含まれる成分の分子量をGPCで測定した。結果を表3に示す。
次に、実施例2−1のFr. 4及び分取前の実施例2−2のサンプル(実施例1−4のフルオレンオリゴマー)について、1H-NMR及び13C-NMRの測定を行った。結果を図1〜4に示す。この結果から、本発明のフルオレンオリゴマーが分取されていることが理解できる。
[実施例3:樹脂組成物]
流動性
樹脂組成物の流動性は、
モード:昇温法
温度:160〜250℃
荷重:10 kg
ダイ穴径:(長さ)1 mm、(厚さ)1 mm
の条件で、フローテスタ((株)島津製作所製、CFT-500D)を用いて測定し、グラフ(横軸:温度、縦軸:粘度)の傾きにより判断した。なお、測定したT5000の値は、粘度が5000 Pa・sとなった温度を意味し、小さいほど流動性が高いことを意味する。
光弾性定数
樹脂組成物の光弾性定数(複屈折)は、
レタデーション測定法:コンペンセータ法
温度:25℃
試験力:200 N
の条件で、偏光顕微鏡((株)ニコン製)及び引張治具(偏光顕微鏡に取付可能な手動引張装置)を用いて測定した。なお、光弾性定数が小さいほど複屈折を低減できることを意味する。
実施例3−1
ポリカーボネートペレット(PCペレット;帝人(株)製のパンライトL-1225L)を、濃度が15重量%となるように、1, 4−ジオキサンに溶解させた。その後、この溶液に、ポリカーボネート100重量部に対して5重量部となるように、実施例2−1で得たFr. 3のフルオレンオリゴマーを添加して溶解させ、キャスト溶液を得た。得られたキャスト溶液を、テフロンシート上にキャストして製膜した。この状態では白化が抑制できなかったため、得られたキャストシートを250℃で溶融プレスを行い、実施例3−1の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
なお、溶融プレスの条件は、
使用機器:精密真空プレス(テスター産業(株)製)
温度:250℃
時間:3分(予熱2.5分、加圧0.5分)
雰囲気:真空
冷却:金属底盤上で、20 kgの荷重を加えながらプレス冷却
とした。
実施例3−2
実施例2−1で得たFr. 3ではなく実施例2−1で得たFr. 5を用いたこと以外は実施例3−1と同様に、実施例3−2の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
実施例3−3
実施例2−1で得たFr. 3ではなく実施例2−1で得たFr. 5を用い、フルオレンオリゴマーの濃度を5重量部ではなく10重量部としたこと以外は実施例3−1と同様に、実施例3−3の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
実施例3−4
実施例2−1で得たFr. 3ではなく実施例2−1で得たFr. 6を用いたこと以外は実施例3−1と同様に、実施例3−4の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
実施例3−5
実施例2−1で得たFr. 3ではなく実施例2−1で得たFr. 6を用い、フルオレンオリゴマーの濃度を5重量部ではなく10重量部としたこと以外は実施例3−1と同様に、実施例3−5の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
比較例3−1
実施例2−1で得たFr. 3を用いなかったこと以外は実施例3−1と同様に、比較例3−1のシートサンプルを得た。
実施例3−1〜3−5及び比較例3−1の結果を表4に示す。
実施例3−6
ポリカーボネートペレット(PCペレット;帝人(株)製のパンライトL-1225L)を、濃度が15重量%となるように、1, 4−ジオキサンに溶解させた。その後、この溶液に、ポリカーボネート100重量部に対して4.8重量部となるように、実施例2−2で得たFr. 4のフルオレンオリゴマーを添加して溶解させ、キャスト溶液を得た。得られたキャスト溶液を、テフロンシート上にキャストして製膜した。この状態では白化が抑制できなかったため、得られたキャストシートを250℃で溶融プレスを行い、実施例3−6の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
なお、溶融プレスの条件は、
使用機器:精密真空プレス(テスター産業(株)製)
温度:250℃
時間:3分(予熱2.5分、加圧0.5分)
雰囲気:真空
冷却:金属底盤上で、20 kgの荷重を加えながらプレス冷却
とした。
実施例3−7
実施例2−2で得たFr. 4ではなく実施例2−2で得たFr. 5を用い、フルオレンオリゴマーの濃度を4.8重量部ではなく3.6重量部としたこと以外は実施例3−6と同様に、実施例3−7の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
実施例3−8
実施例2−2で得たFr. 4ではなく実施例2−2で得たFr. 5を用い、フルオレンオリゴマーの濃度を4.8重量部ではなく10重量部としたこと以外は実施例3−6と同様に、実施例3−8の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
実施例3−9
実施例2−2で得たFr. 4ではなく実施例2−2で得たFr. 6を用い、フルオレンオリゴマーの濃度を4.8重量部ではなく5重量部としたこと以外は実施例3−6と同様に、実施例3−9の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
実施例3−10
実施例2−2で得たFr. 4ではなく実施例2−2で得たFr. 6を用い、フルオレンオリゴマーの濃度を4.8重量部ではなく10重量部としたこと以外は実施例3−6と同様に、実施例3−10の樹脂組成物からなるシートサンプルを得た。
比較例3−2
実施例2−2で得たFr. 4を用いなかったこと以外は実施例3−6と同様に、比較例3−2のシートサンプルを得た(比較例3−2は、比較例3−1と同じである)。
実施例3−6〜3−10及び比較例3−2の結果を表5に示す。

Claims (12)

  1. ジオール成分(A)及びジハライド成分(B)を重合成分とするフルオレンオリゴマーであって、
    前記ジオール成分(A)は、一般式(A1):
    [式中、Z及びZは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;Ra1、Ra2、Rb1及びRb2は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基;p1及びp2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;q1及びq2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示されるジオール化合物であり、且つ、
    前記ジハライド成分(B)は、一般式(B1):
    −A−Z−A−X
    [式中、Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;X及びXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子である。]
    で示されるジハライド化合物であり、
    前記ジオール成分(A)及び前記ジハライド成分(B)がカーボネート結合を介して重合している、
    フルオレンオリゴマー。
  2. 前記ジオール成分(A)の含有量が30〜70モル%であり、前記ジハライド成分(B)の含有量が30〜70モル%である、請求項1に記載のフルオレンオリゴマー。
  3. カーボネート結合を介して重合している前記ジオール成分(A)及び前記ジハライド成分(B)からなる、請求項1又は2に記載のフルオレンオリゴマー。
  4. 一般式(1):
    [式中、Z〜Zは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基;A〜Aは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;Ra1、Ra2、Rb1及びRb2は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基;p1及びp2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;q1及びq2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示される繰り返し単位を有する、フルオレンオリゴマー。
  5. 重量平均分子量が3000〜20000である、請求項1〜4のいずれかに記載のフルオレンオリゴマー。
  6. 数平均分子量が2000〜20000である、請求項1〜5のいずれかに記載のフルオレンオリゴマー。
  7. 二酸化炭素ガス雰囲気で、有機溶媒に、ジオール化合物、ジハライド化合物、及びアルカリ金属炭酸塩を、前記ジオール化合物及び前記ジハライド化合物の合計濃度が0.7mol/L以上となり、前記アルカリ金属炭酸塩の使用量が前記ジオール化合物1モルに対して2.5モル以上となるように投入し、混合する工程
    を備え、
    前記ジオール化合物は、一般式(A1):
    [式中、Z及びZは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;Ra1、Ra2、Rb1及びRb2は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基;p1及びp2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;q1及びq2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示されるジオール化合物であり、且つ、
    前記ジハライド化合物は、一般式(B1):
    −A−Z−A−X
    [式中、Zは芳香族炭化水素環由来の2価の基;A及びAは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;X及びXは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子である。]
    で示されるジハライド化合物である、フルオレンオリゴマーの製造方法。
  8. 反応温度が65〜110℃である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のフルオレンオリゴマーからなる樹脂用添加剤。
  10. 樹脂流動性改善剤及び/又は樹脂用複屈折低減剤である、請求項9に記載の樹脂用添加剤。
  11. 樹脂と、請求項9又は10に記載の樹脂用添加剤を含有する、樹脂組成物。
  12. 前記樹脂用添加剤の含有量が、前記樹脂100重量部に対して1〜20重量部である、請求項11に記載の樹脂組成物。
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