JP2014098089A - 重縮合樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した品質の重縮合樹脂を簡便に製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】重縮合反応により低次縮合物を製造する工程と、得られた低次縮合物を系外へ抜き出す工程と、抜き出した低次縮合物を重合して、重縮合樹脂を製造する工程と、を含む、バッチ式(回分式)反応器で製造する重縮合樹脂の製造方法であって、前記低次縮合物を系外へ抜き出す工程が、前記重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質を、抜き出し開始時の前記低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な量を系内へ補充しながら、前記低次縮合物を系外へ抜き出すことを含む、重縮合樹脂の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】重縮合反応により低次縮合物を製造する工程と、得られた低次縮合物を系外へ抜き出す工程と、抜き出した低次縮合物を重合して、重縮合樹脂を製造する工程と、を含む、バッチ式(回分式)反応器で製造する重縮合樹脂の製造方法であって、前記低次縮合物を系外へ抜き出す工程が、前記重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質を、抜き出し開始時の前記低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な量を系内へ補充しながら、前記低次縮合物を系外へ抜き出すことを含む、重縮合樹脂の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、重縮合樹脂の製造方法に関する。
ポリアミドをはじめ、ポリカーボネート、ポリエステルなどの重縮合樹脂は、それぞれエンジニアプラスチックとして優れた特性を有していることから、自動車分野、電気電子分野等で幅広く使用されている。重縮合樹脂の製造方法としては、種々の技術が開示されており、連続重合方法やバッチ式重合方法等が知られている。
例えば、連続重合方法としては、特許文献1に、一次縮合物を連続重合し、該一次縮合物を溶融機で短時間に連続高重合度化することによって効率よく、安定した高重合度化ポリマーを得る方法が開示されている。しかしながら、連続重合方法では、特定の製造条件では安定した分子量の重縮合樹脂が得られるが、付帯設備機器が多くなり投資額がかさむこと、品種の切り替えが容易ではないため多品種の製造には不向きであること、といった課題がある。
一方、バッチ式重合方法としては、低分子量である重縮合樹脂の低次縮合物を作製し、結晶化および/または粉粒化させた後、これを真空下あるいは不活性ガス流通下において固相重合させて高分子量の重縮合樹脂を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、バッチ式重合方法においては、バッチ間だけでなく、バッチ内であっても重縮合物を排出する際の排出の時間差により重縮合物の分子量がばらつき、結果として得られる重縮合樹脂の品質が変動するといった課題がある。
そこで、本発明は、バッチ式重合方法において、安定した品質の重縮合樹脂を製造する製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、低次縮合物を系外へ抜き出す際に、重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質を、抜き出し開始時の低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な量を系内へ補充しながら、低次縮合物を系外へ抜き出すことにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、重縮合反応により低次縮合物を製造する工程と、得られた低次縮合物を系外へ抜き出す工程と、抜き出した低次縮合物を重合して、重縮合樹脂を製造する工程と、を含む、バッチ式(回分式)反応器で製造する重縮合樹脂の製造方法であって、前記低次縮合物を系外へ抜き出す工程が、前記重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質を、抜き出し開始時の前記低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な量
を系内へ補充しながら、前記低次縮合物を系外へ抜き出すことを含む、重縮合樹脂の製造方法である。
を系内へ補充しながら、前記低次縮合物を系外へ抜き出すことを含む、重縮合樹脂の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、安定した品質の重縮合樹脂を簡便に製造することができる。
本発明は、重縮合反応により低次縮合物を製造する工程と、得られた低次縮合物を系外へ抜き出す工程と、抜き出した低次縮合物を重合して、重縮合樹脂を製造する工程と、を含む、バッチ式(回分式)反応器で製造する重縮合樹脂の製造方法であって、前記低次縮合物を系外へ抜き出す工程が、前記重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質を、抜き出し開始時の前記低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な量を系内へ補充しながら、前記低次縮合物を系外へ抜き出すことを含む、重縮合樹脂の製造方法である。
以下、本発明の製造方法について、工程ごとに詳細に説明する。
<低次縮合物を製造する工程>
本工程では、重縮合反応を行い、重縮合樹脂の低次縮合物を製造する。
本工程では、重縮合反応を行い、重縮合樹脂の低次縮合物を製造する。
前記重縮合樹脂としては、特に制限されないが、工業規模での生産可能性の観点から、ポリアミド、ポリカーボネート、またはポリエステルであることが好ましい。
以下、ポリアミド、ポリカーボネート、およびポリエステルの合成に用いられるモノマーおよび触媒等について説明する。
≪ポリアミド≫
ポリアミドは、ジカルボン酸とジアミンおよび/またはアミノカルボン酸との重縮合反応により得られる。
ポリアミドは、ジカルボン酸とジアミンおよび/またはアミノカルボン酸との重縮合反応により得られる。
前記ジカルボン酸の具体例としては、例えば、テレフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、スベリン酸アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。これらジカルボン酸は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。また、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸成分を少量併用してもよい。
また、前記ジアミンの具体例としては、例えば、エチレンジアミン、プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン)、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2
,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの脂肪族アルキレンジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジメタナミン、トリシクロデカンジメタナミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを挙げることができる。これらジアミンは、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの脂肪族アルキレンジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジメタナミン、トリシクロデカンジメタナミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを挙げることができる。これらジアミンは、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
また、前記アミノカルボン酸の具体例としては、ラウロラクタム、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸などのラクタム、アミノカルボン酸を使用することができる。
本工程においては、重縮合速度の増加および重縮合反応時の劣化防止などの点から、リン系触媒を用いることができる。例えば、次亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リン酸、リン酸、リン酸エステル、ポリメタリン酸類、ポリリン酸類、ホスフィンオキサイド類、ホスホニウムハロゲン化合物などが好ましく、次亜リン酸塩、リン酸塩、次亜リン酸、リン酸が特に好ましく用いられる。次亜リン酸塩としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸バナジウム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸亜鉛、次亜リン酸鉛、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸コバルト、次亜リン酸アンモニウムなどが好ましく、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウムが特に好ましい。リン酸塩としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カルシウム、リン酸バナジウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リン酸鉛、リン酸ニッケル、リン酸コバルト、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムなどが好ましい。リン酸エステルとしては、例えば、リン酸エチルオクタデシルなどが挙げられる。ポリメタリン酸類としては、例えば、トリメタリン酸ナトリウム、ペンタメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリメタリン酸などが挙げられる。ポリリン酸類としては、例えば、テトラポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。ホスフィンオキサイド類としては、例えば、ヘキサメチルホスホルアミドなどが挙げられる。これらリン系触媒は、水和物の形態であってもよい。
リン系触媒の添加量としては、仕込み原料100質量%に対して0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。また、添加時期は固相重合完了までであればいつでもよいが、原料仕込み時から低次縮合物の重縮合完了までの間であることが好ましい。また、多数回の添加をしてもよい。さらには、2種以上の異なるリン系触媒を組み合わせて添加してもよい。
また、本工程では、重縮合反応を末端封止剤の存在下に行ってもよい。末端封止剤を使用すると、低次縮合物の分子量調節がより容易になり、しかも低次縮合物の溶融安定性が向上する。末端封止剤としては、低次縮合物における末端アミノ基または末端カルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はなく、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることができる。そのうちでも、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが末端封止剤として好ましく用いられ、前記した特性に加えて、取り扱いが容易である点からモノカルボン酸がより好ましく用いられる。
末端封止剤として好ましく使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を
有するモノカルボン酸であれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。そのうちでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好ましい。
有するモノカルボン酸であれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。そのうちでも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好ましい。
末端封止剤として好ましく使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するモノアミンであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、またはこれらの任意の混合物を挙げることができる。そのうちでも、反応性、沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが特に好ましい。
ポリアミドの低次縮合物を製造する際の末端封止剤の使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって異なり得るが、通常、ジカルボン酸またはジアミンのモル数に対して0.1〜15モル%の範囲内で使用することが好ましい。
本工程においては、重縮合反応によって副生してくる水を系外に抜き出すことによって、その反応が促進される。そのための方法としては、減圧下に反応を行う方法と、不活性ガスを導入して上記縮合副生物をこれらのガスを随伴させて除去する方法、およびこれらを併用した方法が好ましく用いられる。
≪ポリカーボネート≫
ポリカーボネートとしては、特に制限はなく、種々の構造単位を有するポリカーボネートが挙げられる。通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
ポリカーボネートとしては、特に制限はなく、種々の構造単位を有するポリカーボネートが挙げられる。通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
この二価フェノールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコールなどが挙げられる。
この他、二価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシノールなどが挙げられる。これら二価フェノールは、単独でもまたは2種以上を組み合わせても用いることができる。
これら二価フェノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、
さらに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料としたものが特に好ましい。
さらに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料としたものが特に好ましい。
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライドやカルボニルエステル、ハロホルメートなどが挙げられる。具体的には、ホスゲン、二価フェノールのジハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
また、このポリカーボネートは、その重合体鎖の分子構造が直鎖構造であるもののほか、分岐構造を有していてもよい。このような分岐構造を導入するための分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを用いることができる。また、分子量調節剤として、フェノールやp−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどを用いることができる。
本工程においては、重縮合反応によって副生してくる芳香族モノヒドロキシ化合物および/またはジアリールカーボネートを系外に抜き出すことによって、その反応が促進される。そのための方法としては、減圧下に反応を行う方法と、不活性ガスを導入して上記縮合副生物をこれらのガスを随伴させて除去する方法、およびこれらを併用した方法が好ましく用いられる。
本工程においては、触媒を添加しなくても充分な速度で進行させることができるが、さらに反応速度を高める目的で重合触媒を使用することができる。
このような重合触媒としては、この分野で用いられている重縮合触媒であれば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなどのホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリール基)などのアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニルなどのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニルーエチルーエトキシケイ素などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドなどのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基またはアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛および有機鉛のアルコキシドまたはアリーロキシドなどの鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化アンチモン(3酸化アンチモンなど)、酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシドまたはアリーロキシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウム
のアルコキシドまたはアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を挙げることができる。これらの重合触媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
のアルコキシドまたはアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を挙げることができる。これらの重合触媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
ポリカーボネートの低次縮合物を製造する際の重合触媒の使用量は、用いる重合触媒剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって異なり得るが、仕込み原料100質量%に対して1×10−9〜1質量%が好ましく、1×10−7〜1×10−3質量%がより好ましい。また、添加時期は固相重合完了までであればいつでもよいが、原料仕込み時から低次縮合物の重縮合完了までの間であることが好ましい。また、多数回の添加をしてもよい。
≪ポリエステル≫
本発明に使用しうるポリエステルは、特に制限はなく、例えば、脂肪族ジオール、またはフェノール性水酸基を有する化合物のアシル化物と、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸エステルとを反応させて得られるポリエステルが挙げられる。
本発明に使用しうるポリエステルは、特に制限はなく、例えば、脂肪族ジオール、またはフェノール性水酸基を有する化合物のアシル化物と、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸エステルとを反応させて得られるポリエステルが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、炭素数2〜10個のアルキレン基を持つものであればよく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−エタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオールが挙げられ、またこれらの2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの脂肪族ジオールのアルキレン基には、本発明によるエステル化反応に関与しないアルキル基、ハロゲン原子、エーテル基などが置換されているものであってもよい。
本発明のフェノール性水酸基を有する化合物のアシル化物としては、芳香族ジオールおよび/または芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基を、脂肪酸無水物でアシル化したアシル化物であるとよい。
フェノール性水酸基を有する化合物は、フェノール性水酸基を1つ有していても2つ以上有していてもよいが、反応性の観点からフェノール性水酸基を1つまたは2つ有することが好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物がフェノール性水酸基を1つのみ有する場合、カルボキシル基をさらに1つ有していることが好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸が特に好ましい。
芳香族ジオールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(4,4’−ビフェノール)、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、アセトキシハイドロキノン、ニトロハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル)、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホンが挙げられる。これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
サン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル)、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホンが挙げられる。これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、又は、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホンは、入手が容易であるため好ましく使用される。
以上説明したフェノール性水酸基を有する化合物をアシル化するとアシル化物が得られる。アシル化物としてはアセチル化物が例示できるが、これに限定されない。
アシル化は、フェノール性水酸基を有する化合物とアシル化剤とを反応させて得ることができる。アシル化剤としては、アシル無水物またはハロゲン化物が代表的である。アシル化剤中のアシル基は、アルカン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバル酸等)等の脂肪族カルボン酸、パルミチン酸等の高級アルカン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、フェニル酢酸等のアリール脂肪酸、から誘導することができる。
アシル化剤としては脂肪酸無水物が特に好ましく、脂肪酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸が挙げられる。これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸が好ましく使用され、無水酢酸がより好ましく使用される。
芳香族ジオールおよび/または芳香族ヒドロキシカルボン酸におけるフェノール性水酸基に対する脂肪酸無水物の使用量は、1.0〜1.2倍当量であると好ましい。脂肪酸無水物の使用量が、該フェノール性水酸基に対して1.0倍当量未満の場合には、アシル化反応時の平衡が脂肪酸無水物側にずれて、ポリエステルへの重合時に未反応の芳香族ジオールまたは芳香族ジカルボン酸が昇華し、反応系が閉塞する傾向がある。一方、1.2倍当量を超える場合には、得られる液晶性ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
アシル化は、130〜180℃で15分〜20時間反応させて行うことが好ましく、140〜160℃で30分〜5時間反応させることがより好ましい。
本発明において、上述した脂肪族ジオールまたはアシル化物と反応させる試薬は芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸エステルである。以下、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸エステルを、まとめて芳香族ジカルボン酸類と称する場合がある。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4’−
ジカルボン酸、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジカルボン酸が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸エステルとしては、上記した芳香族ジカルボン酸のメチル、エチル、プロピル、フェニル等のエステルが挙げられる。これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジカルボン酸、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジカルボン酸が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸エステルとしては、上記した芳香族ジカルボン酸のメチル、エチル、プロピル、フェニル等のエステルが挙げられる。これらは単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、又は、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、入手が容易であるため好ましく使用される。
脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸類との反応においては、触媒を添加しなくても充分な速度で進行させることができるが、さらに反応速度を高める目的で重合触媒を使用することができる。
このような重合触媒としては、この分野で用いられている重縮合触媒であれば特に制限はないが、ポリカーボネートの欄で述べたものが同様に用いられうる。
ポリエステルの低次縮合物を製造する際の重合触媒の使用量は、用いる重合触媒剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって異なり得るが、仕込み原料100質量%に対して0.0001〜5質量%が好ましく、0.0005〜1質量%がより好ましい。また、添加時期は固相重合完了までであればいつでもよいが、原料仕込み時から低次縮合物の重縮合完了までの間であることが好ましい。また、多数回の添加をしてもよい。
本工程においては、脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸類とによりポリエステルを製造する場合は、まず、160℃以上250℃未満で脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸類とをエステル化反応をさせた後に、250〜350℃で重縮合反応を行う。また、フェノール性水酸基を有する化合物のアシル化物と芳香族ジカルボン酸類とによりポリエステルを製造する場合は、フェノール性水酸基を有する化合物のアシル化物と芳香族ジカルボン酸類とを、エステル交換反応させる。本工程においては、重縮合反応によって副生してくる副反応物を系外に抜き出すことによって、その反応が促進される。そのための方法としては、減圧下に反応を行う方法と、不活性ガスを導入して上記縮合副生物をこれらのガスを随伴させて除去する方法、およびこれらを併用した方法が好ましく用いられる。
脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸類からなるポリエステル重縮合反応では、副生成物は脂肪族ジオールであり、当該脂肪族ジオールを生成物の生成が有利となるように平衡をずらすため、系外に抜き出す。
また、脂肪酸無水物でアシル化したアシル化物と芳香族ジカルボン酸類とをエステル交換反応させる際には、副生成物は脂肪酸、芳香族ジオールまたは芳香族ジオールアシル化物であり、当該脂肪酸等を生成物の生成が有利となるように平衡をずらすため、系外に抜き出す。この場合、留出する脂肪酸の一部を還流させて反応器に戻すことによって、脂肪酸と同伴して蒸発又は昇華した原料等を凝縮または逆昇華させたものを還流液に同伴させて、反応器に戻すこともできる。こうすれば、例えば、析出したカルボン酸を脂肪酸とともに反応器に戻すことが可能である。また、脂肪酸無水物でアシル化したアシル化物と芳香族ジカルボン酸類とをエステル交換反応の場合には、未反応の脂肪酸無水物も、反応中に蒸発させて系外へ留去することが好ましい。
なお、上記の構成のポリエステルは、単独でもまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記低次縮合物は、上記単量体などを、例えば、通常用いられる加圧重合槽に仕込み、無溶媒または溶媒中で、攪拌条件下で重縮合反応を行うことにより合成される。
溶媒は、水やメタノール、エタノール等のアルコール類、または反応初期では脂肪族ジオールなどの過剰の原料、副反応物を用いることができる。
本工程の低次縮合物の合成は、通常は攪拌条件下で、昇温および昇圧することによって行われる。重合温度は、原料の仕込み後、コントロールされる。また、重合圧力は、重合の進行に合せてコントロールされる。
本工程における反応温度および反応時間は、製造する樹脂により適宜設定され、特に制限されるものではない。しかしながら、通常は、反応温度は170〜400℃であることが好ましく、反応時間は0.5〜10時間であることが好ましい。
また、反応容器への低次縮合物の付着防止、重縮合反応の均一な進行、粒径の揃った一次重縮合物粉粒体の生成などの点から、一次重縮合物を生成させるための重縮合反応を、攪拌下に行うことが好ましい。
<低次縮合物を系外へ抜き出す工程>
次いで、上記低次縮合物を製造する工程で生成した低次縮合物を反応容器から取り出す「低次縮合物を系外へ抜き出す工程」について説明する。
次いで、上記低次縮合物を製造する工程で生成した低次縮合物を反応容器から取り出す「低次縮合物を系外へ抜き出す工程」について説明する。
本発明は、低次縮合物を系外へ抜き出す工程に特徴を有する。本発明の低次縮合物を系外へ抜き出す工程は、重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質を、抜き出し開始時の低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な量を系内へ補充しながら、低次縮合物を系外へ抜き出す。これにより、低次縮合物を系外へ抜き出す際の排出の時間差により生じる低次縮合物の分子量の変動を抑制することができ、結果として、安定した品質の重縮合樹脂を得ることができる。
すなわち、本発明は、重縮合反応により生じる低次縮合物を反応器(系内)から抜き出している途中において、抜き出された低次縮合物の容量分の空間が増量することによって、系内の反応溶液(液相)と気相との間で保たれていた溶液−気相の平衡に変化が生じ、その結果として、低次縮合物の生成反応の化学平衡が、低次縮合物の抜き出し開始時(排出開始時)の状態から変動することを見出したものである。
本発明において、系内へ補充する「重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質」とは、重縮合反応の際に生じる副反応物であればよく、例えば、ポリアミドの製造では副反応物は水であり、脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸類とをエステル化反応させた後に重縮合するポリエステルの製造では副生成物は脂肪族ジオールであり、脂肪酸無水物でアシル化したアシル化物と芳香族ジカルボン酸類とをエステル交換反応させるポリエステルの製造では副生成物は脂肪酸であり、ポリカーボネートの製造においては芳香族モノヒドロキシ化合物である。
また、本発明において、系内へ補充する「抜き出し開始時の低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な副反応物の量」とは、具体的には、抜き出し開始時の系内における副反応物の蒸気圧を維持するように、系内に副反応物を導入することを意味する。系内における副反応物の蒸気圧(抜き出し開始時の低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な副反応物の量)は、以下の式(1)で表されるZの数値を用いることができる。
ここで、PyおよびYは、以下のように求められる。
反応溶液の温度T[K]の場合の単位体積あたりの飽和蒸気圧(理論値)をPy[kPa]とすると、飽和蒸気圧としては、副反応物が水の場合は、ワグナー式より飽和水蒸気圧を算出し、副反応物が有機化合物の場合は、アントワン式より飽和蒸気圧を算出する。下記に、有機化合物として、芳香族モノヒドロキシ化合物(ポリカーボネートの製造の際の副反応物)の例としてフェノール、脂肪族ジオール(ポリエステルの製造の際の副反応物)の例としてエチレングリコールの場合のアントワン定数を記載するが、これらのアントワン定数は、例えば、化学便覧やNIST WebBook等を参照にして、公知の数値が適用されうる。
上記式により得られた、副反応物の所定の温度T[K]における飽和蒸気圧Py[kPa]を用いて、理想気体の状態方程式により、単位体積あたりの飽和蒸気量Y[kg/m3]が下記式(6)で算出される(この際、体積1m3として算出)。
上記式(1)において、[Y×(Px/Py)]とは、反応系内の単位体積あたりの飽和蒸気量X[kg/m3]として考えられる。すなわち、飽和蒸気圧(理論値)Pyと、飽和蒸気圧Pyの場合の単位体積あたりの飽和蒸気量Y[kg/m3]と、反応系内の圧力Pxと、を、ボイル・シャルルの法則に基づいて算出することにより、反応系内の単位体積あたりの飽和蒸気量X[kg/m3]が、X=Y×(Px/Py)[kg/m3]として算出される。なお、この蒸気量Xが低次縮合物を系外へ排出する開始時点での、系内の蒸気量と考える。
本発明では、この蒸気量を系内に維持することで化学平衡状態を保持するため、低次縮合物を系外へ抜き出す際には、当該蒸気量を系内に補充する。反応溶液V[m3]の排出により、生じる空間容積増加分V[m3]に対して、このX=Y×(Px/Py)[kg/m3]の蒸気量を維持するように添加するため、添加する蒸気量としては、Y×(Px/Py)×V[kg]で表される。また、所定の時間L[h]で、これらの蒸気量を添加することとなるため、単位時間あたりの蒸気導入量Zとしては、Z=(Y×(Py/Px)×V)/L[kg/h]で表される。
以上のように、本発明において、抜き出し開始時の低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な副反応物の量として、単位時間あたりの蒸気導入量(蒸気供給速度)Zが、上記式(1)〜(6)により表される。なお、上記式(1)〜(6)中で用いられる各数値の単位は、適宜、圧力や体積に整合させて用いることができ、上記式(1)〜(6)中で表されている単位は参考として参照される。
本発明においては、系内に導入する副反応物の量が、上記式(1)〜(6)により算出された単位時間あたりの蒸気導入量(蒸気供給速度)Zの好ましくは±5%、より好ましくは±3%、さらに好ましくは±1%の数値範囲であれば、抜き出し開始時の低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することができると考える。
本発明において、上記のような蒸気供給速度で系内へ副反応物を導入しながら低次縮合物を排出することで、排出開始時から排出終了時までにわたって重縮合反応の化学平衡状態を変動させることなく低次縮合物を排出できる。そのため、排出後の得られる低次縮合物の分子量が、排出時の時間差による変動がないものとなる。よって、分子量分布がシャープな低次縮合物が得られ、当該低次縮合物を、さらに高分子量の重縮合物を得るための原料に用いることで、分子量分布がシャープな、品質の安定した重縮合樹脂が得られる。
系内へ導入される副反応物の蒸気は、反応溶液内へ導入しても本発明の効果は達成されるが、気相部へ導入すると、本発明の効果がより発揮されるため好ましい。
本発明の低次縮合物の抜き出し工程は、重縮合反応の低次縮合物の生成反応の化学平衡を維持するように行うため、温度、圧力を、反応時の条件のまま維持して行われるのが好ましい。
反応容器から取り出された低次縮合物は、好ましくは不活性ガス雰囲気下、大気圧で容器に回収されるのが好ましい。
上記不活性ガス雰囲気は、低次縮合物の酸化劣化を防ぐという観点から、酸素濃度が1体積%以下であることが好ましい。
低次縮合物の反応容器からの低次縮合物の排出速度は、反応容器の規模、反応容器内の内容物の量、温度、取り出し口の大きさ、取り出しノズル部の長さなどに応じて適宜調節し得る。
低次縮合物の対数粘度(IV)は、0.05〜1.50dL/gであるのが好ましく、0.08〜1.00dL/gであるのがより好ましく、0.10〜0.80dL/gであるのがさらに好ましい。本発明においては、低次縮合物を排出する際の排出の時間差による重縮合物の分子量のばらつきが抑制されている。そのため、低次縮合物の対数粘度(IV)についても排出時間の経過によるばらつきがなく、抜き出した低次縮合物を、所定時間ごとにサンプリングを行った場合であっても、それらのサンプリングの試料を比較してもばらつきが小さい。例えば、所定時間ごとのサンプリングの試料の対数粘度の平均値も上述の範囲内であり、それらの標準偏差が好ましくは0.05以下、より好ましくは0.04未満であり、変動係数は好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下である。なお、所定時間ごとのサンプリングとは、特に制限されないが、例えば、10分毎に行うサンプリングなどが例示される。また、本明細書中、縮合物の対数粘度(IV)は後述の実施例の方法に従って行う。
また、低次縮合物の数平均分子量は、最終的に得られる重縮合樹脂の数平均分子量の5〜50%であるのが好ましく、7〜50%であるのがより好ましく、8〜50%であるのがさらに好ましい。具体的には、低次縮合物の数平均分子量は、好ましくは500〜25000、より好ましくは700〜20000、さらに好ましくは800〜18000である。なお、本明細書中、縮合物の数平均分子量は、ポリアミドおよびポリエステルの場合は標準物質としてポリメチルメタクリレート(pMMA)、ポリカーボネートの場合はポリスチレンを用いて、後述の実施例の条件のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を意味する。
ポリアミドの場合、上記の方法により反応容器から排出された低次縮合物は、取り出しの際の水の蒸発潜熱によってその温度が瞬時に好ましくは100℃以下に低下するため、熱劣化および酸素による劣化はほとんど生じない。低次縮合物は、そのままの状態で高重合度化して重縮合樹脂を得てもよいが、低次縮合物を固相重合することにより高重合度化して重縮合樹脂を得るのが好ましい。
また、排出される低次縮合物は、低次縮合物が有する顕熱により、同伴する水分の殆どを蒸発させるため、低次縮合物の冷却と乾燥処理とが同時になされる。さらに、窒素などの不活性ガスの流通下で排出処理を行うことは、乾燥および冷却の効率を高めるため好ましい。また、排出容器としてサイクロン型の固体−気体分離装置を設置することで、排出時の粉の系外飛散を抑制できるだけでなく、高いガス線速下で排出処理を行えるために乾燥、冷却効率を高めることが可能となり好ましい。
このようにして得られる低次縮合物は、対数粘度が上記のように高く、未反応物の残存量も低いために、後述の固相重合による高重合度化に際して、低次縮合物粒子間の融着や凝集を生ずることなく高い温度で固相重合を行うことができ、また副反応による劣化が少ない。
また、必要に応じて、上記で得られる低次縮合物を、嵩比重を一層高める処理、粒径を揃えるためのコンパクティング処理、造粒処理等を行ってから、後述の高重合度化を行ってもよい。
また、ポリカーボネートの低次縮合物が溶融状態や溶液の状態である場合、結晶化溶媒で処理することにより、粉末状、顆粒状等の形状で得ることができる。
この結晶化溶媒で処理する方法に特に制限はないが、通常、ポリカーボネートの低次縮合物を該結晶化溶媒中で攪拌し、スラリー状態で結晶化させる方法や、低次縮合物と該結晶化溶媒とを混合機や混練機を用いて混合、混練しながら結晶化する方法等が好ましい。スラリー状態で結晶化する場合には、ワーリングブレンダー等の高速攪拌羽根を有する装置や、カッター付き渦巻ポンプを備えた装置等が用いられる。また、混合機や混練機を用いて結晶化する場合、一般に混合機、混練機と呼ばれる機器(粉体工業便覧、日刊工業新聞社、644〜648ページに記載の機器など)が使用でき、具体例としては、コーンブレンダー、リボンブレンダー、ショベルミキサー、パグミキサーヘンシェルミキサー、ブラベンダー、2軸混練機などが挙げられる。
結晶化溶媒の例としては、例えば、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。また、結晶化の温度条件にもよるが、ヘキサン、オクタン等の炭化水素類;シクロヘキサン等の環式炭化水素類等も結晶化溶媒として使用できる。このうち、アセトンは比表面積の大きいポリカーボネートの低次縮合物を製造できるので、好ましい。
<低次縮合物を重合して重縮合樹脂を得る工程>
本工程では、上記において反応容器から取り出した低次縮合物を重合して、重縮合樹脂を製造する。本発明の重縮合樹脂は、低次縮合物を固相重合することにより高重合度化して得られるのが好ましい。以下、好ましい実施形態である固相重合について述べる。
本工程では、上記において反応容器から取り出した低次縮合物を重合して、重縮合樹脂を製造する。本発明の重縮合樹脂は、低次縮合物を固相重合することにより高重合度化して得られるのが好ましい。以下、好ましい実施形態である固相重合について述べる。
本工程で好ましい実施形態である固相重合は、低次縮合物の反応容器からの取り出しにそのまま引き続いて行っても、反応容器から取り出した低次縮合物を乾燥した後に行っても、反応容器から取り出した低次縮合物を一旦貯蔵した後に行っても、または反応容器か
ら取り出した低次縮合物にコンパクティング処理や造粒処理を施した後に行ってもよい。固相重合により高重合度化すると、熱劣化のより少ない重縮合樹脂を得ることができる。
ら取り出した低次縮合物にコンパクティング処理や造粒処理を施した後に行ってもよい。固相重合により高重合度化すると、熱劣化のより少ない重縮合樹脂を得ることができる。
低次縮合物を固相重合する際の重合方法および条件は特に制限されず、低次縮合物の融着、凝集、劣化などを生ずることなく固体状態を保ちながら高重合度化を行える方法および条件であれば、いずれであってもよい。
しかしながら、低次縮合物および生成する重縮合樹脂の酸化劣化を防止するため、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気中または減圧下で固相重合を行うことが好ましい。
固相重合の温度は特に制限されないが、最高反応温度が好ましくは170〜350℃である。なお、該最高反応温度は固相重合終了時にある必要はなく、固相重合開始から終了までのどの時点で到達してもよい。
本工程で用いられる固相重合の装置については特に制限がなく、公知のいずれの装置も使用することができる。固相重合装置の具体例としては、例えば、一軸ディスク、ニーダー、二軸パドル式、縦型の塔式装置、縦型の塔式機器、回転ドラム式、またはダブルコ−ン型の固相重合装置、乾燥機器などが挙げられる。
固相重合の反応時間は、特に制限されないが、通常、1時間〜20時間が好ましく採用される。固相重合反応中に、低次縮合物を機械的に攪拌するか、または気体流により攪拌してもよい。
本発明においては、低次縮合物を製造する工程、固相重合する工程、または固相重合後の任意の段階で、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維などの各種繊維材料、無機粉末状フィラー、有機粉末状フィラー、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、潤滑剤などの添加剤、他のポリマーなどを添加してもよい。
本発明の製造方法により得られる重縮合樹脂は、耐熱性、力学性能、低吸水性、耐薬品性などの性能に優れており、それらの特性を活かして、重縮合樹脂単独で、または必要に応じて上記した各種の添加剤や他のポリマーとの組成物の形態で、重縮合樹脂に対して従来から用いられている各種成形法や紡糸法、例えば射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、延伸、真空成形などの成形法や溶融紡糸法などによって、各種の成形品や繊維などに成形することができる。それにより得られる成形品や繊維などは、エンジニアリングプラスチックとしての用途をはじめとして、電子・電気部品、自動車部品、事務機部品などの産業資材や工業材料、家庭用品などの各種の用途に有効に使用することができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、対数粘度(IV)、分子量、融点、結晶化温度、および色相は下記の方法により測定した。
(1)対数粘度
試料を0.5g/dLの濃度で溶媒に溶解させて試料溶液を調製する。ポリアミドは25℃で溶媒に96%濃硫酸、ポリカーボネートは溶媒にジクロロメタン、ポリエステルは溶媒にo−クロロフェノールを用いた。試料溶液および溶媒を25℃の温度で、ウベローデ粘度管を用いて落下秒数を測定し、以下の式により算出した。
試料を0.5g/dLの濃度で溶媒に溶解させて試料溶液を調製する。ポリアミドは25℃で溶媒に96%濃硫酸、ポリカーボネートは溶媒にジクロロメタン、ポリエステルは溶媒にo−クロロフェノールを用いた。試料溶液および溶媒を25℃の温度で、ウベローデ粘度管を用いて落下秒数を測定し、以下の式により算出した。
なお、下記実施例では、低次縮合物の排出時に、所定時間ごとにサンプリングした低次縮合物の対数粘度を測定し、排出時の時間差による対数粘度の変動を検討した。低次縮合物の対数粘度の平均値は、排出時に所定時間ごとにサンプリングした試料のそれぞれの対数粘度の測定値を平均したものを意味する。
また、最終的に得られる重縮合物の対数粘度の平均値は、得られた重縮合物の対数粘度をn回測定した場合の測定値の平均を意味する。
(2)分子量:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
昭和電工社製Shodex GPC−101を用いて、樹脂サンプル10mgを10gの溶媒に溶解させて測定に用いた。ポリアミドおよびポリエステルの分子量の測定は、カラムはHFIP−806Mを2本用いて、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、標準試料としてpMMAを使用した。ポリカーボネートの測定は、カラムはLF−804を3本、溶媒をテトラヒドロフラン(THF)、標準物質をポリスチレンとした。
昭和電工社製Shodex GPC−101を用いて、樹脂サンプル10mgを10gの溶媒に溶解させて測定に用いた。ポリアミドおよびポリエステルの分子量の測定は、カラムはHFIP−806Mを2本用いて、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、標準試料としてpMMAを使用した。ポリカーボネートの測定は、カラムはLF−804を3本、溶媒をテトラヒドロフラン(THF)、標準物質をポリスチレンとした。
GPCの測定条件は、カラム温度40℃、溶媒流量1.0mL/minとした。データ処理ソフトは同社製SIC−480IIを使用して数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を求めた。
(3)融点、結晶化温度
セイコーインスツルメンツ株式会社製DSCを用い、10ml/minの流速で窒素流通下、昇温速度10℃/minにて30℃から350℃まで昇温したのち5min保持、降温速度10℃/minにて200℃まで測定を行い、昇温時の融解による吸熱ピーク温度を融点、降温時の結晶化による発熱ピーク温度を結晶化温度として、それぞれ計測した。
セイコーインスツルメンツ株式会社製DSCを用い、10ml/minの流速で窒素流通下、昇温速度10℃/minにて30℃から350℃まで昇温したのち5min保持、降温速度10℃/minにて200℃まで測定を行い、昇温時の融解による吸熱ピーク温度を融点、降温時の結晶化による発熱ピーク温度を結晶化温度として、それぞれ計測した。
(4)色相(YI)
日本電色工業株式会社製の小型色彩白度計 NW−11を用いてYI値を測定した。
日本電色工業株式会社製の小型色彩白度計 NW−11を用いてYI値を測定した。
(5)飽和蒸気圧
飽和水蒸気圧は以下のワグナー式より計算した。
飽和水蒸気圧は以下のワグナー式より計算した。
フェノールとエチレングリコールとの所定の温度における飽和蒸気圧は、以下のアントワン式より計算した。
(実施例1)
原料として、テレフタル酸 44.84kg(0.270kmol=65mol%)、アジピン酸 21.24kg(0.145kmol=35mol%)、1,6−ヘキサメチレンジアミン 48.93kg(0.421kmol=100mol%)、末端封止剤として安息香酸 1.52kg(0.012kmol=ジカルボン酸に対して3mol%)、触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物 115g(仕込み原料に対して0.1質量%)、および水77.8kg(仕込み原料に対して40質量%)を、分縮器、圧力調整弁、内視用窓、液面計、および底部排出弁を備えた内容積500Lのオートクレーブ反応槽に仕込み、窒素置換を行った。攪拌しながら1時間かけて130℃まで昇温し、内容物が均一溶液となることを確認した。その後、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温し保持した。内圧が3.8MPaに達した後は、同温度に維持するように水を留去しながら2時間反応を継続した。その後反応温度を250℃に維持しつつ、圧力を30分かけて3.4MPaまで低下させて、51kgの水留去を確認した時点(反応液水分25質量%)で、反応を終了し、排出操作を開始した。
原料として、テレフタル酸 44.84kg(0.270kmol=65mol%)、アジピン酸 21.24kg(0.145kmol=35mol%)、1,6−ヘキサメチレンジアミン 48.93kg(0.421kmol=100mol%)、末端封止剤として安息香酸 1.52kg(0.012kmol=ジカルボン酸に対して3mol%)、触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物 115g(仕込み原料に対して0.1質量%)、および水77.8kg(仕込み原料に対して40質量%)を、分縮器、圧力調整弁、内視用窓、液面計、および底部排出弁を備えた内容積500Lのオートクレーブ反応槽に仕込み、窒素置換を行った。攪拌しながら1時間かけて130℃まで昇温し、内容物が均一溶液となることを確認した。その後、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温し保持した。内圧が3.8MPaに達した後は、同温度に維持するように水を留去しながら2時間反応を継続した。その後反応温度を250℃に維持しつつ、圧力を30分かけて3.4MPaまで低下させて、51kgの水留去を確認した時点(反応液水分25質量%)で、反応を終了し、排出操作を開始した。
排出開始時の反応液量は、128Lであることを液面計にて測定した。これを1.1時間で排出するように底部排出弁および排出量調整弁の開度を調整した。この間、反応液相の化学平衡(低次縮合物の生成反応の化学平衡)を保持するために、反応の副生成物かつ
溶媒である水分の量を一定に保てる量の水蒸気を気相部へ供給した。水蒸気の供給速度Zは、ワグナー式より、オートクレーブ内温度での飽和水蒸気圧Py(Pws)(250℃では4.0MPa)を求め、下記式(1)および(6):
溶媒である水分の量を一定に保てる量の水蒸気を気相部へ供給した。水蒸気の供給速度Zは、ワグナー式より、オートクレーブ内温度での飽和水蒸気圧Py(Pws)(250℃では4.0MPa)を求め、下記式(1)および(6):
に基づき、飽和水蒸気量Y(同条件で16.5kg/m3)と、反応系内の飽和水蒸気量Y×(Px/Py)[kg/m3]と、を算出し、体積(V)、排出時間(L)を考慮することにより、単位時間あたりの水蒸気導入量(水蒸気導入速度)を1.6kg/時間とした。水蒸気の供給は定量ポンプによりオートクレーブ内に導入し、予熱器を通して、飽和水蒸気として行った。
排出操作の間、反応槽の温度を250℃に維持し、圧力調整弁は全閉状態で、水蒸気圧力を3.4MPaに維持した。生成した低次縮合物を底部排出弁より、窒素流通下、常温(25℃)で、大気圧条件で容器に排出した。低次縮合物の排出操作は安定で、全量排出が可能であった。排出直後の低次縮合物は温度83℃、水分量1.8質量%であった。排出開始から0.1時間ごとにサンプリングを実施し、それぞれのサンプルについて対数粘度(IV)を測定した結果、それらのサンプルのIVの平均値は0.13dL/g、標準偏差0.003、変動係数2%であり、バッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。また排出された低次縮合物は固化し、これらの低次縮合物の全量を粉砕し、全量を混合したものの数平均分子量(Mn)は1200であった。
得られた低次縮合物10kgを、内容積50Lのオイルジャケット付のコニカルタンブラーに仕込み、窒素置換した後に0.13kPaまで減圧した。真空を保持したまま、加熱油を循環させて、内部温度を245℃まで2時間かけて昇温した後、同温度で5時間固相重合反応を継続した。所定の反応時間経過後に室温(25℃)まで冷却し、高重合度化したポリアミドを得た。
得られたポリアミドのIVの平均値(n=10)は0.86dL/g、標準偏差0.015、変動係数2%であり、バッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。DSC測定による融点は324℃、結晶化温度は294℃、YIは2、Mnは12000であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(実施例2)
あらかじめ調整したポリアミド66塩45.00kg(0.172kmol)、テレフタル酸33.60kg(0.202kmol)、ヘキサメチレンジアミンの64.5質量%水溶液35.10kg(ヘキサメチレンジアミンとして0.195kmol)、蒸留水12.5kgを、分縮器、圧力調整弁、内視用窓、液面計、および底部排出弁を備えた内容積500Lのオートクレーブ反応槽に仕込み、窒素置換を行った。攪拌しながら1時間かけて130℃まで昇温し、内容物が均一溶液となることを確認した。その後、3.5時間かけて内部温度を255℃まで昇温し保持した。その後30分保持し、反応温度260℃、内圧4.0MPaで反応を終了し、排出操作を開始した。
あらかじめ調整したポリアミド66塩45.00kg(0.172kmol)、テレフタル酸33.60kg(0.202kmol)、ヘキサメチレンジアミンの64.5質量%水溶液35.10kg(ヘキサメチレンジアミンとして0.195kmol)、蒸留水12.5kgを、分縮器、圧力調整弁、内視用窓、液面計、および底部排出弁を備えた内容積500Lのオートクレーブ反応槽に仕込み、窒素置換を行った。攪拌しながら1時間かけて130℃まで昇温し、内容物が均一溶液となることを確認した。その後、3.5時間かけて内部温度を255℃まで昇温し保持した。その後30分保持し、反応温度260℃、内圧4.0MPaで反応を終了し、排出操作を開始した。
排出開始時の反応液量が、88.8Lであることを液面計にて確認した。これを0.9時間で排出するように底部排出弁および排出量調整弁の開度を調整した。この間、反応液相の化学平衡(低次縮合物の生成反応の化学平衡)を保持するために、反応の副生成物かつ溶媒である水分の量を一定に保てる量の水蒸気を気相部へ供給した。水蒸気の供給速度Zは、ワグナー式より、オートクレーブ内温度での飽和水蒸気圧Py(Pws)(260℃では4.7MPa)を求め、実施例1と同様に、式(1)および(6)に基づき、飽和水蒸気量Y(同条件で19.1kg/m3)と、反応系内の水蒸気量Y×(Px/Py)[kg/m3]と、を算出し、体積(V)、排出時間(L)を考慮することにより、単位時間あたりの水蒸気導入量(水蒸気導入速度)を1.6kg/時間とした。水蒸気の供給は定量ポンプによりオートクレーブ内に導入し、予熱器を通して、飽和水蒸気として行った。
排出操作の間、反応槽の温度を260℃に維持し、圧力調整弁は全閉状態で、水蒸気圧力を4.0MPaに維持した。生成した低次縮合物は底部排出弁より、窒素流通下、常温(25℃)で、大気圧条件で容器に排出した。低次縮合物の排出操作は安定で、全量排出が可能であった。排出直後の低次縮合物は温度85℃、水分量2.3質量%であった。排出開始から0.1時間ごとにサンプリングを実施し、それぞれのサンプルについて対数粘度(IV)を測定した結果、それらのサンプルのIVの平均値は0.16dL/g、標準偏差0.003、変動係数2%であり、バッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。また、得られた低次縮合物のMnは1500であった。
得られた低次縮合物10kgを、内容積50Lのオイルジャケット付のコニカルタンブラーに仕込み、窒素置換した後に0.13kPaまで減圧した。真空を保持したまま、加熱油を循環させて、内部温度を245℃まで2時間かけて昇温した後、同温度で5時間固相重合反応を継続した。所定の反応時間経過後に室温(25℃)まで冷却し、高重合度化したポリアミドを得た。
得られたポリアミドのIVの平均値(n=10)は0.95dL/g、標準偏差0.025、変動係数3%であり、バッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。DSC測定による融点は301℃、結晶化温度は268℃、YIは5、Mnは14500であり、十分に高重合度化した色相良好な、高耐熱ポリアミドが得られた。
(比較例1)
排出操作時に水蒸気の供給を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で低次縮合物の合成をおこなった。その結果、約80%程度排出した時点で内容液が固化したため、排出操作を中止した。排出開始から0.1時間ごとにサンプリングを実施して、得られた低次縮合物のIVの平均値は0.15dL/g、標準偏差0.027、変動係数18%であり、バッチ内での変動が大きいものであった。また、得られた低次縮合物のMnは1500であった。
排出操作時に水蒸気の供給を行わなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で低次縮合物の合成をおこなった。その結果、約80%程度排出した時点で内容液が固化したため、排出操作を中止した。排出開始から0.1時間ごとにサンプリングを実施して、得られた低次縮合物のIVの平均値は0.15dL/g、標準偏差0.027、変動係数18%であり、バッチ内での変動が大きいものであった。また、得られた低次縮合物のMnは1500であった。
得られた低次縮合物を実施例と同様に固相重合を行った結果、反応終了後に低分子量物
由来の装置内付着物が多くみられた。得られたポリアミドのIVの平均値(n=10)は0.68dL/g、標準偏差0.038、変動係数6%であり、実施例のポリアミドに比べてIVが低く、バッチ内の変動も大きいものであった。DSC測定による融点は315℃、結晶化温度は295℃、YIは8、Mnは9800であった。
由来の装置内付着物が多くみられた。得られたポリアミドのIVの平均値(n=10)は0.68dL/g、標準偏差0.038、変動係数6%であり、実施例のポリアミドに比べてIVが低く、バッチ内の変動も大きいものであった。DSC測定による融点は315℃、結晶化温度は295℃、YIは8、Mnは9800であった。
(比較例2)
排出操作時に水を定量ポンプにて15L/時間で供給し、水蒸気圧を4.0MPaで保持したこと以外は、実施例2と同じ条件で低次縮合物の合成をおこなった。その結果、排出操作は良好に行えたが、排出開始から0.1時間ごとにサンプリングを実施して、得られた低次縮合物のIVの平均値は0.13dL/g、標準偏差0.025、変動係数19%であり、バッチ内での変動が大きいものであった。また、得られた低次縮合物のMnは1200であった。
排出操作時に水を定量ポンプにて15L/時間で供給し、水蒸気圧を4.0MPaで保持したこと以外は、実施例2と同じ条件で低次縮合物の合成をおこなった。その結果、排出操作は良好に行えたが、排出開始から0.1時間ごとにサンプリングを実施して、得られた低次縮合物のIVの平均値は0.13dL/g、標準偏差0.025、変動係数19%であり、バッチ内での変動が大きいものであった。また、得られた低次縮合物のMnは1200であった。
得られた低次縮合物を実施例と同様に固相重合を行った結果、反応終了後に低分子量物由来の装置内付着物が多くみられた。得られたポリアミドのIVの平均値(n=10)は0.71dL/g、標準偏差0.043、変動係数6%であり、実施例に比べてIVが低く、バッチ内の変動も大きいものであった。DSC測定による融点は300℃、結晶化温度は275℃、YIは9、Mnは10300であった。
(実施例3)
ポリカーボネートの合成
内容積2Lのオートクレーブ攪拌槽、コンデンサー、減圧装置を有する重合反応装置の攪拌槽に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを456g(2mol)、ジフェニルカーボネートを446g(2.08mol)、水酸化カリウムを0.112mg、温度240℃、反応圧力1.3kPa(10torr)で、2時間、反応副生成物のフェノールを攪拌槽から留出させながら重縮合反応を行った。
ポリカーボネートの合成
内容積2Lのオートクレーブ攪拌槽、コンデンサー、減圧装置を有する重合反応装置の攪拌槽に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを456g(2mol)、ジフェニルカーボネートを446g(2.08mol)、水酸化カリウムを0.112mg、温度240℃、反応圧力1.3kPa(10torr)で、2時間、反応副生成物のフェノールを攪拌槽から留出させながら重縮合反応を行った。
反応終了後、減圧を停止し、温度は240℃に保ったまま、高温用HPLCポンプにて、フェノール12.8gを系内に導入し、圧力をフェノールの飽和蒸気圧である400kPaとした。反応液量は、540mLであった。
これを0.25時間で排出するように底部排出弁および排出量調整弁の開度を調整した。この間、反応液相の化学平衡(低次縮合物の生成反応の化学平衡)を保持するために、反応の副生成物であるフェノールの量を一定に保てる量のフェノールを気相部へ供給した。フェノールの供給速度Zは、アントワン式より、オートクレーブ内温度での飽和フェノール蒸気圧Py(PAW)(240℃では400kPa)を求め、実施例1と同様に、式(1)および(6)に基づき、飽和フェノール蒸気量Y(同条件で8.8g/L=8.8kg/m3)と、反応系内の飽和フェノール蒸気量Y×(Px/Py)[kg/m3]と、を算出し、体積(V)、排出時間(L)を考慮することにより、19.1g/時間とした。フェノールの供給は高温用HPLCポンプにて、オートクレーブ内に導入し、飽和フェノール蒸気として行った。
排出操作の間、反応槽の温度を240℃に維持し、圧力調整弁は全閉状態で、フェノール蒸気圧力を400kPaに維持した。生成した低次縮合物は底部排出弁より、窒素流通下、常温(25℃)で、大気圧条件で容器に排出した。低次縮合物の排出操作は安定で、全量排出が可能であった。排出0分後、5分後、10分後、15分後のサンプルを採取し、それらのサンプルの対数粘度(IV)を測定した結果、すべて、0.14dL/gであり、バッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。
容器で捕集したポリカーボネートの低次縮合物を粉砕し、アセトンを添加、結晶化させ
、100℃で減圧乾燥し、ポリマー粉体を得た。
、100℃で減圧乾燥し、ポリマー粉体を得た。
得られたポリカーボネートの低次縮合物のIVは0.14dL/g、Tmは226℃、Mnは2900であった。
この粒状体100gをガラス製の500mLのロータリーエバポレーターに仕込み、回転数30rpm、220℃、0.13kPaの真空下で2時間、固相重合させた。
得られたポリカーボネートのIVの平均値(n=5)は、0.45、標準偏差0.006、変動係数1.4%でありバッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。また、得られたポリカーボネートのMnは11800であった。
(比較例3)
実施例3において、重縮合反応終了後、減圧を停止し、温度は240℃に保ったまま、フェノールの代わりに、窒素を用いて、排出中も圧力を400kPaとしたこと以外は実施例3と同様に、ポリカーボネートの低次縮合物を得た。
実施例3において、重縮合反応終了後、減圧を停止し、温度は240℃に保ったまま、フェノールの代わりに、窒素を用いて、排出中も圧力を400kPaとしたこと以外は実施例3と同様に、ポリカーボネートの低次縮合物を得た。
得られた低次縮合物のIVは、排出0分後0.14dL/g、5分後0.15dL/g、10分後0.15dL/g、15分後0.16dL/gで、排出の後半になるほどIVが上昇する傾向がみられた。Mnは、3100であった。
得られた低次縮合物を実施例3と同様に処理をして固相重合を行った。
得られたポリカーボネートのIVの平均値(n=5)は、0.46、標準偏差0.012、変動係数2.6%でありバッチ内での変動は、実施例3に比較して約2倍大きかった。また、得られたポリカーボネートのMnは12100であった。
(実施例4)
ポリエステルの合成
内容積2Lのオートクレーブ攪拌槽、コンデンサー、減圧装置を有する重合反応装置の攪拌槽に、テレフタル酸を830g(5mol)、エチレングリコールを372g(6mol)、3酸化アンチモンを373mg仕込み、反応で生成した水を流出させながら、温度260℃、圧力100kPaで、5時間、エステル化反応を行った。
ポリエステルの合成
内容積2Lのオートクレーブ攪拌槽、コンデンサー、減圧装置を有する重合反応装置の攪拌槽に、テレフタル酸を830g(5mol)、エチレングリコールを372g(6mol)、3酸化アンチモンを373mg仕込み、反応で生成した水を流出させながら、温度260℃、圧力100kPaで、5時間、エステル化反応を行った。
次いで、温度を280℃に昇温するとともに、圧力を徐々に5torrまで減圧し、2時間、反応副生成物のエチレングリコールを攪拌槽から留出させながら重縮合反応を行った。
反応終了後、減圧を停止し、温度は280℃に保ったまま、高温用HPLCポンプにて、エチレングリコールを10.8g系内に導入し、圧力をエチレングリコールの飽和蒸気圧である750kPaとした。反応液量は、960mLであった。
これを1時間で排出するように底部排出弁および排出量調整弁の開度を調整した。この間、反応液相の化学平衡(低次縮合物の生成反応の化学平衡)を保持するために、反応液相の副生成物であるエチレングリコール量を一定に保てる量のエチレングリコールを気相部へ供給した。エチレングリコールの供給速度Zは、アントワン式より、オートクレーブ内温度での飽和エチレングリコール蒸気圧Py(PAW)(280℃では750kPa)を求め、実施例1と同様に、式(1)および(6)に基づき、飽和エチレングリコール蒸気量Y(同条件で10.1g/L=10.1kg/m3)と、反応系内の飽和エチレングリコール蒸気量Y×(Px/Py)[kg/m3]と、を算出し、体積(V)、排出時間
(L)を考慮することにより、9.7g/時間とした。エチレングリコールの供給は高温用HPLCポンプにて、オートクレーブ内に導入し、飽和エチレングリコール蒸気として行った。
(L)を考慮することにより、9.7g/時間とした。エチレングリコールの供給は高温用HPLCポンプにて、オートクレーブ内に導入し、飽和エチレングリコール蒸気として行った。
排出操作の間、反応槽の温度を280℃に維持し、圧力調整弁は全閉状態で、エチレングリコール蒸気圧力を750kPaに維持した。生成した低次縮合物は底部排出弁より、ストランド状に水中に抜き出し、冷却し、ストランドカッターにてペレットにし、ポリエチレンテレフタレートの低次縮合物を得た。低次縮合物の排出操作は安定で、全量排出が可能であった。排出0分後、10分後、20分後、30分後、60分後のサンプルを採取し、それらのサンプルの対数粘度(IV)を測定した結果、すべて、0.52dL/gであり、バッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。
得られたポリエチレンテレフタレートの低次縮合物のIVは0.52dL/g、Mnは14800であった。
このペレット100gをガラス製の500mlのロータリーエバポレーターに仕込み、窒素雰囲気下、170℃で2時間結晶化させた後、回転数30rpm、220℃、0.13kPaの真空下で12時間、固相重合させた。
得られたポリエチレンテレフタレートのIVの平均値(n=5)は、0.86、標準偏差0.004、変動係数0.5%でありバッチ内での変動が非常に小さく、品質が安定したものであった。また、得られたポリエステルのMnは31100であった。
(比較例4)
実施例4において、重縮合反応終了後、減圧を停止し、温度は280℃に保ったまま、エチレングリコールの代わりに、窒素を用いて、排出中も圧力を750kPaとしたこと以外は実施例4と同様に、ポリエチレンテレフタレートの低次縮合物を得た。
実施例4において、重縮合反応終了後、減圧を停止し、温度は280℃に保ったまま、エチレングリコールの代わりに、窒素を用いて、排出中も圧力を750kPaとしたこと以外は実施例4と同様に、ポリエチレンテレフタレートの低次縮合物を得た。
得られた低次縮合物のIVは、排出0分後0.53dL/g、10分後0.53dL/g、20分後0.54dL/g、30分後0.55dL/g、60分後0.57dL/gで、排出の後半になるほどIVが上昇する傾向がみられた。Mnは、15800であった。
得られた低次縮合物を実施例4と同様に処理をして固相重合を行った。
得られたポリエチレンテレフタレートのIVの平均値(n=5)は、0.90、標準偏差0.016、変動係数1.8%でありバッチ内での変動は、実施例に比較して約4倍大きかった。また、得られたポリエステルのMnは33300であった。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の製造条件を表1に、評価結果を表2に示す。また、実施例3、実施例4、比較例3、比較例4の製造条件を表3に、評価結果を表4に示す。
表2および表4より、実施例1〜4の製造方法によれば、排出時の時間差により分子量が変動せず、安定した品質の低次縮合物が得られ、それにより、安定した品質の重縮合物
が得られることがわかる。
が得られることがわかる。
Claims (6)
- 重縮合反応により低次縮合物を製造する工程と、
得られた低次縮合物を系外へ抜き出す工程と、
抜き出した低次縮合物を重合して、重縮合樹脂を製造する工程と、
を含む、バッチ式(回分式)反応器で製造する重縮合樹脂の製造方法であって、
前記低次縮合物を系外へ抜き出す工程が、前記重縮合反応で生じる副反応物と同じ物質を、抜き出し開始時の前記低次縮合物の生成反応の化学平衡状態を保持することが可能な量を系内へ補充しながら、前記低次縮合物を系外へ抜き出すことを含む、重縮合樹脂の製造方法。 - 前記低次縮合物の数平均分子量が、前記重縮合樹脂の数平均分子量の5〜50%である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記重縮合樹脂がポリアミドである、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記重縮合樹脂がポリカーボネートである、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記重縮合樹脂がポリエステルである、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記重縮合樹脂が、前記低次縮合物を固相重合することにより高重合度化して得られる、請求項1〜5に記載の重縮合樹脂の製造方法。
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