JP5144051B2 - 被膜形成用樹脂 - Google Patents
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Description
[1] 一般式(3)、一般式(4)または一般式(5)で示されるビスフェノール残基、および2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン残基が含まれるポリアリレートであって、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン残基の量が、全二価フェノール残基に対してモル分率で20%を超えることを特徴とする請求項1に記載のポリアリレート。
[2]温度25℃において、濃度5質量%でN−メチルピロリドンへ溶解することを特徴とする[1]に記載のポリアリレート。
[3][1]または[2]に記載のポリアリレートを有機溶剤に溶解したコート液。
[4][1]または[2]に記載のポリアリレートが基材上に積層されてなるポリアリレート膜積層体。
その他、脂肪族カルボン酸として、ジカルボキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸などの残基が含まれていても構わない。
ポリアリレート10質量部、NMPを90質量部加え、25℃室温で攪拌溶解することにより、ポリマー濃度10質量%のポリマー溶液を得た。次に、このポリマー溶液を基材として各種基板にコーティングした。基材は表面を予めアセトンで脱脂した上で、安田精機社製フィルム製膜機542−ABにセットし、ベーカー式アプリケーターで溶液を基材表面に厚み40μmで塗布した。用いた基材は次の通り:軟アルミ箔(住軽アルミ箔社、厚み80μm)、一般構造用圧延ステンレス(ニラコ社)、電解銅箔(福田金属社)のマット面。この際、温度15℃、湿度30%RHに保たれたクリーンルーム内で作業を行った。塗布した溶液を室温にて10分間風乾し、90℃で3分間の予備乾燥を行った。その後、150℃で10分間の本乾燥を行い、基材上に厚さが4μmの透明な乾燥被膜を形成させた。
その後、カッターナイフを用いて、基材に達する深さで被膜に切れ目を入れた。切れ目は長さ10mm、間隔1mmで格子状に入れ、100個の升目をつけた。このようにして準備したカット面に、ニチバン社製セロハンテープ(登録商標)(幅12mm)を貼り、上からこすりつけて十分貼り付けた後、基板から90°の角度で上方に引き剥がした。このようにテープ剥離した試料の被膜の状態を目視して、剥離した升目の数を確認した(最大100、最小0)。この個数が小さいほど密着性に優れている。
5gのポリマーを95gのNMPが入ったフラスコに入れ、25℃に保ちながら攪拌し、2時間後の状態を目視観察した。実施例、比較例いずれにおいても完全に溶解していた。
ポリマーを塩化メチレンに溶解して15質量%溶液を作成し、これをポリエステル基材上に流延塗布した。得られたフィルムを自然乾燥後にポリエステル基材から剥離し、120℃にて5時間乾燥し、厚さ100μmのフィルムを得た。次に、このフィルムを3cm×6cmに切り出し、質量を測定して試料とした。この試料を30質量%の水酸化ナトリウム水溶液にオイルバス中60℃で120時間浸漬した。その後、フィルム形状として残存している試料を水洗・乾燥して、質量を測定した。このときのアルカリ溶液浸漬前後における質量減少率を下記式のように算出しアルカリ分解性の評価基準とした。減少率の大きいものほどポリマー膜の加工性に優れていると判断し、65質量%以上であれば合格とした。
質量減少率(%)={(アルカリ溶液浸漬前の質量−アルカリ溶液浸漬後の質量)/アルカリ溶液浸漬前の質量}×100
上記(3)で作製したフィルムを試料とし、日本電色工業株式会社製濁度計を用いて全光線透過率(%)を測定した。
ガラス転移温度ポリアリレート樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製DSC7)を用いて昇温速度20℃/分の条件で測定を行い、得られた昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点の温度の中間値を求め、これをガラス転移温度とした。
溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタンを用い、樹脂濃度1g/dlの溶液を調製し、温度25℃でインヘレント粘度の測定を行った。
攪拌装置を備えた反応容器中に、二価フェノール成分として2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン62.9質量部、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン62.9質量部、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)3.0質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム43.1質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(BTBAC)1.10質量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.5質量部を仕込み、水4000質量部に溶解した(水相)。また、これとは別に、塩化メチレン2000質量部に、テレフタル酸クロライド52.1質量部と、イソフタル酸クロライド52.1質量部を溶解した(有機相)。この有機相を、先に調製した水相中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間重合反応を行った。この後酢酸を添加して反応を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させ、分離・乾燥後、ポリアリレート樹脂P−1を得た。得られたポリアリレートP−1を1H−NMRにて、組成分析をおこなったところ、フェノール成分である2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン残基とビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン残基とのモル比率は50:50であった。またインヘレント粘度は0.42であった。
二価フェノールとして2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン37.7質量部、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン88.1質量部、p−tert−ブチルフェノール3.0質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム43.1質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド1.10質量部、ジカルボン酸としてテレフタル酸クロライド52.1質量部と、イソフタル酸クロライド52.1質量部を用いた以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリアリレート樹脂P−2を得た。インヘレント粘度は0.49であった。
二価フェノールとして2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン52.1質量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン71.3質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム44.6質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド1.13質量部、ジカルボン酸としてテレフタル酸クロライド53.9質量部と、イソフタル酸クロライド53.9質量部を用いる以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリアリレート樹脂P−3を得た。インヘレント粘度は0.47であった。
二価フェノールとして2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン44.8質量部、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン101.5質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム30.4質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド0.77質量部、ジカルボン酸としてテレフタル酸クロライド36.8質量部と、イソフタル酸クロライド36.8質量部を用いる以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリアリレート樹脂P−4を得た。インヘレント粘度は0.39であった。
二価フェノールとしてビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン127.7質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム43.1質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド1.1質量部、ジカルボン酸としてテレフタル酸クロライド52.1質量部、イソフタル酸クロライド52.1質量部を用いる以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリアリレート樹脂P−7を得た。得られたポリマーは1,1,2,2−テトラクロロエタン、NMPおよび塩化メチレンに溶解しなかった。
二価フェノールとしてビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン37.3質量部、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン89.2質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム60.8質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド1.1質量部、ジカルボン酸としてテレフタル酸クロライド51.5質量部と、イソフタル酸クロライド51.5質量部を用いる以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリアリレート樹脂P−8を得た。インヘレント粘度は0.56であった。
二価フェノールとして2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン121.8質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム45.7質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド1.2質量部、ジカルボン酸としてテレフタル酸クロライド55.2質量部、イソフタル酸クロライド55.2質量部を用いる以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリアリレート樹脂P−9を得た。インヘレント粘度は0.86であった。
二価フェノールとして2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン37.3質量部、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン89.2質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム60.8質量部、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド1.1質量部、ジカルボン酸としてテレフタル酸クロライド51.5質量部と、イソフタル酸クロライド51.5質量部を用いる以外は製造例1と同様に重合を行い、ポリアリレート樹脂P−5を得た。インヘレント粘度は0.45であった。
IPA:イソフタル酸残基
TPA:テレフタル酸残基
24BPS:2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン残基
BPS:ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン残基
BPA:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン残基
TBS:ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン残基
TMF:ビス( 3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン残基
Claims (4)
- 一般式(3)、一般式(4)または一般式(5)で示されるビスフェノール残基、および2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン残基が含まれるポリアリレートであって、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン残基の量が、全二価フェノール残基に対してモル分率で20%を超えることを特徴とするポリアリレート。
- 温度25℃において、濃度5質量%でN−メチルピロリドンへ溶解することを特徴とする請求項1に記載のポリアリレート。
- 請求項1または2に記載のポリアリレートを有機溶剤に溶解したコート液。
- 請求項1または2に記載のポリアリレートが基材上に積層されてなるポリアリレート膜積層体。
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