JP4339431B2 - 絶縁性被膜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のジフェノール単位を含み、分子量が高く、カルボキシル価が低く、ジフェノールモノマーの残留量が少なく、塗工液にしたとき保存安定性が良好で、光学特性、耐摩耗性及び潤滑性に優れ、電気的特性がより改善されたポリアリレートからなる被膜形成用樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕とテレフタル酸及びイソフタル酸とから得られるポリアリレートはエンジニアリングプラスチックとして既によく知られている。かかるポリアリレートは耐熱性が高く、衝撃強度に代表される機械的強度や寸法安定性に優れ、加えて非晶性で透明であるためにその成形品は電気・電子、自動車、機械などの分野に幅広く応用されている。
【0003】
また、ビスフェノールAを原料としたポリアリレート樹脂は、各種溶剤への溶解性と優れた電気的特性(絶縁性、誘電特性等)、耐摩耗特性を有しているので、これらの特性を利用して、コンデンサ等の電子部品用のフィルムや液晶表示装置用のフィルムにコーティング樹脂のような被膜を形成する用途に利用されている。
【0004】
しかしながら、フィルム等のように表面光沢が要求される分野や、コーティング材料など被膜を形成する用途における樹脂の摩擦や摩耗に対する要求は、ますます厳しいものになり、ビスフェノールAポリアリレートでは、これらの特性が不十分な用途が生じてきている。例えば、摺動部への表面コートやフィルム表面等においては金属や他のプラスチック材料との摩擦摺動により傷が生じたりする問題があり、潤滑性をもち、かつ摩耗し難い材料が求められている。
【0005】
一方、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン系ポリマーは、各種ポリマーに混合することにより潤滑性を付与できることが既に良く知られている。ポリアリレートにポリシロキサン系ポリマーを複合化できれば、ポリアリレートの性質を維持しながら、自己潤滑性を付与できると考えられる。
【0006】
このような可能性のあるプラスチック材料として、ポリアリレートにポリシロキサンを含有させた組成物が特開昭50−96650号公報に開示されている。この公報には、ポリアリレートにポリシロキサンを溶融混合することによりポリアリレートの成形性や耐衝撃性が改良されることが記載されている。しかしながら、この組成物は単にブレンドしたものであり、ポリアリレートとポリシロキサンは元来相溶性がないことから不透明であり、フィルム等のように透明性が要求される分野においては光学特性が良くないという問題を有していた。
【0007】
かかる問題を解決するプラスチック材料として、特開昭60−141723号公報には、ポリアリレートとポリシロキサンからなるブロック共重合体が開示されている。しかしながら、この発明の目的がポリアリレートの成形加工性の改良にあったため、シロキサンブロック長が長く、透明性の点でまだ問題があった。また、このブロック共重合体は、主鎖にSi−O−C結合を含んでいたため、耐加水分解性の点で問題を有していた。さらに、シロキサンブロックが長いとソルベントキャストや溶剤コーティングを行なった場合に被膜表面にシロキサンブロックが濃縮されるといういわゆる表面偏析が生じ、表面の削れとともにシロキサン濃度が減少して潤滑性が低下してゆくという問題を有していた。
【0008】
さらに、特開昭63−165432号公報や特開平2−138336号公報にもポリアリレートとポリシロキサンからなるブロック共重合体について開示されているが、いずれの場合もシロキサンブロックが長く、光学特性の問題とキャスト時にシロキサンブロック濃度が不均一化するという問題が残されていた。
【0009】
また、ブロック長が短い共重合体については特開平2−272022号公報に両末端に酸クロライド基を持ったテトラメチルジシロキサンとビスフェノールとの反応や、両末端にイミドフェノール基を持ったテトラメチルジシロキサンと酸クロライドの反応によって、ポリシロキサン結合を持ったポリマーを重合し、さらにこのポリマーとシクロポリシロキサンとの平衡化反応を行うことにより製造したポリアリレートとポリシロキサンのブロック共重合体が開示されている。この発明によれば、ブロック長が短くなることで光学特性については解決することができると考えられるが、逆にランダム化することでポリアリレートの持つ耐摩耗性自体が低下してしまうという問題があった。
【0010】
さらに透明性が低下するという問題を解決するものとして、特開平9−151255号公報には、シロキサン単位を含むポリアリレートが開示されている。このポリアリレートはブロック長が短く、透明性に優れたものであるが、主鎖にSi−O−C結合やアミド結合を含んでいたため、耐加水分解性や色調の点で問題を有していた。
【0011】
上記のように、従来の技術においては、基本的にポリシロキサンの混合による加工性の改良を主目的としたものであり、ポリマーの耐摩耗性や潤滑性の改善に関する技術は全く開示されていなかった。特に、従来の技術ではシロキサン化合物とビスフェノールAからなるポリアリレートが樹脂の基本的な構成単位であったがために、本質的に耐摩耗性が低く、耐摩耗性を高めるための具体的な技術やポリアリレートの構造の効果についても開示されていなかった。
【0012】
またこれらの公報中には、樹脂の電気特性に対する樹脂中の2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンモノマーとシロキサンビスフェノールモノマーの残留による効果については記載されておらず、特にポリアリレートのように界面重合法で製造された樹脂中に残留するこれらモノマーの影響については全く開示されていなかった。
【0013】
さらに付け加えるならば、技術革新の著しい電気・電子分野からの要求はますます厳しいものになり、上述したビスフェノールAを原料としたポリアリレート樹脂の電気特性では不十分な用途が生じている。
このような背景から、ポリアリレートの光学特性と耐摩耗性を損なうことなく、潤滑性を有し、電気特性がさらに改善された被膜形成用樹脂が求められていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような実状に鑑み、本発明の課題は、塗工液にしたとき保存安定性が良好で、光学特性、耐摩耗性及び潤滑性に優れ、電気的特性がより改善されたポリアリレートからなる絶縁性被膜の提供にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ジカルボン酸成分とジフェノール成分から得られ、ジカルボン酸成分がテレフタル酸とイソフタル酸からなり、ジフェノール成分が特定鎖長のシロキサンブロックを有するビスフェノールと2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールC〕とからなり、かつ特定の値以上の分子量を有するポリアリレートは、従来のビスフェノールAポリアリレートと同等の光学特性を有しながら、耐摩耗性と潤滑性にも優れており、被膜形成用樹脂に好適であることを見出した。さらに、ポリマー中に残留する上記ジフェノールモノマーの量が、電気的な特性に大きく影響することを見出し、本発明に到達した。
【0016】
すなわち、ジフェノール成分として特定鎖長のシロキサンブロックを有するビスフェノールと、ビスフェノールCとを特定割合で用いることにより得られるポリアリレートにおいて、シロキサンブロックを有するビスフェノールとジカルボン酸とはエステル結合により結合し、シロキサンブロックがランダム化することによる摩耗性の低下は、ビスフェノールCを用いることで抑制されること、並びにこのポリアリレートは色調も良好で、耐加水分解性も改良されること、また、ポリアリレートの電気特性は、ポリアリレートを構成するジフェノールの2つのベンゼン環をつなぐ結合様式とポリマー末端のカルボキシル価に影響されること、ジフェノール間の2つのベンゼン環の結合がアルキレン基やアルキリデン基のようなαないしβ位に水素原子を持つ結合だけからなるジフェノールに比べて、本発明のように特定鎖長のシロキサンブロック結合を含むジフェノールは、電気的に安定であること、さらに、ポリマー中に残留する特定鎖長のシロキサンブロックを有するビスフェノールモノマーとビスフェノールCモノマーが電気的な特性に大きく影響すること、このようなジフェノールからなり、カルボキシル価が特定量以下であり、残留するシロキサンビスフェノールモノマーとビスフェノールCモノマー量の少ないポリアリレートが、電気特性に優れかつ塗工液の保存安定性にも優れた絶縁性被膜であること、を見いだし、本発明に到達したのである。
【0017】
すなわち本発明の要旨は、ジカルボン酸成分とジフェノール成分とより得られ、前記ジカルボン酸成分がテレフタル酸10〜90モル%とイソフタル酸90〜10モル%とからなり、前記ジフェノール成分が下記一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールと2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとからなり、一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールと2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの重量比が3:97〜50:50であり、25℃で1,1,2,2−テトラクロロエタン中で測定した1g/dL濃度におけるインヘレント粘度が0.50以上であり、カルボキシル価が30モル/トン以下であり、さらにジフェノールモノマーの残留量が300ppm未満であるポリアリレートからなることを特徴とする絶縁性被膜である。
【0018】
【化2】
【0019】
〔一般式(1)中R1 はアルキレン基、R2 、R3 は独立にそれぞれメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリルエーテル基から選ばれ、R4 は水素原子、アルキル基、アルコキシル基、フェニル基、ハロゲン基から選ばれ、mは1〜4の整数を、nは1〜9の整数を表す。〕
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の被膜形成用樹脂は特定のジフェノール単位を含む特定のポリアリレートよりなるものであり、次にこのポリアリレートについて詳細に説明する。
【0021】
本発明におけるポリアリレートを構成するジフェノール成分は一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールと2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとからなる。一般式(1)中R1 はアルキレン基、R2 、R3 は独立にそれぞれメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリルエーテル基から選ばれ、R4 は水素原子、アルキル基、アルコキシル基、フェニル基、ハロゲン基から選ばれ、mは1〜4の整数を、nは1〜9の整数を表す。ここで、nは1〜9であることが必須である。nが9を超えると透明性が低下し、コーティングに用いた場合にはシロキサンブロックの表面偏析が起こる。また、nが0であると、シロキサン結合に基づくポリマーの潤滑性が十分に発揮されない。
【0022】
一般式(1)式で示されるシロキサンビスフェノールの具体的な例としては、下記構造式(3)〜(21)に示す化合物を例示することができる。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
これらの化合物は単独でも2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの化合物は、例えば白金触媒の存在下でビス(ハイドロジェン)ポリシロキサンとアリルフェノール等不飽和二重結合を持った化合物を反応させる等公知の方法により容易に得ることができる。
【0027】
さらに、本発明におけるポリアリレートを構成するジフェノール成分として、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールC〕を用いるが、ビスフェノールCは耐摩耗性を得るために必須の成分である。
【0028】
ポリアリレートを構成するジフェノール成分において、一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールとビスフェノールCとの重量比は3:97〜50:50であり、好ましくは10:90〜35:65である。一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールの重量比が3未満では電気特性や潤滑性が低下する場合があり、一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールの重量比が50を超えると耐摩耗性や他の機械的強度が低下する。潤滑性、耐摩耗性、機械的強度や電気特性等のバランスを勘案すれば、これらの重量比は10:90〜35:65であることが好ましく、15:85〜30:70の範囲であることがより好ましい。
【0029】
さらに、本発明におけるポリアリレートは前記一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールとビスフェノールC以外のジフェノールを、ジフェノール成分の総モル数に対して20モル%未満共重合することが可能である。共重合する他のジフェノールの比率が20モル%ないしはこれを超えると、本発明の樹脂が持つ耐摩耗性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0030】
共重合可能な他のジフェノールを例示すれば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2−メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2−クロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−クロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
【0031】
ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4’−〔1,4−フェニレン−ビス(1−メチルエチリデン)〕ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)、
【0032】
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、
【0033】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジ−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、
【0034】
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
【0035】
1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステル、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
【0036】
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、
【0037】
1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチル−シクロヘキサン、1,4−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン等のテルペンジフェノール類等を挙げることができる。この中で好ましいジフェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフェノールZ〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン〔ビスフェノールAP〕、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
【0038】
また本発明におけるポリアリレートを構成するジカルボン酸成分は、テレフタル酸10〜90モル%とイソフタル酸90〜10モル%からなる混合物であり、特に好ましくは、テレフタル酸とイソフタル酸の等量混合物である。テレフタル酸が10モル%未満並びに90モル%を超えるとポリアリレートの耐摩耗性等の機械的強度が低下する。
【0039】
また、ポリアリレートの末端は、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノールなどの一価のフェノール類、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートなどの一価の酸クロライド類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどの一価のアルコール類、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸などの一価のカルボン酸などで封止されていてもよい。
【0040】
本発明におけるポリアリレートは公知の方法によって製造することができるが、界面重合法(W.M.EARECKSON J.Poly.Sci.XL399 1959年、特公昭40−1959号公報)を応用すると、溶液重合法等他の方法と比較して反応が早く、そのため酸ハライドの加水分解を最小限に抑えることが可能であり、特に後述する重合触媒を選ぶことにより、本発明のような高分子量のポリマーを得る場合に有利な条件が得られる。
【0041】
すなわち、界面重合法においては、ポリマーを溶解し、かつ水と相溶しない有機溶剤に溶解せしめたジカルボン酸ハライドとアルカリ水溶液に溶解せしめたジフェノールとを混合してポリアリレートを得るわけであるが、本発明におけるポリアリレートに用いられるようなシロキサンビスフェノールは、疎水性が強いためにアルカリ水溶液に溶かすことができないので、通常の界面重合法をそのまま採用することができない。
【0042】
そこで、まず、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び触媒を含むアルカリ水溶液を調製する。ここに、一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールを、ジカルボン酸ハライドを溶解するのと同一の溶剤に溶解し、これを前記アルカリ水溶液に添加し、混合する。さらに、ジカルボン酸ハライドは、水と相溶せずかつポリアリレートを溶解する溶媒に溶解して溶液を調製し、先のアルカリ水溶液に添加して混合し、重合反応を行う。重合反応は25℃以下の温度で1〜5時間撹拌しながら行う。
【0043】
重合反応に用いる触媒としては、分子量が高く、カルボキシル価の低いポリマーが得られるものであれば特に限定されないが、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド、テトラブチルホスホニウムハライド、トリブチルベンジルホスホニウムハライド等が高分子量でカルボキシル価の低いポリマーを与える点で好ましい。第4級アンモニウム塩のアルキル鎖の短いトリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド等では、高分子量で低カルボキシル価のポリマーを得ることができないので好ましくない。
【0044】
さらに、シロキサンビスフェノール及びジカルボン酸ハライドを溶解する溶剤としては、ポリアリレートを溶解するような溶媒、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−、m−、p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素などにジカルボン酸ハライドを溶解させた溶液等が挙げられる。
またここで用いることができるアルカリには、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等がある。
【0045】
本発明におけるポリアリレートの分子量は、前述した末端封止材料の添加量によってコントロールすることができ、テトラクロロエタンを粘度測定溶媒に用いた25℃における1g/dL溶液のインヘレント粘度は0.5以上である。好ましくは0.7〜2.5である。インヘレント粘度が0.5未満であると耐摩耗性が不十分な場合があり、一方2.5を超えると、コーティングに用いる場合に曳糸性が生じたりコーティング時に調製する溶液の粘度が上昇して取扱いが困難になったりする傾向があるので好ましくない。
【0046】
また、カルボキシル価は、樹脂をトルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン等の溶剤に溶解して調製したポリマー溶液の保存安定性にも影響するため、30モル/トン以下にすることが必須である。カルボキシル価が30モル/トンを超えてポリマー溶液の保存安定性が悪い場合には、時間の経過とともに溶液が白濁して固形物が沈殿したり、増粘してゲル化したりする。
さらに、カルボキシル価は耐アーク性や誘電率など電気的な特性に影響を与えるため、20モル/トン以下にすることが好ましい。樹脂のカルボキシル価は、電位差滴定装置を利用した中和滴定等の公知の方法で測定することができる。
【0047】
さらにまた、本発明の樹脂中に残留するジフェノールモノマー、すなわち、シロキサンビスフェノールモノマーとビスフェノールCモノマーの合計量は、300ppm以下であることが必須であり、好ましくは200ppm以下である。残留するこれらのジフェノールモノマー量が300ppmを超えると電気的な特性が低下する傾向がある。樹脂中のジフェノールモノマーは、核磁気共鳴(NMR)スペクトル等、公知の方法で分析定量することができる。
【0048】
本発明におけるポリアリレートは実質的に非晶性で透明である。非晶性であるかどうかは、公知の方法、例えば示差走査熱量分析(DSC)や動的粘弾性測定等により融点が存在しているかどうかを確認すればよい。
また、本発明におけるポリアリレートは、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエン等の汎用溶媒に対する高い溶解性を有しているので、これらの溶媒に溶解して塗工液にすることができる。塗工液にする場合の濃度としては、少なくとも10重量%の濃度、好ましくは15〜20重量%で完溶して用いることが好ましい。10重量%未満の濃度では塗工液の塗工性が低下したり、塗工したとき膜厚が不均一になったりすることがある。
【0049】
また、本発明におけるポリアリレートには、その特性を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、チオエーテル系、燐系等各種酸化防止剤を添加することができる。
上記のようなポリアリレートは、被膜形成用樹脂としてバインダー用樹脂やソルベントキャストフィルム用樹脂として用いられ、特に電子材料分野へ好適に応用することができる。
【0050】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形及び応用が可能である。
【0051】
実施例1
撹拌装置を備えた反応容器中に2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン90重量部、p−tert−ブチルフェノール(PTBPと略す)0.82重量部、水酸化ナトリウム33.9重量部、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド0.82重量部を仕込み、水2720重量部に溶解した(水相)。塩化メチレン500重量部に、前記式(18)に示したシロキサンビスフェノール10重量部を溶解した(有機相1)。さらに別に塩化メチレン1500重量部に、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物(MPCと略す)74.8重量部を溶解した(有機相2)。まず有機相1を先に調製した水相中に強撹拌下で添加し、次いで、有機相2を添加して、20℃で3時間重合反応を行なった。この後酢酸15重量部を添加して反応を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。さらに、この有機相の水洗浄と遠心分離器による分離を繰り返し行なった。洗浄に使用した水量の合計は、有機相重量の50倍量であった。この後、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈澱させた。このポリマーを分離乾燥して樹脂を得た。
【0052】
実施例2〜12、比較例1〜3
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、p−tert−ブチルフェノール、MPCの量及びシロキサンビスフェノールの種類及び量を変える他は、実施例1と同様に樹脂を製造した。表1にMPCの量、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライドの比及びシロキサンビスフェノールの種類及び仕込み条件を示した。なお、比較例2及び3で用いたシロキサン化合物の構造式を式(22)及び式(23)に示す。
【0053】
【化6】
【0054】
比較例4
実施例2において、ビスフェノールCのかわりにビスフェノールAを用いる以外は実施例2と同様に行なった。仕込み条件を表1に示した。
【0055】
比較例5
実施例1において、重合触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドの代わりにトリメチルベンジルアンモニウムクロライドを用いる以外は実施例1と同様に行なった。仕込み条件を表1に示した。
【0056】
比較例6
実施例1において、重合後、酢酸を投入して重合を停止した後、有機相を水で繰り返し洗浄し、水相が中性になった時点で洗浄を止め、以後実施例1と同様にメタノール中にポリマーを沈殿させた。
【0057】
上記のようにして合成した各樹脂の仕込み条件を表1に示した。また、得られた樹脂を次に述べるようにして評価し、その結果を表2に示した。
【0058】
樹脂の評価
(イ)インヘレント粘度
溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタンを用い、温度25℃、濃度1g/dLの条件で行なった。
(ロ)カルボキシル価
試験管に樹脂0.15gを精秤し、ベンジルアルコール5mlに加熱溶解する。クロロフォルム10mlとポリマーのベンジルアルコール溶液とを混合した後、フェノールレッドを指示薬として加え、撹拌しながら0.1N−KOHベンジルアルコール溶液で中和滴定を行なってカルボキシル価を求めた。
(ハ)保存安定性
樹脂を塩化メチレンに15重量%で溶解し、塗工液を調製した。その後、25℃で1週間放置して溶液の状態を目視にて評価した。
【0059】
(ニ)樹脂に含まれるジフェノールモノマーの定量
樹脂10gを100mlのn−ヘキサンで12時間、ソックスレー抽出を行ない、抽出したn−ヘキサンを濃縮し抽出物を得た。次に抽出物中に存在するシロキサンビスフェノール及びビスフェノールCの合計量をNMRスペクトル法で定量し、樹脂中の残留量を求めた。
(ホ)動摩擦係数
樹脂をクロロフォルムに15%濃度で溶解したのち、厚み100μmのキャストフィルムを作製した。このフィルムを試験片として、ASTM D−1894−72に従って動摩擦係数の測定を行なった。相手材に軟鋼を用いた。
(ヘ)耐摩耗性
(ホ)で得られたフィルムを用いて、テーバー摩耗試験機(摩耗輪CS−10F)を用い、荷重250gで5000サイクル及び10000サイクル試験後の重量減少を測定し、耐摩耗性の指標とした。
【0060】
(ト)光学特性
(ホ)と同じ厚み100μmのフィルムについて、日本電色工業製Z−Σ90,Color Measuring Systemを用いてヘイズ及びイエローインデックス(YI)を測定した。
(チ)誘電率
樹脂の塩化メチレン溶液から、厚み50μmの溶媒キャストフィルムを作製した。このフィルムを試験片として、ASTM D−150に従って1MHzで測定を行なった。
(リ)絶縁破壊電圧
(チ)と同じ厚み50μmのキャストフィルムを用いて、ASTM D−149に従って測定を行なった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
以上の結果から、次のことが明らかになった。
1)実施例1〜12と比較例1との比較から、本発明の樹脂は、シロキサンビスフェノールを共重合しているため、摩擦係数が低く潤滑性に優れていることが明らかになった。
2)実施例1〜12と比較例2との比較から、本発明の樹脂は、ポリシロキサンブロックが短いためヘイズが低く透明性に優れており、また耐摩耗性に優れていることが明らかである。
3)実施例1〜12と比較例3との比較から、本発明の樹脂はシロキサン単位と芳香族ポリエステル単位がエステル結合されているために色調に優れていることが明らかである。
4)実施例1〜12と比較例4との比較から、本発明の樹脂はビスフェノールCを含んでいるので耐摩耗性に優れていることが明らかである。
5)実施例1〜12と比較例5との比較から、本発明の樹脂はカルボキシル価が低いために電気特性と溶液の保存安定性に優れていることが明らかである。
6)実施例1〜12と比較例6との比較から、本発明の樹脂はジフェノールモノマーの残留量が少ないために電気特性に優れていることが明らかである。
【0064】
【発明の効果】
本発明の被膜形成用樹脂は、溶媒に可溶で塗工液にしたときの保存安定性が良好で、光学特性、耐摩耗性及び潤滑性に優れ、残留するジフェノールモノマーが少ないので電気的特性が従来のものよりも、より優れている。したがって、各種バインダー用樹脂として、またソルベントキャストフィルム用樹脂として好適に利用でき、電気機器、モータ、発電機、相間絶縁等の絶縁材料、変圧器、電線の被覆、コンデンサなどの誘電体フィルム、液晶の表示板や各種基板などへ応用が可能である。また、このような被膜形成用樹脂は界面重合法を応用することにより、容易に製造することができる。

Claims (1)

  1. ジカルボン酸成分とジフェノール成分とより得られ、前記ジカルボン酸成分がテレフタル酸10〜90モル%とイソフタル酸90〜10モル%とからなり、前記ジフェノール成分が下記一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールと2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとからなり、一般式(1)に示すシロキサンビスフェノールと2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの重量比が3:97〜50:50であり、25℃で1,1,2,2−テトラクロロエタン中で測定した1g/dL濃度におけるインヘレント粘度が0.50以上であり、カルボキシル価が30モル/トン以下である絶縁性被膜であって、ジフェノールモノマーの残留量が300ppm未満であるポリアリレートからなることを特徴とする絶縁性被膜。
    〔一般式(1)中R1 はアルキレン基、R2 、R3 は独立にそれぞれメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリルエーテル基から選ばれ、R4 は水素原子、アルキル基、アルコキシル基、フェニル基、ハロゲン基から選ばれ、mは1〜4の整数を、nは1〜9の整数を表す。〕
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