JP2011162632A - 耐熱性ポリエステル樹脂 - Google Patents

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JP2011162632A JP2010025554A JP2010025554A JP2011162632A JP 2011162632 A JP2011162632 A JP 2011162632A JP 2010025554 A JP2010025554 A JP 2010025554A JP 2010025554 A JP2010025554 A JP 2010025554A JP 2011162632 A JP2011162632 A JP 2011162632A
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隆昌 秋月
Kenta Shibata
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Abstract

【課題】耐熱性に加えて、非塩素系溶媒に対する溶解性を有し、紫外線領域での光学特性に優れたポリエステル樹脂を提供する。
【解決手段】ジカルボン酸成分と二価フェノール成分から構成されるポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸成分100モル%中、下記一般式(I)で示されるシクロヘキサンジカルボン酸を50モル%以上含み、二価フェノール成分100モル%中、下記一般式(II)で示される二価フェノールを50モル%以上含むことを特徴とするポリエステル樹脂。


【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性に加えて、非塩素系溶媒に対する溶解性を有し、紫外線領域での光学特性に優れたポリエステル樹脂に関する。
芳香族ジカルボン酸と二価フェノールとから得られる芳香族ポリエステルは、耐熱性に優れたポリエステル樹脂として知られている。前記芳香族ポリエステルは、耐熱性に加え、適度な弾性率をもち、衝撃強度に代表される機械的強度や寸法安定性に優れ、その成形品は電気・電子、自動車、機械等の分野に幅広く応用されている。
また、前記芳香族ポリエステルは、優れた電気的特性(絶縁性、誘電特性等)を有しているため、コンデンサ等の電子部品用フィルム、液晶表示装置用等の光学フィルム、微細加工用の基板フィルム、または、基板フィルムに塗工した被膜として用いられている。
前記芳香族ポリエステルは耐熱性が高いため、溶融加工が難しく、これを用いた基板フィルム、被膜の作成には、溶媒に溶かして塗工する方法が用いられている。芳香族ポリエステルを溶解する溶媒としては、溶解性に優れるため、塩化メチレンやクロロホルムなどの塩素系溶剤を用いているが、近年、塩素系溶剤の使用が制限されており、より環境負荷の少ないシクロヘキサノンなどの非塩素系溶剤の使用が求められている。一方で、芳香族ポリエステルは、シクロヘキサノンに対する溶解性は良好ではなく、シクロヘキサノンに対する溶解性に優れた芳香族ポリエステルの開発が進められている。
電気・電子分野において、芳香族ポリエステルからなる基板フィルム、被膜を用いる場合、それら基板上に部品を実装するための接着剤として紫外線硬化型の接着剤が多用されている。しかし、実装のために基板フィルム、被膜を通して紫外線照射を行う場合には、それら基板フィルム、被膜の紫外線領域での透明性が良好でないと、接着剤の硬化が不十分となり問題であった。また、ブルーレイディスクのような光記録メディアでは、高密度で記録を行うため、読み取りのためのピックアップは短波長光源を用いた半導体レーザーが利用されており、これらのシステムで使用される被膜には、短波長光線の透過性の高い性能が必要であった。
特許文献1には、太陽光、特に可視光領域における透明性に優れ、太陽光発電の部材に用いられる芳香族ポリエステル樹脂の開示がある。しかしながら、このような芳香族ポリエステル樹脂は、紫外線遮断性が高く、長期の使用において紫外線により色調変化が起こり問題であった。また、非塩素系溶剤に対する溶解性を有さないため、用途の拡大が図れなかった。
特許文献2には、シクロヘキサン環を有するカルボン酸を用いた、非塩素系溶剤に対する溶解性が良好なポリエステル樹脂の開示がある。このようなポリエステル樹脂は、紫外線領域での透明性に優れ、紫外線照射によっても色調変化が少ないものの、耐熱性が十分とは言えなかった。
特開2000−243988号公報 特開2008−31347号公報
本発明は、耐熱性に加えて、非塩素系溶媒に対する溶解性を有し、紫外線領域での光学特性に優れたポリエステル樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリエステル樹脂が、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は次のとおりである。
(1)ジカルボン酸成分と二価フェノール成分から構成されるポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸成分100モル%中、下記一般式(I)で示されるシクロヘキサンジカルボン酸を50モル%以上含み、二価フェノール成分100モル%中、下記一般式(II)で示される二価フェノールを50モル%以上含むことを特徴とするポリエステル樹脂。
(一般式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜5の炭化水素基、塩素原子又はフッ素原子を表し、p及びqはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。W1は炭素数7〜11の直鎖状、枝分かれ状若しくは環状の炭化水素基であってベンゼン環を含んでいてもよい基からなる群より選ばれたものを表す。)
(2)(I)式で示されるシクロヘキサンジカルボン酸が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であることを特徴とする(1)のポリエステル樹脂。
(3)(II)式で示される二価フェノールが下記一般式(III)で示される二価フェノールであることを特徴とする(1)または(2)のポリエステル樹脂。
(一般式(III)中、nは1〜5の整数を表す。)
本発明によれば、耐熱性に加えて、非塩素系溶媒に対する溶解性を有し、紫外線領域での光学特性に優れたポリエステル樹脂を提供することができる。
紫外線領域での光学特性に優れるとは、紫外線領域での透明性に優れ、かつ紫外線照射による色調変化が少ないことを意味する。
本発明のポリエステル樹脂は、シクロヘキサンジカルボン酸成分と二価フェノール成分より構成される。
本発明のポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分としては、下記一般式(I)で示されるシクロへキサンジカルボン酸を用いることが必要であり、より具体的には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられ、特に耐熱性の点から1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分100モル%中、上記一般式(I)で示されるシクロへキサンジカルボン酸を50モル%以上含む必要があり、75モル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むことがより好ましい。上記一般式(I)で示されるシクロへキサンジカルボン酸の含有量が50モル%未満であると、得られるポリエステル樹脂の耐熱性が不足したり、非塩素系溶媒に対する溶解性が不十分となることがある、また、前記ポリエステル樹脂より得られる塗膜の紫外線透過性が大きくなったり、紫外線照射による色調変化が大きくなることがある。
本発明のポリエステル樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他のジカルボン酸成分が含まれていても良く、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸、4,4’―ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸などが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂を構成する二価フェノールとしては、下記一般式(II)で示される二価フェノールを用いることが必要であり、より具体的には、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサンなどが挙げられ、特に耐熱性や溶剤溶解性に優れている点から、この中でも1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサンが好適に用いられる。
本発明のポリエステル樹脂は、二価フェノール成分100モル%中、上記一般式(II)で示される二価フェノールを50モル%以上含む必要があり、65モル%以上含むことが好ましく、75モル%以上含むことがより好ましい。上記一般式(I)で示される二価フェノールの含有量が50モル%未満であると、得られるポリエステル樹脂の耐熱性が不足したり、非塩素系溶媒に対する溶解性が不十分となることがある、また、前記ポリエステル樹脂より得られる塗膜の紫外線透過性が大きくなったり、紫外線照射による色調変化が大きくなることがある。
本発明のポリエステル樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他の二価フェノールが含まれていても良く、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールフルオレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4’−[1,4−フェニレン−ビス(2−プロピリデン)−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)]、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジsec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、ビス(3ーフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−(p−フルオロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラtert−ブチル−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、イサチンビスフェノール、イサチンビスクレゾール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(2ーヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2ーヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’,5,5’−テトラtert−ブチル−2,2’−ビフェノール、2,2’−ジアリル−4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9、9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂のカルボキシル価は、100mol/t以下とすることが好ましく、50mol/t以下であることがさらに好ましく、30mol/t以下であることが最も好ましい。カルボキシル価が100mol/tを超えると、ポリエステル樹脂の溶融成型後の着色が増大したり、ポリエステル樹脂の耐加水分解性、絶縁破壊電圧、耐アーク性や誘電率等の電気的特性が低下する傾向がある。また、ポリエステル樹脂を溶媒に溶解して塗工液とした場合、溶液の保存安定性が低下し、得られる被膜の機械特性や電気的特性が低下する傾向がある。
本発明のポリエステル樹脂の分子量は、固有粘度(1,1,2,2−テトラクロロエタン中、25℃で測定)を指標として表すことができ、0.10〜2.5dl/gが好ましく、0.15〜2.0dl/gであることがより好ましい。固有粘度が0.10dl/g未満では、得られる被膜の機械特性が不足する傾向があり、固有粘度が2.5dl/gを超えると、得られる塗工液が粘調となり取り扱い性が低下する。ポリエステル樹脂の分子量は、製造に際して、後述する末端封止剤の添加量によって制御することができる。
本発明のポリエステル樹脂のガラス転移温度は、200〜250℃であることが好ましく、205〜245℃あることがさらに好ましく、210〜240℃であることが最も好ましい。200℃未満であると、耐熱性が不足し、250℃を超えると弾性率が高くなり、得られる被膜の取り扱い性が低下する。
本発明のポリエステル樹脂を製造する方法としては、界面重合法や溶液重合法などの有機溶媒中で反応させて得る方法、あるいは溶融重縮合などの溶融状態で反応させる方法が挙げられるが、重合性や、得られた樹脂の外観の点から、有機溶媒中での反応、特には低温で反応をおこなうことができる界面重合法によって製造することが最も好ましい。
界面重合法とは、水と相溶しない有機溶剤に溶解させたジカルボン酸ハライドと、アルカリ水溶液に溶解させた二価フェノールとを混合することによってポリエステル樹脂を得る重合方法である。界面重合法に関する文献として、W.M.EARECKSON J.Poly.Sci.XL399 1959年や、特公昭40−1959号公報などが挙げられる。界面重合法は溶液重合法と比較すると、反応が速いため、酸ハライドの加水分解を抑えることができ、結果として高分子量のポリエステル樹脂を得ることができる。
界面重合法についてさらに詳細に例示する。まず、水相として、二価フェノールのアルカリ水溶液を調製し、続いて、重合触媒を添加する。次に、有機相として、水と相溶せず樹脂を溶解する有機溶媒にシクロヘキサンジカルボン酸ハライドを溶解させ、この溶液を先のアルカリ溶液に混合する。一方で、この混合液とは別に、有機溶媒にシクロヘキサンジカルボン酸ハライドを溶解させ、この溶液を先のアルカリ・有機溶媒混合溶液にさらに添加することにより、ポリエステル樹脂を重合する。
重合条件としては、好ましくは50℃以下の温度で1時間〜8時間撹拌しながら重合反応をおこなうことによって所望のポリエステル樹脂溶液を得ることができる。
界面重合において二価フェノール水溶液を調製する際に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂の末端は、一価フェノール、一価酸クロライド、一価アルコール、一価カルボン酸などを用いて封止されていてもよい。そのような末端封止剤として用いられる一価フェノールとしては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2−フェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「p−(α−クミル)フェノール)」と記すことがある。)2−フェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、一価酸クロライドとしては、ベンゾイルクロライド、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートなどが挙げられ、一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどが挙げられ、一価カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸などが挙げられる。これらの中でも、好ましい末端封止剤としては、p−tert−ブチルフェノールが挙げられる。
界面重合の重合触媒としては、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライドなどの第四級アンモニウム塩や、トリブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラブチルホスホニウムハライド、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライドなどの第四級ホスホニウム塩が挙げられるが、中でも、重合を促進しやすいという点で、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド、トリブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラブチルホスホニウムハライドが好ましい。
界面重合における有機相の溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン系溶媒を用いることができるが、重合性の観点から、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、シクロヘキサノンなどが好適に使用される。
重合後に得られたポリエステル樹脂溶液に酸、例えば、酢酸等を添加し、ポリエステル樹脂溶液を水で繰返し洗浄し、ポリエステル樹脂溶液に含まれるナトリウムやカリウム、および重合触媒などのイオン性成分を除去する。洗浄に使用する水は、酸性であっても、塩基性であっても構わないが、洗浄廃液水が、中性になるまで繰返し洗浄することが望ましい。
ここで得られたポリエステル樹脂溶液を、貧溶媒に添加することによりポリエステル樹脂を析出させる(再沈殿)。ここで用いられる貧溶媒としては、特に限定はされないがメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類やヘキサンなどの炭化水素などが好適に用いられる。析出で得られたポリエステル樹脂の固形分はろ過などで単離し、その後に乾燥させることにより固形分を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂としては、得られたポリエステル樹脂単独で用いても良いし、または、2種類以上を混合して用いても良い。
また、ポリエステル樹脂には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定化剤や酸化防止剤などを適宜加えても構わない。
本発明のポリエステル樹脂は、塩化メチレンやクロロホルムなどの塩素系溶剤へはもちろん、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)、N−メチルピロリドン(NMP)などの非塩素系溶剤に溶解し、塗工液として用いたり、流延させてフィルムを作製することができる。前記ポリエステル樹脂は、塩素系溶剤よりも溶解力に劣る非塩素系溶剤に対する溶解性に優れ、非塩素系溶剤の中でもより環境負荷の低いシクロヘキサノンに対する溶解性も有するため、環境配慮や安全性配慮に適した塗工液、フィルムの作製に適している。
本発明のポリエステル樹脂は、耐熱性、機械的特性、電気的特性を生かした電気機器、モータ、発電機、相間絶縁、電線の被覆等の絶縁被膜、変圧器やコンデンサーなどの誘電体被膜用途で好適に用いることができるばかりでなく、さらには、非塩素系溶媒に対する溶解性、紫外線領域での光学特性にも優れるため、液晶表示装置用等の光学フィルムおよびそのコート層や積層体、微細加工用の基材フィルムや、電子回路基板、液晶ドライバ、ワイヤーハーネス等の絶縁保護被膜として好適に用いることができる。
また、短波長領域での透明性にも優れるため、ブルーレイなどの光記録メディア、光学レンズなどに用いられるほかに、半導体レーザーや発光ダイオードなどの光源材料として使用することができ、特に350〜450nm近傍の波長領域の透過性に優れるため、高密度な光記録メディア等や光学レンズに使用することが可能である。
次に、本発明を実施例、比較例によって具体的に説明する。
1.原料
(1) ジカルボン酸クロライド
・ 1,4−CHDC:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド (東京化成工業社製試薬)
・ TPC:テレフタル酸クロライド(東京化成工業社製試薬)
・ IPC:イソフタル酸クロライド(東京化成工業社製試薬)
・ ADC:アジピン酸クロライド(東京化成工業社製試薬)
(2) 二価フェノール
・ TMC:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン(本州化学社製)
・ DMC:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチル−シクロヘキサン(東京化成工業社製試薬)
・ BisA:ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(本州化学社製)
・ BisZ:ビスフェノールZ、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(本州化学社製)
・ BCF:ビスクレゾールフルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロシ−3−メチルフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製)
2.評価方法
[樹脂特性]
得られたポリエステル樹脂に対して、各種評価を以下の方法に従って行なった。
(1)固有粘度
溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタンを用い、濃度1g/dl、温度
25℃の条件で測定した。
(2)カルボキシル価
試験管にポリエステル樹脂0.15gを精秤し、ベンジルアルコール5mlに加熱溶解した。クロロホルム10mlと前記の樹脂のベンジルアルコール溶液とを混合した後、フェノールレッドを指示薬として加え、撹拌しながら0.1N−KOHベンジルアルコール溶液で中和滴定を行なってカルボキシル価を求めた。
(3) ガラス転移温度 (Tg)
ポリエステル樹脂15mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製DSC7)を用いて、−80℃から300℃までを、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、得られた昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点の温度の中間値を求め、これをガラス転移温度とした。耐熱性の判断基準として、ガラス転移温度210℃以上を耐熱性が良好、230℃以上を特に耐熱性が優れていると判断した。
(4) 溶解性
ポリエステル樹脂をシクロヘキサノン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)に溶解させ、固形分濃度10質量%の溶液を作製した。25℃において24時間攪拌し、ゲル物などの不溶物が発生の有無を確認し、以下のように判断した。
不溶物が全く認められない : ○
不溶物が少しでも認められる : ×
[フィルム特性]
上記ポリエステル樹脂をクロロホルムに溶解させ、固形分濃度15質量%の溶液を作製した。得られた溶液をPETフィルム上に流延塗布、乾燥を行い塗膜の作製を行った。得られた塗膜をPETフィルムより剥離した後、120℃にて24時間減圧乾燥して、乾燥厚み100μmのポリエステル樹脂フィルムを作製し、以下の評価を行なった。
(5) 引張弾性率
得られた厚さ100μmのポリエステル樹脂フィルムを巾1cmの短冊状に切り出し、インテスコ社製引張圧縮試験機を用い、JIS K−2318に準拠し、引張弾性率を測定した。
(6) 紫外線透過性
日本分光株式会社製紫外可視分光光度計V−550を用い、上記で得た厚さ100μmのポリエステル樹脂フィルムにおける波長350nmの光線透過率を測定した。
(7) 耐紫外線変色性
屋外に放置したときの黄変の程度を把握するための簡易な試験として、サンハヤト製紫外線露光装置を用い、上記で得た厚さ100μmのポリエステル樹脂フィルムを用い紫外線を24h照射した。日本電飾工業株式会社製Z−Σ90を用いて、紫外線照射前後のイエローインデックスを測定した。紫外線照射前のイエローインデックスをYI、紫外線照射後のイエローインデックスをYIとし、黄色度の変化量を次式にて算出し、△YIの数値が大きいほど、黄変の程度が著しいと判断した。
△YI=YI−YI
実施例1
攪拌装置を備えた反応容器中に、二価フェノール成分としてTMCを30.5質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム14.5質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(BTBAC)0.43質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム(SHS)0.17質量部、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール0.74質量部を、それぞれ水800質量部に溶解した(水相)。また、これとは別に、塩化メチレン400質量部に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド21.1質量部を溶解した(有機相)。この有機相を、すでに攪拌している水相の混合溶液中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間重合反応を行った。この後攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、新たに塩化メチレン200質量部、純水1000重量部と酢酸を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。この有機相を純水で5回洗浄した後に、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させ、分離・乾燥後、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂組成は、NMRで確認したところ、仕込みの配合通りの樹脂組成であった。さらに、得られたポリエステル樹脂の特性、およびポリエステル樹脂フィルムの特性について、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2
二価フェノール成分としてTMCを質量部、DMCを14.8質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム14.8質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(BTBAC)0.43質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム(SHS)0.17質量部、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール0.75質量部を仕込み、水800質量部に溶解した(水相)。また、これとは別に、塩化メチレン400質量部に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロライド21.4質量部を溶解した(有機相)。この有機相を、すでに攪拌している水相の混合溶液中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間重合反応を行った。この後攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、新たに塩化メチレン200質量部、純水1000重量部と酢酸を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。この有機相を純水で5回洗浄した後に、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させ、分離・乾燥後、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂組成は、NMRで確認したところ、仕込みの配合通りの樹脂組成であった。さらに、得られたポリエステルフィルムについて、各種測定をおこなった。その結果を表1に示す。
実施例3〜13
以下、表1〜2に記載の樹脂組成となるようにポリエステル樹脂を合成し、各種測定を
行った。その結果を表1〜2に示す。
比較例1〜10
以下、表3に記載の樹脂組成となるようにポリエステル樹脂を合成し、各種測定を行った。その結果を表3に示す。
実施例1〜13は、本発明で規定されるポリエステル樹脂であったため、耐熱性や、非塩素系溶媒であるTHF、NMPに対する溶解性に優れていた。また、紫外線の透過性にも優れ、紫外線照射による色調変化も少なかった。また、実施例1〜5、実施例8、実施例10〜13では、さらにシクロヘキサノンに対する溶解性も良好であった。
比較例1は、所定の二価フェノール成分を用いなかったため、耐熱性が不足し、非塩素系溶媒であるシクロヘキサノン、THFに対する溶解性が不十分であった。
比較例2は、所定の二価フェノール成分を用いなかったため、耐熱性が不足し、非塩素系溶媒であるシクロヘキサノン、THF、NMPに対する溶解性が不十分であった。また、塩素系溶媒であるクロロホルムにも溶解しなかったため、フィルムの作製ができず、フィルム特性の評価はできなかった。
比較例3は、所定の二価フェノール成分を用いなかったため、ガラス転移点は250℃を越え、成形加工時のハンドリング性が劣っていた。
比較例4は、二価フェノール成分を所定の配合で用いなかったため、耐熱性が不足し、非塩素系溶媒であるシクロヘキサノン、THFに対する溶解性が不十分であった。
比較例5は、所定のジカルボン酸成分を所定の配合で用いなかったため、紫外線透過性が低く、紫外線照射による色調変化が大きかった。
比較例6、比較例7は、ジカルボン酸成分を所定の配合で用いなかったため、耐熱性が低かった。
比較例8は、所定のジカルボン酸成分を用いなかったため、ガラス転移点は250℃を越え、成形加工時のハンドリング性が悪く、非塩素系溶媒であるシクロヘキサノン、THFに対する溶解性が不十分であり、紫外線透過性が低く、紫外線照射による色調変化が大きかった。
比較例9は、所定のジカルボン酸成分、二価フェノール成分を用いなかったため、耐熱性が低く、非塩素系溶媒であるシクロヘキサノン、THFに対する溶解性が不十分であり、紫外線透過性が低く、紫外線照射による色調変化が大きかった。
比較例10は、所定のジカルボン酸成分、二価フェノール成分を用いなかったため、非塩素系溶媒であるシクロヘキサノン、THF、MEKに対する溶解性が不十分であり、紫外線透過性が低く、紫外線照射による色調変化が大きかった。








Claims (3)

  1. ジカルボン酸成分と二価フェノール成分から構成されるポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸成分100モル%中、下記一般式(I)で示されるシクロヘキサンジカルボン酸を50モル%以上含み、二価フェノール成分100モル%中、下記一般式(II)で示される二価フェノールを50モル%以上含むことを特徴とするポリエステル樹脂。
    (一般式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜5の炭化水素基、塩素原子又はフッ素原子を表し、p及びqはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。W1は炭素数7〜11の直鎖状、枝分かれ状若しくは環状の炭化水素基であってベンゼン環を含んでいてもよい基からなる群より選ばれたものを表す。)
  2. (I)式で示されるシクロヘキサンジカルボン酸が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂。
  3. (II)式で示される二価フェノールが下記一般式(III)で示される二価フェノールであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
    (一般式(III)中、nは1〜5の整数を表す。)















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