JP3621170B2 - 電子写真感光体のバインダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性に特に優れたポリアリレートに関するものであり、各種成形材料に用いることができ、また、キャストフィルム、ワニス、塗料など溶媒に溶解して用いる用途のものにも使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)とテレフタル酸、イソフタル酸とから得られる非晶性ポリアリレートは、エンジニアリングプラスチックとして既によく知られている。かかる非晶性ポリアリレートは耐熱性が高く、衝撃強度に代表される機械的強度や寸法安定性に優れ、加えて透明であることから、その成形品は電気、電子、自動車、機械等の分野に幅広く応用されている。
【0003】
また、ビスフェノール−Aとテレフタル酸、イソフタル酸から得られるポリアリレート樹脂は、優れた耐摩耗性や電気特性(絶縁性、誘電特性など)を利用して、コンデンサー用のフィルムや電子写真感光体を形成するためのバインダー用樹脂等としても応用されている。
しかしながら、この様なフィルムやバインダー用樹脂等の用途における耐摩耗性に対する要求は、一層厳しいものになり、ビスフェノール−Aとテレフタル酸、イソフタル酸を原料としたポリアリレート樹脂よりも、さらに高い耐摩耗性が要求される用途が生じてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、従来のビスフェノール−Aとテレフタル酸、イソフタル酸を原料としたポリアリレートよりも更に耐摩耗性の優れた新規なポリアリレートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この様な課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレートに特定の構造式で示される二価カルボン酸単位を特定量導入することによって、耐摩耗性に著しく優れたポリアリレートが得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明の要旨は、一般式(1)で示される二価フェノール残基と、構造式(2)、(3)、(4)及び(5)で示される二価カルボン酸残基から選ばれる1種以上の二価カルボン酸残基を二価カルボン酸残基中モル分率で0.05以上含有する二価カルボン酸残基とより構成されていて、インヘレント粘度が0.25以上(テトラクロロエタン溶媒中、0.1g/dl、25℃で測定)であることを特徴とするポリアリレートからなる電子写真感光体のバインダーである。
【0007】
【化2】
【0008】
〔一般式(1)中、R1 〜R4 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、アルキレン基、アルキリデン基、フェニルアルキリデン基、環状炭化水素基からなる群から選ばれる。〕
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアリレートを合成するための原料である一般式(1)に示した二価フェノール成分(及びそれらの誘導体も含む)を具体的に例示すると、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−secブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールフローレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tertブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4’−[1,4−フェニレン−ビス(2−プロピリデン)−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)]、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、
【0010】
ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−tertブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tertブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
【0011】
ビス(3,5−ジtertブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジsecブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtertブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジtertブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtertブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、
【0012】
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラtertブチル−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
【0013】
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジtertブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtertブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステル、イサチンビスフェノール、イサチンビスクレゾール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(2ーヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tertブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tertブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、
【0014】
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジtertブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtertブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’,5,5’−テトラtertブチル−2,2’−ビフェノール、2,2’−ジアリル−4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチル−シクロヘキサン、
【0015】
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン等のテルペンジフェノール類等を挙げることができる。これらの二価フェノールは、1種類で用いることもできるし、2種類以上で併用することも可能である。
【0016】
また、ポリマーの特性を損なわない範囲で二価フェノールを、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、1、4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等の二価のアルコールで置き換えてもよい。
前記二価アルコール成分のうち、好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−C)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノール−AF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノール−Z)が挙げられる。
【0017】
また、本発明において、二価ジカルボン酸残基が構造式(2)、(3)、(4)及び(5)で示される二価カルボン酸残基から選ばれる1種以上の二価カルボン酸残基を二価カルボン酸残基中モル分率で0.05以上、好ましくは0.15以上含むものである。二価カルボン酸残基が構造式(2)、(3)、(4)及び(5)で示される二価カルボン酸残基から選ばれる1種以上が二価カルボン酸残基中モル分率で0.05未満では従来のポリアリレートの耐摩耗性に対して優位差が見とめられなくなる。
二価カルボン酸残基が構造式(2)で示される二価カルボン酸残基となる二価カルボン酸としては2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン及びその誘導体が挙げられ、構造式(3)となる二価ジカルボンとしては2,2−ビス(3−メチル−4−カルボキシフェニル)プロパン及びその誘導体が挙げられ、構造式(4)となるジカルボンとしては、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン及びその誘導体が挙げられ、構造式(5)となる二価カルボン酸としては1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)シクロヘキサン及びその誘導体が挙げらる。
【0018】
本発明のポリアリレートは上記(2)、(3)、(4)及び(5)で示される二価カルボン酸残基の他に下記一般式(6)で示される二価カルボン酸残基を含んでいてもよい。
【0019】
【化3】
【0020】
〔Yは、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、アルキル基、環状アルキル基からなる群から選ばれる。〕
一般式(6)に示す二価カルボン酸残基となる二価カルボン酸(及びその誘導体を含む)を例示すれば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレン二価カルボン酸、ジフェン酸、4、4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、4,4′−ジカルボキシフェニルスルホン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などの脂肪族二価カルボン酸が挙げられる。これらの二価カルボン酸は、1種類で用いることもできるし、2種類以上で併用することも可能である。好適に用いることができる二価カルボン酸としては、テレフタル酸とイソフタル酸の等量混合物である。
【0021】
本発明のポリアリレートのインヘレント粘度は、1,1,2,2−テトラクロロエタン溶媒中、0.1g/dl、25℃で測定した値が0.25以上、好ましくは0.30〜1.00である。インヘレント粘度が0.25を下回る場合には、引張強度、曲げ強度、アイゾット衝撃強度等の機械的特性が損なわれるばかりでなく、本発明のポリアリレートに特徴的な耐摩耗性も損なわれる。
さらに、本発明のポリアリレートは必ずしも直鎖状の樹脂である必要はなく、3官能以上の物質を重合時に添加して分岐構造が導入されていてもよい。
【0022】
本発明のポリアリレートの製造方法としては、二価カルボン酸ハライドと二価フェノールを有機溶剤中で反応させる溶液重合法(A.Conix Ind.Eng.ohem.51 147 1959年、特公昭37−5599号公報)、二価カルボン酸と二価フェノールを無水酢酸の存在下で加熱する溶融重合法、二価カルボン酸と二価フェノールをジアリルカーボネートの存在下で加熱する溶融重合法(特公昭38−26299号公報)、水と相溶しない有機溶剤に溶解せしめた二価カルボン酸ハライドとアルカリ水溶液に溶解せしめた二価フェノールとを混合する界面重合法(W.M.EARECKSON J.Poly.Sci.XL399 1959年、特公昭40−1959号公報)等が挙げられるが、本発明の新規なポリアリレートは上記のごとき公知の方法で製造することができるが、特に界面重合法が好適に採用される。
【0023】
界面重合法での製造方法をさらに詳細に説明すると、二価フェノールのアルカリ水溶液を調製し、続いて、重合触媒、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリドデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、キノリン、ジメチルアニリンなどの第三級アミン、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライドなどの第四級アンモニウム塩、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、トリブチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド、テトラブチルホスホニウムハライド、トリフェニルベンジルホスホニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムハライドなどの第四級ホスホニウム塩、18−クラウン−6、18−ベンゾクラウン−6、18−ジベンゾクラウン−6、15−クラウン−5などのクラウンエーテルを添加する。一方、水と相溶せず、かつ本発明のポリアリレートを溶解する様な溶媒、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−、m−,p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素などに二価カルボン酸成分を溶解させた溶液を先のアルカリ溶液に混合する。25℃以下の温度で1時間〜5時間撹拌しながら反応を行うことによって本発明のポリアリレートを得る。ここで用いることができるアルカリには、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げられる。
【0024】
本発明のポリアリレートの分子量の調節方法は、末端封止剤の添加量によってコントロールすることができる。具体的に用いることができる末端封止剤を例示すると、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノールなどの一価のフェノール類、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートなどの酸クロライド類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどの一価のアルコール類、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tertーブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸などの一価のカルボン酸などが挙げられる。
【0025】
上記記載の方法によって得られる本発明のポリアリレートは、従来のポリアリレートの有する優れた性質の上に、耐摩耗性に更に優れている。したがって、成形材料として、電気、電子分野、自動車分野、機械分野などに利用できる。また、溶媒に溶解して利用する分野にも利用され、例えば、流延法によるフィルム、あるいはワニスや塗料のバインダー用樹脂などとして利用すると、耐摩耗性が更に優れたフィルムや皮膜を形成することができる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例、参考例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形及び応用が可能である。なお、耐摩耗性の測定は、合成したポリアリレートを縦、横100mm、厚さ1mmの大きさに成形し、スガ試験機(株)製、スガ摩耗試験機を用い、200gの荷重をかけた摩耗紙上に試料を1200回往復させ、その後の摩耗量の変化を測定した。
【0027】
実施例1
2000mlの容器に900mlの水を添加した後、水酸化ナトリウム10.29g、ビスフェノール−A27.94g、p−tertブチルフェノール0.92gを溶解させ、さらに二価フェノールに対し0.5mol%分の重合触媒(トリブチルベンジルアンモニウムクロライド)を添加し、激しく撹拌した。別に、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)プロパンを40.31g測り取り、600mlの塩化メチレンに溶解させた。この塩化メチレン溶液を先に調製した撹拌下のアルカリ水溶液に添加し、重合を開始した。重合反応温度は25℃以下になるように調整した。重合時間は3時間行い、その後、系内に酢酸を添加することによって重合反応を終了した。水相が中性になるまで水で洗浄を繰り返した。洗浄終了後、撹拌下のメタノール中にゆっくり添加し、ポリアリレートを沈澱させた。さらにろ別、乾燥することによって、ポリアリレート60gを得た。得られたポリアリレートをテトラクロロエタン溶媒を用いて、25℃でインヘレント粘度を測定したところ、0.573であった。
【0028】
実施例2
水酸化ナトリウム12.05g、ビスフェノール−C29.67g、p−tertブチルフェノール0.87g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)プロパン38.13gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.553であった。
【0029】
実施例3
水酸化ナトリウム8.83g、ビスフェノール−AF33.73g、p−tertブチルフェノール0.75g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)プロパン33.03gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.565であった。
【0030】
実施例4
水酸化ナトリウム13.59g、ビスフェノール−Z30.13g、p−tertブチルフェノール0.85g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)プロパン37.27gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.516であった。
【0031】
実施例5
水酸化ナトリウム13.23g、ビスフェノール−A35.92g、p−tertブチルフェノール1.18g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)プロパン5.18g、テレフタル酸フタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等量混合物(MPC)29.50gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.581であった。
【0032】
実施例6
水酸化ナトリウム11.74g、ビスフェノール−A31.87g、p−tertブチルフェノール1.05g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)プロパン23.00g、MPC14.54gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.578であった。
【0033】
実施例7
水酸化ナトリウム9.72g、ビスフェノール−A26.39g、p−tertブチルフェノール0.87g、2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボニルフェニル)プロパンを41.40gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.553であった。
【0034】
実施例8
水酸化ナトリウム11.42g、ビスフェノール−C28.11g、p−tertブチルフェノール0.82g、2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボニルフェニル)プロパン39.28gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.530であった。
【0035】
実施例9
水酸化ナトリウム8.43g、ビスフェノール−AF32.18g、p−tertブチルフェノール0.72g、2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボニルフェニル)プロパン34.26gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.542であった。
【0036】
実施例10
水酸化ナトリウム12.89g、ビスフェノール−Z28.80g、p−tertブチルフェノール0.81g、2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボニルフェニル)プロパン38.44gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.494であった。
【0037】
実施例11
水酸化ナトリウム13.13g、ビスフェノール−A35.65g、p−tertブチルフェノール1.17g、2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボニルフェニル)プロパン5.59g、テレフタル酸フタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等量混合物(MPC)29.28gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.563であった。
【0038】
実施例12
水酸化ナトリウム11.36g、ビスフェノール−A30.84g、p−tertブチルフェノール1.01g、2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボニルフェニル)プロパン24.19g、MPC14.07gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.561であった。
【0039】
実施例13
水酸化ナトリウム8.39g、ビスフェノール−A22.79g、p−tertブチルフェノール0.75g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)ヘキサフルオロプロパンを43.94gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.564であった。
【0040】
実施例14
水酸化ナトリウム9.93g、ビスフェノール−C24.44g、p−tertブチルフェノール0.72g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン41.98gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.541であった。
【0041】
実施例15
水酸化ナトリウム7.45g、ビスフェノール−AF28.46g、p−tertブチルフェノール0.64g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン37.24gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.552であった。
【0042】
実施例16
水酸化ナトリウム11.24g、ビスフェノール−Z25.11g、p−tertブチルフェノール0.70g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン41.20gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.505であった。
【0043】
実施例17
水酸化ナトリウム12.86g、ビスフェノール−A34.91g、p−tertブチルフェノール1.15g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン6.73g、テレフタル酸フタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等量混合物(MPC)28.67gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.569であった。
【0044】
実施例18
水酸化ナトリウム10.40g、ビスフェノール−A28.23g、p−tertブチルフェノール0.93g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン27.22g、MPC12.88gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.567であった。
【0045】
実施例19
水酸化ナトリウム9.50g、ビスフェノール−A25.78g、p−ter1,1−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)シクロヘキサンを41.83gtブチルフェノール0.85g、を用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.524であった。
【0046】
実施例20
水酸化ナトリウム11.17g、ビスフェノール−C27.49g、p−tertブチルフェノール0.81g、1,1−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)シクロヘキサン39.74gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.522であった。
【0047】
実施例21
水酸化ナトリウム8.27g、ビスフェノール−AF31.56g、p−tertブチルフェノール0.70g、1,1−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)シクロヘキサン34.76gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.531であった。
【0048】
実施例22
水酸化ナトリウム13.57g、ビスフェノール−Z30.30g、p−tertブチルフェノール0.85g、1,1−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)シクロヘキサン41.83gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.486であった。
【0049】
実施例23
水酸化ナトリウム13.09g、ビスフェノール−A35.54g、p−tertブチルフェノール1.17g、1,1−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)シクロヘキサン5.77g、テレフタル酸フタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等量混合物(MPC)29.19gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.557であった。
【0050】
実施例24
水酸化ナトリウム11.21g、ビスフェノール−A30.42g、p−tertブチルフェノール1.00g、1,1−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)シクロヘキサン24.68g、MPC13.88gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.548であった。
【0051】
比較例1
水酸化ナトリウム13.67g、ビスフェノール−A37.10g、p−tertブチルフェノール1.22g、MPC38.86gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.581であった。
【0052】
比較例2
水酸化ナトリウム9.46g、ビスフェノール−A25.68g、p−tertブチルフェノール1.69g、2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボニルフェニル)プロパン41.27gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.210であった。
【0053】
比較例3
水酸化ナトリウム8.17g、ビスフェノール−A22.18g、p−tertブチルフェノール1.46g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン43.82gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.218であった。
【0054】
比較例4
水酸化ナトリウム9.24g、ビスフェノール−A25.08g、p−tertブチルフェノール1.65g、1,1−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)シクロヘキサン41.70を用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.201であった。
【0055】
比較例5
水酸化ナトリウム10.01g、ビスフェノール−A27.18g、p−tertブチルフェノール1.78g、2,2−ビス(4−クロロカルボニルフェニル)プロパン40.17gを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリアリレートを得た。得られたポリアリレートのインヘレント粘度は0.229であった。
【0056】
上記実施例及び比較例で合成したポリアリレートの製造条件及びインヘレント粘度を表1及び表2に示し、摩耗量の測定結果を表3に示す。なお、表1及び表2において末端封止剤の量は二価フェノールに対する割合であり、CCPは2,2−ビス(4−クロロカルボキシフェニル)プロパンを表し、CCMPは2,2−ビス(3−メチル−4−クロロカルボキシフェニル)プロパンを表し、CCFPは2,2−ビス(4−クロロカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを表し、CCCHは1,1−ビス(4−クロロカルボキシフェニル)シクロヘキサンを表し、MCPはテレフタル酸フタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等量混合物を表し、これらはモル比で示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
上記の実施例及び比較例の結果から以下のことが分かった。
(1)2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン残基、2,2−ビス(3−メチル−4−カルボキシフェニル)プロパン残基、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン残基、1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)シクロヘキサン残基が導入されたポリアリレートが合成できた。
(2)そのポリアリレートは、従来のポリアリレートと同様に末端封止剤量によって分子量をコントロールできることが分かった。
(3)本発明の新規なポリアリレートは従来のポリアリレートと比較して耐摩耗性に優れていることが分かった。
【0061】
【発明の効果】
本発明のポリアリレートは、従来のポリアリレートの優れた性質有している上に、耐摩耗性が更に優れている。したがって、各種成形材料として自動車分野、機械分野、電気、電子分野に利用でき、さらにはフィルム、ワニス、塗料などのように溶媒に溶解して使用する用途のものにも用いることができ、電子写真感光体の感光層や表面被覆層を形成するためのバインダー用樹脂として利用できる。
Claims (1)
- 一般式(1)で示される二価フェノール残基と、構造式(2)、(3)、(4)及び(5)で示される二価カルボン酸残基から選ばれる1種以上の二価カルボン酸残基を二価カルボン酸残基中モル分率で0.05以上含有する二価カルボン酸残基とより構成されていて、インヘレント粘度が0.25以上(テトラクロロエタン溶媒中、0.1g/dl、25℃で測定)であることを特徴とするポリアリレートからなる電子写真感光体のバインダー。
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1995
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