JP2002293897A - アルカリ可溶性ポリアリレート及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ可溶性ポリアリレート及びその製造方法

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JP2002293897A
JP2002293897A JP2001102691A JP2001102691A JP2002293897A JP 2002293897 A JP2002293897 A JP 2002293897A JP 2001102691 A JP2001102691 A JP 2001102691A JP 2001102691 A JP2001102691 A JP 2001102691A JP 2002293897 A JP2002293897 A JP 2002293897A
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Shinji Hayashi
慎二 林
Katsuya Sakayori
勝哉 坂寄
Shunsuke Sega
俊介 瀬賀
Minoru Furukawa
稔 古川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膜強度、透明性、耐熱性及び寸法安定性等
の諸物性に優れると共にアルカリ可溶性を有しており、
光硬化性コーティング材料のメインポリマーとして好適
に利用できるアルカリ可溶性ポリアリレートを提供す
る。 【解決手段】 アルカリ可溶性ポリアリレートは、式1
で表されるビスフェノール残基と式2で表される芳香族
ジカルボン酸残基とが連結した分子構造を有する。 【化1】 【化2】 式中、複数の前記R1及び前記R2のうち少なくとも一つ
は酸性基含有原子団である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ可溶性ポ
リアリレート及びその製造方法に関し、詳しくは、皮膜
強度、透明性、耐熱性及び寸法安定性等の諸物性に優れ
ると共にアルカリ可溶性を有するポリアリレート及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターなどの
フラットディスプレーとして、カラー液晶表示装置が急
速に普及してきている。一般にカラー液晶表示装置(1
01)は、図1に示すように、カラーフィルター1とT
FT基板等の電極基板2とを対向させて1〜10μm程
度の間隙部3を設け、当該間隙部3内に液晶化合物Lを
充填し、その周囲をシール材4で密封した構造をとって
いる。カラーフィルター1は、透明基板5上に、画素間
の境界部を遮光するために所定のパターンに形成された
ブラックマトリックス層6と、各画素を形成するために
複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原
則)を所定順序に配列した着色層7又は最近ではカラー
フィルターと、保護膜8と、透明電極膜9とが、透明基
板に近い側からこの順に積層された構造をとっている。
また、カラーフィルター1及びこれと対向する電極基板
2の内面側には配向膜10が設けられる。さらに間隙部
3には、カラーフィルター1と電極基板2の間のセルギ
ャップを一定且つ均一に維持するために、スペーサーと
して一定粒子径を有するパール11が分散されている。
そして、各色に着色された画素それぞれ又はカラーフィ
ルターの背後にある液晶層の光透過率を制御することに
よってカラー画像が得られる。
【0003】カラーフィルターに形成される保護膜8
は、カラーフィルターに着色層が設けられる場合には着
色層の保護とカラーフィルターの平坦化の役割を果たし
ている。カラー液晶表示装置では、カラーフィルターの
透明基板表面のうねりに起因するギャップムラ、R、G
及びBの各画素間でのギャップムラ、或いは各画素内で
のギャップムラなどの存在により透明電極膜9の平坦性
が損なわれると、色ムラ或いはコントラストムラを生
じ、その結果、画像品質の低下を来たすと言う問題があ
る。従って、保護膜には高い平坦性が求められる。
【0004】スペーサーとして図1に示したような微粒
子状のパール11を分散させる場合には、当該パール
は、ブラックマトリックス層6の背後であるか画素の背
後であるかは関係なく、ランダムに分散する。パールが
表示領域すなわち画素部に配置された場合、パールの部
分をバックライトの光が透過し、また、パール周辺の液
晶の配向が乱れ、表示画像の品位を著しく低下させる。
そこで図2に示すように、パールを分散させるかわり
に、カラーフィルターの内面側であってブラックマトリ
ックス層6が形成されている位置と重り合う領域に、セ
ルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサー12
を形成することが行われるようになってきた。
【0005】上記の着色層7、保護膜8及び柱状スペー
サー12は、樹脂を用いて形成することができる。これ
らを樹脂で形成する場合には、カラーフィルターの製造
工程における加熱処理及びカラーフィルターを形成した
後の長期使用に耐えられる耐熱性、透明性、皮膜強度、
寸法安定性が求められる。特に、透明性の劣っている樹
脂で着色層や保護膜を形成すると画像品質の低下を生じ
るが、従来用いられている樹脂は初期透明性が優れてい
ても加熱処理や経年劣化により黄変を来たし易く、青色
再現性に大きな影響を与えることが問題となっている。
また、寸法安定性が劣っている樹脂で着色層、保護膜或
いは柱状スペーサーを形成すると、ギャップムラを来た
してカラーフィルターの平坦性が損なわれ、やはり画像
品質の低下を生じる。
【0006】さらに成形性の点では、着色層7には各色
の画素ごとに所定のパターンに形成することが求められ
る。保護膜8は、シール部の密着性や密閉性を考慮する
と、透明基板上の着色層が形成された領域のみ被覆でき
るものであることが好ましい。柱状スペーサー12は、
ブラックマトリックス層の形成領域内すなわち非表示領
域に正確に設ける必要がある。このため、硬化させたい
領域を選択的に露光した後にアルカリ現像することがで
きる光硬化性樹脂を用いて着色層、保護膜及び柱状スペ
ーサーを形成することが提案されている。
【0007】一方、ポリアリレート樹脂は、耐熱性、機
械的強度、寸法安定性に優れており、その成形品は電
気、機械、自動車などの分野に幅広く幅広く使用されて
いる。また、特開平5−43670号公報には、初期透
明性だけでなく、紫外線による変色を生じにくいポリア
リレートが提案されている。しかしながら、特開平5−
43670号公報にはアルカリ可溶性を有するポリアリ
レート樹脂については記載されておらず、フォトリソグ
ラフィーによりコーティング皮膜をパターニングする用
途には利用することができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を考慮して成し遂げられたものであり、皮膜強度、透明
性、耐熱性及び寸法安定性等の諸物性に優れると共にア
ルカリ可溶性を有し、特に、アルカリ現像によりパター
ニング可能な光硬化性樹脂のメインポリマーとして好適
に利用できるアルカリ可溶性ポリアリレート及びその製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明において提供され
るアルカリ可溶性ポリアリレートは、必須構成単位とし
て少なくとも下記式1で表されるビスフェノール残基と
下記式2で表される芳香族ジカルボン酸残基とが相互に
連結した分子構造を有することを特徴とする。
【0010】
【化9】
【0011】
【化10】
【0012】(式中、各R1は水素原子、メチル基、エ
チル基、ハロゲン原子、又は酸性基含有原子団を表し、
それぞれ同じであっても異なっていても良い。各R2
水素原子、又は酸性基含有原子団を表し、それぞれ同じ
であっても異なっていても良い。但し、複数の前記R1
及び前記R2のうち少なくとも一つは酸性基含有原子団
である。Yは、炭素数1乃至20の炭化水素基、O、
S、SO2及びCOからなる群から選ばれる。) 上記アルカリ可溶性ポリアリレートは、皮膜強度、透明
性、耐熱性及び寸法安定性等の諸物性に優れると共にア
ルカリ可溶性を有しており、光硬化性コーティング材料
のメインポリマーとして好適に利用することができ、特
に、カラーフィルターの着色層、保護膜または液晶パネ
ルのセルギャップを維持するための柱状スペーサーを形
成するのに適している。
【0013】前記R1及び/又はR2としての酸性基含有
原子団は、カルボキシル基、スルホン酸基、及び、カル
ボキシル基又はスルホン酸基を末端に有する原子団から
なる群から選ばれるものとすることができる。
【0014】上記アルカリ可溶性ポリアリレートの中で
も、前記式1で表されるビスフェノール残基に含まれる
芳香環のフェノール性水酸基だった位置に対してオルト
位にメチル基、エチル基又はハロゲン原子が置換してい
るものは、特に黄変を生じ難いので、カラーフィルター
の着色層及び保護膜を形成するのに非常に適している。
【0015】本発明において提供されるアルカリ可溶性
ポリアリレートの第一の製造方法は、必須構成単位とし
て少なくとも下記式3で表されるビスフェノール残基と
下記式4で表されるテレフタル酸残基とが相互に連結し
た分子構造を有する原料ポリアリレートと、脂肪族二塩
基酸無水物とを、金属塩化物及び/又は縮合剤の共存下
で反応させることを特徴とする。
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】(式中、各R1は水素原子、メチル基、エ
チル基又はハロゲン原子を表し、それぞれ同じであって
も異なっていても良い。Yは、炭素数1乃至20の炭化
水素基、O、S、SO2及びCOからなる群から選ばれ
る。) この第一の方法において、前記脂肪族二塩基酸無水物と
しては、コハク酸無水物を好適に用いることができる。
【0019】本発明において提供されるアルカリ可溶性
ポリアリレートの第二の製造方法は、上記原料ポリアリ
レートと、オキサリルジクロリドとを、金属塩化物及び
/又は縮合剤の共存下で反応させることを特徴とする。
【0020】上記第一及び第二の方法においては、金属
塩化物として塩化アルミニウムを用いるのが好ましい。
【0021】さらに、本発明において提供されるアルカ
リ可溶性ポリアリレートの第三の製造方法は、上記原料
ポリアリレートと、クロロ硫酸、三酸化硫黄、及び三酸
化硫黄錯体からなる群から選ばれる化合物とを反応させ
ることを特徴とする。
【0022】上記の各製造方法によれば、上記のアルカ
リ可溶性ポリアリレートを効率よく製造することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下において本発明を詳しく説明
する。なお、本発明において(メタ)アクリルとはアク
リル基又はメタクリル基のいずれかであることを意味
し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル基又はメタ
クリロイル基のいずれかであることを意味する。
【0024】本発明により提供されるアルカリ可溶性ポ
リアリレートは、必須構成単位として少なくとも下記式
1で表されるビスフェノール残基と下記式2で表される
芳香族ジカルボン酸残基とが相互に連結した分子構造を
有するものであり、典型的なものとして、下記式5で表
されるものを例示することができる。
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】(式中、各R1は水素原子、メチル基、エ
チル基、ハロゲン原子、又は酸性基含有原子団を表し、
それぞれ同じであっても異なっていても良い。各R2
水素原子、又は酸性基含有原子団を表し、それぞれ同じ
であっても異なっていても良い。但し、複数の前記R1
及び前記R2のうち少なくとも一つは酸性基含有原子団
である。Yは、炭素数1乃至20の炭化水素基、O、
S、SO2及びCOからなる群から選ばれる。)
【0028】
【化15】
【0029】(式中、R1、R2及びYは上記と同じであ
る。nは整数である。) 上記本発明に係るアルカリ可溶性ポリアリレートは、必
須構成単位として少なくとも下記式3で表されるビスフ
ェノール残基と下記式4で表されるテレフタル酸残基と
が相互に連結した分子構造を有する原料ポリアリレート
を準備し、当該原料ポリアリレートの主鎖に含まれる芳
香環の任意の位置に適切な方法で酸性基含有原子団を導
入することにより製造することができる。なお、式3で
表されるビスフェノール残基と式4で表されるテレフタ
ル酸残基とからなる典型的な原料ポリアリレートとし
て、下記式6で表されるものを例示することができる。
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】(式中、R1、R2、Y及びnは上記と同じ
である。) 本発明に係るポリアリレートにおいて、式1で表される
ビスフェノール残基の芳香環は、ヒドロキシル基に対し
てオルトの位置(各R1の位置)が未置換のままであっ
ても良いし、最終的に酸性基含有原子団により置換され
ていても良いが、特に、この位置がメチル基、エチル基
又はハロゲン原子により優先的に置換されている場合に
は、ポリアリレートの熱的劣化又は経年劣化による黄変
が生じにくくなる。そして、当該オルト位の全てにメチ
ル基、エチル基又はハロゲン原子が置換している場合に
は、黄変の抑制効果が大きくなるので特に好ましい。ま
た、ビスフェノール残基に含まれる芳香環上のヒドロキ
シル基に対してオルトの位置(各R1の位置)が特にハ
ロゲン原子により置換されている場合には、ポリアリレ
ートの難燃性が向上するという効果も得られる。
【0034】従って、式1のビスフェノール残基の出発
物質となるビスフェノールとしては、ヒドロキシル基に
対してオルトの位置(各R1の位置)にメチル基、エチ
ル基又はハロゲン原子を有するものを用いるのが好まし
い。
【0035】式1のビスフェノール残基に含まれるY
は、上記したように炭素数1乃至20の炭化水素基、
O、S、SO2及びCOからなる群から選ばれる。Yと
しての炭素数1乃至20の炭化水素基には、アルキレン
基、アルキリデン基及びシクロアルキレン基が含まれ、
例えば、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、プロ
ピレン基、プロピリデン基、シクロへキシレン基等を例
示することができる。
【0036】式1のビスフェノール残基の出発物質とな
るビスフェノールモノマー、すなわち、原料ポリアリレ
ートにおける式3のビスフェノール残基を誘導すること
ができるビスフェノールモノマーとしては、例えば、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,
5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(3,
5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、ビス(3,5−ジエチル−4
−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,
5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシ)ジフェニルメタン、ビス
(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシ)ジフェニルメタ
ン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)ジフェ
ニルメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビ
ス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)サル
ファイド、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)サルファイド、ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジエチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)ケトンなどが挙げられる。
【0037】上記例示の中でも最も好ましいビスフェノ
ールとしては、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。
【0038】本発明においては、ポリアリレートの特性
を実質的に損なわない範囲で、式1で表されるビスフェ
ノール残基の一部をその他のビスフェノール残基で置き
換えてもよい。そのような他のビスフェノール残基の出
発物質となる他のビスフェノールとしては、例えば、ハ
イドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシビフェニ
ル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒド
ロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフ
ェニル)サルファイド、ビス(ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(ヒドロキシフェニル)ケトンおよびこれらの核ハロゲ
ン化物が挙げられる。
【0039】一方、本発明においてはポリアリレートの
ジカルボン酸成分として、式2で表される芳香族ジカル
ボン酸残基を用いる。式2の芳香族ジカルボン酸残基は
テレフタル酸骨格を有している。ビスフェノールにテレ
フタル酸骨格を有するジカルボン酸成分を重合させるこ
とにより、耐熱性の高いポリアリレートが得られる。
【0040】本発明においては、ポリアリレートの特性
を実質的に損なわない範囲で、式2の芳香族ジカルボン
酸残基を、他のジカルボン酸に置き換えても良い。特
に、テレフタル酸骨格を有する式2の芳香族ジカルボン
酸残基の一部をイソフタル酸骨格を有する芳香族ジカル
ボン酸残基に置き換えることによって、コーティング皮
膜の靭性を向上させることができる。
【0041】また、その他のジカルボン酸成分として
は、例えば、ナフタレンジカルボン酸,ビス(p−カル
ボキシフェニル)アルカン,4,4'−ジカルボキシジ
フェニルエーテルなどの芳香族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタ
ル酸などの脂環式あるいは脂肪族ジカルボン酸およびこ
れらのハロゲン化物などを例示することもできる。
【0042】ポリアリレートにアルカリ可溶性を付与す
るための酸性基含有原子団は、ビスフェノール残基に含
まれる芳香環、及び、テレフタル酸残基に含まれる芳香
環の任意の位置に置換されていればよく、ビスフェノー
ル残基のR1の位置に置換されていても良い。但し、原
料ポリアリレートのビスフェノール残基に含まれる芳香
環上のヒドロキシル基に対してオルトの位置(各R1
位置)にメチル基、エチル基及び/又はハロゲン原子が
優先的に置換されている場合には、酸性基含有原子団
は、それ以外の位置の中から選ばれる任意の位置に導入
される。
【0043】本発明においては、ポリアリレートの主鎖
を構成する芳香環に酸性基含有原子団を導入するので、
多量の酸性基を導入することができ、酸性基の導入量を
調節することも容易である。また、原料として用いるポ
リアリレートの基本骨格を変えずに、ポリアリレートの
主鎖を構成する芳香環に酸性基含有原子団を導入する場
合には、酸性基を多量に導入するとしてもポリアリレー
ト本来の優れた物性を損ない難いという利点もある。
【0044】酸性基含有原子団は、ポリアリレートにア
ルカリ可溶性を付与するための酸性基それ自体であって
も良いし、そのような酸性基を化学構造の一部に含んで
いて当該酸性基を芳香環に他の原子を介して間接的に結
合させるものであっても良い。
【0045】酸性基の種類は特に限定されないが、従来
からアルカリ可溶性を付与する目的でポリマーに導入さ
れているカルボキシル基及びスルホン酸基は本発明にお
いても好ましいものとして例示することができる。ま
た、酸性基を間接的に芳香環に結合させる原子団として
は、例えば、ω‐カルボキシアルカノイル基のような末
端に酸性基を有する原子団を例示することができる。
【0046】酸性基の導入量は、現像時のアルカリ可溶
性及びパターニング性、コーティング液調製時の溶剤可
溶性に影響する。すなわち、酸性基の量が少なすぎる場
合にはアルカリ可溶性が足りなくなる。一方、酸性基の
量が多すぎる場合には、溶剤溶解性が悪くなってコーテ
ィング液の調製が困難になると共に、コーティング皮膜
を露光硬化させた後の耐水性、耐アルカリ性が悪くなっ
て現像や洗浄によるパターン崩れを生じ易い。
【0047】従って、酸性基の導入量は、これらの性質
を考慮して適宜決定するが、ポリアリレートの重量平均
分子量を10,000〜100,000程度とすること
を目安とし且つ酸価を100〜1,000mgKOH/
g程度となるように酸性基の量を調節することによっ
て、適度なアルカリ可溶性が得られる。
【0048】次に、上記ポリアリレートの製造方法につ
いて説明する。上述したように、上記本発明にかかるポ
リアリレートは、必須構成単位として少なくとも式3で
表されるビスフェノール残基と式4で表されるテレフタ
ル酸残基とが相互に連結した分子構造を有する原料ポリ
アリレートを準備し、当該原料ポリアリレートの主鎖に
含まれる芳香環の任意の位置に適切な方法で酸性基含有
原子団を導入することにより製造することができる。
【0049】原料ポリアリレートは、前記式3で表され
るビスフェノール残基を誘導し得るビスフェノール及び
必要に応じて他のビスフェノールを溶解したアルカリ水
溶液と、前記式4で表されるテレフタル酸の酸ハロゲン
化物及び必要に応じて他のジカルボン酸の酸ハロゲン化
物を溶解した疎水性有機溶媒溶液とを接触させ、界面重
合を行うことにより得られる。
【0050】ビスフェノールのアルカリ水溶液は、水酸
化ナトリウム,水酸化カリウムを用いて調製することが
できる。ビスフェノールの溶解に必要なアルカリ量はビ
スフェノールの種類によって異なるが、通常ビスフェノ
ールに対して等モルかあるいは2.0倍モル量の範囲で
用いることが好ましい。アルカリ水に溶解するビスフェ
ノール類の濃度は特に制限されないが、通常1〜20重
量%が好ましく用いられる。
【0051】テレフタル酸の酸ハロゲン化物としてはテ
レフタル酸クロライド、テレフタル酸ブロマイドなどを
用いることができる。テレフタル酸の酸ハロゲン化物を
溶解する疎水性有機溶媒としては、水と相溶せず、生成
するポリアリレートを溶解するものが好ましい。
【0052】疎水性有機溶媒の具体例としてはジクロル
メタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロル
エタン、1,1,2−トリクロルエタン、1,1,2,
2−テトラクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベ
ンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、アニソール、アセトフェノン、ニトロベンゼンなど
を挙げることができる。これらは単独でも混合して用い
てもよい。なかでも一般的で好ましい疎水性有機溶媒は
炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素であり、最も好まし
いものはジクロルメタンである。疎水性有機溶媒に溶解
するテレフタル酸ハロゲン化物の濃度は特に制限されな
いが、通常0.5〜40重量%とするのが好ましい。
【0053】好ましい相間移動触媒としては、テトラ−
n−ブチルアンモニウムハライド(すなわちテトラ−n
−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチル
アンモニウムブロマイドおよびテトラ−n−ブチルアン
モニウムイオダイド)、テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムハイドロジェンサルフェート、トリ−n−ブチルベン
ジルアンモニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジル
アンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラ−n
−ブチルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホ
スホニウムハイドロジェンサルフェート、トリ−n−ブ
チルベンジルホスホニウムハライド、トリ−n−ブチル
ベンジルホスホニウムハイドロジェンサルフェートなど
が挙げられる。相間移動触媒の量は任意に選ぶことがで
きるが、ビスフェノールに対して一般に0.001〜1
0モル%,特に0.01〜5モル%とするのが好まし
い。
【0054】原料ポリアリレートを界面重合法により製
造するに際して、分子量を制御する方法としては公知の
方法を用いることができる。最も一般的な方法は一価の
反応性官能基を有する化合物を一定量加えて重合する方
法である。かかる化合物としては一価のアルコール類、
一価のカルボン酸類およびフェノール類がある。かかる
目的で一価のカルボン酸を用いる場合は酸ハロゲン化物
として重合系に加えるのが一般的である。
【0055】分子量制御剤として用いることのできるア
ルコール類としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、1−ブタノール、n−ペンタノール、ネオペンタノ
ール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタ
ノール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコールなどを挙げること
ができる。また、一価のカルボン酸としては、例えば、
酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、シクロヘキサンカル
ボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−t
ert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸な
どを挙げることができる。さらに、フェノール類として
は、例えば、フェノール、p−tert−ブチルフェノ
ール、2,6−キシレノール、2,6−ジクロロフェノ
ール、2,4,6−トリブロモフェノール、イソオクチ
ルフェノール、p−メトキシフェノールなどを挙げるこ
とができる。
【0056】上記ビスフェノールのアルカリ水溶液、上
記テレフタル酸ハロゲン化物の疎水性有機溶媒溶液、相
間移動触媒、分子量制御剤、及び、その他の添加物を混
合し、激しく混合する。この界面重合法においてアルカ
リ水溶液と疎水性有機溶媒溶液との相対的な体積比率は
5:1から1:5となる範囲が好ましいが,絶対的なも
のではない。
【0057】重合反応により生成したポリアリレートは
疎水性有機溶媒中に溶解する。したがって有機溶媒の粘
度はポリアリレートの生成および分子量の上昇に伴って
増大する。重合反応後、アルカリ水溶液の相と疎水性有
機溶媒溶液の相とを分離する。この際一般的には、鉱酸
や有機酸を添加すると分離が容易になる。上記の相間移
動触媒を用いた場合には相分離は極めて容易であり、特
に鉱酸や有機酸を添加する必要はないが、アルカリ水溶
液を中和する意味で好ましい。水相と有機溶媒相とは静
置することによって分離することもできるし、遠心分離
法によってより短時間に分離することも可能である。分
離された有機相は水あるいはその他の洗浄剤で抽出洗浄
することが好ましい。また必要に応じてろ過を行う。
【0058】こうして洗浄した有機相から原料ポリアリ
レートを単離する。単離の方法は公知の方法を適宜選ぶ
ことができる。例えばポリマーの非溶剤である有機溶媒
を加える方法がある。ジクロルメタンの場合にはアセト
ンやメチルアルコールが適当である。また有機溶媒を気
化させることにより、ポリアリレートを単離する方法も
ある。たとえばポリアリレートを含む有機溶媒溶液をニ
ーダーなどで濃縮しつつ、ポリアリレートを単離する方
法である。
【0059】上記のようにして得られた原料ポリアリレ
ートに酸性基含有原子団を導入する方法としては、例え
ば、原料ポリアリレートと、脂肪族二塩基酸無水物又は
オキサリルジクロリドとを、金属塩化物及び/又は縮合
剤の共存下で反応させる方法がある。この方法では、金
属塩化物として塩化アルミニウムを用いるのが好まし
い。縮合剤としては、例えば、フッ化ホウ素、リン酸、
ヨウ素、硫酸などを用いることができる。
【0060】また、原料ポリアリレートに酸性基含有原
子団を導入する別の方法としては、原料ポリアリレート
と、クロロ硫酸、三酸化硫黄、及び三酸化硫黄錯体から
なる群から選ばれる化合物とを反応させる方法を挙げる
ことができる。
【0061】原料ポリアリレートと脂肪族二塩基酸無水
物とを金属塩化物及び/又は縮合剤の共存下で反応させ
る場合には、原料ポリアリレートの主鎖芳香環にω‐カ
ルボキシアルカノイル基を導入することができる。この
反応は、原料ポリアリレートを溶剤に溶解又は分散した
A液と、脂肪族二塩基酸無水物と共に、塩化アルミニウ
ム等の金属塩化物やフッ化ホウ素、リン酸、ヨウ素、硫
酸等の縮合剤を組み合わせ、溶剤に溶解又は分散させた
B液とを調製し、原料ポリアリレートを含有するA液
と、もう一つのB液とを徐々に混合して反応させること
ができる。脂肪族二塩基酸無水物としてはコハク酸無水
物が好ましく用いられる。
【0062】この方法では、脂肪族二塩基酸無水物を含
有するB液中に、原料ポリアリレートを含有するA液を
徐々に滴下して反応を行うのが好ましい。この反応の溶
剤としては、二硫化炭素、トリクロロエタン又はテトラ
クロロエタン等から適宜選択して用いることができ、通
常は同じ溶剤を用いてA液とB液を調製する。
【0063】A液は、原料ポリアリレートを1〜70重
量%の濃度となるように溶剤に溶解又は分散させて調製
する。一方、B液を調製するには、脂肪族二塩基酸無水
物の量を酸性基の導入量に応じて2〜45重量%、金属
塩化物及び/又は縮合剤を合計量で2〜45重量%の濃
度となるように溶剤に溶解又は分散させる。次に、B液
を60℃前後で攪拌しながら、そこにA液を滴下する。
A液は、原料ポリアリレートの芳香環に対して脂肪族二
塩基酸無水物の仕込み量が30〜400モル%の割合と
なるまで滴下する。滴下終了後、反応液を約1時間還流
して反応を十分に進行させる。
【0064】反応液中に生成したアルカリ可溶性ポリア
リレートは、公知の方法により単離できる。例えば、反
応液に当該アルカリ可溶性ポリアリレートの非溶剤であ
る有機溶媒を加える方法がある。テトラクロロエタンの
場合にはヘキサンやシクロヘキサンが適当である。
【0065】また、原料ポリアリレートとオキサリルジ
クロリドとを金属塩化物及び/又は縮合剤の共存下で反
応させる場合には、原料ポリアリレートの主鎖芳香環に
カルボキシル基を直接導入することができる。この反応
は、原料ポリアリレートを溶剤に溶解又は分散したA液
と、オキサリルジクロリドと共に金属塩化物及び/又は
縮合剤を溶剤に溶解又は分散させたB液とを調製し、当
該B液中に、原料ポリアリレートを含有するA液を徐々
に滴下して反応を行うのが好ましい。
【0066】この反応の溶剤としては、二硫化炭素、ト
リクロロエタン又はテトラクロロエタン等から適宜選択
して用いることができ、通常は同じ溶剤を用いてA液と
B液を調製する。A液は、原料ポリアリレートを1〜7
0重量%程度の濃度となるように溶剤に溶解又は分散さ
せて調製する。一方、B液を調製するには、先ず、金属
塩化物及び/又は縮合剤を合計量で2〜45重量%の濃
度となるように溶剤に溶解又は分散させる。次に、その
分散剤を10〜15℃に保ち、攪拌しながら、当該分散
液中にオキサリルジクロリドを2〜45重量%の濃度と
なるように滴下し、滴下終了後も攪拌を続けながら約1
5分放置してB液を得る。
【0067】次に、B液を10〜15℃に保ち、攪拌し
ながら、そこにA液を滴下する。A液は、原料ポリアリ
レートの芳香環に対してオキサリルジクロリドの仕込み
量が30〜400モル%の割合となるまで滴下する。滴
下終了後、反応液を約1時間還流して反応を十分に進行
させる。
【0068】反応液中に生成したアルカリ可溶性ポリア
リレートは、公知の方法により単離できる。例えば、反
応液に当該アルカリ可溶性ポリアリレートの非溶剤であ
る有機溶媒を加える方法がある。テトラクロロエタンの
場合にはヘキサンやシクロヘキサンが適当である。
【0069】また、原料ポリアリレートと、クロロ硫
酸、三酸化硫黄、及び三酸化硫黄錯体からなる群から選
ばれる化合物とを反応させる場合には、原料ポリアリレ
ートの主鎖芳香環にスルホン酸基を直接導入することが
できる。この反応は、原料ポリアリレートを溶剤に溶解
又は分散したA液と、クロロ硫酸、三酸化硫黄、及び三
酸化硫黄錯体からなる群から選ばれる化合物を溶剤に溶
解又は分散させたB液とを調製し、原料ポリアリレート
を含有するA液ともう一つのB液とを徐々に混合して反
応を行う。
【0070】この反応の溶剤としては、二硫化炭素、ジ
クロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、ジ
クロロメタン、液体二硫化硫黄、ニトロメタン、ニトロ
ベンゼン等から適宜選択して用いることができ、通常は
同じ溶剤を用いてA液とB液を調製する。A液は、原料
ポリアリレートを1〜70重量%程度の濃度となるよう
に溶剤に溶解又は分散させて調製する。一方、B液は、
クロロ硫酸、三酸化硫黄、及び三酸化硫黄錯体からなる
群から選ばれる化合物を5〜90重量%程度の濃度とな
るように溶剤に溶解又は分散させて調製する。
【0071】次に、A液を10〜15℃に保ち、攪拌し
ながら、そこにB液を徐々に混合する。A液とB液は、
原料ポリアリレートの芳香環に対してクロロ硫酸、三酸
化硫黄、及び三酸化硫黄錯体からなる群から選ばれる化
合物の仕込み量が30〜400モル%の割合となるまで
混合する。混合後、反応液を約30分間攪拌し続けて反
応を十分に進行させる。反応液中に生成したアルカリ可
溶性ポリアリレートは、公知の方法により単離できる。
例えば、反応液に当該アルカリ可溶性ポリアリレートの
非溶剤である有機溶媒を加える方法がある。テトラクロ
ロエタンの場合にはヘキサンやシクロヘキサンが適当で
ある。
【0072】上記のアルカリ可溶性ポリアリレートは、
皮膜強度、透明性、耐熱性及び寸法安定性等の諸物性に
優れると共にアルカリ可溶性を有しており、光硬化性コ
ーティング材料のメインポリマーとして好適に利用する
ことができ、特に、カラーフィルターの着色層、保護膜
または液晶パネルのセルギャップを維持するための柱状
スペーサーを形成するのに適している。
【0073】上記のアルカリ可溶性ポリアリレートに、
多官能アクリレート系モノマーのように2官能以上のエ
チレン性不飽和結合を有する重合性化合物(多官能重合
性化合物)を配合し、さらに必要に応じて光重合開始
剤、増感剤などを配合することによって、光硬化性コー
ティング材料として好適な感光性樹脂組成物が得られ
る。
【0074】本発明において感光性樹脂組成物には、メ
インポリマーとしての上記アルカリ可溶性ポリアリレー
トを、固形分比で、通常5〜80重量%、好ましくは1
0〜50重量%含有させる。アルカリ可溶性ポリアリレ
ートの含有量が多すぎると、粘度が高くなりすぎ、その
結果、流動性が低下し、塗布性に問題が生じ、一方、少
なすぎると粘度が低くなりすぎ、塗布乾燥後の塗膜安定
性が不十分である。
【0075】上記の多官能重合性化合物は、紫外線や電
離放射線等の露光により直接或いは露光により活性化し
た光重合開始剤の作用により架橋結合を生じて本発明の
感光性樹脂組成物を硬化させる成分である。多官能重合
性化合物としては、多官能アクリレート系のモノマー又
はオリゴマーが好ましく用いられ、例えば、エチレング
リコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート、グリセリンテトラ(メタ)アクリレート、テト
ラトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レートなどを例示することができる。これらの成分は2
種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0076】上記の多官能重合性化合物は、3官能以上
のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを含むことが
好ましく、その含有量は多官能重合性化合物の使用量の
約30〜95重量%を占めることが好ましい。
【0077】また、これらの多官能重合性化合物には、
反応希釈剤としてメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
チレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドンなどの
単官能性モノマーを添加することができる。
【0078】多官能重合性化合物の含有量は、感光性樹
脂組成物中に固形分比3〜50重量%、好ましくは5〜
40重量%含有される。多官能重合性化合物が3重量%
未満になると、形成される膜の接着強度、耐熱性等の各
種物理的強度が不十分になるという不都合が生じ、ま
た、この値が50重量%を超えると感光性樹脂組成物の
安定性が低下すると共に、形成される膜の可撓性が不十
分になるという不都合が生じる。さらに、現像液に対す
る溶解特性を向上させるためにもこの割合は必要で、最
適化量の範囲から外れる場合には、パターン解像はされ
るがモノマー硬化速度が大きくなり、パターン周囲に対
してスカムやひげを生じる。さらに上記の範囲外におい
て、ひどい場合には部分的な膨潤・剥離からくるレジス
ト再付着が生じ、正確なパターン形成を阻害することが
ある。
【0079】さらに本発明の感光性樹脂組成物の中に
は、耐熱性、密着性、耐薬品性(特に耐アルカリ性)の
向上を図る目的で、必要に応じて、エポキシ基を分子内
に2個以上有する化合物(エポキシ樹脂)を配合するこ
とができる。エポキシ基を分子内に2個以上有する化合
物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
としてエピコート1001、1002、1003、10
04、1007、1009、1010(油化シェル製)
など、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としてエピコー
ト807(油化シェル製)など、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂としてEPPN201、202(日本化
薬製)、エピコート154(油化シェル製)など、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂としてEOCN10
2、103S、104S、1020、1025、102
7(日本化薬製)、エピコート180S(油化シェル
製)などを例示できる。さらに、環式脂肪族エポキシ樹
脂や脂肪族ポリグリシジルエーテルを例示することもで
きる。
【0080】これらの中では、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ基を分子内
に2個以上有する化合物の多くは高分子量体であるが、
ビスフェノールAやビスフェノールFのグリシジルエー
テルは低分子量体であり、そのような低分子量体は特に
好ましい。また、グリシジル(メタ)アクリレート、オ
キセタン(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ(メ
タ)アクリレート等を樹脂骨格中に含むアクリル共重合
体等も有効である。
【0081】このようなエポキシ樹脂は、感光性樹脂組
成物中に固形分比で、通常は0〜60重量%、好ましく
は5〜40重量%含有される。エポキシ樹脂の含有量が
5重量%未満では、保護膜に充分な耐アルカリ性を付与
できない場合がある。一方、エポキシ樹脂の含有量が4
0重量%を超えると、エポキシ樹脂量が多くなりすぎ、
感光性樹脂組成物の保存安定性、現像適性が低下するの
で好ましくない。また、エポキシ樹脂は、感光性樹脂組
成物の乾燥塗膜のタックを除去するためにも有効であ
り、添加量3重量%程度で充分な効果が発現する。エポ
キシ樹脂は、露光・アルカリ現像後においても反応する
ことなく塗膜中に残存している酸性基と、加熱処理によ
って反応し、塗膜に優れた耐アルカリ性を付与すること
になる。
【0082】光重合開始剤としては、紫外線、電離放射
線、可視光、或いは、その他の各波長のエネルギー線で
活性化し得るラジカル重合性開始剤を使用することがで
きる。ラジカル重合性開始剤は、例えば紫外線のエネル
ギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、
ベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導
体又はそれらのエステルなどの誘導体;キサントン並び
にチオキサントン誘導体;クロロスルフォニル、クロロ
メチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合
物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化
合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン
類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;
有機硫黄化合物;過酸化物などがある。好ましくは、イ
ルガキュアー184、イルガキュアー369、イルガキ
ュアー651、イルガキュアー907(いずれもチバ・
スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー
(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社
製)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,
5,4’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
(黒金化成株式会社製)などのケトン系及びビイミダゾ
ール系化合物等を挙げることができる。これらの開始剤
を1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。2種以上を併用する場合には、吸収分光特性を阻
害しないようにするのがよい。
【0083】ラジカル重合性開始剤は、感光性樹脂組成
物中に固形分比として、通常、0.1〜20重量%、好
ましくは1〜15重量%含有される。ラジカル重合性開
始剤の添加量が0.1重量%未満になると光硬化反応が
進まず、残膜率、耐熱性、耐薬品性などが低下する傾向
がある。また、この添加量が20重量%を超えるとベー
ス樹脂への溶解度が飽和に達し、スピンコーティング時
や塗膜レベリング時に開始剤の結晶が析出し、膜面の均
質性が保持できなくなってしまい、膜荒れ発生と言う不
具合が生じる。
【0084】なお、感光性樹脂組成物を調製するにあた
って、重合開始剤は、前記硬化性樹脂及び多官能重合性
化合物からなる樹脂組成物に最初から添加しておいても
よいが、比較的長期間保存する場合には、使用直前に感
光性樹脂組成物中に分散或いは溶解することが好まし
い。
【0085】光感度の向上を期待したい場合には、増感
剤を添加してもよい。用いる増感剤としては、スチリル
系化合物或いはクマリン系化合物が好ましい。具体的に
は、2−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、2
−(p−ジエチルアミノスチリル)キノリン、4−(p
−ジメチルアミノスチリル)キノリン、4−(p−ジエ
チルアミノスチリル)キノリン、2−(p−ジメチルア
ミノスチリル)−3,3−3H−インドール、2−(p
−ジエチルアミノスチリル)−3,3−3H−インドー
ル、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサ
ゾール、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−ベンズ
オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベ
ンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−ベンズイミダゾールなどが挙げられる。
【0086】また、クマリン系化合物としては、7−ジ
エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ
−4−トリフルオロメチルクマリン、4,6−ジエチル
アミノ−7−エチルアミノクマリン、3−(2−ベンズ
イミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリ
ン、7−ジエチルアミノシクロペンタ(c)クマリン、
7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、1,
2,3,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−
8−トリフルオロメチル(1)ベンゾピラノ−(9,9
a,1−gh)−キノリジン−10−オン、7−エチル
アミノ−6−メチル−4−トリフルオロメチルクマリ
ン、1,2,3,4,5,3H,6H,10H−テトラ
ヒドロ−9−カルベトキシ(1)ベンゾピラノ−(9,
9a,1−gh)−キノリジン−10−オンなどが挙げ
られる。
【0087】上述の感光性樹脂組成物には、必要に応じ
て上記の成分以外にも、界面活性剤、シランカップリン
グ剤等の各種の添加剤を配合することができる。
【0088】さらに、本発明の感光性樹脂組成物を用い
てカラーフィルターの画素部や遮光部などの着色層を形
成する場合には、当該感光性樹脂組成物中に顔料や染料
等の色材を配合する。色材としては、画素部のR、G、
B等の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤
の中からカラーフィルターの加熱プロセスに耐え得る耐
熱性があり、且つ、良好に分散し得る微粒子のものを選
んで使用することができる。
【0089】有機着色剤としては、例えば、染料、有機
顔料、天然色素等を用いることができる。また、無機着
色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いる
ことができる。
【0090】有機顔料の具体例としては、カラーインデ
ックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists
社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されてい
る化合物、すなわち、下記のようなカラーインデックス
(C.I.)番号が付されているものを挙げることができ
る。C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロ
ー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイ
エロー13等のイエロー系ピグメント;C.I.ピグメント
レッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレ
ッド3等のレッド系ピグメント;及び、C.I.ピグメント
ブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグ
メントブルー15:4等のブルー系ピグメント。
【0091】また、前記無機顔料あるいは体質顔料の具
体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤
色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロ
ム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄
黒、カーボンブラック等を挙げることができる。本発明
において色材は、単独でまたは2種以上を混合して使用
することができる。
【0092】色材は、本発明の感光性樹脂組成物中に、
通常、40〜75重量%、好ましくは45〜70重量%
の割合で配合する。色材の配合割合が上記範囲を下回る
と、各着色層の着色力が不十分であり、鮮明な画像の表
示が困難であり、一方、上記範囲を超えると、各着色層
における光透過率が不十分となるなどの不都合を生じ
る。
【0093】感光性樹脂組成物に色材を配合する場合に
は、色材を均一且つ安定して分散させるために、当該感
光性樹脂組成物中に分散剤を配合してもよい。分散剤と
しては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン
系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使
用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高
分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
【0094】すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチ
レングリコールジステアレート等のポリエチレングリコ
ールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪
酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類
などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
【0095】本発明の感光性樹脂組成物には、塗料化及
び塗布適性を考慮して通常、アルカリ可溶性ポリアリレ
ート、多官能重合性化合物、光重合開始剤等に対する溶
解性の良好な溶剤が含有される。使用可能な溶剤として
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、N−
プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのア
ルコール系溶剤;メトキシアルコール、エトキシアルコ
ールなどのセロソルブ系溶剤;メトキシエトキシエタノ
ール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール
系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン
酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルな
どのエステル系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メトキシエ
チルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセ
ロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶
剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエト
キシエチルアセテートなどのカルビトールアセテート系
溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テ
トラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ
−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系
溶剤;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなど
の飽和炭化水素系溶剤などの有機溶剤を例示することが
できる。これらの溶剤の中では、メトキシエチルアセテ
ート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブア
セテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシ
エトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルア
セテートなどのカルビトールアセテート系溶剤;エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエー
テルなどのエーテル系溶剤;メトキシプロピオン酸メチ
ル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエ
ステル系溶剤が特に好適に用いられる。特に好ましく
は、MBA(酢酸−3−メトキシブチル、CH3CH
(OCH3)CH2CH2OCOCH3)、PGMEA(プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、C
3OCH2CH(CH3)OCOCH3)、DMDG(ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、H3COC24
OCH3)又はこれらを混合したものを使用することが
でき、これらを用いて固形分濃度を5〜50重量%に調
製する。
【0096】本発明の感光性樹脂組成物を製造するに
は、上記アルカリ可溶性ポリアリレート、多官能重合性
化合物、光重合開始剤、及び、その他の成分を適切な溶
剤に投入し、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンド
グラインドミル、ボールミル、アトライターミル、2本
ロールミル、3本ロールミルなどの装置で溶解、分散さ
せればよい。なお、メインポリマーであるアルカリ可溶
性ポリアリレートとしては、合成反応後に有効成分であ
るアルカリ可溶性ポリアリレートを単離精製したものを
用いるほか、合成反応により得られた反応液、その乾燥
物などをそのまま用いてもよい。
【0097】本発明の感光性樹脂組成物は、カラーフィ
ルターの着色層、当該着色層を被覆する保護層、及び、
液晶パネルのセルギャップを維持するための柱状スペー
サーを形成するのに適している。
【0098】カラーフィルターは、透明基板に所定のパ
ターンで形成されたブラックマトリックスと、当該ブラ
ックマトリックス上に所定のパターンで形成した着色層
と、当該着色層を覆うように形成された保護膜を備えて
いる。保護膜上に必要に応じて液晶駆動用の透明電極が
形成される場合もある。また、ブラックマトリックス層
が形成された領域に合わせて、透明電極板上若しくは着
色層上若しくは保護膜上に柱状スペーサーが形成される
場合もある。
【0099】着色層は赤色パターン、緑色パターン及び
青色パターンがモザイク型、ストライプ型、トライアン
グル型、4画素配置型等の所望の形態で配列されてな
り、ブラックマトリックスは各着色パターンの間及び着
色層形成領域の外側の所定領域に設けられている。着色
層は、様々な方法で形成できるが、上記した感光性樹脂
組成物を用いて顔料分散法により形成するのが好まし
い。すなわち、上記した感光性樹脂組成物に着色顔料を
分散させて塗工材料を調製し、透明基板の一面側に塗布
し、フォトマスクを介して紫外線を照射することにより
露光し、アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱硬
化することにより着色層を形成できる。着色層は、通
常、1.5μm程度の厚さに形成する。
【0100】ブラックマトリックスは、染色法、顔料分
散法、印刷法、電着法のいずれを用いても形成すること
ができ、また、クロム蒸着等により形成してもよい。
【0101】保護膜は、上記した感光性樹脂組成物の塗
工液を、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、
印刷等の方法により塗布して形成することができる。保
護膜は、例えば、2μm程度の厚さに形成する。スピン
コーターを使用する場合、回転数は500〜1500回
転/分の範囲内で設定する。感光性樹脂組成物の塗工膜
は、フォトマスクを介して紫外線を照射することにより
露光され、アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱
硬化されて保護膜となる。
【0102】保護膜上の透明電極は、酸化インジウムス
ズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
O)等、およびそれらの合金等を用いて、スパッタリン
グ法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な方法により形
成され、必要に応じてフォトレジストを用いたエッチン
グ又は治具の使用により所定のパターンとしたものであ
る。この透明電極の厚みは20〜500nm程度、好ま
しくは100〜300nm程度とすることできる。
【0103】透明電極上の柱状スペーサーも、上記した
感光性樹脂組成物の塗工液を、スピンコーター、ロール
コーター、スプレイ、印刷等の方法により塗布し、フォ
トマスクを介する紫外線照射により露光し、アルカリ現
像後、クリーンオーブン等で加熱硬化することにより形
成できる。柱状スペーサーは、例えば、5μm程度の高
さに形成される。スピンコーターの回転数も保護膜を形
成する場合と同様に、500〜1500回転/分の範囲
内で設定すればよい。
【0104】このようにして製造されたカラーフィルタ
ーの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間
隙部に液晶を満たして密封することにより、液晶パネル
が得られる。
【0105】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0106】(実施例1) (1)アルカリ可溶ポリアリレート(1)の合成 反応槽中に無水コハク酸84重量部、塩化アルミニウム
112重量部、テトラクロロエタン500重量部を添加
し、B液を調製した。一方、ポリアリレート(ユニチカ
(株)製U‐100)100重量部をテトラクロロエタ
ン300重量部に溶解し、滴下系としてA液を調製し
た。A液を、反応槽のB液中に60℃で2時間かけて連
続的に供給し、更に2時間反応を継続した。その後、反
応液をヘキサン中に注いで沈殿析出物としてアルカリ可
溶ポリアリレート(1)を得た。得られたアルカリ可溶
ポリアリレート(1)の酸価は240mgKOH/gで
あった。
【0107】(2)感光性樹脂組成物(1)の調製 下記分量の各材料 ・上記のアルカリ可溶ポリアリレート(1)をジエチレ
ングリコールジメチルエーテルに溶解した25重量%溶
液:260.0重量部 ・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サート
マー社製、SR399):150.0重量部 ・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−
モルフォリノプロパノン−1:9.8重量部 ・2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,
4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾー
ル:7.0重量部 ・ジエチレングリコールジメチルエーテル:85.0重
量部 を室温で攪拌・混合し、感光性樹脂組成物(1)を得
た。
【0108】(実施例2) (1)アルカリ可溶ポリアリレート(2)の合成 反応槽中に無水コハク酸106重量部、塩化アルミニウ
ム112重量部、テトラクロロエタン500重量部を添
加し、B液を調製した。一方、ポリアリレート(ユニチ
カ(株)製U‐100)100重量部をテトラクロロエ
タン300重量部に溶解し、滴下系としてA液を調製し
た。A液を、反応槽のB液中に60℃で2時間かけて連
続的に供給し、更に2時間反応を継続した。その後、反
応液をヘキサン中に注いで沈殿析出物としてアルカリ可
溶ポリアリレート(2)を得た。得られたアルカリ可溶
ポリアリレート(2)の酸価は270mgKOH/gで
あった。
【0109】(2)感光性樹脂組成物(2)の調製 実施例1のアルカリ可溶ポリアリレート(1)に代えて
アルカリ可溶ポリアリレート(2)を用いた以外は、実
施例1と同様にして感光性樹脂組成物(2)を得た。
【0110】(実施例3) (1)アルカリ可溶ポリアリレート(3)の合成 反応槽中にポリアリレート(ユニチカ(株)製U‐10
0)100重量部、テトラクロロエタン300重量部を
添加し、B液を調製した。一方、クロロ硫酸98重量部
をテトラクロロエタン100重量部に溶解し、滴下系と
してA液を調製した。A液を、反応槽のB液中に60℃
で2時間かけて連続的に供給し、更に2時間反応を継続
した。その後、反応液をヘキサン中に注いで沈殿析出物
としてアルカリ可溶ポリアリレート(3)を得た。得ら
れたアルカリ可溶ポリアリレート(3)の酸価は260
mgKOH/gであった。
【0111】(2)感光性樹脂組成物(3)の調製 実施例1のアルカリ可溶ポリアリレート(1)に代えて
アルカリ可溶ポリアリレート(2)を用いた以外は、実
施例1と同様にして感光性樹脂組成物(3)を得た。
【0112】(実施例4) (1)ブラックマトリックスの形成 下記分量 ・黒色顔料:23重量部 ・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製Di
sperbyk 111):2重量部 ・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル):7
5重量部 の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔
料分散液を調製した。
【0113】次に、下記分量 ・上記の黒色顔料分散液:61重量部 ・上記のアルカリ可溶ポリアリレート(1)をジエチレ
ングリコールジメチルエーテルに溶解した25重量%溶
液:20.0重量部 ・ジエチレングリコールジメチルエーテル:30重量部 の成分を十分に混合して、遮光層用組成物を得た。
【0114】そして、厚み1.1mmのガラス基板(旭
硝子(株)製AL材)上に上記遮光層用組成物をスピン
コーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約
1μmの遮光層を形成した。当該遮光層を、超高圧水銀
ランプで遮光パターンに露光した後、0.05%水酸化
カリウム水溶液で現像し、その後、基板を180℃の雰
囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して
遮光部を形成すべき領域にブラックマトリックスを形成
した。
【0115】(2)着色層の形成 上記のようにしてブラックマトリックスを形成した基板
上に、下記組成の赤色感光性樹脂組成物をスピンコーテ
ィング法により塗布(塗布厚み1.5μm)し、その
後、70℃のオーブン中で30分間乾燥した。
【0116】次いで、赤色感光性樹脂組成物の塗布膜か
ら100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシ
ミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを
用いて着色層の形成領域に相当する領域にのみ紫外線を
10秒間照射した。次いで、0.05%水酸化カリウム
水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像
し、赤色感光性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを
除去した。その後、基板を180℃の雰囲気中に30分
間放置することにより加熱処理を施して赤色画素を形成
すべき領域に赤色のレリーフパターンを形成した。
【0117】次に、下記組成の緑色感光性樹脂組成物を
用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、
緑色画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターンを
形成した。
【0118】さらに、下記組成の青色感光性樹脂組成物
を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程
で、青色画素を形成すべき領域に青色のレリーフパター
ンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色から
なる着色層を作成した。
【0119】a.赤色感光性樹脂組成物の組成 ・C.I.ピグメントレッド177:10重量部 ・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部 ・実施例1の感光性樹脂組成物(1):5重量部 ・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部 b.緑色感光性樹脂組成物の組成 ・C.I.ピグメントグリーン36:10重量部 ・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部 ・実施例1の感光性樹脂組成物(1):5重量部 ・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部 c.青色感光性樹脂組成物の組成 ・C.I.ピグメントブルー:10重量部 ・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部 ・実施例1の感光性樹脂組成物(1):5重量部 ・酢酸−3−メトキシブチル:82重量部
【0120】(3)保護膜の形成 感光性樹脂組成物(1)の塗布膜から100μmの距離
にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナによ
り2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成
領域に相当する領域にのみ紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05%水酸化カリウム水溶液(液温23
℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、感光性樹脂組
成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基
板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより
加熱処理を施して保護膜を形成し、本発明のカラーフィ
ルターを得た。
【0121】(4)スペーサーの形成 感光性樹脂組成物(1)の塗布膜から100μmの距離
に、所定の形状、大きさ、及び、間隔を有する露光パタ
ーンを形成できるように設計されたフォトマスクを配置
してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧
水銀ランプを用いて、ブラックマトリックス上のスペー
サーの形成領域にのみ紫外線を10秒間照射した。次い
で、0.05%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中
に1分間浸漬してアルカリ現像し、感光性樹脂組成物の
塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を2
00℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処
理を施して固定スペーサーを形成し、本発明のカラーフ
ィルターを得た。
【0122】(実施例5)実施例4で得たカラーフィル
ターの固定スペーサーを含む表面に、基板温度200℃
でアルゴンと酸素を放電ガスとし、DCマグネトロンス
パッタリング法によってITOをターゲットとして透明
電極膜を成膜した。その後、さらに透明電極膜上にポリ
イミドよりなる配向膜を形成した。
【0123】次いで、上記カラーフィルターと、TFT
を形成したガラス基板とを、エポキシ樹脂をシール材と
して用い、150℃で0.3kg/cm2の圧力をかけ
て接合してセル組みし、TN液晶を封入して、本発明の
液晶表示装置を作製した。
【0124】(比較例1)実施例1のアルカリ可溶ポリ
アリレート(1)に代えて、未処理の原料ポリアリレー
トを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例の感光
性樹脂組成物(4)を得た。
【0125】(評価)諸物性は、下記方法により測定し
た。
【0126】a.酸価:試料をアセトンに溶解させ、ク
レゾールレッドを指示薬として1/10NのNaOHで
中和滴定することにより求めた。結果を第1表に示す。
【0127】b.アルカリ可溶性:実施例1で得られた
アルカリ可溶ポリアリレート(1)をアセトンで希釈
し、その希釈液をヘキサン中に滴下し、析出した固体を
回収し、さらに析出した固体を再びアセトンで溶解し、
得られた希釈液を再びヘキサン中に滴下し、析出した固
体を回収した。このような再沈工程を3回繰り返すこと
により、アルカリ可溶ポリアリレートの精製を行った。
次に、精製したアルカリ可溶ポリアリレート1gを0.
5%‐KOH水溶液100mL中に添加し、1時間攪拌
した後のアルカリ可溶ポリアリレートの溶解性を目視に
より評価した。同じようにして、各実施例で得られたア
ルカリ可溶ポリアリレート及び比較例で用いたポリアリ
レートのアルカリ溶解性を評価した。結果を第1表に示
す。
【0128】c.パターニング性の評価:10cm画の
ガラス基板上に、実施例1で得られた感光性樹脂組成物
(1)をスピンコーター(MIKASA製、形式1H−
DX2)により、塗布、乾燥し、乾燥膜厚2μmの塗布
膜を形成した。この塗布膜をホットプレート上で90
℃、3分間加熱した。加熱後、塗布膜から100μmの
距離にフォトマスクを配置して2.0kWの超高圧水銀
ランプを装着したUVアライナー(大日本スクリーン
製、形式MA 1200)によって、400mJ/cm
2の強度(405nm照度換算)で紫外線を照射した。
【0129】次いで、塗布膜の露光部に0.05wt%
の水酸化カリウム水溶液をスピン現像機(Applie
d Process Technology,INK、
MODEL:915)にて60秒間散布し、未露光部を
溶解、除去し、残った露光部を純水で60秒間水洗する
ことにより現像した。現像後、露光部の膜をクリーンオ
ーブン(忍足研究所(株)製、SCOV−250 Hy
−So)により、200℃で30分間加熱した。そし
て、得られた膜のパターンを光学顕微鏡(オリンパス光
学工業(株)製、MHL220)により確認した。
【0130】同じようにして、各実施例及び比較例で得
られた感光性樹脂組成物のパターニング性を評価した。
結果を第1表に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により提供
されるアルカリ可溶性ポリアリレートは、必須構成単位
として少なくとも前記式1で表されるビスフェノール残
基と前記式2で表される芳香族ジカルボン酸残基とが相
互に連結した分子構造を有するものであり、酸性基とし
ては、例えば、カルボキシル基又はスルホン酸基を有し
ている。
【0133】このアルカリ可溶性ポリアリレートは、皮
膜強度、透明性、耐熱性及び寸法安定性等の諸物性に優
れると共にアルカリ可溶性を有しており、光硬化性コー
ティング材料のメインポリマーとして好適に利用するこ
とができ、特に、カラーフィルターの着色層、保護膜ま
たは液晶パネルのセルギャップを維持するための柱状ス
ペーサーを形成するのに適している。
【0134】上記アルカリ可溶性ポリアリレートの中で
も、前記式1で表されるビスフェノール残基に含まれる
芳香環のフェノール性水酸基だった位置に対してオルト
位にメチル基、エチル基又はハロゲン原子が置換してい
るものは、特に黄変を生じ難いので、カラーフィルター
の着色層及び保護膜を形成するのに非常に適している。
【0135】また、本発明によれば、必須構成単位とし
て少なくとも前記式3で表されるビスフェノール残基と
前記式4で表されるテレフタル酸残基とが相互に連結し
た分子構造を有する原料ポリアリレートと、脂肪族二塩
基酸無水物又はオキサリルジクロリドとを、金属塩化物
及び/又は縮合剤の共存下で反応させる方法や、同原料
ポリアリレートと、クロロ硫酸、三酸化硫黄、及び三酸
化硫黄錯体からなる群から選ばれる化合物とを反応させ
る方法により、上記のアルカリ可溶性ポリアリレートを
効率よく製造することができる。
【0136】また、本発明により提供される感光性樹脂
組成物は、前記アルカリ可溶性ポリアリレート、及び、
2官能以上のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合
物を必須成分として含有し、必要に応じて光重合開始剤
を配合してなるものである。
【0137】本発明の感光性樹脂組成物は、メインポリ
マーであるアルカリ可溶性ポリアリレートが、皮膜強
度、透明性、耐熱性及び寸法安定性等の諸物性に優れる
と共にアルカリ可溶性を有しているので、露光後にアル
カリ現像を行ってパターンを形成することが可能であ
り、フォトリソグラフィーによりカラーフィルターの着
色層、保護膜または液晶パネルのセルギャップを形成す
るのに適している。特に、メインポリマーであるアルカ
リ可溶性ポリアリレートは、透明性に優れ、黄変を生じ
難いことから、保護膜や画素部を形成するのに適してお
り、画素部の中では黄変による影響が大きい青色画素部
の経年劣化を防止する効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶パネルの一例についての模式的断面図であ
る。
【図2】液晶パネルの別の例についての模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
1…カラーフィルター 2…電極基板 3…間隙部 4…シール材 5…透明基板 6…ブラックマトリックス層 7(7R、7G、7B)…着色層 8…保護膜 9…透明電極膜 10…配向膜 11…パール 12…柱状スペーサー
フロントページの続き (72)発明者 瀬賀 俊介 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 古川 稔 千葉県四街道市美しが丘3丁目6番21号 Fターム(参考) 4J029 AA06 AB01 AD10 AE01 BB13A BB13B BE04 BF13 BH02 CB06A CB06B DB07 DB13 KH01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須構成単位として少なくとも下記式1
    で表されるビスフェノール残基と下記式2で表される芳
    香族ジカルボン酸残基とが相互に連結した分子構造を有
    することを特徴とする、アルカリ可溶性ポリアリレー
    ト。 【化1】 【化2】 (式中、各R1は水素原子、メチル基、エチル基、ハロ
    ゲン原子、又は酸性基含有原子団を表し、それぞれ同じ
    であっても異なっていても良い。各R2は水素原子、又
    は酸性基含有原子団を表し、それぞれ同じであっても異
    なっていても良い。但し、複数の前記R1及び前記R2
    うち少なくとも一つは酸性基含有原子団である。Yは、
    炭素数1乃至20の炭化水素基、O、S、SO2及びC
    Oからなる群から選ばれる。)
  2. 【請求項2】 前記R1及び/又はR2としての酸性基含
    有原子団は、カルボキシル基、スルホン酸基、及び、カ
    ルボキシル基又はスルホン酸基を末端に有する原子団か
    らなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請
    求項1に記載のアルカリ可溶性ポリアリレート。
  3. 【請求項3】 前記式1の各R1は、メチル基、エチル
    基又はハロゲン原子であって、それぞれ同じであっても
    異なっていても良いことを特徴とする、請求項1又は2
    に記載のアルカリ可溶性ポリアリレート。
  4. 【請求項4】 必須構成単位として少なくとも下記式3
    で表されるビスフェノール残基と下記式4で表されるテ
    レフタル酸残基とが相互に連結した分子構造を有する原
    料ポリアリレートと、脂肪族二塩基酸無水物とを、金属
    塩化物及び/又は縮合剤の共存下で反応させることを特
    徴とする、アルカリ可溶性ポリアリレートの製造方法。 【化3】 【化4】 (式中、各R1は水素原子、メチル基、エチル基又はハ
    ロゲン原子を表し、それぞれ同じであっても異なってい
    ても良い。Yは、炭素数1乃至20の炭化水素基、O、
    S、SO2及びCOからなる群から選ばれる。)
  5. 【請求項5】 前記脂肪族二塩基酸無水物が、コハク酸
    無水物であることを特徴とする、請求項4に記載のアル
    カリ可溶性ポリアリレートの製造方法。
  6. 【請求項6】 必須構成単位として少なくとも下記式3
    で表されるビスフェノール残基と下記式4で表されるテ
    レフタル酸残基とが相互に連結した分子構造を有する原
    料ポリアリレートと、オキサリルジクロリドとを、金属
    塩化物及び/又は縮合剤の共存下で反応させることを特
    徴とする、アルカリ可溶性ポリアリレートの製造方法。 【化5】 【化6】 (式中、各R1は水素原子、メチル基、エチル基又はハ
    ロゲン原子を表し、それぞれ同じであっても異なってい
    ても良い。Yは、炭素数1乃至20の炭化水素基、O、
    S、SO2及びCOからなる群から選ばれる。)
  7. 【請求項7】 前記金属塩化物として、塩化アルミニウ
    ムを用いることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに
    記載のアルカリ可溶性ポリアリレートの製造方法。
  8. 【請求項8】 必須構成単位として少なくとも下記式3
    で表されるビスフェノール残基と下記式4で表されるテ
    レフタル酸残基とが相互に連結した分子構造を有する原
    料ポリアリレートと、クロロ硫酸、三酸化硫黄、及び三
    酸化硫黄錯体からなる群から選ばれる化合物とを反応さ
    せることを特徴とする、アルカリ可溶性ポリアリレート
    の製造方法。 【化7】 【化8】 (式中、各R1は水素原子、メチル基、エチル基又はハ
    ロゲン原子を表し、それぞれ同じであっても異なってい
    ても良い。Yは、炭素数1乃至20の炭化水素基、O、
    S、SO2及びCOからなる群から選ばれる。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242712A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Unitika Ltd ポリアリレートおよびその製造方法
JP2009242589A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Unitika Ltd 被膜形成用樹脂

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