JP2009242712A - ポリアリレートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二価フェノールの残基と芳香族ジカルボン酸残基で構成されるポリアリレートであって、界面重縮合法で合成され、酸価が100mol/t以上であることを特徴とするポリアリレート。二価フェノール残基を与える二価フェノールの構成成分として、下記一般式(I)で示されるビスフェノール単位を含有することを特徴とする(1)のポリアリレート。
【選択図】なし
Description
(2) 二価フェノール残基を与える二価フェノールの構成成分として、下記一般式(I)で示されるビスフェノール単位を含有することを特徴とする(1)のポリアリレート。
(3) 二価フェノール残基を与える二価フェノールの構成成分として、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(BisAF)単位、4,4’−スルホニルジフェノール(BisS)単位からなり、BisAF/BisS=100/0〜20/80の構成比で含むことを特徴とする(1)または(2)のポリアリレート。
(4) 重合触媒の配合量が二価フェノールに対して5モル%以上であることを特徴とする(1)〜(3)のポリアリレートの製造方法。
(5) 二価フェノールのアルカリ水溶液のアルカリの配合量が二価フェノールの水酸基に対して2.5倍以上であることを特徴とする(1)〜(3)のポリアリレートの製造方法。
(6) (1)〜(3)のポリアリレートより構成されるコーティング膜。
(1)ポリアリレートの構成
1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)により求めた。
(2)ガラス転移温度
ポリアリレート約10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、得られた昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点の温度の中間値を求めた。
(3)酸価
試験管にポリアリレート約0.15gを精秤し、ベンジルアルコール5mlを加えて加熱溶解した。これにクロロホルム10mlを混合した後、フェノールレッドを指示薬として加え、撹拌しながら0.1N−KOHベンジルアルコール溶液で中和滴定を行なってカルボキシル酸価を求めた。
(4)重量平均分子量
重量平均分子量は、GPC分析(ウォーターズ社製)使用、RI検出器、溶媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)により求めた。
(5)溶剤溶解性
10gのポリアリレートを40gおよび90gのメチルエチルケトン(以下MEK)およびN−メチルピロリドン(以下NMP)が入ったフラスコに入れ、25℃に保ちながら攪拌し、2時間後の状態を目視観察した。20質量%で完全に溶解しているものを◎、10質量%で完全に溶解しているものを○、どちらも溶解せずにポリマーが残留したものを×とした。
(6)密着性
ポリアリレート樹脂5質量部に本発明ポリアリレート樹脂5質量部混ぜ、NMPを90質量部加え、25℃室温で攪拌溶解することにより、ポリマー濃度10質量%のポリマー溶液を得た。次に、このポリマー溶液を基材として各種基板にコーティングした。基材は表面を予めアセトンで脱脂した上で、安田精機社製フィルム製膜機542−ABにセットし、ベーカー式アプリケーターで溶液を基材表面に塗布した。用いた基材は次の通り:軟アルミ箔(住軽アルミ箔社、厚み80μm)、一般構造用圧延ステンレス(ニラコ社)、電解銅箔(福田金属箔社)のマット面。この際、温度15℃、湿度30%RHに保たれたクリーンルーム内で作業を行った。塗布した溶液を室温にて10分間風乾し、90℃で3分間の予備乾燥を行った。
その後、200℃で10分間の本乾燥を行い、基材上に厚さが約4μmの透明な乾燥被膜を形成させた。
その後、カッターナイフを用いて、基材に達する深さで被膜に切れ目を入れた。切れ目は長さ10mm、間隔1mmで格子状に入れ、100個の升目をつけた。このようにして準備したカット面に、ニチバン社製セロハンテープ(登録商標)(幅12mm)を貼り、上からこすり付けて十分貼り付けた後、基板から90°の角度で上方に引き剥がした。このようにテープ剥離した試料の被膜の状態を目視して、剥離した升目の数を確認した(最大100、最小0)。この個数が小さいほど密着性に優れている。
(7)アルカリ分解性
ポリアリレート樹脂と本発明ポリアリレートを混ぜ込み、塩化メチレンに溶解して15質量%溶液を作成し、これをポリエステル基材上に流延塗布した。得られたフィルムを自然乾燥後にポリエステル基材から剥離し、120℃にて5時間乾燥し、厚さ100μmのフィルムを得た。次に、このフィルムを3cm×6cmに切り出し、質量を測定して試料とした。この試料を30質量%の水酸化ナトリウム水溶液に室温で120時間浸漬した。その後、試料を水洗・乾燥して、質量を測定した。このときのアルカリ溶液浸漬前後における質量減少割合を算出しアルカリ分解性の評価基準とした。減少割合の大きいものほどポリマー膜の加工性に優れていると判断し、65質量%以上であれば合格とした。
撹拌装置を備えた反応容器中に4,4’−スルホニルジフェノール(以下BisS)73.9g(0.295モル)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(以下BisAF)99.3g(0.295モル)、水酸化ナトリウム118.1g(2.95モル)、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド49.1g(13mol%)を仕込み、純水4.3Lに溶解して水相を調製した。また別途、ジクロロメタン2.6Lに、二価カルボン酸としてテレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物(以下MPC)119.9g(0.59モル)を溶解して有機相を調製した。
この有機相を先に調製した水相中に強撹拌下で20秒かけて添加し、15℃で重合反応を行なった。4時間後、攪拌を停止・静置した後に水相を分離・除去した。次に、有機相に純水を800mLと酢酸2mLを添加・攪拌して重合反応を完全に停止した。30分後に攪拌を停止し、水相と有機相を静置して、再び水相を分離した。そして、有機相が中性になるまで純水にて洗浄を繰り返し行った。水洗後の有機相にジクロロメタン100mL加えた後、2μm孔径のフィルターを通過させ、不溶物を除去した。この樹脂溶液を1500mLのメタノール中に攪拌しながら添加して樹脂を沈殿させ、その状態で30秒間攪拌した。その後、この樹脂を分離し、80℃12時間0.1Torr減圧乾燥させてポリアリレートP−1を得た。1H−NMRで分析したところ、樹脂構成は表1に示すとおりであった。また、その他の評価結果を表1に示す。
実施例1において水酸化ナトリウムを二価フェノールに対して2.5、3倍量、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドを5、7モル%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ってポリアリレートP−2、3を得た。その結果を表1に示す。
実施例1において下記一般式(II)に示す二価フェノール〔ビスフェノールP-PRM〕を使用し、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPと略す。)を二価フェノールに対して0.5〜2.5モル%の範囲で添加し、水酸化ナトリウムを二価フェノールに対して2.5,3,5倍モル量、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドを二価フェノールに対して5,7,15モル%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ってポリアリレートP−4〜6を得た。その結果を表1に示す。
実施例1において4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(以下BisAF)を使用し、水酸化ナトリウムを二価フェノールに対して5倍量、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドを13モル%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ってポリアリレートP−7を得た。その結果を表1に示す。
実施例1において水酸化ナトリウムを全二価フェノールに対して2.3,2.5倍モル量、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノールを全二価フェノールに対して0〜4モル%の範囲で添加し、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドを全二価フェノールに対して0.5,4.8モル%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ってポリアリレートP−8〜10を得た。その結果を表2に示す。
実施例1において下記一般式(II)に示す二価フェノール〔ビスフェノールP-PRM〕を使用し、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPと略す。)を二価フェノールに対して0.5〜2.5モル%の範囲で添加し、水酸化ナトリウムを二価フェノールに対して2.3,2.5倍モル量、重合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドを二価フェノールに対して0.5,4.8モル%に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行ってポリアリレートP−11〜13を得た。その結果を表2に示す。
攪拌装置及び窒素導入口を備えた真空留出系を有する反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下BisAと表記する)85.3g、イソフタル酸(以下IPA)14.6gおよびテレフタル酸(TPA)34.2g(モル比=BisA/IPA/TPA=100/30/70)と無水酢酸66.0g(BisAのヒドロキシル基に対して1.1倍モル)とを仕込み、窒素雰囲気下で、常圧、140℃で3時間撹拌混合しながら反応させた。その後、280℃まで4時間で昇温し、1時間保持後、さらに310℃まで1.5時間かけて昇温した。その後、120分かけて1hPa以下まで減圧して、最終的に、310℃、0.5hPaの条件を2時間保持した後、払出し、ポリアリレートP−14を得た。その結果を表2に示す。
Claims (6)
- 二価フェノールの残基と芳香族ジカルボン酸残基で構成されるポリアリレートであって、界面重縮合法で合成され、酸価が100mol/t以上であることを特徴とするポリアリレート。
- 二価フェノール残基を与える二価フェノールの構成成分として、下記一般式(I)で示されるビスフェノール単位を含有することを特徴とする請求項1記載のポリアリレート。
- 二価フェノール残基を与える二価フェノールの構成成分として、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(BisAF)単位、4,4’−スルホニルジフェノール(BisS)単位からなり、BisAF/BisS=100/0〜20/80の構成比で含むことを特徴とする請求項1または2記載のポリアリレート。
- 重合触媒の配合量が二価フェノールに対して5モル%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリレートの製造方法。
- 二価フェノールのアルカリ水溶液のアルカリの配合量が二価フェノールの水酸基に対して2.5倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリレートの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリレートより構成されることを特徴とするコーティング膜。
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