JP2017036249A - 化合物の製造方法及び混晶 - Google Patents

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Abstract

【課題】高収率及び高純度でフルオレン骨格を有する化合物を製造する方法を提供する。【解決手段】一般式(A)の化合物と一般式(B)の化合物を縮合させる工程を含み、晶析溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いる、一般式(C)で表される化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、化合物の製造方法及び混晶に関する。
従来、カメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホンなどの撮像モジュールの光学部材にはガラス材料が用いられていた。ガラス材料は様々な光学特性を備えており、環境耐性に優れるため好ましく用いられてきたが、軽量化や小型化が容易ではなく、加工性や生産性が悪いという欠点を有していた。これに対し、樹脂硬化物は、大量生産が可能であり、加工性にも優れているため、近年、様々な光学部材に用いられるようになってきている。
樹脂硬化物を形成するための硬化性組成物に用いられるモノマーとしては、フルオレン骨格を有する化合物が用いられる場合がある。例えば、特許文献1には、特定溶媒とフルオレン骨格を有する化合物から構成される包接化合物を形成させる工程を含む9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの製造方法が開示されている。ここでは、包接化合物を晶析させる工程で用いる溶媒としてメタノール等のアルコール水、アセトン等のケトン類及びジイソプロピルエーテルなどのエーテル類が列挙されている。また、特許文献2には、フルオレン系ジオール化合物の製造方法が開示されている。ここで製造されるフルオレン系ジオール化合物は、フルオレン環の9位に結合する2つのフェニル基の2位にヒドロキシ基を有している。なお、特許文献2では、反応工程や晶析工程で用いられる溶媒としては、一般的なトルエン等の有機溶媒が挙げられている。
特開2008−115139号公報 特開2014−114387号公報
しかしながら、上述したような従来の製造方法においては、フルオレン骨格を有する化合物の収率が劣るため、より効率的に化合物を製造できる方法の開発が求められていた。また、従来の製造方法で製造されたフルオレン骨格を有する化合物には、不純物が含まれる場合があり、このような場合、結晶が黄色みを呈する場合があり問題となっていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、高収率及び高純度で所定の構造を有する化合物を製造する方法であって、着色が抑えられた化合物を製造する方法を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、硬化性組成物に用いられる所定の化合物を合成する際に縮合工程もしくは、晶析工程で用いる溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いることにより、高収率及び高純度で結晶を得ることができることを見出した。本発明者らは、このような製造方法で得られた結晶は着色が少なく、光学部材を形成するために好ましく用いられることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]酸触媒及びチオール化合物を含む溶媒中で、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物を縮合させる工程を含む、一般式(C)で表される化合物の製造方法であって、縮合させる工程において溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、及び、縮合させる工程の後に、晶析溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、の少なくともいずれかを含む化合物の製造方法;
Figure 2017036249
一般式(A)〜(C)中、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよい単環又は置換基を有してもよい縮合環を表し、Arは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよいヘテロアリーレン基を表す。
[2]一般式(A)で表される化合物が下記一般式(A−1)で表される化合物であり、一般式(B)で表される化合物が下記一般式(B−1)で表される化合物であり、一般式(C)で表される化合物が下記一般式(C−1)で表される化合物である[1]に記載の製造方法;
Figure 2017036249
一般式(A−1)〜(C−1)中、Ar11〜Ar13は、それぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環を表し、R〜Rはそれぞれ独立に置換基を表し、a〜cはそれぞれ独立に0又は、破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環に置換可能な最大置換数を上限とする整数を表す;Ar11〜Ar13がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環である場合は、R〜Rはそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の環に置換していてもよい。
[3]一般式(A−1)〜(C−1)において、Ar11〜Ar13のうち少なくとも1つは破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環である[2]に記載の製造方法。
[4]一般式(A−1)および(C−1)において、Ar11又はAr12は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環である[2]又は[3]に記載の製造方法。
[5]一般式(B)で表される化合物が下記一般式(B−3)で表される化合物である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法;
Figure 2017036249
一般式(B−3)中、Rは置換基を表し、cは0〜4の整数を表す。
[6]一般式(B)で表される化合物がフェノールである[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]一般式(A)で表される化合物が下記一般式(A−3)で表される化合物であり、一般式(B)で表される化合物がフェノールであり、一般式(C)で表される化合物が下記一般式(C−3)で表される化合物である[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法;
Figure 2017036249
一般式(A−3)および(C−3)中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を表し、aは0〜4の整数を表し、bは0〜6の整数を表す。
[8]一般式(A−3)および(C−3)において、aは0であり、bは0である[7]記載の製造方法。
[9]炭酸エステル系溶媒の使用量は、一般式(A)で表される化合物100モル%に対して、15モル%以上である[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]炭酸エステル系溶媒が、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル及び炭酸プロピレンから選択される少なくともいずれかである[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]炭酸エステル系溶媒が炭酸ジメチルである[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]下記一般式(C)で表される化合物と、炭酸エステルとを含む混晶;
Figure 2017036249
一般式(C)中、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよい単環又は置換基を有してもよい縮合環を表し、Arは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよいヘテロアリーレン基を表す。
[13]一般式(C)で表される化合物が11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレンであり、炭酸エステルが炭酸ジメチルである[12]に記載の混晶。
[14]混晶における、炭酸ジメチルの割合は、11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレン100モル%に対して、15〜25モル%である[13]に記載の混晶。
本発明の製造方法によれば、高収率及び高純度で結晶を製造することができる。また、本発明の製造方法を用いて製造された結晶は着色が少なく、光学部材を製造するための硬化性組成物の材料として好ましく用いられる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
(化合物の製造方法)
<一般式(A)〜(C)で表される化合物>
本発明は、酸触媒及びチオール化合物を含む溶媒中で、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物を縮合させる工程を含む一般式(C)で表される化合物の製造方法に関する。本発明の製造方法は、縮合させる工程において溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、及び、縮合させる工程の後に、晶析溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、の少なくともいずれかを含む。
Figure 2017036249
一般式(A)〜(C)中、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよい単環又は置換基を有してもよい縮合環を表し、Arは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよいヘテロアリーレン基を表す。
Ar及びArが表す置換基を有してもよい単環又は置換基を有してもよい縮合環は、環骨格構成原子数が6〜18の単環もしくは縮合環であることが好ましく、環骨格構成原子数が6〜14の単環もしくは縮合環であることがより好ましく環骨格構成原子数が6〜10の単環もしくは縮合環であることがさらに好ましい。
単環には、炭化水素環および複素環が含まれ、縮合環はこれらの単環が縮合した環である。炭化水素環は芳香族炭化水素環であることが好ましく、複素環は芳香族複素環であることが好ましい。中でも、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素環であることが好ましく、芳香族炭化水素環はベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。
なお、複素環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。
また、Ar及びArから選択される少なくとも一方は、置換基を有してもよい芳香族縮合環であることが好ましく、Ar又はArは置換基を有してもよい芳香族縮合環であることが好ましい。ここで、芳香族縮合環は、環骨格構成原子数が9〜14の多環芳香族炭化水素又は多環芳香族複素環であることが好ましい。中でも、芳香族縮合環は、多環芳香族炭化水素であることが好ましく、ナフタレン環であることが特に好ましい。
Arは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよいヘテロアリーレン基を表す。Arは、環骨格構成原子数が6〜18のアリーレン基又はヘテロアリーレン基であることが好ましく、環骨格構成原子数が6〜14のアリーレン基又はヘテロアリーレン基であることがより好ましく、環骨格構成原子数が6〜10のアリーレン基又はヘテロアリーレン基であることがさらに好ましい。中でも、Arは、アリーレン基であることが好ましく、フェニレン基又はナフチレン基であることがより好ましく、フェニレン基であることがさらに好ましい。
Ar及びArが有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、アミノ基などを挙げることができる。中でも、Ar及びArが有し得る置換基は、電子供与性基であることが好ましく、例えば、シクロプロピル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等を挙げることができる。
Arが有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、アミノ基などを挙げることができる。
Arにおけるヒドロキシ基の置換位置は特に限定されるものではなく、Arがフェニレン基である場合、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンのいずれであってもよい。中でも、Arがフェニレン基である場合は、Arは1,4−フェニレンであることが好ましい。すなわち、フェニレン基の環骨格結合部位に対して4位にヒドロキシ基を有することが好ましい。Arを1,4−フェニレンとすることにより、一般式(C)で表される化合物の合成を容易にすることができ、収率を高めることができる。
また、一般式(A)で表される化合物は下記一般式(A−1)で表される化合物であることが好ましく、一般式(B)で表される化合物は下記一般式(B−1)で表される化合物であることが好ましく、一般式(C)で表される化合物は下記一般式(C−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017036249
一般式(A−1)〜(C−1)中、Ar11〜Ar13は、それぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環を表し、R〜Rはそれぞれ独立に置換基を表し、a〜cはそれぞれ独立に0又は、破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環に置換可能な最大置換数を上限とする整数を表す。Ar11〜Ar13がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環である場合は、R〜Rはそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の環に置換していてもよい。
Ar11〜Ar13が表す破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は縮合環は、環骨格構成原子数が6〜18の単環もしくは縮合環であることが好ましく、環骨格構成原子数が6〜14の単環もしくは縮合環であることがより好ましく、環骨格構成原子数が6〜10の単環もしくは縮合環であることがさらに好ましい。なお、上記環骨格構成原子数には、破線で囲まれたベンゼン環の炭素数が含まれる。
単環には、炭化水素環および複素環が含まれ、縮合環はこれらの単環が縮合した環である。炭化水素環は芳香族炭化水素環であることが好ましく、複素環は芳香族複素環であることが好ましい。中でも、Ar11〜Ar13はそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族炭化水素環であることが好ましく、破線で囲まれたベンゼン環であるか、又はナフタレン環であることがより好ましい。
一般式(A−1)〜(C−1)において、Ar11〜Ar13のうち少なくとも1つは破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環であることが好ましい。中でも、Ar11及びAr12から選択される少なくとも一方は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環であることが好ましく、Ar11又はAr12は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環であることが好ましい。ここで、芳香族縮合環は、環骨格構成原子数が9〜14の多環芳香族炭化水素又は多環芳香族複素環であることが好ましい。中でも、芳香族縮合環は、多環芳香族炭化水素であることが好ましく、ナフタレン環であることが特に好ましい。
Ar13は、破線で囲まれたベンゼン環を含む芳香族炭化水素環であることが好ましく、芳香族炭化水素環はベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。Ar13は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環であってもよいが、破線で囲まれたベンゼン環からなる単環であることが好ましい。
〜Rはそれぞれ独立に置換基を表す。R〜Rが表す置換基としては特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、アミノ基などを挙げることができる。中でもR及びRはそれぞれ独立に、電子供与性基であることが好ましく、例えば、シクロプロピル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等を挙げることができる。
なお、Ar11〜Ar13がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環である場合は、R〜Rはそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の環に置換していてもよい。
a〜cはそれぞれ独立に0又は、破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環に置換可能な最大置換数を上限とする整数を表す。a〜cは、それぞれ独立に0〜4の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましく、0であることが特に好ましい。
また、一般式(B)で表される化合物は、下記一般式(B−3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017036249
一般式(B−3)中、Rは置換基を表し、cは0〜4の整数を表す。
一般式(B−3)におけるRは、一般式(B−1)におけるRと同様であり、好ましい範囲も同様である。
cは0〜4の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましく、0であることが特に好ましい。一般式(B−3)においてcは0であることが好ましく、すなわち、一般式(B)で表される化合物はフェノールであることが好ましい。
さらに、一般式(A)で表される化合物が下記一般式(A−3)で表される化合物であり、一般式(B)で表される化合物がフェノールであり、一般式(C)で表される化合物が下記一般式(C−3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017036249
一般式(A−3)および(C−3)中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を表し、aは0〜4の整数を表し、bは0〜6の整数を表す。
一般式(A−3)および(C−3)におけるR及びRは、一般式(A−1)及び(C−1)におけるR及びRとそれぞれ同様であり、好ましい範囲もそれぞれ同様である。
aは0〜4の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましく、0であることが特に好ましい。また、bは0〜6の整数であることが好ましく、0〜4の整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましく、0であることが特に好ましい。
すなわち、aは0であり、bは0であることが好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる一般式(A)で表される化合物の具体例を列挙するが、一般式(A)で表される化合物は以下の化合物に限定されるものではない。
なお、Meはメチル基を表す。
Figure 2017036249
以下に、本発明で好ましく用いられる一般式(B)で表される化合物の具体例を列挙するが、一般式(B)で表される化合物は以下の化合物に限定されるものではない。なお、Meはメチル基を表す。
Figure 2017036249
以下に、本発明で好ましく用いられる一般式(C)で表される化合物の具体例を列挙するが、一般式(C)で表される化合物は以下の化合物に限定されるものではない。なお、Meはメチル基を表す。
Figure 2017036249
Figure 2017036249
上記の中でも、一般式(A)で表される化合物は、化合物(a4)、(a7)又は(a10)であることが好ましく、特に化合物(a4)であることが好ましい。また、一般式(B)で表される化合物は、化合物(b1)であることが好ましい。そして、一般式(C)で表される化合物は、化合物(c4)、(c7)又は(c10)であることが好ましく、特に化合物(c4)であることが好ましい。すなわち、一般式(C)で表される化合物は、11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレンであることが特に好ましい。
<炭酸エステル系溶媒>
本発明の製造方法は、縮合させる工程において溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、及び、縮合させる工程の後に、晶析溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、の少なくともいずれかを含む。本発明では、上記工程のうち少なくともいずれかの工程で炭酸エステル系溶媒を用いることにより、一般式(C)で表される化合物と炭酸エステルの混晶が得られるものと考えられる。本発明では、このような混晶は高収率で得ることが可能であり、さらに純度も高く着色が抑制されている。
本発明で用いる炭酸エステル系溶媒としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、炭酸エチルメチル、炭酸1,2−ブチレン等が挙げられる。中でも、炭酸エステル系溶媒は、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル及び炭酸プロピレンから選択される少なくともいずれかであることが好ましく、炭酸ジメチルであることがより好ましい。上記炭酸エステル系溶媒を用いることにより、安定性の高い結晶を得ることができる。
炭酸エステル系溶媒の使用量は、一般式(A)で表される化合物100モル%に対して、15モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。炭酸エステル系溶媒の使用量を上記範囲とすることにより、後述するように、一般式(C)で表される化合物と、炭酸エステルとを含む混晶における炭酸エステルの含有率を所望の範囲内とすることができる。また、炭酸エステル系溶媒の使用量を上記範囲とすることにより、高純度及び高収率で結晶が得られやすくなる。さらに混晶の構造的な安定性を高めることができる。
<酸触媒及びチオール化合物>
一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物の縮合反応は、酸触媒及びチオール化合物を含む溶媒中で行われる。ここで、酸触媒としては、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸、濃硫酸などが挙げられる。中でも、酸触媒は、メタンスルホン酸であることが好ましい。また、チオール化合物としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン類や、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、メルカプト安息香酸などのメルカプトカルボン酸を用いることができる。中でも、チオール化合物はメルカプトプロピオン酸であることが好ましい。
本発明では、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物の縮合反応を酸触媒及びチオール化合物の存在下で行うことにより、目的化合物を効率よく得ることができる。
<製造工程>
本発明では、上述した化合物、溶媒及び触媒等を用いて化合物を含む結晶を製造しているため、目的の化合物(結晶)を高収率及び高純度で得ることができる。また、本発明で得られた結晶においては、着色が抑えられている。すなわち、本発明の製造方法は、高品質な硬化性組成物材料を効率よく得ることができる方法であり、レンズ等の光学部材の製造に用いられる硬化性組成物材料として好適な結晶を製造する方法である。
本発明の製造方法は、酸触媒及びチオール化合物を含む溶媒中で、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物を縮合させる工程を含む。また、本発明では、縮合させる工程において溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、及び、縮合させる工程の後に、晶析溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて化合物(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、の少なくともいずれかを含む。炭酸エステル系溶媒は、上記のいずれかの工程で用いられればよいが、中でも、縮合させる工程で用いられることが好ましい。すなわち、本発明の製造方法は、縮合させる工程において溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程を含むものであることが好ましい。これにより、反応工程数を減らすことも可能となり、化合物の生産効率を高めることができる。
なお、本発明の製造方法において、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物を縮合させる工程では、公知の縮合方法を採用することができる。また、晶析溶媒を用いて結晶を得る工程においても公知の晶析方法を採用することができる。
本発明の製造方法を用いることにより、得られる結晶の収率を高めることができる。具体的には、結晶の収率を50%以上とすることができ、60%以上とすることもでき、70%以上とすることも可能である。このように本発明の製造方法では高収率で結晶を得ることができるため、硬化性組成物に用いる材料の製造コストを抑制することができ、結果として硬化物の製造コストを抑制することができる。また、本発明の製造方法で得られた結晶は高純度であり、品質面においても優れている。
(混晶)
本発明は、下記一般式(C)で表される化合物と、炭酸エステルとを含む混晶に関するものでもある。
Figure 2017036249
一般式(C)中、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよい単環又は置換基を有してもよい縮合環を表し、Arは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよいヘテロアリーレン基を表す。
一般式(C)におけるAr〜Arは、上述した一般式(C)におけるAr〜Arとそれぞれ同様であり、好ましい範囲もそれぞれ同様である。上述したように一般式(C)で表される化合物は、一般式(C−1)で表される化合物であることが好ましく、一般式(C−3)で表される化合物であることがより好ましい。
中でも、一般式(C)で表される化合物は、11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレンであることが特に好ましい。
炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、炭酸エチルメチル、炭酸1,2−ブチレン等が挙げられる。中でも、炭酸エステルは、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル及び炭酸プロピレンから選択される少なくともいずれかであることが好ましく、炭酸ジメチルであることがより好ましい。
混晶が11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレンと炭酸ジメチルの混晶である場合、混晶に含まれる炭酸ジメチルの割合は、11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレン100モル%に対して、15〜30モル%であることが好ましく、15〜25モル%であることがより好ましく、20〜25モル%であることがさらに好ましい。混晶における含有比率を上記範囲内とすることにより、着色を抑制することができ、かつ安定性に優れた混晶とすることができる。
本発明の混晶の融点は、140℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、160℃以上であることがさらに好ましい。本明細書における混晶の融点は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)測定法によって測定をしたものである。融点の高い混晶は結晶の安定性が高く、硬化性組成物の材料として好ましく用いられる。
本発明の混晶は黄色みの着色が抑制されており、混晶は白色結晶であることが好ましい。具体的には、混晶を0.1w/v%(weight/volume%)となるようにTHF(テトラヒドロフラン)溶液に溶解し、その溶液の透過スペクトルを測定した際に、波長400nmにおける透過率が90%以上であることが好ましい。溶液の透過スペクトルは、島津製作所(株)製の分光光度計(UV−2550)を用い測定する。また、この場合、セルには、角型石英セル(光路長:1cm)を用い、ブランクにはTHF溶液を用いる。
(硬化性組成物)
本発明の製造方法で得られた結晶(混晶)は、重合性基を有する化合物と混合された後に、硬化性組成物を構成するモノマーとして用いられる。重合性基としては、例えば、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基を挙げることができる。
ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を挙げることができる。好適なものとしてラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性基を挙げることができ、具体的にはビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などを挙げることができる。中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性基を挙げることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が好ましい。
上述した中でも、重合性基は、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
重合性基を有する化合物と混合されると、一般式(C)で表される化合物に重合性基が置換し、重合性基含有化合物となる。本発明では、上述したような条件で、一般式(C)で表される化合物を得ることにより、重合性基含有化合物を含む硬化性組成物の液粘度の上昇を抑制することができる。これにより、硬化性組成物から形成される硬化物の金型追従性や成形性を高めることができる。また、本発明では、上述したような条件で、一般式(C)で表される化合物を得ることにより、硬化性組成物や硬化物の着色も抑制することができる。
硬化性組成物は、上述した通り、重合性基含有化合物を含むことが好ましい。また、硬化性組成物は、(メタ)アクリレートモノマー、非共役ビニリデン基含有化合物、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等を含むことが好ましい。さらに、硬化性組成物は、ポリマー、その他のモノマー、分散剤、可塑剤、熱安定剤、離型剤等の添加剤を含んでいてもよい。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートを表す。本発明におけるモノマーは、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。
硬化性組成物に含まれる(メタ)アクリレートモノマーとしては、特開2014−080572号公報の段落0094〜0096に記載のものを用いることができる。また、非共役ビニリデン基含有化合物としては、特開2014−080572号公報の段落0068〜0083に記載のものを用いることができる。光ラジカル重合開始剤及び熱ラジカル重合開始剤としては、特開2014−080572号公報の段落0084〜0093に記載のものを用いることができる。その他の添加剤としては、特開2014−080572号公報の段落0097〜0102に記載のものを用いることができる。
(硬化物の製造方法)
上述した硬化性組成物を用いて硬化物を製造する際には、まず硬化性組成物を半硬化させ、さらに、半硬化物を硬化させる工程を含むことが好ましい。ここで、「半硬化物」とは、硬化性組成物を重合したものであり、完全に固体となっておらず、ある程度流動性を有する状態の物を意味する。例えば、硬化性組成物の光および/または加熱重合体であって、25℃、周波数10Hzにおける複素粘度が10〜10mPa・sの状態の硬化物は半硬化物である。本明細書では25℃、周波数10Hzにおける複素粘度の上限値として1.0×10mPa・sの物までを半硬化物という。一方、「硬化物」とは、半硬化をさらに硬化させたものであり、完全に固体となっている状態の物を意味する。
半硬化物の製造方法及び硬化物の製造方法については、特開2014−080572号公報の段落0103〜0118を参考にすることができる。また、硬化物の物性についても特開2014−080572号公報の段落0120〜0122の記載の範囲とすることが好ましい。
(光学部材)
上述した硬化性組成物から形成された硬化物は、光学部材として用いられることが好ましい。特に、上述した硬化性組成物から形成された硬化物は、光学特性に優れるため、光を透過する光学部材(いわゆるパッシブ光学部材)として好適に利用することができる。このような光学部材を備えた光学機能装置としては、例えば、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP(Overhead Projector)、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等を挙げることができる。
また、光学機能装置に用いられるパッシブ光学部材としては、例えば、レンズ、プリズム、プリズムシート、パネル(板状成形体)、フィルム、光導波路(フィルム状やファイバー状等)、光ディスク、LED(Light Emitting Diode)の封止剤等が例示される。パッシブ光学部材には、必要に応じて任意の被覆層、例えば摩擦や摩耗による塗布面の機械的損傷を防止する保護層、無機粒子や基材等の劣化原因となる望ましくない波長の光線を吸収する光線吸収層、水分や酸素ガス等の反応性低分子の透過を抑制あるいは防止する透過遮蔽層、防眩層、反射防止層、低屈折率層等や、任意の付加機能層を設けて多層構造としてもよい。このような任意の被覆層の具体例としては、無機酸化物コーティング層からなる透明導電膜やガスバリア膜、有機物コーティング層からなるガスバリア膜やハードコート等が挙げられ、そのコーティング法としては真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、ディップコート法、スピンコート法等公知のコーティング法を用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例4)
撹拌機、冷却器および温度計を備えた三口フラスコに2,3−ベンゾフルオレノン24.0g、フェノール49.1gを量り取り、炭酸ジメチル20mlを加えて40℃で溶解させた。三口フラスコ中の溶液に、3−メルカプトプロピオン酸0.4gを加えた後、メタンスルホン酸13.5gを30分かけて滴下し、60℃にて1時間撹拌したところ、白色の結晶が析出した。三口フラスコ中の溶液を室温まで冷却後、トルエン300mlを加えて1時間撹拌し、ろ過により白色結晶を分離した。真空オーブンで乾燥させ、白色結晶38.4gを得た(収率92%、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)純度98.2%)。
得られた結晶をジメチルスルホキシド−d6に溶解し、BRUKER社製のAVANCE−300を用いてH−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)測定を行ったところ、結晶中には化合物(c4)4.2モルに対して1モルの炭酸ジメチルが含まれていた。DSC測定による結晶の融点は180℃だった。また、0.1w/v%に調製した結晶のTHF溶液の透過スペクトルを測定したところ、波長400nmにおける透過率は99.3%であった。
なお、HLPC純度、外観(着色)、透過スペクトル及び融点は、下記に示す方法で測定した。
(実施例1〜3及び5〜18)
表1に記載の材料に変更した以外は実施例4と同様の方法で結晶を得た。いずれも着色のない白色結晶であった。
(実施例19)
実施例19については、反応に用いる炭酸ジメチルの量を5mlとした以外は実施例4と同様の方法で白色結晶28.8gを得た(収率69%、HPLC純度97.4%)。得られた結晶をジメチルスルホキシド−d6に溶解し、BRUKER社製のAVANCE−300を用いてH−NMR測定を行ったところ、結晶中には化合物(c4)5.2モルに対して1モルの炭酸ジメチルが含まれていた。
(実施例20)
撹拌機、冷却器および温度計を備えた三口フラスコに2,3−ベンゾフルオレノン24.0g、フェノール49.1gを量り取り、トルエン20mlを加えて40℃で溶解させた。三口フラスコ中の溶液に、3−メルカプトプロピオン酸0.4gを加えた後、メタンスルホン酸13.5gを30分かけて滴下し、60℃にて1時間撹拌した。三口フラスコにトルエン200mlと水100mlを加えて分液を行い、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した。得られたトルエン層に炭酸ジメチル20mlを加え、80℃に昇温し、室温まで徐々に冷却したところ、白色の結晶が析出した。室温で1時間撹拌し、ろ過により白色結晶を分離した後、真空オーブンで乾燥させ、白色結晶35.5gを得た(収率85%、HPLC純度98.1%)。
得られた結晶をジメチルスルホキシド−d6に溶解し、BRUKER社製のAVANCE−300を用いてH−NMR測定を行ったところ、結晶中には化合物(c4)4.9モルに対して1モルの炭酸ジメチルが含まれていた。DSC測定による結晶の融点は180℃だった。また、0.1w/v%に調製した結晶のTHF溶液の透過スペクトルを測定したところ、波長400nmにおける透過率は99.1%であった。
(比較例1)
撹拌機、冷却器および温度計を備えた三口フラスコに2,3−ベンゾフルオレノン24.0g、フェノール49.1gを量り取り、トルエン20mlを加えて40℃で溶解させた。三口フラスコ中の溶液に、3−メルカプトプロピオン酸0.4gを加えた後、硫酸10.2gを30分かけて滴下し、60℃にて1時間撹拌した。三口フラスコにトルエン200mlと水100mlを加えて分液を行い、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した。得られたトルエン層を5℃で5時間撹拌し、析出した結晶をろ過により分離したのち、5℃のトルエンで3回洗浄した。真空オーブンで乾燥させ、黄色味がかった結晶20.0gを得た(収率48%、HPLC純度96.2%)。
DSC測定による結晶の融点は130℃だった。また、0.1w/v%に調製した結晶のTHF溶液の透過スペクトルを測定したところ、波長400nmにおける透過率は96.9%であった。
得られた結晶をジメチルスルホキシド−d6に溶解し、BRUKER社製のAVANCE−300を用いてH−NMR測定を行ったところ、結晶中には化合物(c4)12モルに対して1モルのトルエンが含まれていた。
(測定方法)
<HPLC純度>
島津製作所(株)製の高速液体クロマトグラフィー(SPD−10AV VP)を用い、下記条件にて結晶の純度を測定した。
カラム:TSKgel ODS−100Z 5μm(4.6mmφ×150mm) (東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
溶離液:
アセトニトリル:純水:トリエチルアミン:リン酸(体積比)
=700:300:1:1
流速:1.0ml/min
検出波長:254nm
注入量:10μL
サンプル濃度:5mg/50mlとなるように溶離液で希釈
<外観(着色)>
実施例及び比較例で得た結晶約3gを無色透明のバイアル瓶に採取し、昼白色の蛍光灯下で着色の有無及び色みを目視で確認した。
<透過スペクトル>
島津製作所(株)製の分光光度計(UV−2550)を用い、下記条件にて波長400nmにおける結晶の透過率を測定した。400nmにおける透過率が高いほど、結晶の黄色の着色が少ないことを示す。
セル:角型石英セル(光路長:1cm)
サンプル濃度:50.0mg/50mLとなるように結晶をTHF溶液で希釈
ブランク:THF溶液
<融点>
エスアイアイナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC 6200)を用いて、昇温速度10℃/分にて室温(25℃)から300℃の範囲内で、結晶の融点の測定を行った。
Figure 2017036249
実施例1〜20では、目的の結晶が高収率及び高純度で得られていることがわかる。また、得られた結晶は白色であり、黄色みの着色が抑制されている。一方、比較例1では、目的の結晶の収率が悪く、また、純度も若干劣っている。また、得られた結晶は黄色みがかっている。

Claims (14)

  1. 酸触媒及びチオール化合物を含む溶媒中で、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物を縮合させる工程を含む、一般式(C)で表される化合物の製造方法であって、
    前記縮合させる工程において前記溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、及び、
    前記縮合させる工程の後に、晶析溶媒として炭酸エステル系溶媒を用いて一般式(C)で表される化合物を含む結晶を得る工程、の少なくともいずれかを含む化合物の製造方法;
    Figure 2017036249
    一般式(A)〜(C)中、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよい単環又は置換基を有してもよい縮合環を表し、Arは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよいヘテロアリーレン基を表す。
  2. 前記一般式(A)で表される化合物が下記一般式(A−1)で表される化合物であり、前記一般式(B)で表される化合物が下記一般式(B−1)で表される化合物であり、前記一般式(C)で表される化合物が下記一般式(C−1)で表される化合物である請求項1に記載の製造方法;
    Figure 2017036249
    一般式(A−1)〜(C−1)中、Ar11〜Ar13は、それぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環を表し、R〜Rはそれぞれ独立に置換基を表し、a〜cはそれぞれ独立に0又は、破線で囲まれたベンゼン環を含む単環又は破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環に置換可能な最大置換数を上限とする整数を表す;Ar11〜Ar13がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含む縮合環である場合は、R〜Rはそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の環に置換していてもよい。
  3. 一般式(A−1)〜(C−1)において、Ar11〜Ar13のうち少なくとも1つは破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環である請求項2に記載の製造方法。
  4. 一般式(A−1)および(C−1)において、Ar11又はAr12は破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含む芳香族縮合環である請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記一般式(B)で表される化合物が下記一般式(B−3)で表される化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法;
    Figure 2017036249
    一般式(B−3)中、Rは置換基を表し、cは0〜4の整数を表す。
  6. 前記一般式(B)で表される化合物がフェノールである請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記一般式(A)で表される化合物が下記一般式(A−3)で表される化合物であり、前記一般式(B)で表される化合物がフェノールであり、前記一般式(C)で表される化合物が下記一般式(C−3)で表される化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法;
    Figure 2017036249
    一般式(A−3)および(C−3)中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を表し、aは0〜4の整数を表し、bは0〜6の整数を表す。
  8. 一般式(A−3)および(C−3)において、aは0であり、bは0である請求項7記載の製造方法。
  9. 前記炭酸エステル系溶媒の使用量は、前記一般式(A)で表される化合物100モル%に対して、15モル%以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記炭酸エステル系溶媒が、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル及び炭酸プロピレンから選択される少なくともいずれかである請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記炭酸エステル系溶媒が炭酸ジメチルである請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 下記一般式(C)で表される化合物と、炭酸エステルとを含む混晶;
    Figure 2017036249
    一般式(C)中、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよい単環又は置換基を有してもよい縮合環を表し、Arは、置換基を有してもよいアリーレン基又は置換基を有してもよいヘテロアリーレン基を表す。
  13. 一般式(C)で表される化合物が11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレンであり、前記炭酸エステルが炭酸ジメチルである請求項12に記載の混晶。
  14. 前記混晶における、前記炭酸ジメチルの割合は、前記11,11−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−11H−ベンゾ[b]フルオレン100モル%に対して、15〜25モル%である請求項13に記載の混晶。
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